JPH0346402B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0346402B2
JPH0346402B2 JP8479283A JP8479283A JPH0346402B2 JP H0346402 B2 JPH0346402 B2 JP H0346402B2 JP 8479283 A JP8479283 A JP 8479283A JP 8479283 A JP8479283 A JP 8479283A JP H0346402 B2 JPH0346402 B2 JP H0346402B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
solution
composite
thin film
alkoxides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP8479283A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59213602A (ja
Inventor
Tsutomu Nanao
Tamyuki Eguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP8479283A priority Critical patent/JPS59213602A/ja
Priority to CA000451908A priority patent/CA1217927A/en
Priority to US06/600,278 priority patent/US4579594A/en
Priority to DE8484104194T priority patent/DE3473437D1/de
Priority to EP84104194A priority patent/EP0125507B1/en
Publication of JPS59213602A publication Critical patent/JPS59213602A/ja
Priority to US06/818,425 priority patent/US4668299A/en
Publication of JPH0346402B2 publication Critical patent/JPH0346402B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/02Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition
    • C23C18/12Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material
    • C23C18/1204Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material inorganic material, e.g. non-oxide and non-metallic such as sulfides, nitrides based compounds
    • C23C18/1208Oxides, e.g. ceramics

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Compounds Of Iron (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は2種以上の金属アルコキシド中にキレ
ート剤を加えてなる複合金属酸化物を製造するた
めの複合金属溶液に関する。
複合材料、とくに2種以上の金属が酸化物や窒
素物などの形で存在する均一な組成の薄膜や超微
粒子(通常粒径が約1μm以下であつて、機械的
には粉砕できないもの)は電磁気的、光学的、機
械的にすぐれた機能を備え、能動素子としても充
分使用可能な機能性セラミツクスの材料として有
用なものであつてその研究開発が進められてい
る。これらの機能性セラミツクスにおいては、用
いる材料によつて目的とする製品の特性の殆んど
が支配されるといつても過言ではない。従来の機
能性セラミツクスの製法としては、無機化合物同
士の固相反応を利用する方法があるが、その方法
では充分な機能を発揮するものをうることができ
ず、しかも純度の高い、粒子径の小さい、化学量
論性の高い材料がえ難い。そのほか金属無機塩を
水溶液に溶かしたのち、アルカリまたは多価カル
ボン酸などにより共沈させるか、これらを熱分解
して粒子をうる方法がある。
しかしながらその方法に使用される出発原料
は、水溶液中でイオン的に活性となる無機の炭酸
塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩など殆んどであるた
め、熱処理しても内部に不純物となるイオンが残
る、粒成長して粒径が大きくなりすぎる、目的物
をうるためには高温での焼成処理が必要となるな
どの欠点がある。
そこで、これらの欠点を解決する手法として有
機金属化合物である金属アルコキシドを加水分解
あるいは直接熱分解することにより、従来よりも
低い熱処理温度で高純度かつ超微粒子状のセラミ
ツクス原料をうる方法が検討されている。
金属アルコキシドは化学的な手法によつて高純
度に精製することができ、直接熱分解または加水
分解後焼成することにより、高純度で超微粒子状
の機能性セラミツクス原料として理想的なものが
えられることが知られている。
しかしながら機能性セラミツクス材料はその機
能を最大限に発揮するために、単一の化合物のみ
で使用さえる例はきわめて少なく、微量の他成分
を添加したり複合化合物としたりして用いられる
ばあいが多い。そのため単一組成でいかに粒径が
小さくても、目的とする組成にするためにはさら
に熱処理を加え固相反応をさせる必要があり、そ
の際に粒成長を起したり化学量論性が不安定にな
つたりすることがある。
そうした2種以上の金属を含む複合酸化物をう
るため、金属アルコキシドを混合した系を調製す
るかまたは複合金属アルコキシドを合成しそれら
を分解して目的の複合酸化物を直接えようとする
試みも進められているが、その方法にはつぎの欠
点がある。
すなわち、金属アルコキシドは元素ごとおよび
アルコキシ基の種類によつて加水分解性が著るし
く異なつており、したがつて2種以上の金属アル
コキシドの混合系は不安定であつて、均一な組成
にならないばあいがある。さらに複合金属アルコ
キシドにおいては目的物の単離が難しく、不純物
となる成分が含まれ、収率が低く、実用的でな
い。とくに金属がニツケル、銅、コバルト、亜鉛
などの遷移金属であるばあい、それらのアルコキ
シドは有機溶媒に不溶のものが多く、そのため共
通溶媒とした系では加水分解ができず、均一な粉
末がえられない。このように金属アルコキシドお
よび複合金属アルコキシドのみを用いる方法で
は、複合酸化物をつくる組合せに限度があり、自
由度が少ない。
そのほか、アルコキシ基の炭素数を大きくして
加水分解速度を遅くさせるなど、金属アルコキシ
ドそれぞれの加水分解性を調整する方法も検討さ
れているが、金属ごとにアルコキシドの性質が変
わるので、繁雑であり、しかも安定性については
殆んど改良されない。
金属アルコキシドは、超微粒子粉体を製造する
ために用いられるほかに、金属酸化物の薄膜を形
成するために用いられつつある。この方法は金属
アルコキシドの加水分解性を利用するものであつ
て、基板に金属アルコキシドを塗布後空気中の水
分で加水分解させたのち熱処理することにより、
無機酸化物薄膜が容易にえられる。この金属アル
コキシドを用いる薄膜の形成の応用例としては、
たとえばテトラエチルシリケートを用いる絶縁
膜、アルカリ浸透防止膜、反射防止膜;テトライ
ソプロピルチタネートを用いる熱線反射膜、光学
フイルター、有機物との接着促進用下地膜などが
知られているが、前記の理由のため金属アルコキ
シドを用いる方法による複合酸化物の薄膜化技術
はまだ実用化されるに至つていない。
薄膜化技術は現在の電子産業の基盤となつてい
る重要な技術であり、主として真空技術を用いて
種々の薄膜がつくられている。
複合酸化物薄膜も光関連デバイス、記憶材料、
圧電材料、センサなどに幅広い用途が期待されて
おり、一部実用化もなされている。しかし真空技
術を用いた薄膜化法は設備コストが高くなる、ユ
ーテイリテイが高くなる、大面積化が困難であ
る、高融点の酸化物は製膜が困難である、結晶性
および化学量論性のよい膜がえられにくい、生産
性が低いなどの短所があるため応用分野に制限が
あるのが現状である。
これに対して金属アルコキシドを用いる酸化物
薄膜の製法は、簡単でしかも安価な設備で充分で
ある、大面積化が容易である、生産性が高くコス
トが安い、均質で化学量論性のよい膜がえられる
などという真空技術を用いる薄膜化法にない長所
を有しており、この方法によつてさらに種々の複
合酸化物薄膜の製造が可能になれば、複合酸化物
の新しい用途機能が見出されることは明らかであ
る。
本発明者らは金属アルコキシドが容易にキレー
ト剤と反応して金属キレートもしくは一部キレー
ト化した部分アルコキシドをつくることに着目
し、鋭意検討を重ねた結果、2種以上の金属アル
コキシド混合系にキレート剤を添加すると、安定
性のわるい金属アルコキシドおよび加水分解速度
の速い金属アルコキシドが優先的にキレート剤と
反応し安定化できること、有機溶媒に不溶である
遷移金属アルコキシドも、複合金属溶液とするこ
