JPH0211267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動二輪車（自動三輪車及びバギータ
イプの四輪車を含む）の燃料タンクの取付構造の
うち、特に燃料タンクの後部近傍に電装品等を配
置したものに関する。

（従来の技術） 自動二輪車等の燃料タンクは一般に、メインフ
レーム或いはメインフレームから後方へ延出され
るシートフレームに燃料タンクを跨設し、燃料タ
ンク後端に設けた取付片をメインフレーム或いは
シートフレームに設けたステーに防振用のクツシ
ヨン材を介して重ねて固着するようにしている。

そして、燃料タンク後端部下方のスペースを利
用して、スタートマグネツトスイツチ或いはバツ
テリー等の電装品を取付けている。

（考案が解決しようとする問題点） 上述したように自動二輪車等にあつては、燃料
タンク後端下方には各種電装品を配置する構成と
なつている。一方、燃料タンクの形状は中央から
後方に向つてその上面が下方へ湾曲した形状とな
つており、例えば雨天時、洗車時にあつては、燃
料タンク上面に付着した水滴は燃料タンク上面を
伝つて後下方へ流れ、燃料タンク後端部から下方
に落下し、水の付着をきらう電装品に水滴が落下
する。このため各電装品をカバー等で保護する
か、若しくは各電装品の取付位置を燃料タンク下
方から離れた位置にしなければならないという問
題がある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本考案は、燃料タンク
の後端部が上方から重ねられて取り付けられる取
付部材をステーとクツシヨン材から構成し、この
クツシヨン材には、燃料タンクの後端部より後方
位置に車幅方向に伸びる溝部を形成した。そして
この溝部を形成する後方の壁部の上端部の高さ
は、燃料タンクの後端縁より高く位置させた。

（作用） 取付部材の上面に形成した溝部に燃料タンク上
面を伝つて流れ落ちた水が入り込み、そのまま車
体側方に導かれ、スタートマグネツトスイツチ等
の電装品より外側に水を落下せしめ、電装品に水
がかからない。

この際燃料タンク上面から流れ落ちる水は、溝
部後方の高さの高い壁部によつて確実に溝部内に
導かれ、該溝部を乗り超えて直接下方に流れ落ち
るようなことがない。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。

第１図は本考案に係る燃料タンク取付構造を適
用した自動二輪車の全体側面図、第２図は同自動
二輪車の燃料タンクを取付けるフレームの構造を
示す側面図であり、自動二輪車１はヘツドチユー
ブ２から後方に板状のメインフレーム３を延出
し、このメインフレーム３からダウンチユーブ４
を下方へ延出し、このダウンチユーブ４の下端か
ら一体的にロアーチユーブ５を後方へ延出し、こ
のロアーチユーブ５の後端から上方へセンターチ
ユーブ６を延出し、このセンターチユーブ６の上
端部をメインフレーム３の後端部に結着し、更に
メインフレーム３の後端部からは後方に左右一対
のシートレール７，７を延出し、このシートレー
ル７と前記センターチユーブ６間にバツクチユー
ブ８を架設している。

そして、メインフレーム３、ダウンチユーブ
４、ロアーチユーブ５及びセンターチユーブ６に
て囲まれる空間にはステー９…を介してエンジン
１０を支持し、メインチユーブ３及びシートレー
ル７前半部上には燃料タンク１１を跨設し、シー
トレール７，７上にはシート１２を取付け、更に
シートレール７，７、センターチユーブ６及びバ
ツクチユーブ８間に形成される空間にはエアクリ
ーナケース１３、バツテリー１４（第７図参照）
及びスタートマグネツトスイツチ１５等の電装品
を配置している。

ここで、燃料タンク１１のフレームに対する取
付構造は第２図のＡ部拡大図である第３図に示す
如く、燃料タンク１１の後端部から後方に取付片
１６を一体的に延出し、この取付片１６をシート
レール７，７間に架設した取付部材１７に上方か
ら重ねて取付けるようにしている。

