JPH0311538B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はリードレスのアルミ電解コンデンサに
関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来のこの種のいわゆるリードレス電子部品で
ある。例えばチツプ形電解コンデンサは第１図
ａ，ｂに示すように構成されていた。すなわち、
アルミニウム箔を粗面化し、さらに陽極酸化によ
り誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と、アルミニ
ウム箔を粗面化して形成した陰極箔とをセパレー
タを介して巻回し、駆動用電解液を含浸させてコ
ンデンサ素子１を構成し、このコンデンサ素子１
を有底筒状の金属ケース２に収納するとともに、
開放端をゴムなどの弾性を有する封口材３を用い
て、封口してアルミ電解コンデンサを構成し、そ
して前記アルミ電解コンデンサから引き出されて
いるリード線４をコム状端子５に溶接などの方法
により電気的、機械的に接続し、さらにコム状端
子５を除く全体にモールド樹脂外装６を施して完
成品としていた。

このようなチツプ形アルミ電解コンデンサは、
プリント基板への実装に際して、半田耐熱性をも
たせるために、前述したようにモールド樹脂外装
６を施しているが、一般にモールド樹脂外装６で
は、100℃〜150℃の温度で、５分間程度10Kg／cm²
の圧力で加圧しており、このような過酷な条件下
では、電解コンデンサの駆動用電解液が蒸散し
て、静電容量の減少やtanδの増大などの特性劣化
をきたし、またモールド樹脂外装６を施している
ため、極めて高価なものになるという問題点を有
していた。

さらに、横置きタイプであるため、プリント基
板に実装した場合に、プリント基板の面積を多く
占領してしまい、各種の機器の小型化を阻害する
要因となつていた。

上記のような問題点を解決するものとして、本
発明者らは先に第２図に示すようなタイプのアル
ミ電解コンデンサを提案している。すなわち、コ
ンデンサ素子に接続したリード線を有底鉛筒状の
金属ケース２の同一端面より引き出し、この金属
ケース２のリード線を引き出した開口部端面に当
接するように、リード線が貫通する貫通孔を備え
た絶縁部８を配設し、そしてその絶縁板８の外表
面に凹部９を設け、この凹部９内に前記リード線
の先端部４ａが収まるようにしたものである。

しかしながら、上記のようなアルミ電解コンデ
ンサにおいては、絶縁板８の貫通孔を貫通したリ
ード線の先端部４ａが絶縁板８の凹部９内に収ま
つている方向と同じ方向（以下、これをリード線
と平行方向と呼ぶ。）からアルミ電解コンデンサ
に外力が加えられた場合、それに対する取付強度
は強いが、リード線と平行方向に対して直角方向
からアルミ電解コンデンサに外力が加えられた場
合、それに対する取付強度が弱いという問題点が
あつた。

発明の目的 本発明はこのような従来の問題点を除去するも
ので、取付強度を向上させたアルミ電解コンデン
サを提供することを目的とするものである。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明のアルミ電解
コンデンサは、陽極箔と陰極箔をセパレータを介
して巻回し、これに駆動用電解液を含浸させたコ
ンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する
有底筒状のケースと、前記コンデンサ素子に接続
したリード線を同一端面より引か出すために前記
リード線を貫通させるとともに、前記ケースの開
口部に収納した封口部材と、前記ケースの開口部
端面に当接するように配設され、かつ前記リード
線が貫通する貫通孔を備えた矩形の絶縁板とで構
成し、前記絶縁板の外表面に位置して、矩形の絶
縁板の対角線のうち、１つの対角線上に前記貫通
孔につながる凹部を設け、かつ前記貫通孔を貫通
したリード線の先端部を前記凹部内に収納される
ように折曲し、さらに前記リード線の先端部を扁
平状に構成してその扁平部の端面を前記矩形の絶
縁板より突出させたものである。

このような構成とすることによつて、リード線
の先端部の形状が絶縁板の対角線に対して対称形
となるため、リード線と平行方向および直角方向
からアルミ電解コンデンサに外力が加えられて
も、それに対する取付強度はいずれの場合におい
ても、強いものを得ることができる。また前記絶
縁板の凹部内に収納されるリード線の先端部は扁
平状に構成され、そしてその扁平部の端面は前記
矩形の絶縁板より突出させているため、このリー
ド線の先端部をプリント基板に半田付けしてアル
ミ電解コンデンサを装着した場合、矩形の絶縁板
より突出したリード線の扁平部の上面にまで半田
が回り込むため、その取付強度はさらに向上する
ものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第３図〜第５図にも
とづいて説明する。この第３図〜第５図におい
て、第１図および第２図と同一部品については同
一番号を付している。

第３図において、１は従来と同様コンデンサ素
子で、このコンデンサ素子１は高純度アルミニウ
ム箔を電気化学的に粗面化し、その後陽極酸化を
行つて誘電体酸化皮膜を形成してなる陽極箔と、
粗面化した陰極アルミニウム箔とを間にセパレー
タを介して巻回し、そしてその巻回物に駆動用電
解液を含浸させることにより構成されている。そ
してこのコンデンサ素子１は有底円筒状の金属ケ
ース２内に収納されている。また、前記コンデン
サ素子１の陽極箔と陰極箔とにはリード線４が接
続されている。

