JPH02214726A - ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法 - Google Patents

ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法

Info

Publication number
JPH02214726A
JPH02214726A JP3587089A JP3587089A JPH02214726A JP H02214726 A JPH02214726 A JP H02214726A JP 3587089 A JP3587089 A JP 3587089A JP 3587089 A JP3587089 A JP 3587089A JP H02214726 A JPH02214726 A JP H02214726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polymerization
monomolecular
thin film
monomolecular film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3587089A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Miyasaka
力 宮坂
Mitsunori Ono
光則 小野
Naoyuki Nishikawa
尚之 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3587089A priority Critical patent/JPH02214726A/ja
Priority to US07/480,699 priority patent/US5138026A/en
Publication of JPH02214726A publication Critical patent/JPH02214726A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は分子集合体からなる薄膜とそれを担持した材料
の製造方法に関するものであり、特に生体適合性の点で
優れたペプチド結合を有する光学活性アミノ酸の重合体
の薄膜とそれを担持した材料の製造方法に関するもので
ある。
(背景技術) 分子配列を持った単分子膜軸onolayer)および
単分子膜が複数積層されてなる累積膜(g+onola
yers=s+ultilayer)などの分子集合体
(molecularassembly)はその超薄性
とち密性を利用し、エレクトロニクスデバイス用素材や
表面保護用素材の他、気体分子やイオンの選択的透過性
を利用したセンサー用機能性薄膜やマテリアルデリバリ
−用透過制御膜としての広範囲な応用が期待されている
気−液界面に形成される両親媒性分子の単分子膜を支持
体上に累積する方法としてはラングミュア−プロジェッ
ト法が一般に知られ、この方法で作製された各種のLB
IIlは有機超薄膜として近年用途が広がっている〔固
体物理17 (12)45(1982)等参照〕。
LB膜を含む分子集合体は分子の配向と超薄性に基づ(
様々な機能性を発揮するものの、一方で物理的にデリケ
ートなため膜構造が破壊されやすく、また化合物によっ
ては膜の構造欠陥が多く高密度性が得られないといった
欠点を持っている。
これらの分子集合体の膜構造を物理的に強化し、均一で
高密度な膜を提供することはあらゆる目的に要求される
課題である。
分子集合体の膜構造を物理的に強化するための有効な手
段の一つは分子の架線または重合である。
LB膜などの重合については従来の重合性化合物と重合
様式がH,Baderら、Advances in P
olymerSCIeIIle6+  第64巻、1頁
(1985年)およびR、B”IIa c h lら、
Macromol、 Chew、 5upp1.+ 第
6巻、245頁(1984年)にまとめられている。
重合性の両親媒性化合物の研究が活発となったのは19
80年代に入ってからであり、当初は重合性化合物とし
てビニル系及びジエン、ジアセチレン系の不飽和化合物
を用い、紫外線(UV)あるいはT線等の放射線によっ
て重合する方法が広く採用された。しかしこれらの方法
による重合では堅牢な重合体は得られるものの、不飽和
結合の開裂後に分子配列の秩序を維持させることが困難
であった。
^ルaschewskyとH,Ringsdorb著、
Macromoleculc+第21巻、1936頁(
1988年)に指摘されるように、膜の配向はアルキル
鎖の長さと末端親木基の種類に大きく影響される結果、
秩序性の良好な重合性化合物は少数に限られるのである
