JPH05177389A - 管溶接装置及び管溶接方法 - Google Patents

管溶接装置及び管溶接方法

Info

Publication number
JPH05177389A
JPH05177389A JP35965591A JP35965591A JPH05177389A JP H05177389 A JPH05177389 A JP H05177389A JP 35965591 A JP35965591 A JP 35965591A JP 35965591 A JP35965591 A JP 35965591A JP H05177389 A JPH05177389 A JP H05177389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
welding
torch
carriage
pipe welding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35965591A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Soshiro
武 十代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP35965591A priority Critical patent/JPH05177389A/ja
Publication of JPH05177389A publication Critical patent/JPH05177389A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、安価で、メンテナンスが容易であ
り、しかも、小型且つ軽量で、例えばプラントの建設・
修理現場、或いは上・下水道などの工事・修理現場等に
簡単に搬入、設置してこれらの場所での自動管溶接がで
きるようにした管溶接装置及び管溶接方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 本発明は、仮溶接された管の外周面に転接さ
れる車輪を有する台車と、台車に支持され、出力軸が管
とへいこうな軸心周りに回転する駆動装置と、駆動装置
の出力軸に固定された輪体と、該輪体と上記管とにわた
って巻き掛けられる無端状の条体と、台車にトーチを支
持させるトーチ支持装置とを備えることを特徴とするも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安価で、メンテナンス
が容易であり、しかも、小型且つ軽量で、例えばプラン
トの建設・修理現場、或いは上・下水道などの工事・修
理現場等に簡単に搬入、設置してこれらの場所での自動
管溶接ができるようにした管溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石油・化学プラントなどの建設・修理現
場、或いは上・下水道などの工事・修理現場等において
は多数のパイプを溶接によって接続した長さ数百メート
ルにも及ぶパイプラインが設けられる。このようなパイ
プラインは、多数のパイプを順に溶接して形成される
が、設置現場での溶接作業をできるだけ少なくするた
め、予め溶接工場で5メートル程度の定尺パイプを2〜
3本溶接してつないでからプラント建設現場に運び込
み、プラント建設現場で更に溶接するという手順で作ら
れている。
【0003】溶接工場における溶接は、手溶接作業で仮
付けをした後、手作業或いは自動管溶接機を用いて肉盛
り溶接をするという手順で行なわれ、プラント建設現場
での溶接は仮付け、肉盛り溶接共に手作業で行なわれて
いる。
【0004】この溶接工場において肉盛り溶接に使用さ
れる自動管溶接機は、例えば図5に示すように、仮付け
された管Tを支持するオープンチャック101を備える
管支持装置100と、トーチ201を支持するトーチ支
持装置200とを備える。
【0005】この管支持装置100は、地上に固定され
るベース102にオープンチャック101を横軸心周り
に回転自在に支持し、モータ103によってオープンチ
ャック101を水平軸心周りに全旋回駆動するようにし
てある。
【0006】上記トーチ支持装置200は、地上に固定
されるベース202と、このベース202に支持される
揺動駆動機構(以下、ウィーバという)203とを備え、
トーチ201はウィーバ203に支持される。
【0007】このウィーバ203はトーチ201を支持
してオープンチャック101及びこれに支持された管T
の回転軸心方向に揺動させ、このウィーバ203の揺動
速度及び揺動振幅とオープンチャック101の回転方向
及び回転速度とを制御することにより、運棒法が決定さ
れる。
【0008】なお、トーチ201の姿勢は特に問題とは
されないが、溶融金属が落下する恐れがない下向き姿勢
ないし立向き姿勢が採用されることが多い。
【0009】また、この従来の自動管溶接機は、溶接棒
(溶接線)に印加する電圧、電流、溶接棒(溶接線)の供給
速度、オープンチャック101の回転速度、トーチ21
0の揺動範囲及び揺動速度等を、図示しないコンピュー
タを用いて制御するように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】手作業による肉盛り溶
接では、トーチ201の姿勢及び運棒法が溶接棒、溶接
条件等によって異なるばかりではなく、作業者によって
それぞれ異なる運棒法が採用され、その結果、溶接部の
仕上がり具合に大きなばらつきができる。
【0011】また、手作業による肉盛り溶接では、トー
チ201を動かす速度が不均一になり、ブローホール、
スラグの巻き込み等の溶接欠陥が発生し易くなる。
【0012】トーチ201を安定良く動かすことができ
る熟練者が行う管溶接では、このような溶接欠陥の発生
率は著しく低く、製品検査において合格の判定が得られ
ることが多い。しかし、このような良質の管溶接ができ
る熟練者は日本国内において十数人程度と数えられる程
少数であり、このため熟練者の確保が極めて困難である
だけでなく、工賃が至極高いうえ、このような熟練者が
溶接した合格品でも1級の仕上がりになるものは少な
く、殆ど2級の仕上がり程度にとどまっているのが実情
である。
【0013】また、熟練者は、このような溶接欠陥の発
生を防止するために、トーチ201を動かす速度を遅く
して溶融金属部を大きくしたり、適当に進んでから溶接
を中断し、スラグを除去してから溶接を続行するなど、
溶接を念入りに行うので、熟練者といえども作業時間が
長くなる。
【0014】しかも、トーチ201を動かす速度を遅く
