JPH052491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、リードフレームをバリ取り装置に、
搬送するための、リードフレーム搬送装置に関す
るものである。

（従来の技術） 一般にリードフレームは、その両端縁を搬送ベ
ルトにより挟持してバリ取り装置に搬送し、ここ
でバリ取り用噴射ガンから噴射される粉粒体の圧
力により、バリ取りを行つている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、従来のリードフレーム搬送装置にお
いては、搬送ベルトによりリードフレームの両端
縁を挟持しているだけであるため、リードフレー
ムのバリ取り時にリードフレームに加工圧が加わ
ると、リードフレームが曲つたり、挟持が外れて
リードフレームが落下することがあつた。

そこで、これを防止するため、固定したリード
フレーム曲り防止ガイドによつてリードフレーム
を案内する方法が一部で実用化されているが、リ
ードフレーム曲り防止ガイドは静止しているた
め、搬送中にこれと接触するリードフレームの表
面にスリキズが生じやすく、製品の品質が悪くな
るという欠点があつた。

本考案は上記従来の欠点に鑑みて提案されたも
ので、リードフレームをバリ取り装置に搬送して
も、リードフレームが曲つたり、挟持が外れてリ
ードフレームが落下することはなく、又、リード
フレームの表面にスリキズが生じることもなく、
安定してバリ取りを行うことができる、リードフ
レーム搬送装置を提供せんとするものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するために、リード
フレームの両端縁を案内するガイドを具えた一対
のフレームと、そのフレームと平行に配置され、
回動自在かつ軸方向に移動自在に支承された２本
の送り用バーと、両送り用バーを軸方向に往復移
動させる搬送用シリンダーと、基端部が所定間隔
をおいて各送り用バーに固定され、自由端側にリ
ードフレームの搬送方向に亘る長手方向を上下か
ら把持する搬送爪兼リードフレーム曲り防止ガイ
ドを有する複数のアームと、搬送用シリンダーの
作動と連動して各送り用バーを回動させるアーム
開閉用シリンダーを設けて、リードフレーム搬送
装置を構成したことを特徴とするものである。

［作用］ 本考案のリードフレーム搬送装置は上記のよう
に構成されているので、アーム開閉用シリンダー
によつてアームを閉じた状態で搬送用シリンダー
によつて送り用バーを前進させると、リードフレ
ームは搬送爪兼リードフレーム曲り防止ガイドに
よつて所定ピツチだけ前進させられ、所定位置に
てバリ取り装置によりバリ取りが行われることに
なる。但し、このときリードフレームの両端縁は
フレームのガイドに案内されるが、リードフレー
ムの中央部は搬送爪兼リードフレーム曲げ防止ガ
イドによつて保持されるので、バリ取り時の加工
圧によつてリードフレームが曲つたり、落下する
ことはない。又、搬送用シリンダーによつて送り
用バーを後退させるときは、アーム開閉用シリン
ダーによつてアームを開とするため、搬送爪兼リ
ードフレーム曲げ防止ガイドはリードフレームか
ら開放され、元の位置に復帰する。次に再びアー
ム開閉用シリンダーによつてアームは閉とされ
る。従つて、こうした動作を繰り返せば、リード
フレームは１ピツチずつ順次バリ取り装置に搬送
されてきれいにバリ取り去れることになる。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて具
体的に説明する。

第１図は本考案の１実施例に係わるリードフレ
ーム搬送装置の平面図で、第２図はその側面図で
ある。

図中１はリードフレーム、２はリードフレーム
１の両端縁を案内するガイド３を具えた一対のフ
レームで、リードフレーム１は矢印で示すように
左から右に搬送され、Ｌで示す範囲で噴射ガンに
よりバリ取りがなされるようになつている。

次に、第３図は第２図における矢視Ａ−Ａ線に
沿つて切断した断面図である。第３図から明らか
なように、一対のフレーム２はそれぞれブロツク
４の支持されており、各ブロツク４はフレーム２
の前後に直交して配置されたネジ軸５の、左ネジ
５ａ及び右ネジ５ｂにそれぞれスライド自在かつ
回転不能に螺合されており、モータ６にてネジ軸
５を正転又は逆転させることにより、フレーム２
−２間の間隔を任意に調節して、リードフレーム
１の幅が各種変化しても、自由に対応できるよう
になつている。

