JPH04356159A - 非蛋白態窒素含有脱塩ホエー 及びその製造方法 - Google Patents

非蛋白態窒素含有脱塩ホエー 及びその製造方法

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JPH04356159A
JPH04356159A JP8106391A JP8106391A JPH04356159A JP H04356159 A JPH04356159 A JP H04356159A JP 8106391 A JP8106391 A JP 8106391A JP 8106391 A JP8106391 A JP 8106391A JP H04356159 A JPH04356159 A JP H04356159A
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JP
Japan
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whey
npn
exchange resin
concentrated
ion exchange
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JP8106391A
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English (en)
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Shigeko Mizudou
成子 水堂
Hatsumi Hama
浜 初美
Toshitaka Kobayashi
敏孝 小林
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Meiji Dairies Corp
Original Assignee
Meiji Milk Products Co Ltd
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    • A23C9/14Milk preparations; Milk powder or milk powder preparations in which the chemical composition of the milk is modified by non-chemical treatment
    • A23C9/146Milk preparations; Milk powder or milk powder preparations in which the chemical composition of the milk is modified by non-chemical treatment by ion-exchange
    • A23C9/1465Chromatographic separation of protein or lactose fraction; Adsorption of protein or lactose fraction followed by elution

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホエーの有効利用に関
するものであり、更に詳細には、ミネラル特にナトリウ
ムの含量を低減すると同時に生理活性物質特に非蛋白態
窒素(NonProtein  Nitrogen、以
下NPNということもある)の含量を上昇せしめたホエ
ー又はホエー濃縮物、その製法及びその利用に関するも
のである。
【0002】本発明に係るホエー又はホエー濃縮物は、
従来未知の新規物質であって、栄養食品、機能性食品と
して有用であり、またNPNの分離回収にも利用するこ
とができ、したがって本発明は、乳関連物質の内で従来
有効利用の途が比較的少なかったホエーを新たに有効利
用するものである。
【0003】
【従来の技術】ホエーは牛乳からカードを除去した後の
残りであって、チーズ及びカゼイン製造の副産物であり
、乳糖の製造原料であることが知られている(桜井芳人
編「総合食品事典(新訂版)」東京同文書院(昭46−
3−15)P.594)。
【0004】従来、ホエーには比較的有効利用の途がな
く、上記のように乳糖の給源として利用されることが発
