JPH051521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、柱なしバルコニーの取付け構造に関
し、特にバルコニーを支持するブラケツトを建物
に固着するブラケツト取付け板が外部に露出しな
いように取付けて、バルコニーを支持することが
できる柱なしバルコニーの取付け構造に係るもの
である。

［従来の技術］ 従来、柱なしバルコニーを建物に取付けるに
は、ブラケツト取付け板を取付けねじ等により建
物の柱や梁に固定し、これにブラケツトを別のボ
ルトで締結してブラケツト上にバルコニーを組立
てていた。

［考案が解決しようとする課題］ この取付け構造によると、ブラケツト取付け板
をブラケツトの取付け座より大きくしてそのはみ
出し面でブラケツト取付け板を建物に固定するた
め、ブラケツト取付け板およびブラケツト取付け
板の取付けねじの頭が外部に露出し外観を見苦し
くする欠点があつた。

又、外壁材としてサイデイングを使用する場合
には、特にコーナ部においてはサイデイングに切
欠き加工や彫込み加工を要する、という作業性の
面で問題点があつた。

この考案は、従来のこのような問題点を解決す
るためになされたものであつて、その目的とする
ところは、ブラケツト取付け板やブラケツト取付
け板の取付けねじを外部に露出させずにブラケツ
トを容易に取付けることができ、もつて外観を向
上させた状態でバルコニーを支持することができ
る柱なしバルコニーの取付け構造を提供すること
にある。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を達成させるために、この考案が採用
した技術手段は、建物の外壁に取付けたブラケツ
トで支持する柱なしバルコニーにおいて、前記ブ
ラケツトの取付け座によつて覆われる形状で、か
つ建物外壁の仕上げ厚さに相当する高さを有する
取付け受座を突成し、該取付け受座の突出面に内
側から外側に向けてブラケツト取付けボルトを突
設して成るブラケツト取付け板を外壁仕上げ前の
建物に止着すると共に、前記ブラケツト取付けボ
ルトにブラケツトを締着してバルコニーを支持す
るように構成したことを特徴とするものである。

［作用］ 従つてこの考案の柱なしバルコニーの取付け構
造では、ブラケツト取付け板の取付けねじの頭や
取付け受座を除く面域は外壁材で覆われる許りで
なく、ブラケツト取付け板に突成した取付け受座
の突出面もブラケツトの取付け座で覆われるの
で、恰も外壁に直にブラケツトが取付けられてい
るような外観となり、意匠的にも優れた状態でバ
ルコニーを支持することができる。

［実施例］ 以下この考案の実施例につき、第１図乃至第４
図を参照して詳細に説明する。

第１図はこの考案に係る取付け構造によつて建
物に取付けられたバルコニーの側断面図、第２図
は取付け部の詳細正面図、第３図は同部の詳細側
断面図、第４図は同部の詳細平断面図である。

第１図において、外壁１を仕上げる前に建物の
柱２にブラケツト取付け板３がブラケツト取付け
板取付けねじ４により強固に止着され、外壁１を
仕上げた後、ブラケツト取付け板３に固着された
ブラケツト取付けボルト５にブラケツト６が締着
され、このブラケツト６上にバルコニー７のサイ
ドフレーム８がボルト９で取付けられ、バルコニ
ー７が組上げられる。尚、図中１ａは外壁下地で
ある。

ブラケツト取付け板３は第３図および第４図に
詳細を示すように、ブラケツト６の取付け座６ａ
によつて覆われる形状を有し、かつ建物外壁１の
仕上げ厚さに相当する高さの取付け受座３ａを適
当数突成し、この取付け受座３ａの突出面に内側
から外側に向けてブラケツト取付けボルト５を挿
通して突出させ、内側のボルト頭を溶接等でブラ
ケツト取付け板３に固着して成る。従つて、この
ブラケツト取付け板３を外壁１仕上げ前の建物に
ブラケツト取付け板取付けねじ４で止着した後、
外壁１を仕上げるとブラケツト取付け板３の取付
け受座３ａの突出面は外壁１と同一面となり、こ
の突出面が外壁１面に露出すると共に、ブラケツ
ト取付けボルト５が外壁１面から突出する。そこ
で、ブラケツト取付けボルト５にブラケツト６の
取付け座６ａの取付け孔６ｂを挿通してナツト５
ａで締結すれば、ブラケツト取付け板３の突出面
はブラケツト６の取付け座６ａで覆われる状態で
ブラケツト６は建物に強固に固定される。この時
ブラケツト取付け板３の取付け受座３ａと外壁１
との境界部にシーリング剤を充填すれば雨仕舞が
確実になる。

