JPH0574682U - 多段分級機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒度分布の広い原料を大量にしかも精度良く
多段に分級できるようにする。 【構成】 上面に原料供給口２を有し外周部に整流ベー
ン３を備えた空気吸引口４を有し下端に粗粒排出口５を
有した外側ケーシング１と、外側ケーシング１内面との
間に環状の分離空間６を形成し上部開口７を有すると共
に下端に外側ケーシング１を貫通する中粒排出口９を有
した内側ケーシング８と、内側ケーシング８に沿って昇
降し上部開口７の位置を変更する調整板１１と、前記原
料供給口２の下側に配置された原料分散板１２及び分級
羽根１３からなる回転式分級機１４と、分級羽根１３の
内側に連通した微粉捕集機１９及び吸引ファン２０から
なる微粉捕集装置２１と、分級羽根１３の外周を分級空
間１６を有して取り巻くように配置した分級案内筒１８
とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、原料を多段階に精度良く分級することができる多段分級機に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

粒度分布範囲の広い原料を、所要の粒度毎に分級する際、従来は機械式多段篩 （モーゲンセン多段篩）で実施することが一般に行われてきた。この機械式多段 篩は、金属製コイルを使用した篩目を振動させて、該篩目上に原料を供給するこ とにより分級を行うようにしており、従って分級したい粒度に応じたメッシュの 複数の篩目を備えるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記したような従来の機械式多段篩に於いては、篩目の摩耗が激しく メンテナンスが大変であり、又篩目が目詰りを起こしやすいために大容量の分級 に適しておらず、更に篩目の大きさに機械的な制限があるために分級最小粒経に 限度がある、等の問題を有していた。

【０００４】 又、回転する分級羽根の外周から原料の混合気流を導入し、分級羽根を通り抜 ける微粉と分級羽根を通ることなく落下する中粒とに分級するようにした回転式 分級機が実施されているが、粒度を３段階以上に分級するようなことは困難であ り、又回転式分級機は比較的粉体のような微粒の分級に適しているが、粗粒を含 むような粒度分布の広い原料の分級を行う際には粒子の衝突等による飛びはねに より粗粒が微粉に混入して分級精度を低下させてしまう、等の問題がある。

【０００５】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、粒度分付の広い原料を大 量にしかも精度良く多段に分級することができる多段分級機を提供することを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上面に原料供給口を有すると共に外周部に整流ベーンを介して接線 方向から空気を導入する空気吸引口を有し且つ下端に粗粒排出口を有した外側ケ ーシングと、該外側ケーシング内において該外側ケーシングとの間に環状の分離 空間を有して配置され前記整流ベーンと略同一位置に上部開口を有し且つ下端に 前記外側ケーシングを貫通する中粒排出口を有した内側ケーシングと、該内側ケ ーシングに沿って昇降し上部開口の位置を変更できるようにした調整板と、前記 原料供給口の下側に回転可能に配置された原料分散板及び該原料分散板の下側に 一体に取り付けた分級羽根からなる回転式分級機と、該回転式分級機の分級羽根 の内側に連通した微粉捕集機及び吸引ファンからなる微粉捕集装置と、前記分級 羽根の外周を分級空間を有して取り巻くように配置され、前記原料分散板により 分散され外側ケーシングの上端部内面に衝突して落下する原料を前記分離空間に 向けて落下供給する分級案内筒とを備えたことを特徴とする多段分級機、に係る ものである。

【０００７】

【作用】

本考案では、空気吸引口から回転式分級機の分級空間に向かう空気流に、原料 を交差させるように落下させて粗粒を重力差により分離することにより先ず粗粒 を安定して精度良く分離した後、粗粒が分離された微粉及び中粒の混合気流を前 記分級空間を介して、粒度が小さいものの分級に優れている回転式分級機に導い て微粉と中粒に分級するようにしているので、全体的に精度の良い分級を行うこ とができると共に、粒度に応じて優れた分級機能を発揮する装置を一体に備えて 分級を行うようにしたことにより、装置の処理能力を増大させることができる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【０００９】 図１及び図２は本考案の多段分級機の一例を示すもので、セメント原料等のよ うに粉砕された原料から製品としての微粉と、ボールミル（二次粉砕機）等によ り再び粉砕を必要とする中粒と、粗粒専用の粉砕機（一次粉砕機）により、再び 粉砕を必要とする粗粒等に多段階にしかも精度良く分級する必要のある場合に適 している。