見される以前は廃棄されていたものであるが、近年にな
って乳糖の製造に利用するほか、ホエーを電気透析やイ
オン交換によって脱塩したホエーパウダー(Modif
ied  Solid  Powder、MSP)を得
、これを乳清蛋白として利用する途も拓かれてきた(桜
井芳人ほか3名編「増補新版総合食料工業」恒星社厚生
閣(昭50−9−15)P.650−651)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した乳清蛋白の製
造においては、ナトリウム等のミネラルが腎臓に負担を
与えるためにホエーを電気透析等によつて脱ミネラルつ
まり脱塩するのであるが、この乳清蛋白製造時の副生物
である脱塩液は、格別の用途もないということで、従来
は廃棄されていた。
【0006】しかしながら、ホエーには生理栄養的に有
効なNPNを含んでいるのであるが、NPNは、その大
部分が陽イオン性であるため、脱塩処理によりミネラル
とともに除かれてしまい、利用することはできなかった
【0007】すなわち、非蛋白態窒素(NPN)は、カ
ルニチン等の様々な生理活性を持つ有効成分を含んでお
り、水溶性の各種アミノ酸、ペプチドの低分子化合物か
ら成るが、両性電解質の性質を持つている。そこでホエ
ーをイオン交換樹脂脱塩すると、陽イオン交換樹脂に、
+に荷電したNPNが吸着してしまうのである。
【0008】例えばカルニチンは、ビタミンBTともよ
ばれて生理活性を有するものであり(「化学大辞典7」
共立出版(昭和43−1−10)P.409)、またア
ミノ酸その他低分子窒素化合物も各種の生理活性を有す
るものであるので、これらの各成分を含有するNPNを
ミネラルとともに廃棄していたのでは、有用な資源の浪
費となってしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような技
術の現状に鑑み、ミネラルとともに廃棄されていたNP
Nに着目し、これを有効に利用する目的でなされたもの
である。
【0010】また本発明は、ホエーからNPNとミネラ
ルを分別し、NPNのみを選択的に濃縮、回収する目的
でなされたものである。換言すれば、本発明は、ホエー
中のNPN含有量を高め、これとは逆にミネラル、特に
ナトリウム含有量を低減せしめる目的でなされたもので
ある。
【0011】上記目的を達成するために各方面から検討
した結果、イオン交換処理が最適であるとの観点にたっ
て研究を行ったところ、陽イオン交換樹脂カラムの操作
条件を選択して有機的に結合することにより、NPNと
ミネラルの樹脂に対する選択吸着性の差を利用して、N
PNのみを選択的に回収することが可能であるとの知見
を得た。そしてそのための具体的な方法として、樹脂に
吸着したNPNをホエーで押出し、脱塩ホエー中に回収
する方法と、溶出剤を用いて回収する方法の2つの方法
を発見し、本発明が完成されたのである。
【0012】すなわち本発明は、NPNとミネラル特に
ナトリウムのイオン交換選択性の差を利用して、樹脂に
吸着していた両者を分離することを基本的技術思想とす
るものである。
【0013】したがって本発明によれば、ミネラル、特
にナトリウム含量の低いホエー製品、NPN含量の高い
ホエー製品を得ることができるし、これらを製造するた
めの工業的製法も確立され、またNPNのみを選択的に
回収することも可能である。
【0014】以下、本発明について詳しく説明する。
【0015】イオン交換樹脂を用いて塩溶液又は電解質
液を処理する場合、イオンの選択吸着性に係わる因子と
してイオン濃度、原子価、原子量が挙げられる。イオン
交換樹脂、例えば強酸性陽イオン交換樹脂を用いて低濃
度、常温の塩溶液又は電解質液を処理する場合、イオン
の選択吸着性はイオンの原子価が高いものほど大きくな
り、原子価が同じ場合には、原子番号が大きいものほど
選択性が大きくなる。
【0016】そこで、ホエーを陽イオン交換樹脂カラム
に通液していき、各ミネラル及びNPNの吸着帯の分布
について調べたところ(樹脂はアンバーライト(商品名
)の強酸性の樹脂(IR120A)を水素型に再生した
ものを用いた)、吸着帯の分布はイオン交換樹脂に通液
する原料ホエーの濃度、処理量、電気透析による脱塩度
、線速度、カラムの層高等が影響することが判った。
【0017】そして後記する実施例の結果から、これら
