JP7382315B2 - 変異型ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素、その遺伝子および形質転換体、並びに、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法 - Google Patents

変異型ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素、その遺伝子および形質転換体、並びに、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変異型ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素、該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を有する形質転換体、及び該形質転換体を用いたポリヒドロキシアルカン酸の製造方法に関する。
ポリヒドロキシアルカン酸(Polyhydroxyalkanoate;以下、「PHA」と略す)は、多くの微生物種の細胞内にエネルギー貯蔵物質として生産、蓄積される熱可塑性ポリエステルである。微生物によって様々な天然の炭素源から生産されるPHAは、土中や水中の微生物により完全に生分解される環境調和型のプラスチックである。
PHAとして、3-ヒドロキシ酪酸(3-hydroxybutyrate;以下、「3HB」と略す)のホモポリマーであるポリヒドロキシブチレート(Poly-3-hydroxybutyrate;以下、「PHB」と略す)が知られているが、PHBは高結晶性であり、結晶化度が高いため硬くて脆く、また、溶融加工性が低いという問題点を有している。
PHBの脆性や溶融加工性が改善されたPHAとしては、3HBと3-ヒドロキシヘキサン酸(3-hydroxyhexanoate;以下、「3HH」と略す)の共重合ポリエステルPoly(3HB-co-3HH)(以下、「PHBH」と略す)が報告されている。PHBHは、3HHをモノマーユニットとして有することで、PHBと比べて結晶化度が低くなり、しやなかで柔らかい物性を有する共重合体である。
PHBHの製造方法としては、土壌細菌カプリアビダス ネカトール(Cupriavidus necator)を宿主としてアエロモナス キャビエ(Aeromonas caviae)由来のPHA合成酵素を導入した形質転換体を用いた発酵生産によるものが報告されているが、PHBHの柔軟性を高めるため、PHBHにおける3HH比率を高める検討が行なわれている。
非特許文献1及び2では、PHBHにおける3HH比率を高めるために、PHA合成酵素に変異を導入する方法が検討されている。具体的には、非特許文献1では、A.caviae由来のPHA合成酵素に対し、149番目のアスパラギンのセリンへの置換、又は、171番目のアスパラギン酸のグリシンへの置換という変異を導入することによって、PHA合成酵素の活性と3HH-CoAに対する基質特異性が向上して、最大18モル%の3HH比率を有するPHBHを製造できることが報告されている。
さらに非特許文献2では、この二つの変異を重複させたPHA合成酵素(以下、「NSDG」と略す)によって、さらに3HH比率の高いPHBHを生産できることが報告されている。
T.Kichise,S.Taguchi,Y.Doi,Appl.Environ.Microbiol.,68,pp.2411-2419(2002) T.Tsuge,S.Watanabe,D.Shimada,H.Abe,Y.Doi,S.Taguchi,FEMS Microbiol.Lett.,277,pp.217-222(2007)
現在、形質転換体の培養によって生産できるPHA共重合体の3HH比率は限定的である。このため、3HH比率がより高いPHA共重合体を製造できるPHA合成酵素ライブラリーの構築が望まれている。
そこで、本発明は、PHAの生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHA共重合体の製造を実現する変異型PHA合成酵素、該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を有する形質転換体、及び、該形質転換体を用いたPHAの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、配列番号1で示されるアミノ酸配列から構成されるAeromonas caviae由来のPHA合成酵素PhaCAcにおいて、N末端から27番目から33番目のアミノ酸、39番目、56番目、106番目、129番目、144番目、165番目、及び170番目のアミノ酸、並びに、172番目から187番目のアミノ酸のうち少なくとも1つのアミノ酸に対し変異を導入することによって、PHAの生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHA共重合体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、配列番号1で示されるアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を示し、かつ、下記(A)~(C)のいずれか1以上の変異を含むアミノ酸配列を有する、変異型ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素に関する。
変異(A):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から27番目から33番目のアミノ酸のうち、少なくとも1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された変異
変異(B):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から39番目、56番目、106番目、129番目、144番目、165番目、及び170番目のアミノ酸のうち、少なくとも1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された変異
変異(C):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から172番目から187番目のアミノ酸のうち、少なくとも1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された変異。
好ましくは、前記(A)~(C)のいずれか1以上の変異が、下記(a)~(q)のいずれか1以上の変異である。
変異(a):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から27番目のグルタミンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(b):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から29番目のグルタミン酸が、他のアミノ酸に置換された変異
変異(c):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から30番目のアルギニンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(d):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から31番目のトレオニンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(e):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から33番目のグルタミンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(f):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から39番目のアスパラギンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(g):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から56番目のグルタミンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(h):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から106番目のプロリンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(i):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から129番目のロイシンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(j):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から144番目のトレオニンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(k):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から165番目のリシンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(l):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から170番目のセリンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(m):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から176番目のバリンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(n):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から179番目のロイシンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(o):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から180番目のアラニンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(p):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から181番目のロイシンが、他のアミノ酸に置換された変異
変異(q):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から187番目のグルタミン酸が、他のアミノ酸に置換された変異。
以下、具体的な実施形態を例示する。変異(a)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から27番目のグルタミンがセリンに置換された変異である。変異(b)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から29番目のグルタミン酸がアスパラギン又はセリンに置換された変異である。変異(c)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から30番目のアルギニンがグリシン又はプロリンに置換された変異である。変異(d)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から31番目のトレオニンがプロリンに置換された変異である。変異(e)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から33番目のグルタミンがイソロイシン、ロイシン、又はバリンに置換された変異である。変異(f)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から39番目のアスパラギンがアラニン、システイン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン、又はトリプトファンに置換された変異である。変異(g)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から56番目のグルタミンがプロリンに置換された変異である。変異(h)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から106番目のプロリンがアラニンに置換された変異である。変異(i)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から129番目のロイシンがグルタミンに置換された変異である。変異(j)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から144番目のトレオニンがロイシンに置換された変異である。変異(k)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から165番目のリシンがバリンに置換された変異である。変異(l)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から170番目のセリンがグルタミンに置換された変異である。変異(m)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から176番目のバリンがトリプトファンに置換された変異である。変異(n)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から179番目のロイシンがアルギニン又はグルタミンに置換された変異である。変異(o)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から180番目のアラニンがグリシン、リシン又はアルギニンに置換された変異である。変異(p)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から181番目のロイシンがチロシンに置換された変異である。変異(q)が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から187番目のグルタミン酸がバリンに置換された変異である
