JP7491325B2 - 車両操舵システム及び車両操舵方法 - Google Patents

車両操舵システム及び車両操舵方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7491325B2
JP7491325B2 JP2022007784A JP2022007784A JP7491325B2 JP 7491325 B2 JP7491325 B2 JP 7491325B2 JP 2022007784 A JP2022007784 A JP 2022007784A JP 2022007784 A JP2022007784 A JP 2022007784A JP 7491325 B2 JP7491325 B2 JP 7491325B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ratio
steering
reaction force
vehicle
operating condition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022007784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023106825A (ja
Inventor
康佑 赤塚
理央 須田
佳夫 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2022007784A priority Critical patent/JP7491325B2/ja
Priority to US17/986,475 priority patent/US20230234641A1/en
Publication of JP2023106825A publication Critical patent/JP2023106825A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7491325B2 publication Critical patent/JP7491325B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/008Control of feed-back to the steering input member, e.g. simulating road feel in steer-by-wire applications
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/046Controlling the motor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D7/00Steering linkage; Stub axles or their mountings
    • B62D7/06Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins
    • B62D7/14Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering
    • B62D7/15Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels
    • B62D7/159Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels characterised by computing methods or stabilisation processes or systems, e.g. responding to yaw rate, lateral wind, load, road condition

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

本開示は、車両操舵システム及び車両操舵方法に関する。
特許文献1は、ステアバイワイヤ式の車両用の操舵装置を対象とした操舵制御装置を開示している。この操舵制御装置は、反力アクチュエータによってステアリングホイールに付与される操舵反力を演算する反力制御部を備える。反力制御部は、路面情報に基づく第1推定軸力と、車両状態量に基づく第2推定軸力とに基づいてグリップ度を演算し、当該グリップ度に応じて操舵反力を可変する。
特開2019-131013号公報
特許文献1に記載の技術によれば、車輪(タイヤ)のグリップ度は、転舵輪のセルフアライニングトルクを転舵輪に作用する横力で除することにより演算される。このため、車両の直進状態における車輪のスリップの情報を、操舵反力を利用して運転者に伝達させることはできない。その結果、運転者は、直進状態からの操舵初期に、操舵反力を利用して路面状況を把握することが困難になる。
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、車両の直進状態からの操舵初期における運転者による路面状況の把握を容易にすることに資する車両操舵システム及び車両操舵方法を提供することを目的とする。
本開示に係る車両操舵システムは、少なくとも転舵輪を含む車輪を備える車両に適用され、操舵部材と、反力アクチュエータと、転舵装置と、電子制御ユニットと、を備える。操舵部材は、転舵輪から機械的に分離されている。反力アクチュエータは、操舵部材に操舵反力を付与する。転舵装置は、転舵輪を転舵する。電子制御ユニットは、操舵部材の操舵量に基づく目標転舵角に従って転舵装置を制御する。電子制御ユニットは、目標転舵角に応じた第1転舵軸力と、転舵装置の出力電流又は出力トルクに応じた第2転舵軸力とに基づく操舵反力が生成されるように反力アクチュエータを制御する。そして、電子制御ユニットは、車輪のスリップ率の絶対値の増加に伴い、操舵反力に配分される第1転舵軸力の第1比率を減少させ且つ操舵反力に配分される第2転舵軸力の第2比率を増加させる
また、電子制御ユニットは、スリップ率の絶対値が閾値より大きいことを含む作動条件が成立する場合に車両安定化制御を実行する。そして、電子制御ユニットは、当該作動条件が成立している期間中に、当該作動条件の成立時点と比べて第1比率を減少させ且つ第2比率を増加させる。