の最適条件をつきとめ、樹脂に吸着したホエー中のNP
Nをホエーにより押し出してNPNのみを選択的に回収
することに成功した。
【0018】本発明においては、イオン交換樹脂として
は陰イオン、陽イオン交換樹脂が適宜使用される。後者
の場合は、弱酸性樹脂及び強酸性樹脂がいずれも使用さ
れるが、市販品が充分使用可能である。それには、例え
ばアンバーライトIR120A、IR120、IR11
2、XE100(いずれも商品名);ダウエックス30
、50(いずれも商品名);ダイヤイオンSKシリーズ
、PKシリーズ(いずれも商品名)等が適宜使用される
【0019】これらのイオン交換樹脂を用いて処理する
ホエーとしては、格別の処理を行わないホエーでもよい
が、濃縮した及び/又は脱塩したホエー(単に濃縮ホエ
ーということもある)の方が好適である。濃縮度として
は、ホエーのTS(Total  Solid)が10
〜40%、好ましくは20〜30%程度が良く、脱塩度
としては、電気透析(Electrodialysis
、ED)における脱塩率(Demineralizat
ion  Rate)で30〜80%、好ましくは50
〜70%程度が良い。この場合、濃縮、脱塩は常法にし
たがって行えばよい。
【0020】ホエー又はホエー濃縮物をイオン交換処理
する際、カラム層高は長いほど、そして線速度は遅いほ
ど、NPNとミネラル(特に、NPNと分布域がきわめ
て接近しており且つ健康上からも除去することが強く望
まれているナトリウム)との分離が良くなる。例えば、
直径24mmのカラムの場合、カラム層高は50cm以
上、好ましくは80cm以上が好適であり、線速度は1
0m/h以下、好ましくは3m/h以下程度が好適であ
る。
【0021】後記する実施例からも明らかなように、N
PNの選択吸着性は、ミネラルの中で最も選択吸着性が
低いナトリウムのそれよりも低い。換言すれば、カラム
の溶出ないし押し出しを行い、最初にNPNが漏出し次
いでナトリウムとその他のミネラルが漏出してくる前ま
でのカラム出口液を回収すれば、NPNのみが選択的に
回収されることになる。
【0022】そのためには、出口液の成分の経時変化を
測定すればよく、例えばNPNやナトリウム含量の変化
を測定すれば良いのであるが、試料のサンプリングを行
ったりして測定する方法は工業的な方法ではない。リア
ルタイムに連続的に測定する方法が、工業化には是非と
も必要である。
【0023】しかるに本発明によれば、実施例からも明
らかなように、NPN含量がピークとなったところで電
導度、pHが上昇しはじめているので、導電率測定セル
等既知の測定装置により電導度やpHを測定し、電導度
やpHが上昇しはじめる時点までの処理液をNPN画分
として回収すれば良い。また、その時間を予じめ測定し
ておき、その時間までの処理液を回収するようにしても
よい。更にまた、ホエーの処理量によってNPNの回収
率も変動し、例えばNPNの回収率が80%程度のとき
には、ミネラル特にナトリウムの回収率は10%以下と
非常に低くなっているので、これらの関係を予じめ実験
によって確認しておき、これを利用してNPNのみを工
業的に回収することができる。
【0024】このような条件によって、ホエー又は濃縮
ホエーをイオン交換樹脂処理し、吸着したNPNのみを
ホエー又は濃縮ホエーによって押出して回収することが
可能となったのである。このようにして得られたホエー
又はホエー濃縮物は、ミネラル含量特にナトリウムの含
量が低く、その反面NPN含量は高くなっており(例え
ばナトリウム含量は10%以下、NPN回収率は80%
)、このようなホエー製品は従来全く知られておらず新
規物質である。このようにして、従来なし得なかったN
PNの回収も工業的に可能となったのである。
【0025】本発明によれば、上記したようにイオン交
換樹脂に吸着したNPNをホエー又は濃縮ホエーによっ
て押出し、これを回収できるほか、溶出剤を用いてこの
NPNを溶出せしめこれを回収することも可能であるの
で、次に、ホエー又は濃縮ホエーをイオン交換樹脂に通
液した後の陽イオン交換樹脂に吸着したNPNを溶出剤
を用いて、回収する発明について説明する。
【0026】ホエー又は濃縮ホエーをイオン交換樹脂に
通液し、NPNの急激な漏出がおきない点で通液を溶出
剤に置換えて、ミネラルはそのままで、NPNのみを溶
