JPH059454U - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】食器洗浄機本体の左右側部に上下円周方向に同
時に開閉する開閉蓋を設けることによって、操作性及び
作業性を改善し、食器洗浄機本体の上方を開放空間と
し、食器を収納するかごの幅が食器洗浄機本体の幅に比
して大きくできる食器洗浄機を提供する。 【構成】洗浄機本体２の下部あるいは下部と上部とに洗
浄水とすすぎ水を噴出する噴出手段３，４が配置され、
中部に食器を収納したかごＫが側方より配入される食器
洗浄機１において、かごＫが出し入れされる左右側部
に、洗浄機本体２の左右方向中央部に前後にむけて設け
られた回動可能な軸５，６に取着され、これらの軸５，
６を中心に上下円周方向に回動して開閉する開閉扉７，
８が設けられているものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は食器洗浄機に係り、ホテルやレストラン等で使用される食器洗浄機 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の食器洗浄機としては、実開昭６１ー１５１６５７号公報に開示されたも のがある。 これは、図６に示すように、食器洗浄機本体ａの下部に洗浄水とすすぎ水を噴 出する噴出手段（図示せず）が配置され、中部に食器ｂを収納したかごc が配入 されるようになっており、配入されたかごの上部に上下に移動して開閉する蓋d が設けられているものである。 そして、かごc を出し入れするときは、この蓋d を上方に向けて持ち上げ、か ごc に収納された食器b を洗浄するときには、この蓋d を下方に向けて降ろして 、この蓋d でかごc 及び食器b を覆った状態で前記した洗浄水とすすぎ水とでか ごc 内の食器b を洗浄していた。

【０００３】 上記食器洗浄機には、後記の如き欠点があり、その欠点を解消するべく考案さ れた食器洗浄機として図７に示す食器洗浄機がある。 この食器洗浄機は、食器洗浄機本体ａの下部及び又は上部に洗浄水とすすぎ水 を噴出する噴出手段（図示せず）が配置され、中部に食器を収納したかごが配入 されるようになっており、食器洗浄機本体ａの両側部に開閉する蓋d1、d2が設け られているものである。 そして、かごを出し入れするときは、先ずこの蓋d1を上方に向けて持ち上げ、 かごを収納し、食器を洗浄するときには、この蓋d1を下方に向けて降ろして閉じ 、洗浄後は蓋d2を開けて、かごを取り出すという様に蓋d1、d2を交互に開閉して 、作業をしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

図６示の従来例では、蓋を上下に移動して開閉する構造となっていたために、 レストラン等の厨房において、蓋d を上下に開閉できるだけの高さを必要とする といった問題があった。 このために食器洗浄機の上方に設けられる棚の高さが必要以上に高くなるある いは食器洗浄機の上方空間は使用できないデッドスペースとなるといった問題が あった。

【０００５】 そこで、図６示の従来例の食器洗浄機の上方空間は使用できないデッドスペー スとなるといった問題を解消すべく考案された図７示の食器洗浄機は、食器洗浄 機本体ａの両側部に蓋d1、d2が設けられたから食器洗浄機の上方空間のデッドス ペース化という問題は解決したが、別の問題を招来した。 即ち、図７示の食器洗浄機は、食器を収納したかごの配入時に食器洗浄機本体 の配入側の側部の蓋を開き、洗浄に際しこの蓋を閉め、洗浄した食器を取り出す には、取り出し側の蓋を開けて、かごを取り出し、取り出し後は、この取り出し 側の蓋を閉じ、次の作業を行うには、この操作を反復していた。 つまり、一のかごの食器洗浄に二つの蓋の開閉が必要で操作が煩雑である欠点 があった。