とが可能であること、加水分解により安定的に目
的とする複合金属成分がえられること、単一金属
アルコキシドと同様な取扱いにより、超微粒子薄
膜がえられることを見出し、本発明に到達した。
この反応の詳細な解明はまだなされていない
が、キレート剤の添加によつて2種以上の金属ア
ルコキシドの安定性及び加水分解性を平均化して
おり、金属間においても何らかの配位もしくは複
合金属キレート成分をつくつているものと考えら
れる。
本発明に用いられる金属アルコキシドは、加水
分解性があるアルコキシド基をもつておればとく
に制限されず、たとえば一般式M1(OR1o、M1
(X)a(OR1b、M1(OR2a(OR3b、M1〔N
(OR1noで表わされる単一組成の金属アルコキ
シド、部分金属アルコキシド、複合金属アルコキ
シドまたはそれらの金属アルコキシドの多量体な
どがあげられる。
なお、前記一般式において、M1およびNは同
じかまたは異なる金属原子であつて、たとえばリ
チウム、ナトリウム、カリウム、ムビジウム、セ
シウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タン
タル、クロム、モリブデン、タングステン、マン
ガン、鉄、ニツケル、コバルト、銅、亜鉛、カド
ミウム、水銀、硼素、アルミニウム、ガリウム、
インジウム、タリウム、シリコン、ゲルマニウ
ム、錫、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレ
ン、テルル、ランタノイド系の金属などがあげら
れる。
R1、R2およびR3は同じかまたは異なる有機官
能基であり、好ましくは炭素数1〜20個、とくに
好ましくは1〜8個のアルキル基、アリール基、
アルケニル基、アラルキル基またはそれらのヒド
ロキシル置換体やハロゲン置換体である。nは金
属M1の価数であり、mは金属Nの価数に1また
は2を加えた数となる正の整数である。Xはハロ
ゲン原子、酸素原子、チツ素原子または種々の有
機官能基である。
前記金属M1のうちアルコキシドの生成が簡単
でかつ安価なものとしては、たとえはアルミニウ
ム、ガリウム、イツトリウム、インジウム、シリ
コン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、
錫、バナジウム、ニオブ、アンチモン、タンタ
ル、ビスマス、クロム、モリブデン、タングステ
ン、マンガン、鉄など、とくに鉄、チタン、ジル
コニウム、シリコン、アルミニウムがあげられ
る。
金属M1とアルコキシドを形成する化合物とし
ては一般式HOR(Rは前記R1、R2またはR3と同
じ)で示されるアルコール性水酸基を有する1価
または多価アルコールであればよい。好ましい具
体例としては、たとえばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシ
ルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、
オクチルアルコール、t−ブチルアルコール、ラ
ウリルアルコール、1,4−ブタジオール、グリ
セリン、エチレングリコール、オクチレングリコ
ール、エチレングリコールのモノアルキルエーテ
ルなどがあげられる。
本発明に用いられる金属アルコキシドの具体例
としては、前記のほかデイ・シー・ブラツドレイ
(D.C.Bradley)ら、メタル・アルコキサイズ
(Metal Alkoxides)、1978年、アカデミツク・
プレス(Acadmic Press)社に記載されている
ものも使用できる。
また本発明に用いる金属アルコキシドは適度の
加水分解性と安定性を有しているものが好まし
い。通常それらの性質は反応させる金属およびア
ルコールの種類によつて決まり、一般に金属アル
コキシドは用いるアルコールの炭素数が大きくな
る程加水分解速度が遅く、また金属としてアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を用いるときは加
水分解速度が速くなる。したがつて所望の加水分
解速度や安定性に応じて、適宜用いる金属やアル
コールを決めることが重要である。
本発明に用いられるキレート剤は、キレート剤
として従来知られている含酸素化合物、含窒素化
合物、含イオウ化合物などのうち金属アルコキシ
ド混合系に溶解するものであればとくに制限され
ない。具体例としては、たとえばEDTA(エチレ
ンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、
UDA(ウラミル二酢酸)、ジメチルグリオキシム、
ジチゾン、オキシン、β−ジケトン、グリシン、
メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテー
ト、メルカプタン類およびリノレン酸、オレイン
酸、オクチル酸などの単価カルボン酸、シユウ
酸、シトラコン酸、マレイン酸、フタル酸、ナフ
テン酸などの多価カルボン酸の1種または2種以
上があげられる。とりわけβ−ジケトン、メチル
アセトアセテート、エチルアセトアセテート、単
価カルボン酸および多価カルボン酸が有用であ
る。
前記β−ジケトンとしては、たとえばアセチル
アセトン、ジイソブチリルメタン、ジピバロイル
メタン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、
2,2−ジメチルペンタン−3,5−ジオンまた
はそれらのフツ素化合物があげられ、とりわけア
セチルアセトンが好ましい。
本発明の溶液は、用いられる2種以上の金属ア
ルコキシドがすべて液状であればとくに溶媒を必
要としないが、それらが相溶でないか、固相の状
態であるときは共通溶媒が必要となる。
共通溶媒としてはたとえば1価または多価アル
コール;カルボン酸エステル;ケトン;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒;ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテルおよ
びN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ピリジンなどの
窒素含有有機溶媒などの1種または2種以上の混
合溶媒があげられる。それらのうち1価または多
価の低級アルコール;低級カルボン酸エステル;
ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
およびN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセテトアミドなどの窒素
含有有機溶媒は本発明において広く用いることが
できるが、具体的な溶媒は、用いられる金属アル
コキシドとキレート剤の組合せで適宜選択すれば
よい。
なお、2種以上の金属アルコキシド共存下でキ
レート剤を添加するとき、キレート剤が多量のば
あいおよびキレート剤のキレート能が強いばあい
には沈澱を生じて相溶しないときがある。そのと
きはアルデビドを加え、必要に応じて加熱するこ
とで、均一な溶液とすることができる。加熱処理
は、通常溶媒の還流温度以下で行なうのが好まし
い。この作用はキレート剤がβ−ジケトンのとき
とくに顕著にあらわれる。
アルデビドの添加は前記の可溶化作用のほか
に、キレート化した金属錯体の昇華性をさらに抑
制する作用をも果たす。
アルデビドとしては、炭素数1〜8個のアルデ
ビド、とくにホルムアルデビド、パラホルムアル
デビド、アセトアルデビド、ベンズアルデビドな
どが好ましい。
アルデビドの添加による可溶化効果は用いる金
属アルコキシドが周期表第族または第族の金
属アルコキシドにキレート剤を加えて沈澱を生じ
たときにとくにくずれており、昇華性の抑制効果
は金属アルコキシドが3〜5価の遷移金属アルコ
キシドにキレート剤を加えたときにすぐれてい
る。
アルデビドの使用量は添加されるキレート剤1
モルに対して0.001モル以上、通常0.1モル以上で
前記効果が奏される。
またキレート剤の添加量は金属アルコキシド本
来の性質を損わない溶液とするために、キレート
剤の官能基の数が金属アルコキシドのアルコキシ
基の総数末端であることが必要であり、好ましく
はアルコキシ基の総数の50%以下になるよう調整
する。
本発明において、前記共通溶媒のほかに熱分解
を促進するためにまたは保存安定性を増すため
に、有機物や酸化防止剤を添加してもよいし、薄
膜製造時に膜厚をコントロールするために粘度調
整効果をもつセルロース系高分子、ポリ酢酸ビニ
ル、グリセリン、ポリエチレングリコールなどの
増粘剤を添加してもよいし、さらに金属成分を補
充するために金属機酸などの他の有機金属化合物
を添加してもよい。ただし、これらの添加剤は共
通溶媒に溶解し、かつ熱分解時に超微粒子および
薄膜生成に悪影響を及ぼさないものであることが
重要である。
本発明に用いられる溶液は金属アルコキシド単
独と同様に加水分解性があり、しかも保存安定性
にすぐれており、加熱することにより容易に任意
の金属を含む複合酸化物複合材料の超微粒子や薄
膜を製造することができる。
本発明の複合金属溶液を用いるときは、金属ア
ルコキシド種々選定し組合せることにより、所望
の組成の複合材料がえられるが、本発明の複合金
属溶液はとくに金属アルコキシド単独使用ではえ
られない遷移金属や安定性の乏しいアルカリ金
属、アルカリ土類金属あるいは金属アルコキシド
を形成しえない金属を含む複合材料を目的とする
ばあい、さらに微量成分が均一に混合された複合
材料を目的とするばあいにきわめて有用である。