出させる条件を検討した。その結果、後記する実施例か
らも明らかなように、特に溶出剤の種類、その濃度、樹
脂に対するその使用量が特定の条件にあるとき、NPN
の回収と、電導度の変化との間に、前記したと同様の関
係が存在することが発見され、この方法によっても工業
的にNPNのみを選択的に回収するのに成功した。
【0027】この方法においては、溶出剤としてはアル
カリ物質が好適であって、例えばアルカリ金属(K、L
iその他)やアルカリ土金属(Ca、Mg、Baその他
)の水酸化物が好適である。溶出剤として例えば水酸化
カリウムを使用した場合、その濃度は0.4N以上、好
ましくは0.8N以上がよく、濃度が高い方が急激に漏
出してくる。その通液量も多いほどNPNの回収率が高
くなり、一応の目安としてBed  Volume×0
.2以上程度が好適である。
【0028】本発明を実施するには、このような条件を
念頭におきながら、使用するイオン交換樹脂の種類、カ
ラム層高、線速度にも注意を払い、最適の処理条件を予
じめ設定しておき、上記のように、電導度やpHを測定
することにより、あるいは時間を測定することにより、
あるいは漏出してくるNPNを直接測定することによっ
て、ナトリウムが漏出してくる前にNPNのみを選択的
に回収することができる。
【0029】この溶出法によればNPNは、脱塩ホエー
中と溶出液中とにそれぞれ分離して回収されるので、用
途に応じて脱塩ホエーあるいは溶出液のみを利用したり
、又は両者を合して各種の用途に利用したりすることが
できる。これらの製品はいずれにおいても、NPN濃度
は高いけれどもナトリウム濃度は低く、従来未知の新規
物質である。したがって、これらの製品は、新規栄養食
品ないし機能性食品として利用できるのみでなく、NP
Nも効率的に回収することが可能となったのである。
【0030】以下、本発明の実施例について述べる。
【0031】[実施例1] (1)常法にしたがって全固形分(Total  So
lid、TS)が24%となるように濃縮したホエーを
電気透析によリ60%脱塩した後、84cmの陽イオン
交換樹脂カラム(アンバーライトIR120A、直径2
4mm)に線速度5.3m/hで通液した時のカラム出
口液の各ミネラルの経時変化及び電導度、pH、NPN
含量の経時変化を測定して、それぞれ図1に示される第
1図の1及び第1図の2の結果を得た。
【0032】図1で示される第1図の1から明らかなよ
うに、樹脂の交換容量が飽和に達したところで、選択吸
着性の小さいナトリウムが急激に漏出し始める。この時
のカラム出口液の電導度、pH、NPNの含量の経時変
化を図1で示される第1図の2からみると、通液の初期
ではホエー中のミネラルが水素イオンとイオン交換され
、出口液の電導度、pHは低い。又、NPNも樹脂に吸
着される為、含量は低い。しかしNPNは通液が進むに
つれ、徐々に樹脂から脱離して出口液の含量は高くなる
。そしてNPN含量がピークになった所で電導度、pH
が上昇し始めている。
【0033】従ってNPNとナトリウムのピークを比較
するとNPNのピークの方が早く、NPNの選択吸着性
はナトリウムより低いことがわかった。
【0034】これらのことから明らかなように、本発明
によってはじめて、従来なし得なかったNPNとミネラ
ル(特にナトリウム)の分離回収が可能となった。
【0035】(2)24%に濃縮したホエーを電気透析
により60%脱塩した後、85cmの陽イオン交換樹脂
カラム(アンバーライトIR120A、直径24mm)
に線速度5.3m/hで通液したときの、NPNとミネ
ラルの吸着帯のカラム内での分布を測定し、図2に示さ
れる第2図の結果を得た。
【0036】図2に示される第2図は、横軸に時間、縦
軸にNPN濃度と電導度のカラム入口に対する出口の比
をとったグラフであって、図2に示される第2図におい
て、ミネラルは多成分系である為、電導度の変化で表し
た。この条件でも、NPN濃度が最高値に達した所で電
導度が上昇し始めていることが明らかとなった。
【0037】(3)カラム層高を半分の42cmにした
ほかは第(2)項と同一条件で通液したときの、NPN
とミネラルの吸着帯のカラム内での分布を測定し、図3
に示される第3図の結果を得た。
【0038】図3に示される第3図から明らかなように
、カラム層高が短くなると、分離が不完全でNPN濃度
がピークに達する前に電導度が上昇し始めており、しか
