JPH05214083A - 複分岐芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

複分岐芳香族ポリエステルの製造方法

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JPH05214083A
JPH05214083A JP4295253A JP29525392A JPH05214083A JP H05214083 A JPH05214083 A JP H05214083A JP 4295253 A JP4295253 A JP 4295253A JP 29525392 A JP29525392 A JP 29525392A JP H05214083 A JPH05214083 A JP H05214083A
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S Richard Turner
ターナー エス.リチャード
Brigitte I Voit
イザベル ボイト ブリジット
Ralph B Nielson
ベント ニルソン ラルフ
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08G83/00Macromolecular compounds not provided for in groups C08G2/00 - C08G81/00
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
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    • C08G63/065Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from hydroxycarboxylic acids the hydroxy and carboxylic ester groups being bound to aromatic rings
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度に分岐した複分岐芳香族ポリエステルを
製造する。 【構成】 一般式Z1 −Ar−(Z2)j 〔式中、jは2
又は3であり、Arは、1〜3個の、単独の又は結合も
しくは融合した、5又は6員環を有するアリール又はヘ
テロアリール基であり、そしてZ1 及びZ2 の一方はカ
ルボキシル基であり、他方は一般式: 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、Xはフ
ルオロ及びクロロからなる群から選択され、そしてgは
0〜7の整数である)を有する基である〕を有する反応
剤を縮合させることからなる、複分岐ポリエステルの改
良製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度に分岐したポリマ
ー及び芳香族ポリエステルの製造方法に関する。更に詳
しくは、本発明は、複分岐芳香族ポリエステルの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】高度に分岐した非架橋のポリマーは、
「複数世代(multiple generation)」及び「単一世代」
方法により製造されてきた。複数生成方法は、Tomalia,
D. A.等によりAngewandte Chemie, International Edi
tion in English 、29巻、138-175 頁、(1990年)及び
米国特許第 5,041,516号に例示されており、これらの文
献にはそれぞれ高度に分岐した非架橋のポリアミドアミ
ン及びポリベンジルエーテルが記載されている。Tomali
a 等は製造されたポリマーを「星型(starburst)ポリマ
ー」又は「星型デンドリマー(starburst dendrimers)」
として同定している。両方の刊行物には、巨大分子が一
連の成長工程を通して反応、単離及び精製を繰り返すこ
とによって製造される製造が記載されている。各成長工
程の生成物は「世代」と呼ばれている。これらの方法は
非常に面倒であるが、製造された生成物は非常に均一で
ある。Newkome 等はJournal of the American Chemical
Society,112巻、8458頁(1990年) に、樹木状として記
載され「アーボロール(arborols)」として同定される種
々の巨大分子を形成するために使用される、同様の工程
及び繰り返し方法を記載している。
【0003】単一世代方法は複数世代方法よりも面倒さ
は少ない。単一世代方法は、Flory,P.J.によりJournal
of the American Chemical Society, 74巻、2718頁(19
52年)に例示されており、これには構造式ABx(式
中、A及びBは反応性基である)を有するモノマーから
の縮合重合による、ランダム分岐を有し架橋を有しない
高度に分岐した可溶性ポリマーの形成の理論的解析が表
されている。Kim, Y.H.等は、Journal of the American
Chemical Society,112巻、4592頁(1990年)及び米国
特許第 4,857,630号に、超分岐ポリエチレンの製造に於
けるこの種の「単一世代」アプローチを記載している。
米国特許第 3,669,939号には、単一のカルボン酸官能性
と複数のアルコール官能性を有するモノマーの「単一世
代」溶融縮合重合により製造された、高度に分岐した非
架橋の脂肪族ポリエステルが教示されている。Hawker,
C.J.,Lee, R.及びFrechet, M.J.M. は、Journal of the
