JPH0345889Y2 - - Google Patents

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JPH0345889Y2
JPH0345889Y2 JP16873084U JP16873084U JPH0345889Y2 JP H0345889 Y2 JPH0345889 Y2 JP H0345889Y2 JP 16873084 U JP16873084 U JP 16873084U JP 16873084 U JP16873084 U JP 16873084U JP H0345889 Y2 JPH0345889 Y2 JP H0345889Y2
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piston
chamber
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hydraulic
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【考案の詳細な説明】 A 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、車両用ブレーキ油圧制御装置、特に
マスタシリンダの出力ポートに連通する入力油圧
室と、車輪ブレーキに連通し入力油圧室の油圧に
応じた制動油圧を発生する出力油圧室とを有し、
車輪がロツク状態に入ろうとするときに制御室へ
の制御液圧の供給に応じて出力油圧室の容積が増
大すべく構成された車両用ブレーキ油圧制御装置
に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる車両用ブレーキ油圧制御装置で
は、入力油圧室の油圧に応じてピストンを作動し
て出力油圧室の容積を減少させることにより、入
力油圧室に対応した制動油圧を出力油圧室から発
生させ、アンチロツク制御時には制御室に供給さ
れる制御液圧によりピストンを前述と逆方向に作
動して出力油圧室の容積を増大させるようにして
いる。
(3) 考案が解決しようとする問題点 上記従来の車両用ブレーキ油圧制御装置では、
制動油圧系が、マスタシリンダから入力油圧室ま
でと、出力油圧室から車輪ブレーキまでとに分離
されており、したがつて制動油圧系に作動油を供
給する際にはそれらの両方ともでそれぞれ作動油
の充填を行う必要があつた。またブレーキ操作時
にピストンは常に作動しており、ストローク回数
が多いので、耐久性に劣る面があつた。
そこで、本出願人は、制動油圧系をマスタシリ
ンダから車輪ブレーキまで一本化して作動油の充
填作業を容易とするとともに、ピストンのストロ
ーク数を減少して耐久性を向上するために、アン
チロツク制御時に入、出力油圧室間を遮断する常
開型の弁機構を入,出力油圧室間の隔壁に設けた
油圧制御装置を既に提案している。
このような油圧制御装置によれば、上記問題点
が解決される。ところが、車両の悪路走行時やア
ンチロツク制御手段の故障などによるアンチロツ
ク過剰制御時に、制御室の液圧が異常に増大する
と、入力油圧室の容積が異常に小さくなり、かつ
出力油圧室の容積が異常に増大する。このため、
入力油圧室の作動油が必要以上にマスタシリンダ
に戻され、ブレーキペダルに必要以上のキツクバ
ツクが生じ、また出力油圧室および車輪ブレーキ
間の油圧系統が負圧となり、いわゆるエア噛みな
どを生じるおそれがある。
本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、出力油圧室の油圧が設定値以下となつたと
きに、入力油圧室の作動油を出力油圧室に導くよ
うにして、ブレーキペダルに必要以上のキツクバ
ツクが生じるのを防止するとともに、出力油圧室
の油圧が実用上問題となる負圧にまで低下するの
を防止し、さらに、組付性を向上した車両用ブレ
ーキ油圧制御装置を提供することを目的とする。
B 考案の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本考案によれば、ケーシング内には、第1シリ
ンダ部と第2シリンダ部とが隔壁を挾んで同一軸