また加熱時の雰囲気を種々選定することによ
り、えられる複合材料の組成を変更することがで
きる。たとえば大気中で加熱するときは複合酸化
物がえられ、水素や一酸化炭素などを含む還元性
雰囲気中で加熱処理するときは複合金属(合金も
含む)がえられる。またNH3やN2を含む窒素雰
囲気下で加熱処理すれば窒化物を含む複合材料が
えられる。
超微粒子状の複合材料をうる方法としては、た
とえば複合金属溶液をそのまま加熱して熱分解す
る方法、微量の水またはアンモニア水を加えて加
水分解したのち加熱して熱分解する方法、溶液を
ガス状またはミスト状にした状態で加熱し熱分解
する方法、溶液をガス化したのちプラズマまたは
レーザー光によつて分解する方法などがある。ガ
ス状で熱分解する方法およびプラズマなどで分解
する方法によりえられる超微粒子はとくにすぐれ
た分散性を示す。なお一般的に熱分解速度が速い
程えられる超微粒子の粒径が小さく、化学量論性
がよい。
複合金属酸化物薄膜を製造する方法としては、
基板上に本発明の複合金属溶液をスプレー、デツ
ピング、スピンコーテイングなどにより塗布した
のち加熱して熱分解する方法、分解温度に加熱さ
れた基板に溶液を噴霧して基板上で熱分解させる
方法、溶液をガス化したのち加熱して熱分解する
か、またはプラズマもしくはレーザー光によつて
分解しながら分解物を基板上に推積させる方法、
あるいは印刷法など、金属アルコキシドを単独で
使用するばあいと同様な方法が採用できる。とり
わけ塗布法と噴霧熱分解による薄膜の製法が安価
な設備で生産性が高く実用的である。
塗布法で薄膜を製造するばあい、溶液中の金属
成分含有量を0.01〜20%(重量%、以下同様)、
好ましくは0.1〜10%とし、加熱温度を200℃以上
にするとき一般に良質な薄膜がえられる。金属成
分含有量が0.01%よりも少ないと、基板上で塗布
成分がはじけて塗布むらを形成するばあいがあ
り、20%よりも多いと一回塗布時の膜厚が厚くな
るため、熱処理時の熱的歪や分解ガスのためクラ
ツクが入つたり、基板に密着せず熱分解して粒子
化して濁りを生ずるばあいがある。
ただし、それらの条件は用いる金属アルコキシ
ドとキレート剤の組合せや共通溶媒の種類、塗布
手段、塗布雰囲気によつて前記条件が大きく変動
することがあり、各組合せに応じて最適条件を決
めることが重要である。
なおデイツピング法によるときは、引上げ速度
を0.5〜100cm/分、好ましくは2〜20cm/分とす
ると均質性にすぐれた薄膜がえられる。
噴霧熱分解法で薄膜を製造するばあいは、あら
かじめ基板の温度を200℃以上、好ましくは400℃
以上に加熱しておいて、溶液中の金属成分含有量
を0.01〜20%、好ましくは0.05〜5%にして、空
気または窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性
ガス、さらにこれらに水蒸気を含有させたガスを
キヤリヤーガスとして基板に吹きつけることによ
つてえられる。安定な金属ケトン錯体を用いると
きは特にキヤリヤーガス中に水蒸気を含有させる
ことにより、分解性がよくなり、膜質および化学
量論性にすぐれた薄膜がえられる。また膜質をよ
くするには、噴霧するミストの粒子を均一で細く
することが重要であり、好ましくは20μm以下の
粒子を吹きつけるとよい。そのためにはノズルお
よびミストが飛躍する空間を高周波もしくは超音
波により振動させミストを均一に細くするか、さ
らにノズルと基板間に電場をかけてミストを速や
かに基板上に被着させるのが好ましい。なお、溶
液と処理量キヤリヤーガスの流量は装置により大
きく異なり、適宜調整する必要がある。
形成する薄膜の厚さは用いる複合金属溶液の金
属成分含有量、粘度、塗布量などによつて調節で
きるが、デイツピング法において通常1回の塗布
で膜厚が100〜3000Å、好ましくは100〜1500Åに
調節するのが好ましく、噴霧熱分解法においては
1回に3000Å以下になるようにし、3000Åを超え
るときは炭化物を除去するために、熱処理をした
のち再塗布することが好ましい。また同一または
異なる組成の溶液を繰り返し塗布して同一または
異なる組成の薄膜の積層体としてもよい。
なお複合金属溶液の熱処理の条件を変えること
により結晶状態の異なる複合材料を製造すること
ができる。通常加熱当初では結晶相のえられない
アモフアス相となり、さらに加熱すると徐々に結
晶化が進む。したがつて加熱条件を適宜選定する
ことにより任意の結晶状態の複合材料の薄膜など
がえられる。このような薄膜形成法は従来にない
方法であり、えられる結晶状態の異なる薄膜には
新たな機能が期待できる。
アモルフアス相は通常含有されている有機物の
分解が完了する300〜500℃付近でえられ、400℃
以上では結晶化が進む。ただし、そうした温度は
