JPH0530627U - 金属ガスケツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 金属ガスケットをつくるに際し、ボアビード
金型を不要とすると共に、耐久性のあるものをつくる。 【構成】 １枚の弾性基板２の燃焼室孔端部から所定距
離の部位に部分的肉厚部１２を形成し、この肉厚部と基
板とを包含する形で副板４を設け、副板の端部をＵ字形
に折曲する構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

［考案の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内燃機関のシリンダーヘッドとシリンダーブロックとの接合面に介装 して、燃焼ガス，冷却水及び潤滑油等の漏洩を防止する金属ガスケットに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関ではシリンダーヘッドとシリンダーブロックとの間に金属ガスケット を介装して締付けている。この場合、金属ガスケットは弾性を有する基板に、各 燃焼室に対応した数の燃焼室孔を設けると共に、この燃焼室孔の周縁にビードを 備えてエンジンの爆発圧シールと振動に対応している。 図６は従来の金属ガスケットを説明する図であり、燃焼室孔間に用いるガスケ ットの断面図として示している。図６において、１は金属ガスケット本体であり 、弾性を有する基板２にビード３を設けると共に、基板２には副板４を併設し、 その両端をＵ字形に折曲して基板を包み込む形状とし、ストッパー５としての機 能を持たせるよう構成したものである。ここで、エンジンが振動するとビード３ が追随して振動を吸収し、その振幅はストッパー５によって抑えて、ビードの疲 労破壊を防止するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の金属ガスケットは、基板を整形してビードをつくることを基本 としている。この場合、成型に際しては金型を要し、無理な力を加えてつくるた め、金型のエッジで傷をつけてしまうこともある。又、成型時にはスプリングバ ック量も考慮して、より高く成型する必要があり、更に加工操作によって出来た 曲げＲ部には応力が集中するため、加工後に応力除去工程を必要としていた。更 に加工時に発生した傷が原因して破損することがあった。 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、製作に際してボアビード金型 が不要であると共に、耐久性のある金属ガスケットを提供することを目的として いる。 ［考案の構成］

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は１枚の弾性基板の燃焼室孔端部から所定距 離の部位に部分的肉厚部を形成し、この肉厚部と基板とを包含する形で副板を設 けると共に、副板の端部をＵ字形に折曲する構成とした。

【０００５】

【実施例】

以下図面を参照して実施例を説明する。 図１は本考案による金属ガスケットの一実施例の構成図、図２は金属ガスケッ トの一部を切欠して示した概要平面図であり、図中のＡ−Ａ′断面が図１(a) を 示し、Ｂ−Ｂ′断面が図１(b) を示す。 先ず、図２の平面構成の概要を簡単に説明する。図２において、１は金属ガス ケット本体であり、弾性を有する基板２からなる。弾性基板２には燃焼室孔に対 応して設けた開口部６がある。７は締付けのためのボルト孔、８は冷却水循環用 の水孔、９は油孔、10はガスケットの固定孔である。なお、一点鎖線で示す11は 燃焼室孔周縁に設ける部分的肉厚部の位置（実際は幅がある）を示し、11-1はガ スケット端部に沿って設けるステップ状ビードを示す。

【０００６】 次に図１によって本考案による金属ガスケットの一実施例の断面図を説明する 。図１において、２は１枚の弾性基板であって平面状を有している。12は燃焼室 孔間に設けた部分的肉厚部であり、図２に示されるように燃焼室孔周縁に設けら れるが、図１(a) に示されるものは両燃焼室孔端から所定位置（この場合は中間 位置）に所定幅をもって設けられる。なお、部分的肉厚部としては金属溶射でも よいし、シム板を固着してもよい。12-1はＢ−Ｂ′断面の部分的肉厚部であり、 前記した12と一連である。

【０００７】 次に作用について説明する。 上記構成の金属ガスケットをエンジンに取付け、ボルトによって締付けると、 副板４を介して部分的肉厚部12，12-1が押し下げられ、ストッパー５の部分に対 して部分的肉厚部12，12-1の部分が基板を押し下げて湾曲させ、実質的にビード の機能をはたす。

【０００８】 図３は他の実施例の構成図であり、図１(a) に対応する。本実施例ではエンジ ンの稼動時に副板がずれないように固定点13によって副板４の折返し部を基板２ に固定したものである。なお、13-1による固定は部分的肉厚部がシム板の場合で ある。14は副板であり、その他の構成は図１と同様である。本実施例においても 、図１の実施例と同様の効果が得られる。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば１枚の弾性基板の上下面の各々に凸部を 設けて基板を湾曲させる構成としたので、この部分が実質的なビードの役をなし 、その結果、基板には何ら機械的損傷が与えられず、ボアビード金型も不要であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による金属ガスケットの一実施例の構成
図。

【図２】金属ガスケットの一部を切欠して示した概要平
面図。

【図３】他の実施例の構成図。

【図４】従来の金属ガスケットを示す図。

【符号の説明】１ 金属ガスケット ２ 基板 ３ ビード ４ 副板 ５ ストッパー ６ 燃焼室孔 ７ 締付け孔 ８ 水孔 ９ 油孔 11，11-1 部分的肉厚部を設ける位置 12 部分的肉厚部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １枚の弾性基板の燃焼室孔端部から所定
   距離の部位に部分的肉厚部を形成し、この肉厚部と基板
   とを包含する形で副板を設け、副板の端部をＵ字形に折
   曲することを特徴とする金属ガスケット。
2. 【請求項２】 部分的肉厚部は、金属溶射またはシム板
   とすることを特徴とする請求項１記載の金属ガスケッ
   ト。