JPH0138458B2 - - Google Patents

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JPH0138458B2
JPH0138458B2 JP19314285A JP19314285A JPH0138458B2 JP H0138458 B2 JPH0138458 B2 JP H0138458B2 JP 19314285 A JP19314285 A JP 19314285A JP 19314285 A JP19314285 A JP 19314285A JP H0138458 B2 JPH0138458 B2 JP H0138458B2
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JP
Japan
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bifidobacterium
producing
liquid
final product
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Shigeo Okonogi
Hiroya Wakiguchi
Kazuyoshi Doi
Mitsunori Takase
Shinji Watanabe
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成の安定剤を使用しなくても、PH
4.5〜5.0の範囲内において沈澱を生成せず、保存
においてもビフイズス菌の死滅し難いビフイズス
菌含有液状ヨーグルト(以下「ドリンクヨーグル
ト」と記載することがある)の新規な製造法に関
する。 〔技術の背景および従来技術の説明〕 これまでのPH4.5〜5.0のドリンクヨーグルトに
おいて、沈澱の発生等を防止するために、製品
中のカルシウム含量を減少する方法、製品中の
カルシウムを多量のリン酸塩等によりキレート化
する方法、および安定剤として、耐酸性のカル
ボキシメチルセルロース(CMC)を使用する方
法が主として採用されていた。しかしながらお
よびの方法は、日本人に不足しているカルシウ
ムを除去するという結果を招来することにおいて
望ましい方法とはいえず、特にの方法は、過剰
摂取が問題となつているリン酸塩を添加すること
において望ましくない。またの方法は、合成の
安定剤を使用することにおいて望ましくない。 ドリンクヨーグルトのビフイズス菌については
「はつ酵乳、乳酸菌飲料の表示に関する公正競争
規約とその解説」(はつ酵乳、乳酸菌飲料公正取
引協議会発行)により製品1mm当りのビフイズス
菌の生菌数が107以上含まれているとき「生菌」
という表示ができるとされていて、製品中のビフ
イズス菌の生残性はドリンクヨーグルトにとつて
極めて重要な指標となつている。 ビフイズス菌の生残性の観点からみると、ドリ
ンクヨーグルトのPHは、できるだけ中性に近い方
が望ましく、一方ドリンクヨーグルトの風味の観
点からみると、PHが低く、酸味のある方が望まし
いが、PH4.6付近はカゼインの等電点であるため
に、製品の増粘および分離を生じるという二律背
反があるために、これら二つの条件を同時に満足
する製品は、これまでに知られていない。ただペ
プチドが乳酸菌の生育促進物質であることは、こ
れまでに知られており、脱脂乳をトリプシンまた
はペプシンで加水分解し、これにストレプトコツ
カス・ラクチスまたはラクトバチルス・ブルガリ
クスを接種して発酵し、生成する窒素化合物の挙
動を分析した報告があり〔日本農芸化学会誌、第
47巻、第12号、第741頁(1973年)〕、水に分散し
た乳蛋白質を酵素により加水分解し、ヨーグルト
菌(ストレプトコツカス・サーモフイルスおよび
ラクトバチルス・ブルガリクス)により発酵し、
必要に応じて酸を添加し、不溶性のフラクシヨン
を分離し、包装し、殺菌して、ヨーグルトフレー
バーを付与した飲料を製造する方法が開示されて
いる。 しかしながら、これらの先行技術は、いずれも
ビフイズス菌を含有する製品に関するものではな
く、製品の安定性およびビフイズス菌の生残性に
ついては何も教示していない。 本発明者らはヨーグルト製品の製造について永
