JPH01203358A - 芳香族ポリカーバメートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーバメートの製造方法

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JPH01203358A
JPH01203358A JP2908388A JP2908388A JPH01203358A JP H01203358 A JPH01203358 A JP H01203358A JP 2908388 A JP2908388 A JP 2908388A JP 2908388 A JP2908388 A JP 2908388A JP H01203358 A JPH01203358 A JP H01203358A
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polycarbamate
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竹下 徳末
Tadashi Yao
正 矢尾
Tetsuo Takano
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、N−フェニルカーバメートとメチレン化剤を
原料とするポリメチレンポリフェニルポリカーバメート
 (以下、ポリカーバメートと略記する)の製造法に関
する。
より詳しくは、触媒の酸水溶液の存在下でN−フェニル
カーバメートにホルムアルデヒドなどのメチレン化剤を
作用させてポリカーバメートを製造する方法において、
縮合反応後、芳香族系溶削メチレン化剤を使用して再度
縮合させることを特徴とする、ポリカーバメートの製造
方法に関する。
ポリカーバメートは医薬、!M薬、化成品の中間原料と
して有用な物質であり、特に熱分解により容易に対応す
るポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下
、単にポリイソシアネートと略記する)に転化されるこ
とから、ポリイソシアネート製造の中間体として有用で
ある。
ポリイソシアネート、なかんずく2核体のメチレンジフ
ェニルジイソシアネート(MDI)は、ポリウレタンエ
しストマーおよび被覆材料製造の原料として有用な物質
であり、この用途における使用量は、揮発性が高く毒性
の強いことが問題となっているトリレンジイソシアネー
ト(TDI)を現在では凌いでおり、工業的規模での大
量生産が行われている。
(従来の技術) 従来、芳香族イソシアネート類は一般に芳香族ニトロ化
合物を水素還元して芳香族アミンを得、これにホスゲン
を作用させてイソシアネートとすることにより工業的に
生産されてきた。しかし、この方法は工程が複雑な上、
有毒なホスゲンを使用すること、塩化水素が大量に副生
ずることなどの問題点があった。そこで、ホスゲンを使
用しない芳香族イソシアネート類の製造方法が20年年
来光に研究されている。
ホスゲンを使用しない方法は、■直接法と、■カーバメ
ート経由法に大別される。
第一の直接法は、不活性溶剤中で芳香族ニトロ化合物に
パラジウム系触媒の存在下で一酸化炭素を作用させ、芳
香族イソシアネート化合物を直接製造する方法であるが
、反応条件が過酷である、触媒の生産性が低い、副反応
が併発しやすいといった欠点がある。さらに、致命的な
ことに、この方法はMDIのような多核構造のポリイソ
シアネートの製造に適用することは困難である。
第二のカーバメート経由法は、芳香族ニトロ化合物とア
ルコールとに白金族金属触媒またはセレン触媒の存在下
で一酸化炭素を作用させて、中間生成物の芳香族カーバ
メートを得、次いでこのカーバメートを熱分解して芳香
族イソシアネートを得る方法である。
本発明のポリカーバメートの製造法は、この第二のカー
バメート経由法による上記ポリイソシアネートの製造に
おいて実施されるものである。この方法は、下記反応式
に示すように、N−フェニルカーバメート(目を酸触媒
の存在下でホルムアルデヒド等のメチレン化剤との縮合