American Chemical Society,113巻、12号(1991年)、
4583-4588頁に、全芳香族の高度に分岐した非架橋ポリ
エステルの製造のための単一世代方法を教示している。
この方法に於いて、3,5−ビス(トリメチルシロキ
シ)ベンゾイルクロライドが、H.R. Kricheldorf等によ
りMakromol. Chem.184巻、 475頁(1983年)に記載され
たKricheldorf 法により溶融重合され、トリメチルシリ
ルクロライドを排出する。この生成物を加水分解に付し
て、フェノールで末端停止し高度に分岐したポリエステ
ルを得ることができる。この方法は、高価な感水性(wat
er-sensitive)反応剤及び困難なモノマー調整工程を必
要とするという欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】線状で幾らか僅かに分
岐した芳香族ポリエステルはしばしば「アセトリシス」
反応を経て製造される。高度に分岐した非架橋の芳香族
ポリエステルを製造するためにこの種の反応を使用する
ことはこれまで報告されておらず、文献に報告されたも
のは、このような化学は高度に分岐したポリマーの合成
を十分行わないと予想するように当業者を導くであろ
う。Makromol. Chem.184巻、 475頁(1983年)に於いて
H.R. Kricheldorf等及びJournal of Applied Polymer S
cience, 2巻、 198頁(1959年)に於いてR. Gilky等
は、ポリ(ヒドロキシ安息香酸)の製造に於いて、酢酸
塩を使用する縮合反応が脱カルボキシル化副反応を伴う
ことを示した。このような脱カルボキシル化反応は、大
きな欠陥又は低分子量又は両方を起こすことによって、
高度に分岐したポリマーの生成を阻害する。更に、Kric
heldorf, H.R. 等はPolymer 23巻、1821頁(1982年)
に、m−ヒドロキシ安息香酸との共縮合重合に於いて分
岐剤として3,5−ジアセトキシ安息香酸を使用する幾
つかの試みは、若し分岐したとしても僅かなものになっ
たことを示した。Kricheldorf は1827頁に、「・・・
(3,5−ジアセトキシ安息香酸)の2番目のアセチル
基は、この3官能性モノマーを線状の鎖の中に含有させ
た後に、分岐工程を開始するのに十分な反応性をもたな
い。」と述べている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その広い観点
において、一般式Z1 −Ar−(Z2 j 〔式中、jは
2又は3であり、Arは、1〜3個の、単独の又は結合
もしくは融合した、5又は6員環を有するアリール又は
ヘテロアリール基であり、そしてZ1 及びZ2の一方は
カルボキシル基であり、他方は一般式:
【0006】
【化4】
【0007】(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基で
あり、Xはフルオロ及びクロロからなる群から選択さ
れ、そしてgは0〜7の整数である)を有する基であ
る〕を有する反応剤を縮合させることからなる、複分岐
ポリエステルの改良製造方法を提供する。
【0008】本発明の複分岐芳香族ポリエステルの製造
方法では、「ABx」モノマー反応剤の縮合を使用す
る。本明細書に於いてはまた「分岐反応剤」とも言うこ
の反応剤は、一般構造式
【0009】
【化5】
【0010】(式中、jは2又は3である)を有する1
種又はそれ以上の化合物からなる。分岐反応剤の各化合
物に於いて、Z1 又はZ2 はカルボキシル基であり、他
方のZ基は一般式−O−CO−RXg を有する。換言す
ると、この分岐反応剤は、全部一般構造式HOOC−A
r−(O−CO−RXg j を有するか、又は全部一般
構造式Xg R−CO−O−Ar−(COOH)j を有す
る1種の化合物又は2種若しくはそれ以上の化合物の混
合物である。
【0011】Rはアルキルであり1〜3個の炭素原子を
有する。Xはフルオロ又はクロロであり、gは0〜7の
整数である。適当なRXg 単位には、−CH3 、−CH
2 −CH3 、−CH2 C1、−CHC12 、−CC
3 、−CH2 F、−CHF2 及び−CF3 が含まれ
る。Rが−CH3 である場合にはgは0であり、そして
−O−CO−RXg は−O−CO−CH3 である。この
基は普通化学文献に於いては「アセトキシ基」又は「ア
セテート基」と言われるが、便宜上、本明細書に於いて
は、構造式−O−CO−RXg を有する基を、これらの
基がアセトキシ基の誘導体であるかのように、用語「置
換又は非置換のアセトキシ基」又は用語「アセトキシ」
を使用することによって、集合的に呼ぶ。用語「アセテ
ート基」は本明細書に於いては基:−O−CO−CH3
を指すために使用する。
【0012】Arは1〜3個の5又は6員環を有するア
リール又はヘテロアリール基である。この環は単独であ
るか又はもしくは融合している。Arは置換基が非反応
性である限り、即ち、有害な影響、例えば、Z1 又はZ
2 との縮合又は縮合重合の立体障害若しくは電子的失活
を有しない置換基である限り、追加の置換基を有してい
てもよい。例えば、追加の基はヒドロキシル、エステ
ル、アミノ又はスルホン酸とすることはできない。それ
はこれらの基がZ1 又はZ2 と縮合するからである。Z
1 又はZ2 と反応できない受容できる置換基には、クロ
ロ、フルオロ、シクロアルキル、並びに全ての炭素数1
〜4のアルキル、アルコシキ及びハロアルキルが含まれ
る。環上の置換基、即ち、Z1 又はZ2 基並びに追加の
置換基は、互いにオルト又はメタ又はパラ位とすること
ができる。結合した環は、
【0013】