さらに、第1比率と第2比率とをスリップ率に基づいて変更しつつ上記作動条件が成立している期間中に当該作動条件の成立時点と比べて第1比率を減少させ且つ第2比率を増加させる場合、電子制御ユニットは、スリップ率の絶対値の増加に伴って増加するように演算される第2比率と、当該作動条件の成立中に増加するように演算される第2比率とを調停し、調停後の第2比率及び当該調停後の第2比率から特定される第1比率に従って配分される第1転舵軸力及び第2転舵軸力に基づく操舵反力が生成されるように反力アクチュエータを制御する。
電子制御ユニットは、作動条件が成立している期間に続く所定期間において、作動条件が不成立となった時点の第1比率及び第2比率を保持してもよい。
上記スリップ率は、転舵輪のスリップ率であってもよい。
本開示に係る車両操舵方法は、少なくとも転舵輪を含む車輪を備える車両に適用される方法であって、転舵輪から機械的に分離された操舵部材に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、転舵輪を転舵する転舵装置と、を制御する方法である。この車両操舵方法は、操舵部材の操舵量に基づく目標転舵角に従って転舵装置を制御することと、目標転舵角に応じた第1転舵軸力と、転舵装置の出力電流又は出力トルクに応じた第2転舵軸力とに基づく操舵反力が生成されるように反力アクチュエータを制御することと、車輪のスリップ率の絶対値の増加に伴い、操舵反力に配分される第1転舵軸力の第1比率を減少させ且つ操舵反力に配分される第2転舵軸力の第2比率を増加させることと、を含む。
また、車両操舵方法は、スリップ率の絶対値が閾値より大きいことを含む作動条件が成立する場合に車両安定化制御を実行することと、当該作動条件が成立している期間中に、当該作動条件の成立時点と比べて第1比率を減少させ且つ第2比率を増加させることと、を含む。
さらに、第1比率と第2比率とをスリップ率に基づいて変更しつつ上記作動条件が成立している期間中に当該作動条件の成立時点と比べて第1比率を減少させ且つ第2比率を増加させる場合、車両操舵方法は、スリップ率の絶対値の増加に伴って増加するように演算される第2比率と当該作動条件の成立中に増加するように演算される第2比率とを調停することと、調停後の第2比率及び当該調停後の第2比率から特定される第1比率に従って配分される第1転舵軸力及び第2転舵軸力に基づく操舵反力が生成されるように反力アクチュエータを制御することと、をさらに含む。
第1転舵軸力は、目標転舵角に基づく転舵軸力であるため、路面情報を反映しない。一方、第2転舵軸力は、転舵装置の出力電流又は出力トルクに基づく転舵軸力であるため、路面情報を反映する。本開示によれば、第1転舵軸力の第1比率と第2転舵軸力の第2比率とが、車輪のスリップ率に基づいて変更される。このような構成によれば、電子制御ユニットは、車両が直進状態にある時に取得されるスリップ率を利用して路面情報を取得できる。そして、電子制御ユニットは、直進状態において、スリップ率に応じた第1比率及び第2比率に変更しておくことができる。つまり、直進状態からの操舵に備えて、事前に第1比率及び第2比率を路面状況に応じて適切に変更しておくことが可能となる。このことは、車両の直進状態からの操舵初期における運転者による路面状況の把握を容易にすることにつながる。
実施の形態1に係る車両操舵システムの構成の一例を示す図である。 車両操舵システムにおいて実行される制御の概要を表したブロック図である。 実施の形態1に係るスリップ率Sに基づく配分比率αの変更に関する各種の例を表した図である。 実施の形態1に係る配分比率αの変更に関する処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2に係るスリップ率Sに基づく配分比率αの変更の一例を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態2に係る配分比率αの変更に関する処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2の変形例に係るスリップ率Sに基づく配分比率αの変更の一例を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態2の変形例に係る配分比率αの変更に関する処理の一例を示すフローチャートである。 他の実施の形態に係る目標操舵反力Trtの演算に関する電子制御ユニットの機能ブロック図である。
以下、添付図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る技術思想が限定されるものではない。
1.実施の形態1
1-1.車両操舵システムの構成例
図1は、実施の形態1に係る車両操舵システム10の構成の一例を示す図である。車両操舵システム10は、車両1に適用されている。車両1は、4つの車輪2を備える。以下の説明では、前輪をまとめて2Fと称し、後輪をまとめて2Rと称する場合もある。一例として、車両1は、駆動装置(例えば、電動機)3によって前輪2Fが駆動される前輪駆動方式の車両である。ただし、本開示に係る「車両操舵システム」が適用される「車両」は、例えば、後輪駆動方式又は4輪駆動方式の車両であってもよい。また、本開示に係る「車両」の転舵輪は、前輪に限られず、4輪であってもよい。
車両操舵システム10は、操舵部材12と、反力アクチュエータ14と、転舵装置20と、電子制御ユニット(ECU)30と、を備える。
操舵部材12は、運転者によって操作される。操舵部材12は、一例としてステアリングホイールであるが、ジョイスティック等の他の操舵部材であってもよい。車両操舵システム10は、ステアバイワイヤ方式であり、操舵部材12は、転舵輪である前輪2Fから機械的に分離されている。
操舵部材(ステアリングホイール)12は、ステアリングシャフト16を介して反力アクチュエータ14と連結されている。反力アクチュエータ14は、例えば、反力モータである。反力アクチュエータ14は、操舵部材12に操舵反力Trを付与する。より詳細には、ステアリングホイールである操舵部材12の例では、操舵反力Trは操舵反力トルクである。
転舵装置20は、前輪(以下、「転舵輪」とも称する)2Fを転舵する。転舵装置20は、転舵アクチュエータ22、転舵軸(ラック軸)24、及びタイロッド26を備えている。転舵アクチュエータ22は、例えば、転舵モータであり、転舵軸24に取り付けられている。転舵輪2Fは、タイロッド26を介して転舵軸24に連結されている。転舵アクチュエータ22を駆動して転舵軸24をその軸方向に直線運動させることにより、タイロッド26を介して転舵輪2Fの転舵角(実転舵角)δが変更される。