線上に設けられ、第1シリンダ部には前記隔壁側
に入力油圧室を画成するとともに隔壁と反対側に
制御室を画成する第1ピストンが摺合され、第2
シリンダ部には、前記隔壁側に出力油圧室を画成
するとともに、隔壁と反対側にばね室を画成する
第2ピストンが摺合され、第1ピストンは前記隔
壁を油密的にかつ移動自在に貫通するピストン棒
の一端に固設され、ピストン棒の他端は軸方向相
対移動を許容して第2ピストンに挿通されるとと
もにピストン棒の第2ピストンに対応する部分に
には軸線方向に長い横断面長円形の係止孔が一直
径線に沿つて穿設され、第2ピストンには該係止
孔に挿通されるロツドの両端を支承すべく第2ピ
ストンの一直径線に沿う一対の挿通孔が複数組設
けられ、前記隔壁には第2ピストンの隔壁からの
離反動作に応じて閉弁する第1弁機構が設けら
れ、前記ばね室にはピストン棒を制御室側に向け
て付勢する戻しばねが収容され、ピストン棒およ
び第2ピストン間には第2ピストンを隔壁側に向
けて相対移動せしめるべくばね力を発揮するため
のばねが介装され、ピストン棒内には第2ピスト
ンのピストン棒に対する隔壁側への相対移動量が
設定値よりも大きくなつたときに前記ロツドで開
弁され入力油圧室および出力油圧室間を連通する
ための第2弁機構が設けられる。
(2) 作用 制御室に制御液圧が供給されていないときに
は、第1弁機構が開弁して、マスタシリンダから
車輪ブレーキに至る油圧経路が形成され、制動油
圧系への作動油充填を一度に行うことが可能とな
る。またアンチロツク制御時に、出力油圧室の油
圧が設定値以下となつたときに、第2弁機構が開
弁して入力油圧室と出力油圧室とが連通し、ブレ
ーキペダルのキツクバツクおよび出力油圧室およ
び車輪ブレーキ間の油圧系統が実用上問題となる
負圧まで低下することが防止される。さらに、複
数組の挿通孔のうちの一組の挿通孔にロツドを挿
通すればよいので、ロツド組付時の作業性が向上
する。
(3) 実施例 以下、図面により本考案の一実施例について説
明すると、先ず第1図において、マスタシリンダ
1の出力ポート2から延設された油路3と、車輪
4に装着された車輪ブレーキ5に通じる油路6と
の間にケーシング7が設けられる。
ケーシング7は、基本的には上端が開放した有
底円筒状に形成されており、その内部に設けられ
た穴8には、円盤状隔壁9と、円筒状スリーブ1
0とがこの順に挿入される。隔壁9は、穴8の内
面との間にOリング11を介装して穴8内に嵌入
され、穴8の途中で上方に臨けで設けられた段部
12に当接される。またスリーブ10は穴8の内
面との間にOリング13を介装して穴8内に嵌装
され、隔壁9に当接される。穴8の開放端には有
底円筒状蓋部材14が螺合されており、この蓋部
材14を締付けることにより、隔壁9およびスリ
ーブ10が段部12および蓋部材14間で挾圧、
固定される。なお、スリーブ10は隔壁9と一体
化されてもよい。
隔壁9およびスリーブ10を穴8内で固定する
ことにより、ケーシング7内には、隔壁9よりも
下方の第1シリンダ部15と、隔壁9よりも上方
の第2シリンダ部16とが同心に形成される。
第1シリンダ部15には、、第1ピストン17
が摺合され、この第1ピストン17および隔壁9
間に入力油圧室18が画成され、ケーシング7の
底部および第1ピストン17間に制御室19が画
成される。隔壁9の入力油圧室18に臨む側面に
は、段部12との間に油路20を形成するための
切欠きが設けられており、マスタシリンダ1に連
なる油路3はケーシング7の側壁に穿設された入
口油圧路21および前記油路20を介して入力油
圧室18に連通される。
第2シリンダ部16には第1ピストン17と同
一径の第2ピストン22が摺動され、第2ピスト
ン22および隔壁9間には出力油圧室23が画成
され、第2ピストン22および蓋部材14間には
ばね室24が画成される。スリーブ10には出力
油圧室23に常時連通すべく油路25が穿設され
ており、車輪ブレーキ5に通じる油路6を接続す
べくケーシング7の側壁に穿設された出口油路2
6は前記油路25を介して出力油圧室23に連通
される。蓋部材14にはばね室24に通じる孔2
7が穿設されており、蓋部材14を覆つてケーシ