【化6】
【0014】からなる群から選択された結合基により結
合することができる。各T1 は、独立に、アルキル及び
アリールからなる群から選択され、dは1〜6の整数で
ある。適当な−Ar−基には、フェニル、ナフチル、ア
ントラシル、フェナントリル、ビフェニル、フェニルエ
ーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルケトン、ジフ
ェニルスルフィド、ピリジン、キノリン、
【0015】
【化7】
【0016】が含まれる。T2 は、炭素数1〜12の脂
肪族基及び炭素数6〜24のアリール基から選択される
基を表す。これらの−Ar−基のそれぞれの全原子価、
即ち、上記芳香族残基構造に於ける満たされない結合に
示されるような、Z1 及びZ2 基への結合の数は3又は
4であり、それでm1 、m2 及びm3 はそれぞれ0〜4
から選択される整数であり、m1 +m2 +m3 (若しあ
れば)=3又は4である。本発明の方法に於いて分岐反
応剤として使用するために適している特定の化合物に
は、下記のものが含まれる。
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】製造されたポリマー中の繰り返し単位は、
末端にあるものを除いて、それぞれエステル結合に結合
した−Ar−残基を有し、これは順番に次の繰り返し単
位に結合している。各エステル結合、−Q−中のエステ
ル結合及びカルボニルの順序はZ1 及びZ2 に依存す
る。Z1 がカルボキシルであり、Z2 がアセトキシであ
る本発明の態様に於いて、エステル結合の順序・・・−
O−CO−・・・−Ar−(O−CO−CH3 j を有
する。Z1 がアセトキシであり、Z2 がカルボキシルで
ある本発明の態様に於いて、エステル結合は順序・・・
−CO−O−・・・−Ar−(COOH)j を有する。
本明細書に開示された本発明の態様の繰り返し単位は、
下記の3種の構造式により表すことができる。
【0020】
【化10】
【0021】これらの式に於いて、j、Ar及びZ2
上記と同じ意味を有し、Qはエステル結合である。j=
2の場合、後の二つの式は余分なものであり、これらの
j=2繰り返し単位は、2個のエステル結合又は1個の
エステル結合と1個の未反応のZ2 基との何れかを有す
る。j=3の場合、これらの繰り返し単位は、3個のエ
ステル結合又は2個のエステル結合と1個の未反応のZ
2 基と又は1個のエステル結合と2個の未反応のZ2
とを有する。上記の繰り返し単位の式に示されるよう
に、非末端繰り返し単位のZ2 基の縮合は完結せず、多
くの非末端Z2 基は本発明の方法の縮合の後で未反応の
ままで残っている。末端繰り返し単位は一般式:
【0022】
【化11】
【0023】を有している。それで、末端Z2 基は本発
明の態様により全部カルボキシルであるか又は全部アセ
トキシ基であるかの何れかである。便宜上、本明細書に
於いて、分岐反応剤は一般的に個々の化合物として記載
する。本発明の方法に於いて個々の化合物を使用するこ
とは、ホモポリマーと類似である複分岐ポリマーを作
る。即ち、巨大分子に於ける繰り返し単位は上記の差異
を有するが、それぞれのこれらの繰り返し単位は同じ化
合物から誘導される。本発明の方法はこのような「ホモ
ポリマー」に限定されない。2種又ははそれ以上の化合
物の混合物がコポリマーに類似の複分岐ポリマーを製造
するために分岐剤として使用できる。使用する異なった
化合物の相対パーセントは変えることができる。化合物
は、芳香族残基に於いて、芳香族残基へのZ1 及びZ2
基の配置に於いて、RXj 単位に於いて、Z2 基の数に
於いて又はこれらの特徴の組合せに於いて異なっていて
もよい。
【0024】本発明の特別の態様に於いて、本発明の方
法は分岐反応剤の「自己縮合」と言うことができるもの
に限定される。用語「自己縮合」は、分岐反応剤のお互
い同士の亜単位(subunit) の縮合を示す。これらの亜単
位は、1個の化合物又は化合物の混合物により寄与され
る。本発明の別の態様に於いて、分岐反応剤は、一般構
造式:
【0025】
【化12】
【0026】(式中、eは0又は1である)を有する非
分岐反応剤と自己縮合及び共縮合する。eが0の場合に
は、非分岐反応剤は複分岐ポリマーの分岐を終結する
「末端閉塞」繰り返し単位を与える。eが1である場合
には、非分岐反応剤は複分岐ポリマー中の追加の線状繰
り返し単位を与える。末端閉塞端及び追加の線状繰り返
し単位は、実際に、分岐が減少する欠点である。欠点は
望ましくは繰り返し単位の小さいパーセントに維持され
る。本発明のポリマーは、ポリマー中の複分岐を破壊す
るために十分大きいパーセントの非分岐繰り返し単位を
含まず、分岐がそれ自身また分岐しないポリマーを作
る。
【0027】選択された反応剤を使用する反応条件下で
重合させることが必要である。反応剤は使用する反応条
件下で十分安定であり、反応剤は立体障害又は他の手段
により反応を過度に遅らせる基を有しないことが望まし
い。受容できない量の副生物、例えば、受容できない量
の線状繰り返し単位の生成を防ぐために、反応剤が受容
できない量の望ましくない副反応を起こさないことも望
ましい。
【0028】例に開示した本発明の方法の様態の複分岐
芳香族ポリエステルは、 970〜1,250,000の範囲内の重
量平均分子量(Mw)及び 540〜50,000の範囲内の数平
均分子量(Mn)を有するが、理論的に分子量の上限は
ない。これらの態様に於ける多分散度(polydispersity)
は1.8〜100である。例5に開示した本発明の特別
の態様に於いて、分岐繰り返し単位及び末端繰り返し単
位の合計を繰り返し単位の全数で割った比は0.5に等
しい。完全に分岐したポリマーについてはこの値は1.
