JPH029661Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、逆転防止爪の作動構造を改良した
魚釣用スピニングリールの逆転防止機構に関す
る。

従来バネ輪で回動される逆転防止爪の作動構造
は例えば、実公昭42−22789号公報や実公昭53
−33018号公報のように逆転防止爪と逆転防止爪
車が同一平面上に設けられた構造と、実開昭55
−157876号公報や実開昭57−31172号公報のよう
に逆転防止爪が逆転防止爪車に対し直角に配置さ
れた構造に分類される。

上記の構造では逆転防止爪車が逆転防止爪に
衝突すると逆転防止爪の支承軸に直角方向の衝撃
力を与えるので支承軸を充分太くなければならな
い欠点がある。

上記の構造ではリール本体内にバネ輪と逆転
防止爪と逆転防止爪車が組み込まれているので組
み立てが面倒であると共にバネ作動板や消音用回
動駒が用いられて部品点数が多い欠点がある。

本考案の目的は、上記欠点に鑑み、構造簡単で
組み立て易く、強度的にも強い構造の魚釣用スピ
ニングリールの逆転防止機構を提案することにあ
る。

以下、図示の実施例によつて本考案を説明する
と、魚釣用スピニングリールの逆転防止機構は第
１図でリール本体１の前面に突出された回転軸筒
２とスプール軸１０と、回転軸筒に固定されたロ
ーター３と、スプール軸１０に取り付けられて前
後に往復動されるスプール１１と、ローター３の
後側凹陥部内の回転軸筒２の外周に回り止め嵌合
されたカム板４と巻バネ輪５が摩擦嵌合される摩
擦輪６と、リール本体１内の上側に回動自在にビ
ス１２で支承された逆転防止爪７と、リール本体
１の上側周縁１ａに前後に摺動自在に設けられた
切換部材８と、リール本体１内の回転軸筒２の外
周に形成されたピニオン２ａと、ピニオンと噛合
された駆動歯車１３を介してローター３が回転さ
れるハンドル１４とで構成されている。

上記カム板４は第２図のように逆転方向に一箇
所の係止面４ａが設けられている。

上記巻バネ輪５は一端を傾斜した略小判形の環
状部５ａに形成されている。

上記逆転防止爪７は先端係合部７ａと他端の作
動部７ｂとで形成され、先端係合部７ａはリール
本体１の突出孔１ｂから前面に突出されて上記カ
ム板４の回転域に臨まされると共に上記巻バネ輪
５の環状部５ａ内に挿通され、突出孔１ｂ位置の
リール本体前面に突設された突出部の一側で先端
係合部７ａのストツパー壁１ｃが構成されてい
る。

上記切換部材８は頚部８ａと添え板８ｂと指掛
け部８ｃが並行に連結されると共に添え板８ｂに
腕部８ｄとその先端にピン８ｅが合成樹脂材で一
体に成形されてピン８ｅに上記逆転防止爪７の作
動部７ｂが係合自在に臨まされ、添え板８ｂに板
バネ９が重ねられている。

上記切換部材８がリール本体１に前後に摺動自
在に取り付けられる時は、リール本体にコ字形の
切欠部１ｄが穿設されると共に周縁１ａ内側で切
欠部１ｄより前側に係合突部１ｅが形成され、板
バネ９に形成されたコ字形の切欠部に切換部材８
の頚部８ａが嵌合されて添え板８ｂに板バネ９が
内側になるように重ねられ、切欠部１ｄに頚部８
ａが前後に摺動自在に挿入され、蓋１５がビス１
６で固定されることで切換部材８と板バネ９は抜
け止めされる。

上記魚釣用スピニングリールの逆転防止機構の
動作は、第１図のように切換部材８の指掛け部８
ｃが前側に押されてピニオン２ａと駆動歯車１３
を介してハンドル１４で回転軸筒２がローター３
でスプール１１に釣糸が捲回される正回転方向に
回転されると、上記カム板４と摩擦輪６は第２図
で時計方向に正回転されて巻バネ輪５は時計方向
に回動され、巻バネ輪の一端に形成された傾斜し
た略小判形の環状部５ａで逆転防止爪７の先端係
合部７ａは上方に持ち上げられ、先端係合部はカ
ム板４の回転域から離脱されるのでカム板やロー
ター３の正回転は継続することが出来る。

次にスプール１１に捲回された釣糸が仕掛けに
掛かつた獲物で繰り出されてローター３が逆回転
されると、カム板４と摩擦輪６は第２図で反時計
方向に逆回転されて巻バネ輪５も逆回転され、逆
転防止爪７の先端係合部７ａは巻バネ輪５の傾斜
した小判形の環状部５ａ内を下方に移動されてカ
ム板４の回転域に臨まされ、カム板４の係止面４
ａが先端係合部７ａに衝突されて回転が係止され
る。

上記切換部材８の指掛け部８ｃが第１図で後方
に移動されるとピン８ｅが切換部材の作動部７ｂ
に係合されて切換部材は時計方向に回動され、先
端係合部７ａはカム板４の回転域から退避される
のでローター３やカム板４は正・逆何れの回転も
可能となる。

上記のように魚釣用スピニングリールの逆転防
止機構が構成されると、逆転防止爪７は先端係合
部７ａをリール本体１の突出孔１ｂから前面に突
出させてビス１２で回動自在に支承するので逆転
防止爪の位置決めが容易で組み立てが簡単容易と
なり、先端係合部７ａは巻バネ輪５の回動方向に
従動して敏速に上下方向に移動され、先端係合部
７ａの側面にカム板４の係止面４ａが衝突されて
も、先端係合部はリール本体１の突出部で構成さ
れたストツパー壁１ｃと突出孔１ｂで衝撃力が受
け止められるので機械的強度が強化される。

上記説明ではストツパー壁１ｃをリール本体１
の前面に突設された突出部で構成したが、リール
本体とカム板４の間隙が狭い場合は突出孔１ｂの
一側のみでストツパー壁を構成して突出部を省略
してもよい。

上記摩擦輪６はカム板４と一体に形成してもよ
い。

本考案は上述のように構成されたから、構成簡
単で組み立て易く、先端係合部は巻バネ輪の回動
方向に従動して敏速に上下方向に移動され、先端
係合部の側面にカム板の係止面が衝突されても、
先端係合部はリール本体のストツパー壁で衝撃力
が受け止められて機械的強度が強化される等実用
上優れた効果を奏する魚釣用スピニングリールの
逆転防止機構が提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例が示され、第１図は魚
釣用スピニングリールの蓋とローターの一部を破
截した側面図、第２図はスプールとローターが取
り外されたリール本体の正面図である。 １…リール本体、１ｂ…突出孔、１ｃ，１ｂ…
ストツパー壁、２…回転軸筒、４…カム板、４ａ
…係止面、５…巻バネ輪、５ａ…環状部、７…逆
転防止爪、７ａ…先端係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リール本体前面に突出した回転軸筒に逆転方向
   に一箇所の係止面を設けたカム板を固定すると共
   に巻バネ輪を摩擦嵌合し、リール本体内に回動自
   在に支承した逆転防止爪の先端係合部を上記カム
   板の回転域に臨むようにリール本体から前面に突
   出し、該先端係合部の突出孔位置の一側にストツ
   パー壁を設け、上記巻バネ輪の一端を傾斜した略
   小判形の環状部に形成して環状部内に上記逆転防
   止爪の先端係合部を挿通したことを特徴とする魚
   釣用スピニングリールの逆転防止機構。