年研究を続けているが、その研究において、最終
製品のPH、原料液の蛋白質の加水分解の程度、原
料液の蛋白質含量、安定剤の種類と添加量および
乳酸菌スターターの種類と添加量が保存後の液状
ヨーグルト製品中のビフイズス菌の生残性、およ
び製品の増粘、沈澱の生成、分離または風味の変
化などの製品の品質に影響を及ぼすことを見出
し、これらの知見にもとづいて本発明に到達し
た。 〔発明の目的および発明の要約〕 本発明の目的は、合成安定剤を使用しなくて
も、PH4.5〜5.0の範囲内において、増粘、沈澱の
生成および分離などの品質の低下を生じることが
なく、品質の良好なビフイズス菌含有液状ヨーグ
ルト製品を提供することにあり、本発明のもう一
つの目的は、空気の遮閉に特別の配慮をしていな
い通常の容器に充填しても、保存後のビフイズス
菌の生菌数を維持することのできるビフイズス菌
含有液状ヨーグルト製品を提供することにある。 本発明は、5.0以下のPHにおいて沈澱を生成せ
ず、かつビフイズス菌の死滅が少ないビフイズス
菌含有液状ヨーグルトの製造法であつて、 (a) 少なくとも3.0%(重量)の蛋白質を含有す
る乳および/または乳製品を主成分とする原料
液に蛋白分解酵素を添加し、全窒素含量中の12
%トリクロロ酢酸可溶性窒素含量が少なくとも
5%(重量)になるように、原料液中の蛋白質
を加水分解すること、 (b) 原料液の酵素処理液に、ラクトバチルス・ア
シドフイルス1に対してストレプトコツカス・
サーモフイルス200の割合で、ラクトバチル
ス・アシドフイルスおよびストレプトコツカ
ス・サーモフイルスを接種し、PHを5.0以下に
低下させること、および (c) 酵素処理液の発酵液に、最終製品の少なくと
も0.3%(重量)の安定剤を含有する溶液およ
びビフイズス菌を添加し、最終製品の無脂乳固
形分を少なくとも7.3%(重量)に調整するこ
と、 を特徴とするビフイズス菌含有液状ヨーグルトの
製造法である。 〔発明の具体的な説明〕 原料液の調製に使用する乳及び乳製品は、通常
発酵乳の製造に使用されている牛乳、脱脂乳、還
元脱脂乳等、またはこれらの混合物である。これ
らの乳酸および/または乳製品から蛋白質を少な
くとも3.0%(重量)、望ましくは3.0〜4.5%(重
量)〔より望ましくは3.5〜4.5%(重量)〕を含有
する原料液を常法により製造する。 使用する蛋白分解酵素は、市販品のエンドペプ
チダーゼであり、アスペルギルス属またはバチル
ス属に属する微生物の産生するエンドペプチダー
ゼが望ましい。スミチームLP−50〔商品名(登録
商標)新日本化学工業社製〕、ビオプラーゼSP−
4〔商品名(登録商標)長瀬産業社製〕等の市販
品が特に望ましい。これらの酵素の原料液の蛋白
質1g当り0.05〜0.5mg、望ましくは0.1〜0.5mg添
加し、使用する酵素の至適温度で少なくとも1時
間、望ましくは2〜6時間加水分解する。 加水分解は、原料液の全窒素含量中の12%トリ
クロロ酢酸可溶性窒素含量の割合が少なくとも5
%(重量)、望ましくは5.0〜10.3%(重量)の範
囲内になるように行なわれる。この範囲内では加
水分解後、処理液に不溶物、凝集物、分離、沈澱
が発生しない。この割合が5%(重量)未満とな
るかまたは10.3%(重量)を超えるときには、最
終製品を保存した場合、分離及び沈澱が発生し、
風味も不良の製品となる。加水分解後、必要に応
じて常法により均質化し、加熱し、殺菌と同時に
蛋白分解酵素の失活を行なう。加熱は通常の発酵
乳原料液の処理と同様に行なわれるが、90℃で10
分間の加熱が望ましい。 次いで原料液に公知のラクトバチルス・アシド
フイルスに属する微生物(アシドフイルス菌)お
よびストレプトコツカス・サーモフイルスに属す
る微生物(サーモフイルス菌)のスターターを接
種する。これらのスタータの調製は常法により行
なわれる。これらのスターターを添加するとき、
アシドフイルス菌の菌数1に対してサーモフイル
ス菌のそれを200以下、望ましくは1対100〜200
の割合で接種する。 発酵は、33〜40℃の温度で5〜8時間、望まし
くは35〜40℃で4〜6時間常法により行なわれ
る。この発酵工程でPHが4.5〜5.0に低下する。発