ECU30は、反力アクチュエータ14と転舵装置20(転舵アクチュエータ22)とを制御する。具体的には、ECU30は、プロセッサ32、記憶装置34、及び入出力インターフェースを備えている。入出力インターフェースは、車両1に取り付けられたセンサ類36からセンサ信号を取り込むとともに、反力アクチュエータ14及び転舵アクチュエータ22に対して操作信号を出力する。プロセッサ32は、反力アクチュエータ14及び転舵アクチュエータ22の制御に関する各種処理を実行する。記憶装置34は、プロセッサ32による処理に用いられる各種プログラム及び各種データ(マップを含む)が記憶されている。プロセッサ32が記憶装置34から制御プログラムを読み出して実行することにより、ECU30による処理が実現される。なお、ECU30は複数であってもよい。具体的には、ECU30として、例えば、反力アクチュエータ14を制御するECUと、転舵アクチュエータ22を制御するECUとが個別に備えられていてもよい。
センサ類36は、例えば、車輪速度センサ、操舵角センサ、転舵角センサ、転舵電流センサ、及び横加速度センサを含む。車輪速度センサは、各車輪2に対応して配置されており、車輪速度Vwを検出する。ステアリングホイールである操舵部材12の例では、操舵部材12の操舵量は、ステアリングホイールの回転角度、すなわち、操舵角(実操舵角)θである。操舵角センサは、ステアリングシャフト16に取り付けられ、操舵角θを検出する。転舵アクチュエータ22の回転角と転舵輪2Fの転舵角δとの間には、常に一意に定まる相関関係がある。このため、転舵角センサは、転舵アクチュエータ22に取り付けられ、転舵輪2Fの転舵角δを検出する。転舵電流センサは、転舵アクチュエータ22の出力電流(駆動電流)Imを検出する。横加速度センサは、車両1の横加速度Gyを検出する。
付け加えると、上述した車両操舵システム10は、一例として車両1に搭載されている。このため、操舵部材12は、車両1に搭乗している運転者によって操作される。このような例に代え、車両1の運転は、車両1を遠隔運転する遠隔運転者によって行われてもよい。したがって、遠隔運転者による車両1の遠隔運転のために、車両操舵システム10の一部は、例えば、無線通信ネットワークを介して車両1と通信可能な遠隔運転センタに配置されていてもよい。具体的には、車両操舵システム10のうちの少なくとも操舵部材12及び反力アクチュエータ14は、遠隔運転センタにおいて遠隔運転者が車両1を遠隔操作するための遠隔運転端末に設けられていてもよい。
1-2.車両操舵システムの制御
図2は、車両操舵システム10において実行される制御の概要を表したブロック図である。車両操舵システム10の制御は、「転舵制御」と「操舵反力制御」とを含む。また、図2に示す例のように、車両操舵システム10の制御は「可変ギヤ比制御」を含んでいてもよい。
1-2-1.転舵制御
転舵制御において、ECU30は、転舵輪2Fの(実)転舵角δが目標転舵角δtに近づくように転舵アクチュエータ22を制御する。ECU30は、基本的には、操舵角センサによって検出される操舵部材12の操舵角θに応じた目標転舵角δtを演算する。操舵角θに対する目標転舵角δtの特性は、一定であってもよいが、例えば可変ギヤ比制御によって可変とされてもよい。なお、図1に示す車両操舵システム10では、上述のように、転舵装置20は操舵部材12から機械的に分離されている。このため、車両操舵システム10における可変ギヤ比制御は、操舵角θに対する転舵角δの仮想的なギヤ比(角度比)を可変とするものである。当該仮想的なギヤ比は、例えば、車速V等のパラメータに応じて可変される。
転舵制御において、ECU30は、演算した目標転舵角δtと、転舵角センサにより検出される転舵角δとの偏差に基づいて、転舵アクチュエータ22の目標出力トルクTmtを演算する。目標出力トルクTmtは、当該偏差を小さくするための出力トルクTmの目標値である。転舵装置20では、ECU30からの目標出力トルクTmtに応じた出力トルクTmを転舵アクチュエータ22が生成するように、転舵アクチュエータ22の出力電流(駆動電流)Imを制御する。その結果、転舵アクチュエータ22(転舵装置20)によって転舵輪2Fが転舵される。
1-2-2.操舵反力制御
操舵反力制御において、ECU30は、反力アクチュエータ14を制御することによって、操舵部材12に付与される操舵反力(操舵反力トルク)Trを制御する。具体的には、操舵反力制御に関し、ECU30は、角度軸力演算部40と、電流軸力演算部42と、操舵反力演算部44とを含む。
角度軸力T1及び電流軸力T2は、共に、転舵輪2Fに連結される転舵軸24に作用する軸力(転舵輪2Fに伝達される伝達力)に相当するものである。なお、操舵反力Trが操舵反力トルクである操舵部材(ステアリングホイール)12の例では、これらの軸力T1及びT2も、トルクの次元(N・m)で演算される。
角度軸力演算部40は、目標転舵角δtに基づいて角度軸力T1(第1転舵軸力)を演算する。例えば、角度軸力T1は、目標転舵角δtの絶対値が大きいほど大きな絶対値を有するように演算される。このように、角度軸力T1は、運転者による操舵部材12の操作に基づく目標転舵角δtに応じた軸力であり、路面情報が反映されない理想軸力に相当する。付け加えると、角度軸力T1は、目標転舵角δtに加え、例えば車速(車体速度)Vに基づいて演算されてもよい。例えば、角度軸力T1は、車速Vが高いほど大きな絶対値を有するように演算されてもよい。
電流軸力演算部42は、転舵アクチュエータ22(転舵装置20)の出力電流Imに基づいて電流軸力T2(第2転舵軸力)を演算する。電流軸力T2は、このように出力電流Imに基づくため、路面情報が反映される軸力の推定値に相当する。具体的には、電流軸力T2は、転舵輪2Fに対して路面から加えられる力に基づく軸力である。例えば、電流軸力T2は、転舵アクチュエータ22によって転舵軸24に加えられるトルクと、転舵輪2Fに対して路面から加えられる力に応じたトルクとが釣り合うものとして、出力電流Imの絶対値が大きくなるほど大きな絶対値を有するように演算される。なお、電流軸力T2は、出力電流Imに代え、出力トルクTmに基づいて演算されてもよい。
操舵反力演算部44は、上述のように演算される角度軸力T1と電流軸力T2とに基づく操舵反力Trの目標値である目標操舵反力Trtを演算する。目標操舵反力Trtは、例えば、次の式(1)により表される。
Trt=α×T2+(1-α)×T1 ・・・(1)
