JPH0343747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、プリント配線基板の取付装置に係
り、たとえば音響機器のような民生用の電子機器
等に用いられている合成樹脂製のパネルにプリン
ト配線基板を取付けるものに関する。

（従来の技術） たとえば音響機器のような民生用の電子機器で
は、第３図に示すように、操作や表示を行なう前
面パネル１を合成樹脂で成形することが行なわ
れ、このパネル１の内側に、スイツチ、ボリユー
ム２等の操作部品や発光ダイオード等の表示部品
を装着したプリント配線基板３が平行状に配置さ
れ、パネル１に設けた押釦、つまみ４等の操作部
材で操作したり、パネル１に設けた透光部等の表
示部に表示したりしている。

そして、この種の電子機器は、音響機器に代表
されるように、複数段に積重ねて使用したり、低
い床に置かれたりすることがあるので、操作性や
意匠上の観点から、前面パネルの一部に上方に向
いた傾斜部５を設け、この傾斜部５に押釦、つま
み４等の操作部材や透光部等の表示部を設け、こ
の傾斜部５の内側に、スイツチ、ボリユーム２等
の操作部品や発光ダイオード等の表示部品を装着
したプリント配線基板３を配置することが行なわ
れており、この場合も、プリント配線基板３をパ
ネル１の傾斜部５と平行状に配置するので、プリ
ント配線基板３は傾斜部５から垂直に突設した取
付孔６を有する円筒状の取付ボス７に取付ねじ８
で螺着して取付けられる。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した構造の場合、前面パネル１を成形する
際の成形用の金型の分割方向がパネル１の垂直面
（以下、基準面という）に対して垂直となるが、
この金型の分割方向と取付ボス７の突設方向が一
致しないため、金型の構造が複雑となり、コスト
アツプの原因となつていた。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、合成樹脂製のパネルの取付ボスの突設方向
を、このパネルの成形時の金型の分割方向と一致
させることを目的とするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案は、成形時の金型の分割方向に垂直な基
準面に対して傾斜した傾斜部５を有する合成樹脂
製のパネル１の上記傾斜部５に、プリント配線基
板３を平行状に取付けるプリント配線基板の取付
装置に関するものであつて、取付ねじ８と、この
取付ねじ８に対する通孔１２を有しかつ一端面を
通孔１２と垂直に形成するとともに他端面を上記
パネル１の傾斜部５と同様の傾斜状に形成しこの
他端面側に複数の係止爪１３を突設した間隔部材
１１とを用い、上記取付ねじ８に対する取付孔１
５を有する円筒状の取付ボス１６を上記パネル１
の傾斜部５から上記基準面に対して垂直に突設す
るとともに、この取付ボス１６の先端面を上記傾
斜部５と平行に形成し、上記取付ボス１６の取付
孔１５に対応して上記プリント配線基板３に上記
取付ねじ８に対する通孔１８を形成するととも
に、この通孔１８の周囲に上記間隔部材１１の各
係止爪１３に対する複数の係止孔１９を形成し、
上記プリント配線基板３に係止した上記間隔部材
１１を介して上記取付ねじ８でプリント配線基板
３を上記パネル１の取付ボス１６に螺着するもの
である。

（作用） 本考案のプリント配線基板の取付装置は、間隔
部材１１の各係止爪１３をプリント配線基板３の
各係止孔１９に係止すると、間隔部材１１の通孔
１２とプリント配線基板３の通孔１８が一致する
とともに、間隔部材１１の係止爪１３側の他端面
がプリント配線基板３に密着し、プリント配線基
板３の通孔１８をパネル１の取付ボス１６の取付
孔１５に合わせて、プリント配線基板３を取付ボ
ス１６の先端面に密着させると、間隔部材１１の
一端面が取付ボス１６に対して垂直となり、取付
ねじ８を間隔部材１１の通孔１２からプリント配
線基板３の通孔１８を介して取付ボス１６の取付
孔１５に螺着するものである。

（実施例） 本考案のプリント配線基板の取付装置の一実施
例を第１図及び第２図を参照して説明する。

なお、この実施例は、第３図に示した従来のも
のと基本的な構造が同一なので、同一部分には同
一の符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部
分を主に説明する。

本考案では、取付ねじ８とともに間隔部材１１
を用いる。

この間隔部材１１は、取付ねじ８に対する通孔
１２を有し、この通孔１２が開口した一端面は通
孔１２に対して垂直に形成されているとともに、
この通孔１２が開口した他端面は通孔１２に対し
て前面パネル１の傾斜部５と同様の傾斜状つまり
プリント配線基板３と同様の傾斜状に形成され、
この他端面の両外側部から一対の係止爪１３が他
端面側に垂直に突設されている。

