JP7398429B2 - 自走式電子機器 - Google Patents
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Description
この従来の自走式掃除機は、筐体上で移動可能なように筐体を覆う本体(バンパー)を有しており、床面上を走行中に本体が壁や置物等の障害物に衝突すると障害物(衝突)を検知して回避する。また、筐体の底面にはクリフセンサが設けられており、自走式掃除機が、例えば下り階段に近づくとクリフセンサが下り階段を検知して回避する。
図1は本発明の自走式電子機器としての自走式掃除機の第1実施形態を示す正面図であり、図2は第1実施形態の自走式掃除機の底面図であり、図3は第1実施形態の自走式掃除機の内部構成を説明する図である。また、図4は第1実施形態の自走式掃除機における段差検知部の(A)は作動前の左側断面図、(B)は作動時の左側断面図である。また、図5は第1実施形態の自走式掃除機の制御系を説明するブロック図である。
なお、図2において、自走式掃除機の前後左右の方向を矢印にて示している。また、第1実施形態1を含む以下の各実施形態では、自走式電子機器として電動式の掃除機器を備えた自走式掃除機の場合を例示するが、本発明は自走式掃除機に限定されるものではない。例えば、自走式荷物輸送機器、自走式トランクなどであってもよい。
第1実施形態の自走式掃除機Aは、設置された場所の床面Fを自走しながら、床面F上のダストを含む空気を吸い込み、ダストを除去した空気を排気することにより床面F上を掃除するように構成されている。
この自走式掃除機Aは、円盤形の筐体1を備え、この筐体1の内部および外部に、回転ブラシ2、左右一対のサイドブラシ3、集塵部4、吸引部としての電動送風機5、電動送風機5用のモータドライバ5a、左右方向の同一軸心上に設けられた左右一対の駆動輪6、左右一対の駆動輪6用の一対の走行モータ6a、一対の走行モータ6a用のモータドライバ6b、回転ブラシ2および左右一対のサイドブラシ3を回転させるブラシ用モータ7、ブラシ用モータ7のモータドライバ7a、補助輪としての後輪8、バッテリー9、後述する制御部10を含む制御回路が搭載されている制御基板10a及び各種センサ等の構成要素が設けられている。なお、筐体1は円盤形に限定されず、平面的に視て角部が丸い略三角形または略四角形等でもよい。また、サイドブラシ3は、左右どちらか一方のみであってもよい。
底板1bには左右一対の駆動輪6および垂直軸心を中心に首振り可能な後輪8が設けられている。側板1dは、前後にほぼ二分された側板前部1daと側板後部1dbとを有し、側板前部1daは衝突時の衝撃を緩和するバンパー機能を備えている。以下、「側板前部1da」を「バンパー1da」という。
各駆動輪6の回転軸は、各走行モータ6aからそれぞれ個別に回転力が得られるように連結されており、各走行モータ6aは筐体1の底板1bに直接またはサスペンション機構を介して固定されている。
また、底板1bにおける吸込口1aの左右両側には底板1bと垂直な軸心廻りに回転する前記サイドブラシ3が設けられている。
サイドブラシ3は、回転軸と、回転軸の下端に放射状に設けられた複数本のブラシ束を有している。
回転ブラシ2の回転軸および一対のサイドブラシ3の回転軸は、筐体1の底板1bの一部に枢着されると共に、その付近に設けられたブラシ用モータ7、プーリおよびベルト等を含む動力伝達機構等を介して独立的に連結されている。
バッテリー9は、充電端子を介して充電台から充電され、制御基板10a、駆動輪6用の走行モータ6a、ブラシ用モータ7、電動送風機5、各種センサ等の各要素に電力を供給する。
自走式掃除機Aの上面には操作パネル31が設けられており、操作パネル31によって掃除運転を実行させることができる。また、筐体1内に受信部を設けると共に、受信部に指令信号を発信する送信機を設けてリモコン操作できるようにしてもよい。また、スマートフォンや携帯電話などの携帯端末からインターネット回線および室内に設けたルーターを介して指令信号を自走式掃除機Aに送信して遠隔操作できるようにしてもよい。
図1、図2、図4(A)および(B)に示すように、段差検知部としての段差センサ17は、前後方向へ移動可能かつ段差と摺接可能なように筐体1の前部における障害物検知部としてのバンパー1daよりも下方位置に設けられた段差接触部17bと、段差接触部17bを前方へ付勢する付勢部材17cと、付勢部材17cの付勢力に抗して後方へ移動した段差接触部17bを検知して出力するセンサ本体17dとを備える。
一方、段差接触部17bは、段差と摺接可能なように後方へ向かうにつれて床面側へ傾斜する摺接傾斜面17ba(図2、図4(A)および(B)参照)を有している。
段差接触部17bは、例えば、筐体1の底板1bの前端に設けられた切欠き部分の板片1baが差し込まれる後方開口状の下凹部17bbと、付勢部材17cとしての圧縮コイルバネが挿入される後方開口状の上凹部17bcと、当接段部17bdとを有し、バンパー1daの裏側に設けられた筐体1の当て板1dcに当接段部17bdが当接して前方への移動が規制されるようになっている。