すると、溶接金属部に隣接する変質部が大きくなり、冷
却時に変質部が熱収縮して溶接金属部の両側にひけ、食
われ等の肉厚が減少する溶接欠陥が生じる。
【0015】加えて、手作業で溶接する場合には、溶接
箇所に顔を接近させて作業をするのでエアラインマスク
の着用が困難になり、衛生状態を高める上で不利になる
という課題もある。
【0016】一方、自動管溶接機を用いる場合には、経
験的に得られた溶接条件に合わせて管Tの回転速度、ト
ーチ201に印加される電圧及び電流、溶接棒の供給速
度等を調整して溶接を行うことにより、均質で欠陥がな
い肉盛り溶接を行うことができる。
【0017】また、作業者は、溶接中に溶接箇所に顔を
接近させずに済むので、エアラインマスクを着用して新
鮮な空気を呼吸することができ、衛生上有利になる。
【0018】しかしながら、従来の自動管溶接機は、構
成が複雑で高価なうえ、故障時にはコンピュータ技師を
呼び寄せる必要があり、コンピュータ技師が到着して補
修を完了するまでの間作業を中断する必要があり、工期
が長くなるのでメンテナンスが溶接技術者には容易にで
きないというのは致命的な課題となる。
【0019】また、従来の自動管溶接機は、管Tをオー
プンチャック101で両側から抱きかかえて保持するの
で、比較的大型になり、重量が重くなる。このため、輸
送コストが高くなり、プラント建設現場や修理現場に移
動させて使用するのには適しない。
【0020】又、このように自動溶接機が大型になると
その設置場所の確保が困難になったり、或いは作業現場
の状況によっては設置が不可能となる。
【0021】更に、管支持装置100とトーチ支持装置
200との据付条件が変わるとトーチ201と管Tとの
間隔が変わるので、この間隔が所定値になるように高精
度に管支持装置100とトーチ支持装置200とを据え
付ける必要がある。しかしながら、プラントの建設現場
や修理現場等においては地盤条件等が不明なことが少な
くなく、必要な据付精度を確保できないことがある。
【0022】このように据付精度が低い場合には、トー
チ201と管Tとの間隔が据付現場ごとに異なってくる
ので、プラントの建設現場や修理現場等に自動管溶接機
を据え付けた状態で最適の溶接条件を求め直す必要があ
る。しかしながら、このような準備作業を本工事前にす
ることが工期的に不可能な場合もある。
【0023】従って、従来の自動管溶接機はプラント等
の建設現場や修理現場に運び込んで使用されることはな
く、現場での溶接作業をすべて手作業に頼っている。
【0024】このように石油・化学プラントなどの建設
・修理現場、或いは上・下水道などの工事・修理現場等
に搬入できないので、予め溶接工場で5メートル程度の
定尺パイプを2〜3本溶接してつないでからプラント建
設現場等に運び込み、プラント建設現場で更に溶接する
という手順でパイプラインが形成されるがこれでは大型
のトレーラーが必要で搬送コストが至極効果になる。
【0025】本発明は、上記の事情を鑑みてなされたも
のであり、、安価で、メンテナンスが容易であり、しか
も、小型且つ軽量で、例えばプラントの建設・修理現
場、或いは上・下水道などの工事・修理現場等に簡単に
搬入、設置してこれらの場所での自動管溶接ができるよ
うにした管溶接装置及び管溶接方法を提供することを目
的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】[管溶接装置の説明]本発
明に係る管溶接装置は、上記の目的を達成するために、
仮溶接された管の外周面に転接される車輪を有する台車
と、台車に支持され、出力軸が管とへいこうな軸心周り
に回転する駆動装置と、駆動装置の出力軸に固定された
輪体と、該輪体と上記管とにわたって巻き掛けられる無
端状の条体と、台車にトーチを支持させるトーチ支持装
置とを備えることを特徴とするものである。
【0027】本発明の管溶接装置について更に詳細に説
明すれば、以下の通りである。本発明においては、台車
と管を相対回転できるように構成される。即ち、台車を
固定し、管を回転させるように構成しても良く、逆に、
管を固定し、台車を回転させるように構成しても良く、
更に台車と管を違いに反対方向に回転させるように構成
しても良いのである。
【0028】又、本発明において、条体を緊張させる緊
張装置が付設されていると、台車或いは管の空回りが確
実に防止されるので一層有益である。
【0029】管は、地面に対して回転可能に支持されて
いてもよく、また、地面に対して固定されていてもよ
い。地面に対して回転可能に支持される場合は、地面に
固定され、管を回転可能に支持する管支持手段が設けら
れる。
【0030】この管支持手段は直接に管を回転可能に支
持するものに限らず、管溶接装置を支持し、管溶接装置
にその条体で吊持するように構成するものも考えられ
る。しかしながら、管支持の安定を確保するとともに、
管溶接装置が強度を確保するために大型化することを避
けるため、直接に管を地面に回転可能に支持するように
構成することが好ましい。
【0031】このような管支持手段としては、地面に固
定されるベースフレームと、ベースフレームに回転自在
に支持され、管の下部に転接される複数のローラを備え
る公知の管支持手段を使用することが可能である。
【0032】また、管が回転される場合には、管溶接装
置が管の回転に連れて回転することを防止するため、管
溶接装置を一定の位置に保持する位置保持手段が管溶接
装置に設けられる。
【0033】位置保持手段としては、管溶接装置が反動
で管の周囲を公転することを防止できるようにしてあれ
ばよく、例えば、作業者が手で管溶接装置を押えたり、
管溶接装置と建物や工作物の壁、柱等に支える支えを用
いたりしてもよい。また、管溶接装置を建物や工作物の
梁、垂木、クレーン、ホイスト等によって吊り下げても
よい。
【0034】管を地面に対して固定する場合には、管を
回転不能に支持する管固定手段が設けられる。この場合
には、位置保持手段は不要である。
【0035】台車は、車輪を介して管の外周面に転接さ
れるように構成してあればよく、その形状は特に限定さ
れない。また、台車及びその車輪の大きさは特に限定さ
れず、溶接される最小外径の管に転接可能に載置できれ
ばよく、管を両側から抱え込む大きさは必要ではない。
【0036】上記駆動装置の駆動エネルギー源は特に限
定されないが、構成を簡単にするとともに、円滑で微妙
な駆動装置の速度制御を実現するために、溶接のエネル
ギー源と同じ電気を駆動エネルギー源とすることが好ま
しい。また、この場合、駆動装置としてはステッピング
モータ等の高精度の速度制御ができるモータを使用する
ことが好ましい。