ある実施形態では、前記変異を含むアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から149番目のアスパラギンがセリンに置換された変異をさらに含んでもよい。別の実施形態では、前記変異を含むアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から171番目のアスパラギン酸がグリシンに置換された変異をさらに含んでもよい。さらに別の実施形態では、前記変異を含むアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から389番目のセリンがシステイン、イソロイシン、トレオニン、又はバリンに置換された変異をさらに含んでもよい。
また本発明は、前記変異型ポリヒドロキシアルカン合成酵素をコードする遺伝子に関する。さらに、該遺伝子を有する形質転換体にも関する。該形質転換体の宿主が真正細菌であってもよい。該真正細菌がカプリアビダス属に属する細菌であってもよく、カプリアビダス ネカトールであってもよく、カプリアビダス ネカトールH16であってもよい。
さらに本発明は、前記記載の形質転換体を培養する工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法にも関する。前記ポリヒドロキシアルカン酸が、3-ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含有することが好ましく、3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸との共重合体であることがより好ましい。
本発明によれば、PHAの生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHA共重合体の製造を実現する変異型PHA合成酵素、該酵素をコードする遺伝子、及び該遺伝子を有する形質転換体を提供することができる。また、該形質転換体を培養することにより、PHAの生産性を低下させることなく、3HH比率が高いPHA共重合体を発酵生産することが可能となる。
以下に本発明を詳細に説明する。
(変異型PHA合成酵素)
本発明に係る変異型PHA合成酵素は、配列番号1で示されるアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を示し、かつ、下記(A)~(C)のいずれか1以上の変異を含むアミノ酸配列を有するものである。また、本発明は、該変異型PHA合成酵素をコードする遺伝子(以下、「変異型PHA合成酵素遺伝子」と略す)も提供する。
本発明の変異型PHA合成酵素は、PHA合成活性を有する酵素であって、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対し85%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。配列番号1で示されるアミノ酸配列は、Aeromonas caviae由来のPHA合成酵素PhaCAcのアミノ酸配列である。本発明の変異型PHA合成酵素は、上記配列同一性を満足する範囲において、下記(A)~(C)の変異以外の変異を有するものであってよい。
本発明の変異型PHA合成酵素は、異なる機能を有する異種タンパク質と結合して融合タンパク質を形成したものであってもよい。この場合、異種タンパク質のアミノ酸配列は、上記配列同一性を算出する際に考慮しない。
本発明の変異型PHA合成酵素において、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対する配列同一性は、85%以上であればよいが、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、よりさらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上である。
本発明の変異型PHA合成酵素遺伝子の塩基配列は、本発明の変異型PHA合成酵素を構成するアミノ酸配列をコードする塩基配列である限り特に限定されない。
本発明の変異型PHA合成酵素および変異型PHA合成酵素遺伝子の由来については、特に限定されないが、Aeromonas属由来であることが好ましく、Aeromonas caviae由来であることがより好ましい。
次に、本発明の変異型PHA合成酵素が含む変異(A)~(C)について説明する。本発明の変異型PHA合成酵素は、変異(A)~(C)のうちいずれか1つを含むものであってもよいし、これら変異を2つ以上含むものであっても良い。
変異(A):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から27番目から33番目のアミノ酸のうち、少なくとも1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換される。置換されるアミノ酸は、配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から27番目、28番目、29番目、30番目、31番目、32番目、又は33番目のアミノ酸のいずれであってもよい。好ましくは、27番目、29番目、30番目、31番目、又は33番目のアミノ酸のいずれかである。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。
変異(B):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から39番目、56番目、106番目、129番目、144番目、165番目、及び170番目のアミノ酸のうち、少なくとも1つ以上のアミノ酸が、他のアミノ酸に置換される。なかでも、39番目のアミノ酸が最も好ましい。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。
変異(C):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から172番目から187番目のアミノ酸配列のうち、少なくとも1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換される。置換されるアミノ酸は、配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から172番目、173番目、174番目、175番目、176番目、177番目、178番目、179番目、180番目、181番目、182番目、183番目、184番目、185番目、186番目、又は187番目のアミノ酸のいずれかである。好ましくは、176番目から187番目のアミノ酸のいずれかであり、より好ましくは、176番目、179番目、180番目、181番目、又は187番目のアミノ酸のいずれかである。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。
また、本発明の一実施形態に係る変異型PHA合成酵素は、配列番号1で示されるアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を示し、かつ、下記(a)~(q)のいずれか1以上の変異を含むアミノ酸配列を有するものである。
次に、本発明の変異型PHA合成酵素が含む変異(a)~(q)について説明する。本発明の変異型PHA合成酵素は、変異(a)~(q)のうちいずれか1つを含むものであってもよいし、これら変異を2つ以上含むものであってもよい。
変異(a):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から27番目のグルタミンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、27番目のグルタミンが、グルタミン以外の非極性アミノ酸(例えばアスパラギン、セリン、又はトレオニン)に置換された変異が好ましく、セリンに置換された変異がより好ましい。
変異(b):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から29番目のグルタミン酸が、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、29番目のグルタミン酸が、非極性アミノ酸(例えばアスパラギン、セリン、トレオニン又はグルタミン)に置換された変異が好ましく、アスパラギン又はセリンに置換された変異がより好ましい。
変異(c):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から30番目のアルギニンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、30番目のアルギニンが、αヘリックスを構成しにくいアミノ酸(例えばグリシン、プロリン、セリン、又はチロシン)に置換された変異が好ましく、グリシン又はプロリンに置換された変異がより好ましい。
変異(d):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から31番目のトレオニンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、31番目のトレオニンが、αヘリックスを構成しにくいアミノ酸(例えばグリシン、プロリン、セリン、又はチロシン)に置換された変異が好ましく、グリシン又はプロリンに置換された変異がより好ましく、プロリンに置換された変異がさらに好ましい。
変異(e):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から33番目のグルタミンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、33番目のグルタミンが、疎水性アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異が好ましく、側鎖の大きさの観点から、疎水性の脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン又はバリン)に置換された変異がより好ましく、イソロイシン、ロイシン又はバリンに置換された変異がさらに好ましい。
変異(f):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から39番目のアスパラギンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、39番目のアスパラギンが、アラニン、システイン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン又はトリプトファンに置換された変異が好ましい。
変異(g):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から56番目のグルタミンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、56番目のグルタミンが、αヘリックスを構成しにくいアミノ酸(例えばグリシン、プロリン、セリン、又はチロシン)に置換された変異が好ましく、グリシン又はプロリンに置換された変異がより好ましく、プロリンに置換された変異がさらに好ましい。
変異(h):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から106番目のプロリンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、106番目のプロリンが、疎水性アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異が好ましく、側鎖の大きさの観点から疎水性の脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン又はバリン)に置換された変異がより好ましく、アラニンに置換された変異がさらに好ましい。
