JP7463762B2 - 画像記録装置、異常検出制御方法及びプログラム - Google Patents

画像記録装置、異常検出制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

この発明は、画像記録装置、異常検出制御方法及びプログラムに関する。
複数の記録素子を動作させて、媒体上の各々の記録素子が対応する画素位置に記録動作を行う画像記録装置がある。記録素子としては、各々ノズルを有しインクを吐出するものがある。この画像記録装置では、記録素子の数が多くなるにつれて記録素子の一部に動作異常が生じる可能性が上昇する。
このような画像記録装置では、媒体の余白を利用したり、通常の画像記録動作を一時中断したりして、各記録素子の動作異常の検出画像を記録し、当該検出画像を解析することで動作異常の有無を特定する技術がある。しかしながら、記録素子数の増大及び解像度の向上に応じて検出画像のサイズが大きくなり、より広大なスペースが必要となり手間がかかるという問題がある。特許文献1では、記録対象の画像の記録動作に用いられたノズルのみからインクを吐出させて異常の検出動作を行う技術が開示されている。
また、特許文献2では、各ノズルの吐出異常を周期的に検出して、不良ノズルのリストを記憶しておき、記録された画像が元の画像データに対して基準以上の欠陥を有する場合に、当該欠陥に対応するノズルをリストに基づいて特定する技術が開示されている。
特開2016-210014号公報 特開2018-51846号公報
しかしながら、記録異常には、ノズルからの吐出不良だけではなく、種々の要因があり、各種異常に対応した検出画像を総当たりなどで記録させて異常を特定するのは手間がかかるという課題がある。
この発明の目的は、より容易に異常を特定することのできる画像記録装置、異常検出制御方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部と、
制御部と、
を備え、
前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされており、
前記制御部は、記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させ、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
ことを特徴とする画像記録装置である。
また、請求項2記載の発明は、
複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部と、
制御部と、
を備え、
前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされており、
前記制御部は、記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させ、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとする
ことを特徴とする画像記録装置である。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の画像記録装置において、
前記制御部は、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定めることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項1又は3記載の画像記録装置において、
前記駆動単位の動作設定に係る前記元画像データの内容には、当該元画像データの記録に用いられる色、記録範囲、及び印字率のうちの少なくとも一部が含まれることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項1、3、4のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記制御部は、
前記内容に基づいて前記欠落画像の配列パターンを決定し、
前記欠落画像の記録動作時には、当該配列パターンに応じて前記記録素子に記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
ことを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記制御部は、
記録させる前記欠落画像の種別の設定を取得し、
取得された前記設定に基づいて前記欠落画像の配列パターンを決定し、
前記欠落画像の記録動作時には、当該配列パターンに応じて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
ことを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の画像記録装置において、
操作受付部を備え、
前記制御部は、前記操作受付部が受け付けた入力操作に基づいて前記種別の設定を取得する
ことを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項6又は7記載の画像記録装置において、
前記種別には、前記媒体の同一位置に対していずれか一つの前記駆動単位により記録動作が行われる単位記録画像が含まれることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記記録動作部は、少なくとも異なる色による記録動作を行う前記記録素子が互いに異なる前記駆動単位に属し、
前記制御部は、前記色ごとに動作させない前記駆動単位を定める
ことを特徴とする。
また、請求項10記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記媒体を所定方向に移動させる搬送部を備え、
前記記録動作部は、前記媒体の前記所定方向に直交する幅方向についての各位置に前記記録素子が各々記録動作を行うように位置するラインヘッドを有する
ことを特徴とする。
また、請求項11記載の発明は、請求項5~8のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記配列パターンには、前記欠落画像のサイズ情報が含まれることを特徴とする。
また、請求項12記載の発明は、請求項11記載の画像記録装置において、
前記媒体を所定方向に移動させる搬送部を備え、
前記制御部は、前記配列パターンに含まれる欠落画像の前記所定方向についての記録長の合計が、記録対象の元画像データに係る画像の前記所定方向についての所定の単位長さの整数倍となるように前記記録長を定めることを特徴とする。
また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の画像記録装置において、
前記制御部は、前記欠落画像の記録長を、記録対象の元画像データに係る画像の前記所定方向についての単位長さ以上に定めることを特徴とする。
また、請求項14記載の発明は、請求項1、4~13のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記制御部は、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとすることを特徴とする。
また、請求項15記載の発明は、請求項2、3、14のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
操作受付部を備え、
前記制御部は、前記操作受付部が所定の入力操作を受け付けてから最初の前記開始タイミングで前記記録動作部による前記欠落画像の記録動作を開始させることを特徴とする。
また、請求項16記載の発明は、請求項2、3、14、15のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記媒体を所定方向に移動させる搬送部を備え、
前記記録動作部は、前記記録素子により二次元的に定められる各インク着弾位置に対する記録動作を行ってハーフトーン画像を記録し、
前記制御部は、前記所定方向に垂直な幅方向について並ぶ複数の前記インク着弾位置によるラインを単位として前記記録素子に記録動作を行わせ、前記記録動作を行わせた前記ラインの数に基づいて前記開始タイミングを特定する
ことを特徴とする。
また、請求項17記載の発明は、請求項16記載の画像記録装置において、
前記搬送部による搬送量を計測する搬送計測部を備え、
前記制御部は、前記搬送計測部の計測する所定の搬送量に基づいて前記ラインの数を特定する
ことを特徴とする。
また、請求項18記載の発明は、請求項1~17のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記制御部は、前記記録動作を行わせない前記駆動単位に対し、前記元画像データに応じた駆動信号を全て前記記録動作を駆動させない信号に変換して出力することを特徴とする。
また、請求項19記載の発明は、請求項1~17のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記制御部は、前記駆動単位に係る前記元画像データに応じた駆動信号と、記録動作を行わせない駆動信号とから選択的にいずれかを出力させることを特徴とする。
また、請求項20記載の発明は、請求項1~19のいずれか一項に記載の画像記録装置
において、
前記制御部は、前記欠落画像の記録動作を行わせる前記駆動単位の範囲を設定し、前記欠落画像を記録させる間、前記範囲に含まれない前記駆動単位による記録動作を行わせないことを特徴とする。
また、請求項21記載の発明は、請求項1~20のいずれか一項に記載の画像記録装置において、
前記媒体の表面を撮像する撮像部を備え、
前記制御部は、前記撮像部による前記欠落画像の撮像データと、前記欠落画像の元画像データとを比較し、所定の基準に基づいて前記欠落画像における異常の判定を行う
ことを特徴とする。
また、請求項22記載の発明は、請求項21記載の画像記録装置において、
前記制御部は、判定された異常に基づいて異常の要因を推定し、当該推定の結果に応じた推奨動作を特定することを特徴とする。
また、請求項23記載の発明は、請求項22記載の画像記録装置において、
表示部を備え、
前記制御部は、特定された前記推奨動作を前記表示部により表示させる
ことを特徴とする。
また、請求項24記載の発明は、請求項22又は23記載の画像記録装置において、
操作受付部を備え、
前記制御部は、
前記操作受付部が受け付けた入力操作に基づいて、記録させる前記欠落画像の種別の設定を取得し、
取得された前記設定に基づいて前記欠落画像の配列パターンを決定し、
