JPH0567263A - 連続運転警告装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間運転による過労運転や居眠り運転によ
り生ずる事故を未然に防ぐる連続運転警告装置に関し、
実際にドライバが疲労を感じる長時間連続運転を防止で
きるようにする事を目的とする。 【構成】 車速信号から車両が走行中か停車中かを判定
して走行中の時間をカウントし、その走行時間が休憩に
相当する停車時間を除いた一定時間を越えたときには長
時間連続運転中であるとして警告を発するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は連続運転警告装置に関
し、特に長時間運転による過労運転や居眠り運転により
生ずる事故を未然に防ぐる連続運転警告装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】最近のトラツク等の運転状態は、人手不
足や物流量の増加により、物流量の増加により悪くなり
つつあり、また、高馬力化により事故の規模が大きくな
り、ドライバーの安全面の改善が求められている。

【０００３】この様なことから大型車の円盤状の記録紙
に車速を連続的に記録するタコグラフの装着と、その記
録紙の一年間保存が法律で義務付けられているが、これ
は解読が難しく、またそのままでは説得力が不足してい
るため具体的な安全運転指導や省燃費運転指導に利用さ
れることは少ない。

【０００４】一方、人手不足を原因とした長時間運転が
増えることに対しては、貨物自動車運送法や貨物自動車
取扱事業法等の適用により、連続４時間以上の実際の運
転が禁止されるといった法律上の運転管理からも実際の
安全運転管理の指導体制の強化が望まれているが、この
ような長時間運転を警告する装置として特開昭５９−１
９４２８０号公報に示されているように、キースイッチ
の投入により運転の開始を検出して運転時間を連続運転
時間をカウントし、この連続運転が一定の限度時間以上
継続した場合には警告を発生する技術が既に提案されて
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術に置いては連続運転の開始をキースイチ
の入り／切りで検出しているため、実際にドライバが疲
労を感じる車両走行の連続運転には関わり無くキースイ
ッチが投入されていれば警告信号が発せられるようにな
っているのでドライバが特に疲労を感じていないにも関
わらず警報が頻繁に出てしまうと言う問題点があった。

【０００６】従って、本発明は、実際にドライバが疲労
を感じる長時間連続運転を防止できる連続運転警告装置
を実現する事を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る連続運転警告装置では、車速センサ
と、該センサの出力信号から車両が走行中か停車中かを
判定すると共に走行中の時間をカウントし該走行時間カ
ウントが一定時間を越えたときには長時間連続運転中で
あるとして警告信号を発生すると共に該停車中の時間を
カウントし該停車時間カウントが継続して一定の休憩時
間を越えたときには該走行時間カウントをリセットする
演算部と、該警告信号を出力する出力部と、を備えてい
る。

【０００８】また、本発明では、上記の演算部が該一定
時間として複数の値を有し、それぞれに応じた該警告信
号を発生するものであり、該出力部が各警告信号に応じ
た出力を与えることができる。

【０００９】

【作用】図１は、本発明に係る連続運転警告装置の基本
構成を示したもので、車速センサ１からの車速信号は演
算部２に送られると、まず、その車速信号から車両が走
行状態であるか停車状態であるかが判別され、走行状態
のときには走行時間のカウントを開始し、この走行時間
カウントが一定時間を越えたときに出力部３に警告信号
を与えて警告を発するようにしている。

【００１０】但し、演算部２では、車速信号から停車状
態と判定したときにはこの停車時間をカウント開始し、
この停車時間が一定時間以上継続したときには、ドライ
バが休憩を行っており運転の疲労がある程度回復してい
ると判断して上記の走行時間カウントをリセットしてい
る。

【００１１】また、本発明では、走行時間カウントを比
較する一定時間として複数の時間を設定しておき、それ
ぞれに応じた警告信号を発してドライバにそれぞれの注
意を喚起するようにしてもよい。

【００１２】

【実施例】図２は、図１に示した本発明に係る連続運転
警告装置の演算部２と出力部３の実施例を示したもの
で、この実施例では、それぞれハードウェアで構成して
おり、まず、演算部２は、速度表示装置１０と、該速度
表示装置１０に組み合わされたランプ１１〜１３と、ク
ロックパルスを発生するパルス発生器１４と、３つのイ
ンバータ１５，１６，２１と、２つのＡＮＤゲート１
７，１８と、２つのカウンタ１９，２０と、比較器２２
と、Ｄ／Ａ変換器２３と、３つのコンパレータ２４〜２
６とで構成されている。尚、コンパレータ２４〜２６に
はそれぞれ基準電圧を発生するための抵抗ｒ１〜ｒ６が
組み合わされている。また、出力部３は、３つのリレー
３１〜３３と、３つのトランジスタ３４〜３６と、３つ
のランプ３７〜３９とで構成されており、トランジスタ
３４〜３６の内のいずれかが駆動されるとそれぞれリレ
ー３１〜３３が駆動されてそれぞれランプ３７〜３９が
点灯するようになっている。尚、Ｒはトランジスタ３４
〜３６の入力抵抗である。