A、LaschewskyらはまたJ、Am、Ches
、Soc、 、  第109巻、788v1.(198
7年)において、放射線重合等に有用な各種の不飽和結
合を有する両親媒性化合物について、秩序性維持のため
に重合基がスペーサーグループを介して担持されている
こ、との必要性を開示している。さらに特開昭57−1
59506号には、放射線重合による不飽和化合物(界
面活性剤)の単分子膜および累積膜の重合フィルムを超
濾過膜として利用する例が示されている。
これらの不飽和結合をもつ化合物放射線によって重合さ
せる従来の技術では次のような諸問題が欠点となる。す
なわち、第1に重合による配列構造の乱れあるいは分子
の無秩序な凝集・析出が起こりやすく、これを避ける目
的でスペーサー基の挿入などの特殊な分子設計を必要と
する。第2に紫外線やT線の照射は重合性両親媒性分子
としばしば共存する種々の添加物質の分解や変成をもた
らすことが問題となる。第3にこの種の重合で得られた
膜は通常生体適合性に極めて乏しく薬物等の透過制Va
等としての生体組織への応用は制限される。
そこで放射線を用いない重合法として例えばジチオール
の酸化重合によってジスルフィド結合を形成する方法が
例えばJ、^置、Chem、Soc、、  第109@
、4419頁(1987年)に示されてより、あるいは
上述の不飽和結合をもつ化合物を開始剤存在下でラジカ
ル重合させる方法が有用である。
しかしながらこれらの方法では、重合時に開始剤を必要
とするため、これを重合完了後に膜系から除去する工程
を必要とするほか、酸化還元剤などを含める開始剤が共
存物質へ与える影響も問題となる。
さらに重合形態を改善し生体適合性を向上させたものと
してアミノ酸誘導体の分子膜をカルボジイミドの共存下
で縮合重合させる方法がJ、Am。
Chew、Soc、+  第108@、487頁(19
86年)において試みられているが、この方法でも縮合
剤や副生物の残存が問題となりまた縮合反応の効率を制
御する必要が伴うため扱いは容品でない。
〔発明が解決しようとするLl!l1l)従って本発明
の目的は以上の従来法の問題点を解決し、第1に放射線
や重合開始剤を用いることな(重合される分子配列性の
良い重合薄膜およびそれを担持した材料の製造方法を提
供することを目的とし、第2に重合が自己重合によって
自然自発的に高収率で進行する重合薄膜とそれを担持し
た材料の製造方法を提供することを目的とし、第3には
生体適合性の点でも優れた重合性薄膜を提供することを
目的とするものである。
(課題を解決するための手段〕 本発明の目的は、一分子中に疎水部とアミノ酸エステル
構造を持つ親木部を有し、該エステルの離脱基の共役酸
のpKaが14以下である両親媒性化合物を含む単分子
膜またはその累積膜を重合することによって得られるポ
リペプチド薄膜および一分子中に疎水部とアミノ酸エス
テル構造を持つ親水部を有し、該エステルの離脱基の共
役酸のpKaが14以下である両親媒性化合物を含む単
分子膜を気−液界面に形成し、該界面において重合させ
た後で支持体上に移しとるか、または前記単分子膜を支
持体上に単分子膜または累積膜として移しとった後で重
合させることを特徴とするポリペプチド薄膜を担持する
材料の製造方法によって達成された。
本発明の重合単分子膜または累積膜は Lanqs+uir−Blodgett法を含む単分子
膜被覆法によって支持体上に担持された超薄膜であり重
合の主鎖がポリペプチドすなわちアミノ酸のアミド結合
の連鎖によって構成されることを特徴とする。すなわち
、本発明の重合膜は下記の反応によって反応活性すなわ
ち求電子性のエステル基を有する両親媒性アミノ酸誘導
体が縮合重合しアミド結合の骨格を形成したものである
1?              R ここでnは2以上の整数を表わす、R,R’Xについて
は後述する。
本発明の重合薄膜の形成方法について説明する。
重合薄膜の形成には気−液界面での重合と支持体上での
重合の2種のいずれも用いることができる。
気−液界面で重合を行うためには、本発明の両親媒性の
アミノ酸エステル誘導体モノマー(前記式(I))の単
分子膜を単分子膜製造用トラフの水相(subphas
e)上に適当な有機溶媒より展開して作製し、水面上で
適当な時間、好ましくは30分〜数時間の間装置してお
けばよい、水相は純水もしくは緩衝液等の塩溶液が使用
でき、好ましくはそのpHを用いるモノマーのエステル
分解の平衡定数に依存し5〜9の範囲内で制御する。
水相の温度は室温から60℃までの範囲が好ましく、反
応を促進するためには高い温度が選ばれる0反応中の単
分子膜の表面圧力は5〜40dyne/cmに保つこと
が好ましく、10〜25 dyne/ c:mに保つこ
とがより好ましい0表面圧力は通常一定値に制御される
が、反応の進行とともに増加もしくは減少させてもよい
