JPH051476U - ドラム式洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム式洗濯機の洗濯、脱水運転時の振動に
より発生する底台の撓みを、帯状の補強板を底台に設け
ずに抑制すること。 【目的】 洗濯・脱水を行うドラム４と、該ドラム４を
内装し、外槽１にバネ２を介して吊り下げられると共
に、外槽１の底台７表面側に一端が取付けられた緩衝器
５を介して支持された水槽３とからなるドラム式洗濯機
において、前記緩衝器５の一端取付け位置近辺に相当す
る底台７背面側に、洗濯機の設置床面に接する突起部１
１を設けたこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はドラム式洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のドラム式洗濯機の概要を図６、７に示す。 外槽１にバネ２により吊り下げられた水槽３は、水平に支持され回転自在のド ラム４を内装すると共に、底部には複数対の倒立型の緩衝器５（アウターチュー ブの下端からインナーチューブを挿入する）の一端をネジピン６により枢着して いる。

【０００３】 前記外槽１の下端と接合する底台７の背面側四隅には脚８が取付けられ（ネジ 等）、また表面側には底台７を補強する複数の帯状の補強板９が脚８間に取付け られている（ネジ等）。 そして、前記緩衝器５の他端を補強板９にネジピン６により枢着している。

【０００４】 而して、洗濯、脱水運転に際するドラム４の高速回転時に、ドラム４に収納し た洗濯物の片寄り等に起因する水槽３の振動は、バネ２と緩衝器５によって制振 されるが、この制振作用に伴う緩衝器５を介する矢印方向の力を補強板９で受け 、脚８を支点とする底台７の脚８間における撓みを抑制している。

【０００５】 なお、図７に示すように、補強板９は脚８間のスパンの短い底台７の奥行方向 には取付けていないが、底台７の撓み量によっては取付けを必要とする場合もあ る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前記のように、従来のドラム式洗濯機の底台７には、その撓み抑制のために帯 状の補強板９を設けているが、その根拠は次のとおりである。即ち、ドラム式洗 濯機の設置、振動等の安定性の面から、底台７の脚８はその四隅に設ける場合が 多い。 したがって、脚８の近辺に相当する底台７の表面側に緩衝器５の他端を取付け るようにすれば、補強板９の設置は必要ないことになるが、緩衝器５の底台７へ の取付部は、洗濯機内部の水槽３、他の部品（モータ、排水弁等）の配置あるい は緩衝器５の制振作用方向等の関係から、脚８の近辺相当位置に設けることがで きず、四隅の脚８より内側にせざるを得ない場合が多いことにある。

【０００７】 このように、帯状の補強板９の設置が必要であるため、他の部品配置に制約を 及ぼすと共に、コスト高を招くという不都合があった。 また、底台７を合成樹脂成形品とする場合には、より強固な補強が必要となり 、コスト面への影響も大きかった。

【０００８】 本考案は、かかる事情に鑑み、帯状の補強板を必要とせずに、底台の撓みを抑 制しうるようにしたドラム式洗濯機の提供を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記の目的を達成するために、洗濯・脱水を行うドラムと、該ドラ ムを内装し、外槽にバネを介して吊り下げられると共に、外槽の底台表面側に一 端が取付けられた緩衝器を介して支持された水槽とからなるドラム式洗濯機にお いて、前記緩衝器の一端取付け位置近辺に相当する底台背面側に、洗濯機の設置 床面に接する突起部を設けたことにある。 そして、突起部は、底台に取付け又は底台と一体に形成してもよい。 また、突起部の先端に、設置床面に接する弾性体を装着することが好ましい。 さらに、先端に弾性体を装着した突起部の、設置床面と接する高さを調整可能 とすることもできる。

【００１０】

【作用】

緩衝器の取付け位置近辺に相当する底台背面側に設けた突起部に、緩衝器の制 振作用が伴う力が直接加わり、底台の撓みを抑制する。 また、突起部に装着した弾性体が、緩衝器の制振作用を助勢する。 そして、弾性体を装着した突起部の設置床面からの高さを調整して、床面の凹 凸、傾斜に対応して安定に設置することができる。

【００１１】

【実施例】

本考案の実施例を図面を参照して説明する。 なお、従来例と同一部品には同一符号を付す。 図１、図２に示すように、外槽１にバネ２により吊り下げられた水槽３は、水 平に支持され回転自在のドラム４を内装すると共に、その底部には複数対の倒立 型の緩衝器５の一端をネジピン６により枢着している。