【００１３】まず、演算部２において、速度表示装置１
０は、大型車に標準装備されている装置で、車速信号か
ら車速に応じてランプ１１〜１３の点灯数を変化させ、
走行中で例えば４０km/h以下のとき１個点灯し、６０km
/h以下で２個点灯し、更に６０km/h以上で３個点灯する
ようになっている。そして、４０km/h以下の走行で点灯
するランプ１１のプラス側の信号を２つのインバータ１
５，１６を介してＡＮＤゲート１７に入力する。このＡ
ＮＤゲート１７の他方の入力は、パルス発生器１４から
のクロックパルスを入力するようになっている。

【００１４】そして、このクロックパルスは他方のＡＮ
Ｄゲート１８の一方の入力となっており、このＡＮＤゲ
ート１８の他方の入力はインバータ１５と１６との接続
点から得ている。

【００１５】従って、速度表示装置１０のランプ１１が
点灯中（走行中）のときは、図３のタイムチャートに示
すようなパルス信号がインバータ１５に与えられ、イン
バータ１５，１６を介すことにより、共にクロックパル
スをパルス発生器１４から受けるＡＮＤゲート１７，１
８は、それぞれ図３に示されるような形のパルス信号と
してカウンタ１９及び２０に送ることとなる。

【００１６】そして、カウンタ１９はＡＮＤゲート１７
からのパルス信号をカウントして走行時間カウントを発
生し、またカウンタ２０はＡＮＤゲート１８からのパル
ス信号をカウントして停車時間カウントを発生する。そ
して、カウンタ１９は、カウンタ２０によって示される
停車時間が比較器２２において一定の休憩時間を越えた
と判定されたときには、比較器２２からの出力信号によ
りリセットされるが、それ以外は走行時間カウントを継
続して発生し、Ｄ／Ａ変換器２３に与える。尚、カウン
タ２０はＡＮＤゲート１７からのクロックパルスを受け
たときにはインバータ２１を介してリセットされ、停車
時間カウントを“０”に戻すようになっている。

【００１７】カウンタ１９でカウントされた走行時間
は、Ｄ／Ａ変換器２３によりアナログ信号に変換されて
コンパレータ２４〜２６に共通して与えられるが、これ
らのコンパレータ２４〜２６の基準電圧はそれぞれ６時
間、５時間、４時間というように抵抗ｒ１〜ｒ６で設定
されているので、Ｄ／Ａ変換器２３からの出力がこれら
の基準時間を越えたときに対応する各コンパレータ２４
〜２６の出力がＨレベルになって抵抗Ｒを介してそれぞ
れトランジスタ３４〜３６に与えられることとなる。

【００１８】今、例えばＤ／Ａ変換器２３からの出力が
コンパレータ２５で設定される５時間以上を示したとき
には、コンパレータ２５及び２６の出力信号だけがＨレ
ベルとなり、トランジスタ３５及び３６をオンにし、そ
れぞれのリレー３２及び３３を介してランプ３８及び３
９を点灯させることとなる。このようにして点灯される
タイムチャートも図３に示されている。

【００１９】図４には、図２に示した速度表示装置１０
のランプ１１〜１３と、出力部３におけるランプ３７〜
３９の表示例が示されており、同図(a) には、ランプ３
７が「赤」、ランプ３８が「黄２」、ランプ３９が別の
「黄１」として運転席に設置されており、このようなラ
ンプ３７〜３９は同図(b) 及び(c) に示すようにそれぞ
れ車両前側及び車両後側に設置することができ、特に車
両前側には速度表示等を車両の上部にランプ１１〜１３
を設置することによりドライバ及び付近のドライバに注
意を喚起することができる。

【００２０】また、図２の実施例においては、例えばコ
ンパレータ２６の出力によって示される４時間以上の連
続運転に対してタコグラフ（図示せず）に記録するた
め、コンパレータ２６の出力信号をタコグラフに接続す
ることができる。

【００２１】更に、図５に示すように、車速信号を入力
インタフェース４１で取り込み、ＣＰＵ４２がこの車速
信号データをＩ／Ｏバッファ４３を介してメモリカード
４４に記録することも可能である。

【００２２】このように車速データをメモリカード４４
に記録することにより、車両が帰庫した後、事務所のコ
ンピュータでデータを解析し、例えば図６に示すような
「連続ワースト３」の解析・表示を行うこともできる。

【００２３】図６に示す表示装置においては、同図(a)
に示すように、連続ワースト１、ワースト２、ワースト
３の各レジスタＲ１、Ｒ２、Ｒ３を初期化するため、そ
れぞれ“０”にする。