0反応終了後に水面上の重合膜をLaffgs+uir
−Blodgett法(垂直浸漬法)、水平付着法など
の方法によって親水性もしくは疎水性の支持体上に1層
ないし多数層を順次移し取ることにより、重合単分子膜
は重合累積膜が形成される。
第2の方法は前記両親媒性のアミノ酸エステル誘導体モ
ノマー(1)の単分子膜を水面上に形成しこれを上述の
方法で支持体上に移し取った後、この支持体上で累積膜
を放置することにより重合を進行させる方法である。こ
の方法において単分子膜を反応に先立って支持体上に累
積するためには、水相を重合反応を抑制するような条件
、例えば低いpHや低温の条件に保つことが必要となる
支持体上に累積されたモノマーは、重合を促進させる条
件、例えば加熱やアルカリ性ガス(例えばNH,など)
へさらしたりアルカリ性水溶液に浸漬することによって
重合させることができる。
これらの2種の重合方法のうち、反応の許容性の点で好
ましいのは前者の気−液界面上重合の方法である。しか
しながら反応の効率の点では必ずしもこの限りでなく、
用いるモノマーの安定性によって使い分けることができ
る。
本発明で用いる両親媒性のアミノ酸エステルは下記の一
般式(I)で表わされる。
(I)0 HEN−CHCXR’ 占 式中、Rは長鎖アルキル基(好ましくは炭素数12〜2
0の直鎖状アルキル基)を含む有機基であり、XR+は
その共役酸のpKaが14以下の離脱基である。Xは一
〇−−3−または−N (R” )−を表わす(R1は
水素原子、アルキル基、アリール基、RzはR1と互い
に連結して環を形成してもよい、この環は更に窒素など
のへテロ原子を含んでいてもよく、また不飽和結合を有
していてもよい)、Xとしては一〇−が好ましい、RI
としては、例えばアリール基(置換アリール基を含む0
例えばフェニル、ナフチル、置換基としては例えばニト
ロ基、ハロゲン原子)、ハロアルキル基(例えばモノク
ロルメチル、ジクロルメチル、トリクロルメチル)、ア
シルアミノ基(例えばN−メチルアセチルアミノ基、N
−メチルベンゾイルアミノ5) 、−N−CR”  (
R’ )(ここでR1、R4は水素原子、アルキル基、
了り−ル基を表わす、このアルキル基、アリール基は置
換基を有するものを含む)、アルケニル基、アルキニル
基が挙げられる。中でも置換アリール基を含むアリール
基が好ましい。
Rの直鎖状アルキル基としては、炭素数は16〜20で
あることが好ましく、該アルキル基がアミノ酸残基と連
結基を介して結合する場合は、連結基は−NHCO−−
NHCOO− −NHCON)I−−NHCO−3−−0−−3−−C
oo−−0PO3e*たはこれらとアルキル基の組合せ
などが好ましい。
次に本発明のアミノ酸エステル(モノマー)の好ましい
具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
NH。
■−4 X=C1,Br、 Iまたは !−10 X諺Cj!、 Br+ 1またはF しUS HJ  CC−OR’ 以下にR= Cls Hs t (n)である場合の合
成例を挙げ化合物1′ (化合物1においてR−Ctm
Hzv(n))は T、Folda、  L、Gros
、  H,Ringodorf  Makromol。
N11゜ CI!。
■−2O H1 C+Jst  CHC0−CH震−CI = CHzH
I CtmHzv  CHC0−CHg  c=cu前記の
アミノ酸エステルは下記の合成経路によって合成するこ
とができる。
Chew、  Rapid  Commun、  3 
巻 167  頁 (1982年)に記載の方法に準じ
て合成した。化合物1′の■、pは94°〜98℃、こ
の化合物のrRスペクトル(Nujol)は1760C
I−’ (エステルカルボニル) 3200cm−’、
1640cm−’、1550CIIす(アンモニウム塩
)を示した。
化合物1’ 35g (0,093モル)をテトラヒド
ロフラン200dに溶かし、EhN21g(0,19モ
ル)を加え室温で10分間攪拌した。
その中に、ジーtart−ブチルカーボネート(東京化
成品)243g (0,14モル)を加えそのまま室温
にて10時間攪拌した0反応終了後テトラヒドロフラン
を減圧留去して、酢酸エチルエステル20(ldと水2
00dを加え抽出した。これを2回繰り返し、得られた
有機層を飽和NaC1水にして1回洗浄しNa1SO,
にて乾燥する。有機溶媒を減圧留去すると白色結晶が得
られた。これをエタノール/ヘキサン系で再結晶すると
化合物2′〔化合物2においてR=l+J3?(n))
が41g得られた。
m、p、     85〜886 I R3350cm−’ (NH) (Nujol)  1760cm−’ (エステル)1
720cm−’ (ウレタ7) 化合物2’  log (0,024モル)をテトラヒ