酵液を冷却し、別に調製した安定剤を含有する溶
液およびビフイズス菌を添加する。 安定剤は、市販の高メトキシルペクチン、高メ
トキシルペクチンとローカストビーンガムの混合
物、高メトキシルペクチンとカラゲーナンの混合
物、高メトキシルペクチン、ローカストビーンガ
ムとリン酸塩の混合物、高メトキシルペクチン、
カラゲーナンとリン酸塩の混合物またはこれらの
混合物である。安定剤の量は最終製品の少なくと
も0.3%(重量)、望ましくは0.3〜0.6%(重量)
である。所定量の安定剤を少量の水に溶解し、発
酵液に添加する。 発酵液に添加するビフイズス菌はビフイドバク
テリウム属に属する公知の微生物であり、常法に
より、培養して得たカルチヤーあるいは培地から
集菌したものである。添加するビフイズス菌の菌
数は、最終製品1ml当り少なくとも1.5×108、望
ましくは1.5×108〜3×108である。なお必要に
応じて甘味料、香料等を添加することもできる。 無脂乳固形分含量が7.3%(重量)未満の場合、
製品を12日間保存すると、ビフイズス菌の生菌数
が1ml当り107未満となり、ビフイズス菌の死滅
が高くなる。無脂乳固形分含量が10.7%(重量)
を超える場合、製品の保存中に粘度が増加し、商
品価値が失われる。したがつて製品の望ましい無
脂乳固形分含量は7.3〜10.7%(重量)である。 次いで必要に応じて均質化し、容器に充填し、
密封し、製品を得る。 次に試験例を示して本発明を更に詳述する。 試験例 1 この試験は最終製品のPHと製品の品質の関係を
知るために行なわれた。 (1) 試料の調製 市販の全脂練乳11.96Kgおよび脱脂粉乳5.16
Kgを水61.88Kgに加え、撹拌して均一に混合し、
蛋白質含量3.42%(重量)の原料液を調製し
た。この原料液にスミチームLD−50〔商品名
(登録商標)、新日本化学工業社製(アスペルギ
ルス・オリーゼの産生するエンドペプチダー
ゼ)〕0.27g(原料液の蛋白質の0.01%(重量)
に相当する)を添加し、44℃に2時間保持し、
原料液中の蛋白質を加水分解した。加水分解液
中の蛋白質の全窒素含量に対する12%トリクロ
ロ酢酸可溶性窒素含量の割合は6.37%(重量)
であつた。この分解液を90℃に10分間加熱し、
36℃に冷却した。これとは別に、常法により調
製したラクトバチルス・アシドフイルス
(ATCC 4356)のスターター5g及びストレプ
トコツカス・サーモフイルス(ATCC 19258)
のスターター995gとを上記分解液に接種し、
36℃において5.0時間発酵した。のち10℃以下
に冷却し、異性化糖3Kg、高メトキシルペクチ
ン0.4Kg、ヨーグルトフレーバー0.1Kgを水10.5
Kgに溶解し、殺菌、冷却した溶液を添加した。
更にビフイドバクテリウム・ロンガム(ATCC
15707)を公知の方法で培養したビフイズス菌
の培養物6Kgを添加し、150Kg/cm2の圧力で均
質化した。この中から10Kgずつをとり、クエン
酸溶液を添加して第1表に示すPHに正確に調整
し、ポリスチレン製100ml容の容器に100mlずつ
充填し、密封した。 (2) 試験方法 各試料について、製造直後、10℃に保存して
製造後7日目および製造後12日目に、PH、乳酸
酸度、粘度、ビフイズス菌の生菌数、分離また
は沈澱の有無および風味を次の方法により試験
した。 (a) PH ガラス電極法によつた。 (b) 乳酸酸度 常法によつた。 (c) 粘度 試料の温度を10℃に調整し、B型粘度計を
用い、No.1のローターで60rpmの回転数によ
り測定した。 (d) ビフイズス菌の生菌数 光岡の方法(臨床検査、第18巻、第1163
頁、1974年)により試料を段階的に希釈し、
寺口らのMG寒天培地を用いた高層培養法
(食品衛生学雑誌、第23巻、第1号、第39頁、
1982年)により測定した。 (e) 分離または沈澱 試料を肉眼で観察し、分離または沈澱のな
いものを「−」と判定した。 (f) 風味 官能的に試料のドリンクヨーグルトとして
の風味を試験した。 (3) 試験結果 この試験の結果は第1表に示すとおりであつ
た。
【表】 第1表によると、最終製品のPH4.3以下では、
12日間保存後のビフイズス菌の生菌数が1ml当た