【0037】上記輪体は、条体を介して、輪体と管との
間で力を伝達するためのものであり、管との間では摩擦
によって力を伝達できるように構成される。具体的に
は、条体は、輪体の種類に対応してチェーン、歯付きベ
ルト、ベルト、ワイヤー等を使用することが可能である
が、これらの中では、輪体からの力の伝達効率が高いチ
ェーン或いは歯付きベルトを使用することが好ましく、
特に、管から輪体への熱伝達を少なくするため、チェー
ンを条体として使用することが最も好ましい。
【0038】この条体の長さは溶接する管の径に対応し
て異ならせる必要がある。このため長さの異なる複数種
類の条体を用意してもよい。しかしながら、設備費用を
安価にするとともに条体の保管を簡単にするため、長さ
を変えられるように構成した条体を使用することが好ま
しい。
【0039】例えば、チェーンを用いる場合には、チェ
ーンの各リンクが互いに係脱できるように構成されたチ
ェーンを用い、連結リンク数を変更することによってチ
ェーンの長さを変更することが可能である。
【0040】このように連結リンク数を増減するために
は、リンクを連結するピンを抜き取れるように構成する
ことが考えられるが、この場合にはチェーンの使用時に
ピンの両端部に脱出止めのプレートを嵌合させてピンが
脱出することを防止する必要があり、構成が複雑になる
うえ、長さを変える時の作業が複雑になり、多くの手間
が必要になるという問題を伴う。
【0041】そこで、このような問題を解消するため、
四辺形の枠とその一辺から延出された係合爪とを有する
多数のリンクを備え、各リンクの係合爪を順に他のリン
クの上記一辺の反対側の辺に係合することによりリンク
同士が連結されるチェーンを使用することが推奨され
る。
【0042】この条体の条数は特に限定されないが、コ
ストダウン、保管及び管への着脱作業の簡易化を図るた
め、条体の数は1本とすることが好ましい。
【0043】上記緊張装置は、輪体と管とに巻き掛けら
れた条体を緊張させるように構成してあればよく、条体
の内側に転接され、もしくは噛み合わされるテークアッ
プ用の輪体とこれを変位させて条体を緊張させるように
構成してもよい。
【0044】しかしながら、構成を簡単にするために
は、台車に駆動装置を管の径方向に変位可能に支持さ
せ、駆動装置を管の径方向外向きに移動させることによ
り駆動装置の出力軸に固定された輪体を管の径方向外向
きに変位させて条体に張力を与えるように構成すること
が有利である。
【0045】上記トーチ支持装置は、トーチと管との間
に適当な距離を保持するように台車にトーチを支持させ
るように構成されておればよいが、ウィービングができ
るようにトーチを管の軸心方向に往復揺動させるウィー
バを備えることが好ましい。このウィーバとしては、特
に限定はされないが、コストを安価にするために、市販
されているウィーバを用いれば良い。
【0046】また、トーチ支持装置は、台車に対するト
ーチの保持位置を固定してもよいが、1台の管溶接装置
で外径、肉厚等が異なる多種類の管の溶接を処理できる
ようにするため、トーチの保持位置を調整する保持位置
調整機構を備えることが好ましい。
【0047】ところで、上述のように溶接される管は回
転できる場合と、回転できない場合とが考えられる。管
が回転できる場合とは、例えば管が管の下部に転接され
る複数のローラを備える公知の管支持台に載置される場
合である。この場合には、管溶接装置が管の回転に連れ
て回転することを防止するため、管溶接装置を一定の位
置に保持する位置保持手段が管溶接装置に設けられる。
【0048】位置保持手段としては、管溶接装置が反動
で管の周囲を公転することを防止できるようにしてあれ
ばよく、例えば、作業者が手で管溶接装置を押さえた
り、管溶接装置と建物や工作物の壁、柱等に支える支え
を用いたりしてもよい。また、管溶接装置を建物や工作
物の梁、垂木、クレーン、ホイスト等によって吊り下げ
てもよい。
【0049】管が回転できない場合とは、溶接される一
方の管が例えば既設管として地上に固定されている場
合、固定支持台に管が固定支持されている場合等であ
る。この場合には、位置保持手段は不要である。
【0050】なお、トーチは予め溶接線供給ホース、保
護ガス供給ホース、給電ケーブル等を接続しておき、台
車を管に保持させた後にトーチ支持装置に取付けてもよ
く、或いは台車を管に載せる前にトーチをトーチ支持装
置に取付け、台車を管に保持させてから溶接線供給ホー
ス、保護ガス供給ホース、給電ケーブル等を接続するよ
うにしてもよく、更に、予め溶接線供給ホース、保護ガ
ス供給ホース、給電ケーブルを接続した状態でトーチを
トーチ支持装置に取付け、この後、台車を管に載せて保
持させてもよい。
【0051】[管溶接方法の説明]本発明の管溶接方法
は、上記の目的を達成するために、本発明の管溶接装置
を用い、台車を所定の位置に保持し、管を条体を介して
駆動装置により回転させることを特徴とする。以下、本
発明の管溶接方法を更に詳細に説明するが、ここでは本
発明の管溶接装置についての詳細な説明は重複を避ける
ため省略する。
【0052】この方法は、管が回転できることが前提と
なり、一定の位置に固定された管溶接装置に管が回転可
能に吊持させる方法と、管を管支持台を介して回転可能
に地面に支持させる方法とが考えられる。しかしなが
ら、管溶接装置に管を吊持させる場合には、管を吊持す
るために必要な強度を条体、輪体及び駆動装置が備える
ことが必要であり、このためにこれらを大型化する必要
があり、また、管溶接装置を一定の位置に固設するため
に大掛かりな手段が必要になるので不利である。従っ
て、管を管支持台を介して回転可能に地面に支持させる
方法を採用することが推奨される。
【0053】管を管支持台に回転可能に支持させる場合
には、台車を管に保持させ、台車がその管の回転に連れ
て回ることを防止することにより、台車を所定の位置に
保持することができる。
【0054】台車が管の回転に連れて回ることを防止す
る方法としては、台車の回転を抑える支えを用いる方法
と、台車を建物や工作物の梁、垂木、クレーン、ホイス
ト等によって吊り下げる方法とが考えられるのであり、
又、台車の回転を抑える支えを用いる方法としては回転
力を受け止めて支える支えを用いる方法と、回転力を受
け止めて支える支えを用いる方法とが考えられる。
【0055】回転力を受け止めて支える支えを用いる方
法としては、作業者が台車の回転を手で抑える方法と、
例えば建物や工作物の壁や柱に受け止められる適当な棒
等の器物を用いて台車の回転を支える方法がある。
【0056】また、回転力を引き止めて支える支えを用
いる方法としては、例えば建物や工作物の壁や柱に連結