前記欠落画像の記録動作時には、当該配列パターンに応じて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定め、
決定された前記配列パターンに係る情報と判定された前記異常とに基づいて前記基準を調整する
ことを特徴とする。
また、請求項25記載の発明は、
複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置の異常検出制御方法であって、
記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録ステップ
を含み、
前記検出画像記録ステップでは、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
ことを特徴とする。
また、請求項26記載の発明は、
複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置の異常検出制御方法であって、
記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録ステップ
を含み、
前記検出画像記録ステップでは、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとする
ことを特徴とする。
また、請求項27記載の発明は、
複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置のコンピューターを、
記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録手段
として機能させ
前記検出画像記録手段は、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
ことを特徴とするプログラムである。
また、請求項28記載の発明は、
複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置のコンピューターを、
録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録手段
として機能させ、
前記検出画像記録手段は、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとする
ことを特徴とするプログラムである。
本発明に従うと、より容易に異常を特定することができるという効果がある。
インクジェット記録装置の全体構成の概略を説明する正面図である。 ヘッドユニットにおいて搬送面と対向する面を示す底面図である。 インクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 異常検出用の画像出力について説明する図である。 異常検出用の画像設定に係る表示画面の例を示す図である。 画像記録制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 画像記録制御処理で呼び出される異常検出画像記録処理の制御手順を示すフローチャートである。 変形例1の画像記録制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 変形例2の異常検出画像記録処理の制御手順を示すフローチャートである。 変形例2の画像記録制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の画像記録装置であるインクジェット記録装置100の全体構成の概略を説明する正面図である。
インクジェット記録装置100は、媒体供出部10と、記録部20と、乾燥部30と、媒体排出部40などを備える。
媒体供出部10は、媒体ロール11と、送り出しローラー12などを有する。媒体ロール11には、連続した記録媒体M(媒体)、例えばロール紙や布帛などが巻回されている。媒体ロール11は、搬送部55(図3参照)による搬送速度に応じた速さで回転して記録媒体Mを搬送部55の搬送経路へ送出する。送り出しローラー12は、適宜な張力で記録媒体Mを引き伸ばしながら搬送部55(記録部20)へ当該記録媒体Mを送出する。記録媒体Mは、しわやたるみなどが伸ばされて水平に記録部20へ送られる。
記録部20は、駆動ローラー21と、従動ローラー22と、搬送ベルト23と、エンコーダー24(搬送計測部)と、ヘッドユニット25(記録動作部)と、撮像部26などを備える。
駆動ローラー21は、図示略の駆動モーターの動作に応じて回転動作し、搬送ベルト23を所定の速さで周回移動させる。搬送ベルト23は、無端状(環状)のベルト部材であり、駆動ローラー21と従動ローラー22との間に架け渡されている。搬送ベルト23は、駆動ローラー21の回転動作に応じて周回移動する。これに伴って、搬送ベルト23の外周面を搬送面として当該搬送面上に所定範囲で載置された記録媒体Mが搬送経路に沿った所定方向(搬送方向)に搬送移動される。搬送面は、記録媒体Mが粘着可能に、粘着剤などが塗布されていてもよい。また、記録媒体Mを搬送面に粘着させるための図示略の押さえローラーが設けられていてもよい。従動ローラー22は、搬送ベルト23の周回移動に応じて回転動作する。
エンコーダー24は、ロータリーエンコーダーであり、駆動ローラー21の回転を検出することで、搬送ベルト23の移動量、すなわち搬送量を計測する。エンコーダー24は、回転方向に応じた検出信号を所定の角度の回転ごとに制御部70(図3参照)に出力する。
ヘッドユニット25は、搬送ベルト23上に載置されている記録媒体Mに対して当該記録媒体Mの面内で搬送方向に垂直な(交差する)幅方向について記録媒体Mの記録可能幅(全幅又は両端に所定の余白を含む)にわたって複数の記録素子25a(図3参照)が設けられているラインヘッドを有する。記録素子25aは、それぞれインクを吐出することで、帯状(線状)に記録動作を行い、搬送動作との組み合わせにより記録対象の画像(二次元画像)を記録媒体M上に記録する。ヘッドユニット25は、複数、ここでは、8個が搬送方向について異なる位置(所定の位置)に順番に設けられていてよい。これらのヘッドユニット25は、各々異なる色のインクを吐出するように設定されていてよく、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)、K(黒色)の各色のインクに加えて、LC(ライトシアン)又はS(スカイ)、LM(ライトマゼンタ)又はP(ピンク)、G(グレイ)及びO(オレンジ)が搬送方向について上流側から順番に吐出される。ヘッドユニット25に供給されるインクの色は、交換、変更可能であってもよい。
撮像部26は、ヘッドユニット25よりも搬送方向について下流側で記録媒体Mの表面を撮像する。撮像部26は、例えば、一次元撮像センサーを有する。一次元撮像センサーは、ここでは、複数の撮像素子が少なくとも幅方向について搬送ベルト23の幅にわたって配置されている。記録媒体Mが搬送方向に移動することで、撮像部26は、記録媒体M上を二次元撮像することができる。撮像センサーとしては、CCDセンサー(Charge Coupled Device)又はCMOSセンサー(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などが挙げられる。これらの撮像センサーは、各撮像素子において、光学系(レンズ)を介して記録媒体の表面から受光素子に入力された光量に応じた電荷量や電圧を出力する撮像動作を行う。ここでは、撮像センサーは、RGBの各波長帯(複数の波長帯)での撮像が可能であり、撮像部26により、カラー読取画像を取得することができる。撮像部26は、図示略の照明部を備えていてもよい。照明部は、撮像部26による撮像面を略均等に照射する。なお、撮像部26は、乾燥部30などの後処理よりも更に搬送方向について下流側で撮像を行うように位置していてもよい。
乾燥部30は、ヘッドユニット25(記録部20)よりも搬送方向について下流側で記録媒体M上のインクを乾燥固着させる。乾燥部30は、搬送ローラー31、32と、乾燥動作部35などを有する。
搬送ローラー31、32は、記録部20から送出された記録媒体Mを乾燥部30内で移動させる。搬送ローラー32は、インクの乾燥後に記録媒体Mを狭持する2つの搬送ローラーである。この搬送ローラー32が記録媒体Mを引っ張る力を生じさせ、搬送ベルト23上に載置、特に、粘着している記録媒体Mを当該搬送ベルト23から引き剥がして乾燥部30内に引き込む。
乾燥動作部35は、記録媒体M上のインクを乾燥固着させるための動作を行う。ここでは、乾燥動作部35は、水系インクの水分を蒸発させるための加熱及び/又は送風を行う。特に限られるものではないが、乾燥部30は、筐体を有し、乾燥動作部35は、この筐体内部に設けられて、乾燥動作部35が生じさせた熱が維持されやすい構造を有する。水蒸気を含む内部の空気は、筐体の隙間から自然排出(記録媒体Mや搬送ベルト23の移動により生じる風に流されるものを含む)されてもよいし、排気ファンなどにより強制排出されてもよい。
媒体排出部40は、排出ローラー41を備え、インクが乾燥固着して乾燥部30から送出された記録媒体Mを図示略の底部のトレイなどに振り落とす。排出された記録媒体Mは、適宜後処理装置などに送られて裁断などがなされてもよい。
図2は、ヘッドユニット25において搬送面と対向する面を示す底面図である。
なお、ここでは、8個のヘッドユニット25は、いずれも同一の形状、構成であるので、任意のいずれか一つのものについて説明する。
ヘッドユニット25には、ここでは、複数個、例えば、8個の記録ヘッド251(駆動単位)が固定されている。各記録ヘッド251の底面には、幅方向に複数本(複数個)のノズルNの開口が所定のノズルピッチで並んでいる。ノズルNの開口位置は、幅方向について所定の間隔で配列されていれば、搬送方向の位置が異なっていてもよい。特には限られないが、この記録ヘッド251では、それぞれノズルNの開口が千鳥格子状に位置している。この図で示すノズルNの開口の数やサイズは、説明のためのものであって、後述のように、実際にはこれよりも数が多く、サイズは、ノズルNの幅方向についての配置範囲の幅に比して十分に小さい。