ドロフラン: CH3OH怠2:1の混合溶液200d
に溶解しその中に水酸化ナトリウム2g(0゜05モル
)の水溶液10mを滴下した。室温にて12時間攪拌し
、水浴にて冷却しながら希塩酸によりpH−4付近に酸
性化した。水を200d加え、酢酸エチル100dにて
3回抽出し、有機層を水洗してNatSO4にて乾燥し
た。有a溶媒を減圧留去すると結晶が得られた。酢酸エ
チル/ヘキサンにて再結晶を行なうと化合物3′ 〔化
合物3においてR=C+5Hit(n))が7.2g得
られた。
11、G1.  121〜1241 1 R3400cm−’ (NH) (Nujol) 2800〜2600cm−’ (カル
ボン酸OF+)1720cm−’ (カルボン酸カルボ
ニル)1700Cm−’(ウレタン) 本特許に記載されている長鎖アルキルを有する活性エス
テル類は、化合物1に種々のアルコール体とジシクロへ
キシルカルボジイミドという縮合剤を用いることにより
合成された。
以下にフェノールを用いた場合を代表例として記す。
化合物3’  1.8g (0,0042モル)とフェ
ノール0.4g (0,0043モル)を酢酸エチルエ
ステル100d中に溶解し、ジシクロへキシルカルボジ
イミド(東京化成品)0.95g(0,0046モル)
を加えた。そのまま12時間室温で攪拌した後、水浴に
て冷却し、沈澱物を濾去した。母液をfi縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると
(溶離液ヘキサン:酢酸エチル:8:1)化合物4a(
化醜、p、     125〜129゜ I R3360CII−’ (NH) (NuJol)  1780 C1−’ (エステル)
1695cm−’(ウレタン) 1600cm−’(−置換ベンゼン) 化合物4a  Igを無水クロロホルム10aeに溶解
し水浴にて0℃まで冷却しその中にCFsCOz)Iを
51d加えて0℃で30分間攪拌した。溶媒を減圧留去
し、得られた白色結晶を再度クロロホルム20idに溶
解し5%NaHCO,水溶液lO−を用いて2回クロロ
ホルム層を洗浄した。クロロホルム層を水洗後、Naz
SOaにて乾燥し、溶媒を水浴を用いて減圧留去すると
目的の化合物1−3が0.7g白色結晶として得られた
この化合物は、室温に放置すると分解するのでIRスペ
クトル(第4回に示した)にて構造を確認後精製するこ
となく膜製造工程に供した。
同様の方法をもって他の化合物を合成した。
化合物は不安定なのでその中間体4b〜4eの繭、p、
を示す。
本発明において単分子膜または累積膜を被覆する支持体
(基板)は親水性または疎水性の表面をもつ各種の有機
樹脂材や無機材料が用いられる。
これらは平坦なものであってもよいし、多孔性あるいは
繊維状の三次元網目構造をもつものであってもよい。
平坦な材料としては、各種金属等の導電材料ガラス状無
機物(ガラス、石英など)やその他の無機絶縁体、各種
の無機および有機の結晶、無機半導体(S n Ox 
、I nz Os 、Z n Os T iOx、WO
,、GaAs、S Lなど)、有機半導体、有機伝導体
、有機重合体、および上記素材の複合材料など各種の材
料が用いられる。材料は外部の電気的回路に接続された
電橋やその他のセンサー(電界効果トランスジューサー
など)であってもよい。
多孔質の材料は主に透過膜やフィルターとして用いると
きの支持体として有用であり、これらは例えば有機、無
機のミクロポーラスフィルターセルロース樹脂系のフィ
ルム、その他各種の多孔性ポリマーフィルムが含まれる
本発明に使用する単分子膜用展開溶媒としては、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、ベンゼン、トルエン、エーテ
ルなどの常用の揮発性非極性有機溶媒の他、これらとア
ルコール、水などの極性親水性溶媒との混合物も用いら
れる。
水面上の単分子膜を基板や支持体の表面上へ被覆するに
は、LB法を含める種々の累積方法を用いることができ
る。垂直式付着法であるLB法については例えば、ジャ
ーナル・オプ・アメリカン・ケミカル・ソサエテ4  
(J、A閣、Chem、Soc、)第57巻、1007
頁(1935年)、ゲインズ(G、L、Ga1ns、J
r)著「インソルブル・モル−ヤーズ・アット・リキッ
ド−ガス・インターフェイス」(Insoluble 
 Monolayers  at  Liquid−G
asInter4aces) J 、(Intersc
ience)、New York (1966年)、あ
るいは福田清成著、材料技術、第4巻、261頁(19
86年)などに説明されている。
被覆の方法としては、この他水平付着法、回転付着法(
例えば特開昭60−189929号、同61−4239