変異(i):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から129番目のロイシンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、129番目のロイシンが、非極性アミノ酸(例えばアスパラギン、セリン、トレオニン又はグルタミン)に置換された変異が好ましく、グルタミンに置換された変異がより好ましい。
変異(j):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から144番目のトレオニンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、144番目のトレオニンが、疎水性アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異が好ましく、側鎖の大きさの観点から疎水性の脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン又はバリン)に置換された変異がより好ましく、ロイシンに置換された変異がさらに好ましい。
変異(k):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から165番目のリシンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、165番目のリシンが、疎水性アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異が好ましく、側鎖の大きさの観点から疎水性の脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン又はバリン)に置換された変異がより好ましく、バリンに置換された変異がさらに好ましい。
変異(l):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から170番目のセリンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、170番目のセリンが、セリン以外の非極性アミノ酸(例えばアスパラギン、トレオニン又はグルタミン)に置換された変異が好ましく、グルタミンに置換された変異がより好ましい。
変異(m):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から176番目のバリンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、176番目のバリンが、バリン以外の疎水性アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異が好ましく、疎水性の芳香族アミノ酸(例えばフェニルアラニン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異がより好ましく、トリプトファンに置換された変異がさらに好ましい。
変異(n):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から179番目のロイシンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、179番目のロイシンが、非極性アミノ酸(例えばアスパラギン、グルタミン、セリン又はトレオニン)又は塩基性アミノ酸(例えばヒスチジン、リシン、又はアルギニン)に置換された変異が好ましく、グルタミン又はアルギニンに置換された変異がより好ましい。
変異(o):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から180番目のアラニンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、180番目のアラニンが、αヘリックスを構成しにくいアミノ酸(例えばグリシン、プロリン、セリン、又はチロシン)、又は塩基性アミノ酸(例えばヒスチジン、リシン、又はアルギニン)に置換された変異が好ましく、グリシン、リシン又はアルギニンに置換された変異がより好ましい。
変異(p):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から181番目のロイシンが、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、181番目のロイシンが、ロイシン以外の疎水性アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異が好ましく、疎水性の芳香族アミノ酸(例えばフェニルアラニン、トリプトファン、又はチロシン)に置換された変異がより好ましく、チロシンに置換された変異がより好ましい。
変異(q):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から187番目のグルタミン酸が、他のアミノ酸に置換される。置換後のアミノ酸は、PHA生産性及び、生産されるPHAの3HH比率を考慮して選択することができる。PHA生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを生産するには、187番目のグルタミン酸が、疎水性アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、トリプトファン又はチロシン)に置換された変異が好ましく、側鎖の大きさの観点から疎水性の脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン又はバリン)に置換された変異がより好ましく、バリンに置換された変異がさらに好ましい。
本発明の変異型PHA合成酵素のアミノ酸配列は、PHAの3HH比率をより高めるため、以上で説明した変異に加えて、配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から149番目のアスパラギンがセリンに置換された変異をさらに含むこと、及び/又は、配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から171番目のアスパラギン酸がグリシンに置換された変異をさらに含むことが好ましい。
また、本発明の変異型PHA合成酵素のアミノ酸配列は、PHAの3HH比率をより高めるため、以上で説明した変異に加えて、配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から389番目のセリンがシステイン、イソロイシン、トレオニン、又はバリンに置換された変異をさらに含むことが好ましい。
(3HH単位含有共重合PHAを生産する形質転換体)
本発明の形質転換体は、本発明の変異型PHA合成酵素をコードする遺伝子を有する形質転換体であり、該遺伝子を宿主の微生物に導入することにより製造される。
本発明の形質転換体の宿主としては特に限定はなく、真菌(カビ、きのこ、酵母など)、真正細菌(バクテリア)、古細菌など任意の微生物を利用できるが、真正細菌が好ましい。当該真正細菌としては、例えば、ラルストニア(Ralstonia)属、カプリアビダス(Cupriavidus)属、ワウテルシア(Wautersia)属、アエロモナス(Aeromonas)属、エシェリキア(Escherichia)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、シュードモナス(Pseudomonas)属等に属する細菌が好ましい例として挙げられる。安全性及び生産性の観点から、より好ましくはラルストニア属、カプリアビダス属、アエロモナス属、又は、ワウテルシア属に属する細菌であり、さらに好ましくはカプリアビダス属又はアエロモナス属に属する細菌であり、さらにより好ましくはカプリアビダス属に属する細菌であり、特に好ましくはカプリアビダス ネカトールであり、最も好ましくはカプリアビダス ネカトールH16株である。
本発明の形質転換体を製造するにあたって、本発明の変異型PHA合成酵素遺伝子を宿主の微生物に導入する方法としては、任意の方法を利用することができる。一例として、公知の遺伝子組換え技術を用いて、本発明の変異型PHA合成酵素遺伝子を、宿主となる微生物が保有する染色体、プラスミド、メガプラスミドなどのDNA上に導入してもよいし、また、該遺伝子を導入したプラスミドベクター又は人工染色体を宿主の微生物に導入してもよい。しかし、導入された遺伝子の保持という観点から、微生物が保有する染色体あるいはメガプラスミド上に該遺伝子を導入する方法が好ましく、微生物が保有する染色体上に該遺伝子を導入する方法がより好ましい。
微生物が保有するDNA上に任意の塩基配列を部位特異的に置換又は挿入する方法、又は、微生物が保有するDNA中の任意の塩基配列を欠失させる方法は当業者に広く知られており、本発明の形質転換体を製造する際に使用できる。特に限定されないが、代表的な方法としては、トランスポゾンと相同組換えの機構を利用した方法(Ohman等,J.Bacteriol.,vol.162:p.1068(1985))、相同組換えの機構によって起こる部位特異的な組み込みと第二段階の相同組換えによる脱落を原理とした方法(Noti等,Methods Enzymol.,vol.154,p.197(1987))、Bacillus subtilis由来のsacB遺伝子を共存させて、第二段階の相同組換えによって遺伝子が脱落した微生物株をシュークロース添加培地耐性株として容易に単離する方法(Schweizer,Mol.Microbiol.,vol.6,p.1195(1992);Lenz等,J.Bacteriol.,vol.176,p.4385(1994))等が挙げられる。また、微生物へのベクターの導入方法としても特に限定されないが、例えば、塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール法、スフェロプラスト法等が挙げられる。
なお、遺伝子クローニングや遺伝子組み換え技術については、Sambrook,J. et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989又は2001)などに記載される技術を利用することができる。
本発明の変異型PHA合成酵素遺伝子を導入するにあたっては、該遺伝子を任意の発現調節配列に連結することができる。本明細書において、発現調節配列は、プロモーターとシャイン・ダルガノ配列から構成される配列として記載する。このような発現調節配列としては、例えばカプリアビダス ネカトールのphaC1遺伝子の発現調節配列(配列番号2)やphaP1遺伝子の発現調節配列(配列番号3)が使用できる。又は、大腸菌に由来するlacプロモーター(配列番号4)やtrpプロモーター(配列番号5)、あるいは人工的に作製されたlacUV5プロモーター(配列番号6)、trcプロモーター(配列番号7)、ticプロモーター(配列番号8)、tacプロモーター(配列番号9)、lacN17プロモーター(配列番号10)等を、カプリアヴィダス ネカトールH16株由来のSD配列(配列番号11)と連結し、発現調節配列として使用することもできる。
(PHAの製造方法)
本発明の形質転換体を培養することで、該形質転換体にPHAを生産させ、得られたPHAを回収することでPHAを製造することができる。
本発明によるPHAの生産においては、炭素源、炭素源以外の栄養源である窒素源、無機塩類、そのほかの有機栄養源を含む培地において、前記形質転換体を培養することが好ましい。
炭素源としては、本発明の形質転換体が資化可能な、油脂および/又は脂肪酸などを含む炭素源であれば特に限定されず、どのような炭素源でも使用可能である。具体的には、パーム油、パーム核油、コーン油、やし油、オリーブ油、大豆油、菜種油、ヤトロファ油などの油脂やその分画油類;ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリンスチン酸などの脂肪酸やそれらの誘導体等が挙げられる。
窒素源としては、例えば、アンモニア;塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩;ペプトン、肉エキス、酵母エキス等が挙げられる。
無機塩類としては、例えば、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。
そのほかの有機栄養源としては、例えば、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、プロリン等のアミノ酸;ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンC等のビタミン等が挙げられる。
本発明の形質転換体を培養する際の、培養温度、培養時間、培養時pH、培地等の条件は、宿主の微生物、例えばラルストニア属、カプリアビダス属、ワウテルシア属、アエロモナス属、エシェリキア属、アルカリゲネス属、シュードモナス属等の微生物の培養で通常使用されるような条件であってよく、特に限定されない。