されたロープ、チェーン等の条体を台車に連結する方法
がある。
【0057】また、本発明の他の管溶接方法は、上記の
目的を達成するために、本発明の管溶接装置を用い、管
を固定し、駆動装置を作動させて管溶接装置を管の周り
に公転させることを特徴とする。
【0058】この方法において、管を固定するとは、管
が直接に、或いは支持台を介して地面に固定されること
を意味している。
【0059】その他のこの方法についての詳細な説明
は、本発明の管溶接装置や上記本発明の管溶接方法につ
いての詳細な説明と重複するので、ここでは省略する。
【0060】
【作用】本発明の管溶接装置は、上記構成を有し、仮溶
接された管の上に載せられ、駆動装置の出力軸に固定し
た輪体と管とにわたって条体を巻き掛け、管の周面に沿
って移動可能に管に保持するか或いは緊張装置でこの条
体を緊張させることにより、管の周面に沿って移動可能
に管に保持される。
【0061】このように、本発明の管溶接装置は、従来
のように、管を両側からオープンチャックで抱え込んで
保持するのではなく、条体を巻き付けて保持するので、
比較的小型にすることができ、軽量化することができ
る。また、地上に置かれた管溶接装置は車輪を有するの
で、極めて容易に移動させることができる。
【0062】このように条体を用いて管に管溶接装置を
保持させると、管がその軸心周りに回転できる場合で
も、管が固定されている場合でも、駆動装置を作動させ
れば、管と台車とを任意の速度で相対回転させることが
できる。
【0063】即ち、管が自由に回転できる場合には、こ
の状態で管溶接装置を一定の位置に保持して駆動装置を
作動させると、駆動装置によって駆動が輪体及び条体を
介して回転駆動される。
【0064】また、管が固定されている場合には、管溶
接装置を管に保持させた状態で駆動装置を作動させる
と、管体に摩擦係止された条体に輪体が転接し或いは噛
み合いながら回転することにより台車が管の周りを公転
する。
【0065】更に、トーチ支持装置にトーチを支持させ
ておくと、台車が管に対してその外周面を移動する間、
トーチは管から一定の距離を離れた周回軌道上を移動す
る。トーチと管との距離は管溶接装置を使用する現場が
異なっても、溶接される管の外径が同じであれば同じに
なる。
【0066】従って、据付の現場で据付精度に対応して
最適溶接条件を改めて求める必要はなく、予め溶接工場
で台車の移動速度、トーチに印加する電圧や電流、溶接
棒の供給速度などの最適条件を求め、据付後にこれらの
溶接条件を最適値に調整して、最適の溶接条件で連続溶
接することができる。
【0067】ここで重要なことは、これらの最適溶接条
件の調整作業は、コンピュータを用いなくとも、駆動装
置の速度、公知の溶接機の出力調整、溶接線供給装置の
送り速度調整など溶接作業者が手慣れた調整作業で正確
に設定することができることであり、このためコンピュ
ータ制御に関する専門的な知識が不要で単なる溶接工で
も使用、管理が容易にできるのでメンテナンスが至極容
易になる作用を有するのである。
【0068】本発明の管溶接方法においては、本発明の
管溶接装置を用い、台車を所定の位置に保持され、管を
回転させるので、管溶接装置に保持させたトーチにより
管の全周にわたって連続自動溶接できる。
【0069】また、本発明の他の管溶接方法において
は、本発明の管溶接装置を用い、管を固定し、台車を管
の周囲で公転させるので、管溶接装置に保持させたトー
チにより管の全周にわたって連続自動溶接できる。
【0070】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る管溶接装置及
び管溶接方法を図1ないし図4に基づき具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】図1の正面図及び図2の側面図に示すよう
に、本発明の一実施例に係る管溶接装置は、管Tに載置
される台車1と、台車1に支持させた駆動装置2と、台
車1に支持させたトーチ支持装置3とを備える。
【0072】台車1は、ベースフレーム4と、このベー
スフレーム4の前後両側部の左右両外側に配置されると
ともにベースフレーム4に管Tの軸心と平行な軸心の周
りに回転自在に支持された4個の車輪5と、ベースフレ
ーム4の中央部から上方に立ち上げられた左右一対の昇
降案内枠6とを備えている。
【0073】これらの昇降案内枠6には昇降枠7が昇降
自在に外嵌され、この昇降枠7に上記駆動装置2が支持
される。また、昇降枠7及び駆動装置2は、昇降案内枠
6の上端同士にわたって固定された固定枠8、この固定
枠8に受け止められるスプリング9及び昇降位置調整機
構10を介して昇降案内枠6に高さ調整可能に吊持され
る。
【0074】即ち、上記昇降位置調整機構10は固定枠
8に昇降自在に挿通され、下端が昇降枠7に固定された
ねじ棒11と、このねじ棒11の上部に螺進退可能に螺
合され、且つ上記スプリング9に受け止められる蝶ナッ
ト12とを備え、蝶ナット12を螺進退させることによ
り、固定枠8に対するねじ棒11、昇降枠7及び駆動装
置2の高さを調整できるように構成している。
【0075】この実施例では、昇降位置調整機構10を
主動操作するようにしているが、例えばモータ等を用い
て自動操作できるように構成することは妨げない。
【0076】上記駆動装置2はステッピングモータ13
と、減速伝動機構14と、管Tの軸心と平行に配置さ
れ、且つ減速伝動機構14の出力軸に固定したスプロケ
ット15とを備え、このスプロケット15と管Tとにわ
たってチェーン16が巻き掛けられる。
【0077】また、このチェーン16の張力は昇降位置
調整機構10によりスプロケット15を上昇させてスプ
リング9を短縮させることによって設定される。換言す
れば、スプリング9及び昇降位置調整機構10がチェー
ン16を緊張させる緊張装置に兼用されている。
【0078】このチェーン16は、図3及び図4に示す
ように、係脱自在な多数のリンク17を連結したもので
あり、各リンク17は、四辺形の枠体17aとその一辺
に連設された係合爪17bとを有し、各リンク17の係
合爪17bを順に他のリンク17の上記一辺の反対側の
辺に係合することにより多数のリンク17が無端状に連
結される。従って、このチェーン16はリンク17を係
脱させて連結するリンク17の数を変更することにより
簡単に、しかも、短時間でその長さを変更できることに
なる。
【0079】上記トーチ支持装置3は、台車1のベース
フレーム4に固定される正面から見てL字状のビーム1
8と、このビーム18の上端部に支持された市販品のウ