【００２４】そして、同図(b) に示す車速データ読取処
理（ステップＳ１）においては、まず、メモリカード４
４より車速データを読み取り（ステップＳ２）、その車
速が“０”、即ち停車中であるか走行中であるかを判定
する（ステップＳ３）。

【００２５】この結果、停車状態にあると判定されたと
きには、停車時間カウンタを“１”だけインクリメント
し（ステップＳ４）、この停車時間カウントが休憩時間
と見做すことが出来る１５分を越えたか否かを判定する
（ステップＳ５）。

【００２６】停車時間が１５分を越えたときには、ドラ
イバは休憩を取ったと判定してこのときの走行時間をレ
ジスタＲ１に記憶されている連続運転ワースト１の時間
と比較し（ステップＳ６）、最初はＲ１＝０であるの
で、走行時間はＲ１を越えていないため、同様にしてよ
り少ない連続運転時間のワースト２のレジスタＲ２の値
及び更に少ない連続運転時間のワースト３のレジスタＲ
３の値とそれぞれ比較し（ステップＳ７，Ｓ８）、いず
れも最初は走行時間がＲ１〜Ｒ３の時間を越えていない
ので、走行時間カウンタを“０”にする（ステップＳ１
２）。

【００２７】一方、上記のステップＳ６において走行時
間がレジスタＲ１に記憶されている時間より大きくなっ
たときには、このときの走行時間をワースト１としてレ
ジスタＲ１に格納してステップＳ１２に進み、同様にし
て走行時間がＲ２又はＲ３との関係でそれぞれステップ
Ｓ１０及びＳ９でワースト２及び３としてレジスタＲ２
及びＲ３への格納を行う。

【００２８】そして、全ての車速データを読み取ったか
否かを判定し（ステップＳ１３）、まだ全ての車速デー
タを読み取っていないときには、ステップＳ２に戻る
が、全ての車速データを読み取ったときには、レジスタ
Ｒ１〜Ｒ３をそれぞれワースト１〜３として表示する
（ステップＳ１４）。

【００２９】一方、ステップＳ３で車速が“０”でな
く、走行中であると判定されたときには、停車時間カウ
ンタを“０”とし（ステップＳ１５）、走行時間カウン
タを“１”だけインクリメントして（ステップＳ１
６）、ステップＳ５で停車時間が１５分以内である場合
と同様にステップＳ１３に進む。

【００３０】このようにして連続運転ワースト１〜３ま
でを表示することができ、図７(a)に示すようにプリン
トアウトすることができる。尚、このような連続運転の
ワーストデータは出力部３におけるランプ３７〜３９の
表示に対応するものである。尚、同図(b) のタイムチャ
ートは図６のデータ処理により車速データに対する走行
距離を示したものである。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る連続運転警
告装置では、車速信号から車両が走行中か停車中かを判
定して走行中の時間をカウントし、その走行時間が休憩
に相当する停車時間を除いた一定時間を越えたときには
長時間連続運転中であるとして警告を発するように構成
したので、実際にドライバが疲労を感ずる長時間運転に
対応した警告を発生することができることとなる。

【００３２】また、比較する一定時間として種々の値を
用いることにより、種々の警告信号を発生して対応した
出力を与えることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る連続運転警告装置の基本構成を示
したブロック図である。

【図２】本発明に係る連続運転警告装置のハードウェア
実施例を示した回路図である。

【図３】本発明の実施例のタイムチャートを示した図で
ある。

【図４】本発明を用いた表示例を示した外観図である。

【図５】本発明の応用例としてメモリカードを使用した
ときの図である。

【図６】車速データにより連続運転の表示処理を行うた
めの演算アルゴリズムを示したフローチャート図であ
る。

【図７】本発明を用いて得られる「連続運転ワースト
３」の表示例を示した図である。

【符号の説明】

１ 車速センサ ２ 演算部 ３ 出力部 ３７〜３９ 長時間連続運転警告ランプ 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車速センサと、該センサの出力信号から
   車両が走行中か停車中かを判定すると共に走行中の時間
   をカウントし該走行時間カウントが一定時間を越えたと
   きには長時間連続運転中であるとして警告信号を発生す
   ると共に該停車中の時間をカウントし該停車時間カウン
   トが継続して一定の休憩時間を越えたときには該走行時
   間カウントをリセットする演算部と、該警告信号を出力
   する出力部と、を備えたことを特徴とする連続運転警告
   装置。
2. 【請求項２】 該演算部が該一定時間として複数の値を
   有し、それぞれに応じた該警告信号を発生するものであ
   り、該出力部が各警告信号に応じた出力を与えるもので
   あることを特徴とした請求項１に記載の連続運転警告装
   置。