0に等しい。
【0029】複分岐芳香族ポリエステルの露出した末端
基は反応して、露出した末端基を変性するか、又は他の
分子を末端に結合させるか、又はポリマー分子内若しく
はポリマー分子間の何れかで末端を架橋することができ
る。適当な反応は、−O−CO−RXg 基の加水分解、
エステル形成、アミド形成及びウレタン形成のような線
状芳香族ポリエステルの等価末端基の反応である。即ち
複分岐芳香族ポリエステルの末端基として与えられる官
能基には、フェノール;カルボン酸;カルボン酸クロラ
イド;ペルフルオロ化アリール又はアルキル、第一級、
第二級及び第三級アミン基;−C1、−Br及び−Iの
ようなハロゲン化アリール;並びに塩化ベンジルが含ま
れる。ポリマーは末端基に結合して、ポリマーの腕が複
分岐方向族ポリエステルコアの末端にグラフト化した星
型コポリマーを与える。グラフト化のために特に便利な
ポリマーは、−OH、−NH2 、−COOH、−C1、
−Br及び−I末端基を有するものであり、これらの基
は当業者によく知られている反応により末端のアセトキ
シ、フェノール又はカルボキシル基に結合することがで
きる。
【0030】本発明の方法は反応の速度を増加させる触
媒の存在下で行うことができる。本発明の方法に有用な
触媒には、線状ポリエステルの製造で有用な縮合触媒、
例えば、Mg、MgO並びに((BuO)4 Ti)及び
TiO2 のようなチタン化合物が含まれる。「触媒量」
により、反応に所望の程度の触媒作用をする触媒の量が
意味される。一般に、触媒の量は反応剤のモル量基準で
少なくとも 0.005モル%である。触媒の量に関して実際
の上限又は下限はなく、触媒の量はコスト、並びに生成
物及び未反応の反応剤からの触媒の分離の容易性のよう
な二次的な要因により決まる。好ましい触媒量は反応剤
のモル量基準で0.01〜 1.0モル%である。触媒は担体に
結合してもよく、担持されなくてもよい。
【0031】本発明の重合反応は好ましくは溶剤の不存
在下に単に反応剤を加熱するだけで行う。重合反応は、
反応剤を或る程度溶解して液体反応媒質を与える溶剤の
存在下で行うことができる。溶剤を使用すると、溶融重
合に比較して反応速度が遅くなる。溶剤を使用する場合
には、溶剤は反応に「不活性」であること、即ち、溶剤
が望まない方法で反応に関与しないことが望ましい。溶
剤が高い沸点を有し、反応で高温を使用できることが望
ましい。本発明は特定の溶剤又は溶剤系に限定されず、
広範囲の種々の溶剤が使用できる。溶剤の例はジメチル
ホルムアミド及びテトラメチレンスルホンである。存在
する溶剤の量には制限は無いが、実際の制限は減少する
反応速度、反応媒体からの生成物の分離、コスト及びそ
の他の要因により制約される。この反応はまたビフェニ
ル又はMarlotherm-Sのような高沸点非溶剤又は希釈剤の
存在下で行うことができる。この媒体の目的は、熱移動
及び重合モノマーの処理性を助けることである。
【0032】重合反応の間、アセトキシ基の酸、即ち、
HO−CO−RXg 、本明細書で「アセトキシ酸」とも
言われるものが生成し、反応溶融物又は溶液又は混合物
から出てくる。例えば、−O−CO−RXg が−O−C
O−CH3 であるならば、生成するアセトキシ酸は酢酸
である。アセトキシ酸の除去は重合反応の完結のための
駆動力を与える。アセトキシ酸は、窒素又はアルゴンの
ような不活性ガスの流れを、大気圧若しくは大気圧より
高い圧力下で又はその代わりに反応装置に真空をかける
ことにより、反応物の上又は中に通すことにより除去で
きる。アセトキシ酸は何か他に使用するために捕集して
もよい。アセトキシ酸はまた、アセトキシ酸をポリビニ
ルピリジンのような巨大分子塩基と反応されるような方
法により除去できる。しかしながら、塩基を使用するこ
と、特に小さい分子の塩基を使用することは、反応を停
止する重大な危険を示すので好ましくない。当業者が認
めるように、重合反応を駆動するために使用する特別の
手段は臨界的ではない。
【0033】本発明の方法のための適当な反応温度は、
反応の妥当な速度を与え、生成物又は反応剤又は溶剤の
不当な量の分解を与えない。重合反応は一般に140℃
より高い温度で行われる。反応は140℃よりも低い温
度で行うことができるが重合反応はもっと遅くなり生成
物の分子量は低下する。重合反応の上限温度は分解温度
により決まる。適当な温度は160〜300℃である。
本発明の方法は好ましくはジ−及びトリ−アセトキシ反
応剤については160℃〜240℃の範囲内の温度で、
ジ−及びトリ−カルボキシル反応剤については210℃
〜270℃の範囲内の温度で行う。