ィーバ19と、このウィーバ19に保持位置調整機構2
0を介して支持されるトーチホルダ21とを備えてい
る。
【0080】この保持位置調整機構20は、ウィーバ1
9の出力軸19aにトーチホルダ21を進退可能に挿通
するとともに、出力軸19aに螺合させた固定ねじ19b
によって任意の位置でウィーバ19の出力軸19aに固
定できるように構成されている。
【0081】なお、この管溶接装置は、必要に応じてト
ーチ支持装置3のビーム18に支持される扇形のシール
ド板22を設けて、溶接の火花が台車1側に飛び込むこ
とを防止している。
【0082】また、トーチ23は予め溶接線供給ホー
ス、保護ガス供給ホース、給電ケーブル等を接続してお
き、台車1を後述するようにして管Tに保持させた後に
トーチ支持装置3に取付けてもよく、或いは台車1を管
Tに載せる前にトーチ23をトーチ支持装置3に取付
け、また、台車1を管Tに保持させてから溶接線供給ホ
ース、保護ガス供給ホース、給電ケーブル等を接続する
ようにしてもよく、更に、予め溶接線供給ホース、保護
ガス供給ホース、給電ケーブルを線した状態でトーチ2
3をトーチ支持装置3に取付け、この後、台車1に載せ
て保持させてもよい。
【0083】上記溶接線供給ホースは例えば公知の溶接
線供給装置に接続され、給電ケーブルは例えば公知のM
IG溶接機に接続される。また、保護ガス供給ホースは
例えばアルゴン等の不活性ガス容器に接続される。
【0084】更に、溶接される管Tは仮溶接後、支持台
24に管Tの軸心の周りに回転可能に支持させる。支持
台24は、例えば図2に示すように、地上に置かれ、必
要に応じて地面に固定されるベースフレーム24aとベ
ースフレーム24aに回転自在に支持させた複数対のロ
ーラ24bとを備える。
【0085】次に、この管溶接装置を用いる本発明の一
実施例に係る管溶接方法について図1及び図2に基づき
具体的に説明する。まず、管溶接装置のトーチ支持装置
3に、溶接線供給ホース、保護ガス供給ホース、給電ケ
ーブルを接続したトーチ23を取付け、チェーン16を
外して溶接作業に備えておく。
【0086】支持台24に仮溶接された管Tを回転自在
に載置した後、管溶接装置をその管Tの上に載せ、スプ
ロケット15と管Tとにわたってチェーン16を巻き掛
け、蝶ナット12を締め込んでスプロケット15を上昇
させることによりチェーン16を緊張させる。チェーン
16の張力はスプリング9の反発力によって設定され、
この張力によって管Tび外周面にチェーン16が摩擦係
止される。
【0087】この後、溶接線緊張装置の溶接線供給速
度、MIG溶接機の供給電圧及び電流、及び保護ガス容
器からのガス供給量、ウィーバ19の揺動速度及び揺動
範囲を予め経験的に求められた最適値に調整してから、
溶接を開始する。
【0088】ただし、同じ外径と肉厚とを備える管Tを
繰り返し溶接する場合には、最初の管Tについてこれら
の調整をしておけば、後続の管Tの溶接に際してはこれ
らの溶接条件の調整は不要である。
【0089】溶接を開始するに際して、管溶接装置が管
Tの周りを公転しないように管溶接装置の一部分、例え
ばトーチホルダ15の上端部、固定枠8等を手で持つ。
【0090】この状態で駆動装置2を作動させると、ス
プロケット15の回転に伴ってチェーン16が回動し、
摩擦伝動により管Tがその軸心周りに回転する。また、
この管Tの回転に対応してウィーバ19を作動させてト
ーチ23を管Tの軸心方向に一定の揺動範囲内で往復揺
動させることにより、管Tの全周にわたって連続して所
定の幅の肉盛り溶接が行なわれる。
【0091】溶接が終了すれば、蝶ナット12を螺緩し
てチェーン16を緩めて管T及びスプロケット15から
取り外し、管溶接装置を管Tの上から取り外してから管
Tが支持台24から下ろされる。
【0092】上記の管溶接装置においては、従来のよう
に管Tを両側からオープンチャック101で抱えて保持
せずに、スプロケット15と管Tとに巻き掛けたチェー
ン16を緊張させることにより管Tに管溶接装置を保持
させるので、管溶接装置を小型にでき、従って、軽量に
できる。その結果、管溶接装置そのものの装置コストが
安価にできるとともに、輸送コストを削減でき、方々の
現場に運び込んで使用することが容易になる。
【0093】また、管溶接装置及びこれに保持させたト
ーチ23と管Tとを相対回転させて溶接するので、管T
を支持する支持台の据付精度は問題にならず、地盤の状
態が不明な現場においても管溶接装置を使用することが
でき、次々と現場を変えて使用しても最適の溶接条件で
自動溶接できるようになる。
【0094】更に、この管溶接装置においては、スプロ
ケット15と管Tとに巻き掛けたチェーン16を緊張さ
せて管Tに管溶接装置を保持させることにより、現場が
異なっても管Tとトーチ23との間に一定の距離関係を
再現することができる。
【0095】従って、現場を変えるごとに、溶接線供給
装置の溶接線供給速度、MIG溶接機の供給電圧、電流
及び保護ガス容器からのガス供給量、ウィーバ19の揺
動速度及び揺動範囲等の最適溶接条件を改めて求める必
要はなく、例えば工場や前の現場で経験的に得た最適溶
接条件をそのまま適用して溶接を行えるので、その現場
において最適溶接条件を求める工期を削減して工期を短
縮できる。
【0096】しかも、これらの溶接条件を調整するため
には、溶接工がメンテナンスできないコンピュータを用
いる制御装置を設ける必要はなく、公知の溶接線供給装
置、MIG溶接機、ガス供給装置等、溶接工が扱いなれ
ている周辺装置を設ければよいので、周辺装置を例えば
従来の管溶接装置の2分の1ないし3分の1程度に安価
に構成することができるとともに、コンピュータ制御に
専門的な知識がない、単なる溶接工が手慣れたこれら周
辺装置の調整作業を行えばよいので、メンテナンス作業
が簡単になる。
【0097】加えて、現場に自動溶接装置を持ち込んで
管Tの溶接を行えるので、現場での溶接作業時間を例え
ば熟練溶接工の約3分の1程度に短縮することができ、
従って、現場施工の工期を著しく短縮することができ
る。
【0098】また、現場に自動溶接装置を持ち込んで管
Tの溶接を行えるので、現場には管Tを定尺のまま持ち
込み、現場で順次採寸され、端面処理をして自動溶接に
より高品質な溶接を行うことができる。定尺の管Tを2
〜3本溶接した場合には、トレーラーを備える大型のト
ラックで現場へ管Tを搬入しなければならないが、定尺
のままで現場に搬入する場合には普通のトラックを用い
ることができ、現場への素材の搬入費用を格段に安価に
することができる。
【0099】上記の実施例においては、車輪5が4個設
けられている。しかしながら、車輪5の外周面が十分に