もNPNの濃度のピークも低く、この条件ではNPNと
ミネラルとの分離が困難であることが判った。
【0039】(4)線速度(LV)を半分の2.7m/
hしたほかは第(2)項と同一条件で通液したときの、
NPNとミネラルの吸着帯のカラム内での分布を測定し
、図4に示される第4図の結果を得た。
【0040】図4に示される第4図から明らかなように
、線速度を半分にした場合、NPNの濃度のピークは高
く、線速度が遅いため、樹脂との接触時間が長く、より
濃縮されたことを示している。電導度の上昇はNPN濃
度のピークよりも早めに起きており、NPNとミネラル
との分離が更に明確に行われていることが判った。
【0041】(5)第(4)項と同一の条件で処理し、
個々のミネラル(ナトリウム及びカルシウム)の入口、
出口の濃度比を測定、計算し、図5に示される第5図の
結果を得た。
【0042】図5に示される第5図の結果をみると、線
速度が遅いとNPNの次に吸着性の小さいナトリウムも
NPNと同様、濃縮されており、漏出しやすくなってい
るため、電導度の上昇がやや早くなったと考えられる。 またカルシウムに関しては、線速度が遅いほうがより脱
塩されやすくなっていることが判った。
【0043】(6)第(1)項に記載したのと同一の条
件で通液を適時、止めた時のNPN回収率と各ミネラル
の回収率を測定し、その関係を図6に示される第6図に
示した。
【0044】図6に示される第6図の結果から明らかな
ように、樹脂の容量の13倍のホエーを処理した時のN
PNの回収率は90%であるが、ミネラル、特にナトリ
ウムも同様に回収されてしまう。これに対して樹脂の容
量の10.8倍のホエーを処理した時のNPN回収率は
80%であったが、その時のミネラルの回収率は10%
以下であり、マグネシウムは20%であったが、これは
入口濃度が低い為である。カラム層高を更に長くして線
速度を遅くすれば、分離は良くなるので、ミネラルの回
収率を低くして、NPNの回収率をこれよりも更にあげ
ることが可能であることも確認された。
【0045】このようにして、本発明によれば、樹脂に
吸着したNPNを選択的に漏出せしめることができ、し
かもその際、ナトリウムを伴わないことが明確に確認さ
れた。したがって本発明によって、NPNをホエーから
効率的に回収できることが可能となり、また、得られた
ホエー濃縮物は、NPNその他の有用成分に富むだけで
なく、高血圧症や腎疾患にかかっている患者あるいはそ
のおそれのある人々にとって有害なナトリウムが除去さ
れているので、通常の食品、健康栄養食品、機能性食品
として各種の用途に広範に利用することができる。
【0046】[実施例2]本実施例は、ホエーをイオン
交換樹脂に通液した後の陽イオン交換樹脂に吸着したN
PNを、溶出剤を用いて回収する実施例である。
【0047】(1)常法にしたがって全固形分を24%
に濃縮したホエーを電気透析により60%脱塩した。
【0048】得られた濃縮ホエーを更にイオン交換樹脂
に通液し、NPNの急激な漏出がおきない点で通液を溶
出剤に置換えて、ミネラルはそのままで、NPNのみを
溶出させる条件を検討した。なお、イオン交換樹脂の操
作条件は、カラム層高21cm、線速度1.1m/hと
したほかは実施例1(1)と同様であった。
【0049】(2)溶出剤の種類として、初めに樹脂に
対する選択吸着性の大きいカルシウムを選択し、塩化カ
ルシウムを検討したが、濃度を高くしないとNPNが回
収されなかった。
【0050】これは塩化カルシウムを通液すると、イオ
ン交換されて出てきた水素イオンにより、緩衝作用のな
い溶液のpHが急激に下がるため、NPNの荷電が更に
大きくなり、樹脂により吸着されやすくなっていること
が原因の1つとして考えられる。又、高濃度の塩化カル
シウムを用いると、塩素含量が高くなり、次の濃縮工程
で悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0051】(3)そこで、次に、pHを下げない為と
塩素を使用しないということで溶出剤にアルカリを用い
ることとし、アルカリの種類としては、選択吸着性が比
較的大きい可溶性アルカリという点で水酸化カリウムを
選択した。水酸化カリウムの濃度を、それぞれ0.4N
、0.8N、1.6Nとし、通液量は、カリウムとして
同じ当量数とした。すなわち、0.4Nの場合、Bed