目的とする複合材料の組成によつて変化するの
で、そのつどその傾向を把握して調整する必要が
ある。
基板材料としては、薄膜形成時に与えられる熱
に耐えられる材料であればいかなる材料も使用可
能であり、たとえばガラス、アルミナ、シリカな
どのセラミツクス製の板、ステンレスなどの金属
板や金属箔、ポリイミドなどの耐熱性樹脂フイル
ムなどがあげられるが、とくに表面の平滑性にす
ぐれているものが好ましい。
本発明によつてえられる複合金属酸化物微粒子
や薄膜は新しい機能性材料としてきわめて有望な
ものであり、たとえば各種のセンサ材料、導電膜
材料、光関連デバイス用材料、磁気記録材料、圧
電素子材料、誘電体材料などとしてすぐれた性能
を有する。
つぎに本発明を実施例および比較例に基づいて
説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
実施例 1 Ba:Tiのモル比が1:1になるようにバリウ
ムトリイソプロポキシド5.17gとなるチタンテト
ライソプロポキシド5.69gを100gの無水エチル
アルコール中に溶かし、等モル比のアセチルアセ
トン2gを添加したところ白沈が生じた。さらに
0.3g(モル比として0.5)のパラホルムアルデビ
ドを加えて10分間還流を行なつたところ、赤褐色
の透明な均一溶液となり、溶媒をテトラヒドロフ
ランに変換したところ、1カ月以上も安定であつ
た。この溶液は加水分解性があり、石英ガラスに
10cm/分の速度でデイツプコーテイングすること
により、白濁のない透明な薄膜ができ、これを
800℃1時間焼成することにより、透明な
BaTiO3薄膜がえられた。
また、この溶液から溶媒を除去し、600℃にて
1時間焼成することにより、粒径0.1μm以下の
BaTiO3超微粒子がえられた。加水分解後に焼成
しても同様にBaTiO3の超微粒子がえられた。
実施例 2 Fe:Srが12:1のモル比になるように鉄トリ
エトキシド15gおよびストロンチウムジイソプロ
ポキシド1.35gを無水エチルアルコール100gに
溶かし、これにアセチルアセトン0.5g加えたと
ころ白沈が生じた。これに0.2gのホルマリンを
加えて70℃にて10分間加熱したところ、白沈が溶
解して均一な溶液となつた。
この溶液を石英ガラス上に10cm/分の速度でデ
イツピング後、800℃にて1時間焼成したところ、
厚さ約1000Åの赤色透明なストロンチウムフエラ
イト(SrO・6Fe2O3)薄膜がえられた。
また、この溶液から溶媒除去し乾固後、800℃
にて1時間焼成したところ、一次粒径0.008μのス
トロンチウムフエライト粒子がえられた。
実施例 3 Fe:Znのモル比が2:1になるように鉄トリ
イソプロポキシド11.64gと亜鉛ジエツトキシド
3.88gを無水エチルアルコール100gに添加した
ところ、亜鉛ジエツトキシドは溶解せず沈澱し
た。
この系にシトラコン酸2gを撹拌しながら加え
て還流したところ、均一な溶液となつた。
この溶液から溶媒を除去したのち600℃にて1
時間焼成したところ、粒径が0.2μのZnFe2O4スピ
ネルフエライト粉末がえられた。
実施例 4 Pb:Ti:Zr=2:1:1(モル比)になるよう
に鉛ジイソプロポキシド16.3g、チタンテトライ
ソプロポキシド7.12g、ジルコニウムテトラブト
キシド9.60gを無水エチルアルコール100gを溶
かし、さらにオレイン酸10gを加えたのち30分間
加熱還流を行ない、均一な溶液をえた。この溶液
は1カ月以上安定であり、溶媒除去後800℃にて
1時間焼成することにより、粒径0.2μのPb(Zn0.5
Ti0.5)O3粉体がえられた。
またこの溶液を石英ガラス板に10cm/分の速度
でデイツピングして800℃にて1時間焼成したと
ころ、厚さ1000Åの透明性のあるPb(Zr0.5
Ti0.5)O3薄膜がえられた。
比較例 1 実施例1と同様にBa:Tiのモル比が1対1に
なるようにバリウムトリイソプロポキシド5.17g
とチタンテトライソプロポキシド5.69gを100g
無水エチルアルコールに溶かしたのち、10cm/分
の速度で石英ガラス板上にデイツピイングしたと
ころ、表面が粒子化し白濁した薄膜となり、均一
性に乏しい膜しかえられなかつた。
なお、この溶液を密閉して2日間放置したとこ
ろ、多量の沈澱物が生じ、安定性に乏しいことが
判明した。
比較例 2 実施例2と同様にFe:Sr=12:1(モル比)に
なるように鉄トリエトキシドとストロチウムイソ
プロポキシドを加えた無水エタノール溶液を調整
し、この溶液を密閉して2日間放置したところ、
多量の沈澱物が生じ、安定性に乏しいことが判明
した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2種以上の金属アルコキシド中にキレート剤