広幅は場合には車輪5は2個あればよい。また、台車1
が管Tの表面を移動する際の安定性を高める上では3個
または4個の車輪5が有れば十分であるが、車輪5を5
個以上設けることは自由である。
【0100】また、駆動装置2の駆動エネルギー源とし
ては発動機(エンジン)を用いることも考えられるが、騒
音や大気汚染を防止する上では不利であり、また、小型
化を図る上でも不利であるうえ、速度変動が生じ易く、
高精度の速度制御が困難であるという難点がある。従っ
て、駆動装置2の駆動エネルギー源としては上記の実施
例のように電気を用いることが好ましい。
【0101】また、上記駆動装置2には、ステッピング
モータ13以外のモータを用いることも可能であるが、
ステッピングモータ13は高精度の速度制御が可能であ
り、溶接速度を高精度に均一化できるので、溶接部の品
質を均一にする上で有利になる。
【0102】また、上記駆動装置2と管Tとを連結する
ため、上記の一実施例では輪体としてスプロケット15
を用い、条体としてチェーン16を用いているが、これ
らに代えて歯車と歯付きベルト、ベルト或いはワイヤー
とプーリ等で条体と輪体とを構成することも可能であ
る。
【0103】しかしながら、スプロケット15とチェー
ン16とでこれらを構成することにより、力の伝達効率
が高くなること、管Tからスプロケット15等への熱伝
達を少なく抑えられること、長さの変更が可能であるこ
と等の利点が得られる。
【0104】また、上記の実施例では長さを変更できる
チェーン16を用いているので、溶接する管の径に対応
して長さが異なる複数種類のチェーン16をそれぞれ用
意する場合に比べて設備費用を安価にできるとともにチ
ェーン16の保管が簡単になるので有利である。
【0105】しかも、チェーン16を、四辺形の17a
と、その一辺から延出された係合爪17bとを有する多
数のリンク17を備え、且つ各リンク17の係合爪17
bを順に他のリンクの上記一辺の反対側の辺に係合する
ことによりリンク17同士が連結されるように構成して
いるので、リンクを連結するピンを抜き取ってリンクを
増減する場合に比べて構成が簡単で安価になるうえ、長
さを代える時の作業が簡単で、短時間でチェーンの長さ
を変更できる。
【0106】また、チェーン16の条数は特に限定され
ないが、この実施例では、チェーン16の数を1条にし
ているので、コストダウン、保管及び管への着脱作業の
簡易化を図る上で有利である。
【0107】また、上記の実施例では、スプリング9及
び昇降位置調整機構10がチェーン16を緊張させる緊
張装置に兼用されているので、別にチェーン16の内側
に転接され、もしくは噛み合わされるテークアップ用の
輪体とこれを変位させて条体を緊張させる緊張装置を設
ける場合よりも構成が簡単で、安価になる。
【0108】また、トーチ支持装置3に、台車1に対す
るトーチ23の保持位置を調整する保持位置調整機構2
0を設けてあるので、1台の管溶接装置で外径、肉厚等
が異なる多種類の管Tの溶接を処理できる。
【0109】上記の実施例では、管Tが回転され、管溶
接装置が所定の位置に保持されているが、管Tを固定し
て管溶接装置を管Tの周りで公転させる方法を採用する
ことも可能である。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、構成が
簡単な上、管を両側から挟んで支持しないので、オープ
ンチャックを備える大掛かりな管支持装置は不要にな
り、小型にできるとともに、軽量にできる。従って、例
えばMIG溶接機、溶接線供給装置、不活性ガス容器、
発電装置等とともに1台の小型トラックに載せて簡単
に、且つ、安価に輸送でき、各地の現場への移動が容易
になる。
【0111】また、条体を管と管溶接装置の輪体とにわ
たって巻き掛けることにより、管の据付精度とは関係な
く、管溶接装置及びこれに支持させたトーチと管との位
置関係を正確に再現できるので、地盤の状態が不明な現
場においても最適の溶接条件を設定して溶接できる。ま
た、管を支持する支持台の据付工事を簡易化できるとと
もに、据え付け工事の工期を短縮して全体の工期を短縮
できる。
【0112】このように、本発明の管溶接装置は、小型
且つ軽量であるので、輸送コストが安価であり、しかも
プラント等の建設現場や修理現場に搬入し、その設置場
所の確保が極めて容易になる効果を有するのである。
【0113】また、管溶接装置及びこれに支持させたト
ーチと管との位置関係を正確に再現できるので、現場に
おいて調整すべき最適の溶接条件を予め工場、試験場、
前の現場等で求めておくことができ、現場に管溶接装置
を搬入してから最適の溶接条件を求める必要はなく、現
場で最適の溶接条件を求める工程を省略して工期を短縮
することができる。
【0114】また、管溶接装置及びこれに支持させたト
ーチと管との位置関係を正確に再現できるので、現場に
おいて調整すべき最適の溶接条件としては、溶接機で制
御される溶接電圧及び溶接電流、管溶接装置のコントロ
ーラによって制御される管の回転速度、ウィーバによっ
て制御されるトーチの揺動速度及び揺動範囲、溶接線供
給装置によって制御される溶接線の供給速度などが残さ
れるにすぎず、熟練のない単なる溶接工でも至極簡単に
操作できるのである。
【0115】これらの溶接条件は、溶接工がメンテナン
スできないコンピュータによらず、溶接工が扱いなれて
いる公知の溶接機、管溶接装置のコントローラ、ウィー
バ、溶接線供給装置などによって設定できるので、溶接
機、溶接線供給装置等の周辺装置を含めてメンテナンス
が容易になり、故障してもコンピュータ技師を呼んで補
修させる必要がなく、この点からも工期を短縮できるの
である。
【0116】更に、現場に自動容易装置を持ち込んで管
の溶接を行えるので、現場での溶接作業時間を例えば熟
練溶接工の約3分の1程度に短縮して現場施工の工期を
著しく短縮することができるとともに、溶接の仕上がり
程度を最も高級な1級にすることができる。
【0117】また更に、現場に自動溶接装置を持ち込ん
で管の溶接を行えるので、現場には管を定尺のまま持ち
込み、現場で順次採寸され、端面処理をして自動溶接に
より高品質な溶接を行うことができる。定尺の管を2〜
3本溶接した場合には、トレーラーを備える大型のトラ
ックで現場へ管を搬入しなければならないが、定尺のま
まで現場に搬入する場合には普通のトラックを用いるこ
とができ、現場への素材の搬入費用を格段に安価にする
ことができる。
【0118】本発明において、特に、管を回転可能に支
持する管支持手段が設けられ、車輪が管に転接する所定
の位置に台車を保持する位置保持手段が設けられる場合
