JPH0559953U - 圧電振動子収納ケースおよび表面実装形圧電振動子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面実装化が容易で、且つ、動作特性の安定
した表面実装形圧電振動子を提供する。 【構成】 収納空間底部に形成されたガイド孔４および
側底面に夫々その一端部が露出する第一の外部端子５
と、収納空間２ａおよび側底面にその一端部が露出する
第二の外部端子６とを一体に埋め込んでなる収納ケース
２に、汎用のシリンダタイプ圧電振動子１を収納して表
面実装化した。その際、収納ケース２の構造を、少なく
ともガイド孔４を貫通するリード３と第一の外部端子５
とが機械的に固定されるとともに、両者が電気的に接続
される構造とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水晶、セラミックス等を用いた表面実装形圧電振動子に係り、特に 、汎用のシリンダタイプ圧電振動子を収納して配線基板への表面実装を可能にす る圧電振動子収納ケースの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、電子部品、装置の小型化、低コスト化の要請により、配線基板（以下、 プリント基板と称する）の実装密度を上げ得る表面実装形圧電振動子が製品化さ れている。この種の表面実装形圧電振動子には、例えば図５に示すように、金属 製の略円筒状キャップ５１内に真空封入された圧電振動子片５２からベース５３ を介して一対のリード５４を外部に導出してなる小型、軽量、耐熱性のシリンダ タイプ圧電振動子（以下、単に圧電振動子と称する）５０を使用しているものが 多い。

【０００３】 図６は、従来の表面実装形圧電振動子の一例を示す図であり、（ａ）は側面図 、（ｂ）は底面図である。この図に示すように、従来は、圧電振動子収納ケース （以下、単に収納ケースと略称する）６０に圧電振動子５０を収納して表面実装 形圧電振動子を構成している。

【０００４】 この収納ケース６０は、圧電振動子５０のキャップ外形寸法と適合する有底収 納空間６１をその内部に具備するとともに、収納空間６１の底部６２に孔６３を 形成し、更に、図示しないプリント基板を臨む面部にガイド溝６４を形成したも のが一般に用いられる。そして、圧電振動子５０の収納時に孔６３を貫通したリ ード５４をガイド溝６４に沿って折り曲げ、表面実装化している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の表面実装形圧電振動子は、収納ケース６０への収納後に リード５４を折り曲げなければならないので、収納ケース２が破損する場合があ り、また、リード５４を支持するベース５３に応力が生じ、これが圧電振動子片 ５２に伝わって発振周波数がドリフトしたり、気密性が破壊され、動作信頼性を 著しく低下させる等の問題があった。

【０００６】 また、プリント基板への実装時にはリード５４のみの固定となるため、実装後 に外部衝撃が加えられるとプリント基板からの浮きが生じ、リード５４の曲がり や破損、気密性の破壊等が発生し易くなる問題もあった。

【０００７】 本考案はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、圧 電振動子５０に対する悪影響を防止するとともに、実装強度の向上が図れる構造 の収納ケースを提供することにある。

【０００８】 本考案の他の目的は、動作安定性および信頼性に優れた表面実装形圧電振動子 を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案では、圧電振動子を収納して配線基板への表 面実装を可能にする収納ケースにおいて、その内部に圧電振動子のキャップ外形 寸法に適合した有底収納空間を具備するとともに、この収納空間の底部に圧電振 動子のリードを貫通させるガイド孔を形成し、更に、ガイド孔および配線基板と の当接部位に夫々その一端部が露出する第一の外部端子を一体に埋め込み、圧電 振動子の収納時に、ガイド孔を貫通したリードと第一の外部端子とが電気的に接 続される構造とした。

【００１０】 更に、上記収納ケースにおいて、有底収納空間、配線基板との当接部位に夫々 その一端部が露出する第二の外部端子を一体に埋め込み、圧電振動子の収納時に そのキャップ面と第二の外部端子とが電気的に接続される構造とした。