【0034】反応時間は真に独立の変数ではなく、少な
くともある程度、反応剤の反応性、触媒の不存在又は存
在、反応温度、所望の生成物の物理的性質などのような
選択された他の反応パラメーターに依存する。一般的
に、0.5〜20時間の範囲内の反応時間を使用する。
【0035】反応混合物又は溶液の攪拌は任意である
が、攪拌はポリマーの製造及び生成を助ける。反応混合
物の攪拌は機械式攪拌のようなどのような公知の方法に
よっても行うことができる。重合反応は回分式反応容器
内で行われてきた。重合反応を連続式又は半連続式とし
て行うことができることが提案されている。更に重合反
応を連続段階反応器中で溶融物として連続ベースで行う
ことが好ましいことが提案されている。連続方法に於い
て、窒素又はアルゴンのような不活性ガスを溶融物中に
好ましくは向流方向に通過させ、それにより反応溶融物
の攪拌及び混合を行い、そして同時に発生するアセトキ
シ酸を除去する。また、この連続方法に於いて、発生す
るアセトキシ酸を除去するために反応器を真空をかける
ことができる。
【0036】本発明の複分岐方向族ポリエステルの用途
は末端基の性質に依存する。末端にアセトキシ基を有す
る本発明のポリマーは、種々の有機溶剤に可溶性であ
り、高固体含有量の工業的塗料として使用できる。本発
明の他のポリマーのカルボキシル末端基はカルボン酸塩
に転換して水性媒体に可溶性であるアイオノマーにする
ことができ、塗料、添加剤などに使用することができ
る。
【0037】本発明の方法で有用な反応剤は、下記の調
製により例示した方法を使用して製造することができ
る。5−アセトキシイソフタル酸の調製 5−ヒドロキシイソフタル酸(45.5g、0.25モ
ル)を無水酢酸(102g、1モル)中で加熱し、溶解
するまで1.5時間還流させた。還流を全部で5時間続
けた。過剰の無水酢酸を真空で除去し、白色の生成物を
クロロホルム/トルエン(50/50重量/重量)混合
物から二回再結晶した。収量は48gであり、理論収量
の86%であった。融点は、全ての調製及び例に於ける
ように、トーマスーフーヴァー(Thomas-Hoover) 融点測
定装置を使用して測定し、これは235℃の温度で分解
の開始及び酢酸の明らかな放出を示した。重水素化ジメ
チルスルホキシド(DMSO−d6 )を使用して300
MHz GE器械で行った核磁気共鳴(NMR)は、下
記のピーク(ppmで)を与えた:2.25(s,3
H)、7.8(s,2H):8.3(s,1H)、1
3.4(broad, 2H,COOH)。
【0038】3,4,5−トリアセトキシ安息香酸の調
磁気攪拌機を取り付けた1リットルの丸底フラスコ中
で、没食子酸(170.1g、1.0モル)と無水酢酸
(566mL、6モル)とを一緒にした。硫酸(1.0
6mL)を添加しながら、このスラリーを攪拌した。温
度が21℃から75℃に約1分間で急速に上昇し、スラ
リーは透明な黄色溶液になった。混合物を攪拌し、20
分間で室温にまで冷却させた。次いで、溶液を水3リッ
トルが入った攪拌した4リットルのエルレンンマイヤー
フラスコに注いだ。2.5時間後、白色結晶生成物を濾
過により単離し、水500mLで3回洗浄した。生成物
を空気を流しながら3時間乾燥し、次いで一夜真空乾燥
した。収量は262gであり、理論収量の88%であっ
た。融点は166〜168℃であった。(CDC13
を使用した他は、前の調製に於けると同様にして行った
NMRは、下記のピーク(ppmで)を与えた:2.3
0(s,9H)、7.86(s,2H)、11.95
(broad,1H)。
【0039】3,5−ジアセトキシ安息香酸の調製 3,5−ジアセトキシ安息香酸(77g、0.5モル)
と無水酢酸200mLとを、還流凝縮器を取り付けた5
00mL丸底フラスコ中で混合した。混合物を還流させ
て加熱すると、ジヒドロキシ酸は溶液中に溶解した。還
流を全部で5時間続けた。褐色の溶液が得られた。過剰
の無水酢酸をロータリー蒸発により除去し、残留した固
体を真空下に40℃で乾燥した。この固体を約200m
Lの還流するクロロホルムに溶解し、熱時濾過し、次い
で70mLの石油エーテル(沸点、60〜80℃)で希
釈した。化合物を一夜結晶化させ、濾過により単離し、
石油エーテル及びクロロホルムの1:1混合物で洗浄し
た。次いで化合物を同じ方法により再結晶した。収量は
白色結晶59g(50%)であった。融点に157〜1
59℃であった。(DMSO−d6 )を使用した他は、
前の調製に於けると同様にして行ったNMRは、下記の
ピーク(ppmで)を与えた:2.1(s,6H)、
7.23(s,1H)、7.55(s,2H)、13.