本発明において生産されるPHAの種類としては、3HHをモノマーユニットとして含有するPHA共重合体であれば特に限定されない。なかでも、炭素数4~16の2-ヒドロキシアルカン酸、3-ヒドロキシアルカン酸(3HHを除く)および4-ヒドロキシアルカン酸から選択される1種以上のモノマーと3HHとを重合して得られるPHA共重合体が好ましく、3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸との共重合体であるP(3HB-co-3HH)が最も好ましい。なお、生産されるPHAの種類は、使用する微生物の保有する又は別途導入されたPHA合成酵素遺伝子の種類や、PHA合成に関与する代謝系の遺伝子の種類、培養に使用する炭素源、その他の培養条件などによって適宜選択しうる。
本発明において、形質転換体を培養した後、菌体からのPHAの回収は、特に限定されず、公知の方法によって実施することができる。一例として、次のような方法によってPHAを回収することができる。培養終了後、培養液から遠心分離機等で菌体を分離し、その菌体を蒸留水、メタノール等により洗浄し、乾燥させる。この乾燥菌体から、クロロホルム等の有機溶剤を用いてPHAを抽出する。このPHAを含んだ有機溶剤溶液から、濾過等によって菌体成分を除去し、そのろ液にメタノールやヘキサン等の貧溶媒を加えてPHAを沈殿させる。さらに、濾過や遠心分離によって上澄み液を除去し、乾燥させてPHAを回収する。
得られたPHAに含まれる3HH単位等のモノマー単位組成(mol%)の分析は、例えば、ガスクロマトグラフ法や核磁気共鳴法等により実施することができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下で説明する遺伝子操作は、Molecular Cloning(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))の記載を参照して実施することができる。また、遺伝子操作に使用する酵素、クローニング宿主等は、市場の供給者から購入し、その説明に従い使用することができる。なお、前記酵素としては、遺伝子操作に使用できるものであれば特に限定されない。
(製造例1)H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6株の作製
まず、phaC1遺伝子破壊用プラスミドを作製した。合成オリゴDNAを用いたPCRにより、phaC1遺伝子より上流および下流の塩基配列を有するDNA断片(配列番号12)を得た。得られたDNA断片を制限酵素SwaIで消化した。このDNA断片を、同じくSwaIで消化した特開2007-259708号公報に記載のベクターpNS2X-sacBと連結し、phaC1より上流および下流の塩基配列を有する遺伝子破壊用プラスミドベクターpNS2X-sacB-phaC1ULを作製した。
次に、pNS2X-sacB-phaC1ULを用いてΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6株を作製した。pNS2X-sacB-phaC1ULを大腸菌S17-1株(ATCC47055)に導入した。得られた形質転換体を、KNK005 trc-phaJ4b ΔphaZ1,2,6株(国際公開第2015/115619号参照)とNutrient Agar培地(Difco社製)上で混合培養して接合伝達を行った。
得られた培養液を、250mg/Lのカナマイシンを含むシモンズ寒天培地(クエン酸ナトリウム2g/L、塩化ナトリウム5g/L、硫酸マグネシウム・7水塩0.2g/L、りん酸二水素アンモニウム1g/L、りん酸水素二カリウム1g/L、寒天15g/L、pH6.8)に播種し、pNS2X-sacB-phaC1ULがKNK005 trc-phaJ4b ΔphaZ1,2,6株の染色体上に組み込まれた株を取得した。この株をNutrient Broth培地(Difco社製)で2世代培養した後、15%のショ糖を含むNutrient Agar培地上に希釈して塗布し、プラスミドが脱落した株を取得した。得られた形質転換体から、PCRおよびDNAシーケンサーによる解析により染色体上のphaC1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失した菌株1株を単離した。この遺伝子破壊株をH16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6株と命名した。
得られたH16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6株は、カプリアビダス ネカトールH16株の染色体上のphaZ1遺伝子及びphaZ6遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上のR体特異的エノイル-CoAヒドラターゼ遺伝子の発現が強化され、さらにphaC1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失した菌株である。
(製造例2)pCUP2-Ptrp-NSDGの作製
合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号13で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。取得したDNA断片を、特開2007-259708号公報記載のpCUP2ベクターをMunIとSpeIで消化したDNA断片と、In-fusion HD Cloning Kit(タカラバイオ)にて連結し、pCUP2-Ptrp-NSDGを得た。 pCUP2-Ptrp-NSDGは、trpプロモーター下でNSDGを発現するプラスミドである。
NSDGとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列からなる変異型PHA合成酵素であって、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から149番目のアスパラギンのセリンへの置換、及び、171番目のアスパラギン酸のグリシンへの置換という2種類の変異が導入された変異型PHA合成酵素である。
(製造例3)pCUP2-Ptrp-NSDG-Q27Sの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号15で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-Q27Sを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-Q27Sは、trpプロモーター下でNSDG-Q27Sを発現するプラスミドである。
NSDG-Q27Sとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から27番目のグルタミンがセリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例4)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29Nの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号16で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29Nを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29Nは、trpプロモーター下でNSDG-E29Nを発現するプラスミドである。
NSDG-E29Nとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例5)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29Sの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号17で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29Sを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29Sは、trpプロモーター下でNSDG-E29Sを発現するプラスミドである。
NSDG-E29Sとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がセリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例6)pCUP2-Ptrp-NSDG-R30Gの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号18で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-R30Gを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-R30Gは、trpプロモーター下でNSDG-R30Gを発現するプラスミドである。
NSDG-R30Gとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から30番目のアルギニンがグリシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例7)pCUP2-Ptrp-NSDG-R30Pの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号19で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-R30Pを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-R30Pは、trpプロモーター下でNSDG-R30Pを発現するプラスミドである。
NSDG-R30Pとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から30番目のアルギニンがプロリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例8)pCUP2-Ptrp-NSDG-T31Pの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号20で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-T31Pを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-T31Pは、trpプロモーター下でNSDG-T31Pを発現するプラスミドである。
NSDG-T31Pとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から31番目のトレオニンがプロリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例9)pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Iの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号21で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Iを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Iは、trpプロモーター下でNSDG-Q33Iを発現するプラスミドである。
NSDG-Q33Iとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から33番目のグルタミンがイソロイシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例10)pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Lの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号22で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Lを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Lは、trpプロモーター下でNSDG-Q33Lを発現するプラスミドである。
NSDG-Q33Lとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から33番目のグルタミンがロイシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例11)pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Vの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号23で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Vを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33Vは、trpプロモーター下でNSDG-Q33Vを発現するプラスミドである。