【００１１】 また、上記他の目的を達成するため、本考案では、上記収納ケースに圧電振動 子を収納して表面実装形圧電振動子を構成した。

【００１２】

【作用】

圧電振動子を有底収納空間に沿って挿入し、リードをガイド孔に貫通せしめる だけで第一の外部端子との電気的接続が得られるので、従来のように収納後にリ ードを折り曲げる必要がなくなる。また、第一の外部端子は、ケースと一体に埋 め込まれているので外部衝撃があっても変位することが無く、しかも、配線基板 との当接部位での面接触が可能となるので、実装強度が向上する。

【００１３】 更に、収納ケースに第二の外部端子を一体に埋め込むことで、シリンダタイプ 圧電振動子のキャップ面をアース接続することが可能となり、しかも、プリント 基板との接触面積を大きくすることができるので、実装強度がより向上する。

【００１４】 このような構造のケースに圧電振動子を収納することにより、収納の際の応力 の発生が防止され、その動作に与える影響が抑制される。

【００１５】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に説明する。

【００１６】 図１は、本考案の一実施例に係る表面実装形圧電振動子の分解組立図であり、 １は圧電振動子、２はケースを示す。本実施例で用いる圧電振動子１は、図５に 示した従来のもの５０と同一構造を有する。

【００１７】 収納ケース２には、圧電振動子１を収納する収納空間が形成され、その底面部 には一対のリード３を夫々貫通せしめるガイド孔４が形成されている。更に、収 納ケース２の反開口側および開口側には、プリント基板との当接部位、例えばケ ース側底面に露出部を有する一対の第一の外部端子５と一対の第二の外部端子６ とが、夫々図示のように一体に埋め込まれている。

【００１８】 第一の外部端子５の一端部５ａは、図２（ａ）に示すように、収納ケース２内 部の側面向き、即ち、圧電振動子１の挿入方向に形成されており、これらが夫々 、ガイド孔４内に露出させてある。

【００１９】 一方、第二の外部端子６の一端部６ａは、図２（ｂ）に示す形状をなし、夫々 、収納ケース２の側表面部を貫通して収納空間内壁に露出させてある。

【００２０】 図３は本実施例の表面実装形圧電振動子の一部断面斜視図である。この図を参 照すると、圧電振動子１を収納ケース２の開口側から収納空間２ａ内に挿入し、 且つ、リード３をガイド孔４に貫通させて表面実装形圧電振動子を形成している 。このとき、各リード３は第一の外部端子５の一端部５ａと、圧電振動子１のキ ャップ面は第二の外部端子６の一端部６ａと夫々接触して電気的な接続が得られ る。

【００２１】 なお、リード３と第一の外部端子５との電気的接続は、リード３をガイド孔４ に貫通せしめて収納ケース２外に引き出す際に、ガイド孔４内でリード３が第一 の外部端子５の一端部５ａに強く押し付けられるようなガイド孔４の寸法形状と し、両者間の接触圧に依存する構造にしても良く、あるいは、ガイド孔４を貫通 したリード３と第一の外部端子５の一端部５ａとを収納ケース２の底面部（ガイ ド孔４形成部位）にて帯電性あるいは導電性接着剤により接着固定するようにし ても良い。

【００２２】 このような構成の表面実装形圧電振動子をプリント基板に実装するときは、収 納ケース２の側底面に露出した第一の外部端子５と第二の外部端子６とを所定の 配線部材に接着固定（ハンダ付け等）する。これにより、基板上に強固に固定さ れるとともに、リード３と基板上の他の回路、キャップ外面とアースとの電気的 接続が得られる。

【００２３】 なお、本実施例では、収納ケース２の開口側と反開口側とに夫々一対の第一お よび第二の外部端子５，６を埋め込み、四箇所でプリント基板に固定する構造と したが、第二の外部端子６を省略した構造にすることもできる。この場合は、図 ２（ａ）の仮想線で示すように、第一の外部端子５の露出部分を圧電振動子１の 側面方向に延長して基板固定の安定性を増すようにすることが好ましい。