により架橋してポリカーバメート(II)を生成させる
ものである。。
(式中、mは0または1〜6の整数、Rは炭素数1〜6
の低級アルキル基を意味する)。
得られたポリカーバメートは、熱分解すると、式(II
I)で示される対応するポリイソシアネートに転化され
る。
(式中、mおよびRは上と同じ意味である)。
この方法は、原料となるN−フェニルカーバメートをニ
トロ化合物あるいはアミノ化合物から合成する優れた方
法が近年開発されたため、ポリカーバメートおよびポリ
イソシアネートの育利な製造法として注目されている。
上記−数式(Iff)のポリイソシアネートのうち、ピ
ュアMDIと一般に呼ばれる4、4“−メチレンジフェ
ニルジイソシアネート(以下、4,4°−MD Iと略
記する)が最も反応性が高く、そのため高価値の製品で
ある。したがって、ポリイソシアネート製造原料となる
一般式(II)のポリカーバメートについても、4,4
”−メチレンジフェニルシカ−バメート(以下、4.4
”−MDUと略記する)が最も望ましい生成物である。
しかし、上記縮合反応において、4.4’ −M D 
Uが得られるように反応条件を調整しても、4.4″一
体板外のMDU異性体、すなわち、2.2’−MDUお
よび2.4’ −M D Uの生成や、3核体以上〔−
数式(II)でm≧1〕のポリカーバメートの生成が避
けられない0通常は、全MDU生成量のうち5〜20%
程度が2,4°−異性体となり、2,2°−異性体は一
般に微量であり、残りが4.4’−MDUである。3核
体以上の多核体ポリカーバメートは、通常、全体の5〜
20重景%重量生成する。
ところが、ポリカーバメートは沸点が非常に高いので、
縮合生成物を蒸留により各化合物に分離して、望ましい
4.4’−MDUを分離することは非常に困難である。
そのため、縮合生成物の蒸留による精製は、従来は未反
応のN−フェニルカーバメートの回収を行うにとどめ、
残留するポリカーバメート縮合生成物の混合物は、各構
成成分に分離することなくそのまま熱分解工程に供給し
ていた。従って、熱分解反応生成物は、縮合反応で生成
した各種のポリカーバメートに対応する各種のポリイソ
シアネート、すなわち、望ましい4.4’ −MDI以
外に、2,4°−および2.2’−MDI、ならびに3
核体以上の多核体ポリイソシアネートを含有する混合物
となり、これを蒸留、晶析などの手段により精製してい
た。
ポリイソシアネート類も高温に長時間さらすと副反応を
生じて劣化しやすいので、熱分解反応生成物の蒸留での
精製の場合、比較的低温での短時間の減圧蒸留により大
部分の4,4°−MD Iを取り出してピュアMDI製
品とし、残りの4.4’ −M DIと3核体以上のポ
リイソシアネートを含有する蒸留残渣はそれ以上の蒸留
分離を行うことなく一括してポリメリックMDI(また
はクルードMDI)として回収することが行なわれ、高
価値のピュアMDIは主に多様なポリウレタン製品の製
造原料、ポリメリックMDIは主に硬質ウレタンフオー
ムの製造原料として使用さ゛れている。
この精製方法では、取、り出されたピュアMDIの中に
その異性体、すなわち2.4゛−および2,2°−MD
Iが共存する。これらのMDI異性体は、沸点がやや低
いので精留によりピュアMDIから除去することができ
るが、反応性が低く、現在のところ有力な用途がないた
め、ポリメリックMDIに混入して消化しているのが現
状である。
従って、製品分布の向上を図るには、ピュアMD I 
 (4,4’−MD I)の収率を高め、2.4°−お
よび2.2°−MD Iの生成量を低減させることがポ
リイソシアネートの製造において望ましく、その原料と
なるポリカーバメートについても同様に4.4゜−MD
Uの収率を高め、2.4゛−および2,2′−MDUの
生成を抑えることが望ましい。
また、上述した従来の方法では、ポリカーバメート縮合
生成物の処理における未反応のN−フェニルカーバメー
トの分離や、熱分解反応生成物のピュアMDIの分離、
さらにはピュアMDIからの2,4°−および2,2゛
−異性体の分離にいずれも蒸留が利用される。しかし、