り107未満となるので望ましくない。PHが4.5〜5.0
の範囲内では、12日間保存後のビフイズス菌の生
菌数が1ml当り107であつた。またPHが5.0を超え
る範囲では、ドリンクヨーグルトの風味としては
酸味が不足し、望ましい製品ではない。 試験例 2 この試験は、原料液中の蛋白質の全窒素含量に
対する12%トリクロロ酢酸可溶性窒素含量で表わ
される加水分解の程度と製品の品質の関係を知る
ために行なわれた。 (1) 試料の調製 エンドペプチダーゼの添加量および加水分解
処理条件を第2表に示すとおりに変更した以外
は、試験例1と同一の方法により試料を調製し
た。ただし発酵時間は、酵素処理をしない場
合、36℃において18時間、酵素処理をした場
合、36℃において6〜6.5時間とした。 (2) 試験方法 試験例1と同一の方法によつた。 (3) 試験結果 この試験の結果は第2表に示すとおりであつ
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 第2表によると、酵素処理液の12%トリクロロ
酢酸可溶性窒素含量が10.3%(重量)を超える試
料および原料液を酵素処理していない試料では、
保存中に分離及び沈澱が認められ、風味も望まし
くなかつた。酵素処理液の12%トリクロロ酢酸可
溶性窒素含量が5.0〜10.3%(重量)の試料では、
保存中に分離および沈澱が認められず、風味も良
好であつた。なお酵素の種類および添加量を変更
して試験を行なつたが、ほぼ同一の結果が得られ
た。 試験例 3 この試験は、原料液中の蛋白質含量と製品の品
質の関係を知るために行なわれた。 (1) 試料の調製 原料液中の蛋白質含量を第3表に示すとおり
に変更した以外は、試験例1と同一の方法によ
り6時間酵素処理した液を発酵し、試料を調製
した。 (2) 試験方法 試験例1と同一の方法によつた。 (3) 試験結果 この試験の結果は第3表に示すとおりであつ
た。
【表】
【表】 第3表によると、原料液中の蛋白質含量が3.0
%(重量)未満の試料では、分離、増粘は認めら
れず、ドリンクヨーグルトとしての風味は良好で
あつたが、保存12日後のビフイズス菌の生菌数が
1ml当り107未満となるので望ましくない。同様
に原料液中の蛋白質含量が4.5%(重量)を超え
る試料では、ビフイズス菌の生残性は良好であつ
たが、分離および増粘が認められ、7日後の10℃
における粘度も100cp以上となり、ドリンクヨー
グルトとして望ましくなかつた。なお安定剤の添
加量及び種類を変更して試験したが、ほぼ同一の
結果が得られた。 したがつて原料液中の蛋白質含量は3.0〜4.5%
(重量)が望ましいことが判明した。 試験例 4 この試験は、安定剤の種類および添加量と製品
の品質の関係を知るために行なわれた。 (1) 試料の調製 原料液中の蛋白質含量を3.0%(重量)と4.5
%(重量)のものを調製し、酵素量は0.01%
(重量)とし、試験例1と同一の方法により酵
素処理6時間のものを発酵し、試料を調製し
た。ただし安定剤の種類および添加量を第4表
に示すとおりに変更した。 (2) 試験方法 試験例1と同一の方法によつた。 (3) 試験結果 この試験の結果は第4表に示すとおりであつ
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 第4表によると、安定剤として高メトキシルペ
クチンを使用する場合、0.30〜0.60%(重量)の
添加量の範囲では、保存12日後に分離および沈澱
が認められず、ビフイズス菌の生菌数が1ml当り
107以上であり、ドリンクヨーグルトとしての風
味も良好であつた。高メトキシルペクチンとカラ
ゲーナン、高メトキシルペクチンとローカストビ
ーンガム、高メトキシルペクチン、カラゲーナン
とリン酸塩、高メトキシルペクチン、ローカスト
ビーンガムとリン酸塩を組み合せて使用する場合
も0.30〜0.60%(重量)の添加量でほぼ同様な結
果が得られた。 試験例 5 この試験は、最終製品1ml当りのビフイズス菌
の生菌数と製品の品質の関係を知るために行なわ
れた。 (1) 試料の調製 試験例3の結果より、蛋白質含量3.0〜4.5%
(重量)の原料液より調製した試料では、3.0%