そして、本考案では、前面パネル１の傾斜部５
の内側に、パネル１を成形する際の成形用の金型
の分割方向に沿つてつまりパネル１の基準面（垂
直面）に対して垂直に、取付ねじ８に対する取付
孔１５を有する円筒状の取付ボス１６が突設さ
れ、この取付ボス１６の先端面は上記傾斜部５と
平行に形成されている。

また、プリント配線基板３には、取付ボス１６
の取付孔１５に対応して上記取付ねじ８に対する
通孔１８が形成されている他に、この通孔１８の
両側に上記間隔部材１１の各係止爪１３に対する
一対の係止孔１９が形成されている。なお、この
実施例では、一対の係止孔１９が通孔１８と連結
しているが、別々にしてもよい。

そうして、プリント配線基板３の取付けに際し
ては、まず、間隔部材１１の各係止爪１３をプリ
ント配線基板３の各係止孔１９に係止する。する
と、間隔部材１１の通孔１２とプリント配線基板
３の通孔１８が一致するとともに、間隔部材１１
の係止爪１３側の他端面がプリント配線基板３に
密着する。ついで、プリント配線基板３の通孔１
８をパネル１の取付ボス１６の取付孔１５に合わ
せて、プリント配線基板３を取付ボス１６の先端
面に密着させる。すると、間隔部材１１の一端面
が取付ボス１６に対して垂直となり、取付ねじ８
を間隔部材１１の通孔１２からプリント配線基板
３の通孔１８を介して取付ボス１６の取付孔１５
に螺合して確実強固に締着することができる。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案によれば、成形時の金
型の分割方向に垂直な基準面に対して傾斜した傾
斜部を有する合成樹脂製のパネルの上記傾斜部
に、プリント配線基板を平行状に取付ける場合
に、間隔部材を用いることによつて、パネルの傾
斜部に突設する取付ボスをパネルの基準面に対し
て垂直とし、成形時の金型の分割方向に一致させ
たので、金型の構造を単純にして、コストダウン
ができ、そして、取付ねじの螺着作業の方向もパ
ネルの基準面に対して垂直となるので、この締着
作業も容易となる。

そして、取付けた状態では、取付ボスの先端面
にプリント配線基板の一側面が密着し、このプリ
ント配線基板の他側面に間隔部材の係止爪側の他
端面が密着し、この間隔部材の一端面に取付ねじ
の頭部が密着し、全てを面接触とすることができ
るため、取付ねじによる締付けがゆるむことがな
く、しかも、取付ねじによる締付け荷重が局部的
に集中することが無く、したがつて、取付けが確
実かつ強固になるとともに、取付け部分が破損す
ることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のプリント配線基板の取付装置
の一実施例を示す縦断面図、第２図はその分解斜
視図、第３図は従来の構造を示す縦断面図であ
る。 １……パネル、３……プリント配線基板、５…
…傾斜部、８……取付ねじ、１１……間隔部材、
１２……通孔、１３……係止爪、１５……取付
孔、１６……取付ボス、１８……通孔、１９……
係止孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 成形時の金型の分割方向に垂直な基準面に対し
   て傾斜した傾斜部を有する合成樹脂製のパネルの
   上記傾斜部に、プリント配線基板を平行状に取付
   けるプリント配線基板の取付装置であつて、 取付ねじと、この取付ねじに対する通孔を有し
   かつ一端面を通孔と垂直に形成するとともに他端
   面を上記パネルの傾斜部と同様の傾斜状に形成し
   この他端面側に複数の係止爪を突設した間隔部材
   とを用い、 上記取付ねじに対する取付孔を有する筒状の取
   付ボスを上記パネルの傾斜部から上記基準面に対
   して垂直に突設するとともに、この取付ボスの先
   端面を上記傾斜部と平行に形成し、上記取付ボス
   の取付孔に対応して上記プリント配線基板に上記
   取付ねじに対する通孔を形成するとともに、この
   通孔の周囲に上記間隔部材の各係止爪に対する複
   数の係止孔を形成し、 上記プリント配線基板に係止した上記間隔部材
   を介して上記取付ねじでプリント配線基板を上記
   パネルの取付ボスに螺着したことを特徴とするプ
   リント配線基板の取付装置。