次に、第４図は第２図における矢視Ｂ−Ｂ線に
沿つて切断した断面図で、第５図は第４図を上か
ら見て一部省略した平面図であり、第６図は第１
図における矢視Ｃ−Ｃ線に沿つて切断した断面図
である。

図中７はリードフレーム２と平行に配置された
２本の送り用バーで、フレーム２−２間の間隔を
調整するネジ軸５を支承する架台８に、軸受９を
介して回動自在かつ軸方向に移動自在に支承され
ている。なお、１０は開閉自在なアームで、その
基端部１１は所定間隔をおいて各送り用バー７に
ボルト１２にて締け固定されており、そのアーム
１０の自由端側には、上下からリードフレーム１
の中央部を挟持したり開放したりする搬送爪兼リ
ードフレーム曲り防止ガイド１３が設けられてい
る。

次に、第７図は第１図におけるＹ部の拡大図で
ある。

図中１４はパルス信号を受けて作動する搬送用
シリンダーで、そのシリンダー１４と両送り用バ
ー７の端部とは、ブラケツト１５を介して連結支
承されており、搬送用シリンダー１４を作動させ
ると、両送り用バー７がその軸方向に、丁度リー
ドフレーム１のピツチだけ往復移動し得るように
なつている。

次に、第８図は第２図における矢視Ｚ方向より
見て一部を省略した端面図で、第９図は第８図の
側面図である。

図中１６は一端が各々送り用バー７の端部に固
着され、他端がアーム開閉用シリンダー１７に連
結されたリンクで、アーム開閉用シリンダー１７
は搬送用シリンダー１４と連動して作動し、アー
ム開閉用シリンダー１７が作動すると両送り用バ
ー７が回動し、両送り用バー７に固定された複数
のアーム１０が同時に開閉するようになつてい
る。

次に、第１０図は第１図における矢視Ｄ−Ｄ線
に沿つて切断した断面図で、第１１図は第１０図
を上から見て一部を省略した平面図、第１２図は
第１１図の右側面図、又第１３図は第１２図にお
ける矢視Ｅ−Ｅ線に沿つて切断した断面図であ
る。図中１８はガイド３に設けられたガイド溝で
あり、リードフレーム１の両端縁はこのガイド溝
１８に沿つて案内されるが、ガイド溝１８内には
ノリ状のバネ板１９がバネ２０により押圧されて
介装されており、ガイド溝１８内を案内されるリ
ードフレーム１の両端縁は、このバネ板１９によ
つて押圧されてガタツキを吸収され、スムーズに
案内されるようになつている。但し、バネ板１９
の押圧力は、ネジ２１を調整することにより任意
に調整することができる。

上記構成よりなる本実施例のリードフレーム搬
送装置においては、アーム開閉用シリンダー１７
を作動させ、リンク１６を介して送り用バー７を
回動させ、アーム１０を閉じると、リードフレー
ム１はその中央部を搬送爪兼リードフレーム曲り
防止ガイド１３によつて挟持されることになる。
この状態でリードフレーム搬送用シリンダー１４
を作動させて送り用バー７を前進させると、リー
ドフレーム１はその両端縁をガイド３のガイド溝
１８に沿つてバネ板でガタツキを吸収されなが
ら、搬送爪兼リードフレーム曲り防止ガイド１３
によつて所定ピツチだけ前進させられることにな
る。なお、前進したリードフレーム１は、所定位
置において噴射ガンによりバリ取りがなされる
が、リードフレーム１に加工圧が作用しても、リ
ードフレーム１の両端縁はガイド３により案内さ
れているだけでなく、その中央部は搬送爪兼リー
ドフレーム曲り防止ガイド１３によつて保持され
ているので、リードフレーム１が曲つたり、落下
することはない。但し、噴射ガンによる加工圧が
上から作用する場合には、下側の搬送爪兼リード
フレーム曲り防止ガイド１３により、又噴射ガン
による加工圧が下から作用する場合には、上側の
搬送爪兼リードフレーム曲り防止ガイド１３によ
つてリードフレーム１の中央部を保持し、加工圧
が作用する側の搬送爪兼リードフレーム曲り防止
ガイド１３を開放するか、省略して、バリ取り加
工の邪魔にならないようにすることができる。次
に、バリ取り加工を終えたならば、アーム開閉用
シリンダー１７を作動させ、リンク１６を介して
送り用バー７を逆方向に回動させれば、アーム１
０は開となり、リードフレーム１は開放されるこ
とになる。従つて、この状態でリードフレーム１
の搬送用シリンダー１４を作動させて送り用バー
７を後退させると、リードフレーム１はその両端
縁をガイド３に保持されて静止したままとなつて
おり、アーム１０だけが開となつたまま送り用バ
ー７と共に元の位置に復帰することになる。従つ
て、この状態から再度アーム１０を閉として送り
用バー７を前進させる動作を繰り返せば、リード
フレーム１は順次に搬送されてバリ取りがなされ
ることになる。この時、搬送爪兼リードフレーム
曲り防止ガイド１３はリードフレーム１の中央部
を保持しても、リードフレーム１の表面と接触移
動することはないので、リードフレーム１の表面
にスリキズが生じることはない。なお、搬送爪兼
リードフレーム曲り防止ガイド１３の形状寸法等
は、搬送されるリードフレーム１の形状寸法に応
じて最適に設計されることは言うまでもない。
又、送り用バー７を往復移動させる搬送用シリン
ダー１４と送り用バー７を回動させるアーム開閉
用シリンダー１７とは、リードフレーム１のピツ
チやバリ取り速度等に応じてあらかじめマイコン
等にタイムスケジユールをセツトしておき、リー
ドフレーム１の種類が変つても、即時に対応でき
るようにしておくことが望ましい。