ング7に装着されるキヤツプ28と蓋部材14と
の間には間隙29が形成される。しかもキヤツプ
28には間隙29を外部に連通させるための切欠
き突30が設けられており、したがつてばね室2
4は大気に開放されている。なお、ばね室24内
を密閉してもよい。
隔壁9の中心部には入力油圧室18および出力
油圧室23間にわたつて透孔31が穿設されてお
り、この透孔31にはOリング32を両者間に介
在させてピストン棒33が軸方向移動自在に挿通
される。ピストン棒33の下部には前記第1ピス
トン17が一体的に設けられており、ピストン棒
33の上部には、制限された範囲内での軸方向相
対移動を許容して第2ピストン22がシール部材
34を両者間に介在させて装着される。また、ピ
ストン棒33の上部には上方に臨む段部35が設
けられており、この段部35に当接する受部材3
6がナツト37によつてピストン棒33の上端に
固定される。
第2ピストン22には隔壁9側に延びる円筒部
38が一体的に設けられており、この円筒部38
に対応して、ピストン棒33には出力油圧室23
に常時連通する係止孔39が一直径線に沿つて穿
設される。しかもこの係止孔39には、その横断
面形状がピストン棒33の軸線方向に沿つて長い
長円形状に形成されており、一端あるいは両端を
第2ピストン22の円筒部38に固定したロツド
40が係止孔39に挿通される。したがつて第2
ピストン22は、ロツド40が係止孔39内でピ
ストン棒33の軸方向に沿つて移動し得る範囲内
でピストン棒33との相対移動を許容されてい
る。
第2図において、円筒部38にはロツド40の
両端を支承するための複数組たとえば2組の挿通
孔41a,41a,41b,41bが穿設され
る。両組の挿通孔41a,41a,41b,41
bは、相互に直交するように配設されており、ロ
ツド40はいずれかの組の挿通孔たとえば41
a,41aに選択的に挿入され、ロツド40の一
端あるいは両端が円筒部38に固定される。
再び第1図において、第1ピストン17よりも
隔壁9側において、ピストン棒33には鍔部42
が設けられており、この鍔部42は隔壁9に当接
してピストン棒33の上方への移動を規制する。
また第1ピストン17および鍔部42間にはシー
ル部材43が嵌着され、ピストン棒33の下端に
装着される盲蓋44と第1ピストン17との間に
は、シール部材45が嵌着され、両シール部材4
3,45はケーシング7の内面に摺接する。さら
に、第2ピストン22には隔壁9寄りの部分に環
状の嵌合溝46が設けられており、この嵌合溝4
6にはスリーブ10の内面に摺接するシール部材
47が嵌着される。
受部材36すなわちピストン棒33と、蓋部材
14との間にはコイル状の戻しばね48が介装さ
れ、この戻しばね48のばね力によりピストン棒
33は下方、すなわち第1ピストン17が隔壁9
から離反する方向に付勢される。また受部材36
すなわちピストン棒33と、第2ピストン22と
の間には、第2ピストン22を隔壁9側に向けて
相対移動せしめるべくばね力を発揮するための戻
しばね48よりもセツト荷重の小さいばね52が
介装される。
隔壁9には、入力油圧室18および出力油圧室
23間を連通、遮断する第1弁機構53が設けら
れる。この第1弁機構53は入力油圧室18に通
じて隔壁9に設けられた弁室54と、該弁室54
および出力油圧室23間にわたつて設けられる弁
孔55と、弁孔55を開閉すべく弁室54内に収
容される球状の弁体56と、弁体56に一体化さ
れ弁孔55を貫通して出力油圧室23側に臨む駆
動棒57と、弁室54内に収容され弁体56を弁
孔55側に付勢するばね58とを備える。弁室5
4の弁孔55側の端面には、弁孔55側に向かう
につれて小径となる円錐状の弁座59が設けられ
る。また駆動棒57の長さは、第2ピストン22
が隔壁9側に最大限変位したときに、第2ピスト
ン22における円筒部38の先端に設けられた押
圧部60により押圧され、弁体56を弁座59か
ら離反させるのに充分な値に設定される。
また、ピストン棒33内には第2弁機構61が
設けられる。この第2弁機構61は、入力油圧室
18に常時連通する弁室62と、ピストン棒33
と同心の弁孔63を有する円筒状弁座部材64
と、弁孔63に同心に連なり弁孔63および係止