4号など)等の様々な方法が適用される。累積膜は、単
分子膜を基板上に被覆する操作を繰り返し行うことによ
って得られる。
効率のよい累積のためには特願昭63−54680号に
記載される改良型水平付着法や特開昭60−20924
5号などに記載の連続式累積法を用いることもできる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の態様はこれら
に限られるものではない。
〔実施例1〕 両親媒性のアミノ酸フェニルエステルとして例示化合物
1−1をジクロルメタン1mMの濃度に溶解して展開溶
液とした。ラングミエアフィルムバランスを用いこの溶
液をpH7,4の10−”Mリン酸緩衝溶液の水相上に
展開して単分子膜を作製した。ベルトドライブ式バリア
ーによってこの単分子膜を製膜直後に101:7分の速
度で圧縮し、単分子膜の20℃における表面圧−分子占
有面積(π−A)特性を測定し第1回のAの結果を得た
。π−A特性より良好な単分子膜を形成することが示さ
れた。この緩衝液水相上で15dyne/1の一定表面
圧のもとで単分子膜を約2時間室温で放置し、重合を進
行させた。この放置の後に改めてπ−A特性を測定した
結果、第1図のBの特性が得られた0重合によって分子
が高密化されて膜の収縮が起こり、破壊圧力も向上して
膜が強化されたことが明らかである。
この重合膜を30dyne/cmまで圧縮した後水平付
着法によって金蒸着ガラス基板上に40Mを累積した。
累積膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトルを全表面上で
反射吸収法によって測定した結果、フェニルエステルの
特性吸収帯が消失し、アミド結合の生成を示す吸収帯が
1650〜1700cm−’に出現し、重合によってポ
リペプチドの生成したことが示された。さらに、シリコ
ン基板上に累積した試料を透過法によって測矩した場合
のスペクトルと比較したところ反射法においては長鎖ア
ルキル基のC−H伸縮の吸収がアミドのC−0伸縮の吸
収に対し顕著に低下しており、長鎖アルキルの軸が基板
面に対し垂直に配向していることがわかり分子配列が維
持されていることが確かめられた。
〔実施例2〕 アミノ酸フェニルエステルとして例示化合物■−3を用
いて実施例1に従って展開溶液を作製し、π−A特性を
20℃において測定した0重合前のモノマーについて第
2図のCの特性が得られた。
この単分子膜を35℃で約80分間25 dyne /
 cmの一定表面圧のもとてp)!7.4の水面上に放
置して重合を行い、重合後に再びπ−A特性を測定した
結果、第2図りの特性が得られ重合によって膜の収縮と
強化が起こったことが明らかである。
重合速度を測定するために単分子膜を任意の時間後にS
tウェハ基板上に水平付着法によって約40層累積し、
累積膜の赤外吸収スペクトルを透過法によって測定し、
フェニルエステルの特性吸収(〜1750CI−’)の
減少率を調べた。その結果、10分の反応後には約50
%、60分の反応後には約90%のエステルが消失して
アミド結合を形成したことが示された。
〔比較例〕
比較として下記の両親媒性のアミノ酸メチルエステルの
モノマーを用いて実施例1と同様な方法で水面上に形成
した単分子膜の重合を行った。
水相としてpH7,4の緩衝水溶液を用い、温度は20
°Cと35℃の2点で測定を実施した。上記モノマーの
20℃におけるπ−A特性は例示化合物!−3と類似の
特性を示し、破壊圧力は35dyne/cm付近にみら
れた。20℃および35°Cのそれぞれの水相上でこの
単分子膜を156yne/cmの一定表面圧に保持して
約2時間放置したが、膜の面積変化はほとんど起こらな
かった0次に、実施例2と同様にこれらの膜をSiウェ
ハ上に40層を累積してFT−I Rスペクトルを測定
した。
その結果、いずれの温度の系とも累積膜のもつIRスペ
クトルにはエステルの強い吸収(〜1730C11−’
)が残存し、アミド結合の生成はほとんど認められなか
った。さらにこの単分子膜を15dyne/cmの表面
圧下でよりエステルの活性を高めるpH9の水相上で約
20時間室温で放置した後、同様に累積して吸収を測定
したことろ、1600〜1700CII−’にアミド結
合の生成によるとみられる弱いブロードな吸収が認めら
れたが、エステル基の鋭い吸収は依然として残存し、反
応の終結には至らなかった。このアルキルエステル誘導
体の重合速度は本発明のアリールエステル誘導体に比べ
少なくとも2桁以上小さいと考えられる。
〔実施例3〕 実施例1で用いた化合物の重合膜を実施例1と同様な方
法で30 dyne/cm下でグラジ−カーボン電極の
表面に4層〜16層を累積し、電気化学測定にもとづく
透過性の評価を実施した。
透過の対象として金属イオンを基質に選びKs Fe 