(重量)の方がビフイズス菌の生残性が低く、
試験例4の結果より蛋白質含量3.0%(重量)
の場合、高メトキシルペクチン含量0.60%(重
量)の時にビフイズス菌の生残性が低かつたの
で、原料液中の蛋白質含量3.0%(重量)、酵素
添加量0.01%(重量)、処理時間6時間、安定
剤として高メトキシルペクチン含量0.60%(重
量)とし、ビフイズス菌の添加量を第5表に示
すとおりに変更した以外は、試験例1と同一の
方法により試料を調製した。ただし保存直後の
PHは4.50に調製した。 (2) 試験方法 試験例1と同一の方法によつた。 (3) 試験結果 この試験の結果は第5表に示すとおりであつ
た。
【表】
【表】 第5表によると、保存直後のビフイズス菌の生
菌数が1ml当り150×106以上の範囲では、保存12
日後にビフイズス菌の生菌数が1ml当り107以上
であり、分解および沈澱が認められず、ドリンク
ヨーグルトとしての風味も良好であつた。 試験例 6 この試験は乳酸菌スターターの種類と添加量と
製品の品質の関係を知るために行なわれた。 (1) 試料の調製 乳酸菌スターターを第6表に示すとおりに変
更した以外は、試験例5と同一とした。製造直
後のビフイズス菌の生菌数は1ml当り150×106
とした。 (2) 試験方法 試験例1と同一の方法によつた。 (3) 試験結果 この試験の結果は第6表に示すとおりであつ
た。
【表】
【表】 第6表によると、アシドフイルス菌単独、サー
モフイルス菌単独使用の場合、保存12日後のビフ
イズス菌の生菌数は1ml当り107以上であつたが、
ドリンクヨーグルトとしての風味は、不良であつ
た。アシドフイルス菌とサーモフイルス菌を混合
使用した場合、保存12日後のビフイズス菌の生菌
数は、全ての混合比率で1ml当り107以上であつ
たが、ドリンクヨーグルトとしての風味が良好な
のは、前者1に対して後者200以下の混合比率の
時であつた。原料液当りの添加量については、
1.26%(重量)以下では、発酵時間が延びた。 実施例 1 第7表に示す配合の原料液7900g〔蛋白質含量
3.42%(重量)〕を90℃において10分間殺菌し、
50℃に冷却し、スミチームLP−50〔商品名(登録
商標)新日本化学工業社製〕27mgを加え、50℃に
おいて2時間蛋白質を加水分解し、その後90℃に
おいて10分間加熱し、酵素を失活した後、40℃に
冷却した。得られた酵素処理液の全窒素含量中の
12%トリクロロ酢酸可溶性窒素含量は6.50%(重
量)であり、不溶解物、凝集物、分離および沈澱
の発生が無かつた。予め常法により調製したスト
レプトコツカス・サーモフイルス(ATCC
19256)99g及びラクトバチルス・アシドフイル
ス(ATCC 4356)1gからなるスターターを上
記処理液に加え、40℃において5時間発酵し、冷
却し、PH4.65および乳酸濃度0.65%の発酵乳を得
た。次に予め90℃において10分間殺菌し、10℃以
下に冷却した第8表に示す配合の安定剤溶液(PH
3.80、乳酸酸度0.12%)1400gおよび常法により
調製したビフイドバクテリウム・ロンガム
(ATCC 15708)の培養物(PH4.70、乳酸酸度1.0
%、生菌数1ml当り40×108)600gを加え、均質
機にて150Kg/cm2の圧力において均質し、100ml容
ポリスチレン製容器に100mlずつ充填し、密封し、
ドリンクヨーグルト75個を得た。この製品につい
て試験例1と同一の方法により試験した結果、PH
4.65、乳酸酸度0.62%、粘度15cp(10℃)、ビフイ
ズス菌の生菌数1ml当り24×107であり、12日間
10℃において保存した後でも分離および増粘が認
められず、ドリンクヨーグルトとしての風味も良
好であり、ビフイズス菌の生菌数も1ml当り15×
106であつた。
【表】
【表】 実施例 2 第9表に示す配合の原料液39.5Kg〔蛋白質含量
4.5%(重量)〕を85℃および150Kg/cm2の圧力に
おいて均質し、プレート式熱交換機を用い、130
℃において2秒間殺菌し、50℃に冷却し、ビオプ
ラーゼSP−4〔商品名(登録商標)長瀬産業社
製〕710mgを加え、50℃において6時間蛋白質を
加水分解し、均質機にて100Kg/cm2の圧力におい