蒸留によると沸点差の小さい異性体の分離は困難であり
、またポリカーバメートやポリイソシアネートのように
熱的に不安定な化合物に対して蒸留を行うと、目的生成
物の歩留まり低下と品質の劣化をもたらすので、蒸留の
機会はできるだけ少ないことが望ましい。
一方、蒸留によらないポリカーバメート縮合生成物の精
製方法として、本発明者らは芳香族系溶剤を使用して縮
合反応生成物の析出処理を行う方法を提案した。この方
法は、縮合反応生成物を芳香族系溶剤で処理して4.4
′−MDUを優先的に析出させて高純度の結晶として取
り出し、これを熱分解して高価値のピュアMDIを得る
一方、上記析出工程で結晶分離後に残る母液は、蒸留に
より未反応のN−フェニルカーバメートを除去した後、
別途に熱分解して、ポリメリックMDI(場合によりこ
れから上記析出処理を利用してピュアMDIを分離して
もよい)を得るのである。しかし、この方法でも、N−
フェニルカーバメートの除去に蒸留が利用され、また、
生成した2核体MDUのうち2.4°−および2.2’
−MDUはほとんどが母液に残留し、熱分解後に生成す
る対応MDI異性体はそのままポリメリックMDIに残
留するので、望ましいピュアMDIおよび4,4°−M
DLJの収率向上や異性体の2,4゛−および2,2”
−MDIおよびMDUの生成量の低減にはつながらない
(発明が解決しようとする課B) よって、本発明の目的は、蒸留による精製もしくは生成
物分離を利用せずに実施できる芳香族ポリカーバメート
の製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、未反応N−フェニルカーバメート
の量が低減し、望ましい4,4“−MDUの収率が増大
し、異性体の2.4°−および2,2“−MDUがほと
んど生成しない、製品品質と原料転化率とにすぐれた芳
香族ポリカーバメートの製造方法を提供することである
(課題を解決するための手段) 本発明者によれば、上記目的は、酸水溶液の存在下でN
−フェニルカーバメートをメチレン化剤と縮合させてポ
リカーバメートを製造する方法において、縮合反応生成
物を芳香族系溶剤で処理して、生成ポリカーバメート中
の4.4″−メチレンジフェニルシカ−バメートを優先
的に析出させ、析出物を分離した後の母液に残留するポ
リカーバメートおよび未反応N−フェニルカーバメート
を酸水溶液の存在下で再度メチレン化剤と縮合反応させ
ることを特徴とする、ポリカーバメートの製造方法によ
り達成される。
(作用) 以下、本発明の詳細な説明する。
本発明のポリカーバメートの製造方法の出発原料は、上
記−数式(1)で示されるN−フェニルカーバメートで
ある。−数式(1)において、Rはメチルもしくはエチ
ルであるのが、次の熱分解反応が容易となることから特
に好ましい。
メチレン化剤としては、ホルムアルデヒドまたはホルム
アルデヒドを発生させる物質が使用される。ホルムアル
デヒドを発生゛させる物質とは、上記縮合反応条件下で
分解等によりホルムアルデヒドを発生させる物質であり
、その具体例には、トリオキサン、バラホルムアルデヒ
ド、メチラールおよびその他のホルマール類が含まれる
0通常は、主として経済的理由から、ホルムアルデヒド
水溶液(ホルマリン)がメチレン化剤として使用される
酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、ポリ硫酸、ポリ
リン酢、ホウ酸、臭化水素酸、過塩素酸などの無機酸、
三フッ化ホウ素などのルイス酸、およびメタンスルホン
酸などの有機酸が使用できるが、無機強酸、特に硫酸が
好ましい。
以下、説明の簡略化のために、ホルムアルデヒドでメチ
レン化剤を、また硫酸で酸触媒を代表させて説明する。
ホルムアルデヒドとN−フェニルカーバメートとの供給
比は、モル比で0.2〜0.6の範囲内が好ましい、こ
の供給比を下回ると原料の転化率が低く、また上回ると
高沸点物(すなわち、3核体以上の多核体)の生成割合
が増大する。
使用する硫酸水溶液の酸濃度は好ましくは20〜80重
量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。
