JP7466006B2 - 一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法 - Google Patents

一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法 Download PDF

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Description

本発明は、一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法に関し、上記ワイヤソーは、ソーワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤアレイと、駆動装置とを備え、上記ワイヤアレイは、2つのワイヤガイドローラ間の平面において張力をかけられており、上記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と浮動軸受との間に支持されている。各上記切断動作中に、作動流体および上記被加工物に対して研磨するように作用する硬質材料の存在下で、上記駆動装置によって送り方向に沿って上記ワイヤアレイを通るように上記それぞれの被加工物が送られ、上記送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、上記ワイヤアレイの上記平面に対して垂直である。
先行技術/問題
このような複数のスライスを切断する方法は、ラップスライシングまたは研削スライシングによって実現することができる。
ラップスライシングの場合、液体分散媒中の硬質材料からなるスラリの形態の作動流体が、ワイヤ表面と被加工物との間に形成された作業空間に送り込まれる。ラップスライシングの場合、材料は、ツールキャリア(ソーワイヤ)とツール(研磨剤)と被加工物とが関与する三体相互作用によって除去される。
研削スライシングの場合、表面に硬質材料が強固に接着されたソーワイヤが使用され、作動流体が供給されるが、作動流体自体は研磨材料を含んでおらず、冷却潤滑剤として機能する。研削スライシングの場合、材料は、ツールとしてのダイヤモンド被覆ソーワイヤと被加工物とが関与する二体相互作用によって除去される。
従来のワイヤソーの場合、ワイヤガイドローラの各々は、その端面の各々の近傍に、機枠に固定的に接続された、固定軸受と称される軸受を備えており、反対側の端面の近傍に、機枠に対してワイヤガイドローラの軸方向に移動可能な、浮動軸受と称される軸受を備えている。
切断対象のスライスの主面の平面平行度を向上させるために切断動作中のワイヤアレイおよび被加工物の互いに対する配置の変化を抑制することを目的とした公知の方策がある。
US5377568は、機枠に対してワイヤガイドローラの外側に位置する基準面の位置が測定され、基準面の測定された位置変化が再び補償されるまでワイヤガイドローラ内部の温度を調整することによって、ワイヤガイドローラにおける熱長の増加または減少が引き起こされる、方法を開示している。
WO2013/079683A1は、まず、ワイヤガイドローラ軸受のさまざまな温度で得られたスライス形状が測定され、これらの形状の各々が、それぞれに関連付けられた軸受温度で格納され、次いで、後続の切断時に、所望のターゲット形状に最もよく適合する軸受温度が選択される、方法を開示している。
US5875770は、切込みからのスライスの形状が測定され、これらのスライスの所望の理想的な形状に対する差を形成することによって切込み深さに依存する補正曲線が計算され、後続の切断時に、この補正曲線に従って切断動作中にワイヤアレイに対して軸方向に被加工物を移動させる、方法を開示している。
US2002/0174861A1は、切断されるスライスの反りを制限するために被加工物の温度の制御を想定する方法を記載している。
これらの方策にもかかわらず、一方ではこれらの方策が限られた効果しかないという理由で、他方ではスライスの平坦度および平面平行度の点での要求が特に半導体業界においてこれまで以上に厳しくなってきているという理由で、依然として改善の必要がある。
本発明の目的は、形状がターゲット形状にできる限りぴったりと適合するスライスを利用可能にすることである。
第1の実施形態によれば、本発明の目的は、一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法であって、上記切断動作は、初期の切断と後続の切断とに分割され、上記ワイヤソーは、ソーワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤアレイと、駆動装置とを備え、上記ワイヤアレイは、2つのワイヤガイドローラ間の平面において張力をかけられており、上記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と浮動軸受との間に支持されており、上記方法は、各上記切断動作中に、作動流体および上記被加工物に対して研磨するように作用する硬質材料の存在下で、上記駆動装置によって送り方向に沿って上記ワイヤアレイを通るように上記それぞれの被加工物をある送り速度で送るステップを備え、上記送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、上記ワイヤアレイの上記平面に対して垂直であり、上記送るステップは、各上記切断動作中に、第1の温度プロファイルの仕様に従って冷却流体を用いて上記固定軸受の温度を調整することによって、上記浮動軸受の同時軸方向移動とともに、上記ワイヤアレイを通るように上記被加工物を送るステップを備え、上記第1の温度プロファイルは、切込み深さに依存して上記冷却流体の温度を指定し、上記切込み深さに依存して上記浮動軸受の動きを指定する第1の補正プロファイルと相互に関係があり、上記方法はさらに、各上記切断動作中および/または各上記切断動作前に上記形状偏差を判断するステップと、上記切込み深さに依存して、上記送り速度、単位時間当たりに上記ワイヤアレイに供給される作動流体の量、上記作動流体の温度、ワイヤ速度、上記切断動作当たりのワイヤ消費量、およびワイヤ張力などの動作パラメータを設定するステップとを備える、方法によって達成される。