3(b,1H)。
【0040】3−アセトキシ安息香酸の調製 3−ヒドロキシ安息香酸(24.7g、0.2モル)と
無水酢酸(40.8g、0.4モル)とを混合し、還流
させて3時間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、室温
で3時間攪拌した。沈澱した生成物を濾過により捕集
し、クロロホルムから再結晶した。収量は白色結晶21
g(58%)であった。融点は128〜129.5℃で
あった。(DMSO−d6 )を使用した他は、前の調製
に於けると同様にして行ったプロトンNMRは、下記の
ピーク(ppmで)を与えた:2.24(s,3H)、
7.35,7.55,7.65,7.8(m,4H)、
13.2(b,1H)。下記の比較例は、Hawker, C.
J., Lee, R.及びFrechet, M.J.M. 、Journal ofthe Ame
rican Chemical Society, 113巻、12号(1991年)、 45
83-4588頁に教示されている方法に基づいた。
【0041】比較例 ビス(トリメチルシロキシ)ベンゾイルクロライド(5
g、0.016モル)及びトリメチルアンモニウムクロ
ライド(30mg、2モル%)をフラスコ中で混合し、
ゆっくり窒素を流しながら140〜155℃で3時間加
熱した。次いで、約10-2Torrの真空を30分間かけ
た。フラスコを室温にまで冷却し、ポリマーをテトラヒ
ドロフラン(50容積部)、アセトン(50容積部)及
びジメチルスルホキシド(2容積部)の混合物に溶解し
た。溶液を濾過し、ポリマーを水中に沈澱させた。ポリ
マーを捕集し、テトラヒドロフラン(800容積部)、
メタノール(200容積部)及び濃塩酸(1容積部)の
混合物に再溶解して全てのトリメチルシリル基を除去し
た。ポリマー溶液を10分間攪拌し、次いで水中に沈澱
させ、捕集し、乾燥した。MTBSTFAでカルボキシ
ル基を転換した後、例1に開示した方法により分子量を
測定し、27,000のMwの値(MTBSTFA保護
付き)が得られた。Tgは220℃であると測定され
た。(DMSO−d6 )を使用して、前の調製に於ける
と同様にして行ったNMRは、図2に示すスペクトルを
与え、下記のピーク(ppmで)を有している:6.4
〜8.2芳香族プロトン、9.7及び10.4 OH−
プロトン。
【0042】下記の例を、本発明のより一層の理解のた
めに示す。例1 5−アセトキシイソフタル酸の重縮合 5−アセトキシイソフタル酸(6g、0.027モル)
を凝縮フラスコに入れ、酸素を除くためにアルゴンで2
回排気しフラッシュした。フラスコに窒素入口、テフロ
ン羽根を有する機械式ガラス攪拌機及び酢酸用のガス出
口を取り付けた。重縮合を250℃に維持した塩浴中で
行った。触媒は添加しなかった。約5分後、反応剤が溶
融したとき、ゆっくりとした窒素流を重縮合系を通して
フラッシュした。約5分後、酢酸が反応混合物から流出
し始めた。ポリマーが形成したために攪拌がもはやでき
なくなるまで反応を30分間続けた。窒素流を止め、2
×10-2Torrの真空をこの系に90分間かけて全ての酢
酸を除去した。白色の発泡したポリマーが得られたと
き、窒素でこの系をフラッシュすることによって反応を
停止させ、室温にまで冷却した。ポリマーを、テトラヒ
ドロフラン(THF)100mL、メタノール40mL
及び水10mLの混合物中で4時間還流させて加熱し
て、反応剤カルボキシル基との水素結合を壊し、得られ
たポリマーを溶解した。透明な溶液が得られた。ロータ
リー蒸発により溶剤を除去し、ポリマーを純粋の熱TH
F中に再溶解し、水中に沈澱させた。カルボキシル末端
基を有する白色ポリマーを捕集し、真空中60℃で乾燥
した。収量は3.8gであり、理論収量の86%であっ
た。Tg=254℃。分解開始温度は490℃であっ
た。分子量測定の間にポリマー生成物を保護するため
に、ポリマーをN−(tert−ブチルジメチルシリル)−
N−メチルトリフルオロアセタミド(MTBSTFA)
と反応させて、カルボキシル基をジメチル−t−ブチル
シリルエステル基に転換した。分子量データは、汎用較
正標準に対して較正し、直列に組み合わせた、Polymer
Laboratories of Amherst, Mass.により市販の、低角度
レーザ光散乱、示差粘度及び屈折率測定を組み合せて使
用し、3本の7.5mm内径×300mmの10μm粒
子径PLgel混床カラムを有するサイズ排除クロマト
グラフィー(SEC)系で得た。MTBSTFAでカル
ボキシル基を転換した後のMwは36,500であっ
た。(DMSO−d6 )を使用して、前の調製に於ける
と同様にして行ったNMRは、下記のピーク(ppm
で)を与えた:7.4〜8.8ppmのブロードシグナ
ル(芳香族 H,3H)、13.4でカルボン酸のプロ
トン(1H,broad)。
【0043】例2 例1の生成物からの水溶性ポリエステルの調製 例1のポリマー生成物(1g)を熱THFに溶解した。
NaOH水溶液(1規定NaOH6mLを水50mLで
希釈した)を添加し、混合物を室温で30分間攪拌し
た。THFを真空で除去して、カルボン酸ナトリウム末
端基を有するポリマーの水溶液(pH6〜7)を得た。