には、台車にトーチ支持手段を介して所定の位置に保持
されたトーチの位置を連続して管の溶接線の各点が通過
するので、管の回転速度の最適値に設定することにより
最適の溶接条件で管の全周にわたって連続して自動溶接
でき、高品質な管溶接を短時間で行える。
【0119】また、本発明において、特に、管を回転不
能に支持する管固定手段が設けられる場合には、管の周
囲に管溶接装置を公転させることにより、管の溶接線の
各点をトーチが通過するので、管溶接装置の公転速度を
最適値に設定することにより最適の溶接条件で管の全周
にわたって連続して自動溶接でき、高品質な管溶接を短
時間で行える。
【0120】また、本発明において、輪体をスプロケッ
トで構成し、条体をこれに噛み合うチェーンで構成する
場合には、駆動装置から条体への駆動力の伝達効率が高
いので、駆動装置の低出力化及び小型化を図ることがで
きる。
【0121】特に、条体をチェーンで構成する場合に、
チェーンを四辺形の枠体とその一辺に連設された係合爪
部とを有する多数のリンクで構成し、各リンクの係合爪
を順に他のリンクの上記一辺の反対側の辺に係合して各
リンクが無端状に連結されるように構成すると、連結す
るリンク数を変更することによりその長さを変更するこ
とができ、チェーンの長さを変更するだけで1台の管溶
接装置で径の異なる複数種類の管の溶接ができるように
なる。
【0122】また、本発明において、特にトーチ支持装
置にトーチを管の軸心方向に往復揺動させる揺動駆動機
構を設ける場合には、トーチを管の軸心方向に往復揺動
させてウィービングさせることができ、比較的大きな開
先を有する溶接部の肉盛り溶接をブローホールやスラグ
の巻き込みを発生することなく溶接できる。
【0123】また、トーチ支持装置に台車に対するトー
チの保持位置を調整する保持位置調整機構を備える場合
には、例えば現場を変わって管溶接装置にトーチを組み
付けた後、管の外径や肉厚に対応して台車に対するトー
チの保持位置を調整でき、最適の保持位置にトーチを保
持することにより、最適の溶接条件で溶接できる。
【0124】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管溶接装置の正面図である。
【図2】本発明の管溶接装置の側面図である。
【図3】本発明で好適に用いられるチェーンの平面図で
ある。
【図4】本発明で好適に用いられるチェーンの断面図で
ある。
【図5】従来例の正面図である。
【0125】
【符号の説明】
T 管 1 台車 2 駆動装置 3 トーチ支持装置 5 車輪 9 スプリング 10 昇降位置調整機構 15 スプロケット(輪体) 16 チェーン(条体) 17 リンク 17a 枠枠 17b 係合爪 19 ウィーバ 19a 出力軸 19b 固定ねじ 20 保持位置調整機構 23 トーチ 24 支持台

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮溶接された管の外周面に転接される車
    輪を有する台車と、台車に支持され、出力軸が管とへい
    こうな軸心周りに回転する駆動装置と、駆動装置の出力
    軸に固定された輪体と、該輪体と上記管とにわたって巻
    き掛けられる無端状の条体と、台車にトーチを支持させ
    るトーチ支持装置とを備えることを特徴とする管溶接装
    置。
  2. 【請求項2】 台車と管を相対回転できるようにした請
    求項1に記載の管溶接装置。
  3. 【請求項3】 条体を緊張させる緊張装置が付設されて
    いる請求項1又は2に記載の管溶接装置。
  4. 【請求項4】 管を回転可能に支持する管支持手段が設
    けられ、車輪が管に転接する所定の位置に台車を保持す
    る位置保持手段を設けたことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の管溶接装置。
  5. 【請求項5】 管を回転不能に支持する管固定手段が設
    けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の管溶接装置。
  6. 【請求項6】 輪体がスプロケットで構成され、条体が
    これに噛み合うチェーンで構成される請求項1ないし5
    のいずれかに記載の管溶接装置。
  7. 【請求項7】 上記チェーンが四辺形の枠体とその一辺
    に連設された係合爪部とを有する多数のリンクを備え、
    各リンクの係合爪を順に他のリンクの上記一辺の反対側
    の辺に係合して各リンクが無端状に連結され、連結する
    リンク数を変更することによりその長さが変更されるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の管溶接装置。
  8. 【請求項8】 上記トーチ支持装置が、トーチを管の軸
    心方向に往復揺動させる揺動駆動機構を備えることを特
    徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の管溶接装
    置。
  9. 【請求項9】 上記トーチ支持装置が台車に対するトー
    チ保持位置を調整する保持位置調整機構を備えることを
    特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の管溶接
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし4のいずれかに記載の
    管溶接装置を用い、台車を所定の位置に保持し、管を条
    体を介して駆動装置により回転させることを特徴とする
    管溶接方法。
  11. 【請求項11】 請求項5ないし9のいずれかに記載の
    管溶接装置を用い、管を固定し、駆動装置を作動させて
    管溶接装置を管の周りに公転させることを特徴とする管
    溶接方法。
JP35965591A 1991-12-27 1991-12-27 管溶接装置及び管溶接方法 Pending JPH05177389A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35965591A JPH05177389A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 管溶接装置及び管溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35965591A JPH05177389A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 管溶接装置及び管溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05177389A true JPH05177389A (ja) 1993-07-20

