JPH02125883A - 焼鈍分離剤用マグネシアの乾燥方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、方向性電磁鋼板の仕上げ焼鈍に際して、板間
の焼付きを防止し、フォルステライト被膜を形成するた
めに鋼板表面に塗布される焼鈍分離剤の主成分として使
用されるマグ不ソアの乾燥方法に関する。

〔従来の技術〕

方向性電磁鋼板は、熱延鋼板をたとえば焼鈍冷延、脱炭
した後、コイル状に巻き取り、仕上げ焼鈍している。こ
のとき、仕上げ焼鈍時の高温により板間に焼付きが生じ
ることを防止するため、鋼板の表面にマグ２、シア系を
主成分とする焼鈍分離剤が塗布されている。この焼鈍分
離剤は、鋼板表面に生成している５１０２系のサブスケ
ールと反応して、絶縁被膜として有効なフォルステライ
ト（Ｍｇａ　ｓ　：　０１＞を生成する役割をももつ。

この焼鈍分離剤は、マク不ンアと各種添加物とをスラリ
ー状に調整し、湿式で鋼板の表面に塗布している。その
ため、仕上げ焼鈍時の昇温過程で水和したマグネシアか
ら水分が放出される。この放出された水分は、鋼板の酸
化を促進させ、また鋼板表面に形成されるフォルステラ
イト被膜にバラツキを発生させる原因にもなる。特に、
雰囲気ガスから窒素を鋼板に吸収させ、窒化物系のイン
ヒビターを形成させる方向性電磁鋼板の製造方法にあっ
ては、放出水分により窒素の吸収が阻害され、二次再結
晶が不良となる。

そこで、放出水分の影響を無くすた必、高温で焼成し水
和水の少ないマグネノアを主成分とする焼鈍分離剤を使
用することが特開昭５３−１５２０５号公報、特開昭５
９−９６２７８号公報等で提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

高温焼成されたマグネシアを使用するとき、水分放出に
起因する欠陥をある程度抑制することができる。しかし
、この焼鈍分離剤を方向性電磁鋼板に塗布する際には、
鋼板に対する付着性、塗布の一様化等のために、焼鈍分
離剤を一旦水と混合し、スラリー状にする。そのため、
水分の持込みを避は難く、前述の問題を解決するに至っ
ていないのが実情である。

そこで、本発明は、かかる問題を解決するものであって
、仕上げ焼鈍時の昇温過程における水分の放出を抑制し
、しかもフォルステライト被膜形成時にはＭｇＯ＆Ｓｉ
Ｏ２との反応遂行に必要な水分を放出することができる
焼鈍分離剤を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の乾燥方法は、その目的を達成するために、水和
水分を含有するマグネシアを、フォルステライト被膜形
成温度域で予備乾燥させることを特徴とする。

〔作用〕

マグネシアの水和水分量は、第１図に示すように高温に
なるほど低下する。そのため、従来のようにマグネシア
をスラリー状にして塗布した鋼板を加熱するとき、フォ
ルステライト被膜形成開始温度（たとえば約９５０℃）
以前の段階で水和水分が焼鈍分離剤から放出される。こ
の水分が、コイルの板間に滞留し、前述したように鋼板
を過度に酸化させる原因となる。また、雰囲気ガスの窒
素分圧を下げ、板幅方向に窒素吸収量を変動させること
にもなる。

そこで、本発明においては、マグネシアをフォルステラ
イト被膜形成温度域で予め加熱乾燥させる。この処理に
よって、焼鈍分離剤を静電塗布した鋼板を仕上げ焼鈍す
るとき、予備乾燥温度に至るまで、焼鈍分離剤から水分
が放出することがなくなる。そのため、雰囲気ガスが放
出水分による悪影響を受けることなく、コイルの昇温が
行われる。

また、焼鈍分離剤が予備乾燥温度を超えて昇温するとき
、残余の水和水がマグネシアから分離して放出される。

この放出水より生成するＯＨ基がＭｇＯ粒子の表面に吸
着され、陽イオン空位が形成され、またこれが離脱する
と陰イオン空位を生じるが、このような空位濃度の増大
によって拡散が促進され、焼結反応が促進され進行し、
フォルステライト被膜が形成される。すなわち、予備乾
燥されたマグネシアを主成分とする焼鈍分離剤では、過
酸化や窒化反応抑制を生じるような水和水分がなく、一
方、フォルステライト被膜形成に必要な永和分が確保さ
れている。