    を加えてなる複合金属酸化物を製造するための複
    合材料用複合金属溶液。 2 共通溶媒が含有されてなる特許請求の範囲第
    1項記載の溶液。 3 キレート剤がカルボニル基を2個以上有する
    ケトンである特許請求の範囲第1項記載の溶液。 4 アルデヒドの存在下に溶解されてなる特許請
    求の範囲第1項または第2項記載の溶液。
JP8479283A 1983-04-15 1983-05-13 複合材料用複合金属溶液 Granted JPS59213602A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8479283A JPS59213602A (ja) 1983-05-13 1983-05-13 複合材料用複合金属溶液
CA000451908A CA1217927A (en) 1983-04-15 1984-04-12 Inorganic composite material and process for preparing the same
US06/600,278 US4579594A (en) 1983-04-15 1984-04-13 Inorganic composite material and process for preparing the same
DE8484104194T DE3473437D1 (en) 1983-04-15 1984-04-13 Inorganic composite material and process for preparing the same
EP84104194A EP0125507B1 (en) 1983-04-15 1984-04-13 Inorganic composite material and process for preparing the same
US06/818,425 US4668299A (en) 1983-04-15 1986-01-13 Inorganic composite material and process for preparing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8479283A JPS59213602A (ja) 1983-05-13 1983-05-13 複合材料用複合金属溶液

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21268190A Division JPH03115106A (ja) 1990-08-10 1990-08-10 複合酸化物の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59213602A JPS59213602A (ja) 1984-12-03
JPH0346402B2 true JPH0346402B2 (ja) 1991-07-16

Family

ID=13840548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8479283A Granted JPS59213602A (ja) 1983-04-15 1983-05-13 複合材料用複合金属溶液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS59213602A (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6183603A (ja) * 1984-09-07 1986-04-28 Agency Of Ind Science & Technol 非晶質複合金属酸化物の製造方法
JPS6168314A (ja) * 1984-09-07 1986-04-08 Agency Of Ind Science & Technol 多孔性シリカ、アルミナ、チタニアおよびジルコニアの製造方法
JPS61201604A (ja) * 1985-03-05 1986-09-06 Hiroyoshi Inoue 球状金属酸化物超微粒子の製造方法
JPS6287242A (ja) * 1985-05-29 1987-04-21 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd 安定な金属酸化物系ゾル組成物
JPS62153158A (ja) * 1985-08-30 1987-07-08 東洋シーシーアイ株式会社 耐熱性触媒又は触媒担体及びその製造方法
JPH0277580A (ja) * 1988-09-12 1990-03-16 Sekisui Chem Co Ltd セラミックス被覆体の製造方法
