JPH05192794A - 配管用開先合せ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業を簡素化すると共にその作業時間を短縮
して作業効率の向上並びに経費の節減を図る。 【構成】 互いに軸方向に対向する端面の位置合せを行
う配管用開先合せ装置において、一対のクランプ１２，
１３の一端が蝶番１４により互いに回動自在で他端が結
合ボルト１５により着脱自在なスリーブ側治具１１と、
一対のクランプ３２，３３の一端が蝶番３４により互い
に回動自在で他端が結合ボルト３５により着脱自在な取
付配管側治具３１と、スリーブ側治具１１及び取付配管
側治具３１のクランプ１２，３２にその内方に沿って移
動自在に設けられた取付矯正ボルト１６，３６と、取付
矯正ボルト１６，３６の先端部に取付けられスリーブＡ
及び取付側配管Ｂをクランプ１３，３３に押付けて支持
する押え金具１７，３７と、スリーブＡと取付側配管Ｂ
とを連結すると共に両者の差込み量を調整する複数の開
先間隔調整ボルト２５，２６と、スリーブＡと取付側配
管Ｂとの軸芯位置を適合させる芯合せボルト２１とを具
え、治具の取付及び配管の矯正、芯合せ、差込み量の各
調整作業を各ボルトの調節のみで行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は配管、特に小口径配管工
事における開先合せ作業に適用される配管用開先合せ装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】配管工事において、スリーブと管とを溶
接によって連結固定する場合、予め、スリーブと管との
嵌合位置を適合させておかなければならない。この配管
の開先合せ作業は、従来、作業者の手作業によって行わ
れている。

【０００３】図６に従来の配管の開先合せ作業の作業手
順を示す。同図に示すように、まず、スリーブ及び取付
側配管をワイヤあるいは台座を用いて各管の端面を近接
し、互いの軸中心がだいたい合うように保持する。次
に、スリーブ及び取付側配管を保持したまま両者の開先
間隔（ルートギャップ）の調整、即ち差込み量の調整及
び芯合せ作業を同時に行う。このように固定側配管と取
付側配管の開先合せが完了すると、この状態で仮付溶接
を行う。そして、次の開先合せ作業を行う。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の配管用
開先合せ作業において、スリーブと管の差込み量の調整
作業や芯合せ作業は作業者の手作業によって行われてい
た。設備として揚重装置を用いても、各作業には多大な
労力が必要であると共に作業時間が長くかかってしまう
という問題があった。また、管の開先合せ作業の終了後
に仮付溶接を行うが、上述した各作業に長時間がかかっ
てしまうため、仮付溶接を行う作業者は管の開先合せ作
業が終わるまで待っていなければならず、作業効率が悪
いという問題があった。

【０００５】本発明はこのような問題点を解決するもの
であって、作業効率の向上を図った配管用開先合せ装置
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の配管用開先合せ装置は、互いに軸方向に対
向する端面の位置合せを行う配管用開先合せ装置におい
て、一対のクランプの一端が蝶番により互いに回動自在
で他端が結合機構により着脱自在なスリーブの外周を取
り囲むスリーブ側治具と、一対のクランプの一端が蝶番
により互いに回動自在で他端が結合機構により着脱自在
な取付側配管の外周を取り囲む取付配管側治具と、前記
スリーブ側治具及び取付配管側治具の一方のクランプに
その内方に沿って移動自在に設けられた取付矯正ボルト
と、該取付矯正ボルトの先端部に取付けられ前記スリー
ブ及び取付側配管を前記他方のクランプに押付けて支持
する押え金具と、前記スリーブと取付側配管とを連結す
ると共に該スリーブと取付側配管との差込み量を調整す
る複数の開先間隔調整ボルトと、前記スリーブと取付側
配管との軸芯位置を適合させる芯合せボルトとを具えた
ことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】スリーブと取付側配管との開先合せ作業を行う
には、スリーブ側治具によってスリーブの外周を取り囲
む一方、取付配管側治具によって取付側配管の外周を取
り囲み、スリーブ側治具及び取付配管側治具にそれぞれ
設けられた複数の取付矯正ボルトによって押え金具を移
動してこの押え金具とクランプとでスリーブ及び取付側
配管を支持する。そして、スリーブ管と取付側配管とを
連結し、複数の芯合せボルトによってスリーブに対する
取付側配管の軸芯位置を適合させると共に複数の開先間
隔調整ボルトによってスリーブに対する取付側配管の差
込み量を調整する。

【０００８】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。

【０００９】図１に本発明の一実施例に係る配管用開先
合せ装置の斜視、図２に配管用開先合せ装置の一部切欠
側面、図３に図２のＣ−Ｃ断面、図４に図２のＤ矢視、
図５に配管の開先合せ作業の作業手順を示す。