【０００６】 更に、取り出し側の蓋を閉じた後、内部を確認せずに、かごが食器洗浄機内に 収納されているとして、誤って操作者が洗浄を開始する等の空洗浄もあるといっ た問題もあった。 その為、このタイプの食器洗浄機には、内部を確認せずに、洗浄を開始しても 空洗浄にならないように、一の蓋の近傍にリミットスイッチを設けて、作業の流 れ方向を特定方向に限定し、特定一方向の蓋をあけ、この方向からかごを挿入し て、このかごがリミットスイッチに当接して始めて、洗浄が開始できるべく改善 されているものもある。 しかし、この改善型食器洗浄機は作業が特定方向からしかおこなえない為、空 洗浄がなくなる反面、設置場所の制限や作業方向の制限等、作業性におとる欠点 があった。

【０００７】 また、この改善型食器洗浄機の欠点を改善する為、両方の蓋の近傍にリミット スイッチを設ける食器洗浄機や、蓋の近傍にセンサーをつけて、かごを検知する 食器洗浄機も提案されているが、両方の蓋の近傍にリミットスイッチを設ける食 器洗浄機は内部確認の為に蓋を少し開けしめするだけで洗浄機構が作動し、洗い 終わったかごを確認しようとして蓋を少し開けて中を覗いて蓋を閉めると洗浄が 終わったかごでも再度洗浄が開始されるという問題があり、センサーをつけた食 器洗浄機は装置が大掛かりとなる、センサーにかごを検知させる為、センサー方 向からかごを挿入する必要がある等の欠点があった。

【０００８】 また、上記食器洗浄機全てに共通する問題として、かご内の食器を洗浄すると きに、蓋を閉めてこのかごを蓋で覆って洗浄しなくてはならないために、かごの 幅が蓋或いは食器本体の幅より小さいものとなり、かご内に収納する食器の大き さ及び数がかごの幅に規制されて、限定される問題があった。 加えて作業終了後は、蓋を開放して食器洗浄機を静置するのが通常であるから 、蓋を開放した食器洗浄機の静置状態での空間占有容積もできるだけ小さいのが 望ましい。

【０００９】 この考案の課題は、上記従来の図6 示の食器洗浄機の欠点及び図7 示の食器洗 浄機の欠点を同時に解消し、更に図7 示の食器洗浄機の改良型のタイプの食器洗 浄機の欠点を悉く同時に解消、解決することにある。 すなわち、食器洗浄機本体の左右側部に上下円周方向に開閉する開閉蓋を設け ることによって、洗浄機本体の上方を空き空間とし、しかも開閉蓋は一方を開く と他方も同時に開くので作業性にすぐれ、同時にかごの配入、取り出し時に左右 の開閉蓋は同時に開くので食器洗浄機の内部が一目で確認できる空洗浄や重複洗 浄を防止でき、更には、食器を収納するかごの幅を食器洗浄機に比較してできる だけ大きなかごを使用でき、従って相対的に数の多い食器が一度に洗浄すること ができ、しかも蓋を開放した食器洗浄機の静置状態での空間占有容積も小さい食 器洗浄機を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記課題を解決するために、食器洗浄機本体の下部及び／又は上 部に洗浄水とすすぎ水を噴出する噴出手段が配置され、中部に食器を収納したか ごが側方より配入される食器洗浄機において、前記かごが出し入れされる左右側 部に、食器洗浄機本体の左右方向中央部に前後にむけて設けられた回動可能な軸 に取着され、この軸を中心に上下円周方向に回動して開閉する開閉扉が設けられ ているものとした。 更に、前記軸の部分に、左右の開閉扉を同時に一体開閉する回転伝達手段が設 けられているものとした。