一のヘッドユニット25に含まれる8個の記録ヘッド251は、ヘッドユニット25の底面に千鳥格子状に位置している。これに伴って、各記録ヘッド251におけるノズルNの開口の幅方向についての配置範囲は、互いに異なって位置しており、これらに応じて互いに異なる記録範囲にそれぞれ画像記録を行うことができる。隣り合う記録ヘッド251におけるノズルNの幅方向についての配置範囲の端部は、若干重複している。したがって、ヘッドユニット25では、8個の記録ヘッド251の幅方向についての記録範囲の組み合わせにより、幅方向について記録媒体の全幅(両端に若干のマージンがあってもよい)にわたって上記のノズルピッチで、各記録ヘッド251に区分された複数のノズルNからインクを吐出可能なラインヘッド構造となっている。したがって、ヘッドユニット25の位置を固定したまま記録媒体Mを搬送させて当該記録媒体Mの各位置に一度のインク吐出でインクを着弾させることができるシングルパス方式での画像記録動作が可能である。各色のインクは、各ヘッドユニット25のノズルNにより各々微小液滴として吐出される。微小液滴は、それぞれ記録媒体Mに着弾し、微細ドットとなる。これにより、記録媒体Mには、微細ドットの数やドットのサイズ(液滴量)などに応じた濃度及びその組み合わせで表現された混色カラー画像が記録される。
図3は、インクジェット記録装置100の機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置100は、ヘッドユニット25及び乾燥動作部35に加えて、搬送部55と、検出部60と、制御部70と、記憶部80と、表示部91と、操作受付部92と、通信部93と、バス99などを備える。検出部60は、上述のエンコーダー24と、撮像部26などを備える。
ヘッドユニット25は、上述の各構成に加えてヘッド駆動部51などを備える。ヘッド駆動部51は、電気機械変換素子511と、非吐出設定部512などを有する。電気機械変換素子511が印加電圧、すなわち、駆動信号の出力電圧に応じて変形することで、インク流路、特に、適切に圧力変動を生じさせるためにサイズや形状が定められている圧力室を変形させる。駆動信号の電圧波形パターンは、予め定められており、制御部70からの制御信号や駆動用画像データ(ハーフトーン画像データ)に応じて各ノズルに各々対応する電気機械変換素子511に対して当該電圧波形パターンでの駆動信号の出力有無が定められる。駆動信号による電気機械変換素子511の変形動作(記録素子25aの記録動作)によりノズルNから押し出されたインクは、適切な量だけインク流路内のインクから分離されてインク液滴として吐出される。インクの吐出量(液滴量)は、複数段階、例えば、3段階に設定されてもよい。設定される吐出量にそれぞれ応じた電圧波形パターンが各々定められる。電気機械変換素子511及びノズルNが記録素子25aに含まれる。各記録素子25aは、上述のようにいずれかの記録ヘッド251(グループ)に属し、分かれて設けられている。すなわち、各記録素子25aは、吐出するインクの色ごとに異なる記録ヘッド251に属し、各記録ヘッド251は、インク色ごとに異なるヘッドユニット25に属している。
非吐出設定部512は、記録対象の画像データに応じた各ノズルNからのインク吐出有無を示す信号にかかわらず、指定された記録ヘッド251の全ノズルNからのインク吐出を一律に禁止する設定を行う。非吐出設定部512については、後述する。
搬送部55は、記録媒体Mを搬送経路に沿った上述の搬送方向(途中で変化していてもよい)に移動させる。搬送部55は、搬送駆動部551を備える。搬送駆動部551は、記録媒体Mの搬送動作に係る各部を動作させる。搬送動作に係る各部には、媒体供出部10の媒体ロール11と送り出しローラー12、記録部20の駆動ローラー21と従動ローラー22、乾燥部30の搬送ローラー31、32、及び媒体排出部40の排出ローラー41、並びにこれらの一部又は全部を回転動作させる回転モーターなどを含む。各回転モーターの駆動タイミングや駆動速度は、同期され、記録媒体Mにかかる張力などの状況などに応じて一部が適宜調整されてよい。なお、記録媒体Mの搬送に係る構成は、無端状のベルトをローラーで周回移動させるものに限られない。例えば、ローラーで直接記録媒体Mを移動させてもよいし、ローラーよりも大きな円筒状の回転ドラムの表面に沿って記録媒体Mを移動させるものであってもよい。
制御部70は、インクジェット記録装置100の全体動作を統括制御するハードウェアプロセッサーである。制御部70は、CPU71(Central Processing Unit)と、RAM72(Random Access Memory)などを備える。制御部70は、画像データ、各部のステータス信号やクロック信号などに基づく画像記録に係る種々の処理を行う。また、制御部70は、各ノズルNからのインク吐出などに係る動作調整、吐出動作の不良状態の検出やその対応に係る処理、及び画質低下の検出や調整などの処理を行う。画像データの処理には、記録対象の元画像データから、電気機械変換素子511を単位として各々インクの吐出動作の有無を規定するハーフトーン画像データに変換する処理を含む。ハーフトーン画像は、搬送方向についてのある位置に対する幅方向についての各位置(インク着弾位置)への各記録素子25aによるインク吐出/着弾を示すラインを単位とするデータ(ラインデータ)を搬送方向についての各位置について複数並べた二次元データである。記録される画像におけるライン間の間隔は、記録媒体Mの搬送速度とインクの吐出周波数とによって定まる。
CPU71は、各種演算処理を行い、インクジェット記録装置100における記録媒体の搬送、インクの供給、インクの吐出や記録画像の読取動作などの制御を行う。CPU71は、記憶部80から読み出されたプログラムに従って上記各処理に係る演算及び制御を行う。
RAM72は、CPU71に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。一時データの記憶領域は、記憶部80のDRAM領域と適宜分担されてよい。
制御部70には、画像記録制御部75が含まれる。画像記録制御部75は、記録対象の画像データ(元画像データ)に基づいて、ヘッドユニット25における画像記録動作に係る制御を行う。画像記録制御部75は、CPU及びRAMをCPU71及びRAM72と別個に有していてもよいし、CPU71及びRAM72が併用されてもよい。別個のCPU及びRAMを有する場合には、画像記録制御部75は、ヘッドユニット25内に位置していてよい。また、画像記録制御部75の処理の一部又は全部は、CPUではなく、専用の論理回路などのハードウェアプロセッサーによって行われてもよい。画像記録制御部75には、非吐出の記録ヘッド251の配列パターンである非吐出パターン751が決定された場合にこれを一時的に記憶する。
記憶部80は、プログラム81、各種設定データ、及び画像記録命令に係るジョブデータ84などを記憶する。ジョブデータ84には、記録対象画像データ、その処理済データ及び動作設定に係る情報などが含まれる。プログラム81には、画像の記録処理に係るプログラム、画質異常の検出プログラム、及び異常判定された画像に対する対処を行う処理プログラムなどが含まれる。設定データとしては、インクの吐出異常を生じているノズルの位置を示す吐出異常ノズルリスト82及び撮像部26による撮像データに基づいて画質異常を特定するための異常判定基準データ83(所定の基準)などが含まれる。
記憶部80は、ここでは、DRAMなどの揮発性メモリー及び不揮発性メモリーを含む。ジョブデータや処理データなどの一時データは、揮発性メモリーに記憶されて高速処理され、画像記録動作の終了後には消去されてもよい。プログラムや設定データなどは、不揮発性メモリーにより保持され、インクジェット記録装置100への電力供給がなされていない間も保持される。一部のプログラムや設定データ、例えば、初期データや基幹プログラムなどは、不揮発性メモリーの代わりに消去書き換え不能なROMなどに格納されてもよい。
表示部91は、制御部70からの制御信号に応じて表示画面にインクジェット記録装置100のステータスや操作メニューなどの表示を行う。表示画面としては、例えば、液晶画面などが挙げられる。また、表示部91には、電力供給の有無及び/又はエラーなどの警告を行うLEDランプなどが含まれてもよい。
操作受付部92は、ユーザーの操作を受け付けて制御部70に出力する。操作受付部92は、例えば、タッチセンサーなどを有する。タッチセンサーは、表示部91の表示画面に重ねて設けられて、タッチパネルとして用いられてもよい。操作受付部92は、タッチセンサーにより検出されたタッチ操作の位置及び種別の情報を制御部70に出力する。また、操作受付部92は、押しボタンスイッチ及び/又はテンキーなどを有していてもよい。
通信部93は、外部機器との間での通信動作を制御する通信インターフェイスである。通信インターフェイスとしては、例えば、LANカードといった各種通信プロトコルに対応したネットワークカードなどが一又は複数含まれる。通信部93は、制御部70の制御に基づいて外部機器から記録対象の画像データや画像記録に係る設定を含むジョブデータを取得し、また、外部機器に対してステータス情報などを送信することができる。
バス99は、制御部70及び当該制御部70と信号のやり取りを行う各構成間を電気的に接続し、当該信号を伝送する経路である。
上記のうち、少なくとも制御部70が本実施形態のコンピューターに含まれ、さらに、記憶部80、表示部91、操作受付部92、通信部93及びバス99などがコンピューターに含まれてもよい。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100における画質異常の検出動作について説明する。インクジェット記録装置100では、ジョブの開始時、複数枚のジョブの実行中の途中で定期的に、及び/又はユーザーなどによる操作受付部92への操作入力の受け付けに応じたタイミングで、異常検出、判定用の画像を記録する。そして、ユーザーが異常検出用の画像を見てどの種類の異常がどの位置(範囲)に生じているかを確認する。
図4は、異常検出用の画像出力について説明する図である。
図4(a)に示すように、ジョブの開始時に記録される異常検出、判定用の画像は、同一の位置にはいずれか一つの記録ヘッド251のみにより画像記録がなされるように、かつ、同一画像には同一色でのみ画像記録がなされるように、記録対象の画像を8色のインクの各成分で各々別個に記録した単色画像(単位記録画像)である。すなわち、非吐出パターン751に基づいて、記録対象の元画像データのうち特定の色のヘッドユニット25に属する記録ヘッド251以外の他の色の記録ヘッド251からのインク吐出に対応する部分を記録ヘッド251ごとに全て非吐出に設定し、当該非吐出とされた一部の記録ヘッド251の記録素子25aによる記録動作がなされない欠落画像(ここでは色ごとの単色画像)をそれぞれ記録して、その記録状況を確認することで、どの色のインクの吐出にどこでどのような異常が生じているか、及び異常ではなくても色合いなどに想定とのずれがあるか、などが容易に特定される。ここでは、一例として、ヘッドユニット25が搬送方向について上流側から並ぶ順、すなわち、C、M、Y、K、LC、LM、G、Oの順で単色画像を記録させているが、この順に限られるものではない。