また、リブ1bbにおける付勢部材17cよりも上方位置には、センサ本体17dとしてのリミットスイッチが固定されており、図4(B)に示すように段差接触部17bが後方へ移動することにより、段差接触部17bの後端17beがリミットスイッチを押圧してONするようになっている。なお、センサ本体17dとしては、段差接触部17bの後端17beを検出可能な光学センサを用いてもよい。
図6は第1実施形態の自走式掃除機における障害物検知部の(A)は作動前状態を示す説明図、(B)は作動時状態を示す説明図である。また、図7は第1実施形態の自走式掃除機における段差検知部の(A)は作動前状態を示す説明図、(B)は作動時状態を示す説明図、(C)は作動後状態を示す説明図である。
なおこの際、段差センサ17の段差接触部17bの先端はバンパー1daよりも前方へ突出していないため、段差センサ17の段差接触部17bは障害物Qに衝突しない。そのため、段差センサ17は出力しない。
段差接触部17bが段差Sに衝突したときにバンパー1daが作動せず接触センサ16が出力しない場合、制御部10は左右一対の駆動輪6の前進を継続するよう制御する。それによって図7(B)および(C)に示すように、段差接触部17bはその摺接傾斜面17baを段差Sの角部に摺接させながら段差Sを乗り越え、その後、左右一対の駆動輪6および後輪8が段差Sを乗り越える。
図8は第2実施形態の自走式掃除機を示す正面図であり、図9は第2実施形態の自走式掃除機における段差検知部の左側断面図である。なお、図8および図9において、図1、図4および図7(A)~(C)中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図8および図9に示すように、第2実施形態の自走式掃除機Bは、段差センサ(段差検知部)117の構成が第1実施形態とは異なる以外は、第1実施形態と概ね同様である。以下、第2実施形態における第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
この段差センサ117は、段差Sを撮影可能な撮像部117aと、筐体1の前部における傾斜面1eと同一面内に配置された透明カバー117bとを有する。
撮像部117aとしては、例えば、CCDカメラやCMOSカメラ等の小型カメラを用いることができる。
透明カバー117bとしては、例えば、段差Sへの衝突にも耐えることができる透明ガラスまたは透明プラスチックを用いることができる。
透明カバー117bは、ケース117cの斜めに切断された開口部に嵌め込まれて固定されている。
制御部10によって、画像データと予め記憶された判定用データとが比較され、画像データが段差Sを撮影した画像データであるか否か判別される。
すなわち、制御部10は、段差センサ117が段差Sを検知する間、段差センサ117の検知開始時から所定時間未満(例えば、0.5~1秒未満)の間で接触センサ16(図5参照)が出力したときは、筐体1が前進するように左右一対の駆動輪6を制御する。つまりこの場合は、制御部10は、段差S付近にバンパー1daに接触するような障害物がないと判断(接触センサ16の出力を無効と判断)して筐体1の前進を継続させて段差Sを乗り越えるよう左右一対の駆動輪6を制御する。
また、制御部10は、段差センサ117が段差Sを検知しない間に接触センサ16が出力したときは、前進方向に障害物があると判断して回避するよう左右一対の駆動輪6を制御する。
第1実施形態では、筐体1の前部に1つの段差センサ17が設けられた自走式掃除機Aを例示したが、段差センサ17は複数設けられてもよい。例えば、図2に示す段差センサ17の左右両側にも同様の構成の段差センサを設けてもよい。
第1実施形態では、筐体1の前部に1つの段差センサ117が設けられた自走式掃除機Bを例示したが、段差センサ117は複数設けられてもよい。例えば、図8に示す段差センサ117の左右両側にも同様の構成の段差センサを設けてもよい。
本発明の自走式電子機器は、筐体と、前記筐体を支持して床面を走行する電動式の駆動輪と、前記筐体の前進方向側の前部に設けられて床面上の障害物を接触によって検知するバンパーを有する障害物検知部と、前記筐体の前記前部に設けられて床面上に***する段差を検知する段差検知部と、前記障害物検知部および前記段差検知部の出力に基づいて前記駆動輪を制御する制御部とを備える。
この構成によれば、段差検知部によって床面上に***する段差(例えば、絨毯、敷居など)を検知することができる。そのため、段差検知部によって段差を検知した時、障害物検知部が出力しない場合は自走式電子機器を前進させて段差を乗り越えさせることは無論のこと、筐体の前部が乗り越え可能な段差と衝突して障害物検知部が作動しても無効と判断し、自走式電子機器が段差乗り越えるよう前進させることが可能となる。この結果、走行性能に優れた自走式電子機器を得ることができる。
また、自走式電子機器の障害物への衝突と乗り越え可能な段差への衝突を区別することができるため、障害物検知部の検知精度を高めることが可能となる。そのため、障害物検知部の検知精度を高めることができ(バンパーの操作力を軽く設定することができ)、例えば、自走式電子機器および障害物(壁、家具、置物等)への傷付き、置物(例えば、花瓶)を倒して破損させる、蓋の開いたペットボトルまたはコップを倒して中の飲み物を床面上に溢すといった事態を抑制することができる。