【００１０】本実施例の配管開先合せ装置において、図
１乃至図４に示すように、スリーブ側治具１１はスリー
ブＡの外周を取り囲んでこれを保持するものである。即
ち、一対のクランプ１２，１３はそれぞれＬ字形状をな
し一端部が蝶番１４により互いに回動自在であると共
に、他端部は結合機構としての結合ボルト１５によって
互いに着脱自在となっている。

【００１１】一方のクランプ１２にはその上部に取付矯
正ボルト１６が外方から下方に向かって軸方向移動自在
に螺合しており、この取付矯正ボルト１６の先端部には
押え金具１７が固着されている。この押え金具１７の下
面にはスリーブＡの外周を支持するＶ字状の支持面１８
が形成される一方、他方のクランプ１３にはこの支持面
１８に対向して同様にスリーブＡの外周を支持するＶ字
状の支持面１９が形成されている。

【００１２】一方、取付配管側治具３１は取付側配管Ｂ
の外周を取り囲んでこれを保持するものである。即ち、
一対のクランプ３２，３３はそれぞれＬ字形状をなし一
端部が蝶番３４により互いに回動自在であり、他端部は
結合機構としての結合ボルト３５によって互いに着脱自
在となっている。そして、一方のクランプ３２にはその
上部に取付矯正ボルト３６が外方から下方向に向かって
軸方向移動自在に螺合しており、この取付矯正ボルト３
６の先端部には押え金具３７が固着されている。この押
え金具３７の下面には取付側配管Ｂの外周を支持するＶ
字状の支持面３８が形成される一方、他方のクランプ３
３にはこの支持面３８に対向して同様に取付側配管Ｂの
外周を支持するＶ字状の支持面３９が形成されている。

【００１３】なお、押え金具１７，３７及びクランプ１
３，３３の各支持面１８，１９，３８，３９のＶ字形状
はスリーブＡ及び固定側配管Ｂのサイズに合わせて設定
することで、このスリーブＡと及びスリーブ側治具１１
の軸中心と固定側配管Ｂと取付配管側治具３１との軸中
心とがそれぞれ一致して芯合せが容易となる。

【００１４】スリーブ側治具１１のクランプ１３にはそ
の下端部に軸方向に沿う芯合せ金物２０の基端部が一体
に固着されており、芯合せ金物２０の先端部には芯合せ
ボルト２１がクランプ１３の外方から径方向に沿って螺
合している。そして、この芯合せボルト２１の先端部が
取付配管側治具３１のクランプ３３の下端部に当接可能
となっている。

【００１５】また、この一対のクランプ１２，１３には
その外周部に１８０度対向した位置に軸方向に沿う間隔
調整金物２２の基端部が一体に固着されており、図２に
示すように、間隔調整金物２２の先端部には固定ボルト
２３によって支持片２４が取付けられている。そして、
クランプ１２，１３には各間隔調整金物２２に対応する
位置に取付側配管Ｂに向かって配管Ａ，Ｂの軸方向に沿
う間隔調整ボルト２５がそれぞれ螺合している。一方、
支持片２４にはスリーブＡに向かって配管Ａ，Ｂの軸方
向に沿う間隔調整ボルト２６が螺合しており、各間隔調
整ボルト２５，２６の先端部は対向して位置し、取付配
管側治具３１のクランプ３２を挾持することができるよ
うになっている。

【００１６】なお、取付配管側治具３１のクランプ３２
には目盛板２７が取付けられる一方、この目盛板２７に
対応する間隔調整金物２２には指針２８が取付けられて
いる。

【００１７】而して、スリーブＡと取付側配管Ｂとの開
先合せ作業について、図５に示す作業手順に基づいて説
明する。まず、接合するスリーブＡと取付側配管Ｂとを
図示しないワイヤによって吊り下げて支持するか、また
は、台座によって両端部を保持しておく。一方、芯合せ
ボルト２１及び間隔調整ボルト２５，２６によってスリ
ーブ側治具１１と取付配管側治具３１とを予め連結して
おく。そして、この連結状態から蝶番１４，３４を開い
て各クランプ１２，１３及び３２，３３によってスリー
ブＡ及び取付側配管Ｂを取り囲み結合ボルト１５，３５
によって各クランプ１２，１３及び３２，３３の他端部
を結合する。