単色画像は、記録対象の画像データの各色成分画像がそのまま記録されてよい。すなわち、元画像データとテスト画像データとで入れ替えることなく、同一画像データに基づいて通常の画像の記録と単色画像の記録との間で互いに移行することができる。例えば、記録媒体Mを搬送させながら単色画像を記録させ、当該記録の内容に問題がない場合にはそのまま設定画像データを変更することなく通常の画像の記録動作に移行する。単色画像により、ユーザーが問題のあるヘッドユニット25及び記録ヘッド251、並びに問題の原因を絞り込むことができた場合には、ユーザーが操作受付部92に問題に応じた処理を命令する入力操作を行うことで、適切な回復処理に移行する。また、そもそも回復が困難であり、例えば、記録ヘッド251の交換が必要な場合には、実行中の全ての処理を中止して、各部への電力供給を遮断する処理に移行してもよい。
回復処理としては、例えば、吐出異常ノズルからのインク吐出を回復するためのノズル面のクリーニング処理やインクを加圧しての強制吐き出し処理などが挙げられる。また、記録ヘッド251の交換などが必要な場合には、画像記録動作を完全に終了して電力供給を遮断可能とすることができる。
一方で、原因を絞り込むことができなかった場合(例えば、搬送部55の動作不良や乾燥部30の動作などにより、撮像部26による単色画像の撮像結果では検出することのできない異常など)や、絞り込まれた原因に応じたより正確な検査画像などを記録する必要が生じた場合(例えば、単色画像の精度では吐出不良ノズルを特定しきれない場合など)には、当該検査画像の記録動作に移行してもよい。テスト画像としては、例えば、吐出異常ノズルを特定するためのノズル検査チャート、吐出方向のずれなどで生じる位置を特定するスジ検査チャート、ヘッドユニット25の間での相対位置のずれ量を特定する色ずれ検査チャートなどが挙げられる。これらのテスト画像は、異常が生じている付近のヘッドユニット25の記録ヘッド251のみで記録されればよい。
ここでは、単色画像は、それぞれ元画像データに基づく画像全体をインクジェット記録装置100の全色で各々記録するものとして示しているが、元画像データの内容に基づいて適宜変更されてよい。例えば、同一パターンの画像の繰り返しの場合などには、当該同一パターンの画像の大きさを単位長さとして各単色画像をこれ以上の長さとしてもよい。また、複数色の各単色画像の長さ(記録長)の合計が、単位長さの整数倍となるように各記録長が定められることで、単色画像の記録終了後に無駄なく速やかに通常画像や他の種別の異常検出用の画像の記録動作に移行することができる。この場合、各単位画像の長さは、単位長さの整数倍である必要はない。また、同一パターンの画像ではなくても、記録画像に利用される全ノズルN又は異常検出対象として設定されたノズルNからのインク吐出が適宜カバーされている大きさであればよい。例えば、記録範囲が限定的な(マージンが大きい)場合には、各色の単色画像は、記録範囲に応じた部分でのみ記録されてもよい。また、印字率が他の部分よりも相対的に非常に低い部分などについては、単色画像の記録範囲から除外されてもよい。すなわち、異常の検出、判定を行う必要がない記録ヘッド251からのインク吐出は、異常検出用の画像の記録動作の間、一切なされなくてもよい。上述のように、ハーフトーン画像データは、ラインデータを並べたものであるので、記録長及び単位長さは、ライン数により管理されてよい。実際に記録動作が行われたライン数は、エンコーダー24が所定の回転角度(所定の搬送量)ごとに出力するエンコーダーパルスの回数に基づいて特定されてよい。
図4(b)に示すように、複数回の通常画像の記録動作の途中で単色画像を記録する場合には、現在記録中の画像の単位が終了し、本来であれば次の通常画像の記録動作が開始するタイミングが単色画像の記録動作が開始されるタイミングとなるように切り替えられてもよい。例えば、矢印の位置で、操作受付部92などにより単色画像の記録要求に係る所定の入力操作が受け付けられた場合、この時点で記録中の画像の記録動作が終了するまでは、通常の記録動作が継続され、その後、次の(最初の)通常画像の記録開始タイミングで異常検出用画像の記録動作に切り替わって、単色画像の記録動作が開始される。定期的な異常検出などでは、このようにして記録途中の通常画像を無駄にしない。あるいは、即座に単色画像に切り替えられ、ちょうど一周期分の単色画像が記録されてもよい。ユーザーなどが目視で記録画像内に異常を発見した場合には、現在記録中の画像にも異常が生じており、当該画像を完成させる必要がない場合が多い。したがって、この場合には、速やかに単色画像の記録動作に移行させても問題はない。
図4(c)では、欠落画像として、単色画像に続いて、K(黒色)+他の色の2色重ね画像を7枚記録する。単色画像では、色間の位置ずれを検出することができないので、基準となる色(ここでは、K色であるが、これには限られない)との重ね合わせ画像を出力することで、いずれの色の記録画像に基準位置からのずれがあるかが速やかに知得される。なお、基準とされている色の画像を完全に記録せずに、単純にK色のヘッドユニット25により基準位置を示す線、例えば、搬送方向に延びる直線などが記録されてもよい。この程度であれば、記録対象の画像データを他のテスト画像のデータに置き換える必要がなく、単純に制御部70が特定のノズルNからのインク吐出を強制的に行わせるだけでよい。あるいは、基準色を定めずに、選択された任意の色の組合せ、例えば、印字率の高い3色の全ての組合せなどで2色重ね画像を記録してもよい。この場合、定量的なずれ量の評価が必要な場合には、改めてテスト画像などにより行われてもよい。この2色重ね画像の記録有無は、異常検出用の画像記録動作ごとに切替設定されてもよいし、所定の設定データなどに基づいて定められていてもよい。あるいは、異常の状況によっては2色重ね画像のみが記録されて単色画像が記録されない場合があってもよい。これらの場合には、非吐出パターン751の決定前に、どの種別の異常検出用の画像を記録するかについての設定を取得し、又は設定を行って、当該設定に基づいて非吐出パターン751が生成されればよい。種別の設定は、例えば、操作受付部92により受け付けられた入力操作に基づいてなされればよい。
なお、これらの単色画像などの異常検出用画像が記録されている間、搬送部55による記録媒体Mの搬送速度を通常の画像記録動作時における搬送速度よりも低下させてもよい。これにより、記録され単色画像をユーザーや管理者などがリアルタイムで確認することが可能になる。
また、通常の記録動作中にユーザーや管理者などがリアルタイムで異常に気付いた場合などでは、幅方向についての異常の発生位置が概ね知得できる。したがって、この場合には、全ての記録ヘッド251により単色画像を記録させる必要はなく、一部のみが選択されてもよい。また、元画像データの内容に基づいて使用されていない色のインクがあると判別される場合など、異常の原因となっているヘッドユニット25が絞り込める場合には、対象外のヘッドユニット25による単色画像及び2色重ね画像の記録動作を省略させるように吐出させない記録ヘッド251を定める非吐出パターン751が決定されてもよい。
図5は、異常検出用の画像設定に係る表示画面の例を示す図である。
異常検出用の画像設定画面は、特に通常画像の記録動作中には、操作受付部92による容易な操作、例えば、1回の操作で容易に呼び出されることが可能であってよい。図5(a)に示すような設定画面が呼び出されて表示されると、例えば、単色画像の記録を行う対象とされるヘッドユニット25、及び記録ヘッド251が、それぞれ出力ユニット及び出力ヘッドとして設定可能である。全てのヘッドユニット25の全ての記録ヘッド251により記録動作を行わせる場合には、「全て」が選択されればよく、また、「全て」が初期設定としてなされていてもよい。表示画面に表示された出力開始ボタン標識が選択操作されることで、異常検出用の画像設定が開始される。出力ユニット及び/又は出力ヘッドの絞り込みは、異常検出用の画像設定が開始された後になされてもよく、この場合には、例えば、「出力開始」の操作後に「設定変更」の操作がなされればよい。なお、一度除外されたヘッドユニット25が再設定された場合には、順番を入れ替えて再設定されたヘッドユニット25の単色画像の記録動作がなされてもよい。また、一度除外された記録ヘッド251が再設定された場合には、当該再設定された記録ヘッド251による単色画像の記録が省略されたヘッドユニット25による単色画像の記録動作を再度行ってもよいし、再設定後に記録動作が行われるヘッドユニット25でのみ当該記録ヘッド251を動作させてもよい。
また、「個別設定」のボタン標識が選択操作されることで、出力ユニットと出力ヘッドの組合せが設定可能とされてもよい。「個別設定」が選択操作されると、図5(b)に示すように、出力ユニットと出力ヘッドのマトリクス表示がなされ、個別に単色画像の記録動作有無が設定可能とされてもよい。例えば、ユーザーが2か所同時に画質の問題に気付いた場合に、各々の幅方向についての位置に基づく記録ヘッド251を選択し、各々の色に応じたヘッドユニット25を選択することとしてもよい。
このように、記録ヘッド251を単位として単色画像の出力、すなわち、単色画像に係る特定の色を吐出する記録ヘッド251以外の記録ヘッド251からのインク吐出を一律に禁止させる動作は、画像記録制御部75の非吐出パターン751に応じた制御信号に基づいて、非吐出設定部512により行われてもよい。非吐出設定部512による具体的な動作は、特には限られないが、例えば、各記録ヘッド251へのインク吐出信号とインク吐出可否を示す信号の論理積を出力してもよい。インク吐出を禁止する場合には、インク吐出可否を示す信号を吐出不可、例えば、ローレベル(0など)に定めることができる。これにより、各記録素子25aの動作を定める信号は、全てローレベル(0)に変換されて出力され、記録素子25aが非吐出となる。ここでいう非吐出は、非動作である必要はなく、インクが吐出されない程度の微小振幅の電圧波形が出力、印加されてもよい。あるいは、非吐出設定部512は、インク吐出信号又はインクを吐出させないローレベル信号のいずれかを選択的に切り替えて各記録素子25aに出力する構成、例えばスイッチング素子であり、非吐出とされる記録ヘッド251の記録素子25aには全てローレベル信号が出力されるようにスイッチング素子が切り替えられてもよい。
あるいは、画像記録制御部75は、非吐出パターン751に応じて非吐出となる記録ヘッド251からの吐出動作を全て非吐出に変更した画像データを生成し、当該画像データをヘッド駆動部51に出力して、通常通り各電気機械変換素子511を変形動作させてもよい。
