JPH042430B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、凹版定盤及び被印刷体定盤と、イン
キ供給架台及び転写胴とが相対的に移動可能な凹
版オフセツト印刷機のインキ供給架台に、凹版に
対して昇降動作可能なインキ均しスキージと、イ
ンキを凹版セル内に充填し且つセル以外の非画線
部のインキを掻き取るためのインキドクターブレ
ードとを併設した凹版オフセツト印刷機のインキ
供給装置に関する。

（従来の技術） 凹版オフセツト印刷機のインキ供給装置は、例
えば第４図に図示するように、版及び被印刷体の
各々定盤２，３がインキ供給架台４及び転写胴で
あるブランケツト胴１に対して可動式になつてい
るものがある。インキ供給架台４には、定盤が移
動するときに凹版Ａ面にインキを所定の厚さに均
すインキ均しスキージ８を備え、定盤がそれと反
対方向に移動するときに凹版Ａセル内にインキを
充填し、且つ被画線部のインキを掻き取るドクタ
ーブレード７を備える。スキージ８及びブレード
７は、凹版に対して昇降動作可能になつている。
スキージ８は、凹版Ａ面に対して所定のインキ膜
厚に均するために、ある間隔を有して下止点で停
止する。一方ドクターブレード７は、凹版Ａ面に
その先端を接触する下止点で停止する。

第５図は、インキ供給動作の順序を説明する側
面図である。

第５図イ、凹版Ａ面の左端に盛り上げ供給され
たインキａの外側にスキージ８を下降させて、該
スキージ８に対して凹版定盤２を図面左方向に相
対移動させて、凹版Ａセル（画線部）内及び非画
線部の全面に所定の膜厚に、インキａを供給し、
且つ凹版右端にインキ未付着部分が残るようにし
て均し、凹版セル内のインキ乾燥を防ぐようにす
る。次に第５図ロ、スキージ８を上昇させ、ドク
ターブレード７を下降させ、凹版Ａ上のインキ未
付着部外側に接触させて、定盤２を右方向に相対
移動させながら、インキａを凹版Ａセル内に充填
しながら、非画線部のインキを完全に掻き取る。
次に、第５図ハ、定盤２を左方向に移動し、ブラ
ンケツト胴１を胴入れして、該胴に凹版Ａのイン
キパターンを転写する。と同時に、スキージが下
降して、ドクターリングしたインキａを均す動作
を開始する。そして第５図ニ、定盤２と一体に設
置する被印刷体定盤３上に載置した被印刷体Ｂ
に、ブランケツト胴１のインキパターンを印刷す
るものである。その際、凹版Ａ面では、スキージ
８によつて均したインキａが凹版Ａ右端に盛り上
がつており、印刷後の被印刷体Ｂを取り出すため
に、第５図ホのようにブランケツト胴１の印圧を
解除して定盤２，３を右方向に移動させる際、凹
版Ａの盛り上りインキがブランケツト胴に付着す
るトラブルが発生しやすい。そのため、版定盤２
上に盛り上つたインキａを平坦に均すことが必要
であり、且つ、被印刷体Ｂを取り出している間
に、凹版Ａ面のセル内に残留するインキが乾燥す
るのを防ぐことが必要になる。

（発明の目的） 本発明は、印刷機のサイズをなるべくコンパク
トにして、且つ、版上のインキの盛り上りがブラ
ンケツトに付着することがないようにするため
に、また、版上のインキの乾燥を防ぐための機構
を備えたインキ供給装置を提供するものである。

（発明の構成） 本発明は、版定盤及び被印刷体定盤と、インキ
供給架台及び転写胴とが相対的に移動可能で、イ
ンキ供給架台本体に、凹版に対して昇降動作可能
なインキ均しスキージとインキドクターブレード
とを併設した凹版オフセツト印刷機のインキ供給
装置において、昇降動作における上下止点間に、
中間止点を有するインキドクターブレードを設け
たことを特徴とする凹版オフセツト印刷機のイン
キ供給装置である。