孔39間を連通する通路65と、弁孔63を開閉
すべく弁室62内に収容される球状の弁体66
と、弁体66を弁孔63側に付勢するばね67
と、弁体66を押圧して弁孔63を開放すべく通
路65および弁孔63に挿通される駆動棒68と
を備える。
弁室62は、ピストン棒33の下端に同心に穿
設された有底穴内に、弁座部材64を嵌入し、前
記有底穴の開放端を盲蓋44で閉じることによ
り、弁座部材64および盲蓋44間に画成され
る。弁室62および通路65間のシールは、弁座
部材64を前記有底穴内に圧入、固定することに
よつて行なわれるが、弁座部材64の外面と有底
穴内面との間にシール部材等を介装するようにし
てもよい。弁室62内には弁体66を受ける弁体
受け69がピストン棒33の軸方向移動自在に収
容されており、ばね67は盲蓋44と弁体受け6
9との間に介装される。また、ピストン棒33に
は弁室62と入力油圧室18との間を連通する連
通孔70が穿設される。
駆動棒68の長さは、閉弁状態にある弁体66
に一端が当接しているときに、その他端が係止孔
39内に一定長さだけ突出するように設定されて
いる。したがつて、第2ピストン22が受部材3
6から離反して隔壁9に近接する方向へピストン
棒33に対し一定距離を超えて相対移動したとき
に、第2弁機構61の弁体66は弁座部材64か
ら離反して開弁する。
制御室19と、制御液圧源71およびリザーバ
72とは、アンチロツク制御弁手段73を介して
接続される。制御液圧源71は、リザーバ72か
ら制御液体たとえば作動油を汲み上げる油圧ポン
プ74と、アキユムレータ75と、リリーフ弁7
6とから成り、油圧ポンプ74は車両運転時に必
要に応じて駆動される。またこの制御液圧源71
には、油圧ポンプ74の故障および油圧失陥なら
びに油圧ポンプ74の駆動開始および停止を検知
するための油圧センサ77が付設される。
アンチロツク制御弁手段73は、平時は閉じて
いる第1電磁弁78と、平時は開いている第2電
磁弁79とから成り、車輪4がロツクしそうにな
つたときに、第1電磁弁78は開弁駆動され、第
2電磁弁79は閉弁駆動される。第1電磁弁78
は、ケーシング7の下部側壁に穿設された油路8
0に接続されて制御液圧源71および制御室19
間を結ぶ供給油路81の途中に設けられ、第2電
磁弁79は、第1電磁弁78および制御室19間
で供給油路81から分岐してリザーバ72に至る
戻し油路82の途中に設けられる。
次にこの実施例の作用について説明すると、通
常運転状態で、ブレーキペダル83を操作しない
非制動時には、ピストン棒33は戻しばね48の
ばね力により下方に移動しており、第2ピストン
22は隔壁9に当接している。このため第1弁機
構53においては、駆動棒57が第2ピストン2
2の押圧部60によつて押圧され、弁体56が弁
座59から離反して開弁ている。したがつて、マ
スタシリンダ1の出力ポート2から、油路3、入
口油路21、油路20、入力油圧室18、弁室5
4、弁孔55、出力油圧室23、油路25、出口
油路26および油路6を介して車輪ブレーキ5に
至る油圧経路が形成される。これにより制動油圧
系の作動油の充填をアンチロツク制御用ブレーキ
油圧制御装置を備えていないブレーキ油圧装置と
同様に極めて容易に行なうことができる。すなわ
ち、従来はマスタシリンダ1から入力油圧室18
までの油圧経路と、出力油圧室23から車輪ブレ
ーキ5までの油圧経路とを分けて、作動油の充填
を行なわなければならなかつたのに対し、マスタ
シリンダ1から車輪ブレーキ5に至るまでの制動
油圧経路が成立するので、マスタシリンダ1側か
ら作動油を充填することにより、車輪ブレーキ5
までの作動油の充填が終了する。
ブレーキペダル83によりブレーキ操作を行う
と、マスタシリンダ1の出力ポート2からの制動
油圧は、前記油圧経路を経て車輪ブレーキ5に供
給される。この際、制御室19には制御液圧源7
1からの制御液圧が供給されていないので、第2
ピストン22は戻しばね48のばね力により隔壁
9側に最大限変位したままであり、第1弁機構5
3は開弁したままである。このように制動油圧が
マスタシリンダ1から車輪ブレーキ5まで直接供
給されるので、制動油圧の洩れを検知するために