この構成によれば、次のような走行制御を行うことができる。
段差検知部が出力を維持する間、段差検知部の出力開始時から所定時間未満の間で障害物検知部が出力したときは、制御部は、段差付近にバンパーに接触するような障害物がないと判断(前記障害物検知部の出力を無効と判断)して筐体が前進するように駆動輪を制御することができる。
また、段差検知部が出力を維持する間、段差検知部の出力開始時から所定時間以上の間で障害物検知部が出力したときは、制御部は、段差付近にバンパー1daに接触するような障害物があると判断(接触センサの出力を有効と判断)して筐体が後退するように駆動輪を制御することができる。
前記段差接触部は、前記バンパーよりも前方へ突出しないよう前記筐体の前記前部に設けられているものであってもよい。
この構成によれば、段差を機械的に検知する段差検知部を構成することができる。また、バンパーよりも前方へ突出しないよう筐体の前部に段差接触部を設けることにより、バンパーが障害物に衝突したとき、段差接触部が障害物に衝突して作動すること(段差の誤検知)を抑制することができる。
前記段差接触部は、段差と摺接可能なように後方へ向かうにつれて床面側へ傾斜する摺接傾斜面を有しており、前記段差接触部が前方へ移動したときに前記摺接傾斜面が前記傾斜面よりも前方位置となり、かつ、前記段差接触部が後方へ移動したときに前記摺接傾斜面が前記傾斜面と同一面内に配置されるように構成されたものであってもよい。
この構成によれば、自走式電子機器が段差をスムーズに乗り越えることができる。
この構成によれば、段差を光学的に検知する段差検知部を構成することができる。
前記段差検知部は、前記傾斜面と同一面内に配置された透明カバーをさらに有するものであってもよい。
この構成によれば、自走式電子機器が段差をスムーズに乗り越えることができる。
この構成によれば、掃除性能を備えた自走式電子機器を得ることができる。
1da バンパー(障害物検知部)
1e 傾斜面
6 駆動輪
10 制御部
16 接触センサ(障害物検知部)
17、117 段差検知部
17b 段差接触部
17c 付勢部材
17d センサ本体
117a 撮像部
117b 透明カバー
17ba 摺接傾斜面
A、B 自走式掃除機(自走式電子機器)
F 床面
Q 障害物
S 段差
Claims (7)
- 筐体と、前記筐体を支持して床面を走行する電動式の駆動輪と、前記筐体の前進方向側の前部に設けられて床面上の障害物を接触によって検知するバンパーを有する障害物検知部と、前記筐体の前記前部に設けられて床面上に***する段差を検知する段差検知部と、前記障害物検知部および前記段差検知部の出力に基づいて前記駆動輪を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記段差検知部が出力を維持する間、前記段差検知部の出力開始時から所定時間未満の間で前記障害物検知部が出力したときは前記筐体が前進するように前記駆動輪を制御し、前記段差検知部の出力開始時から所定時間以上の間で前記障害物検知部が出力したときは前記筐体が後退するように前記駆動輪を制御することを特徴とする自走式電子機器。 - 前記段差検知部は、前後方向へ移動可能かつ段差と摺接可能なように前記筐体の前記前部における前記障害物検知部よりも下方位置に設けられた段差接触部と、前記段差接触部を前方へ付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して後方へ移動した前記段差接触部を検知して出力するセンサ本体とを備え、
前記段差接触部は、前記バンパーよりも前方へ突出しないよう前記筐体の前記前部に設けられている請求項1に記載の自走式電子機器。 - 前記段差検知部は、段差を撮影可能な撮像部を有する請求項1に記載の自走式電子機器。
- 前記筐体は、前記前部における前記障害物検知部よりも下方位置に後方へ向かうにつれて床面側へ傾斜する傾斜面を有しており、
前記段差接触部は、段差と摺接可能なように後方へ向かうにつれて床面側へ傾斜する摺接傾斜面を有しており、前記段差接触部が前方へ移動したときに前記摺接傾斜面が前記傾斜面よりも前方位置となり、かつ、前記段差接触部が後方へ移動したときに前記摺接傾斜面が前記傾斜面と同一面内に配置されるように構成された請求項2に記載の自走式電子機器。 - 前記筐体は、前記前部における前記障害物検知部よりも下方位置に後方へ向かうにつれて床面側へ傾斜する傾斜面を有しており、
前記段差検知部は、前記傾斜面と同一面内に配置された透明カバーをさらに有する請求項3に記載の自走式電子機器。 - 前記段差検知部が、前記筐体の前記前部に複数設けられている請求項1~5のいずれか1つに記載の自走式電子機器。
- 前記筐体に搭載されて床面の塵埃を吸引する電動式の掃除機器をさらに備えた請求項1~6のいずれか1つに記載の自走式電子機器。
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