NSDG-Q33Vとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から33番目のグルタミンがバリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例12)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Aの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号24で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Aを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Aは、trpプロモーター下でNSDG-N39Aを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Aとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがアラニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例13)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Cの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号25で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Cを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Cは、trpプロモーター下でNSDG-N39Cを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Cとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがシステインに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例14)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Fの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号26で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Fを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Fは、trpプロモーター下でNSDG-N39Fを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Fとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがフェニルアラニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例15)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Hの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号27で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Hを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Hは、trpプロモーター下でNSDG-N39Hを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Hとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがヒスチジンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例16)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Iの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号28で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Iを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Iは、trpプロモーター下でNSDG-N39Iを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Iとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがイソロイシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例17)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Mの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号29で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Mを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Mは、trpプロモーター下でNSDG-N39Mを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Mとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがメチオニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例18)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Qの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号30で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Qを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Qは、trpプロモーター下でNSDG-N39Qを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Qとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがグルタミンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例19)pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Wの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号31で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Wを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Wは、trpプロモーター下でNSDG-N39Wを発現するプラスミドである。
NSDG-N39Wとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から39番目のアスパラギンがトリプトファンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例20)pCUP2-Ptrp-NSDG-Q56Pの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号32で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-Q56Pを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-Q56Pは、trpプロモーター下でNSDG-Q56Pを発現するプラスミドである。
NSDG-Q56Pとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から56番目のグルタミンがプロリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例21)pCUP2-Ptrp-NSDG-P106Aの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号33で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-P106Aを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-P106Aは、trpプロモーター下でNSDG-P106Aを発現するプラスミドである。
NSDG-P106Aとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から106番目のプロリンがアラニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例22)pCUP2-Ptrp-NSDG-L129Qの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号34で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-L129Qを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-L129Qは、trpプロモーター下でNSDG-L129Qを発現するプラスミドである。
NSDG-L129Qとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から129番目のロイシンがグルタミンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例23)pCUP2-Ptrp-NSDG-T144Lの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号35で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-T144Lを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-T144Lは、trpプロモーター下でNSDG-T144Lを発現するプラスミドである。
NSDG-T144Lとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から144番目のトレオニンがロイシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例24)pCUP2-Ptrp-NSDG-K165Vの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号36で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-K165Vを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-K165Vは、trpプロモーター下でNSDG-K165Vを発現するプラスミドである。
NSDG-K165Vとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から165番目のリシンがバリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例25)pCUP2-Ptrp-NSDG-S170Qの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号37で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-S170Qを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-S170Qは、trpプロモーター下でNSDG-S170Qを発現するプラスミドである。
NSDG-S170Qとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から170番目のセリンがグルタミンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例26)pCUP2-Ptrp-NSDG-V176Wの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号38で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-V176Wを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-V176Wは、trpプロモーター下でNSDG-V176Wを発現するプラスミドである。