式(1)において、αは、目標操舵反力Trtに配分(反映)される電流軸力T2(第2転舵軸力)の比率(第比率)に相当し、以下、「配分比率α」と称される。配分比率αは、0以上1以下の値をとる。また、式(1)を用いる例では、目標操舵反力Trtに配分(反映)される角度軸力T1(第1転舵軸力)の比率は、1から配分比率αを引いて得られる値(=1-α)として設定されている。したがって、この例では、電流軸力T2の配分比率αが増えると、角度軸力T1の配分比率(1-α)は減少する。例えば、配分比率αが0.3であると、電流軸力T2の30%の値と角度軸力T1の70%の値との和が目標操舵反力Trtとして算出される。
操舵反力制御において、ECU30は、上述のように演算される目標操舵反力Trtに応じた操舵反力Trが生成されるように反力アクチュエータ14を制御する。
なお、遠隔運転者が車両を遠隔運転する遠隔運転システムの例では、図2に示す転舵制御、操舵反力制御、及び可変ギヤ比制御に関するECU30の処理のうちの少なくとも一部は、遠隔運転センタに配置されたECUによって実行されてもよい。換言すると、遠隔運転システムの例では、図2中に矢印によって示される信号の流れの少なくとも一部が、無線通信ネットワークを介して実現される。
1-2-2-1.車輪のスリップ率に基づく配分比率の変更
実施の形態1の操舵反力制御では、ECU30は、車輪2(タイヤ)のスリップ率Sに基づいて配分比率αを変更(制御)する。
各車輪2のスリップ率Sは、車輪速度センサにより検出される車輪速度Vwと、車体速度Vとに基づいて、次の式(2)により表される。スリップ率Sの算出自体は、各車輪2を対象として、基本的に車両1の走行中に常時行われている。
S=(Vw-V)/V ・・・(2)
前輪駆動式の車両1では、例えば、転動輪に相当する2つの後輪2Rの車輪速度Vwの平均値又は大きい方の値が車体速度Vとして用いられる。このことは、後輪駆動方式の車両についても同様である。また、4輪駆動方式の車両の例では、例えば、4つの車輪の車輪速度Vwのうちで2番目に低い車輪速度Vwの値が車体速度Vとして用いられる。付け加えると、加速時に駆動輪にスリップが生じた場合には、生じたスリップが大きいほど、スリップ率Sは正側に大きくなる。一方、制動時に車輪にスリップが生じた場合には、生じたスリップが大きいほど、スリップ率Sは負側に大きくなる。
より具体的には、実施の形態1では、スリップ率Sに基づく配分比率αの変更は、スリップ率Sの絶対値の増加に伴い、電流軸力T2の配分比率α(第2比率)が高くなるように実行される。これに伴い、角度軸力T1の第1比率(配分比率(1-α))は、スリップ率Sの絶対値の増加に伴って減少する。
図3(A)~3(C)は、実施の形態1に係るスリップ率Sに基づく配分比率αの変更に関する各種の例を表した図である。図3(A)~3(C)に例示されるようにスリップ率Sの絶対値の増加に伴って配分比率αが増加するように構成されていれば、配分比率αの最小値、最大値、変曲点、及び変化形状は特に限定されない。
付け加えると、図3(A)及び3(C)に示すように、配分比率αの最小値は0であってもよく、したがって、配分比率(1-α)の最大値は1であってもよい。或いは、図3(B)に示すように、配分比率αの最小値は0より大きい値であってもよく、したがって、配分比率(1-α)の最大値は1より小さい値であってもよい。
また、図3(B)及び3(C)に示すように、配分比率αの最大値は1であってもよく、したがって、配分比率(1-α)の最小値は0であってもよい。或いは、図3(A)に示すように、配分比率αの最大値は1より小さい値であってもよく、したがって、配分比率(1-α)の最小値は0より大きい値であってもよい。
さらに、スリップ率Sの絶対値に対する配分比率αの関数の変曲点の数は、図3(A)~3(C)に示す2つの例に限られず、0、1つ、又は3つ以上であってもよい。また、スリップ率Sの絶対値に対し、配分比率αは、例えば、図3(A)及び3(B)に示すように直線的に増加してもよいし、又は図3(C)に示すように曲線的に(例えば、指数関数的に)増加してもよい。
さらに、実施の形態1では、配分比率αを変更するために、転舵輪(前輪)2Fのスリップ率Sが用いられる。しかしながら、配分比率αの変更のために、転舵輪でない車輪(車両1の例では、後輪2R)のスリップ率Sが、転舵輪2Fのスリップ率Sとともに或いはそれに代えて用いられてもよい。
図4は、実施の形態1に係る配分比率αの変更に関する処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、車両1の走行中に繰り返し実行される。より詳細には、図4に示す処理は、操舵反力演算部44(図2参照)の処理に含まれる。
ステップS100において、ECU30(プロセッサ32)は、転舵輪2Fのスリップ率Sを取得する。より詳細には、ステップS100において取得されるスリップ率Sは、例えば、2つの転舵輪2Fのスリップ率Sの平均値である。或いは、2つの転舵輪2Fのスリップ率Sのうちで絶対値が大きい方の値が取得されてもよい。
次に、ステップS102において、ECU30は、スリップ率Sに基づいて配分比率αを変更する。具体的には、ECU30の記憶装置34は、図3(A)~3(C)に例示されるような配分比率αとスリップ率Sの絶対値との関係をマップ又は関係式として記憶している。ECU30は、そのようなマップ等の関係から、ステップS100にて取得されたスリップ率Sの絶対値に応じた配分比率αを演算する。
ステップS102にて演算された配分比率αは、図2に示すように演算される角度軸力T1及び電流軸力T2に基づく目標操舵反力Trtの演算に用いられる。
1-3.効果
以上説明したように、実施の形態1に係る操舵反力制御によれば、スリップ率Sに基づいて配分比率αが変更される。このように配分比率αの変更のためにスリップ率Sを用いることにより、ECU30は、車両1が直進状態にある時に取得されるスリップ率Sを利用して路面情報を取得できる。そして、ECU30は、直進状態において、スリップ率Sに応じた配分比率αに変更しておくことができる(ステップS102参照)。つまり、直進状態からの操舵に備えて、事前に配分比率αを路面状況に応じて適切に変更しておくことが可能となる。このことは、車両1の直進状態からの操舵初期における運転者による路面状況の把握を容易にすることにつながる。
より詳細には、実施の形態1に係る操舵反力制御によれば、スリップ率Sの増加に伴って配分比率αが増加される。したがって、角度軸力T1が減少されつつ電流軸力T2が増加される。