【００１１】

【作用】

開閉扉が上下円周方向に回動して開閉されるので、食器洗浄機本体の上方に開 閉扉を開閉するためのスペースを必要以上に設ける必要がない。 左右の開閉扉を同時に一体開閉する回転伝達手段が設けられているから、扉の 開閉作業が、一回の洗浄に一回の操作でよく作業性が良い。 しかも、開閉扉が上下円周方向に開閉するので、ただ単に上下に開閉する扉に 比べて、開閉扉を開けた状態では食器洗浄機の容積は小さいに比して、開閉扉を 閉めた状態では、食器洗浄用の内部空間が大きくなる。 このことによって、相対的に大きなかご使用でき、かご内に収納される食器の 数が多く洗浄することができる。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案に係る食器洗浄機の実施例について、図面に基づいて説明する 。 図１はこの考案に係る食器洗浄機の一実施例を示す正面図、図２は図１の食器 洗浄機における開閉扉が閉まった状態を示す要部の拡大断面図、図３は図１の食 器洗浄機における開閉扉が開いた状態を示す要部の拡大断面図、図４は図１の食 器洗浄機における拡大平面断面図、図５は図１の食器洗浄機における回転伝達手 段を示すものであって、（ａ）は概略正面図、（ｂ）は概略平面図、（ｃ）は概 略底面図である。

【００１３】 この考案に係る食器洗浄機１は、図１乃至図４示の如く、食器洗浄機本体２の 下部及び／上部に洗浄水とすすぎ水を噴出する噴出手段３，４が配置され、中部 に食器を収納したかごＫが側方より配入されるようになっている。 そして、かごＫが出し入れされる左右側部に、食器洗浄機本体２の左右方向中 央部に前後に向けて設けられた回動可能な軸５，６に取着され、これらの軸５， ６を中心に上下円周方向に回動して開閉する開閉扉７，８が設けられている。

【００１４】 更に、軸５，６の部分に、左右の開閉扉７，８を同時に一体開閉する回転伝達 手段９が設けられている。 食器洗浄機本体２の前後側部すなわち開閉扉７，８の前後位置から上部にかけ てはボンネット１０が設けられている。 この実施例における食器洗浄機１には、食器洗浄機本体２の上部と下部に洗浄 水を噴出するノズルからなる噴出手段３，３が配置されるとともに、下部にすす ぎ水を噴出するノズルからなる噴出手段４，４が配置されている。 これらの噴出手段３，４は、回転しながら洗浄水とすすぎ水とを噴出するよう に構成されている。 食器洗浄機本体２の下部に配置されたノズルからなる洗浄水噴出手段３は、洗 浄ポンプ１１に連通され，すすぎ水噴出手段４はすすぎ水ポンプ（図外）に連通 されている。 この洗浄ポンプ１１にはストレーナ１２が設けられている。

【００１５】 ボンネット１０内の開閉扉７，８より内側には、食器洗浄機本体２の前後側部 から上部にかけて防水カバー１３が配されている。 この防水カバー１３は、噴出水が外部に漏れるのを防ぐものである。 開閉扉７，８は、側面視略円弧形状をなしており、その下端近傍箇所に把手１ ４，１４が設けられている。 回転伝達手段９は、図５に示す構成となっている。 すなわち、軸５，６にそれぞれ２個の主歯車１５，１６が回動自由に取付けら れていて、これらの主歯車１５，１６に開閉扉７，８の中央端部がそれぞれ取着 されている。 更に、これらの主歯車１５，１６の下方に互いに噛み合う２個の伝達歯車１７ ，１８が前後に配されている。 そして、一方の伝達歯車１７に一方の主歯車１５が噛み合っていて、他方の伝 達歯車１８に他方の主歯車１６が噛み合っている。 一方の開閉扉７を上向きに開くと、一方の主歯車１５が時計方向に回転される と、これに噛み合う一方の伝達歯車１７が反時計方向に回転される。 そして、この一方の伝達歯車１７に噛み合う他方の伝達歯車１８が時計方向に 回転され、更にこの他方の伝達歯車１８に噛み合う他方の主歯車１６が反時計方 向に回転されるので、この他方の主歯車１６に取着された他方の開閉扉８が上向 きに開かれる。 開閉扉７，８は開いた状態では、図３に示すように内外位置で交差するように 構成されている。

【００１６】 次にこの考案に係る食器洗浄機１の作用について説明する。 まず、図３に示すように、開閉扉７，８を上向きに開いた状態で食器（図示せ ず）を収納したかごＫを食器洗浄機本体２の中部に配入してセットする。 次に、図２に示すように、開閉扉７，８を閉めて、噴出手段３，３から洗浄水 を噴出して、かごＫ内の食器を洗浄する。 その後に、もう一つのすすぎ水噴出手段４，４からすすぎ水を噴出して食器の すすぎを行う。 そして、食器の洗浄、すすぎが終わった後に、開閉扉７，８を開けて、かごを 取り出す。