NSDG-V176Wとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から176番目のバリンがトリプトファンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例27)pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Qの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号39で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Qを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Qは、trpプロモーター下でNSDG-L179Qを発現するプラスミドである。
NSDG-L179Qとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から179番目のロイシンがグルタミンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例28)pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Rの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号40で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Rを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Rは、trpプロモーター下でNSDG-L179Rを発現するプラスミドである。
NSDG-L179Rとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から179番目のロイシンがアルギニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例29)pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Gの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号41で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Gを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Gは、trpプロモーター下でNSDG-A180Gを発現するプラスミドである。
NSDG-A180Gとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から180番目のアラニンがグリシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例30)pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Kの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号42で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Kを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Kは、trpプロモーター下でNSDG-A180Kを発現するプラスミドである。
NSDG-A180Kとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から180番目のアラニンがリシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例31)pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Rの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号43で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Rを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-A180Rは、trpプロモーター下でNSDG-A180Rを発現するプラスミドである。
NSDG-A180Rとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から180番目のアラニンがアルギニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例32)pCUP2-Ptrp-NSDG-L181Yの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号44で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-L181Yを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-L181Yは、trpプロモーター下でNSDG-L181Yを発現するプラスミドである。
NSDG-L181Yとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から181番目のロイシンがチロシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例33)pCUP2-Ptrp-NSDG-E187Vの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号45で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E187Vを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E187Vは、trpプロモーター下でNSDG-E187Vを発現するプラスミドである。
NSDG-E187Vとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から187番目のアスパラギン酸がバリンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例34)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180Kの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号46で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180Kを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180Kは、trpプロモーター下でNSDG-E29N-A180Kを発現するプラスミドである。
NSDG-E29N-A180Kとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換され、180番目のアラニンがリシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例35)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180Rの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号47で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180Rを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180Rは、trpプロモーター下でNSDG-E29N-A180Rを発現するプラスミドである。
NSDG-E29N-A180Rとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換され、180番目のアラニンがアルギニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例36)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180Kの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号48で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180Kを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180Kは、trpプロモーター下でNSDG-E29S-A180Kを発現するプラスミドである。
NSDG-E29S-A180Kとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がセリンに置換され、180番目のアラニンがリシンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例37)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180Rの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号49で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180Rを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180Rは、trpプロモーター下でNSDG-E29S-A180Rを発現するプラスミドである。
NSDG-E29S-A180Rとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がセリンに置換され、180番目のアラニンがアルギニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例38)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180K-S389Tの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号50で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180K-S389Tを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180K-S389Tは、trpプロモーター下でNSDG-E29N-A180K-S389Tを発現するプラスミドである。
NSDG-E29N-A180K-S389Tとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換され、180番目のアラニンがリシンに置換され、389番目のセリンがトレオニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例39)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180R-S389Tの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号51で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180R-S389Tを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180R-S389Tは、trpプロモーター下でNSDG-E29N-A180R-S389Tを発現するプラスミドである。
NSDG-E29N-A180R-S389Tとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換され、180番目のアラニンがアルギニンに置換され、389番目のセリンがトレオニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例40)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180K-S389Tの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号52で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180K-S389Tを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180K-S389Tは、trpプロモーター下でNSDG-E29S-A180K-S389Tを発現するプラスミドである。
NSDG-E29S-A180K-S389Tとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がセリンに置換され、180番目のアラニンがリシンに置換され、389番目のセリンがトレオニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例41)pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180R-S389Tの作製