第2の実施形態によれば、本発明の目的は、一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法であって、上記切断動作は、初期の切断と後続の切断とに分割され、上記ワイヤソーは、ソーワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤアレイと、駆動装置とを備え、上記ワイヤアレイは、2つのワイヤガイドローラ間の平面において張力をかけられており、上記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と浮動軸受との間に支持されており、上記方法は、各上記切断動作中に、作動流体および上記被加工物に対して研磨するように作用する硬質材料の存在下で、上記駆動装置によって送り方向に沿って上記ワイヤアレイを通るように上記それぞれの被加工物をある送り速度で送るステップを備え、上記送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、上記ワイヤアレイの上記平面に対して垂直であり、上記送るステップは、上記被加工物の動きを指定する第2の補正プロファイルの仕様に従って作動要素によって上記被加工物軸に沿って上記被加工物を移動させるのと同時に、上記ワイヤアレイを通るように上記被加工物を送るステップを備え、上記第2の補正プロファイルは、形状偏差と異なるものであり、上記方法はさらに、各上記切断動作中および/または各上記切断動作前に上記形状偏差を判断するステップと、上記切込み深さに依存して、上記送り速度、単位時間当たりに上記ワイヤアレイに供給される作動流体の量、上記作動流体の温度、ワイヤ速度、上記切断動作当たりのワイヤ消費量、およびワイヤ張力などの動作パラメータを設定するステップとを備える、方法によって達成される。
第3の実施形態によれば、本発明の目的は、一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法であって、上記切断動作は、初期の切断と後続の切断とに分割され、上記ワイヤソーは、ソーワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤアレイと、駆動装置とを備え、上記ワイヤアレイは、2つのワイヤガイドローラ間の平面において張力をかけられており、上記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と浮動軸受との間に支持されており、上記方法は、各上記切断動作中に、作動流体および上記被加工物に対して研磨するように作用する硬質材料の存在下で、上記駆動装置によって送り方向に沿って上記ワイヤアレイを通るように上記それぞれの被加工物をある送り速度で送るステップを備え、上記送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、上記ワイヤアレイの上記平面に対して垂直であり、上記送るステップは、各上記切断動作中に、第1の温度プロファイルの仕様に従って冷却流体を用いて上記固定軸受の温度を調整することによって、上記浮動軸受の同時軸方向移動とともに、上記ワイヤアレイを通るように上記被加工物を送るステップを備え、上記第1の温度プロファイルは、切込み深さに依存して上記冷却流体の温度を指定し、上記切込み深さに依存して上記浮動軸受の動きを指定する第1の補正プロファイルと相互に関係があり、上記送るステップはさらに、上記被加工物の動きを指定する第2の補正プロファイルの仕様に従って作動要素によって上記被加工物軸に沿って上記被加工物を移動させるのと同時に、上記ワイヤアレイを通るように上記被加工物を送るステップを備え、上記第1の補正プロファイルおよび上記第2の補正プロファイルは、形状偏差と異なるものであり、上記方法はさらに、各上記切断動作中および/または各上記切断動作前に上記形状偏差を判断するステップと、上記切込み深さに依存して、上記送り速度、単位時間当たりに上記ワイヤアレイに供給される作動流体の量、上記作動流体の温度、ワイヤ速度、上記切断動作当たりのワイヤ消費量、およびワイヤ張力などの動作パラメータを設定するステップとを備える、方法によって達成される。
第1,第2、および第3の実施形態による本方法は、ラップスライシングまたは研削スライシングとして構成され得る。切込み深さ(doc:Depth Of Cut)は、被加工物への入口切込みから被加工物からの出口切込みまでの領域における、送り方向とは反対の長さを意味する。
第1および/または第2の補正プロファイルに従って被加工物およびワイヤアレイのワイヤセクションの相対位置を変更することと、送り速度、単位時間当たりにワイヤアレイに供給される作動流体の量、作動流体の温度、ワイヤ速度、切断動作当たりのワイヤ消費量およびワイヤ張力などの動作パラメータを設定することとの組み合わせは、動作パラメータがこれらの適用例に適合されるという条件で、目的を達成するのに特に適していることが分かった。