【００２４】 また、本実施例では、図１および図３に示すように、第一および第二の外部端 子５，６とも、収納ケース２の側表面部および側底面部に露出する構造としたが 、プリント基板と当接する側底面のみに露出する構造にすることもできる。

【００２５】 更に、本実施例の表面実装形圧電振動子における底面図を示すと図４（ａ）の ようになるが、第一の外部端子５，５の形状を、図４（ｂ）〜（ｄ）の破線で示 すような形状にすることもできる。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の収納ケースによれば、有底収納空間の底部に形 成されたガイド孔にリードを貫通させるだけで表面実装形圧電振動子を形成でき るので、従来のように圧電振動子の収納後にリードを折り曲げる必要が無くなり 、圧電振動子片およびケース自体に与える悪影響が無くなる効果がある。

【００２７】 また、リードに導通する第一の外部端子と配線基板とが面接触するので、ハン ダ付け等による接着固定が容易になるとともに、固定後は外部衝撃があっても変 位しにくくなり、実装強度が格段に向上する効果がある。

【００２８】 なお、第一の外部端子の外、第二の外部端子をも一体に埋め込むことで、圧電 振動子のキャップ面をアース接続することができ、しかも、配線基板との接触面 積がより大きくなり、実装強度が更に高まる。

【００２９】 本発明の表面実装形圧電振動子では、上記構造の収納ケースに圧電振動子を収 納するので、従来のリードの折り曲げ時に発生する収納ケースの破損、圧電振動 子の発振周波数のドリフト、気密性の破壊が皆無となり、動作特性が安定化する とともに、動作信頼性が従来のものに比べて格段に向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る表面実装形圧電振動子
の分解組立図である。

【図２】（ａ）は本実施例で用いる第一の外部端子の外
形図（例）、（ｂ）は第二の外部端子の外形図（例）で
ある。

【図３】本実施例による表面実装形圧電振動子の部分断
面斜視図である。

【図４】（ａ）は本実施例による表面実装形圧電振動子
の底面図であり、（ｂ）〜（ｄ）は他の実施例による表
面実装形圧電振動子の底面図である。

【図５】一般的なシリンダタイプ圧電振動子の構造図で
ある。

【図６】従来の表面実装形圧電振動子の一例を示す図で
あり、（ａ）は側面図、（ｂ）は底面図である。

【符号の説明】

１，５０…シリンダタイプ圧電振動子、２，６０…圧電
振動子収納ケース、２ａ，６１…有底収納空間３，５４
…リード、４…ガイド孔、５…第一の外部端子、６…第
二の外部端子、５１…キャップ、５２…圧電振動子片、
５３…ベース、６２…収納空間底部、６３…孔、６４…
ガイド溝。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダタイプ圧電振動子を収納して配
   線基板への表面実装を可能にする圧電振動子収納ケース
   において、 その内部に前記シリンダタイプ圧電振動子のキャップ外
   形寸法に適合した有底収納空間を具備するとともに、こ
   の収納空間の底部に前記シリンダタイプ圧電振動子のリ
   ードを貫通させるガイド孔を形成し、更に、ガイド孔お
   よび前記配線基板との当接部位に夫々その一端部が露出
   する第一の外部端子を一体に埋め込み、前記シリンダタ
   イプ圧電振動子の収納時に、ガイド孔を貫通したリード
   と第一の外部端子とが電気的に接続される構造を有する
   ことを特徴とする圧電振動子収納ケース。
2. 【請求項２】 請求項１記載の圧電振動子収納ケースに
   おいて、前記有底収納空間の内壁および前記配線基板と
   の当接部位に夫々その一端部が露出する第二の外部電極
   端子を一体に埋め込み、前記シリンダタイプ圧電振動子
   の収納時にそのキャップ面と第二の外部電極端子とが電
   気的に接続される構造を有することを特徴とする圧電振
   動子収納ケース。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２記載の圧電振動子
   収納ケースにシリンダタイプ圧電振動子を収納してなる
   表面実装形圧電振動子。