即ち、取付部材１７はシートレール７，７間に
溶接等によつて接合されたステー１８と、このス
テー１８上に設けられるゴム等のクツシヨン材１
９とからなり、ステー１８は第４図の平面図に示
す如く、中央部にボルトの挿通孔２０が形成さ
れ、左右両側部に位置決め用の孔部２１，２１が
形成され、またクツシヨン材１９は第５図の平面
図、及び第６図の側面図に示す如く、中央部にボ
ルトが挿通される孔部２２ａを形成した突部２２
を、また両側部に前記孔部２１，２１に入り込む
突部２３，２３をそれぞれ形成してなり、ステー
１８の上面にクツシヨン材１９を突部２３が孔部
２１に嵌合するように固着し、この状態のクツシ
ヨン材１９上に取付片１６を重ね、ボルト２４を
介して取付片１６と取付部材１７とを螺着するこ
とで燃料タンク１１をフレームに取付支持する。

ところで、燃料タンク１１を取付部材１７に固
着した状態で、クツシヨン材１９の後端は取付片
１６の後端よりも後方に位置しており、且つクツ
シヨン材１９の後端上面には車幅方向に溝部２５
が形成されており、この溝部２５は取付片１６の
後端部下方に位置するようになつている。そして
溝部２５を形成するクツシヨン材１９の後端部に
設けた壁部２６の上端部は取付片１６の上端部よ
りも上方に位置している。

以上において、洗車時或いは雨天走行時に燃料
タンク１１上面の水滴は燃料タンク上面の傾斜に
したがつて後方へ流れるが、後方に流れた水は取
付片１６の後端部から溝部２５内に流れ込み、溝
部２５内に流れ込んだ水は溝部２５内を通つて車
体側方へ流れ、第７図にも示すように、エアクリ
ーナケース１３、バツテリー１４或いはスタート
マグネツトスイツチ１５等の上面に落下すること
なく、車体外に落下する。特に、前記溝部２５を
構成する壁部２６はその上端部が取付片１６の上
端部よりも上方に位置しているため、取付片１６
後端部から流れ落ちる水が、その勢いで溝部２５
を乗り越えて直接下方に落下することを防げる。

（考案の効果） 以上に説明した如く考案によれば、燃料タンク
の後端部を取付ける取付部材の上面に車幅方向に
伸びる溝部を形成し、この溝部で燃料タンク上面
を伝つて後方へ流れる水を受け取り、車体側方へ
排除するようにしたので、燃料タンク後端下方に
スタートマグネツトスイツチ、バツテリー等の水
の付着をきらう電装品を配置しても、これら電装
品上面に水が落下することなく、従来の如く特別
のカバーを設けたり、或いは燃料タンク後端下方
から離してこれら電装品を配置する必要がない。

また、クツシヨン材の上面に溝を設けるように
したため部品点数の増加を招くことがなく、しか
も長年の雨水等の影響で溝部に劣化等が生じて
も、クツシヨン材を交換するだけでも良く、安価
であるうえ取換え作業も簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る燃料タンクの取付構造を
適用した自動二輪車の全体側面図、第２図は同自
動二輪車の燃料タンクを支持するフレーム構造を
示す側面図、第３図は第２図のＡ部拡大断面図、
第４図は燃料タンクの取付部材を構成するステー
の平面図、第５図は同じく取付部材を構成するク
ツシヨン材の平面図、第６図はクツシヨン材の側
面図、第７図は取付部材と電装品との位置関係を
示す平面図である。 尚、図面中３はメインフレーム、７はシートレ
ール、１１は燃料タンク、１３はエアクリーナケ
ース、１４はバツテリー、１５はスタートマグネ
ツトスイツチ、１９はステー、１９はクツシヨン
材、２５は溝部、２６は壁部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体フレームに固着した取付部材に燃料タンク
   の後端部を上方から重ねて取付けるようにした燃
   料タンクの取付構造において、 前記取付部材は、車体フレームに固着されるス
   テーと、このステーの上面に設けられるクツシヨ
   ン材とからなり、このクツシヨン材には、燃料タ
   ンクの後端部より後方位置に車幅方向に伸びる溝
   部を形成するとともに、該溝部を形成する後方の
   壁部の上端部は、燃料タンクの後端縁よりも上方
   に位置するよう構成したことを特徴とする自動二
   輪車等の燃料タンク取付構造。