従来設けていたピストンのストロークスイツチを
省略して、アンチロツク制御機能を有していない
ブレーキ油圧装置と同様の手段で油圧の洩れを検
知することができる。
ブレーキ操作時に制動力が過大となり、車輪4
がロツク状態に入りそうになると、第2電磁弁7
9が閉じ、第1電磁弁78が開くので、制御室1
9に制御液圧源71からのアンチロツク制御液圧
が供給される。これにより第1ピストン17およ
びピストン棒33が戻しばね48および入力油圧
室18の油圧により下動力に抗して上方に押圧移
動される。この際、第2ピストン22は、出力油
圧室23の油圧による上動力と、ばね52による
下動力とがバランスするまで、受部材36に当接
した状態でピストン棒33とともに上動する。こ
れにともなつて、第2ピストン22が隔壁9から
離反するので、第1弁機構53の弁体56が弁座
59に着座して閉弁し制動油圧の車輪ブレーキ5
への供給が断たれるとともに、出力油圧室23の
容積が大となる。この結果、制動油圧が減少し、
車輪4がロツク状態に入ることが防止される。
ここで、悪路走行時や制御液圧源71の故障時
などのアンチロツク過剰制御時の作動について説
明する。先ず、非制動時には、制御室19内の制
御液圧の増大に伴つて、第1ピストン17および
ピストン棒33は戻しばね48のばね力に抗して
上動するが、第2ピストン22はばね52によつ
てその上動を制止され、第2ピストン22がピス
トン棒33に対して下方に相対移動する。これに
より、第2弁機構61においては、第2ピストン
22と一体的なロツド40が駆動棒68を押圧
し、弁体66が弁座部材64から離反して開弁す
る。このため入力油圧室18と出力油圧室23と
が連通し、出力油圧室23内が、実用上不都合に
なるような負圧になることが防止される。この
際、第2ピストン22とピストン棒33との相対
移動は、ロツド40が係止孔39の側壁に当接す
るまでであり、それ以降第2ピストン22はピス
トン棒33とともに上動する。
このような状態で制動操作を行なうと、マスタ
シリンダ1から入力油圧室18に供給された制動
油圧は、第2弁機構61を介して出力油圧室23
に導かれ、油路6を介して車輪ブレーキ5に作用
する。この際、出力油圧室23の油圧による第2
ピストン22の上動力がばね52のばね力による
下動力よりも大きくなると、第2ピストン22は
両者がバランスするまでピストン棒33に対して
相対移動し、前述の制動時と同様の作動が行なわ
れる。
次に、制動時に制御室19内の制御液圧が異常
に上昇した場合を想定する。この場合には、ピス
トン棒33が上動し、それに伴つて第2ピストン
22は出力油圧室23の油圧による上動力とばね
52のばね力による下動力とがバランスするまで
ピストン棒33とともに上動する。ピストン棒3
3がさらに上動すると、出力油圧室23の油圧低
下に伴つて第2ピストン22はピストン棒33に
対して下方に相対移動し、第2弁機構61が開弁
作動する。これにより、出力油圧室23内の油圧
が実用上問題となる負圧にまで低下することが防
止される。また適正なアンチロツクのために入力
油圧室18から排除されるべき必要油量よりも余
分な分が出力油圧室23に導かれるので、ブレー
キペダル83にはアンチロツク制御に必要とされ
る以上のキツクバツクが生じることはない。
このようなブレーキ油圧制御装置において、ロ
ツド40を係止孔39内に挿入する際には、円筒
部38に2組の挿通孔41a,41a,41b,
41bが設けられているので、係止孔39とそれ
らの挿通孔41a,41a,41b,41bとを
一直線上に合わせることが容易となり、ロツド4
0の組付作業が容易となる。しかも、ロツド40
を支承するのに用いられなかつた挿通孔たとえば
41b,41bは、係止孔39からのエア抜き孔
として利用することができる。
C 考案の効果 以上のように本考案によれば、入力油圧室およ
び出力油圧室間を隔てる隔壁に第2ピストンの隔
壁からの離反動作に応じて閉弁作動する第1弁機
構を設けたので、制御室に制御液圧を供給しない
時に、第1弁機構を開弁したままとし、マスタシ
リンダから車輪ブレーキに至る油圧経路を形成し
て、制動油圧系への作動油の充填を一度に行うこ