このようにして、本発明に従って乾燥されたマグネシア
を主成分とする焼鈍分離剤は、仕」−げ焼鈍時における
鋼板の昇温過程のフォルステライト被膜形成開始まで水
分を放出するこさなく、被膜形成過程では必要な水分を
放出する。その結果、酸化、窒化不良等の欠陥を発生さ
せることなく、優れた品質のフォルステライト被膜が形
成され、磁性的にも安定した方向性電磁鋼板が得られる
。

この焼鈍分離剤は、非水和のマグネシアと併用すること
ができる。非水和のマグネシアは、水和水分が皆無とい
われるほどであるので、水和水の持込みが無く、過酸化
等の問題を生じない。しかし、フォルステライト被膜形
成時に、５ＩＯ２との反応性に劣る。この一長一短のた
めに、非水和マグネシア単味ては良好なフォルステライ
ト被膜の形成は難しい。この非水和マグネシアを本発明
の高温焼成したマグネシアと混合して使用すると、フォ
ルステライト被膜の形成時に必要な水分が確保され、且
つ非水和マグネシアの特性も活かされて、優れたフォル
ステライト被膜が形成される。

また、雰囲気ガスからの窒素吸収を促進させ、二次再結
晶を安定化させるために、窒化クロム窒化チタン、窒化
バナジウム、窒化マンガン等の窒化物を添加することも
できる。

水和マクネシアの予備乾燥温度は、鋼板の仕上げ焼鈍時
におけるフォルステライト被膜形成温度域、すなわち焼
鈍分離剤中のマグネシアと鋼板表面の酸化層Ｓ　＋　０
２が反応し、被膜を形成する温度域である。この温度域
は、鋼板表面にある酸化層の組成、雰囲気ガスの露点、
不可避的不純物も含めた焼鈍分離剤への添加物等により
変動するが、通常９２０〜１１００℃の範囲にある。

〔実施例〕

Ｃ００５％、Ｓｉ３．２％、　Ｍｎ　０．１２％　３０
．０８％、Ａ１０．０３％、　Ｎ　Ｏ，０５％を含有す
る熱延鋼板を１１２０℃で３分間焼鈍した後、板厚０．
３ｍｍに冷間圧延し、８５０℃で３分間水素雰囲気中で
脱炭焼鈍した。この焼鈍板に焼鈍分離剤を塗布して、幅
１０００ｍｍ、　内径６００關の１０トンコイルに巻き
取って、８２７５％、Ｎ２２５％の雰囲気中で１１５０
℃Ｘ３０時間仕上げ焼鈍した。得られた製品の特性を、
次の表に示す。

なお、数表における実施例では、水と混じえて水和した
マグネシアを９５０℃で予備乾燥したものを基材とし、
これにＭｎＯを５％、ＴｉＯを２％添加したものを焼鈍
分離剤として使用し、６ｇ／ｍ″の割合で焼鈍板に静電
塗布した。他方、比較例では、予備乾燥しないマグネシ
アを使用する外は、実施例と同様の条件下で焼鈍分離剤
を焼鈍板に塗布した。また、二次再結晶は、結晶方位の
集積度（ゴス方位からのズレ角度）によって判定し、被
膜密着性は、１０ｍｍ径曲げ時の被膜の剥離度合によっ
て判定した。

この表から明らかなように、予備乾燥したマグネシアを
使用した本実施例では、鋼板に対する密着性に優れた被
膜が形成され、磁気特性も大幅に向上している。しかも
、磁束密度、鉄損共にバラツキが少なく、安定した品質
をもつ電磁鋼板が得られた。

これに対し、比較例では得られた被膜の密着性は低く、
一部に剥離が見られた。また、磁束密度及び鉄損共に低
い値を示しており、しかもバラツキの大きなものであっ
た。

〔発明の効果〕

以上に説明したように、本発明においては、フォルステ
ライト形成温度域でマク不シアを予備乾燥させ、これを
方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の主成分としている。その
ため、仕上げ焼鈍時の昇温過程において焼鈍分離剤から
水分を放出することなく、フォルステライト被膜形成段
階でＭｇＯと３１０、と反応を促進させる水分を放出し
ている。

そのため、焼鈍された鋼板にスケール、被膜のバラツキ
、二次再結晶不良等が発生ずることなく、安定した品質
をもつ電磁鋼板を製造することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、水和マグネシアの水和水分量を温度との関係
において表したグラフである。 特許出願人　　　　新日本製鐵　株式會社代　　理　　
人　　　　　　小　　堀　　　益　（ほか２名）第 図 温度 ℃

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、水和水分を含有するマグネシアを、フォルステライ
   ト被膜形成温度域で予備乾燥させることを特徴とする焼
   鈍分離剤用マグネシアの乾燥方法。