(CN)61mM、KNo、10mMから成る中性の電
解液中に上記の重合膜被覆グラジ−カーボン電極を浸し
て、重合膜を透過するFe3+イオンの速度をFe”/
Fe”の酸化還元電流のサイクリックポルタンメトリー
を行うことによって測定した。電極電位は飽和カロメル
電極に対して制御し、電解はNlガスバージ下で行った
。ポルタモグラムはおよそ30回のくり返し電位走査の
後に測定した。ポルタンメトリーは本発明の重合膜につ
いて行うとともに、重合前のモノマーの単分子膜を展開
直後に電極に累積したものについても行って、両者を比
較した。
第3図A、Bはこの結果を示す。
サイクリックポルタモグラムに示された電流値ピーク(
すなわちFe”″の膜透過量に相当)はモノマーの累積
膜の系(第3図A)では8層(曲線2)程度の暦数から
低下が目立ち、16層(曲線3)の累積によって約1/
7に低下したが、重合・膜すなわちポリペプチド膜の系
(第3図B)では既に4層(曲線5)の累積によって約
115の電流低下が起こり、8層(曲線6)では2桁ま
で低下した。
すなわち、重合の結果、著しい透過抑制効果かえられた
ことが明らかである。比較例で用いたメチルエステル体
について同様なポルタモグラムを測ったところ、電流抑
制効果は8層累積で1/2〜1/3程度の低下と小さか
った。
【図面の簡単な説明】
第1図 Aは例示化合物1のモノマーの単分子膜、Bは
重合後(室温で2時間)の単 分子膜の表面圧カー分子占有面積(π −A)の20℃での等温特性を示す。 第2図 Cは例示化合物3のモノマーの単分子膜、Dは
重合後(室温で2時間)の単 分子膜の20℃でのπ−A等温特性を 示す。 第3図 Aは例示化合物lのモノマーの累積膜に関する
ポルタモグラムであり、lは 膜なし、2は8層から成る膜、3は1 6層から成る膜である。 Bは例示化合物lの重合累積膜に関す るポルタモグラムであり、4は膜なし くlと同L;)、5は4層から成る膜、6は8層から成
る膜である。 第4図 化合物1−3の赤外吸収スペクトルを示すチャ
ートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一分子中に疎水部とアミノ酸エステル構造を持つ
    親水部を有し、該エステルの離脱基の共役酸のpKaが
    14以下である両親媒性化合物を含む単分子膜またはそ
    の累積膜を重合することによって得られるポリペプチド
    薄膜。
  2. (2)一分子中に疎水部とアミノ酸エステル構造を持つ
    親水部を有し、該エステルの離脱基の共役酸のpKaが
    14以下である両親媒性化合物を含む単分子膜を気−液
    界面に形成し、該界面において重合させた後で支持体上
    に移しとるか、または前記単分子膜を支持体上に単分子
    膜または累積膜として移しとった後で重合させることを
    特徴とするポリペプチド薄膜を担持する材料の製造方法
JP3587089A 1989-02-15 1989-02-15 ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法 Pending JPH02214726A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3587089A JPH02214726A (ja) 1989-02-15 1989-02-15 ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法
US07/480,699 US5138026A (en) 1989-02-15 1990-02-15 Polypeptide thin film

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3587089A JPH02214726A (ja) 1989-02-15 1989-02-15 ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02214726A true JPH02214726A (ja) 1990-08-27

Family

ID=12454029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3587089A Pending JPH02214726A (ja) 1989-02-15 1989-02-15 ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02214726A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008218404A (ja) * 2007-02-08 2008-09-18 Nippon Shokubai Co Ltd イオン伝導性材料及びその用途
