JPH0616198Y2 - ノンリ−ク管継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、接続部からのリークのない管継手に関するも
のであり、特に詳しくは、超高真空利用の装置に好適な
管継手に関するものである。

［従来の技術］ 従来公知の管継手は、チューブを有する一対のフランジ
と、ガスケットと、上記フランジの一方に螺合する袋ナ
ットとを備え、袋ナットのフランジへの螺合によるフラ
ンジの加圧によりフランジ間のガスケットを挟圧して接
続部をシールしている。

この公知の管継手は、一対のフランジ並びに袋ナットと
ガスケットの各当接面の仕上げを極力向上させても、袋
ナットの螺合時にガスケットに微細な回転歪を生ずるこ
とが避けられないため、この歪がリークの原因となり、
また、初期の螺合時はリークしなくても、分解して再度
組付けると残留歪によってリークすることがある。

したがって、上記公知の管継手は、質量分析計（ヘリウ
ムリークディテクタ）によっても検出できない高度のシ
ール性能が要求される超高真空利用の装置の要求に応ず
ることができなかった。

また、一対のフランジの対向面に周方向の凸部と凹部を
設け、この凸部と凹部の嵌合によって袋ナットの螺合に
よるガスケットの回転歪をなくした管継手が、実開昭57
-94784号公報によって提案されている。

しかしながら、この既提案の管継手は、一対のフランジ
の対向面に設けた凸部と凹部の加工が面倒であって、高
価になるという問題がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、リークがなくしかも
安価な管継手を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案のノンリーク継手は、
チューブを有する一対のフランジと、ガスケットと、上
記フランジの一方に螺合する袋ナットとを備え、上記袋
ナットのフランジへの螺合によりフランジ間のガスケッ
トを挟圧して接続部をシールする管継手において、上記
フランジの一方が、フランジの他方が挿入される凹部
と、該凹部の周壁の端面に形設した両端が周壁の内外面
に開口する径方向の係合溝とを備え、上記フランジの他
方と袋ナットの間に、上記係合溝に嵌入する係合片を有
するプレートを設けたことを特徴としている。

［作用］ フランジの一方に袋ナットを螺合すると、ガスケットが
一対のフランジにより挟圧されて接続部をシールする。

この場合、袋ナットの螺合のより他方のフランジに回転
力が作用するが、袋ナットと他方のフランジとの間に設
けたプレートが係合溝に係合して回転しないので、フラ
ンジ及びガスケットには軸方向の推力のみが作用する。

したがって、フランジ及びガスケットの回転に基因する
リークを防止できるばかりでなく、残留歪もないので、
再度の組付けによるリークも防止することができる。

また、フランジ及びガスケットの回転を防止するための
係合溝と係合片の加工が極めて容易である。

［実施例］ 第１図ないし第３図は本考案の実施例を示し、このノン
リーク管継手は、雄フランジ１、該雄フランジに螺合す
る袋ナット２、雄フランジ１に挿入されるフランジ３、
フランジ1,3と袋ナット２間プレート４，及びフランジ
1,3により挟圧されるガスケット５を備えている。

上記雄フランジ１は、一端に溶接または一体成形された
チューブ７と、他端に形成された凹部1a底面の上記ガス
ケット５が装着される溝８と、該凹部1aの周壁９の端面
の両端が周壁９の内外面に開口する径方向の係合溝1b,1
bとを備え、チューブ側の基部10が六角形をなし、外周
に雄ねじが刻設されている。

フランジ３は、一端に溶接または一体成形されたチュー
ブ12を有し、凹部1aに挿入される端面に上記溝８と同一
の溝８が形設されており、プレート４は、凹部1aに挿入
可能な外径を備え、外周に上記係合溝1b,1bに嵌入係合
する係合片4a,4aが形設されている。

そして、上記フランジ1,3及びプレート４は、袋ナット
２の雄フランジ１への螺合の前後において、プレート４
がフランジ３に当接するとともに、係合片4aの4aが係合
溝1b,1bに係合するように関係づけられている。

なお、組付け時におけるプレート４の脱落を防止するた
めに、第４図に示すようにばね片14,14を一体に形設し
てもよく、或いは第５図に示すように、孔の周縁に複数
の切欠き15，……によって係止片を形設し、これをチュ
ーブ12の基部に設けた溝（図示省略）に係止させてもよ
い。

上記ガスケット５は、断面円形をなし、内側にスプリン
グを有し、表面を鏡面仕上げしたジャケットによりシー
ルした、ヘリコレックスと呼ばれるもので構成されてい
るが、Ｃリングにすることもできる。

袋ナット２は、上記チューブ12に遊挿する孔を有する頂
壁と、雄フランジ１のねじに螺合する雌ねじが刻設され
た外形六角形の周壁を有する通常の袋ナットで構成され
ている。

そして、袋ナット２の頂壁内面、雄フランジ１のガスケ
ット５との当接面、フランジ３及びプレート４の両面に
は、鏡面仕上げ等の低摩擦処理が施されている。

上記実施例は、雄フランジ１の溝８にガスケット５を、
凹部1aにフランジ３をそれぞれ挿入し、プレート４の係
合片4a,4aを雄フランジ１の係合溝1b,1bに嵌入し、雄フ
ランジ１の基部10を保持して袋ナット２を螺合すること
により、フランジ1,3がガスケット５を挟圧して接続部
をシールする。

この場合、袋ナット２の雄フランジ１への螺合により、
プレート４に回転力と軸方向推力とが作用するが、プレ
ート４の係止片4a,4aが係合溝1b,1bに係合して回転しな
いために、フランジ３には軸方向の推力のみが作用す
る。

したがって、ガスケット５に回転力が伝達されないの
で、超高真空下におけるガスケットの微細な回転歪によ
るリーク及び残留歪によるリークを防止することができ
る。

また、上記係合溝1b,1bを、周壁９の端面においてその
内外面に開口する溝によって形成するとともに、この係
合溝1b,1bに係合する係合片4a,4aをプレート４に設けた
ので、これらの加工が極めて容易で、リークを防止でき
る管継手を安価なものにすることができる。

［考案の効果］ 本考案の管継手は、係合溝とプレートの係合片との係合
によって、袋ナットの螺合により生ずる回転力がフラン
ジに伝達されないため、ガスケットに微細な回転歪や残
留割を生じないので、管継手のリークを完全に防止する
ことができる。

また、周壁端面の内外面に開口する係合溝と、プレート
に設けた係合片の加工が極めて容易であり、かつフラン
ジと別体のプレートに係合片を設けたことによって材料
の無駄もないから、リークを完全に防止できる管継手
を、安価なものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断正面図、第
２図は雄フランジの平面図、第３図はプレートの平面
図、第４図及び第５図はプレートの変形例の平面図であ
る。 １……雄フランジ、１ａ……凹部、 １ｂ……係合溝、２……袋ナット、 ３……フランジ、４……プレート、 4a……係合片、５……ガスケット、 ７，12……チューブ、９……周壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】チューブを有する一対のフランジと、ガス
   ケットと、上記フランジの一方に螺合する袋ナットとを
   備え、上記袋ナットのフランジへの螺合によりフランジ
   間のガスケットを挟圧して接続部をシールする管継手に
   おいて、 上記フランジの一方が、フランジの他方が挿入される凹
   部と、該凹部の周壁の端面に形設した両端が周壁の内外
   面に開口する径方向の係合溝とを備え、 上記フランジの他方と袋ナットの間に、上記係合溝に嵌
   入する係合片を有するプレートを設けた、 ことを特徴とするノンリーク管継手。