JPH0342123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、油圧シヨベルや油圧クレーンなどの
油圧作業機械において、アクチユエータを動作す
る操作レバーの密閉構造に関する。

第１図は油圧作業機械の一例として挙げた油圧
シヨベルの外観を示す側面図であり、１は下部走
行体、２は下部走行体１に旋回自由に載置された
上部旋回体、３は上部旋回体２に設けられた運転
室（以下キヤブという）、４は上部旋回体に設け
られたブーム、５は油圧モータや油圧シリンダな
どのアクチユエータである。

第２図はキヤブ３内部の概略を示す断面図、第
３図は第２図の底面図、第４図は第３図のＡ−Ａ
線断面図であり、６はキヤブ３の床面であるキヤ
ブ床面である。このキヤブ床面６の裏面には一対
のブラケツト７が固着してあり、これらブラケツ
ト７間に架設されたシヤフト８にはベアリング９
を介してリンク１０が回転自在に支承されてい
る。このリンク１０の中央部にはブラケツト１１
が固着されており、一端を油圧切換弁１２に連結
したロツド１３の他端はピン１４を介してブラケ
ツト１１に回転自在に連結されている。前記ブラ
ケツト１１と反対側のリンク１０には操作レバー
１５が固設されており、この操作レバー１５はキ
ヤブ床板６に開設した開口部１６を通してその大
部分がキヤブ３内に突出している。

前記操作レバー１５を第２図に示す矢印方向に
動かすと、操作レバー１５に固着されたリンク１
０はシヤフト８を回転軸として所定角度回転さ
れ、油圧切換弁１２がロツド１３を介して操作さ
れる。油圧切換弁１２の切換操作が行われると、
エンジンおよび油圧ポンプ（いずれも図示せず）
により発生した圧油によつて各アクチユエータ５
が動作され、これらアクチユエータ５の動作によ
り、ブーム４の上下動や下部走行体１の走行、あ
るいは上部旋回体の旋回などの諸動作が行われ
る。

このように、上述した油圧シヨベルにあつて
は、操作レバー１５を移動することにより各アク
チユエータ５が動作されるようになつているた
め、前記開口部１６は操作レバー１５の動きを妨
げない程度の大きさに開設される必要があり、そ
のため、この開口部１６からエンジンや油圧ポン
プなどで発生する騒音がキヤブ３内部に入り込
み、キヤブ３内の運転者に不快感を与える原因と
なつていた。そこで、従来よりかかる騒音を低減
するための密閉構造が採用されている。

第５図および第６図はこのような密閉構造の従
来例を示すものであつて、第５図はゴム板の平面
図、第６図はゴム板の取付状態を示す断面図であ
る。これらの図において、ゴム板１７は前記操作
レバー１５と略同径の透孔部１７ａとこの透後部
１７ａに通じる一対の直線状スリツト１７ｂとを
有し、その外形形状は前記開口部１６よりも大き
目に形成されている。このゴム板１７は開口部１
６を塞ぐように前記キヤブ床板６の裏面に固着さ
れ、操作レバー１５は中立位置において透孔部１
７ａ内にあり、また直線状スリツト１７ｂは操作
レバー１５の動きの妨げとならないように操作部
１５によつて開かれるようになつている。

しかしながら、このように構成された従来の密
閉構造にあつては、ゴム板１７の肉厚をあまり薄
いものにすると騒音低減の効果を充分に奏するこ
とができなくなるため、所定寸法以上の肉厚を有
するゴム板１７を使用する必要があるが、そのた
めに、直線状スリツト１７ｂ部分に入つた操作レ
バー１５がゴム板１７からの大きな摩擦抵抗を受
け、操作レバー１５の操作力が重くなるという欠
点があつた。また、操作レバー１５を動かした際
に、ゴム板１７には透孔部１７ａと操作レバー１
５によつて広げられた直線状スリツト１７ｂの開
口とが形成されるため、これら開口を通して騒音
がキヤブ３内に達してしまうといる欠点があり、
さらに、操作レバー１５の度重なる使用によつて
ゴム板１７の直線状スリツト１７ｂ部分が摩耗し
ていまうという欠点があつた。

本考案の目的は、上述した従来技術の欠点を解
消した油圧作業機械の操作レバー密閉構造を提供
するにある。

この目的を達成するため、本考案は、油圧切換
弁を操作するロツドをリンクに連結し、このリン
クにリンクを回転操作する操作レバーを取付け、
この操作レバーを運転室の床面に設けた開口部よ
り運転室内に突出した油圧作業機械において、前
記床面の前記運転室と反対側に前記リンクの前記
操作レバーが取付けられている部分と前記開口部
とを被覆する枠体を取付け、この枠体に当該枠体
から延出するリンクの外周部を密閉するシール部
を設けたことを特徴とする。