  Volume(BV)×2、0.8Nの場合はBV
×1、そして1.6Nの場合はBV×0.5とした。
【0052】そこで、濃縮ホエーを樹脂の6倍量通液し
た後、溶出剤として各濃度の水酸化カリウム溶液に切替
え、これを一定量流した後、通液を水に切替え、それぞ
れの場合におけるNPNの濃度を測定し、その結果をN
PN回収率として図7に示される第7図に図示した。
【0053】図7に示される第7図の結果から明らかな
ように、水酸化カリウムの濃度が高いと、NPN濃度の
ピークは高くなり、水酸化カリウムの濃度が低くなると
NPN濃度のピークは小さくなり、ゆるやかに漏出して
くることが判った。そこで、通液したホエー中に含まれ
ていたNPNの総量に対するNPNの回収率はそれぞれ
、57、53、46%であった。しかし、この時の電導
度をみると、非常に高く、ナトリウム等の他のミネラル
も漏出していた。これは陽イオンが過剰に入った為と考
えられた。
【0054】(4)前項の結果からして、水酸化カリウ
ムの濃度は高いほうが溶出液のNPN濃度のピークは高
いことから、1.6Nの水酸化カリウムの通液量を先程
の75及び50%に減少させて、つまり結果的に水酸化
カリウムの添加量を減らして、NPNおよびミネラルの
回収状態を測定し、図8に示される第8図にその結果を
示した。つまり、高濃度の水酸化カリウムをスポット的
に少量流し、カラムの上層のミネラルとイオン交換させ
、そのイオン交換されたミネラルでカラム下層に吸着し
ているNPNを押出そうと考えたのである。
【0055】その結果、水酸化カリウムの通液量が少な
いとNPNのピークは低くなり、この時のNPNの回収
率はそれぞれ、57、49、35%であって、上記推定
の正しいことが実証された。
【0056】なお、図示してはいないが、電導度は、通
液量が少ないとほとんど上がっていない。従って、水酸
化カリウムの通液量の調整により、ややNPNの回収率
は落ちるものの、ミネラルを漏出させない条件があるこ
と、つまりNPNのみを選択的に回収できることが可能
となったのである。
【0057】(5)第(1)項において、カラム層高8
5cm、線速度5.3m/hとしたほかはこれと同一条
件とし、濃縮ホエーを樹脂量の6倍通液した後、1.6
Nの水酸化カリウムを樹脂の0.375倍通液した時の
溶出液のNPNと電導度、pHの変化を測定し、図9に
示される第9図にその結果を示した。
【0058】この結果から明らかなように、NPNとミ
ネラルの分離は良くなり、NPNのピーク濃度は上がり
、電導度はほとんど上がっていないことが判った。なお
溶出液のナトリウムとカリウムを測定したところ、ナト
リウムは5mg/gNPN、カリウムは1mg/gNP
Nであった。
【0059】この時のNPNのマスバランスは、脱塩ホ
エー中に40%、溶出液中に50%回収され、陽イオン
交換樹脂中に10%残存していた。なお、脱塩ホエー中
に含まれるNPNは荷電を持たない尿素が主体であると
思われる。このNPNの回収液をビーカーワークで濃縮
し、乳糖と混合して噴霧乾燥したが、特に問題はなく、
良質な粉が得られた。
【0060】これまでの結果から明らかなように、NP
Nの回収率はホエーで溶出する方法ではほぼ80%、ア
ルカリで溶出する方法では50%前後であった。ただし
、ホエーで押出する方法では荷電を持たない尿素も含ん
だ値である。又、アルカリで溶出する方法は、既存の製
造設備を使う経済的なNPNの分離精製法であることも
確認された。
【0061】
【発明の効果】本発明によってはじめて、ホエーからN
PNのみを選択的回収するだけでなくしかもその際ミネ
ラル特にナトリウム含量を大幅に低下することに工業的
に成功したものである。
【0062】したがって本発明は、NPNを選択的に回
収するための工業的方法を提供するものであるし、本発
明によって得られるホエー又はホエー濃縮物は、生理活
性物質に富むNPNを大量に含むが有害成分であるとこ
ろのミネラル特にナトリウムが少ないので、副作用や害
作用を生じることなく、各種食品、栄養食品、機能性食
品等として安心して広く利用することができるという著
効が奏される。
【0063】また、本発明は、従来主として乳糖の給源
として利用されていたにすぎないホエーに、更に有効利
用の途を新たに拓くものであって、天然資源の有効利用
という面でも非常にすぐれている。