供給する硫酸濃度が20重量%未満の場合、あるいは8
0重量%を超える場合には、目的とする縮合生成物の収
率が低くなる傾向がある。
硫酸水溶液とN−フェニルカーバメートとの供給比は、
N−フェニルカーバメートに対する硫酸のモル比で2以
上とすることが好ましい、この供給比を下回ると、縮合
反応に対する反応促進効果が低下する。縮合反応は、通
常は有機溶媒を存在させずに実施するが、反応条件下で
ホルムアルデヒドと反応しない限り、各種の有機溶媒を
存在させて行うこともできる。ただし、有機溶媒が析出
処理で使用する芳香族系溶剤でない場合には、反応後に
析出処理を妨害しないように留去する等の処置をとる。
反応温度は好゛ましくは60〜120℃、さらに好まし
くは80〜100℃である0反応温度が低すぎると縮合
反応速度が低下し、一方、高くなりすぎると多核体の生
成量が増加する。
反応時間は反応条件により異なるが、0.1〜10時間
、好ましくは0.5〜5時間である0反応時間が短すぎ
ると反応は完結せず、長すぎると副反応の併発が著しく
なるからである。
縮合反応は、回分式、連続式および半連続式のいずれで
も実施でき、また反応成分の添加層にも特に制限はない
が、一般にはN−フェニルカーバメートと酸触媒の混合
物にメチレン化剤を添加することにより反応を実施する
ことが好ましい。
縮合により生成した反応混合物を、本発明により芳香族
系溶剤を使用して析出処理する。この析出処理は、次に
説明するように、芳香族系溶剤に縮合生成物を溶解させ
、得られた有機溶液を次いて所望により濃縮した後、冷
却により溶解物の一部を析出させ、分離する操作を意味
する。
まず、触媒の硫酸水溶液と生成ポリカーバメートとを含
む反応混合物に、生成ポリカーバメートに対して1〜1
0倍量(重量比)程度の芳香族系溶剤を添加する。場合
により、この芳香族系溶剤の一部もしくは全部を、縮合
反応系に予め存在させ、この溶剤の共存下で反応を実施
することもできる。
有機溶剤の添加量が同重量より少ないと、ポリカーバメ
ート生成物の全量を溶解することが困難で■ あり、他方、10倍量を超えると芳香族系溶剤の再Il
狐 涙などの処理設備に要するコストが高く、経済的でない
、しかし、この溶剤比は、ポリカーバメート生成物に対
する使用溶剤の溶解度や析出物の量、純度、および処理
温度などを勘案して適宜変更することができる。
芳香族系溶剤としては、本発明の析出処理が可能である
限り特に制限されないが、常圧沸点が80〜250℃の
溶剤が、溶剤の蒸留回収が容易となるため好ましい、使
用しうる特に好ましい芳香族系溶剤の例は、ベンゼン、
トルエン、キシレンから選ばれた1種もしくは2種以上
の溶剤である。また、ブチルベンゼン、テトラリン、シ
クロヘキシルベンゼンなど、ならびに以上の炭化水素系
溶剤のハロゲン置換体なども使用可能である。
これらの芳香族系溶剤は、各種ポリカーバメートを含有
する縮合反応生成物を容易に溶解し、しかも冷却により
溶液から4.4’−MDUを優先的に析出させることが
でき、その使用により純度の高い4.4°−MDUを容
易に得ることができる。しかも、疎水性溶剤であり、触
媒である硫酸水溶液との分離が容易である。
ポリカーバメート生成物の完全な溶解を促進し、同時に
析出機作が容易となるように、芳香族系溶剤の添加中ま
たは添加後に混合物を適当に加熱することが好ましい、
溶解後に、ポリカーバメート生成物を含有する有機層を
、触媒である硫酸水溶液と相分離する。硫酸水溶液は、
そのまま、あるいは濃縮などの処理後に縮合反応工程に
再使用することができる。
分離された有機溶液を冷却すると、ポリカーバメート、
特に4.4’−MDUが優先的に析出し、未反応のN−
フェニルカーバメートは溶液中にとどまる。冷却温度は
、溶剤が固化しない限り、低温はどポリカーバメート析
出量が多くなるので好ましい、冷却に先立ち、必要によ
り、芳香族系溶剤の一部を蒸発させて濃縮してもよい。
析出したポリカーバメート結晶は、慣用の固液分離手段
により芳香族系炭化水素溶剤の母液から分離される。こ
のようにして分離されたポリカーバメートを、上記析出