て均質し、90℃において10分間加熱し、酵素を失
活した後、35℃に冷却した。得られた酵素処理液
の全窒素含量中の12%トリクロロ酢酸可溶性窒素
含量は7.76%(重量)であり、不溶解物、凝集
物、分離および沈澱の発生が無かつた。予め常法
により調製したストレプトコツカス・サーモフイ
ルス(ATCC 19258)497gおよびラクトバチル
ス・アシドフイルス(ATCC 4356)3gからな
るスターターを上記処理液に加え、35℃において
8時間発酵し、冷却し、PH4.50、乳酸酸度0.90%
の発酵乳を得た。予め90℃において10分間殺菌
し、10℃以下に冷却した第10表に示す配合の安定
剤溶液(PH3.60、乳酸酸度0.24%)7Kgおよび常
法により調製したビフイドバクテリウム・ロンガ
ム(ATCC 15708)カルチヤーの培養物(PH
4.74、乳酸酸度1.0%、生菌数1ml当り30×108
3Kgを加え、均質機にて150Kg/cm2の圧力におい
て均質し、100ml容ポリスチレン製容器に100mlず
つ充填し、密封し、ドリンクヨーグルト370個を
得た。製品について試験例1と同一の方法により
試験した結果、PH4.50、乳酸酸度0.82%、粘度
18cp(10℃)およびビフイズス菌の生菌数1ml当
り18×107であり、12日間10℃において保存した
後でも分離および増粘が認められず、ドリンクヨ
ーグルトとしての風味も良好であり、ビフイズス
菌の生菌数も1ml当り30×106であつた。
【表】
【表】 実施例 3 第11表に示す配合の原料液79Kg〔蛋白質含量
3.0%(重量)〕をプレート式熱交換機を用いて、
100℃において15秒間殺菌し、45℃に冷却し、ス
ミチームLP−50〔商品名(登録商標)新日本化学
工業社製〕119mgおよびビオプラーゼSP−4〔商
品名(登録商標)、長瀬産業社製〕470mgを加え、
45℃において4日間蛋白質を加水分解し、その後
90℃において10分間加熱し、酵素を失活した後、
35℃に冷却した。得られた処理液の全窒素含量中
の12%トリクロロ酢酸可溶性窒素含量は6.4%
(重量)であり、不溶解物、凝集物、分離および
沈澱の発生が無かつた。予め常法により調製した
ストレプトコツカス・サーモフイルス(ATCC
19256)995gおよびラクトバチルス・アシドフイ
ルス(ATCC 4356)3gからなるスターターを
上記処理液に加え、35℃において6時間発酵し、
冷却し、PH4.65、乳酸酸度0.56%の発酵乳を得
た。次に予め90℃において10分間殺菌し、10℃以
下に冷却した第12表に示す配合の安定剤溶液(PH
3.65、乳酸酸度0.16%)14Kgおよび常法により調
製したビフイドバクテリウム・ブレーベ(ATCC
15700)の培養物(PH4.70、乳酸酸度1.0%、生菌
数1ml当り50×108)6Kgを加え、均質機にて150
Kg/cm2の圧力において均質し、500ml容ポリスチ
レン製容器に500mlずつ充填し、密封し、ドリン
クヨーグルト160個を得た。製品について試験例
1と同一の方法により試験した結果、PH4.69、乳
酸酸度0.53%、粘度13cp(10℃)およびビフイズ
ス菌の生菌数1ml当り30×107であり、12日間10
℃において保存した後でも分離および増粘は認め
られず、ドリンクヨーグルトとしての風味も良好
であり、ビフイズス菌の生菌数も1ml当り2×
107であつた。
【表】
〔発明の効果〕
合成の安定剤を使用しなくても、保存中におけ
るビフイズス菌の生菌数が減少することがない。 合成の安定剤を使用しなくても、保存中におけ
る製品の増粘、沈澱の生成および分離などの製品
の品質の劣化を生じない。 製品のPHを4.5〜5.0に保持することができるの
で、製品の風味が良好であり、また保存中におけ
る風味の変化も生じない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 5.0以下のPHにおいて沈澱を生成せず、かつ
    ビフイズス菌の死滅が少ないビフイズス菌含有液
    状ヨーグルトの製造法であつて、 (a) 少なくとも3.0%(重量)の蛋白質を含有す
    る乳および/または乳製品を主成分とする原料