ここで、スリップ率Sの絶対値が大きくなる時(例えば、雪道等の低μ路の走行時又はハイドロプレーニング現象の発生時)には、転舵輪2Fを転舵しても、路面から受ける力は生じないか十分に小さくなる。その結果、出力電流Imが小さくなる(出力トルクTmも同様)ので、電流軸力T2が小さくなる。そして、電流軸力T2は、操舵部材12による操舵操作が行われていない直進状態では発生せず、操舵操作に伴う転舵輪2Fの転舵に伴って生じる出力電流Im(又は出力トルクTm)に応じて発生するものである。このため、転舵輪2Fが実際に開始された後の出力電流Im(又は出力トルクTm)の大きさに基づいて配分比率αを増加させるという手法が仮に採用された場合、低μ路の走行時等において路面状況に応じた電流軸力T2を操舵反力Trに反映させるまでに時間を要することとなる。その結果、当該路面状況に応じた電流軸力T2が反映された操舵反力Trを利用して運転者が路面状況を把握するまでに時間を要してしまう。
これに対し、実施の形態1の操舵反力制御によれば、ECU30は、直進状態においてスリップ率Sに基づいて路面情報を取得し、操舵操作の開始前に配分比率αを増加させておくことができる。これにより、その後に実際に操舵操作がなされた際に生じる出力電流Im(又は出力トルクTm)に応じた電流軸力T2を、高い配分比率αで速やかに操舵反力Trに反映させることが可能となる。電流軸力T2の配分比率αが増えると、操舵反力Trは、路面状況の影響がより大きく反映されたものとなる。より詳細には、低μ路の走行時等であるために小さな値として演算される電流軸力T2の配分比率αが増加するため、操舵反力Trは小さくなる。このため、運転者は、直進状態からの操舵初期において、自身の操舵操作による操舵角θに対して小さいと感じられる操舵反力Trを操舵部材12を介して速やかに受け取ることができる。このように、運転者は、当該操舵反力Trを利用して路面状況を速やかに把握できるようになる。
さらに、実施の形態1に係る操舵反力制御によれば、配分比率αの変更のためのスリップ率Sとして、転舵輪2Fのスリップ率Sが利用される。これにより、操舵部材12による操舵の対象である転舵輪2Fのスリップ率Sの情報を利用して、配分比率αをより適切に変更することができる。
2.実施の形態2
実施の形態2においても、ECU30は、配分比率αをスリップ率Sに基づいて変更することにより、本開示に係る第1転舵軸力の「第1比率」と第2転舵軸力の「第2比率」とを「車輪のスリップ率」に基づいて変更する。実施の形態2は、スリップ率Sに基づいて配分比率αを変更する具体的な手法において、実施の形態1と相違している。
2-1.車輪のスリップ率に基づく配分比率の変更
具体的には、実施の形態2では、スリップ率Sの絶対値が閾値より大きいことを作動条件として含む「車両安定化制御A」を実行する。車両安定化制御Aは、例えば、トラクション制御(TRC:Traction Control)である。TRCは、車両1の発進時又は加速時の駆動輪(前輪)2Fの空転を抑えるために実行される。TRCの作動条件は、駆動輪2Fのスリップ率S(正の値)が閾値TH1を上回る時に成立する。その結果、TRCが作動する(ONとなる)。TRCは、スリップ率Sが閾値TH1を超えた駆動輪2F(制御対象輪)のスリップ率Sが目標スリップ率にまで低下するように、当該制御対象輪のトルクを制御する。このトルクの制御は、駆動装置3のトルクを下げたり、制御対象輪に制動力を付与したりすることによって行うことができる。これにより、制御対象輪の空転が抑制される。TRCは、制御対象輪のスリップ率Sが上記閾値TH1よりも小さい閾値TH2を下回る時に解除される(OFFとされる)。
車両安定化制御Aの他の例は、アンチロックブレーキ制御(ABS制御)である。ABS制御は、車輪2のスリップ率S(負の値)の絶対値が閾値TH3を上回る時に成立する。その結果、ABS制御が作動する(ONとなる)。ABS制御によれば、ロック傾向にある車輪2の実スリップ率Sを目標スリップ率に近づけるために、当該車輪2に付与される制動力が制御される。これにより、当該車輪2のロックが回避される。ABS制御は、ロック傾向にある車輪2のスリップ率Sが上記閾値TH3より小さな閾値TH4を下回る時に解除される(OFFとされる)。
実施の形態2では、ECU30は、TRC又はABS制御等の車両安定化制御Aの作動状態に応じて配分比率αを変更(制御)する。具体的には、ECU30は、車両安定化制御Aの作動条件が成立している期間(図5に示す期間(t1-t2))中に、当該作動条件の成立時点t1(図5参照)と比べて配分比率αを増加させる。すなわち、当該期間(t1-t2)中に、当該作動条件の成立時点t1と比べて角度軸力T1の第1比率(配分比率(1-α))が減少され、電流軸力T2の第2比率(配分比率α)が増加される。
図5は、実施の形態2に係るスリップ率Sに基づく配分比率αの変更の一例を説明するためのタイムチャートである。図5に示す例では、車両安定化制御Aの作動条件が成立すると(時点t1;制御ON)、ECU30は、最小値の一例である0から最大値の一例である1にまで配分比率αを時間経過とともに増加させる。配分比率αが最大値に到達した後に車両安定化制御Aが継続的に作動している場合、ECU30は、配分比率αを最大値で保持する。車両安定化制御Aの作動条件が不成立になると(時点t2;制御OFF)、ECU30は、例えば最小値に向けて配分比率αを時間経過とともに減少させる。なお、配分比率αの最小値、最大値、増加勾配、減少勾配、及び変化形状は、図5に示す例に示されるものに代え、任意に設定可能である。
図6は、実施の形態2に係る配分比率αの変更に関する処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、車両1の走行中に繰り返し実行される。
ステップS200において、ECU30は、車両安定化制御Aの作動条件が成立したか否かを判定する。その結果、この判定結果がYesの場合(つまり、スリップ率Sの絶対値が閾値より大きいことを含む作動条件が成立する場合)、処理はステップS202に進む。
ステップS202において、ECU30は、配分比率αが最大値(例えば、1)と等しいか否かを判定する。その結果、配分比率αが最大値に達していない場合には、ステップS204において、ECU30は、配分比率αを例えば所定量だけ増加させる。その後、処理はリターンに進む。
一方、ステップS202において配分比率αが最大値に達している場合には、ステップS206において、ECU30は、配分比率αを最大値で保持する。その後、処理はリターンに進む。