WO2022021705A1 (zh) * 2020-07-30 2022-02-03 齐鲁工业大学 一种高电位超亲水性多肽单层膜及其制备方法与应用
WO2022021704A1 (zh) * 2020-07-30 2022-02-03 齐鲁工业大学 一种高电位疏水性多肽单层膜及其制备方法与应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01240524A (ja) * 1988-03-22 1989-09-26 Mitsubishi Kasei Corp ポリアミノ酸およびその製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01240524A (ja) * 1988-03-22 1989-09-26 Mitsubishi Kasei Corp ポリアミノ酸およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008218404A (ja) * 2007-02-08 2008-09-18 Nippon Shokubai Co Ltd イオン伝導性材料及びその用途
WO2022021705A1 (zh) * 2020-07-30 2022-02-03 齐鲁工业大学 一种高电位超亲水性多肽单层膜及其制备方法与应用
WO2022021704A1 (zh) * 2020-07-30 2022-02-03 齐鲁工业大学 一种高电位疏水性多肽单层膜及其制备方法与应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0209114B1 (en) Amphiphilic polyimide precursor and process for preparing the same
JP4456604B2 (ja) エレクトログラフティングによって導電性または半導電性表面にポリマーフィルムを形成するための方法、得られる表面、およびそれらの用途
FR2640801A1 (fr) Polyelectrolyte solide et procede pour sa preparation
US5138026A (en) Polypeptide thin film
CA1280866C (en) Process for forming film
JPH02214726A (ja) ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法
US5198224A (en) Polypeptide thin film
TWI508948B (zh) 位在基材上的化學膜具有n-羥基琥珀醯亞胺基的聚對二甲苯以及其形成方法、製作具有n-羥基琥珀醯亞胺基的對環芬的方法
US5095090A (en) Polypeptide thin film from amphiphilic compounds
Puggelli et al. Langmuir-Blodgett monolayers and multilayers of stearic acid and stearyl amine
JPH02272034A (ja) ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法
JPH0157614B2 (ja)
JPH02272035A (ja) ポリペプチド薄膜とこれを担持する材料の製造方法
JP6996049B2 (ja) 気体分離膜活性層形成用の組成物の製造方法、これによって製造された気体分離膜活性層形成用の組成物、気体分離膜の製造方法および気体分離膜
US5071915A (en) Fluorine-containing polymeric compound and a method for the preparation thereof
JPH0616833A (ja) 再生ポリグルカン薄膜の製造方法
JPH02129216A (ja) ポリ尿素およびポリ尿素の少なくとも一つの単分子膜より成るフィルム
JPH036222A (ja) 光学活性ポリペプチド薄膜
JP2003261622A (ja) ジコレステリルジアセチレン誘導体
JPH03197400A (ja) 有機薄膜
JPH03221504A (ja) シクロデキストリンポリマーの合成方法及びシクロデキストリン膜の製造方法
JPH0657306B2 (ja) シクロデキストリン残基を有する含フッ素高分子化合物と超薄膜及びその製造方法
JPH03296516A (ja) シクロデキストリン被覆の固体基体
JPH0560994B2 (ja)
JPS63117003A (ja) シクロデキストリン誘導体