【００１０】 図１及び図２中１は外側ケーシングであり、該外側ケーシング１は、上面に原 料供給口２（図では２個）を有すると共に、上下中間部の外周部に整流ベーン３ を備え、該整流ベーン３の外側に接線方向から空気を導入するようにした空気吸 引口４を有しており、且つ下端に粗粒排出口５を備えている。

【００１１】 前記外側ケーシング１内に、該外側ケーシング１との間に環状の分離空間６を 形成するよう配置され、前記整流ベーン３の中間位置の高さに上部開口７を有し た内側ケーシング８を設け、該内側ケーシング８の下端に前記外側ケーシング１ を貫通する傾斜した中粒排出口９を形成する。前記内側ケーシング８の外側には 、ネジ等により取付けられ、前記上部開口７の高さを変えることで、開口７の大 きさを変更できるようした調整板１１を設ける。調整板１１は円筒状としても、 或いは母線方向に互に分割され、しかも周方向に互に重なり合って開口するよう になっていても良い。

【００１２】 前記外側ケーシング１における原料供給口２の下側に、回転可能に配置された 原料分散板１２と、該原料分散板１２の下面に一体に取り付けた分級羽根１３と からなる回転式分級機１４を設ける。前記原料分散板１２に対向する外側ケーシ ング１の内面位置には衝突板１５を備える。又、前記外側ケーシング１の上方内 部に、前記分級羽根１３の外周を所要の分級空間１６を有して取り巻くように配 置され、且つ前記原料分散板１２により外側ケーシング１の衝突板１５に衝突し て落下する原料１７を、前記外側ケーシング１と内側ケーシング８との間に形成 された分離空間６に落下供給するようにした分級案内筒１８を設ける。

【００１３】 又、前記分級羽根１３の内側上部には、微粉捕集機１９と吸引ファン２０から なる微粉捕集装置２１を吸引管２２を介して接続している。図中２３は粗粒、２ ４は中粒、２５は微粉、２６は空気流、２７は空気流２６を安定して分級空間１ ６に導くための整流体を示す。前記内側ケーシング８、分級案内筒１８及び整流 体２７は、所要の手段で外側ケーシング１に一体に固定される。

【００１４】 次に作用を説明する。

【００１５】 微粉捕集装置２１の吸引ファン２０を駆動すると、回転式分級機１４を介して 空気吸引口４から整流ベーン３を介して空気が吸引され、更に内側ケーシング８ の上部開口７と分級案内筒１８の下端との間を通って分級羽根１３と分級案内筒 １８との間の分級空間１６に向かう安定した空気流２６が形成される。

【００１６】 この状態において、回転式分級機１４を駆動し、原料供給口２から原料１７を 供給すると、原料１７は回転している原料分散板１２により、遠心力によって周 方向外方に均一に放出され、外側ケーシング１の衝突板１５に衝突し、その後自 重により分級案内筒１８の外周面に沿って落下し、その後外側ケーシング１と内 側ケーシング８との間の分離空間６に向かって落下する。

【００１７】 この時、原料１７が空気吸引口４から分級空間１６に向かう空気流２６と交差 することになり、原料１７中の微粉や中粒は空気流２６によって分級空間１６方 向に運び去られ、前記空気流２６に乗らない重量が大きい粗粒２３のみが重力に よって分離空間６に落下し、外側ケーシング１により回収されて粗粒排出口５か ら排出される。この時、調整板１１の高さ位置を変えることにより上部開口７に よる内側ケーシング８の中粒２４の取込み位置を変化させることができ、これに より調整板１１を上げて内側ケーシング８に取込む中粒２４の粒度を小さくした り、逆に調整板１１を下げて取込む中粒２４の粒度を大きくすることができる。

