JPH047921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、住宅の内装などに用いられるドア
ー枠、開口枠、窓枠、出窓板などの造作用材とい
われる、建築用材に関するものである。

（従来の技術） 従来、このような建築用材には製材品（無垢
材）、集成材、単板積層材（以下、LVLという）、
中比重フアイバーボードなどが用いられている
が、LVLにおいては、各単板層がすべての平行
の場合〔第３図ｃ〕又は表裏一層目又は二層目の
みにクロス単板層〔第３図ｄ〕を用いるものであ
つた。

これらの基材はいずれも表裏面から溝を掘ると
基材が幅反りを生ずるという欠点があつた。

即ち、溝を掘ると表裏面の含水率と溝の内部の
含水率がバランスを崩し吸放湿によつて伸縮を起
こし、幅反りを生じてくる。

通常は、内部の方が水分が若干高いため溝を掘
ることによつて放湿し、収縮するため〔第３図
ａ〕の矢印のように反りが生ずる。第３図ｄのよ
うに基材そのものの反りを防ぐため一般にクロス
をよく用いるが、この場合そのクロス層が一層の
みであると溝を掘ることによつてクロス層が切断
され第３図ｃと同じ状態となり反りを生じてく
る。又、クロス層を溝の深さより深い箇所に配置
すると反りは防止されるが、施工後において表面
単板が割れ易いという欠点が生ずる。

即ち、クロス層は環境の変化に対して動きが極
めて小さいため、その上の層が厚いと吸放湿によ
つて伸縮し表面に亀裂を生じさせる。従つてクロ
ス層は化粧単板層のすぐ下に配置するのがよい。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は、これらの反り及び表面単板亀裂の
発生を同時に解決し、安定した建築用材を提供す
るものである。

（問題点を解決するための手段） そこでこの考案は、LVLを用いクロス単板層
を表裏部に各２層づつ用い、そのうち一層は化粧
単板層の次の層に、他の一層は溝の深さを同時又
はそれより深い位置に配置することを特徴とする
ものであり、一実施例を第１図に従つて説明する
と、クロス層５が表裏面より一層目、三層目に配
置し、LVLを基材にした建築用材１を設け、該
建築用材１の側面に表面化粧単板２と同質の無垢
材３，３′を貼り、その後表面化粧単板２及び裏
面化粧単板４を貼着する。最後に側面及び表裏面
にモルダー加工を加えて、溝及び側面化粧加工を
行つた。この時の溝の深さは、第２クロス層を突
き破らない深さにした、このようにして作成した
建築用材を、ドアー枠Ａとして戸当たりＢをつ
け、柱Ｃに固定して壁材Ｄを施工した。

この考案は、建築用材のうち溝を掘るタイプの
ものであればドアー枠に限らず、窓枠、開口枠、
出窓板、階段踏板、カウンター等にも応用出来
る。

（考案の効果） この考案によると、LVLのクロス層を適宜に
配置することによつて溝を掘つた場合の反りを防
ぎ同時に化粧単板の割れを防ぐことが出来、極め
て効果の大きい有意義な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す側面図、
第２図は、この考案の実施状態を示す説明図、第
３図はそれぞれ従来品の側面図、第４図は、この
考案の一実施例を示す平面図である。 １……建築用材、２……表面化粧単板、３，
３′……無垢材、４……裏面化粧単板、５……ク
ロス層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 単板積層材を素材とし、かつ溝を掘る建築用材
   において、単板積層材のクロス単板層を表裏部に
   それぞれ２層づつ設け、そのうち一層は化粧単板
   層の次の層に、他の一層は溝の深さと同等また
   は、それより深い位置に配置することを特徴とす
   る建築用材。