【0044】例3 3,4,5−トリアセトキシ安息香酸の重合 3,4,5−トリアセトキシ安息香酸(20.0g、
0.067モル)、p−トルエンスルホン酸一水和物
(10mg、0.87モル%)及びイルガノックス10
10(8mg、Hawthorne, New York のチバガイギー社
(Ciba-Geigy Corp.)から市販の酸化防止剤)を、例1に
記載したように装着した縮合容器内で、窒素雰囲気下で
一緒にし、混合物を220〜240℃で1時間加熱し、
その間約3mLの溜出物が捕集された。更に1時間24
0℃で圧力を約0.3Torrに下げて、褐色の粘稠な溶融
物を得た。溶融物を冷却して、11.4gのガラス状琥
珀色固体を得、これは理論収率71%であった。生成物
は室温(20℃)で塩化メチレン及びテトラヒドロフラ
ンに可溶性であった。MTBSTFAを使用する保護を
しなかった他は例1に於けるようにしてSECにより測
定したMwは20,000であった。(CDC13 )を
使用して、前の例に於けると同様にして行ったNMR
は、下記のピーク(ppmで)を与えた:2.28
(s,broad)、7.91及び7.97(m,broad)、面
積比3.07:1。
【0045】例4 3,5−ジアセトキシ安息香酸の無触媒重縮合 3,5−ジアセトキシ安息香酸(10g、0.042モ
ル)をアルゴン下で例1に記載したように装着した凝縮
フラスコに入れた。重縮合を180〜185℃に維持し
た塩浴中で行った。触媒は添加しなかった。約5分後、
反応剤が溶融したとき、ゆっくりとした窒素流を重縮合
系を通してフラッシュした。約5分後、酢酸が反応混合
物から流出し始めた。ポリマーが形成したために攪拌が
もはやできなくなるまで反応を3時間続けた。窒素流を
止め、10-2Torrの真空をこの系に約1時間かけた。弾
性の殆ど無色のポリマーが得られたとき、窒素でこの系
をフラッシュし、室温にまで冷却することによって反応
を停止させた。ポリマー生成物は室温で非常に脆く、容
易に小片に破滅された。ポリマーを室温のTHF中に一
夜攪拌することによって溶解した。メタノール中に沈澱
させることによって6.4gの収量で白色の粉末が得ら
れ、これは理論収量の86%であった。このポリマー
は、MTBSTFAを使用する保護をしなかった他は例
1に於けるようにして行ったサイズ排除クロマトグラフ
ィーにより測定した30,000の重量平均分子量を有
していることが分かった。(DMSO−d6 )を使用し
て、前の調製に於けると同様にして行ったNMRは、下
記のピーク(ppmで)を与えた:2.25(3H)、
7.25d〜8.18d(3H)の4個のブロードシグ
ナル。
【0046】例5 フェノール末端基で得られた、例4の生成物の加水分解 例4のポリエステル生成物(0.5g)をTHF100
mL、メタノール15mL及び水10mLの混合物に溶
解した。(ポリマーを溶液中に維持することが必要で、
水又はメタノールを増やすと沈澱する)。濃塩酸(約
1.5mL)を添加し(pH=2〜3)、溶液を16時
間還流した。加水分解した後、溶剤を真空下に除去し、
ポリマーを純THF中に溶解し、水中に沈澱させた。濾
過及び乾燥した後、生成物0.35gを白色粉末として
得た。(DMSO−d6 )を使用し、前の例に於けるよ
うにしてNMRを行った。加水分解度はNMRにより8
5%であると計算された。図1に示すNMRスペクトル
は、図2に示すHawker, C.J.他、Journal of the Ameri
can Chemical Society,113巻、12号(1991年)、 4583-
4588頁に開示されたシリル酸クロライド法により製造さ
れたポリマーから得られたものに、非常によく似てい
た。分岐度は、この文献に開示されている方法を使用し
てNMRから算出し、開示されたシリル酸クロライド法
により製造された巨大分子についてのこの文献に開示さ
れている58%の値に比較して49%であることが分か
った。
【0047】例6 3,5−ジアセトキシ安息香酸の触媒重縮合 3,5−ジアセトキシ安息香酸を例4に記載したものと
同じ反応装置で重合した。モノマーに、触媒としてp−
トルエンスルホン酸(0.050g、0.6モル%)を
添加した。重合は200℃で開始した。反応物を1時間
ゆっくり窒素を流しながら攪拌した。この段階でポリマ
ーは既に粘稠であった。温度を230℃に上昇させ、2
×10-2Torrの真空を10分間かけた。冷却すると、褐
色を示す脆いガラス状のポリマーが得られた。このポリ
マーをTHF中に溶解し、濾過し、メタノール中に沈澱
させ、数時間攪拌し、濾過により捕集し、そして真空下
に乾燥した。収量5.9gの薄褐色の粉末が得られ、こ
れは理論収量の79%であった。このポリマーは、前記
の例に記載したようにして行ったSECから62,00
0の重量平均分子量を有していることが分かった。
【0048】例7 3−アセトキシ安息香酸及び3,5−ジアセトキシ安息
香酸の無触媒共縮合 3−アセトキシ安息香酸(1.8g、0.01モル)及
び3,5−ジアセトキシ安息香酸(2.4g、0.01
モル)をアルゴン下で例1に記載したように装着した凝
縮フラスコに入れた。重縮合を180〜185℃に維持
した塩浴中で行った。触媒は添加しなかった。約5分