図6は、インクジェット記録装置100で実行される画像記録制御処理の制御部70(画像記録制御部75を含んでよい)による制御手順を示すフローチャートである。本実施形態の異常検出制御方法を含むこの画像記録制御処理は、ジョブの最初に異常検出を行うことができるものであり、画像記録命令に係るジョブが入力されることで開始される。
画像記録制御処理が開始されると、制御部70(CPU71)は、ジョブデータを取得して、記録対象画像を記録させるためにヘッド駆動部51を動作させる駆動用画像データを生成する(ステップS101)。制御部70は、搬送部55に制御信号を出力して記録媒体の搬送動作を開始させる(ステップS102)。
制御部70は、異常検出画像を記録するか否かを判別する(ステップS103)。異常検出画像の記録は、所定のユーザー操作が受け付けられた場合にのみなされてもよいし、反対に、所定のユーザー操作により省略命令が受け付けられない限り実行されてもよい。また、別途記録有無の設定データが保持されていてもよい。記録を行わないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、制御部70の処理は、ステップS106へ移行する。
異常検出画像の記録を行うと判別された場合には(ステップS103で“YES”)、制御部70は、異常検出画像記録処理を呼び出して実行する(ステップS104)。制御部70は、記録された異常検出画像に対応する入力がなされたか否かを判別する(ステップS105)。入力がなされていないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、制御部70の処理は、ステップS106に移行する。入力がなされたと判別された場合には(ステップS105で“YES”)、入力内容に応じた各種処理を実行する。
ステップS106の処理に移行すると、制御部70は、通常の画像記録動作へ移行する(ステップS106)。なお、ステップS106の処理に移行した後であっても、異常検出画像の記録、判定結果に対応する入力操作がなされてよく、当該入力操作に応じて、ステップS105で“YES”に分岐して各処理を実行してもよい。通常の画像記録動作が終了すると、制御部70は、搬送部55に制御信号を出力して搬送動作を停止させる(ステップS107)。そして、制御部70は、画像記録制御処理を終了する。
図7は、画像記録制御処理で呼び出される異常検出画像記録処理の制御部70による制御手順を示すフローチャートである。
異常検出画像記録処理が呼び出されると、制御部70(CPU71)は、検出対象の記録ヘッド251(あるヘッドユニット25に属する記録ヘッド251全てであってもよい)の情報を取得する(ステップS201)。この情報は、上述の設定画面で設定された内容に応じて取得される。
制御部70は、順番に非吐出としていくヘッドユニット25及び記録ヘッド251の設定パターン(非吐出パターン751)を決定する(ステップS202)。非吐出パターン751では、例えば、いずれかの記録ヘッド251の記録素子25aの記録動作を最初に非吐出とするタイミング、欠落画像のデータ(欠落画像のサイズ、特に搬送方向についての長さの情報を含む)、繰り返しの回数及び非吐出とされる記録ヘッド251の切り替え順(欠落画像の種別の情報を含む)の情報が設定される。制御部70は、記録開始位置を算出する(ステップS203)。上述のように、制御部70は、異常検出画像記録時の搬送速度を通常よりも低下させてもよく、この場合には、速度を低下させている途中の速度変化パターンの情報などに基づいて記録媒体の搬送距離が算出されてよい。なお、後述のように画像記録制御処理において通常画像の記録動作中に異常検出画像記録処理が呼び出された場合には、記録開始位置の算出には、現在記録中の画像の終了位置についての情報、又は間接的に通常画像のサイズ及び現在記録中の画像の記録開始位置の情報が含まれていてもよい。
制御部70は、エンコーダー24の出力に基づいて記録媒体の現在位置を特定し、記録開始位置であるか否かを判別する(ステップS204)。記録開始位置ではないと判別された場合には(ステップS204で“NO”)、制御部70は、ステップS204の処理を繰り返す。
記録開始位置であると判別された場合には(ステップS204で“YES”)、制御部70は、ヘッド駆動部51に制御信号を出力し、異常検出用の画像(単色画像など)の画像記録動作を開始させる(ステップS205;検出画像記録ステップ、検出画像記録手段)。異常検出用の画像の記録動作が終わると、制御部70は、異常検出画像記録処理を終了して処理を画像記録制御処理に戻す。なお、異常検出用の画像の記録動作が終了する前であれば、上述のように、検出対象の記録ヘッド251の情報は、途中で変更されてもよい。制御部70は、変更後の設定応じて非吐出パターン751を更新し、当該非吐出パターン751に応じて各記録ヘッド251をインク非吐出とする期間を定める。
[変形例1]
図8は、変形例1の画像記録制御処理の制御部70による制御手順を示すフローチャートである。この変形例1の画像記録制御処理では、図4(b)、(c)に示したように、通常画像の記録開始前だけでなく、通常画像の記録動作中に割り込んで異常検出画像の記録を行うことができる。これに対応して、変形例1の画像記録制御処理には、ステップS111~S117の処理が追加されている。また、ステップS107の処理に代えて、ステップS121の処理が追加されている。その他のステップS101~S106の処理は、上記実施の形態における画像記録制御処理と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS106の処理で通常の画像記録動作へ移行すると、制御部70は、ジョブで指定された画像の記録動作が全て終了したか否かを判別する(ステップS111)。終了したと判別された場合には(ステップS111で“YES”)、制御部70は、搬送部55に制御信号を出力して搬送動作を停止させる(ステップS121)。そして、制御部70は、画像記録制御処理を終了する。
記録動作が終了していないと判別された場合には(ステップS111で“NO”)、制御部70は、異常検出用の画像出力命令が取得されたか否かを判別する(ステップS112)。操作受付部92などにより異常検出用の画像出力命令が取得されていないと判別された場合には(ステップS112で“NO”)、制御部70の処理は、ステップS111に戻る。
異常検出用の画像出力命令が取得されたと判別された場合には(ステップS112で“YES”)、制御部70は、図7に示した異常検出画像記録処理を呼び出して実行する(ステップS113)。制御部70は、搬送部55に制御信号を出力し、異常検出画像の記録後、搬送動作を一時停止させる(ステップS114)。
制御部70は、記録された異常検出画像に基づいて、操作受付部92などにより入力された対応動作の内容を取得する(ステップS115)。制御部70は、取得された内容に応じて対応動作が必要であるか否かを判別する(ステップS116)。対応の必要がないと判別された場合には(ステップS116で“NO”)、制御部70は、搬送動作及び記録動作を再開させ(ステップS117)、処理をステップS111に戻す。処理が必要と判別された場合には(ステップS116で“YES”)、制御部70は、必要な対応処理に移行する。
なお、通常画像の記録動作の途中で実行される異常検出用画像の記録処理は、操作受付部92により命令が受け付けられた場合だけではなく、通常画像の所定の記録長や所定の時間間隔で、周期的に自動で開始されてもよい。このとき、手動による操作受付部92への入力があった場合だけでなく、なかった場合についても、自動判定結果と対応付けて履歴データとして保持されてよい。
[変形例2]
上記実施の形態及び変形例1では、異常検出画像に基づいてユーザーが異常の検出及び原因の推定を行ったが、これらの処理は、異常判定基準データ83に基づいて、完全に又は補助的に制御部70により行われてもよい。異常検出画像は、撮像部26により撮像されて、撮像データが元の画像データと比較される。画像記録動作では、記録された画像に要求される画質が得られていればよいので、要求水準以上の微小な異常を検出する必要はない。したがって、要求水準に応じた異常の検出基準が異常判定基準データ83として予め設定されて、撮像データにおける各種異常の大きさと比較されればよい。比較される異常の大きさとしては、例えば、濃度のむらの大きさ、各色の画像の濃度むらの差、及び各色の画像間のずれの大きさなどが挙げられる。
異常判定基準データ83は、複数の水準に応じて各々設定されてもよいし、単一水準であってもよい。また、これらの判定基準は、可変であってもよい。
図9は、異常検出を自動で行う場合の異常検出画像記録処理の制御手順を示すフローチャートである。この異常検出画像記録処理は、図7に示した上記実施形態の異常検出画像記録処理に対してステップS206~S208の処理が追加されている。その他のステップS201~S205の処理は、互いに同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS205の処理で異常検出用の画像記録動作が開始されると、制御部70は、記録された異常検出用の画像を撮像部26により撮像させて撮像データを取得する(ステップS206)。制御部70は、撮像データと、異常検出用の画像を記録するための元画像データとを比較して、異常判定基準データ83に基づいて異常検出用の画像に異常と認められる部分があるか否かの判定を行い、また、制御部70は、当該異常の要因を推定して、推定された要因の異常発生に対して推奨される動作を特定する(ステップS207)。異常要因と推奨動作との対応関係は、記憶部80に予め対応付けて記憶されていてよい。制御部70は、異常の検出箇所の情報、推定された異常の要因及び推奨動作の内容(例えば、具体的な操作手順)などを出力する(ステップS208)。制御部70は、例えば、表示部91により、これら異常の検出箇所、異常の要因及び推奨動作の内容などを表示させる。そして、制御部70は、異常検出画像記録処理を終了して処理を画像記録制御処理へ戻す。
図10は、変形例2の異常検出画像記録処理を呼び出す画像記録制御処理の制御手順を示すフローチャートである。この画像記録制御処理は、変形例1の画像記録制御処理に対し、ステップS105の処理が削除され、ステップS131~S138の処理が追加されている。その他の処理は、変形例1、2の間で同一であり、同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS104の処理に続き、制御部70は、異常検出画像記録処理で特定された異常箇所及び推定された異常の要因に基づいて、必要に応じて自動で対応処理を行う設定がなされているか否かを判別する(ステップS131)。自動で対応処理を行う設定がなされていると判別された場合には(ステップS131で“YES”)、制御部70は、何らかの対応が必要とされているか否かを判別する(ステップS132)。対応が必要とされていると判別された場合には(ステップS132で“YES”)、制御部70は、必要とされていると設定されている対応処理に移行する。必要とされていないと判別された場合には(ステップS132で“NO”)、制御部70の処理は、ステップS106へ移行する。