処理をさらに繰り返すことにより (すなわち、芳香族
炭化水素溶剤からの再結晶処理により) 、4.4°−
MDUの純度を高めることもできる。この析出物を熱分
解して得たポリイソシアネートは、4.4’−MDIを
高濃度で含有し、そのままピュアMDI製品として使用
できる品質を有している。
一方、結晶分離後に残った母液には、析出しなかったポ
リカーバメート生成物、未反応N−フェニルカーバメー
ト、および少量のその他の副生成物が含まれており、4
,4°−MDUが優先的に析出した結果、この母液中に
残留するポリカーバメートには、多核体や2,2°−お
よび2,4°−MDUが縮合反応生成物に比べて高い相
対的割合で存在している。
この母液から、まず蒸留により、芳香族系溶剤を回収し
、これは縮合生成物の溶解操作に再使用することができ
る。
一方、母液から溶剤を除去した後の残留物は、析出しな
かったポリカーバメート生成物と未反応N−フェニルカ
ーバメートからなる0本発明の方法にあっては、この残
留物に再び縮合反応を行う。
この縮合反応を繰り返して行うのは、本発明者らの次の
知見に基づ(ものである、    ゛すなわち、2核体
のMDU異性体混合物にN−フェニルカーバメートおよ
びメチレン化剤を酸触媒の存在下で作用させたところ、
4.4’−MDUは縮合反応条件下で安定であって、縮
合反応を受けずに残留し、しかも2回目の縮合反応では
2.4’ −および2.2’−MDUへの変換率が1回
目の縮合反応と比較して半減することを見出した。従っ
て、この2回目の縮合反応により、ピュアMDIを生ず
る4、4”−MDUを残したまま、未反応N−フェニル
カーバメートから4,4°−MDUを1回目より高い選
択率で生成させるとかでき、ボリカーバメ−トの製品分
布の向上が実現できる。しかも、この方法によれば、蒸
留による未反応N−フェニルカーバメートの除去工程が
不要となるので、蒸留による生成物の劣化が避けられ、
製品品質は一層向上する。
この2回目の縮合反応、は、前述した最初の縮合反応と
同様に同条件で実施できるが、ホルムアルデヒドおよび
酸触媒の添加量は、残留するN−フェニルカーバメート
および2.4′−および2,2°−MDUの量に応じて
適宜調整する。また、未反応N−フヱニルカーバメート
の残留量がポリカーバメート量に対して少なければ、こ
れを適宜補給してもよい。
この縮合反応により、2,4°−および2.2’−MD
UとN−フェニルカーバメートがホルムアルデヒドと縮
合して3核体ポリカーバメートの生成が起こる他に、最
初の縮合反応と同様に未反応N−フェニルカーバメート
がホルムアルデヒドと縮合して4.4’ −M D U
を主とする2核体および多核体が生成し、しかもその際
の4.4’−MDUへの選択率が1回目より高くなるの
で、従来の縮合反応を1回しか行わない方法に比べて、
全体として未反応N−フェニルカーバメート量と2,4
°−および2.2゜−MDU生成量が減り、好ましい4
,4°−MDUと多核体ポリカーバメートの生成量が増
大する。2回目の縮合反応の生成物は、主に4.4’−
MDUと多核体ポリカーバメートとからなり、これを熱
分解すると、ポリメリックMDIとして良好な品質を有
するポリイソシアネート生成物が得られる。
あるいは、この縮合反応生成物を、再度上記のように芳
香族炭化水素溶剤で析出処理して、4,4゛−MDUに
富む成分を析出させて、最初の析出処理の析出物と一緒
に熱分解してピュアMDI製品とし、この析出処理で残
留したポリカーバメート生成物から、熱分解によりポリ
メリフクMDI製品を得るようにしてもよい、こうする
と、高価値のピュアMDIの歩留まりが非常に高くなり
、有利である。
次に、本発明を実施例により例示する。実施例中、%は
特に言及のない限り重量%である。また、実施例におけ
る分析は高速液体クロマトグラフィーおよびゲル・パー
ミェーション・クロマトグラフィーで行った。
災1旦上 (A) $1合反応! 温度計、攪拌機、還流冷却器および滴下漏斗を取りつけ
た21容の丸底フラスコに、エチルN−フェニルカーバ
メート (RP C)200gと50%硫酸1186.