本発明装置を図面に従つて詳細に説明すれば、
第１図は、本発明装置の一実施例の側面図であ
り、インキ供給架台４本体フレーム４ａの上部に
一体に版定盤２及び被印刷体定盤３上方に跨設す
る支持板１４にエアシリンダー６を設け、該シリ
ンダーの下向きロツド１７先端にインキ均しスキ
ージ８を取り付け、前記支持板１４に平行に架台
フレーム４ａに対して適宜手段により揺動可能に
揺動支持板１５を設け、該支持板１５にエアシリ
ンダー５を設け、該シリンダーの下向きロツド先
端にホルダー板１２を取り付け、該ホルダー板に
ドクターブレード７を設ける。第２図は、本発明
装置の正面図であり、ホルダー板１２の両端に上
向きに前記支持板１５に嵌挿し、該板１５上側で
ナツト１１により抜け止めするガイドシヤフト１
３を設け、該ナツト１１下側に適宜厚さの調整板
１０を出し入れ可能に設けたものである。該調整
板１０は、支持板１５に取り付けたマイクロエア
シリンダー９のロツド先端に設けるものであり、
ブレード７の上下動きのタイミングに合わせて、
前記シリンダー９を動作させ、ナツト１１下側に
調整板１０を出し入れするようになつている。一
方、ブレード７と平行に設けるスキージ８は、エ
アシリンダー６の動作により版定盤２方向に上下
動できるようになつている。

第３図は、本発明装置の斜視図である。均しス
キージ８は、その長手方向両側に、ブレード７と
同様にガイドシヤフト１７ａを設けるようにして
もよい。

（発明の作用） 本発明インキ供給装置は、第２図に図示するシ
リンダー５を動作させ、ドクターブレード７を上
昇させたとき、該ブレード７の両側に設けたガイ
ドシヤフト１３を係止するナツト１１下面と支持
板１５上面との間に形成される空隙内に、調整板
１０を差し込んだ後、エアシリンダー５を降下さ
せる場合と、前記調整板１０を差し込まない場合
とによつて、ブレード７の下止点を２段に変化さ
せることができる。ブレード７によつて凹版Ａ面
上の盛り上りインキを、凹版全面に対して適宜膜
厚に平坦に均すときは、エアシリンダー９を動作
させて調整板１０をナツト１１下面に差し込みブ
レード７下端を凹版Ａ面との接触位置より僅かに
上側に停止させることができ、第５図ホ印刷後に
おいて、定盤３上の被印刷体Ｂを取り出すため
に、ブランケツト胴１を被印刷体上から移動させ
る場合に、移動するブランケツト胴周面に、第５
図ニ、凹版Ａの図面右端に盛り上つたインキａが
付着しないように、上記ドクターブレード７刃先
を版面に完全に下ろさずに、接触しない所望高さ
に下げて、インキを平坦に均すことができるもの
である。

（発明の効果） 本発明は、ドクターブレード刃先を片面に完全
に下ろさずに、ブランケツト胴周面にインキが付
着しない程度の版面よりも所望高さに位置決めし
て、版上のインキを平坦に均すことができるの
で、ブランケツト胴を凹版定盤方向に移動させた
とき、該胴にインキが付着するトラブルを回避す
ることができ、また、そのため、印刷機の版定盤
と被印刷体定盤とを、かなり近接させて配列させ
ることができるので、印刷機をコンパクト化でき
るなどの効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置の側面図、第２図は、本
発明装置の正面図、第３図は、本発明装置の斜視
図、第４図は、本発明装置を設置する凹版オフセ
ツト印刷機の概要を示す側面図、第５図イ，ロ，
ハ，ニは、凹版オフセツト印刷機における従来の
インキ供給動作を説明するインキ供給装置の側面
図、第５図ホは、本発明装置のインキ供給動作に
おけるインキ均し動作を説明する側面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 版定盤及び被印刷体定盤と、インキ供給架台
   及び転写胴とが相対的に移動可能で、インキ供給
   架台本体に、凹版に対して昇降動作可能なインキ
   均しスキージとインキドクターブレードとを併設
   した凹版オフセツト印刷機のインキ供給装置にお
   いて、昇降動作の上下止点間に、中間止点を有す
   るインキドクターブレードを設けたことを特徴と
   する凹版オフセツト印刷機のインキ供給装置。