とができ、ピストンのストローク回数も減少させ
て耐久性を向上することができる。
また、第2ピストンをピストン棒に対して相対
移動可能とし、第2ピストンをピストン棒を付勢
する戻しばねよりもセツト荷重の小さいばねで隔
壁側に付勢し、ピストン構内には第2ピストンの
ピストン棒に対する隔壁側への相対移動量が設定
値を超えたときに開弁して入,出力油圧室間を連
通させる第2弁機構が設けられるので、制御室の
制御液圧が異常に増大し、出力油圧室の油圧が設
定値より低下すると、入力油圧室の作動油が出力
油圧室に流入する。したがつて出力油圧室および
車輪ブレーキ間の油圧系統が実用上問題となる負
圧まで低下することが防止されるとともに、ブレ
ーキペダルに大きなキツクバツクが生じるのを防
止することができる。
さらに、第2ピストンには係止孔に挿通される
ロツドの両端を支承すべく第2ピストンの一直径
線に沿う一対の挿通孔が複数組設けられ、ロツド
を係止孔に挿通する際に、係止孔と挿通孔とを合
せることが極めて容易となり、ロツドの組付け作
業性が向上する。しかも用いられなかつた挿通孔
はエア抜きの機能を発揮して、第2ピストンおよ
びピストン棒間の狭い隙間にエア咬みが生じるの
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
1図は縦断面図、第2図は要部拡大横断面図であ
る。 1……マスタシリンダ、2……出力ポート、4
……車輪、5……車輪ブレーキ、7……ケーシン
グ、9……隔壁、15……第1シリンダ部、16
……第2シリンダ部、17……第1ピストン、1
8……入力油圧室、19……制御室、22……第
2ピストン、23……出力油圧室、24……ばね
室、33……ピストン棒、39……係止孔、40
……ロツド、41a,41b……挿通孔、48…
…戻しばね、52……ばね、53……第1弁機
構、61……第2弁機構。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. マスタシリンダの出力ポートに連通する入力油
    圧室と、車輪ブレーキに連通し入力油圧室の油圧
    に対応した制動油圧を発生する出力油圧室とを有
    し、車輪がロツク状態に入ろうとするときに制御
    室への制御液圧の供給に応じて出力油圧室の容積
    が増大すべく構成された車両用ブレーキ油圧制御
    装置において、ケーシング内には第1シリンダ部
    と第2シリンダ部とが隔壁を挾んで同一軸線上に
    設けられ、第1シリンダ部には前記隔壁側に入力
    油圧室を画成するとともに隔壁と反対側に制御室
    を画成する第1ピストンが摺合され、第2シリン
    ダ部には、前記隔壁側に出力油圧室を画成すると
    ともに、隔壁と反対側にばね室を画成する第2ピ
    ストンが摺合され、第1ピストンは前記隔壁を油
    密的にかつ移動自在に貫通するピストン棒の一端
    に固設され、ピストン棒の他端は軸方向相対移動
    を許容して第2ピストンに挿通されるとともにピ
    ストン棒の第2ピストンに対応する部分には軸線
    方向に長い横断面長円形の係止孔が一直径線に沿
    つて穿設され、第2ピストンには該係止孔に挿通
    されるロツドの両端を支承すべく第2ピストンの
    一直径線に沿う一対の挿通孔が複数組設けられ、
    前記隔壁には第2ピストンの隔壁からの離反動作
    に応じて閉弁する第1弁機構が設けられ、前記ば
    ね室にはピストン棒を制御室側に向けて付勢する
    戻しばねが収容され、ピストン棒および第2ピス
    トン間には第2ピストンを隔壁側に向けて相対移
    動せしめるべくばね力を発揮するためのばねが介
    装され、、ピストン棒内には第2ピストンのピス
    トン棒に対する隔壁側への相対移動量が設定値よ
    りも大きくなつたときに前記ロツドで開弁され入
    力油圧室および出力油圧室間を連通するための第
    2弁機構が設けられることを特徴とする車両用ブ
    レーキ油圧制御装置。
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