各切断動作の間に、冷却媒体で被加工物を濡らすことによって被加工物の温度を制御しながら、ワイヤアレイを通るように被加工物を送ることは、第1、第2または第3の実施形態に従って動作するかどうかにかかわらず、さらに有利である。
固定軸受の温度を調整すること(以下では、ワイヤガイド温度制御(WGTC:Wire Guide Temperature Control)と称される)は、ワイヤガイドローラの軸方向への固定軸受およびしたがってそれらの部品の収縮または膨張を引き起こし、その結果、被加工物に対する浮動軸受の軸方向移動およびしたがってワイヤガイドローラの移動を生じさせる。
固定軸受の温度を調整することは、作動要素によって被加工物軸に沿って被加工物を移動させること(以下では、インゴット位置決め制御(IPC:Ingot Positioning Control)と称される)と性質上同一の効果を有する。作動要素は、好ましくは圧電アクチュエータである。したがって、それぞれの動きを生じさせる変数は、WGTCの場合には冷却流体の温度であり、IPCの場合には作動要素を駆動するために使用される信号である。
冷却媒体で被加工物を濡らすこと(インゴット冷却、IC)は、被加工物の長さの変化を引き起こし、したがって、同様に、被加工物とワイヤアレイのワイヤセクションとの間の相対移動を引き起こし得る。
本発明の第1の実施形態によれば、WGTCは、それに適合された動作パラメータで実行され、第2の実施形態によれば、IPCは、それに適合された動作パラメータで実行され、第3の実施形態によれば、WGTCおよびIPCは、それに適合された動作パラメータで実行される。
3つの実施形態のいずれが使用されるかにかかわらず、適合された動作パラメータは、以下の通りである。
ワイヤアレイを通るように被加工物を送る送り速度は、2.6mm/分以上4.25mm/分以下であることが好ましく、2.6mm/分以上3.4mm/分以下であることが特に好ましい。
単位時間当たりにワイヤアレイに供給される作動流体の量は、15kg/分以上42kg/分以下であることが好ましく、34kg/分以上42kg/分以下であることが特に好ましい。
作動流体の温度は、好ましくは20℃以上34℃以下、特に好ましくは28℃以上34℃以下である。
ワイヤセクションを移動させるワイヤ速度は、6m/s以上14m/s以下であることが好ましく、6m/s以上10m/s以下であることが特に好ましい。
ワイヤ張力は、25N以上35N以下が好ましい。
切断動作当たりのワイヤ消費量は、50km以上72km以下であることが好ましく、50km以上70km以下であることが特に好ましい。
第3の実施形態は、特に好ましく、なぜならば、起こり得るいかなる形状偏差も最小限にするよう、適合された動作パラメータと組み合わせたWGTCおよびIPCの使用を提供するからである。このアプローチに関連付けられた特別な利点がある。WGTCおよびIPCの方策が組み合わせて使用される場合、これらの方策のうちの一方のみを使用する場合に可能な振幅よりも大きな被加工物に対するワイヤガイドローラの移動の振幅(動きの量)を実現することができる。浮動軸受および被加工物の移動が、移動を生じさせる変数に線形に依存する範囲は、これらの方策のうちの一方のみを使用する場合に利用可能な対応する範囲よりも広い。特に作動要素が圧電アクチュエータである場合には、移動を生じさせる変数を変更してから移動が実際に発生するまでの応答時間は、IPCの場合よりもWGTCの場合に大幅に多くなる。したがって、これら2つの方策は、異なる制御帯域幅を有する。したがって、IPCによって、比較的高頻度の形状偏差、すなわち切込み深さに応じて比較的大きな勾配で変化する形状偏差に対処し、WGTCによって比較的低頻度の形状偏差に対処することが有利である。応答時間が異なるので、IPCによる制御は、WGTCによる制御のオーバーシュートを抑えるために使用することができる。また、IPCとWGTCとの組み合わせの制御帯域幅は、IPCの制御帯域幅またはWGTCの制御帯域幅よりも大きい。浮動軸受および被加工物の移動が2つの独立したアクチュエータによって行われるので、両方の方策の組み合わせは、単位時間当たりより大きな動きを実現することを可能にする。
形状偏差が切断動作前に判断される場合、形状偏差という語は、基準形状プロファイルからの、スライスの形状プロファイルまたはスライスの平均形状プロファイルの偏差を指す。
形状偏差が切断動作中に判断される場合、形状偏差という語は、基準軌道の位置からの、観察された切り口の中心を通る線の位置の偏差または複数のこのような線を表す平均線の位置の偏差を指す。この線および基準軌道は、切断動作が完全に問題のないものである場合には、すなわちワイヤガイドローラの不測の軸方向移動および/または被加工物の不測の軸方向移動がない場合には、共通の基準に対して同一の位置を有するであろう。この共通の基準は、静止したままの空間内の位置、たとえば機枠上の位置である。複数の切り口が観察される場合、これらの切り口の中心を通る線の位置は平均されて、平均線の位置を提供する。線または平均線および基準軌道の、同一の高さの箇所は、特定の切込み深さを表す。したがって、基準軌道上の対応する箇所からの線または平均線上のこのような箇所の距離は、これらの箇所によって表される切込み深さでの形状偏差を示す。
1つまたは複数の切り口の観察は、好ましくは、光放射、赤外放射、X線またはγ線による照射によって行われる。また、これらの切り口の機械的走査またはこれらの切り口の誘導もしくは容量測定も考慮に入れられてもよい。