［考案の効果］ 以上具体的に説明したように、本考案のリード
フレーム搬送装置によれば、リードフレーム１の
バリ取り時にリードフレームに加工圧が加わつて
も、両端縁をガイドにより案内されているリード
フレームの中央部は、搬送爪兼リードフレーム曲
り防止ガイドによつて保持されているので、リー
ドフレームが曲つたり落ちたりすることはない。
又、搬送爪兼リードフレーム曲り防止ガイドは、
リードフレームの中央部を保持するだけで、リー
ドフレームの表面がこれに接触したまま移動する
ことはないから、リードフレームの表面にスリキ
ズが生じることはない。又、機構も比較的簡単
で、保守点検も容易である。等、多くの利点を有
し、実用上きわめて有効なリードフレーム搬送装
置を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係わるリードフレ
ーム搬送装置の平面図で、第２図はその側面図、
第３図は第２図における矢視Ａ−Ａ線に沿つて切
断した断面図、第４図は第２図における矢視Ｂ−
Ｂ線に沿つて切断した断面図で、第５図は第４図
を上から見て一部を省略した平面図、第６図は第
１図における矢視Ｃ−Ｃ線に沿つて切断した断面
図、第７図は第１図におけるＹ部の拡大図、第８
図は第２図における矢視Ｚ方向より見て一部を省
略した端面図で、第９図は第８図の側面図、第１
０図は第１図における矢視Ｄ−Ｄ線に沿つて切断
した断面図、第１１図は第１０図を上から見て一
部を省略した平面図、第１２図は第１１図の右側
面図、又、第１３図は第１２図における矢視Ｅ−
Ｅ線に沿つて切断した断面図である。 １……リードフレーム、２……フレーム、３…
…ガイド、４……ブロツク、５……ネジ軸、５ａ
……左ネジ、５ｂ……右ネジ、６……モータ、７
……送り用バー、８……架台、９……軸受、１０
……アーム、１１……基端部、１２……ボルト、
１３……搬送爪兼リードフレーム曲り防止ガイ
ド、１４……搬送用シリンダー、１５……ブラケ
ツト、１６……リンク、１７……アーム開閉用シ
リンダー、１８……ガイド溝、１９……バネ板、
２０……バネ、２１……ネジ、Ｌ……噴射ガンに
よるバリ取り範囲。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リードフレームの両端縁を案内するガイドを具
   えた一対のフレームと、そのフレームと平行に配
   置され、回転自在かつ軸方向に移動自在に支承さ
   れた２本の送り用バーと、両送り用バーを軸方向
   に往復移動させる搬送用シリンダーと、基端部が
   所定間隔をおいて各送り用バーに固定され自由端
   側にリードフレームの搬送方向に亘る長手方向を
   上下から把持する搬送爪兼リードフレーム曲り防
   止ガイドを有する複数のアームと、搬送用シリン
   ダーの作動と連動して各送り用バーを回動させる
   アーム開閉用シリンダー、を設けたことを特徴と
   するリードフレーム搬送装置。