また、ステップS200の判定結果がNoの場合(すなわち、車両安定化制御Aの作動条件が不成立である場合)、処理はステップS208に進む。ステップS208において、ECU30は、配分比率αが最小値と等しいか否かを判定する。
ステップS208において配分比率αが最小値と等しい場合には、処理はリターンに進む。一方、配分比率αが最小値と等しくない場合には、ステップS210において、ECU30は、配分比率αを例えば所定量だけ減少させる。その後、処理はリターンに進む。
2-2.効果
以上説明したように、実施の形態2に係る操舵反力制御によっても、スリップ率Sに基づいて配分比率αが変更されることになる。より具体的には、車両安定化制御Aの作動条件が成立しているためにスリップ率Sの絶対値が閾値より大きい状況下において、配分比率αが増加される。これにより、低μ路の走行時等において車両安定化制御Aが作動している期間(t1-t2)中に直進状態からの操舵がなされた際に、運転者は、電流軸力T2の配分比率αが高められた操舵反力Trを操舵部材12を介して速やかに受け取ることができる。このため、運転者は、当該操舵反力Trを利用して路面状況を速やかに把握できるようになる。
2-3.変形例
図7は、実施の形態2の変形例に係るスリップ率Sに基づく配分比率αの変更の一例を説明するためのタイムチャートである。図7に示す例では、ECU30は、車両安定化制御Aの作動条件が成立している期間(t1-t2)に続く所定期間Δtにおいて、車両安定化制御AがOFFとなった時点t2の値(例えば、最大値)で配分比率αを保持している。すなわち、当該所定期間Δtにおいて、電流軸力T2の第2比率(配分比率α)及び角度軸力T1の第1比率(配分比率(1-α))が一定に保持される。
図8は、実施の形態2の変形例に係る配分比率αの変更に関する処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、ステップS300及びS302の処理が追加されている点を除き、上述の図6に示すフローチャートの処理と同じである。
図8では、ステップS200の判定結果がNOの場合(つまり、車両安定化制御AがOFFである場合)、処理はステップS300に進む。
ステップS300において、ECU30は、車両安定化制御AがOFFとされた時点(換言すると、作動条件が不成立となった時点)t2からの所定期間Δt内であるか否かを判定する。その結果、所定期間Δt内である場合には処理はステップS302に進み、一方、所定期間Δtの経過後である場合には処理はステップS208に進む。
ステップS302において、ECU30は、車両安定化制御AがOFFとされた時点の値で配分比率αを保持する。
TRC又はABS制御等の車両安定化制御Aは、OFFとなった後に短時間で再びONとなる場合がある。図8に示す処理によれば、このように車両安定化制御AのON及びOFFが繰り返されることに起因して操舵反力Trにハンチングが生じることを抑制できる。付け加えると、所定期間Δtは、当該ハンチングの抑制に必要な(適した)値に設定されている。
付け加えると、実施の形態2及びその変形例に関し、車両安定化制御AがTRCの例では、TRCの作動に伴う配分比率αの変更は、前輪駆動方式の車両1のように駆動輪と転舵輪とが一致する車両においてのみ実行されてもよい。当該車両の例では、駆動輪のスリップ率Sの情報は、転舵輪のスリップ率Sの情報と等しくなる。このため、TRCの作動中に、操舵部材による操舵の対象である転舵輪のスリップ率Sの情報を利用して配分比率αをより適切に変更することができる。なお、駆動輪と転舵輪とが一致する車両の他の例は、四輪操舵を実行可能な四輪駆動方式の車両である。
また、実施の形態2及びその変形例に係るスリップ率Sに基づく配分比率αの変更の対象となる車両安定化制御Aは、スリップ率Sが閾値より大きいことを作動条件として含むものであれば、上述のTRC及びABS制御に限られない。すなわち、例えば、車両の横滑り抑制制御(VSC:Vehicle Stability Control)が作動条件として「スリップ率Sが閾値より大きいこと」を含む場合には、当該VSCを対象として、スリップ率Sに基づく配分比率αの変更が同様に行われてもよい。
3.他の実施の形態
3-1.目標操舵反力Trtの演算の他の例
図9は、他の実施の形態に係る目標操舵反力Trtの演算に関するECU30の機能ブロック図である。図9に示す例では、上述した実施の形態1又は2においてスリップ率Sに基づいて変更される配分比率αは、「第1の配分比率α1」と称される。図9中の第1の配分比率演算部50は、実施の形態1又は2の手法に従ってスリップ率Sに基づく第1の配分比率α1を演算する機能ブロックに相当する。
図9に示す例では、第1の配分比率α1に加え、第2の配分比率演算部52によって第2の配分比率α2が演算される。第2の配分比率α2も、第1の配分比率α1と同様に、電流軸力T2の配分比率に相当する。そして、第2の配分比率α2が用いられる場合の角度軸力T1の配分比率は「1-α2」である。したがって、第2の配分比率α2の例においても、第2の配分比率α2を大きくすることは、路面情報が反映される電流軸力T2の配分比率を大きくし、且つ、路面情報が反映されない角度軸力T1の配分比率を小さくすることに相当する。
第2の配分比率演算部52は、旋回時に車両1に作用する横加速度Gyに基づいて第2の配分比率α2を演算する。より詳細には、第2の配分比率演算部52は、横加速度Gyの増加に伴って増加するように第2の配分比率α2を演算する。横加速度Gyと第2の配分比率α2との具体的な関係の例は、図3(A)~3(C)の横軸をスリップ率Sの絶対値から横加速度Gyに置き換えることによって得られる。なお、第2の配分比率α2を決定するための横加速度Gyは、例えば、横加速度センサを用いて検出される。また、横加速度Gyとして、例えば、転舵角δと車速Vとに基づく推定横加速度が用いられてもよい。
ここで、出力電流Imに基づく電流軸力T2は、転舵時に路面から転舵輪2Fに作用する反力であるセルフアライニングトルクを近似的に表現していると考える。また、転舵時に転舵輪2Fに作用する横力Fyを車両横向きに発生している力にほぼ等しいとみなすことにより、横力Fyを横加速度Gyによって近似的に表現することができる。そして、旋回中の転舵輪2Fのスリップ角が小さい領域では、横力Fyの増加に伴ってセルフアライニングトルクも増加することが知られている。したがって、第2の配分比率演算部52によって横加速度Gyの増加に伴って増加するように第2の配分比率α2を演算することにより、大きなセルフアライニングトルクが発生するときに電流軸力T2が操舵反力Trに大きく配分される操舵反力特性を、横力Fyとセルフアライニングトルクとの関係を考慮して得ることができる。