    液に蛋白分解酵素を添加し、全窒素含量中の12
    %トリクロロ酢酸可溶性窒素含量が少なくとも
    5%(重量)になるように原料液中の蛋白質を
    加水分解すること、 (b) 原料液の酵素処理液に、ラクトバチルス・ア
    シドフイルス1に対してストレプトコツカス・
    サーモフイルス200以下の割合で、ラクトバチ
    ルス・アシドフイルスおよびストレプトコツカ
    ス・サーモフイルスを接種し、発酵し、PHを
    5.0以下に低下させること、および (c) 酵素処理液の発酵液に、最終製品の少なくと
    も0.3%(重量)の安定剤を含有する溶液およ
    びビフイズス菌を添加し、最終製品の無脂乳固
    形分を少なくとも7.3%(重量)に調整するこ
    と、 を特徴とするビフイズス菌含有液状ヨーグルトの
    製造法。 2 最終製品のPHが、4.5〜5.0の範囲内にあるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のビ
    フイズス菌含有液状ヨーグルトの製造法。 3 原料液の蛋白質含量が、3.0〜4.5%(重量)
    の範囲内にあることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載のビフイズス菌含有液
    状ヨーグルトの製造法。 4 蛋白分解酵素が、アスペルギルス属に属する
    微生物の産生するエンドペプチダーゼ、バチルス
    属に属する微生物の産生するエンドペプチダーゼ
    およびこれらの混合物からなる群より選択された
    ものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項ないし第3項のいずれかに記載のビフイズス菌
    含有液状ヨーグルトの製造法。 5 原料液中の蛋白質が、全窒素含量中の12%ト
    リクロロ酢酸可溶性窒素含量が5.0〜10.3%(重
    量)になるように、加水分解されることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれ
    かに記載のビフイズス菌含有液状ヨーグルトの製
    造法。 6 ラクトバチルス・アシドフイルスおよびスト
    レプトコツカス・サーモフイルスによる発酵が、
    33〜40℃の温度において5〜8時間行なわれるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第5
    項のいずれかに記載のビフイズス菌含有液状ヨー
    グルトの製造法。 7 安定剤が、高メトキシルペクチン、高メトキ
    シルペクチンとローカストビーンガムの混合物、
    高メトキシルペクチンとカラゲーナンの混合物、
    高メトキシルペクチン、ローカストビーンガムと
    リン酸塩の混合物、およびこれらの混合物からな
    る群より選択されたものであることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに
    記載のビフイズス菌含有液状ヨーグルトの製造
    法。 8 安定剤が、最終製品の0.3〜0.6%(重量)の
    範囲内の量において使用されることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに
    記載のビフイズス菌含有液状ヨーグルトの製造
    法。 9 最終製品1ml当りのビフイズス菌の生菌数
    が、少なくとも1.5×108であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項ないし第8項のいずれかに
    記載のビフイズス菌含有液状ヨーグルトの製造
    法。 10 最終製品の無脂乳固形分含量が、7.3〜
    10.7%(重量)の範囲内にあることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに
    記載のビフイズス菌含有液状ヨーグルトの製造
    法。
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