形状偏差は、各切断動作中および/または各切断動作前に判断される。
第3の実施形態の変形例によれば、形状偏差の判断は、切断動作中に1つまたは複数の切り口を観察することに基づき、2つの閉制御ループが確立される。第1の制御ループは、WGTCによって制御誤差、すなわち判断された形状偏差に対応し、第2の制御ループは、IPCによって対応し、これらのループ間で作業が分割されることによって、形状偏差を修正するために行われる浮動軸受および被加工物の移動が実施される。浮動軸受は、切込み深さに依存して浮動軸受の動きを決定する第1の補正プロファイルに従って、WGTCによって移動される。切込み深さに依存して冷却剤の温度を指定する第1の温度プロファイルは、第1の補正プロファイルと相互に関係がある。それぞれのワイヤガイドローラの浮動軸受の所定の動きを生じさせるために冷却流体のどのような温度変化が必要であるかは、事前に実験によって判断される。第1の補正プロファイルは、形状偏差を減少させるために浮動軸受が実施する動きの比率を切込み深さに依存して決定する。被加工物は、第2の補正プロファイルに従って、IPCによって移動される。第2の補正プロファイルは、形状偏差を減少させるために被加工物が実施する動きの比率を切込み深さに依存して決定する。両方の比率の合計は、判断された形状偏差を減少させるのに必要な動きに対応する。これらの動きの比率は、均等に分割されてもよく、または異なったように分割されてもよい。被加工物とワイヤアレイのワイヤセクションとの間の相対移動のさらなる割合が、好ましくは、切込み深さに依存して被加工物の長さの変化を指定する第3の補正プロファイルの形態で考慮される。長さの変化は、冷却媒体で被加工物を濡らすこと(インゴット冷却、IC)によってもたらされる。
第3の実施形態のさらなる変形例によれば、形状偏差の判断は、既に切断されたスライスの平均形状プロファイルと基準形状プロファイルとの比較に基づき、この比較は、全体補正プロファイルを提供し、この全体補正プロファイルは、比較を踏まえて対応策が講じられない場合に予想される形状偏差を回避するためにどのような動きが必要であるかを切断動作前であっても切込み深さに依存して決定する。全体補正プロファイルは、第1の補正プロファイルおよび第2の補正プロファイル、ならびに適用可能な場合には第3の補正プロファイルに分割され、これは、どのような割合の動きがWGTCおよびIPCによって行われるべきか、そして適用可能な場合にはどのような割合の被加工物の長さの変更がICによって行われるべきかを決定する。この場合も、被加工物の動きおよび長さの変化の割合は、均等に、または他の何らかの比率で、分割することができる。
第3の実施形態のさらなる変形例によると、WGTCおよびIPCが、形状偏差と異なるものとなるために採用され、その判断は、各切断動作の間に行われ、ICは、各切断動作の前に判断される形状偏差と異なるものとなるために採用され、または逆も同様である。
第3の実施形態のさらなる変形例によると、WGTCおよびICが、形状偏差と異なるものとなるために採用され、その判断は、各切断動作の間に行われ、IPCは、各切断動作の前に判断される形状偏差と異なるものとなるために採用され、または逆も同様である。
第3の実施形態のさらなる変形例によると、IPCおよびICが、形状偏差と異なるものとなるために採用され、その判断は、各切断動作の間に行われ、WGTCは、各切断動作の前に判断される形状偏差と異なるものとなるために採用され、または逆も同様である。
スライスの表面は、主面およびエッジ面で構成されている。主面は、スライスの表側と裏側とを備える。スライスは、反りの測定の場合に慣例であるように、一対のセンサ間に配置されることによって測定することができる。各センサは、測定箇所におけるスライスの対向する主面の距離を測定する。測定箇所は、主面にわたって分布していてもよく、または送り方向からわずか±20°ずれたスライスの直径に沿って位置していてもよい。測定箇所は、好ましくは、スライスの直径に沿った、具体的に言うと送り方向とは反対の、位置iに位置しているため、各測定箇所は、特定の切込み深さに関連付けられる。測定箇所の密度は、好ましくは1cm当たり1つほどもあり、1つの測定箇所と最寄りの隣接する箇所との間の距離は、好ましくは全ての測定箇所で同一である。
スライスの形状プロファイルは、測定箇所siを結ぶ線であり、これらの測定箇所siは、規則si=D-(FDi-BDi)に従って位置iにおいて計算され、式中、Dはセンサ間の距離であり、FDiは上部センサとスライスの表側のそれぞれの測定箇所との間の距離であり、BDiは下部センサとスライスの裏側のそれぞれの測定箇所との間の距離である。なお、形状プロファイルの代替的な定義が切込み深さに依存してスライスの形状を符号化する限り、この代替的な定義を使用して本発明を実施することもできる。