【００１８】そして、、図１及び図３、図４に示すよう
に、取付矯正ボルト１６を軸方向に移動させることで、
この取付矯正ボルト１６の先端部に取付けられた押え金
具１７のＶ字状の支持面１８とクランプ１３のＶ字状の
支持面１９とでスリーブＡを確実に保持し、このときに
固定側配管Ａの端部の変形を矯正する。同様にして取付
矯正ボルト３６を軸方向に移動させることで、この取付
矯正ボルト３６の先端部に取付けられた押え金具３７の
Ｖ字状の支持面３８とクランプ３３のＶ字状の支持面３
９とで取付側配管Ｂを確実に保持し、このときに取付側
配管Ｂの端部の変形を矯正する。また、このとき、各芯
合せボルト２１を軸方向に移動して取付配管側治具３１
を微少移動させることで、スリーブＡに対する取付側配
管Ｂの軸芯位置を調整して適合させる。

【００１９】更に、図２に示すように、各開先間隔調整
ボルト２５，２６を軸方向に移動させることで、まず、
スリーブＡの端面に取付側配管Ｂの端面を接近させ、更
に、取付側配管Ｂを移動させることで取付側配管Ｂをス
リーブＡに一杯に挿入して初期固定する。このときに指
針２８を目盛板２７の０の位置に合わせる。そして、再
び、各開先間隔調整ボルト２５，２６を移動して取付側
配管Ｂを所定の差込み量に設定する。

【００２０】このようにスリーブＡと取付側配管Ｂとの
差込み量の調整が終了した後、別のスリーブと取付側配
管との差込み量の調整、即ち、開先合せ作業を行う。そ
して、所定数の配管の開先合せ作業が完了したあとに、
まとめてスリーブと取付側配管との仮付溶接作業を行
う。このように治具を必要数準備することで、仮付溶接
作業の待ち時間が解消できる。

【００２１】

【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明の配管用開先合せ装置によれば、一対のクラ
ンプの一端が蝶番により互いに回動自在で他端が結合機
構により着脱自在なスリーブ側治具及び取付配管側治具
とを設け、そのスリーブ側治具及び取付配管側治具の一
方のクランプにその内方に沿って移動自在な取付矯正ボ
ルトを設けてその先端部にスリーブ及び取付側配管を他
方のクランプに押付けて支持する押え金具を取付け、ス
リーブと取付側配管とを連結すると共に両者の差込み量
を調整する複数の開先間隔調整ボルトとスリーブと取付
側配管との軸芯位置を適合させる芯合せボルトとを設け
たので、治具の取付及び配管の矯正、芯合せ、差込み量
の各調整作業を各ボルトの調節のみで行うことができ、
作業が簡素化して容易に作業を行うことができると共に
その作業時間を短縮することができる。その結果、作業
効率の向上を図ると共に経費の節減を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る配管用開先合せ装置の
斜視図である。

【図２】配管用開先合せ装置の一部切欠側面図である。

【図３】スリーブ側治具を表す図２のＣ−Ｃ断面図であ
る。

【図４】取付配管側治具を表す図２のＤ矢視図である。

【図５】配管の開先合せ作業の作業手順を表すブロック
図である。

【図６】従来の配管の開先合せ作業の作業手順を表すブ
ロック図である。

【符号の説明】

１１ スリーブ側治具 １２，１３ ３２，３３ クランプ １５，３５ 結合ボルト（結合機構） １６，３６ 取付矯正ボルト １７，３７ 押え治具 １８，１９，３８，３９ 支持面 ２０ 芯合せ金物 ２１ 芯合せボルト ２２ 間隔調整金物 ２５，２６ 間隔調整ボルト ３１ 取付配管側治具 Ａ スリーブ Ｂ 取付側配管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 敏美 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目１番１ 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに軸方向に対向する端面の位置合せ
   を行う配管用開先合せ装置において、一対のクランプの
   一端が蝶番により互いに回動自在で他端が結合機構によ
   り着脱自在なスリーブの外周を取り囲むスリーブ側治具
   と、一対のクランプの一端が蝶番により互いに回動自在
   で他端が結合機構により着脱自在な取付側配管の外周を
   取り囲む取付配管側治具と、前記スリーブ側治具及び取
   付配管側治具の一方のクランプにその内方に沿って移動
   自在に設けられた取付矯正ボルトと、該取付矯正ボルト
   の先端部に取付けられ前記スリーブ及び取付側配管を前
   記他方のクランプに押付けて支持する押え金具と、前記
   スリーブと取付側配管とを連結すると共に該スリーブと
   取付側配管との差込み量を調整する複数の開先間隔調整
   ボルトと、前記スリーブと取付側配管との軸芯位置を適
   合させる芯合せボルトとを具えたことを特徴とする配管
   用開先合せ装置。