Family

ID=18465613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35965591A Pending JPH05177389A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 管溶接装置及び管溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05177389A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015136903A1 (ja) * 2014-03-10 2015-09-17 川崎重工業株式会社 肉盛溶接システム
CN107052686A (zh) * 2017-01-05 2017-08-18 苏州华达环保设备股份有限公司 可行走外缝焊接架
CN108821549A (zh) * 2018-08-13 2018-11-16 汉能新材料科技有限公司 一种焊接设备
CN110328471A (zh) * 2019-07-10 2019-10-15 二重(德阳)重型装备有限公司 石化设备的大型不锈钢内件的安装方法
KR102336476B1 (ko) * 2021-09-09 2021-12-07 현대휀스개발(주) 파이프 용접장치
CN115476110A (zh) * 2022-10-11 2022-12-16 山东方大新材料科技有限公司 一种油田输送管道加工用定位装置及其使用方法
CN115533401A (zh) * 2022-10-31 2022-12-30 陕西风润智能制造研究院有限公司 一种轮体自动焊机

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015136903A1 (ja) * 2014-03-10 2015-09-17 川崎重工業株式会社 肉盛溶接システム
JP2015167984A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 川崎重工業株式会社 肉盛溶接システム
KR20160119247A (ko) * 2014-03-10 2016-10-12 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 육성 용접 시스템
CN106029281A (zh) * 2014-03-10 2016-10-12 川崎重工业株式会社 堆焊***
US20170072494A1 (en) * 2014-03-10 2017-03-16 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Weld overlay system
US10245671B2 (en) 2014-03-10 2019-04-02 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Weld overlay system
CN107052686A (zh) * 2017-01-05 2017-08-18 苏州华达环保设备股份有限公司 可行走外缝焊接架
CN108821549A (zh) * 2018-08-13 2018-11-16 汉能新材料科技有限公司 一种焊接设备
CN110328471A (zh) * 2019-07-10 2019-10-15 二重(德阳)重型装备有限公司 石化设备的大型不锈钢内件的安装方法
KR102336476B1 (ko) * 2021-09-09 2021-12-07 현대휀스개발(주) 파이프 용접장치
CN115476110A (zh) * 2022-10-11 2022-12-16 山东方大新材料科技有限公司 一种油田输送管道加工用定位装置及其使用方法
CN115533401A (zh) * 2022-10-31 2022-12-30 陕西风润智能制造研究院有限公司 一种轮体自动焊机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3727025A (en) Method for welding vertically extending pipe sections together
US5126523A (en) Device for welding pipes to each other
US2749421A (en) Welding head positioner
CN111958174A (zh) 一种钢管自动定位焊接机器人
CN112045283B (zh) 一种高效的管道全自动焊接装置
JPH05177389A (ja) 管溶接装置及び管溶接方法
US3890482A (en) Apparatus for welding together substantially vertically extending pipe sections
KR20150012798A (ko) 자동 용접장치 및 그 용접방법
CN111015069A (zh) 一种圆管对接焊接工装夹具
CN114453815A (zh) 机械模具零部件加工用焊接位置可实时调整的焊接操作台
JP2000005897A (ja) 管用自動溶接装置
CN209664706U (zh) 一种全自动大口径管道焊接组对固定设备
JPH03272998A (ja) クレーンのワイヤロープ取替方法
CN116329953A (zh) 一种供料滚焊一体式***及方法
CN116275492A (zh) 一种大口径管材激光焊接设备
JPH09285893A (ja) 自動溶接装置
KR101849462B1 (ko) 용접장치
CN212858131U (zh) 一种锚缆机轴轴颈堆焊修复校正装置
JPH09308967A (ja) 管用自動溶接装置
JP2640952B2 (ja) プレストレストコンクリート柱体成形型における吊ボルト自動締緩装置
CN211945515U (zh) 一种用于三辊式扎布机的收卷装置
KR100941921B1 (ko) 디젤 엔진용 가스 리시버 동체 제작 지그 시스템
JPH07172688A (ja) ケーブル類の搬送装置
JPH0664891A (ja) 鉄塔上作業用手動ミニクレーン
US2240739A (en) Manipulator