スライスの平均形状プロファイルは、複数のスライスの形状プロファイルを平均することによって得られる形状プロファイルである。基準形状プロファイルは、所望の形状プロファイル、好ましくは完全に平坦であって相互に平行な主面を有するスライスの形状プロファイルである。平均形状プロファイルは、好ましくは同一のワイヤソーによる少なくとも1回~5回の切断動作から生じるスライスについて決定され、これらの切断動作は、このワイヤソーによって行われる切断動作の直前である。平均形状プロファイルを作成するためのスライスの選択は、スライスベースまたは切断ベースであってもよく、またはそれら両方を含んでいてもよい。スライスベースの選択の場合、平均化によってそれぞれの平均形状プロファイルを決定するために切断動作からの特定のスライスが使用され、他のスライスは除外される。たとえば、被加工物において特定の位置を有するスライスのみ、たとえば被加工物軸に沿った15番目~25番目ごとのスライスのみが考慮に入れられる。スライスベースの選択の別の可能性は、切断動作における全てのスライスの平均形状プロファイルから形状プロファイルの最大および最小の偏差を有するスライスを除外するというものである(いわゆるトリム平均)。代替的に、形状プロファイルが切断動作における全てのスライスの平均形状プロファイルから1~2シグマ以上ずれたスライスを平均化から除外することが可能である。切断ベースの選択では、平均形状プロファイルを決定するために少なくとも1回の切断動作からの全てのスライスが使用され、少なくとも1回の他の切断動作からの全てのスライスがそれから除外される。
切断動作におけるスライスの平均形状プロファイルは、一連の切断動作の間に変化する。変化は、好ましくは、ワイヤソーの性能を評価するのに使用される。それらの変化は、ソーワイヤ、および/または、ワイヤガイドローラの外装材、または、摩耗にさらされるワイヤソーのその他の部品の摩耗を示し得る。したがって、好ましくは、形状偏差の閾値が定義され、この閾値は、達するかまたは超えると、さらなる切断動作の代わりにメンテナンス動作(予測メンテナンス動作)を開始させる。このような閾値に達する前であっても、このような変化を、摩耗による作業結果の低下を抑制するために調整策を講じるための機会として使用することができる。このような調整策は、たとえば、作動流体の組成および/もしくは温度の変更、ならびに/または、ワイヤ速度および/もしくはプロセスに特有の他のパラメータの変更であり得る。
ソーシステムの変更後に行われる切断動作は、特別な場合に相当する。このようなソーシステムの変更は、たとえば、ワイヤガイドローラの変更、ワイヤソーに対する機械的調整、または作動流体の物理的もしくは化学的特性の変更がある場合に生じる。ソーシステムの変更後の最初の切断動作、いわゆる初期の切断は、好ましくは1回~5回の切断動作からなる。初期の切断では、形状偏差は、好ましくは、スライスの平均形状プロファイルと基準形状プロファイルとを比較することによって判断され、ソーシステムが変更される前に行われる1回または複数回の初期の切断の間に同一のワイヤソーによって生成されるスライスの平均形状プロファイルが使用される。
好ましい提案は、各切断動作中に、より具体的には冷却媒体で被加工物を濡らすこと(インゴット冷却、IC)によって、被加工物の温度の制御をさらに提供することである。第1、第2、および第3の実施形態の変形例によれば、制御は閉制御ループによって実行され、被加工物の温度は制御変数を形成し、冷却媒体の温度は制御ループの操作変数を形成する。制御ループの基準変数は、好ましくは一定温度である。冷却媒体は、好ましくは、ラップスライシングまたは研削スライシングに使用される流体または作動流体である。被加工物の温度を制御することにより、被加工物の熱膨張に起因するスライスの形状偏差を抑制することができる。制御ループは、例えば、US2002/0174861A1に記載されているように実施してもよい。
第1、第2、および第3の好ましい変形例によれば、被加工物の温度は、切込み深さに依存して冷却媒体の温度を指定する第2の温度プロファイルに従って制御される。第2の温度プロファイルは、形状偏差と異なる第3の補正プロファイルと相互に関係がある。冷却媒体の温度は、被加工物の伸び、したがって被加工物とワイヤアレイのワイヤセクションとの相対位置に影響を与える。被加工物の長さの変化は、浮動軸受および被加工物の移動に関連する形状偏差を低減するために、被加工物の温度の制御によって慎重にもたらされる。
本発明に従って使用されるワイヤソーは、2つまたはそれ以上のワイヤガイドローラを備える。これらのワイヤガイドローラの固定軸受の温度の調整は、ワイヤアレイが間に張力をかけられる2つのワイヤガイドローラに限定され得、それによって、被加工物が送り込まれる。
被加工物は、好ましくは、多結晶または単結晶状態のシリコンなどの半導体材料で構成されている。被加工物の断面の外周は、正方形、長方形または円形である。円筒形状の被加工物の場合、被加工物軸は、円筒の中心を通って延在している。本発明に係る方法は、少なくとも200mm、特に少なくとも300mmの直径を有する単結晶シリコンで構成された円形半導体ウェハの製造に特に適している。
300mmの直径を有する単結晶シリコンから半導体ウェハを製造するために、以下の適合された動作パラメータが、第1、第2もしくは第3の実施形態またはそれらの変形例の1つに従って動作するかにかかわらず、特に適切であることが判明している:
送り速度:2.83mm/分
供給される作動流体の量:38kg/分
作動流体の温度:31℃
ワイヤ速度:8m/s
ワイヤ消費量:58.3km
ワイヤ張力:34N。
図面を参照して、本発明の詳細について以下で説明する。