操作レバーを操作すると、これに応じてリンク
が回転し、油圧切換弁が駆動される。このとき、
リンクの外周は密閉状態のまま回転するので、外
部騒音の侵入が防止される。

以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第７図は枠体の一実施例を示す斜視図、第８図
は第７図に示す枠体の取付状態を示す底面図、第
９図は第８図のＢ−Ｂ線断面図であつて、１８は
枠体、１９はゴム板、２０はねじであり、第２図
ないし第６図に対応する部分には同一部号を付け
てある。これらの図において、枠体１８は上部と
両側部とを開口するように形成され、これら両側
部にはシール部となるゴム板１９が接着等の適宜
手段により固着されている。このゴム板１９には
リンク１０の外径と略同一径の円形部１９ａと直
線状の切込み１９ｂとが設けてあり、また前記枠
体１８には複数個の取付孔１８ａが設けてある。

このようにゴム板１９を固着した枠体１８は、
ゴム板１９の切込み１９ｂを広げて円形部１９ａ
をリンク１０の外周面に合致させたのち、複数本
のねじ２０によつてキヤブ床板６の裏面に固着さ
れ、キヤブ床板６に開設された開口部１６はこれ
ら枠体１８と両ゴム板１９とにより密閉される。

以上のように構成された操作レバー密閉構造に
あつては、回転部分であるリンク１０の外周面を
ゴム板１９で密閉するようにしてあるので、操作
レバー１５を動かしてリンク１０を回転させた場
合でもゴム板１９の摩耗は少なく、また密閉効果
が減少することもない。

第１０図は本考案による操作レバー密閉構造の
他の実施例を示す底面図である。本実施例が上述
した第１の実施例と異なる点は、枠体１８が上部
と一側部のみを開口するように形成され、他側部
を予め閉塞させたことであり、開口した一側部に
は前記ゴム板１９が固着されている。

このように一側部にゴム板１９を固着した枠体
１８は、ゴム板１９の円形部１９ａをリンク１０
の外周面に合致させたのち、開口部１６とブラケ
ツト７とを覆うようにキヤブ床板６の裏面に固着
される。本実施例においては、リンク１０の外周
面を密閉するゴム板１９を一枚省略することがで
きるため、コストダウンが可能となり、また騒音
をより一層低減させることができる。

なお、上述した各実施例においては、枠体１８
に設けられたシール部としてゴム板１９を使用し
たものについて説明したが、ゴム板１９の代りに
合成樹脂板をシール部として用いることも可能で
ある。シール部として合成樹脂板を使用すると、
弾性変形により合成樹脂板をリンク１０の外周面
に遊嵌することが困難であるため、この場合は、
予め合成樹脂板の円形部をリンク１０に遊嵌した
状態でリンク１０をブラケツト７に支承し、しか
るのちキヤブ床板６に固着した枠体１８に合成樹
脂板を接合するか、あるいは合成樹脂板をいくつ
かに分割したおき、これをキヤブ床板６に固着し
た枠体１８に接合するなどの工夫が必要である。

以上説明したように、本考案によれば、回転部
分であるリンクの外周面をゴム板などのシール部
で密閉し、このシール部と枠体とで操作レバー駆
動用の開口部を被覆するようにしたため、操作レ
バーの操作力を重くせずに十分な騒音低減効果を
もたせることができ、またシール部の摩耗を少な
くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は油圧シヨベルの外観を示す側面図、第
２図は第１図に示す油圧シヨベルのキヤブ内部の
概略を示す断面図、第３図は第２図の底面図、第
４図は第３図のＡ−Ａ線断面図、第５図および第
６図は従来の操作レバー密閉構造の一例を示し、
第５図はゴム板の平面図、第６図はゴム板の取付
状態を示す断面図、第７図ないし第９図は本考案
の第１実施例に係る操作レバー密閉構造を示し、
第７図は枠体とシール部の斜視図、第８図は枠体
の取付状態を示す底面図、第９図は第８図のＢ−
Ｂ線断面図、第１０図は本考案の第２実施例に係
る操作レバー密閉構造の底面図である。 ３……キヤブ、６……キヤブ床板、７……ブラ
ケツト、８……シヤフト、９……ベアリング、１
０……リンク、１５……操作レバー、１６……開
口部、１８……枠体、１９……ゴム板（シール
部）、２０……ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧切換弁を操作するロツドをリンクに連結
   し、このリンクにリンクを回転操作する操作レバ
   ーを取付け、この操作レバーを運転室の床面に設
   けた開口部より運転室内に突出した油圧作業機械
   において、前記床面の前記運転室と反対側に前記
   リンクの前記操作レバーが取付けられている部分
   と前記開口部とを被覆する枠体を取付け、この枠
   体に当該枠体から外部に延出するリンクの外周部
   を密閉するシール部を設けたことを特徴とする油
   圧作業機械の操作レバー密閉構造。