【００１２】 而して、前記外槽１の下端と接合する底台７の表面側には、前記緩衝器５の他 端にネジピン６により枢着された支持金具１０がネジ等により取付けられ、また 背面側には、その四隅に脚８が取付けられる（ネジ等）と共に、前記金具１０の 取付位置の近辺相当部（真下を含む）に洗濯機設置床面に接する突起部１１が底 台７と一体に形成されている。 突起部１１は、図３に示すように、円筒形の外筒１１ａの内腔に十字状のリブ １１ｂを一体形成して、剛性を大きくしている。 なお、突起部１１は外筒１１ａに鍔部を形成して、該鍔部を底台７にビス等で 取付けてもよい。 また、支持金具１０は、緩衝器５の制振作用に伴う力を支えるのに十分な強度 を有し、底台７への取付けスペース、コスト等の面から必要最小限の大きさに設 定され、従来の帯状の補強板９のように底台７の横巾全長にわたるものではない 。

【００１３】 洗濯物をドラム４に収納して洗濯、脱水運転をする場合、洗濯物の片寄りに伴 う水槽３が振動体となっての振動は、バネ２と緩衝器５により制振されるが、こ の際の緩衝器５を介した力が、支持金具１０より底板７を通って支持金具１０の 近辺に設けられている突起部１１より設置床面に伝達され、底台７に撓み等の発 生を抑制する。

【００１４】 図４は突起部の他の実施例を示すものであり、突起部１２の下方にゴム等の弾 性体１３を取付け、突起部１２から設置床面に伝わる振動を弾性体１３により吸 収するようにしたものである。

【００１５】 図５は突起部のさらに他の実施例を示すものであり、下端にゴム等の弾性体１ ４を取付けたネジ棒１５を突起部１６の下方から挿入して支持金具１０の螺孔に 螺合し、突起部１６の下端に接合するロックナット１７をネジ棒１５に締着した ものである。 よって、設置床面の凹凸、傾斜に対してネジ棒１５を回動して調整した後、ロ ックナット１７によりその位置を固定し、ガタツキのない安定した設置ができる 。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、底台表面側の緩衝器取付け位置近辺に相当する底台の背面に突起部 を設けたので、底台の撓み発生を有効に抑制することができ、底台の変形、破損 を防止すると共に、低コスト化が可能となる。 また、突起部の先端に弾性体を装着したので、設置床面への振動を軽減するこ とができる。 さらに、突起部の設置床面からの高さを調整可能としたので、設置床面の凹凸 、傾斜に対しても、安定した設置が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す全体構成説明図である。

【図２】全体構成の一部切欠分解斜視図である。

【図３】突起部の実施例を示し、図３（Ａ）は縦断面
図、図３（Ｂ）は図３（Ａ）のＸ−Ｘ線断面図である。

【図４】突起部の他の実施例を示す縦断面図である。

【図５】突起部のさらに他の実施例を示す縦断面図であ
る。

【図６】従来例の全体構成説明図である。

【図７】全体構成の一部切欠分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 外槽 ２ バネ ３ 水槽 ４ ドラム ５ 緩衝器 ６ ネジピン ７ 底台 ８ 脚 ９ 補強板 １０ 支持金具 １１，１２，１６ 突起部 １３，１４ 弾性体 １５ ネジ棒 １７ ロックナット

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯・脱水を行うドラムと、該ドラムを
   内装し、外槽にバネを介して吊り下げられると共に、外
   槽の底台表面側に一端が取付けられた緩衝器を介して支
   持された水槽とからなるドラム式洗濯機において、前記
   緩衝器の一端取付け位置近辺に相当する底台背面側に、
   洗濯機の設置床面に接する突起部を設けたことを特徴と
   するドラム式洗濯機。
2. 【請求項２】 突起部を、底台に取付け又は底台と一体
   に形成した請求項１記載のドラム式洗濯機。
3. 【請求項３】 突起部の先端に、設置床面に接する弾性
   体を装着した請求項１又は２記載のドラム式洗濯機。
4. 【請求項４】 先端に弾性体を装着した突起部の、設置
   床面と接する高さを調整可能とした請求項１、２又は３
   記載のドラム式洗濯機。