本発明を使用する上で役割を果たすワイヤソーの特徴を概略的に示す図である。 ワイヤソーのさらなる詳細を示す図である。 被加工物を通る切り口のコースおよび基準軌道によって表される想定コースを示す図である。 切断動作前に形状偏差を判断するための2つのセンサ間のスライスの配置を示す図である。 WGTCおよびIPCの振幅が追加された場合に得られる利点を示す図である。 移動の振幅Aが、移動を生じさせる変数に線形に依存する範囲を示す図である。 WGTCとIPCとの間の全体補正プロファイルの有利な分割を示す図である。 WGTCとIPCとを組み合わせることによって単位時間当たりより大きな動きを生じさせることができることを示す図である。 WGTCとIPCとの間の全体補正プロファイルの有利な分割が、WGTCが唯一の方策として使用される場合に観察される振幅のオーバーシュートをどのように抑えるかを示す図である。 切り口のプロファイルを定性的に示す。 切り口のプロファイルを定性的に示す。 切り口のプロファイルを定性的に示す。
本発明に係る例示的な実施形態の詳細な説明
本発明に係る方法を実行するのに適したワイヤソーは、ソーワイヤ3の可動ワイヤセクションからなるワイヤアレイ2を備え、ワイヤアレイ2は、2つのワイヤガイドローラ1間の平面において張力をかけられている。切断動作中、被加工物4は、駆動装置12によって、送り方向に沿ってワイヤアレイ2を通るように送られ、この送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、ワイヤアレイ2の平面に対して垂直である。この動作の間に、ワイヤアレイ2に張力をかけているワイヤガイドローラ1および被加工物4の各々は、第1および第2の補正プロファイルに依存して、方向矢印10および11に従ってそれぞれ軸方向に移動される。第1および第2の補正プロファイルは、切断動作前または切断動作中に判断される形状偏差に対処する。切断動作中に形状偏差を判断するために、切り口を観察するための切り口検出器13がある。さらに、第1、第2、および適用可能な場合には第3の補正プロファイルを作成するためのデータ処理ユニット14が設けられる。データ処理ユニット14は、第2の補正プロファイルに従って、方向矢印11によって示される被加工物軸に沿った方向への被加工物4の移動を切込み深さに依存して生じさせる制御信号を作動要素15に送信する。さらに、被加工物4の温度を調整するための装置22が設けられている。各切断動作の前に形状偏差が判断されると、データ処理装置14は、第3の補正プロファイルに従って被加工物の長さの変化をもたらす第2の温度プロファイルを装置22に送信する。
図2に示されるように、ワイヤガイドローラ1は、固定軸受5と浮動軸受6との間に取り付けられている。固定軸受5および浮動軸受6は、機枠7上に支持されている。ワイヤガイドローラ1は、溝を備えた外装材8を有しており、この溝の中にソーワイヤ3が延在している。固定軸受5は、固定軸受5の温度を調整するための冷却流体が通過するチャネル9を備える。流体の温度が引き上げられると、固定軸受5の熱膨張が浮動軸受6の方向へのワイヤガイドローラ1の軸方向移動を生じさせて、浮動軸受6は、機枠7に対してワイヤガイドローラ1の軸の、方向矢印10によって示される方向に外向きに移動する。冷却流体の温度が引き下げられると、反対方向へのワイヤガイドローラ1および浮動軸受6の移動が引き起こされる。冷却流体の温度は、第1の補正プロファイルと相互に関係がある第1の温度プロファイルによって、切込み深さに依存して指定される。熱交換器およびポンプに接続された制御ユニット16は、固定軸受5を通過した流体が、特定の切込み深さに達したときにそれぞれの第1の温度プロファイルによって必要とされる温度を有することを確実にする。データ処理ユニット14は、第1の補正プロファイルに従って浮動軸受の移動を生じさせる第1の温度プロファイルを制御ユニット16に送信する。
図3は、被加工物4を通る切り口17のコースおよび基準軌道18によって表される想定コースを示す図である。基準軌道からの、切り口の中心を通る線のそれぞれの偏差は、全体補正プロファイルに対応し、この全体補正プロファイルは、第1および第2、ならびに適用可能な場合には第3の補正プロファイルの形式で分割され得る。
図4は、切断動作前に形状偏差を判断するための2つのセンサ19,20間のスライスの配置を示す図である。センサ19,20は、特定の切込み深さに従った送り方向におけるスライス21の直径に沿った特定の位置iにおける、スライス21の表側からの上部センサ19の距離FDiおよびスライス21の裏側からの下部センサ20の距離BDiを測定する。スライスの形状プロファイルは、測定値siを結ぶ線であり、これらの測定値siは、規則si=D-(FDi-BDi)に従って計算され、式中、Dはセンサ間の距離を示す。スライスの形状偏差は、スライスの形状プロファイルと基準形状プロファイルとを比較することによって得られる。切込み深さに依存した基準形状プロファイルからの偏差は、全体補正プロファイルに対応し、この全体補正プロファイルは、第1および第2の補正プロファイルの形式でWGTCとIPCとの間で分割される。
図5は、WGTCおよびIPCの振幅が追加された場合に得られる利点を示す図である。全体補正プロファイルが破線の程度の振幅Aの動きを必要とする場合、この動きをWGTCまたはIPCによって個々に実現することは不可能であろう。なぜなら、それぞれの個々の方策によって達成できる動きは不十分であるからである。WGTCとIPCとの組み合わせのみがこれを可能にする。
図6は、静止位置B1を有する範囲B2内で、移動の振幅Aが、移動を生じさせる変数(入力I)に線形に依存することを示す図である。この範囲外では、線形挙動からのずれが発生して、Δ誤差を生じさせる。WGTCとIPCとを組み合わせることによって、システム全体が線形に反応する範囲B2が増大する。