製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGを鋳型とし、合成オリゴDNA等を用いたPCRにより、配列番号53で示される塩基配列を有するDNA断片を増幅した。これを製造例2と同様の方法でpCUP2ベクターにクローニングし、pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180R-S389Tを得た。pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180R-S389Tは、trpプロモーター下でNSDG-E29S-A180R-S389Tを発現するプラスミドである。
NSDG-E29S-A180R-S389Tとは、配列番号14で示されるアミノ酸配列に対し、N末端から29番目のアスパラギン酸がセリンに置換され、180番目のアラニンがアルギニンに置換され、389番目のセリンがトレオニンに置換された変異型PHA合成酵素である。
(製造例42)H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6に対する各プラスミドの導入
まず、製造例1で作製したH16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6株をNutrient Broth培地(DIFCO)で一晩培養した。得られた培養液0.5mLをNutrient Broth培地100mLに接種し、30℃で3時間培養した。得られた培養液を氷上で速やかに冷却し、菌体を回収して氷冷した蒸留水で良く洗浄した後、得られた菌体を2mLの蒸留水に懸濁した。菌体液を、製造例2で作製したpCUP2-Ptrp-NSDGプラスミド溶液と混合し、キュベットに注入してエレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーションは、MicroPulserエレクトロポレーター(バイオ・ラッド)を使用し、電圧1.5kV、抵抗800Ω、電流25μFの条件で行った。エレクトロポレーション後、菌体溶液を回収して5mLのNutrient Broth培地を添加し、30℃で3時間培養した。得られた培養液を、100mg/Lのカナマイシン硫酸塩を含むNutrient Agar培地に塗布した。30℃で3日間培養し、得られたコロニーからプラスミドが導入された菌株を取得した。得られた菌株をH16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG株と命名した。
同様の方法で製造例3~41で作製した各プラスミドを導入し、得られた菌株をそれぞれ、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q27S株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-R30G株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-R30P株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-T31P株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33I株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33L株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33V株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39A株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39C株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39F株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39H株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39I株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39M株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Q株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39W株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q56P株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-P106A株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-L129Q株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-T144L株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-K165V株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-S170Q株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-V176W株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Q株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-179R株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-A180G株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-A180K株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-A180R株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-L181Y株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E187V株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180K株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180R株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180K株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180R株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180K-S389T株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180R-S389T株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180K-S389T株、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180R-S389T株、と命名した。
(PHAにおける3HH比率の分析方法)
PHAを含む乾燥菌体約20mgに1mLの硫酸-メタノール混液(15:85)と1mLのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱することでPHA分解物のメチルエステルを得た。冷却後、これに0.5mLの脱イオン水を加えてよく混合した後、水層と有機層が分離するまで放置した。その後、分取した有機層中のPHA分解物のモノマー単位組成をキャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析した。得られたピーク面積から、3HH比率を算出した。
ガスクロマトグラフは島津製作所製GC-17A、キャピラリーカラムはGLサイエンス社製NEUTRA BOND-1(カラム長25m、カラム内径0.25mm、液膜厚0.4μm)を用いた。キャリアガスとしてHeを用い、カラム入口圧100kPaとし、サンプルは1μLを注入した。温度条件は、初発温度50℃から200℃までは8℃/分の速度で昇温し、さらに200℃から290℃までは30℃/分の速度で昇温した。
(比較例1)H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG株によるPHA生産
種母培地の組成は、10g/L 肉エキス、10g/L バクトトリプトン、2g/L 酵母エキス、9g/L リン酸二水素ナトリウム12水和物、1.5g/L リン酸水素二カリウム、100μg/L カナマイシン硫酸塩とした。
PHA生産培地の組成は、11g/L リン酸水素二ナトリウム12水和物、1.9g/L リン酸水素二カリウム、1.3g/L 硫酸アンモニウム、5mL/L マグネシウム溶液、1mL/L 微量金属塩溶液とした。マグネシウム溶液は、水に200g/L 硫酸マグネシウム七水和物を溶かして調製した。微量金属塩溶液は、0.1N塩酸に、0.218g/L 塩化コバルト六水和物、16.2g/L 塩化鉄(III)六水和物、10.3g/L 塩化カルシウム二水和物、0.118g/L 塩化ニッケル六水和物、0.156g/L 硫酸銅五水和物を溶かして調製した。
製造例42で作製したH16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG株のグリセロールストック溶液50μLを種母培地10mLに接種し、30℃で24時間振盪培養した。得られた培養液を前培養液とした。
PHA生産培養は、フラスコで行った。500mL容量の振盪フラスコにPHA生産培地50mLを入れた。植菌直前に、マグネシウム溶液を250μL、微量金属溶液を50μL、パーム核油を1g添加した。培地調製後、振盪フラスコに前培養液を500μL接種し、30℃で72時間振盪培養を行った。培養終了後、培養液10mLから菌体を回収、エタノールで洗浄後、60℃で真空乾燥し、PHAを含む乾燥菌体を取得し、乾燥菌体重量を測定した。
乾燥菌体重量、および3HH比率の結果を表1及び表2に示した。
(実施例1~39)各プラスミド導入株によるPHA生産
製造例42で作製したH16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q27S株(実施例1)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N株(実施例2)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S株(実施例3)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-R30G株(実施例4)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-R30P株(実施例5)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-T31P株(実施例6)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33I株(実施例7)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33L株(実施例8)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q33V株(実施例9)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39A株(実施例10)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39C株(実施例11)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39F株(実施例12)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39H株(実施例13)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39I株(実施例14)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39M株(実施例15)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39Q株(実施例16)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-N39W株(実施例17)