そして、金属ケース２の開口部には、ゴム状弾
性体７ａと非ゴム状弾性体７ｂとの二層構造から
なる封口部材７を装着し、絞り加工を施すことに
より封口されており、これによりアルミ電解コン
デンサが構成されている。また、前記コンデンサ
素子１に接続したリード線４は、封口部材７を貫
通して同一端面より外部に引き出されている。

８は前記金属ケース２のリード線４を引き出し
た開口部端面に当接するように配設した矩形の絶
縁板で、この絶縁板８には、前記リード線４が貫
通する貫通孔８ａが設けられている。また、この
絶縁板８の外表面に位置して、第４図に示すよう
に前記貫通孔８ａにつながる凹部８ｂが前記矩形
の絶縁板８の対角線のうち、１つの対角線上に設
けられており、この凹部８ｂ内に収納されるよう
に前記貫通孔８ａを貫通したリード線４の先端部
４ａは折曲されている。この場合、第５図ａ，ｂ
に示すように丸棒のリード線４は先端部４ａに扁
平加工を施して折曲したものであつても、あるい
は丸棒のリード線のままの状態であつても良い
が、好ましくは、リード線４の先端部４ａに扁平
加工を施して折曲した方が良く、そして本発明の
一実施例においては、第４図に示すように、リー
ド線４の先端部４ａを扁平状にして構成してその
扁平部の端面を前記矩形の絶縁板８より突出させ
ているものである。このような構成とすることに
より、このリード線４の先端部４ａをプリント基
板に半田付けしてアルミ電解コンデンサを装着し
た場合、矩形の絶縁板より突出したリード線４の
扁平部の上面にまで半田が回り込むため、その取
付強度をさらに向上させることができる。

発明の効果 以上のように本発明のアルミ電解コンデンサ
は、コンデンサ素子に接続したリード線が貫通す
る貫通孔を備えた矩形の絶縁板を、コンデンサ素
子を収納する有底筒状のケースの開口部端面に当
接するように配設し、前記絶縁板の外表面に位置
して、矩形の絶縁板の対角線のうち、１つの対角
線上に前記貫通孔につながる凹部を設け、かつ前
記貫通孔を貫通したリード線の先端部を凹部内に
収納されるように折曲しているため、リード線の
先端部の形状は絶縁板の対角線に対して対称形と
なるもので、これにより、リード線と平行方向お
よび直角方向からアルミ電解コンデンサに外力が
加えられても、それに対する取付強度はいずれの
場合においても、強いものを得ることができる。

また前記絶縁板の凹部内に収納されるリード線
の先端部を扁平状に構成され、そして、その扁平
部の端面は前記矩形の絶縁板より突出させている
ため、このリード線の先端部をプリント基板に半
田付けしてアルミ電解コンデンサを装着した場
合、矩形の絶縁板より突出したリード線の扁平部
の上面にまで半田が回り込むため、その取付強度
はさらに向上するとともに、前記矩形の絶縁板よ
り突出したリード線の扁平部分でもつて、半田の
付き具合も目視することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のチツプ形アルミ電解コン
デンサを示す断面図と側面図、第２図は本発明者
らが先に提案したリードレスアルミ電解コンデン
サの斜視図、第３図は本発明の一実施例を示すリ
ードレスアルミ電解コンデンサの一部断面正面
図、第４図は同斜視図、第５図ａ，ｂは本発明の
実施例におけるリード形状を示す斜視図である。 １……コンデンサ素子、２……金属ケース、４
……リード線、７……封口部材、８ａ……貫通
孔、８ｂ……凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回
   し、これに駆動用電解液を含浸させたコンデンサ
   素子と、このコンデンサ素子を収納する有底筒状
   のケースと、前記コンデンサ素子に接続したリー
   ド線を同一端面より引き出すために前記リード線
   を貫通させるとともに、前記ケースの開口部に収
   納した封口部材と、前記ケースの開口部端面に当
   接するように配設され、かつ前記リード線が貫通
   する貫通孔を備えた矩形の絶縁板とで構成し、前
   記絶縁板の外表面に位置して、矩形の絶縁板の対
   角線のうち、１つの対角線上に前記貫通孔につな
   がる凹部を設け、かつ前記貫通孔を貫通したリー
   ド線の先端部を前記凹部内に収納されるように折
   曲し、さらに前記リード線の先端部を扁平状に構
   成してその扁平部の端面を前記矩形の絶縁板より
   突出させたことを特徴とするアルミ電解コンデン
   サ。 ２ 封口部材は、ゴム状弾性体と非ゴム状弾性体
   とで構成した特許請求の範囲第１項記載のアルミ
   電解コンデンサ。