JPH0232694Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、合成繊維の延伸撚糸機のようにス
ピンドル基部にウエストスプールを備えた撚糸機
のウエストスプール取付構造に関するものであ
る。

（従来の技術） 合成繊維の延伸撚糸機において、スピンドル基
部に固定されているスピンドルワーブの上端に、
合成繊維糸条のウエスト部分を巻取るためのウエ
ストスプールを設けることが知られているが、従
来は、スピンドルワーブの上端に、スピンドルに
嵌着するためのボス部を一体に形成し、このボス
部外面にウエストスプールを嵌合により固着し、
このウエストスプールにウエストを巻取り、その
巻量が大きくなつたときは、このウエストをナイ
フで切断して取除いていた。

（考案が解決しようとする問題点） 従来のウエストスプールは、スピンドルワーブ
に固定されており、ウエストをナイフで切断して
取除くようにしていたので、その除去のためにナ
イフおよび危険な切断作業を要して厄介であつ
た。特にタイヤコードのような太い糸の撚糸機お
よびウエストスプールの下部にウエストスプール
を覆う筒状のウエストケースを備えた撚糸機で
は、上記の切断作業が著しく困難であり、更にタ
イヤコード用の撚糸機では切断作業の周期が短
く、これに要する時間が長くなり、そのため稼動
率が低くなるという問題があつた。

この考案は、ウエストスプールを容易に着脱す
ることができ、しかも運転中にウエストスプール
が外れることのないウエストスプールの取付構造
を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） スピンドルワーブ２上端のボス部３外周に周方
向溝３ｂを、また上記ボス部３の上面周縁部に上
記周方向溝３ｂに連通する縦溝３ｃをそれぞれ形
成する一方、上記ボス部３に着脱自在に嵌合され
るウエストスプール９の内壁に上記の周方向溝３
ｂおよび縦溝３ｃに嵌合可能なバヨネツト結合用
の突起９ａを設け、かつ上記スピンドルワーブの
周方向溝３ｂに沿つてこの周方向溝３ｂ内に弾力
的に突出するボールストツパ４および上記周方向
溝３ｂ内に突出する位置決めストツパ７ｂを、両
者間に上記ウエストスプール９の突起９ａが介在
可能な間隔で並設する。

（作用） スピンドル１に固定されているスピンドルワー
ブ２の上端のボス部３にウエストスプール９を、
上記ボス部３の縦溝３ｃとウエストスプール９の
突起９ａとを合わせて上方から嵌合し、このウエ
ストスプール９を、その突起９ａが周方向溝３ｂ
内のボールストツパ４に当るように強く回転する
と、ボールストツパ４が引込んでウエストスプー
ル９の回動を可能にし、上記突起９ａが周方向溝
３ｂ内の位置決めストツパ７ｂに当る位置で止め
られ、上記ボールストツパ４が再び突出し、位置
決めストツパ７ｂとボールストツパ４との間に上
記の突起９ａが挟まれる。そして、運転開始時、
運転中および運転停止時には、上記の突起９ａが
ボールストツパ４または位置決めストツパ７ｂの
いずれかに当接してスピンドルワーブ２からの離
脱が防止される。なお、ウエストスプール９に巻
かれたウエストは、ウエストスプール９をスピン
ドルワーブ２のボス部３から取外したのち、ウエ
ストスプール９の下方へ抜取られる。