JP2605133B2 (ja) * 1988-12-06 1997-04-30 旭硝子株式会社 リン酸塩系ガラスの表面処理方法
JPH0818824B2 (ja) * 1989-12-28 1996-02-28 株式会社コロイドリサーチ アルミナ系多孔質ゲルの製造方法
KR100333669B1 (ko) * 1999-06-28 2002-04-24 박종섭 레드니오비움지르코니움타이타니트 용액 형성 방법 및 그를 이용한 강유전체 캐패시터 제조 방법
US20020146365A1 (en) * 2001-04-09 2002-10-10 Woo-Seok Cho Method for the preparation of oxide powders
KR100417530B1 (ko) * 2001-04-09 2004-02-05 (주)케이.씨.텍 직경이 50-100㎚인 미세 산화세륨 입자의 제조방법
JP3982281B2 (ja) * 2002-02-27 2007-09-26 日本板硝子株式会社 ポジ型金属酸化物パターン薄膜の形成方法
US20040171743A1 (en) * 2003-01-21 2004-09-02 Terry Brewer, Ph.D. Hybrid organic-inorganic polymer coatings with high refractive indices
JP6640456B2 (ja) * 2015-03-24 2020-02-05 一般財団法人ファインセラミックスセンター 膜形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS59213602A (ja) 1984-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4668299A (en) Inorganic composite material and process for preparing the same
JPH0346402B2 (ja)
JPH0375483B2 (ja)
JP4329287B2 (ja) Plzt又はpzt強誘電体薄膜、その形成用組成物及び形成方法
US5073410A (en) Thin films of metal phosphates and the method of their formation
JPS59195504A (ja) 複合材料用複合金属溶液
JP2000256862A (ja) 複合酸化物膜の製造方法
US6086957A (en) Method of producing solution-derived metal oxide thin films
JP2012136487A (ja) セラミックス膜形成用組成物の製造方法、圧電セラミックス膜及び2−エチルヘキサン酸ビスマスの製造方法
JP4384419B2 (ja) 酸化物セラミックスナノシートおよびその製造方法
WO2005054134A1 (ja) 誘電体膜形成用組成物の製造方法、誘電体膜形成用組成物、ならびに誘電体膜およびその形成方法
Yoon et al. Characteristics of Lead Magnesium Niobate Thin Film Prepared by Sol‐Gel Processing Using a Complexing Agent
JP2000016812A (ja) 金属酸化物膜の製造方法
Sakamoto et al. Synthesis of Lead Barium Niobate Powders and Thin Films by the Sol‐Gel Method
JP4329289B2 (ja) Sbt強誘電体薄膜、その形成用組成物及び形成方法
JP3985887B2 (ja) 金属酸化物前駆体溶液
JP4329288B2 (ja) Blt又はbt強誘電体薄膜、その形成用組成物及び形成方法
JP2000351623A (ja) ペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液
JPH0414516B2 (ja)
JPH03115105A (ja) 複合酸化物の製造法
JP2005075715A (ja) 誘電体形成用組成物、その製造方法、ならびにそれを用いた誘電体膜、キャパシタ
JP3013411B2 (ja) 強誘電体薄膜の製造方法
JPS59213603A (ja) 薄膜状の複合材料の製法
JP2956356B2 (ja) 鉛含有ペロブスカイト構造複合酸化物強誘電体薄膜、その製法及び材料
Apblett et al. Liquid metal carboxylates as precursors for aluminum-containing ceramics