配分比率調停部54は、第1の配分比率α1と第2の配分比率α2とを調停し、調停後の配分比率αarbを演算する。具体的には、配分比率αarbは、例えば、第1の配分比率α1と第2の配分比率α2との平均値であってもよい。或いは、路面情報をより積極的に運転者に伝えられるようにするために、配分比率αarbとして、第1の配分比率α1と第2の配分比率α2のうちの大きい方の値が選択されてもよい。
操舵反力演算部56は、調停後の配分比率αarbを用いて目標操舵反力Trtを演算する。当該目標操舵反力Trtは、例えば、次の式(3)により表される。
Trt=αarb×T2+(1-αarb)×T1 ・・・(3)
3-2.目標操舵反力Trtの演算のさらなる他の例
また、実施の形態1に係る配分比率αの演算手法と、実施の形態に係る配分比率αの演算手法とが組み合わされてもよい。具体的には、実施の形態1に係る演算手法に従ってスリップ率Sの絶対値の増加に伴って増加するように演算される配分比率αを、ここでは「配分比率αe1」と称する。実施の形態2に係る演算手法に従って車両安定化制御Aの作動条件の成立中に増加するように演算される配分比率αを、ここでは「配分比率αe2」と称する。ECU30は、これらの配分比率αe1と配分比率αe2とを、例えば、図9に示す第1の配分比率α1と第2の配分比率α2との調停と同様の手法で調停して、調停後の配分比率αarb’を算出してもよい。そして、ECU30は、例えば調停後の配分比率αarbを用いる例と同様の手法で、調停後の配分比率αarb’を用いて目標操舵反力Trtを演算してもよい。さらには、ECU30による配分比率の調停は、3通りの配分比率、すなわち、配分比率αe1と配分比率αe2と第2の配分比率α2(図9参照)とを対象として同様に行われてもよい。
1 車両
2 車輪
2F 前輪(転舵輪;駆動輪)
2R 後輪(転動輪)
3 駆動装置
10 車両操舵システム
12 操舵部材
14 反力アクチュエータ
16 ステアリングシャフト
20 転舵装置
22 転舵アクチュエータ
24 転舵軸
30 電子制御ユニット(ECU)
32 プロセッサ
34 記憶装置
36 センサ類

Claims (4)

  1. 少なくとも転舵輪を含む車輪を備える車両に適用される車両操舵システムであって、
    前記転舵輪から機械的に分離された操舵部材と、
    前記操舵部材に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
    前記転舵輪を転舵する転舵装置と、
    電子制御ユニットと、
    を備え、
    前記電子制御ユニットは、
    前記操舵部材の操舵量に基づく目標転舵角に従って前記転舵装置を制御し、
    前記目標転舵角に応じた第1転舵軸力と、前記転舵装置の出力電流又は出力トルクに応じた第2転舵軸力とに基づく操舵反力が生成されるように前記反力アクチュエータを制御し、
    前記車輪のスリップ率の絶対値の増加に伴い、前記操舵反力に配分される前記第1転舵軸力の第1比率を減少させ且つ前記操舵反力に配分される前記第2転舵軸力の第2比率を増加させ、
    前記スリップ率の絶対値が閾値より大きいことを含む作動条件が成立する場合に車両安定化制御を実行し、
    前記作動条件が成立している期間中に、前記作動条件の成立時点と比べて前記第1比率を減少させ且つ前記第2比率を増加させるものであって、
    前記第1比率と前記第2比率とを前記スリップ率に基づいて変更しつつ前記作動条件が成立している前記期間中に前記作動条件の前記成立時点と比べて前記第1比率を減少させ且つ前記第2比率を増加させる場合、前記電子制御ユニットは、
    前記スリップ率の絶対値の増加に伴って増加するように演算される前記第2比率と、前記作動条件の成立中に増加するように演算される前記第2比率とを調停し、
    調停後の前記第2比率及び前記調停後の前記第2比率から特定される前記第1比率に従って配分される前記第1転舵軸力及び前記第2転舵軸力に基づく操舵反力が生成されるように前記反力アクチュエータを制御する
    車両操舵システム。
  2. 請求項に記載の車両操舵システムであって、
    前記電子制御ユニットは、前記作動条件が成立している前記期間に続く所定期間において、前記作動条件が不成立となった時点の前記第1比率及び前記第2比率を保持する
    車両操舵システム。
  3. 請求項1又は2に記載の車両操舵システムであって、
    前記スリップ率は、前記転舵輪のスリップ率である
    車両操舵システム。
  4. 少なくとも転舵輪を含む車輪を備える車両に適用され、前記転舵輪から機械的に分離された操舵部材に操舵反力を付与する反力アクチュエータと、前記転舵輪を転舵する転舵装置と、を制御する車両操舵方法であって、
    前記操舵部材の操舵量に基づく目標転舵角に従って前記転舵装置を制御することと、
    前記目標転舵角に応じた第1転舵軸力と、前記転舵装置の出力電流又は出力トルクに応じた第2転舵軸力とに基づく操舵反力が生成されるように前記反力アクチュエータを制御することと、
    前記車輪のスリップ率の絶対値の増加に伴い、前記操舵反力に配分される前記第1転舵軸力の第1比率を減少させ且つ前記操舵反力に配分される前記第2転舵軸力の第2比率を増加させることと、
    前記スリップ率の絶対値が閾値より大きいことを含む作動条件が成立する場合に車両安定化制御を実行することと、
    前記作動条件が成立している期間中に、前記作動条件の成立時点と比べて前記第1比率を減少させ且つ前記第2比率を増加させることと、
    を含み、
    前記第1比率と前記第2比率とを前記スリップ率に基づいて変更しつつ前記作動条件が成立している前記期間中に前記作動条件の前記成立時点と比べて前記第1比率を減少させ且つ前記第2比率を増加させる場合、前記車両操舵方法は、
    前記スリップ率の絶対値の増加に伴って増加するように演算される前記第2比率と、前記作動条件の成立中に増加するように演算される前記第2比率とを調停することと、
    調停後の前記第2比率及び前記調停後の前記第2比率から特定される前記第1比率に従って配分される前記第1転舵軸力及び前記第2転舵軸力に基づく操舵反力が生成されるように前記反力アクチュエータを制御することと、
    をさらに含む
    車両操舵方法。