【００１８】 更に、粗粒２３が分離された後の混合気流は、内側ケーシング８の上部開口７ と分級案内筒１８の下端との間を通って分級羽根１３と分級案内筒１８との間の 分級空間１６に向かうが、この時空気流２６中の比較的重い中粒２４は重力によ り内側ケーシング８内に落下する。また、分級空間１６を上昇した微粉と中粒の 混合気流は、回転式分級機１４の分級羽根１３に外周から導入され、分級羽根１ ３を通り抜ける微粉２５と分級羽根１３を通ることなく内側ケーシング８内に落 下する中粒２４とに精度良く分級され、内側ケーシング８内に落下した中粒２４ は中粒排出口９から排出される。分級羽根１３を通り抜けた微粉２５は微粉捕集 装置２１の微粉捕集機１９により回収される。

【００１９】 上記したように、空気吸引口４から回転式分級機１４の分級空間１６に向かう 整流された空気流２６に、原料１７を交差させるように落下させて粗粒２３を重 力差により分離することにより先ず粗粒２３を安定して精度良く分離した後、粗 粒２３が分離された微粉及び中粒の混合気流を前記分級空間１６を介して、粒度 が小さいものの分級に優れている回転式分級機１に導いて分級を行うようにして いるので、全体的に精度の良い分級を行うことができると共に、粒度に応じて優 れた分級機能を発揮する装置を一体に備えて分級を行うようにしたことにより、 装置の処理能力を増大させることができる。

【００２０】 尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるものではなく、調整板１１の昇降方 式は種々変更し得ること、その他本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々 変更を加え得ること等は勿論である。

【００２１】

【考案の効果】

本考案の多段分級機によれば、整流された空気流中に原料を供給して先ず粗粒 を重力差によって分離し、続いて粗粒が分離された微粉と中粒の混合気流を回転 式分級機に導いて微粉と中粒とに分級するようにしているので、原料を粒度に応 じて優れた分級機能を発揮する装置により段階的に分級することができ、精度の 高い多段分級を可能にすると共に、装置の分級能力を増大することができる優れ た効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す切断正面図である。

【図２】右半分は図１のＩＩＡ矢視図であり、左半分は
図１のＩＩＢ矢視図である。

【符号の説明】

１ 外側ケーシング ２ 原料供給口 ３ 整流ベーン ４ 空気吸引口 ５ 粗粒排出口 ６ 分離空間 ７ 上部開口 ８ 内側ケーシング ９ 中粒排出口 １１ 調整板 １２ 原料分散板 １３ 分級羽根 １４ 回転式分級機 １６ 分級空間 １７ 原料 １８ 分級案内筒 １９ 微粉捕集機 ２０ 吸引ファン ２１ 微粉捕集装置

フロントページの続き (72)考案者 八田 暢哉 東京都江東区豊洲三丁目２番16号 石川島 播磨重工業株式会社豊洲総合事務所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面に原料供給口を有すると共に外周部
   に整流ベーンを介して接線方向から空気を導入する空気
   吸引口を有し且つ下端に粗粒排出口を有した外側ケーシ
   ングと、該外側ケーシング内において該外側ケーシング
   との間に環状の分離空間を有して配置され前記整流ベー
   ンと略同一位置に上部開口を有し且つ下端に前記外側ケ
   ーシングを貫通する中粒排出口を有した内側ケーシング
   と、該内側ケーシングに沿って昇降し上部開口の位置を
   変更できるようにした調整板と、前記原料供給口の下側
   に回転可能に配置された原料分散板及び該原料分散板の
   下側に一体に取り付けた分級羽根からなる回転式分級機
   と、該回転式分級機の分級羽根の内側に連通した微粉捕
   集機及び吸引ファンからなる微粉捕集装置と、前記分級
   羽根の外周を分級空間を有して取り巻くように配置さ
   れ、前記原料分散板により分散され外側ケーシングの上
   端部内面に衝突して落下する原料を前記分離空間に向け
   て落下供給する分級案内筒とを備えたことを特徴とする
   多段分級機。