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-Q56P株(実施例18)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-P106A株(実施例19)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-L129Q株(実施例20)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-T144L株(実施例21)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-K165V株(実施例22)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-S170Q株(実施例23)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-V176W株(実施例24)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-L179Q株(実施例25)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-179R株(実施例26)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-A180G株(実施例27)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-A180K株(実施例28)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-A180R株(実施例29)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-L181Y株(実施例30)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E187V株(実施例31)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180K株(実施例32)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180R株(実施例33)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180K株(実施例34)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180R株(実施例35)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180K-S389T株(実施例36)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29N-A180R-S389T株(実施例37)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180K-S389T株(実施例38)、H16 ΔphaC1 Ptrc-phaJ4b dZ1,2,6/pCUP2-Ptrp-NSDG-E29S-A180R-S389T株(実施例39)を用いて、比較例1と同様の方法で培養を行い、乾燥菌体重量および3HH比率を分析した。結果を表1及び表2に示した。
Figure 0007382315000001
Figure 0007382315000002
<考察>
表1の結果から、Q27S,E29N,E29S,R30G,R30P,T31P,Q33I,Q33L,Q33V,N39A,N39C,N39F,N39H,N39I,N39M,N39Q,N39W,Q56P,P106A,L129Q,T144L,K165V,S170Q,V176W,L179Q,L179R,A180G,A180K,A180R,L181Y,又はE187Vの変異を有する実施例1~31のPHA合成酵素では、3HH比率の上昇が認められた。また、いずれの実施例においても乾燥菌体重量は比較例1と同程度であったことからPHA生産性に変化は無いと考えられた。以上の結果から、これら変異を有するPHA合成酵素は、ポリマー生産性を維持したまま、3HH比率が高いPHAを製造するのに有用であることが分かる。
また実施例1~9より、PHA合成酵素のアミノ酸配列のN末端から27~33番目のアミノ酸に対する変異導入は、3HH比率を向上させるために特に有効であることが分かる。さらに実施例10~17より、PHA合成酵素のアミノ酸配列のN末端から39番目のアスパラギンに対する変異導入は、3HH比率を向上させるために特に有効であることが分かる。また実施例18~23より、PHA合成酵素のアミノ酸配列のN末端から56番目、106番目、129番目、144番目、165番目、及び170番目のアミノ酸に対する変異導入は、3HH比率を向上させるために有効であることが分かる。加えて実施例24~31より、PHA合成酵素のアミノ酸配列のN末端から172~187番目のアミノ酸に対する変異導入は、3HH比率を向上させるために特に有効であることが分かる。以上の結果から、PHA合成酵素のアミノ酸配列のN末端から27~33番目、39番目、56番目、106番目、129番目、144番目、165番目、170番目、及び172~187番目のアミノ酸が、3HH組成を向上させる上で極めて有効な変異導入部位であることは、当業者であれば容易に類推できる。
次に、表2で示した実施例32~35より、E29N又はE29Sの変異と、A180K又はA180Rの変異の組合せは、いずれも、変異重複により相加的な効果が得られることが分かる。このことから、PHA合成酵素のアミノ酸配列のN末端から27~33番目、39番目、56番目、106番目、129番目、144番目、165番目、170番目、及び172~187番目のアミノ酸に対する変異のうち2以上の変異を任意に組み合わせて重複導入することにより、3HH組成をさらに向上させるために有用な変異型PHA合成酵素を取得できることは明らかである。
同じく表2で示した実施例36~39より、E29N-A180K,E29N-A180R,E29S-A180K、又は、E29S-A180Rの変異と、S389Tの変異を組み合わせて重複導入することにより、3HH比率がさらに向上することが分かる。これまでにS389に対する変異として、S389C,S389F,S389I及びS389Tが3HH組成の向上に有効であることが分かっている。以上より、PHA合成酵素のアミノ酸配列のN末端から27~33番目、39番目、56番目、106番目、129番目、144番目、165番目、170番目、及び172~187番目のアミノ酸に対する変異と、S389C,S389F,S389I,又はS389T変異のいずれかを組み合わせて重複導入することにより、3HH組成をさらに向上させるために有用な変異型PHA合成酵素を取得できることは明らかである。

Claims (11)

  1. 配列番号1で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を示し、かつ、下記(a)~(q)のいずれか1以上の変異を含み、前記アミノ酸配列のN末端から149番目のアスパラギンがセリンに置換された変異、及び、前記アミノ酸配列のN末端から171番目のアスパラギン酸がグリシンに置換された変異をさらに含むアミノ酸配列を含む、変異型ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素であって、
    配列番号14で示されるアミノ酸配列からなるポリヒドロキシアルカン酸合成酵素が生産するポリヒドロキシアルカン酸共重合体と比較して3-ヒドロキシヘキサン酸比率が高いポリヒドロキシアルカン酸共重合体の製造を実現する変異型ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素
    変異(a):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から27番目のグルタミンがセリンに置換された変異
    変異(b):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から29番目のグルタミン酸がアスパラギン又はセリンに置換された変異
    変異(c):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から30番目のアルギニンがグリシン又はプロリンに置換された変異
    変異(d):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から31番目のトレオニンがプロリンに置換された変異
    変異(e):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から33番目のグルタミンがイソロイシン、ロイシン、又はバリンに置換された変異
    変異(f):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から39番目のアスパラギンがアラニン、システイン、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン、又はトリプトファンに置換された変異
    変異(g):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から56番目のグルタミンがプロリンに置換された変異
    変異(h):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から106番目のプロリンがアラニンに置換された変異
    変異(i):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から129番目のロイシンがグルタミンに置換された変異
    変異(j):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から144番目のトレオニンがロイシンに置換された変異
    変異(k):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から165番目のリシンがバリンに置換された変異
    変異(l):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から170番目のセリンがグルタミンに置換された変異
    変異(m):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から176番目のバリンがトリプトファンに置換された変異
    変異(n):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から179番目のロイシンがアルギニン又はグルタミンに置換された変異
    変異(o):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から180番目のアラニンがグリシン、リシン、又はアルギニンに置換された変異
    変異(p):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から181番目のロイシンがチロシンに置換された変異
    変異(q):配列番号1で示されるアミノ酸配列のN末端から187番目のグルタミン酸がバリンに置換された変異
  2. 前記変異を含むアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端から389番目のセリンがシステイン、イソロイシン、トレオニン、又はバリンに置換された変異をさらに含む、請求項に記載の変異型ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素。
  3. 請求項1又は2に記載の変異型ポリヒドロキシアルカン合成酵素をコードする遺伝子。
  4. 請求項に記載の遺伝子を有する形質転換体。
  5. 宿主が真正細菌である請求項に記載の形質転換体。
  6. 真正細菌がカプリアビダス属に属する細菌である請求項に記載の形質転換体。
  7. 真正細菌がカプリアビダス ネカトールである請求項に記載の形質転換体。
  8. 真正細菌がカプリアビダス ネカトールH16である請求項に記載の形質転換体。
  9. 請求項4~8のいずれか1項に記載の形質転換体を培養する工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
  10. ポリヒドロキシアルカン酸が、3-ヒドロキシヘキサン酸をモノマーユニットとして含有する、請求項に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
  11. ポリヒドロキシアルカン酸が、3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸との共重合体である、請求項10に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
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