図7は、WGTCおよび第1の補正プロファイルによって低頻度の形状偏差を抑制し、IPCおよび第2の補正プロファイルによって高頻度の形状偏差を抑制することからなる、WGTCとIPCとの間の全体補正プロファイルの有利な分割を示す図である。この目的のために、好ましくはクロスオーバが使用され、このクロスオーバは、ローパスフィルタ(LP)およびハイパスフィルタ(HP)によって、形状偏差の低頻度部分をWGTCによる補正に割り当て、形状偏差の高周波部分をIPCによる補正に割り当てる。
図8は、浮動軸受および被加工物の移動が2つの独立したアクチュエータによって行われるので、WGTCとIPCとの組み合わせによって単位時間Δ当たりより大きな合計振幅A2+A1を実現できることを示す図である。WGTCまたはIPCを単独で使用した場合には、それぞれA1およびA2のうちの1つの振幅だけがこの時間単位で可能である。
図9は、WGTCとIPCとの間の全体補正プロファイルの有利な分割が、WGTCが唯一の方策として使用される場合に観察される時間tにわたる振幅Aのオーバーシュート(左側の図)をどのように抑えるかを示す図(右側の図)である。
図10は、被加工物長WLにわたって被加工物を通る切り口のコースを定性的に示す。そのようなコースは、WGTC、IPC、およびICを使用せずに切断動作が実行され、その場合に、特に平坦なスライスを得るように、動作パラメータが最適化される場合に、予想され得る。それにもかかわらず、スライスは比較的不均一であり、不均一の形態は、特に被加工物内のそれぞれのスライスの位置にも依存する。
図11は、WGTC、IPCおよびICを使用せずに切断動作が実行され、その場合に、動作パラメータが、図10に至る手順からの逸脱として、WGTCおよび/またはIPC、ならびに適用可能な場合にはICの使用と関連して使用するために適合される場合に予想され得る切り口の対応するコースを定性的に示す。これらのスライスはあまり平坦ではないが、各スライスの形状の、被加工物内の当該スライスの位置に対する顕著な依存性はもはや観察されない。
図12は、切断動作が本発明に従って実行されるとき、すなわちWGTCが適合された動作パラメータで実行され、IPCが適合された動作パラメータで実行され、またはWGTCおよびIPCが適合された動作パラメータで実行され、好ましくはそれぞれの場合においてICと組み合わせて実行されるときに予想され得る切り口の対応するコースを定性的に示す。得られるスライスは、被加工物におけるそれらの位置にかかわらず、特に平坦である。
例示的な実施形態の上記の説明は、例示であるとして理解されるべきである。それによってなされる開示は、一方では当業者が本発明およびそれに関連付けられた利点を理解することを可能にし、他方では当業者の理解の範囲内で自明である、記載されている構造および方法に対する変更および変形も包含する。
利用される参照番号の一覧
1 ワイヤガイドローラ
2 ワイヤアレイ
3 ソーワイヤ
4 被加工物
5 固定軸受
6 浮動軸受
7 機枠
8 外装材
9 チャネル
10 方向矢印
11 方向矢印
12 駆動装置
13 切り口検出器
14 データ処理ユニット
15 作動要素
16 制御ユニット
17 切り口
18 基準軌道
19 上部センサ
20 下部センサ
21 スライス
22 被加工物の温度を調整するための装置

Claims (12)

  1. 一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法であって、前記切断動作は、初期の切断と後続の切断とに分割され、前記ワイヤソーは、ソーワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤアレイと、駆動装置とを備え、前記ワイヤアレイは、2つのワイヤガイドローラ間の平面において張力をかけられており、前記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と浮動軸受との間に支持されており、前記方法は、各前記切断動作中に、作動流体および前記被加工物に対して研磨するように作用する硬質材料の存在下で、前記駆動装置によって送り方向に沿って前記ワイヤアレイを通るようにそれぞれの被加工物をある送り速度で送るステップを備え、前記送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、前記ワイヤアレイの前記平面に対して垂直であり、前記送るステップは、各前記切断動作中に、第1の温度プロファイルの仕様に従って冷却流体を用いて前記固定軸受の温度を調整することによって、前記浮動軸受の同時軸方向移動とともに、前記ワイヤアレイを通るように前記被加工物を送るステップを備え、前記第1の温度プロファイルは、切込み深さに依存して前記冷却流体の温度を指定し、前記切込み深さに依存して前記浮動軸受の動きを指定する第1の補正プロファイルと相互に関係があり、前記方法はさらに、各前記切断動作中および/または各前記切断動作前に形状偏差を判断するステップと、前記切込み深さに依存して、前記送り速度、単位時間当たりに前記ワイヤアレイに供給される作動流体の量、前記作動流体の温度、ワイヤ速度、前記切断動作当たりのワイヤ消費量、およびワイヤ張力という動作パラメータを設定するステップとを備える、方法。