【００１７】 上記したように、開閉扉７，８が上下円周方向に回動して開閉されるので、食 器洗浄機本体２の上方に開閉扉７，８を開閉するための高さを必要以上に設ける 必要がない。 しかも、開閉扉７，８が上下円周方向に開閉するので、図２に示すように開閉 扉７，８を閉めた状態では、開閉扉７，８間の洗浄スペースがボンネット１０の 幅より大きくなる。 このことによって、開閉扉７，８で覆われるかごＫの幅が洗浄機本体幅よりも 大きくてして、配入することができる。 したがって、かごＫ内に収納される食器の大きさが相対的に大きく又数も相対 的に多く一度に洗浄することができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案は、食器洗浄機本体の下部及び／又はあるいは 上部に洗浄水とすすぎ水を噴出する噴出手段が配置され、中部に食器を収納した かごが側方より配入される食器洗浄機において、前記かごが出し入れされる左右 側部に、食器洗浄機本体の左右方向中央部に前後に向けて設けられた回動可能な 軸に取着され、この軸を中心に上下円周方向に回動して開閉する開閉扉が設けら れているものであるから、以下に述べる効果を奏する。 食器洗浄機本体の左右側部に上下円周方向に開閉する開閉蓋を設けたことによ って、洗浄機本体の上方に必要以上のスペースを必要とすることがなく、食器洗 浄機本体の上方に設けられる棚の高さを低い最適な高さとすることができる。 左右の開閉扉を同時に一体開閉する回転伝達手段が設けられているから、食器 を収納したかごの配入、取り出しに一回開閉扉を開ければ左右同時に開閉するの で、扉の開閉作業が、一回の洗浄に一回の操作でおこなえ作業性に優れる。 扉の開閉が左右同時に開閉するので、かごが洗浄機本体内に収納されているか いないか一目瞭然にわかるから、誤って操作者が洗浄を開始する等の空洗浄や重 複洗浄が、防止できる。 又、食器を収納するかごの幅が食器洗浄機本体の幅に比して大きなものでも配 入することができ、相対的に大きな食器や数を多く一度に洗浄することができる 。 しかも、蓋を開放した食器洗浄機の静置状態での空間占有容積も小さい食器洗 浄機となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る食器洗浄機の一実施例を示す正
面図である。

【図２】図１の食器洗浄機における開閉扉が閉まった状
態を示す要部の拡大断面図である。

【図３】図１の食器洗浄機における開閉扉が開いた状態
を示す要部の拡大断面図である。

【図４】図１の食器洗浄機における拡大平面断面図であ
る。

【図５】図１の食器洗浄機における回転伝達手段を示す
ものであって、（ａ）は概略正面図、（ｂ）は概略平面
図、（ｃ）は概略底面図である。

【図６】従来の食器洗浄機の一例を示す斜視図である。

【図７】従来の食器洗浄機の他の例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

Ｋ かご １ 食器洗浄器 ２ 食器洗浄機本体 ３，４ 噴出手段 ５，６ 軸 ７，８ 開閉扉 ９ 回転伝達手段

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 食器洗浄機本体の下部及び／又は上部に
   洗浄水とすすぎ水を噴出する噴出手段が配置され、中部
   に食器を収納したかごが側方より配入される食器洗浄機
   において、 前記かごが出し入れされる左右側部に、食器洗浄機本体
   の左右方向中央部に前後に向けて設けられた回動可能な
   軸に取着され、この軸を中心に上下円周方向に回動して
   開閉する開閉扉が設けられていることを特徴とする食器
   洗浄機。
2. 【請求項２】 前記軸の部分に、左右の開閉扉を同時に
   一体開閉する回転伝達手段が設けられている請求項１に
   記載の食器洗浄機。