自動で対応を行う設定がなされていないと判別された場合には(ステップS131で“NO”)、制御部70は、操作受付部92などにより受け付けられた対応の入力内容を取得する(ステップS133)。制御部70は、自動での対応設定結果(推奨動作)と、入力された対応内容(決定された非吐出パターン751)とを比較して、自動での異常検出の基準に反映、調整する(ステップS134)。制御部70は、入力内容が何らかの対応処理を要求するものであるか否かを判別する(ステップS135)。要求するものであると判別された場合には(ステップS135で“YES”)、当該要求された対応処理に移行する。いずれの対応処理も要求しないものであると判別された場合には(ステップS135で“NO”)、制御部70の処理は、ステップS106へ移行する。
ステップS113の異常検出画像記録処理が実行された後、制御部70は、当該異常検出画像記録処理で特定された異常箇所及び推定された異常の要因に基づいて、必要に応じて自動で対応処理を行う設定がなされているか否かを判別する(ステップS136)。自動で対応処理を行う設定がなされていると判別された場合には(ステップS136で“YES”)、制御部70は、何らかの対応が必要とされているか否かを判別する(ステップS137)。対応が必要とされていると判別された場合には(ステップS137で“YES”)、制御部70は、必要とされていると設定されている対応処理に移行する。必要とされていないと判別された場合には(ステップS137で“NO”)、制御部70の処理は、ステップS111へ戻る。
自動で対応を行う設定がなされていないと判別された場合には(ステップS136で“NO”)、制御部70の処理は、ステップS114へ移行する。ステップS114、S115の処理がなされた後、制御部70は、自動での対応設定結果と、入力された対応内容とを比較して、自動での異常検出の基準に反映する(ステップS138)。それから、制御部70の処理は、ステップS116へ移行する。
以上のように、本実施形態のインクジェット記録装置100は、複数の記録素子25aを有し、これら複数の記録素子25aを各々記録動作させることで記録媒体M上に画像の記録を行うヘッドユニット25と、制御部70と、を備える。複数の記録素子25aは、複数の記録ヘッド251にグループ分けされており、制御部70は、記録対象の元画像データについて、記録ヘッド251ごとに記録素子25aを記録動作させない設定を行い、設定された一部の記録ヘッド251の記録素子25aによる記録動作がなされない欠落画像(単色画像など)を記録させる。
このように、元画像データを変更せずに当該元画像データを色単位などで分解した欠落画像を記録させることで、画質異常がどこにどのような要因で生じているかを識別することが容易になる。これにより、種々のテスト画像や対応処理などのうち適切なものを速やかに識別することができるので、画質異常に対する手間を軽減することができる。また、実際の元画像データに基づいて異常の検出を行うので、ユーザーが要求する画質を満たすか否かに応じたレベルの異常を検出することができ、反対に、要求する画質を満たす程度の異常を放置して手間を軽減することができる。さらに、記録対象画像データ自体で異常の判定が容易に行われるので、ヘッド駆動部51が記録する元画像データを一度廃棄して異常検出用のテスト画像を読み込んだり、対応処理後に改めて元画像データを読み込んだりする必要が抑制されて、より効率よく迅速に生産を行うことができる。
また、制御部70は、元画像データの内容に基づいて記録素子25aの記録動作を行わせない記録ヘッド251を定める。元画像データに応じて記録される画質の精度が得られればよいので、画質に関係又は影響のない記録ヘッド251では異常検出用の画像を記録する必要がない。このように、元画像データの内容を反映して記録する欠落画像を定めるので、異常検出をより効率化することができる。
また、記録ヘッド251の動作設定に係る元画像データの内容には、元画像データの記録に用いられる色、記録範囲、及び印字率のうちの少なくとも一部が含まれる。これらに基づいて各記録ヘッド251の異常検出の必要性を判断し、必要な範囲で異常検出用の画像を記録することで、さらに検出作業を効率化することができる。
また、制御部70は、元画像データの内容に基づいて欠落画像(単色画像など)の配列パターンを決定し、欠落画像の記録動作時には、当該配列パターンに応じて記録素子25aに記録動作を行わせない記録ヘッド251を定める。記録ヘッド251の非吐出動作は、元画像データの内容に基づいて非吐出パターン751として定め、当該非吐出パターン751により各記録ヘッド251を一括してインク吐出させないように定めることができる。
よって、インクジェット記録装置100では、記録ヘッド251単位で画像記録動作の可否を容易に定めることができ、これにより、容易かつ適切な異常検出が可能に異常検出用の画像を記録することができる。
また、制御部70は、記録させる欠落画像の種別(単色画像、2色重ね画像、及びこれらを記録するインク色など)の設定を取得し、取得された設定に基づいて欠落画像の配列パターンを決定し、欠落画像の記録動作時には、非吐出パターン751に応じて記録素子25aによる記録動作を行わせない記録ヘッド251を定める。欠落画像の記録は、初期設定などに基づいてなされてもよいし、ユーザーの入力操作などに応じてユーザーが必要と判断したものだけに限られてもよい。このように柔軟に必要な異常検出用の画像の記録範囲、内容を取得して記録することで、不要な画像記録を行わず、インクジェット記録装置100に余計な処理を行わせず、ユーザーも余計な手間や時間をかけるなくてよい。
また、インクジェット記録装置100は、操作受付部92を備える。制御部70は、操作受付部92が受け付けた入力操作に基づいて記録させる欠落画像の種別の設定を取得する。ユーザー操作に基づいて毎回欠落画像の種別を定めることができるので、ユーザーによる異常の検出状況などに応じて臨機応変に必要な欠落画像を得ることができる。
また、この種別には、記録媒体Mの同一位置に対していずれか一つの記録ヘッド251により記録動作が行われる単色画像が含まれる。同一位置に複数のノズルNからのインクを重複させずに画像を分割することで、いずれの記録ヘッド251で異常が生じているかを容易かつより確実に初期段階から判別することができ、適切かつ速やかに異常に対処することができる。
また、ヘッドユニット25は、少なくとも異なる色による記録動作を行う記録素子25aが互いに異なる記録ヘッド251に属しており、制御部70は、色ごとに動作させない記録ヘッド251を定めて単色画像を記録する。単色画像により、いずれの記録ヘッド251で異常が生じているかの判断がより容易となり、また、画像内でのユーザーの主観的な異常の判定も容易に小さなぶれで適切に行うことが可能になる。
また、インクジェット記録装置100は、記録媒体Mを搬送方向に移動させる搬送部55を備える。ヘッドユニット25は、記録媒体Mの搬送方向に直交する幅方向についての各位置に記録素子25aが各々記録動作を行うように位置するラインヘッドを有する。このようなラインヘッドを用いたインクジェット記録装置100では、特にノズルNを単位とした異常に応じた画質の異常が生じやすいので、この異常を容易かつ適切に判断できる。また、このようなインクジェット記録装置100は、産業用に多数の同一画像を複数回連続して高速に記録する場合が多く、上記の異常検出用画像をまず記録させて迅速に異常の判定を行うことで、画像記録動作が中止される時間を低減させることができる。
また、非吐出パターン751には、欠落画像のサイズ情報が含まれる。欠落画像は、元画像データに係る画像の全体とする必要はないので、サイズ情報を設定して一部に対応した異常検出用の画像を記録するように、適切に非吐出とさせる記録ヘッド251の設定、切替を行うことができる。
また、制御部70は、非吐出パターン751に含まれる欠落画像の搬送方向についての記録長の合計が、記録対象の元画像データに係る画像の搬送方向についての所定の単位長さの整数倍となるように記録長を定める。産業用途で記録される画像では、同一パターンを隙間なく連続して繰り返して出力するような場合があるが、全ての欠落画像の記録が終わったタイミングで当該パターンの終了位置となるように記録長を定めることで、欠落画像の終了後に不要な処理などを必要とせず、速やかに通常画像など他の画像の記録動作に移行することができる。
また、制御部70は、欠落画像の記録長を、記録対象の元画像データに係る画像の搬送方向についての単位長さ以上に定める。すなわち、出力される画像記録媒体の境界があまり重要ではない場合でも、記録画像の単位長以上の長さで異常検出用の画像を記録させることで、画像内に生じ得る異常の見落としを抑制することができる。
また、制御部70は、記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で欠落画像を記録させる場合に、元画像データを記録する開始タイミングを複数回の欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとする。例えば、定期的に異常検出用の画像を記録するような場合には、通常画像の記録を途中で中断させて無駄にせず、適切に挟み込むことができる。
また、制御部70は、操作受付部92が所定の入力操作を受け付けてから最初の開始タイミングでヘッドユニット25による欠落画像の記録動作を開始させる。すなわち、上記と同様に、異常検出用の画像の記録命令が画像記録動作中にリアルタイムで取得された場合でも、記録中の画像の記録動作が終了して次の記録動作が開始されるタイミングまで保留して異常検出用の画像の記録に切り替えることで、記録途中の画像を無駄にしない。
また、ヘッドユニット25は、記録素子25aにより二次元マトリクス的に定められるインク着弾位置に対する記録動作を行ってハーフトーン画像を記録し、制御部70は、幅方向について並ぶ複数のインク着弾位置によるラインを単位として記録素子25aに記録動作を行わせ、記録動作を行わせたラインの数に基づいて異常検出用の画像の記録開始タイミングを特定する。このような回数の検出だけで容易に記録画像のサイズ、すなわち、次の欠落画像の記録動作への切り替わりタイミングを特定できるので、容易かつ確実に非吐出に定める記録ヘッド251の切替動作を行うことができる。