9 gとを入れ、攪拌下で加熱した。温度50℃で37
%ホルムアルデヒド水溶液49.08gを滴下し、滴下
終了後、混合液を攪拌しながら90℃に加熱し、90℃
で2時間槽合反応させた。
反応終了後、温度を90℃に保持しながら熱トルエン6
00−で縮合生成物を熱抽出した。有機層から分離され
た硫酸層を熱トルエン150dで洗浄し、このトルエン
層を上記抽出で得られたトルエン溶液と合わせて熱水で
洗浄した後、高速液体クロマトグラフィーによる分析を
行った。
分析の結果、得られたトルエン溶液は、4,4°−MD
U 110.1g、2.4’−MDU13.6g、およ
び未反応RP C21,2gを含有していた。
(B)析出処理 上記(A)で得られたポリカーバメート縮合生成物を含
有する熱トルエン溶液を室温まで冷却し、析出した結晶
を濾別することにより、111.5 gの結晶が得られ
た0分析の結果、これは4.4’ −M DU95.4
%、2.4′−MDUo、5%を含有し、RPCは含有
していなかった。
結晶分離後の母液からトルエンを留去すると、88.3
 gの油状物質が残留した。この残留物には、4.4’
 −M D U23.5%、2.4’ −M D U1
4.6%およびRP C22,7%が含まれており、そ
の残りは3核体以上の多核体および反応中間体などであ
ると考えられる。
この結果から、トルエン溶液での縮合生成物の溶解およ
び析出により4,4°−MDtJが優先的に析出し、残
留液には未反応EPCおよび4.4″一体板外のMDU
異性体および多核体が濃縮されることがわかる。
(C)縮合反応■ 上記(B)で析出処理後の母液から得られた残留油状物
質85gを用いて、縮合反応を行った。この縮合反応は
、37%ホルムアルデヒド水溶液4.46gおよび55
%硫酸178.5 gを用いて、上記縮合反応■と同様
の方法により90℃で2時間行った0反応終了後、やは
り縮合反応Iと同様にトルエンで抽出および洗浄処理し
、283.1 gのトルエン溶液を得た。この溶液は、
4,4°−MDtJ32.4g、 2.4”−MDU1
2.9g、および未反応RPC3,1gを含有していた
仕込みの油状物質の組成から判断すると、16.1gの
RPCが縮合反応により消費され、4.4’ −MDU
および2,4°−MDUはそれぞれ12.4 gおよび
0.5 g生成したことになる。
得られたトルエン溶液を冷却することにより結晶12.
6 gを得た0分析の結果、この結晶は4,4°−M 
D U95.5%、2.4’ −M D U 0.7%
およびEPCO14%を含有していた。また、結晶分離
後の母液からトルエンを留去した後の油状物質には、4
.4”−M D U28.1%、2.4’ −M D 
U17.9%、およびRPC6,0%を含有していた。
(発明の効果) 本発明によれば、実施例にも例示したように、市ネ列 芳香族央金水索による析出処理を利用することによって
、縮合反応生成物中に含まれる各種のポリカーバメート
のうち4.4’−MDUを優先的に結晶として取り出す
ことことができる。これを熱分解すると、純度の高い4
,4°−MDIが生成し、熱分解後に生成物の品質を劣
化させる恐れのある蒸留による精製・分離操作を必要と
せずに高品質のピュアMDIを得ることができる。
さらに、結晶を除去した後の母液に残留するポリカーバ
メート生成物を再び縮合反応させることにより、残留す
る4、4’−MDUを安定に保持したまま、未反応N−
フェニルカーバメートの縮合により1回目の縮合反応よ
り高い選択率で4.4’ −MDUが生成する。したが
って、縮合反応の転化率と共に高価値のピュアMDIを
生ずる4、4’−MDUの収率を向上させることができ
、同時に2,4°−および2.2’−MDUの生成量が
低減してこれらが多核体化されるので、4.4’−MD
U分離後の残留ポリカーバメートの熱分解により品質の
優れたポリメリックMDIを得ることができる。
このように、本発明の方法により製品分布の高品質化が
達成される上、未反応原料の蒸留による回収設備が不要
となり、しかもこの蒸留に伴うポリカーバメートの劣化
が起こらないので、−層の製品品質の向上が図られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)酸水溶液の存在下でN−フェニルカーバメートを
    メチレン化剤と縮合させてポリメチレンポリフェニルポ
    リカーバメートを製造する方法において、縮合反応生成
    物を芳香族系溶剤で処理して、生成ポリカーバメート中
    の4,4′−メチレンジフェニルジカーバメートを優先
    的に析出させ、析出物を分離した後の母液に残留するポ
    リメチレンポリフェニルポリカーバメートおよび未反応
    N−フェニルカーバメートを酸水溶液の存在下で再度メ
    チレン化剤と縮合反応させることを特徴とする、ポリメ
    チレンポリフェニルポリカーバメートの製造方法。
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