  2. 一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法であって、前記切断動作は、初期の切断と後続の切断とに分割され、前記ワイヤソーは、ソーワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤアレイと、駆動装置とを備え、前記ワイヤアレイは、2つのワイヤガイドローラ間の平面において張力をかけられており、前記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と浮動軸受との間に支持されており、前記方法は、各前記切断動作中に、作動流体および前記被加工物に対して研磨するように作用する硬質材料の存在下で、前記駆動装置によって送り方向に沿って前記ワイヤアレイを通るようにそれぞれの被加工物をある送り速度で送るステップを備え、前記送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、前記ワイヤアレイの前記平面に対して垂直であり、前記送るステップは、前記被加工物の動きを指定する第2の補正プロファイルの仕様に従って作動要素によって前記被加工物軸に沿って前記被加工物を移動させるのと同時に、前記ワイヤアレイを通るように前記被加工物を送るステップを備え、前記第2の補正プロファイルは、形状偏差と異なるものであり、前記方法はさらに、各前記切断動作中および/または各前記切断動作前に前記形状偏差を判断するステップと、込み深さに依存して、前記送り速度、単位時間当たりに前記ワイヤアレイに供給される作動流体の量、前記作動流体の温度、ワイヤ速度、前記切断動作当たりのワイヤ消費量、およびワイヤ張力という動作パラメータを設定するステップとを備える、方法。
  3. 一連の切断動作中にワイヤソーによって被加工物から複数のスライスを切断する方法であって、前記切断動作は、初期の切断と後続の切断とに分割され、前記ワイヤソーは、ソーワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤアレイと、駆動装置とを備え、前記ワイヤアレイは、2つのワイヤガイドローラ間の平面において張力をかけられており、前記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と浮動軸受との間に支持されており、前記方法は、各前記切断動作中に、作動流体および前記被加工物に対して研磨するように作用する硬質材料の存在下で、前記駆動装置によって送り方向に沿って前記ワイヤアレイを通るようにそれぞれの被加工物をある送り速度で送るステップを備え、前記送り方向は、被加工物軸に対して垂直であるとともに、前記ワイヤアレイの前記平面に対して垂直であり、前記送るステップは、各前記切断動作中に、第1の温度プロファイルの仕様に従って冷却流体を用いて前記固定軸受の温度を調整することによって、前記浮動軸受の同時軸方向移動とともに、前記ワイヤアレイを通るように前記被加工物を送るステップを備え、前記第1の温度プロファイルは、切込み深さに依存して前記冷却流体の温度を指定し、前記切込み深さに依存して前記浮動軸受の動きを指定する第1の補正プロファイルと相互に関係があり、前記送るステップはさらに、前記被加工物の動きを指定する第2の補正プロファイルの仕様に従って作動要素によって前記被加工物軸に沿って前記被加工物を移動させるのと同時に、前記ワイヤアレイを通るように前記被加工物を送るステップを備え、前記第1の補正プロファイルおよび前記第2の補正プロファイルは、形状偏差と異なるものであり、前記方法はさらに、各前記切断動作中および/または各前記切断動作前に前記形状偏差を判断するステップと、前記切込み深さに依存して、前記送り速度、単位時間当たりに前記ワイヤアレイに供給される作動流体の量、前記作動流体の温度、ワイヤ速度、前記切断動作当たりのワイヤ消費量、およびワイヤ張力という動作パラメータを設定するステップとを備える、方法。
  4. 各前記切断動作の間に、冷却媒体で前記被加工物を濡らすことによって前記被加工物の温度を制御しながら、前記ワイヤアレイを通るように前記被加工物を送るステップを備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記送り速度は2.6mm/分以上4.25mm/分以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記単位時間当たりに前記ワイヤアレイに供給される作動流体の量は15kg/分以上42kg/分以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記作動流体の温度は20℃以上34℃以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ワイヤ速度は6m/s以上14m/s以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記切断動作当たりのワイヤ消費量は50km以上72km以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ワイヤ張力は25N以上35N以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記形状偏差は、各前記切断動作の間に、少なくとも1つの切り口の中心を通る線の位置を基準軌道の位置と比較することによって、測定される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. それぞれの前記切断動作の前に判断された前記形状偏差が規定の閾値に達するかまたはそれを超える場合、前記それぞれの切断動作の代わりにメンテナンス措置が開始される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
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