【図面の簡単な説明】
【図1】濃縮ホエーの陽イオン交換樹脂処理液について
、ミネラルの経時変化(第1図の1)及び、NPN、電
導度、pHの経時変化(第1図の2)を示した図面であ
る。
【図2】陽イオン交換樹脂処理液のNPN含量と電導度
の経時変化を図示したものである(第2図)。
【図3】電導度とNPNに及ぼすカラム層高の影響を図
示したものである(第3図)。
【図4】電導度とNPNに及ぼす線速度の影響を図示し
たものである(第4図)。
【図5】ナトリウムとカルシウムの漏出に及ぼす線速度
の影響を図示したものである(第5図)。
【図6】NPN回収率と各ミネラルの回収率の関係を図
示したものである(第6図)。
【図7】NPNの回収に及ぼす溶出剤の濃度及び通液量
の影響を図示したものである(第7図)。
【図8】NPNの回収に及ぼす溶出剤(1.6N−KO
H)通液量の影響を図示したものである(第8図)。
【図9】溶出剤(水酸化カリウム)による陽イオン交換
樹脂溶出液の経時変化を図示したものである(第9図)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ナトリウム含量を低減せしめてなるこ
    とを特徴とするホエー又はホエー濃縮物。
  2. 【請求項2】  ナトリウム含量は低減せしめると同時
    に非蛋白態窒素含量は上昇せしめてなることを特徴とす
    るホエー又はホエー濃縮物。
  3. 【請求項3】  該ホエー又はホエー濃縮物が、ナトリ
    ウムと非蛋白態窒素のイオン交換選択性の差を利用して
    ホエー又は濃縮ホエーをイオン交換樹脂処理して得られ
    たものであること、を特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載のホエー又はホエー濃縮物。
  4. 【請求項4】  ホエー又は濃縮ホエーをイオン交換樹
    脂に吸着せしめた後、ホエー又は濃縮ホエーを用いて非
    蛋白態窒素を選択的に押し出すこと、を特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれか1項に記載のホエー又はホエ
    ー濃縮物の製造方法。
  5. 【請求項5】  ホエー又は濃縮ホエーをイオン交換樹
    脂に吸着せしめた後、非蛋白態窒素の急激な漏出が生じ
    る前に、溶出剤を用いて非蛋白態窒素を選択的に溶出せ
    しめること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    か1項に記載のホエー又はホエー濃縮物の製造方法。
  6. 【請求項6】  ホエー又は濃縮ホエーをイオン交換樹
    脂に吸着せしめた後、非蛋白態窒素とミネラルの樹脂に
    対する選択吸着性の差を利用して、吸着した非蛋白態窒
    素を該ホエー又は濃縮ホエーで押し出して脱塩ホエー中
    に非蛋白態窒素を回収するか、あるいは、吸着した非蛋
    白態窒素を溶出剤を用いて回収すること、を特徴とする
    ホエー又は濃縮ホエーから非蛋白態窒素を回収する方法
  7. 【請求項7】  濃縮ホエーとして、ホエーを濃縮した
    及び/又は電気透析により脱塩したホエーを使用するこ
    と、を特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】  溶出剤が水酸化カリウムであることを
    特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】  イオン交換樹脂が、陽イオン交換樹脂
    、好適には強酸性陽イオン交換樹脂であることを特徴と
    する請求項3に記載のホエー又はホエー濃縮物。
  10. 【請求項10】  イオン交換樹脂が、陽イオン交換樹
    脂、好適には強酸性陽イオン交換樹脂であることを特徴
    とする請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の方法
JP8106391A 1991-01-22 1991-01-22 非蛋白態窒素含有脱塩ホエー 及びその製造方法 Pending JPH04356159A (ja)

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