また、インクジェット記録装置100は、搬送部による搬送量を計測するエンコーダー24を備える。制御部70は、エンコーダー24の計測する所定の搬送量、すなわち、出力されるエンコーダーパルスの回数に基づいてラインの数を特定する。インク吐出動作はエンコーダーパルスに同期して行われるので、エンコーダーパルスを直接計数することで容易かつ確実に非吐出に定める記録ヘッド251の切替動作を行うことができる。
また、制御部70は、記録動作を行わせない記録ヘッド251に対し、元画像データに応じた駆動信号を全て記録動作を駆動させない信号に変換して出力してもよい。すなわち、元画像データをいじらずに、各電気機械変換素子511へ駆動信号を出力する前に非吐出信号にまとめて変換するので、元画像データを調整する手間などを必要としない。
あるいは、制御部70は、記録ヘッド251に本来出力される元画像データに応じた駆動信号と、記録動作を行わせない駆動信号とから選択的にいずれかを出力させることとしてもよい。この場合でも元画像データ自体には変更を加えずに非吐出信号に切り替えることができるので、元画像データを調整したり、調整したデータを並列に保持したりする手間やメモリースペースなどを必要としない。
また、制御部70は、欠落画像の記録動作を行わせる記録ヘッド251の範囲を設定し、欠落画像を記録させる間、この範囲に含まれない記録ヘッド251による記録動作を行わせない。欠落画像の記録を行わない記録ヘッド251は、すなわち、異常の検出を行う必要のない記ヘッド251であるから、異常検出用の画像を記録する間、一貫して画像の記録動作を中止させることで、不要なインクの吐出を抑制し、また、不要な異常検出用画像の記録動作を省略して、手間、コストや時間を小さくすることができる。
また、インクジェット記録装置100は、記録媒体Mの表面を撮像する撮像部26を備える。制御部70は、撮像部26による欠落画像の撮像データと、欠落画像の元画像データとを比較し、異常判定基準データ83に基づいて欠落画像における異常の判定を行う。
このように、異常の判定はユーザーの目視だけでなく、制御部70により自動で行われてもよい。大量の画像を記録する間、ユーザーが常に監視し続けるのは負担が大きいので、自動判定処理を可能とすることで、ユーザーの手間を低減することができる。また、判定結果とユーザーの判断を比較可能とすることで、ユーザーに補助的な情報を与えて当該ユーザーの判断をサポートすることができる。
また、制御部70は、判定された異常に基づいて異常の要因を推定し、当該推定の結果に応じた推奨動作を特定する。単に異常を判定するだけではなく、当該異常の要因を推定してその結果取るべき動作を特定することで、特に熟練していないユーザーなどの負担や手間を低減させることができる。
また、インクジェット記録装置100は、表示部91を備える。制御部70は、特定された推奨動作を表示部91により表示させる。これにより、ユーザーが実際にすべき対処に応じた動作内容を容易に知得して実行することができる。また、自動で推奨動作が実行される場合でも、ユーザーが実行されている動作内容を知得することができる。
また、制御部70は、決定された非吐出パターンに係る情報、すなわち、非吐出パターンを決定するために取得された各種情報と、制御部70により判定された異常とに基づいて異常の判定基準を調整する。
すなわち、制御部70が異常の検出及び判定を行う場合であって、かつ最終的にユーザーが異常検出用の画像記録動作を選択した(しなかった)場合に、その差異を異常判定基準データ83に反映させて、ユーザーの選択との乖離を縮小するように学習させることができる。これにより、ユーザーの動作とかけ離れた無意味な判定を行う可能性を低下させて、よりユーザーの役に立つ判定結果を出力することが可能になる。
また、本インクジェット記録装置100の異常検出制御方法は、記録対象の元画像データについて、記録ヘッド251ごとに記録素子25aを記録動作させない設定を行い、設定された一部の記録ヘッド251の記録素子25aによる記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録ステップを含む。
このような処理を行うことで、元画像データをそのまま用いて各種異常の検出、判別及び要因の推定を幅広く行うことができる。したがって、速やかに適切な対処に移行することができる。また、異常がない場合には、そのまま元画像データに基づく通常画像の記録動作を開始/再開することができる。また、元画像データ自体における画質低下の影響を直接判断できるので、微小な異常であって通常画像の要求水準に影響しないか否かをより正確に判断することができる。
また、上記の処理を行うプログラム81をインクジェット記録装置100のコンピューターにインストールしてCPUによりソフトウェア的に実行させることで、容易に非吐出とする記録ヘッド251を切り替えた欠落画像を記録させて、異常の検出、だいたいの位置の特定、要因の推定及び取るべき対処の決定を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、欠落画像として単色画像及び2色重ね画像を例に挙げて説明したが、これらに限られない。例えば、文字画像など、画像内で単色部分が複数箇所に存在しているような場合には、これらが単一の欠落画像内に含まれていてもよい。また、識別したい異常の種別に応じて3個以上のヘッドユニット25により記録される画像が重ねられてもよい。
また、2色重ね画像は、最初に記録される欠落画像に含まれなくてもよい。当初は単色画像のみが記録され、この結果に基づいてさらに記録動作の命令がなされるテスト画像の一部として扱われてもよい。
また、上記実施の形態では、元画像データの単位長さ以上の欠落画像を記録するものとしたが、べた画像に近いような場合など、元画像データの内容に応じて、必ずしも単位長さ以上とされる必要はない。また、通常画像の記録の区切りと同期させなくてもよく、異常検出用の画像の記録命令が取得された後、種別情報などの設定が確定した後に記録動作が開始されてもよい。
また、異常検出用の画像の種別設定などは、操作受付部92が受け付ける場合に限られない。通信部93を介して外部の端末装置などから設定情報が取得されてもよい。
また、非吐出とされる記録ヘッド251の切り替えタイミングは、エンコーダー24の出力するエンコーダーパルスの回数に応じて定められなくてもよい。その他の方法、例えば、出力した画像データのラインの内容自体がタイミングの判定に用いられてもよいし、単純に経過時間が計数されて切り替えが行われるなどであってもよい。
また、上記実施の形態では、記録ヘッド251を駆動単位として一括でのインク非吐出設定が可能とされるものとして説明したが、これに限られない。ヘッドユニット25が単一の記録ヘッド251を有する場合には、実質上ヘッドユニット25を駆動単位としてインク非吐出設定がなされてもよいし、記録ヘッド251の中で記録素子25aが複数のグループに分割されて、当該グループを駆動単位としてインク非吐出設定が可能とされてもよい。
また、上記の変形例2では、制御部70による以上の自動検出判定が行われるか否かが予め設定されているものとして説明したが、ユーザー操作に応じた処理を優先する設定であっても所定時間入力がない場合に推奨動作の実行に切り替えたり、又はユーザーが推奨動作通りに動作命令を行うためのショートカット操作を行ったりすることが可能であってもよい。
また、上記実施の形態では、ラインヘッドを有するインクジェット記録装置100を例に挙げて説明したが、これに限られない。記録ヘッド251(ヘッドユニット25)を記録媒体Mに対して走査させながら画像の記録を行うスキャン型のインクジェット記録装置であってもよい。また、マルチパス形式で画像を記録するスキャン型のインクジェット記録装置では、各駆動単位をさらに各パスで分離した欠落画像を記録させることで、上記実施形態と同様の処理を行うことができる。
また、上記実施の形態では連続した記録媒体Mに対して画像を記録するものとして説明したが、枚葉紙などの個別の記録媒体に記録する場合であっても同様の処理が行われてよい。この場合、異常検出用の画像のサイズは、個別の記録媒体のサイズなどにも応じて定められてもよい。
また、上記実施形態では、画質の異常に対する処理動作として説明したが、異常とは言えないものの画質が意図したものからずれている場合に同様の処理を行ってもよい。この場合には、異常検出用の画像は、画質のずれの原因を特定するために用いられる。したがって、異常判定基準データ83には、異常の基準だけでなく、例えば、色調や濃淡の調整の基準データが含まれてもよい。そして、この基準データに基づいて、例えば、単色画像における基準からのずれ量などが定量評価可能とされてもよい。
また、上記実施の形態では、インクジェット記録装置100を画像記録装置の一例として説明したが、複数の記録素子を有し、当該記録素子の動作により画像を記録する画像記録装置であれば、インクジェット記録装置ではなくてもよい。また、ここでいう画像の記録動作は、色材による平面画像を記録するものに限られなくてよい。透明な(光透過性の)インクなどが含まれていてもよく、また、立体的な記録を行うものであってもよい。また、ここでいう画像は、絵や文字としての機能、識別性を有さないもの、例えば、単一色面(透明を含む)などであってもよく、一方で、絵や文字以外の機能、例えば、保護膜や電気配線としての機能などを有するものであってもよい。
また、以上の説明では、本発明に係る制御部70の処理動作に係るプログラム81のコンピューター読み取り可能な媒体として不揮発性メモリー及び/又はHDDなどの補助記憶装置を有する記憶部80を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROMやDVDディスクなどの可搬型記憶媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
10 媒体供出部
11 媒体ロール
12 送り出しローラー
20 記録部
21 駆動ローラー
22 従動ローラー
23 搬送ベルト
24 エンコーダー
25 ヘッドユニット
251 記録ヘッド
25a 記録素子
26 撮像部
30 乾燥部
31、32 搬送ローラー
35 乾燥動作部
40 媒体排出部
41 排出ローラー
51 ヘッド駆動部
511 電気機械変換素子
512 非吐出設定部
55 搬送部
551 搬送駆動部
60 検出部
70 制御部
71 CPU
72 RAM
75 画像記録制御部
751 非吐出パターン
80 記憶部
81 プログラム
82 吐出異常ノズルリスト
83 異常判定基準データ
84 ジョブデータ
91 表示部
