JPH0319691Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、刈取装置によつて刈取られた複数条
の茎稈が刈巾中間に合流搬送されるよう構成され
た刈取収穫機の刈取装置に関し、詳しくは、刈刃
を付設した一対のチエーンを左右に突合わせ状態
に並設するとともに、刈刃の軌跡に沿つてその下
方に固定受刃を設け、前記両チエーンを、その切
断作用径路においてチエーン突合わせ箇所に向か
つて移動させるよう互いに逆方向に駆動してある
刈取収穫機の刈取装置に関する。

〔従来の技術〕

上記刈取装置において、従来では、例えば実開
昭50−40745公報に開示されているように、前記
各チエーンの刈取作用径路を機体進行方向と略直
交する横方向に沿う状態で構成し、かつ、チエー
ンに付設された刈刃の移動方向下手側に搬送案内
用係止突起を設ける構造のものがあつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来構造は、この種刈取装置で一般に用い
られる刈刃が一定ピツチで往復動駆動されるバリ
カン型刈取装置における機体の振動や騒音を低減
するためのものである。

ところが、上記従来構造では、刈刃と固定刃と
によつて刈取られた茎稈を中央に寄せ集める際の
案内機能、もしくは茎稈切断機能が充分でなく、
茎稈が滞留しがちになつたり、切断不良が生じ易
くなる欠点があつた。つまり、刈刃に係止突起を
設けて刈取茎稈を案内するよう構成してあるもの
の、この係止突起は刈取稈の下端部を引掛け係止
しようとするものではあつても、切取られた茎稈
が位置の不安定なもので、しかも変形し易いもの
であるから、抜け外れし易く株元側の搬送力が弱
くなり姿勢が不安定になるおそれが大となるもの
である。逆に、前記係止突起の突出量を極端に大
きくして、その係止を確実にすることも考えられ
なくはないが、この場合には、係止された茎稈の
搬送負荷が刈刃先端縁を固定刃から離す方向への
作用力として働くため、切断性能が低下するとい
う、新たな問題を生じる。

本考案は、合理的構造改良により、上記不具合
点を解消することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、冒頭に記載した刈取収穫
機の刈取装置において、前記各チエーンの切断作
用径路を、その突合わせ箇所が機体後方側に位置
するよう平面視ハの字状に配置するとともに、前
記切断作用径路に沿う前記刈刃よりも上方位置に
は、前記刈刃と同期して駆動される爪駆動チエー
ンを設け、この爪駆動チエーンに係止爪を配設し
てある点にあり、その作用・効果は次の通りであ
る。

〔作 用〕

各チエーンの切断作用径路が中央側ほど後方に
寄つているので、刈取稈は機体の進行に伴つて中
央側に向けて寄せられるよう案内作用を受ける。

又、前記係止爪は、刈刃自体にではなく、刈刃
よりも上方位置で爪駆動チエーンに取付けてある
ので刈取稈に対して株元側の稈途中部分を確実に
係止して搬送案内しながらも、その際の茎稈搬送
負荷を、刈刃の固定刃からの離間方向への作用力
として働かせることなく、従つて切断性能の低下
なく係止搬送することができる。

〔考案の効果〕

従つて、本考案によれば、刈刃をチエーンによ
る回動式に構成することで、振動や騒音を少ない
刈取装置を得ることができるものでありながら、
合理的改良を加えることで切断性能を損なうこと
なく、刈取後の茎稈搬送を円滑に行えるものとな
つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第３図に示すように、植立茎稈を３
つの刈取経路Ａ‥に分解案内する４つの分草具１
‥、これらを支持する刈取フレーム２‥、刈取経
路Ａに導入された植立茎稈穂先側部を持ち上げる
引起装置３‥、刈取経路Ａ端に配設された左右一
対の刈取装置４ａ，４ｂ、刈取られた茎稈を脱殻
フイールドチエーン１６に搬送する搬送装置５、
によつて３条刈コンバインの刈取処理部が構成さ
れている。

又、刈取装置４ａ，４ｂは平面視「ハ」の字状
になるよう夫々が配設されると共に、下方の受刃
６‥と上方の刈刃７‥とによつて構成されてい
る。つまり、前記刈取フレーム２‥の基端部には
刈取フレーム８が配設され、これに多数個の受刃
６‥が取付けられている。

又、機体内方略中央には２つの駆動スプロケツ
ト９ａ，９ｂが並設されると共に、外方には遊転
スプロケツト１０ａ，１０ｂが配設され、夫々に
は多数の刈刃７‥を付設したチエーン１１が巻回
されている。そして、受刃６‥上面には左右チエ
ーン１１，１１に付設された刈刃７‥，７‥が摺
接するように配設され、夫々のチエーン１１，１
１を夫々Ｂ，Ｃ方向に向うよう駆動する事で茎稈
は剪断されるよう構成されている。

又、左右の刈取装置４ａ，４ｂは突合わせ端で
の離間距離が小さくなるよう夫々の刈刃７‥，７
‥が互いに干渉する事なく喰い込むよう位相を設
定してある。

又、第２図に示すように、前記刈刃７と同期し
て回動する爪駆動チエーン１４を配設し、この爪
駆動チエーン１４には切断作用径路においてその
先端がチエーン１１の回動方向に少し傾斜するよ
う起立姿勢を設定した係止爪１５を倒伏自在に取
付け、茎稈刈取時には切断された茎稈が前方に押
し出されて姿勢が乱れる事なく、係止爪１５に抱
き込まれ搬送されるよう構成してある。

そして、刈取られた茎稈が機体の略中央、つま
り刈取装置４ａ，４ｂ夫々前部の切断作用経路終
端で合流され搬送装置５に受渡されるよう搬送装
置５の搬送始端部が左右刈取装置４ａ，４ｂの中
間部に近接配置されると共に茎稈株元を載置する
デツキ１３が配設されている。

前記実施例は左右刈取装置４ａ，４ｂの切断作
用経路長を略等しく設定してあつたが、本考案は
これに代えて第４図に示すよう左右刈取装置４
ａ，４ｂの切断作用経路長を適用される刈取機の
搬送装置５の始端に合致するよう設定することで
従来の刈取収穫機の搬送構造を変更する事なく刈
取装置の改造だけで実施する事も可能である。

尚、本考案はコンバイン以外バインダー等にも
実施可能であり、又、刈取条数も３条以外のもの
にも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係刈取収穫機の刈取装置の実施
例を示し、第１図はコンバイン前部の既略平面
図、第２図は要部の平面図、第３図は固定受刃及
び刈刃を示す平面図、第４図は刈取装置の別実施
例を示す概略平面図である。 ６……受刃、７……刈刃、１１……チエーン、
１４……爪駆動チエーン、１５……係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈刃７を付設した一対のチエーン１１，１１を
   左右に突合わせ状態に並設するとともに、刈刃７
   の軌跡に沿つてその下方に固定受刃６を設け、前
   記両チエーン１１，１１をその切断作用径路にお
   いてチエーン突合わせ箇所に向かつて移動させる
   よう互いに逆方向に駆動してある刈取収穫機の刈
   取装置であつて、前記各チエーン１１，１１の切
   断作用径路を、その突合わせ箇所が機体後方側に
   位置するよう平面視ハの字状に配置するととも
   に、前記切断作用径路に沿う前記刈刃７よりも上
   方位置には、前記刈刃７と同期して駆動される爪
   駆動チエーン１４を設け、この爪駆動チエーン１
   ４に係止爪１５を配設してある刈取収穫機の刈取
   装置。