後、反応剤が溶融したとき、ゆっくりとした窒素流を重
縮合系を通してフラッシュした。粘度が著しく増加する
まで反応を3.5時間続けた。窒素流を止め、10-2To
rrの真空をこの系に約1時間かけた。窒素でこの系をフ
ラッシュし、室温にまで冷却することによって反応を停
止させた。ポリマー生成物をTHF中に溶解した。メタ
ノール中に沈澱させることによって2gの収量が得ら
れ、これは理論収量の67%であった。このポリマー
は、前の例に於けるようにしてSECにより測定した8
3,000に重量平均分子量を有していることが分かっ
た。(DMSO−d6 )を使用して、前の例に於けるよ
うにして行ったプロトンNMRは、下記のピーク(pp
mで)を与えた:2.21、7.2〜8.2。積分法か
ら算出したコポリマーの組成は、3,5−ジアセトキシ
安息香酸からの副単位55%及び3−アセトキシ安息香
酸からの副単位45%であるこが分かった。
【0049】例8 フェノール末端基で得られた、例7の生成物の加水分解 例7のポリエステル生成物(0.5g)をTHF100
mL、メタノール15mL及び水10mLの混合物に溶
解した。(ポリマーを溶液中に維持することが必要で、
水又はメタノールを増やすと沈澱する)。濃塩酸(約
1.5mL)を添加し(pH=2〜3)、溶液を16時
間還流した。加水分解した後、溶剤を真空下に除去し、
ポリマーを純THF中に溶解し、水中に沈澱させた。濾
過及び乾燥した後、生成物0.4gを白色粉末として得
た。(DMSO−d6 )を使用し、前の例に於けるよう
にしてNMRを行った。加水分解度はNMRにより65
%であると計算された。NMRスペクトルを例5で得ら
れたスペクトルと比較して、分岐した単位の証拠が見出
された。
【0050】例9 3,5−ジアセトキシ安息香酸及びp−メトキシ安息香
酸の無触媒共縮合 3−アセトキシ安息香酸(5.0g、0.021モル)
及びp−メトキシ安息香酸(3.2g、0.021モ
ル)を混合し、ゆっくりとした窒素流の下に4.5時間
185℃に加熱した。窒素流を止め、8×10-2Torrの
真空をこの系に更に1.5時間かけた。ポリマー生成物
をTHF中に溶解した。メタノール中に沈澱させること
によって4.1gの収量が得られた。(DMSO−
6 )を使用して、前に例に於けるようにして行ったプ
ロトンNMRは、下記のピーク(ppmで)を与えるポ
リマー物質を示した。:2.2(b,メチル)、3.7
(b,メトキシ)、6.8〜8.2(b,芳香族プロト
ン)。NMR信号の積分から、メトキシプロトンとメチ
ルプロトンの比率は0.9であり、これは100個の含
有されたモノマー単位の約47個のメトキシ末端停止単
位であったことが分かった。
【0051】
【発明の効果】有用な末端基を有する高分子量の非常に
分岐した構造を、反応の複数発生及び精製、又はトリメ
チルシリル安息香酸クロライドの使用を必要としないで
得ることができることが、本発明の方法のあるものの有
利な効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、89%加水分解された例5の複分岐ポ
リエステルのプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図2】図2は、特定のピークが同定される比較例のポ
リマーのプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラルフ ベント ニルソン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14617, ロチェスター,キングス ハイウェイ ノ ース 26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 〔式中、jは2又は3であり、Arは、1〜3個の、単
    独の又は結合もしくは融合した、置換又は非置換の、5
    又は6員環を有するアリール又はヘテロアリール基であ
    り、そしてZ1 及びZ2 の一方はカルボキシル基であ
    り、他方は一般式: 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、Xはフ
    ルオロ及びクロロからなる群から選択され、そしてgは
    0〜7の整数である)を有する基である〕を有する分岐
    反応剤のZ1 及びZ2 基を縮合させることを含んでな
    る、複分岐ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 更に、前記分岐反応剤と、一般式: 【化3】 (式中、eは0又は1であり、Z1 及びZ2 はそれぞれ
    該分岐反応剤に於けるのと同じ基であり、そして各Ar
    は独立に、該分岐反応剤のArと同じ基から選択され
    る)を有する非分岐反応剤とを共縮合させることを含ん
    でなる、請求項1記載の方法。
JP4295253A 1991-11-05 1992-11-04 複分岐芳香族ポリエステルの製造方法 Pending JPH05214083A (ja)

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