前記実施例は、外壁がモルタル仕上げの場合で
あるが、他の実施例として、第５図乃至第７図は
外壁がサイデイング仕上げの場合の実施例を示
す。この場合、ブラケツト取付け板３およびその
建物への取付け方法は前記実施例と全く同様であ
るが、ブラケツト取付け板３を建物に止着した
後、ブラケツト取付けボルト５のみが突出するよ
うに取付け板カバー１０をブラケツト取付け板３
に被せ、釘１１等で建物に打付ける。この後サイ
デイング１２を取付けるが、取付け板カバー１０
とサイデイング１２との接続部には目地を設けシ
ーリング剤１３を充填して雨仕舞を確実にする。

［考案の効果］ 以上詳述したようにこの考案によれば、ブラケ
ツト取付け板にブラケツトの取付け座によつて覆
われる形状で、かつ建物外壁の仕上げ厚さに相当
する高さを有する取付け受座を適当数突成し、こ
の取付け受座の突出面に内側から外側に向けてブ
ラケツト取付けボルトを突設し、このボルトにブ
ラケツトをナツトで締着するようにしたから、建
物外壁にブラケツト取付け板が露出せず、外側に
直にブラケツトが取付いているような外観を与
え、意匠的に優れた仕上がりが得られる。

又、ブラケツトに加わる荷重はブラケツト取付
け板の取付け受座で受承され、モルタル材等の外
壁材には直接加わらないので外壁材にひび割れ等
障害を与える恐れがない。

更にブラケツト取付け板には、固着されたボル
トのねじ部が突出しているので、ねじ部にブラケ
ツトの取付け孔を挿通してブラケツトを支え、ナ
ツトを締着していけば、ねじ部は共回りせずにブ
ラケツトは締結され、作業が非常にやり易い等、
優れた実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る柱なしバルコニーの取付
け構造の実施例を示すもので、第１図乃至第４図
はモルタル仕上げの建物に取付けるバルコニーの
実施例を示し、第１図は取付け構造の側断面図、
第２図はその取付け部の詳細正面図、第３図は同
部の詳細側断面図、第４図は同部の詳細平断面
図、第５図乃至第７図はサイデイング仕上げの場
合の他の実施例を示し、第５図はその取付け図の
詳細正面図、第６図は同部の詳細側断面図、第７
図は同部の詳細平断面図である。 １……外壁、１ａ……外壁下地、２……柱、３
……ブラケツト取付け板、３ａ……取付け受座、
４……ブラケツト取付け板の取付けねじ、５……
ブラケツト取付けボルト、６……ブラケツト、６
ａ……取付け座、６ｂ……取付け孔、７……バル
コニー、８……サイドフレーム、９……ボルト、
１０……取付け板カバー、１１……釘、１２……
サイデイング、１３……シーリング剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物の外壁に取付けたブラケツトで支持する柱
   なしバルコニーにおいて、前記ブラケツトの取付
   け座によつて覆われる形状で、かつ建物外壁の仕
   上げ厚さに相当する高さを有する取付け受座を突
   成し、該取付け受座の突出面に内側から外側に向
   けてブラケツト取付けボルトを突設して成るブラ
   ケツト取付け板を外壁仕上げ前の建物に止着する
   と共に、前記ブラケツト取付けボルトにブラケツ
   トを締着してバルコニーを支持するように構成し
   たことを特徴とする柱なしバルコニーの取付け構
   造。