JP2022007784A 2022-01-21 2022-01-21 車両操舵システム及び車両操舵方法 Active JP7491325B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022007784A JP7491325B2 (ja) 2022-01-21 2022-01-21 車両操舵システム及び車両操舵方法
US17/986,475 US20230234641A1 (en) 2022-01-21 2022-11-14 Vehicle steering system and vehicle steering method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022007784A JP7491325B2 (ja) 2022-01-21 2022-01-21 車両操舵システム及び車両操舵方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023106825A JP2023106825A (ja) 2023-08-02
JP7491325B2 true JP7491325B2 (ja) 2024-05-28

Family

ID=87313425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022007784A Active JP7491325B2 (ja) 2022-01-21 2022-01-21 車両操舵システム及び車両操舵方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20230234641A1 (ja)
JP (1) JP7491325B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020090108A (ja) 2018-12-03 2020-06-11 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP2020168952A (ja) 2019-04-03 2020-10-15 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置
JP2021030837A (ja) 2019-08-22 2021-03-01 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020090108A (ja) 2018-12-03 2020-06-11 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP2020168952A (ja) 2019-04-03 2020-10-15 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置
JP2021030837A (ja) 2019-08-22 2021-03-01 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023106825A (ja) 2023-08-02
US20230234641A1 (en) 2023-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3377999B2 (ja) 車両の制御性を増加する方法
US8116942B2 (en) Steering angle control apparatus for vehicle
US8548682B2 (en) Lateral motion control apparatus for a vehicle
JP3946294B2 (ja) 制動力制御装置
US7997373B2 (en) Steering control device for vehicle
US20160272197A1 (en) Method in Order to Control Vehicle Behaviour
US11548487B2 (en) Lane departure prevention system of vehicle
US20050096830A1 (en) Integrated control apparatus for vehicle
CN108466611A (zh) 四轮驱动车辆的控制装置
KR101305124B1 (ko) 차량 동적 성능 향상 장치 및 방법
KR20120126071A (ko) 브레이킹 및 드라이빙 동작들로 드라이빙 역학에 영향을 미치는 방법 및 브레이킹 시스템
JP6504223B2 (ja) 車両の駆動力制御方法
US20150314759A1 (en) Vehicle movement dynamics control method
JP2000153756A (ja) 車両の走行特性を制御する方法
JP4600126B2 (ja) 車両姿勢制御装置
EP2289746B1 (en) System for enhancing cornering performance of a vehicle controlled by a safety system
US8249790B2 (en) Vehicle behavior control device
EP1370456A1 (en) Oversteer steering assistance controller
JP3840061B2 (ja) 四輪駆動車
JP7491325B2 (ja) 車両操舵システム及び車両操舵方法
JP5154397B2 (ja) 車両運動制御装置
JP3214826B2 (ja) 車両の運動制御装置
US8660750B2 (en) System for enhancing cornering performance of a vehicle equipped with a stability control system
JP4379039B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP5018051B2 (ja) 車両の駆動力制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240429

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7491325

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150