92 操作受付部
93 通信部
99 バス
100 インクジェット記録装置
M 記録媒体
N ノズル

Claims (28)

  1. 複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされており、
    前記制御部は、記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させ、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
    ことを特徴とする画像記録装置。
  2. 複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされており、
    前記制御部は、記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させ、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとする
    ことを特徴とする画像記録装置。
  3. 前記制御部は、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定めることを特徴とする請求項記載の画像記録装置。
  4. 前記駆動単位の動作設定に係る前記元画像データの内容には、当該元画像データの記録に用いられる色、記録範囲、及び印字率のうちの少なくとも一部が含まれることを特徴とする請求項1又は3記載の画像記録装置。
  5. 前記制御部は、
    前記内容に基づいて前記欠落画像の配列パターンを決定し、
    前記欠落画像の記録動作時には、当該配列パターンに応じて前記記録素子に記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
    ことを特徴とする請求項1、3、4のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  6. 前記制御部は、
    記録させる前記欠落画像の種別の設定を取得し、
    取得された前記設定に基づいて前記欠落画像の配列パターンを決定し、
    前記欠落画像の記録動作時には、当該配列パターンに応じて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  7. 操作受付部を備え、
    前記制御部は、前記操作受付部が受け付けた入力操作に基づいて前記種別の設定を取得する
    ことを特徴とする請求項記載の画像記録装置。
  8. 前記種別には、前記媒体の同一位置に対していずれか一つの前記駆動単位により記録動作が行われる単位記録画像が含まれることを特徴とする請求項6又は7記載の画像記録装置。
  9. 前記記録動作部は、少なくとも異なる色による記録動作を行う前記記録素子が互いに異なる前記駆動単位に属し、
    前記制御部は、前記色ごとに動作させない前記駆動単位を定める
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  10. 前記媒体を所定方向に移動させる搬送部を備え、
    前記記録動作部は、前記媒体の前記所定方向に直交する幅方向についての各位置に前記記録素子が各々記録動作を行うように位置するラインヘッドを有する
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  11. 前記配列パターンには、前記欠落画像のサイズ情報が含まれることを特徴とする請求項5~8のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  12. 前記媒体を所定方向に移動させる搬送部を備え、
    前記制御部は、前記配列パターンに含まれる欠落画像の前記所定方向についての記録長の合計が、記録対象の元画像データに係る画像の前記所定方向についての所定の単位長さの整数倍となるように前記記録長を定めることを特徴とする請求項11記載の画像記録装置。
  13. 前記制御部は、前記欠落画像の記録長を、記録対象の元画像データに係る画像の前記所定方向についての単位長さ以上に定めることを特徴とする請求項12記載の画像記録装置。
  14. 前記制御部は、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとすることを特徴とする請求項1、4~13のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  15. 操作受付部を備え、
    前記制御部は、前記操作受付部が所定の入力操作を受け付けてから最初の前記開始タイミングで前記記録動作部による前記欠落画像の記録動作を開始させることを特徴とする請求項2、3、14のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  16. 前記媒体を所定方向に移動させる搬送部を備え、
    前記記録動作部は、前記記録素子により二次元的に定められる各インク着弾位置に対する記録動作を行ってハーフトーン画像を記録し、
    前記制御部は、前記所定方向に垂直な幅方向について並ぶ複数の前記インク着弾位置によるラインを単位として前記記録素子に記録動作を行わせ、前記記録動作を行わせた前記ラインの数に基づいて前記開始タイミングを特定する
    ことを特徴とする請求項2、3、14、15のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  17. 前記搬送部による搬送量を計測する搬送計測部を備え、
    前記制御部は、前記搬送計測部の計測する所定の搬送量に基づいて前記ラインの数を特定する
    ことを特徴とする請求項16記載の画像記録装置。
  18. 前記制御部は、前記記録動作を行わせない前記駆動単位に対し、前記元画像データに応じた駆動信号を全て前記記録動作を駆動させない信号に変換して出力することを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  19. 前記制御部は、前記駆動単位に係る前記元画像データに応じた駆動信号と、記録動作を行わせない駆動信号とから選択的にいずれかを出力させることを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  20. 前記制御部は、前記欠落画像の記録動作を行わせる前記駆動単位の範囲を設定し、前記欠落画像を記録させる間、前記範囲に含まれない前記駆動単位による記録動作を行わせないことを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  21. 前記媒体の表面を撮像する撮像部を備え、
    前記制御部は、前記撮像部による前記欠落画像の撮像データと、前記欠落画像の元画像データとを比較し、所定の基準に基づいて前記欠落画像における異常の判定を行う
    ことを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  22. 前記制御部は、判定された異常に基づいて異常の要因を推定し、当該推定の結果に応じた推奨動作を特定することを特徴とする請求項21記載の画像記録装置。
  23. 表示部を備え、
    前記制御部は、特定された前記推奨動作を前記表示部により表示させる
    ことを特徴とする請求項22記載の画像記録装置。
  24. 操作受付部を備え、
    前記制御部は、
    前記操作受付部が受け付けた入力操作に基づいて、記録させる前記欠落画像の種別の設定を取得し、
    取得された前記設定に基づいて前記欠落画像の配列パターンを決定し、
    前記欠落画像の記録動作時には、当該配列パターンに応じて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定め、
    決定された前記配列パターンに係る情報と判定された前記異常とに基づいて前記基準を調整する
    ことを特徴とする請求項22又は23記載の画像記録装置。
  25. 複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置の異常検出制御方法であって、
    記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録ステップ
    を含み、
    前記検出画像記録ステップでは、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
    ことを特徴とする異常検出制御方法。
  26. 複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置の異常検出制御方法であって、
    記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録ステップ
    を含み、
    前記検出画像記録ステップでは、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとする
    ことを特徴とする異常検出制御方法。
  27. 複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置のコンピューターを、
    記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録手段
    として機能させ
    前記検出画像記録手段は、前記元画像データの内容に基づいて前記記録素子の記録動作を行わせない前記駆動単位を定める
    ことを特徴とするプログラム。
  28. 複数の記録素子を有し、前記複数の記録素子を各々記録動作させることで媒体上に画像の記録を行う記録動作部を備え、前記複数の記録素子は、複数の駆動単位にグループ分けされている画像記録装置のコンピューターを、
    記録対象の元画像データについて、前記駆動単位ごとに前記記録素子を記録動作させない設定を行い、設定された一部の前記駆動単位の前記記録素子による記録動作がなされない欠落画像を記録させる検出画像記録手段
    として機能させ
    前記検出画像記録手段は、前記記録対象の元画像データに基づく通常画像を複数回記録する途中で前記欠落画像を記録させる場合に、前記元画像データを記録する開始タイミングを前記複数回の前記欠落画像の記録の開始タイミングのうちいずれかとする
    ことを特徴とするプログラム。
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