JPH06129387A - 横流ファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 騒音レベルを低減できる横流ファンを提供す
る。 【構成】 この横流ファンは、複数の前向きに湾曲した
円弧翼１を有する羽根車２を備える横流ファンにおい
て、羽根車２の円弧翼１をランダムなピッチ角α１,α
２,α３…で周方向に配列し、かつ、羽根車２を回転軸
方向に複数個配列し、かつ、複数の羽根車２を周方向に
１°乃至４°ずつ位置ずれさせた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機等に用いら
れる横流ファンに関し、特に、騒音レベルを低減できる
横流ファンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の横流ファンとしては、図
３に示すように、羽根車３０の円弧翼３１,３１…を等
しいピッチ角β,β…で配列し、かつ、図４に示すよう
に、羽根車３０を回転軸方向に複数個千鳥配列して、回
転軸方向の１つ置きの羽根車３０の円弧翼３１の周方向
の位相が同一になるようにしたものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の横流ファンでは、１秒当たりのファン回転数Ｎと円
弧翼の枚数Ｚとの積ＮＺの周波数の音であるＮＺ音や、
上記積ＮＺの２倍の２ＮＺの周波数の音である２ＮＺ音
とが、他の周波数の音に比べて顕著に大きくなり、聴感
上耳ざわりな騒音を発生するという問題がある。この現
象の一例を、図７の音周波数スペクトラムに示す。さら
に、上記現象が、総合音としてのＡスケール音を大きく
する要因になるという問題がある。

【０００４】そこで、本発明の目的は、騒音レベルを低
減できる横流ファンを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の横流ファンは、複数の前向きに湾曲した
円弧翼を有する羽根車を備える横流ファンにおいて、上
記羽根車の円弧翼をランダムなピッチ角で周方向に配列
し、かつ、上記羽根車を回転軸方向に複数個配列し、か
つ、上記複数の羽根車を周方向に１°乃至４°ずつ位置
ずれさせたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、風量を横軸にとりＮＺ音お
よび２ＮＺ音の音圧レベルを縦軸にとった図５(Ａ)に示
すように、同一の送風量であれば、△印を破線でつない
だ特性(あ)が示す従来例の２ＮＺ音の音圧レベルに比べ
て、〇印を破線でつないだ特性(い)が示す本発明の横流
ファンの２ＮＺ音の音圧レベルが大幅に減少した。

【０００７】また、同じく図５(Ａ)に示すように、△印
を実線でつないだ特性(う)が示す従来例のＮＺ音の音圧
レベルに比べて、〇印を実線でつないだ特性(え)が示す
本発明の横流ファンのＮＺ音の音圧レベルが減少した。

【０００８】また、図５(Ｂ)に示すように、△印と実線
が表す特性(お)が示す従来例の送風音の音圧レベルに比
べて、〇印と実線が表す特性(か)が示す本発明の横流フ
ァンの送風音の音圧レベルが減少した。

【０００９】また、羽根車の円弧翼間のピッチ角をラン
ダムに配列した場合でも、複数の羽根車を周方向に１°
乃至４°ずつ位置ずれさせずに、周方向に３４°ずつ位
置ずれさせたスキュー角３４°の横流ファンでは、図８
(Ｂ)の音周波数スペクトラムに示すようにピーク音が発
生する。また、複数の羽根車を周方向に３６°ずつ位置
ずれさせたスキュー角３６°の横流ファンでは、図８
(Ｃ)に示すように、多くのピーク音が発生した。さら
に、図には示さないが、スキュー角５°の横流ファンに
おいても２ＮＺ音のピーク音が発生した。

【００１０】これに対し、複数の羽根車を周方向に２°
ずつ位置ずれさせた本発明のスキュー角２°の横流ファ
ンによれば、図８(Ａ)に示すように、図８(Ｂ)や図８
(Ｃ)に示したピーク音を解消することができた。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。

【００１２】図１に示すように、この実施例の横流ファ
ンは、複数の前向きに湾曲した円弧翼１,１…を有する
羽根車２を備え、上記羽根車２の円弧翼１を、ランダム
なピッチ角α１,α２,α３…で周方向に配列している。

【００１３】また、図２に示すように、上記羽根車２を
回転軸方向に複数個配列し、かつ、上記複数の羽根車
２,２…を周方向に１°乃至４°ずつ位置ずれさせてい
る。

【００１４】上記実施例と従来例との比較騒音テストの
結果を図５に示す。

【００１５】まず、風量を横軸にとりＮＺ音および２Ｎ
Ｚ音の音圧レベルを縦軸にとった図５(Ａ)に示すよう
に、同一の送風量であれば、△印を破線でつないだ特性
(あ)が示す従来例の２ＮＺ音の音圧レベルに比べて、〇
印を破線でつないだ特性(い)が示す本発明の横流ファン
の２ＮＺ音の音圧レベルが大幅に減少した(最大８dＢ減
少)。

【００１６】また、同じく図５(Ａ)に示すように、△印
を実線でつないだ特性(う)が示す従来例のＮＺ音の音圧
レベルに比べて、〇印を実線でつないだ特性(え)が示す
本発明の横流ファンのＮＺ音の音圧レベルが減少した。

【００１７】また、図５(Ｂ)に示すように、△印と実線
が表す特性(お)が示す従来例の送風音の音圧レベルに比
べて、〇印と実線が表す特性(か)が示す本発明の横流フ
ァンの送風音の音圧レベルが約２dＢ減少した。

【００１８】また、図６に示す上記実施例の音圧レベル
の周波数特性を、図７に示す従来例の周波数特性と比較
すればわかるように、周波数２ＮＺにおける音圧レベル
の突出を略完全に解消することができた。

【００１９】このように、上記実施例によれば、送風特
性を劣化させることなく、ピーク音を低減できるので、
大幅な低騒音化を実現できる。

【００２０】

【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の横流
ファンは、羽根車の円弧翼をランダムなピッチ角で周方
向に配列し、かつ、上記羽根車を回転軸方向に複数個配
列し、かつ、上記複数の羽根車を周方向に１°乃至４°
ずつ位置ずれさせたので、上記ピッチ角が等しい従来例
や、上記羽根車を周方向に４°を越えて位置ずれさせた
ものに比べて、ピーク音を低減でき、大幅な低騒音化を
実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の横流ファンの実施例の円弧翼の配列
を示す図である。

【図２】 上記実施例の構造を簡単に示す斜視図であ
る。

【図３】 従来例の横流ファンの円弧翼の配列を示す図
である。

【図４】 上記従来例の構造を簡単に示す斜視図であ
る。

【図５】 上記実施例と従来例の騒音特性を示す図であ
る。

【図６】 上記実施例の音圧レベルの周波数スペクトル
を示す図である。

【図７】 上記従来例の音圧レベルの周波数スペクトル
を示す図である。

【図８】 羽根車のスキュー角を２°,３４°,３６°に
した場合の音圧レベルの周波数スペクトルを示す図であ
る。

【符号の説明】

１…円弧翼、２…羽根車。

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【手続補正書】

【提出日】平成４年１０月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の前向きに湾曲した円弧翼を有する
   羽根車を備える横流ファンにおいて、 上記羽根車の円弧翼をランダムなピッチ角で周方向に配
   列し、かつ、上記羽根車を回転軸方向に複数個配列し、
   かつ、上記複数の羽根車を周方向に１°乃至４°ずつ位
   置ずれさせたことを特徴とする横流ファン。