（実施例） 第１図および第２図において、１はスピンド
ル、２はスピンドルワーブであり、スピンドルワ
ーブ２の上端のボス部３が上記スピンドル１の基
部に嵌合により固着されている。このボス部３
は、下端にフランジ３ａを、また上下方向のほぼ
中間外周に断面長方形の周方向溝３ｂをそれぞれ
備えており、上記ボス部３の上面周縁部に２個の
縦溝３ｃ，３ｃが対称的に、かつ上記周方向溝３
ｂに連通して削設される。そして、上記縦溝３ｃ
の時計方向側（第２図参照）にボス部３の上面か
ら周方向溝３ｂに達する小孔３ｄが穿設され、こ
の小孔３ｄにボールストツパ４、コイルスプリン
グ５およびスプリング押さえ６が順に挿入され、
ボールストツパ４が周方向溝３ｂ内に弾力的に突
出するように小孔３ｄの下端が細く絞られ、かつ
スプリング押さえ６が固定され、更に、この小孔
３ｄの時計方向側のボルト孔３ｅが穿設され、こ
のボルト孔３ｅにボス部３の上面からボルト７が
ねじ込まれ、その頭７ａがボス部３の上面に突出
し、下端のピン部７ｂが周方向溝３ｂに突出して
位置決めストツパを形成する。一方、ボス部３の
下端のフランジ３ａ上にウエストケース８が固着
され、その上面にウエストスプール９が着脱自在
に取付けられる。すなわち、ウエストスプール９
は、その内面に２個の突起９ａを対向状に備えて
おり、この突起９ａがスピンドルワーブ２のボス
部３の上方から縦溝３ｃを通じて周方向溝３ｂに
挿入され、この周方向溝３ｂを時計方向（第３図
の左方）に回されてボールストツパ４と位置決め
ストツパ７ｂとの間に固定される。なお、ウエス
トスプール９の外面にはウエストを抜き易くする
ためのテーパが付されている。しかして、１０は
ボビンであり、このボビン１０の下端のフランジ
１０ａ下面の掛止穴にボルト７の頭７ａが嵌合
し、この頭７ａによつてスピンドルワーブ２の回
転がボビン１０に伝動される。この実施例は、ボ
ルト７がボビン１０の駆動用回し金の作用とウエ
ストスプール９の回転を止めるストツパの作用と
を兼ね備えるので、構造が簡略化される。

上記の実施例において、縦溝３ｃ、ボールスト
ツパ４、位置決めストツパ７ｂおよび突起９ａの
個数は１個でもよく、また３個または４個等に増
加してもよい。また、ボールストツパ４、コイル
スプリング６およびスプリング押さえ６をパイプ
内にあらかじめ組込んでなるプランジヤープラグ
をボス部３の小孔３ｄに装着するようにしてもよ
い。

（考案の効果） この考案は、スピンドルワーブのボス部にウエ
ストスプールをバヨネツト結合するものであるか
ら、ウエストスプールの着脱が極めて容易であ
る。しかも、単なるバヨネツト結合ではなく、ウ
エストスプールの内面の突起が上記ボス部に取付
けられているボールストツパと位置決めストツパ
との間に挟まれるので、運転中にウエストスプー
ルが離脱することがなく、かつ上記ボールストツ
パが弾力的に突出するものであるからウエストス
プールの着脱に何ら支障が生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図（第２図
の−線断面図）、第２図は第１図の−線
断面図、第３図は第２図の−線断面図であ
る。 １……スピンドル、２……スピンドルワーブ、
３……ボス部、３ｂ……周方向溝、３ｃ……縦
溝、４……ボールストツパ、７……ボルト、７ｂ
……位置決めストツパ（ボルト７の先端のピン
部）、９……ウエストスプール、９ａ……突起、
１０……ボビン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 スピンドルワーブ上端のボス部外周に周
   方向溝を、また上記ボス部の上面周縁部に上記
   周方向溝に連通する縦溝をそれぞれ形成する一
   方、上記ボス部外周に着脱自在に嵌合されるウ
   エストスプールの内壁に上記の周方向溝および
   縦溝に嵌合可能なバヨネツト結合用の突起を設
   け、かつ上記スピンドルワーブの周方向溝に沿
   つてこの周方向溝内に弾力的に突出するボール
   ストツパおよび上記周方向溝内に突出する位置
   決めストツパを、両者間に上記ウエストスプー
   ルの突起が介在可能な間隔で並設したことを特
   徴とする撚糸機のウエストスプール取付構造。 〔２〕 縦溝が２個以上形成される実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の撚糸機のウエストスプ
   ール取付構造。 〔３〕 縦溝が対称位置に形成される実用新案登
   録請求の範囲第２項記載の撚糸機のウエストス
   プール取付構造。