JP7378063B2 - 温度推定装置及び温度推定方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 (公開1) 発行日 平成30年10月26日 刊行物 日本コンピュータ外科学会誌 第27回日本コンピュータ外科学会大会特集号、 第272頁 一般社団法人日本コンピュータ外科学会 (公開2) 開催日 平成30年11月9日 集会名 第27回日本コンピュータ外科学会大会 開催場所 奈良県文化会館(奈良県奈良市登大路町6-2)
本発明は、温度推定装置及び温度推定方法に関する。
体内の病変部の処置法として、内視鏡の鉗子口に挿入した光ファイバーを通じてレーザー光を直接照射することで病変部を処置する内視鏡下レーザー治療が知られている。現在、この内視鏡下レーザー治療時に術者が把握可能な病変部に関する情報は、病変部の2次元画像だけであるが、病変部の温度がリアルタイムに把握できれば、病変部の内視鏡下レーザー治療をより適切に(過加熱や加熱不足が生じない形で)行うことが出来る。
そのため、病変部の温度を病変部の光学的特性から推定する技術(非特許文献1参照)の開発が進められている。
関健史、高橋朗人、岡潔、長縄明大、「内視鏡下レーザー治療のための温度推定法に関する基礎検証」、計測自動制御学会東北支部 第310回研究集会(2017.7.21)、資料番号310-1
内視鏡下レーザー治療時における病変部の温度と病変部の光学的特性との間には強い相関がある。ただし、内視鏡下レーザー治療時には、加熱により病変部が変性し、その結果として、病変部の光学的特性及び熱的特性が変化してしまう。そのため、病変部の温度を病変部の光学的特性から正確に推定することは困難であった。また、工業分野においても、特定箇所の温度を光学的特性から精度よく推定する技術に対する強い要望があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、昇温により変性し得る試料の昇温中の温度をその光学的特性からリアルタイム且つ正確に推定できる技術を提供することを目的とする。
本発明の一観点に係る温度推定装置は、昇温により変性し得る試料の昇温中に、前記試料の反射率に関する光学的特性値を周期的に測定する測定部と、前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、前記測定部により時系列的に測定される前記光学特性値が互いに異なる遅延時間で入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記測定部により前記光学的特性値が測定される度に、前記光学的特性値の今回の測定時における前記試料の温度を推定する温度推定部と、を備える。
すなわち、この温度推定装置は、昇温(加熱)により変性し得る試料の各時点の温度を、その時点までに測定された試料についての反射率に関する光学的特性値を考慮に入れて推定する構成を有する。そして、各時点までに測定された試料についての反射率に関する光学的特性値は、試料の変性の程度を示す情報であるため、本温度推定装置によれば、昇温により変性し得る試料の昇温中の温度をその光学的特性からリアルタイム且つ正確に推定できる。
温度推定装置の光学的特性値としては、様々な値を採用することが出来る。例えば、光
学的特性値として、前記試料の反射光スペクトルの曲線下面積を採用しても良い。
温度の推定対象試料が、レーザー光の照射により昇温されているものである場合には、ニューラルネットワークとして、前記レーザー光の強度を示す値を入力するための少なくとも1つの入力ユニットをさらに含むものを採用しておいても良い。
また、本発明は、昇温により変性し得る試料の昇温中に光を照射し、反射光から得られる特性値を測定する測定部と、
前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、前記測定部により測定される前記特性値が入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記試料の温度を推定する温度推定部と、
を備え、
前記ニューラルネットワークの学習に際して、
前記出力ユニットは、測定対象の温度範囲における前記試料の温度に相当する、特定関数の値を出力し、
出力された前記特定関数の値のうち、学習対象の温度に相当する値に1なるラベルを付与するとともに、それ以外の値に0なるラベルを付与し、
前記出力ユニットにより出力された特定関数の値と、前記ラベルの値とに基づく、交差エントロピー誤差が小さくなるように、前記ニューラルネットワークにおける結合係数を更新する繰り返し演算を実行する、温度推定装置であってもよい。
これによれば、試料の温度情報に係る時間に関わらず、ニューラルネットワークの数は1つで済む。また、過去に遡った特性値をニューラルネットワークに入力する必要はなく、現在の情報のみを入力すれば足りる。なお、上記の特定関数は、シグモイド関数、ソフトマックス関数、線形関数、ステップ関数、ランプ関数、ハイパボリックタンジェント関数のいずれかであってもよい。
また、本発明において、前記特性値は、前記反射光の波長分布、前記反射光に基づく生体情報、照射する前記光の強度及び、前記試料の画像を含むようにしてもよい。これにより、温度推定装置の推定精度を向上させることが可能である。また、前記特性値は、前記試料の画像情報を、色空間分解することで得られる数値データを含むようにしてもよい。これによれば、試料の画像を用いて温度推定する場合の推定精度を向上させることが可能である。
また、本発明の一観点に係る温度推定方法は、昇温により変性し得る試料の昇温中に、前記試料の反射率に関する光学的特性値を周期的に測定する測定ステップと、前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、前記測定ステップにより時系列的に測定される前記光学特性値が互いに異なる遅延時間で入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記測定ステップにより前記光学的特性値が測定される度に、前記光学的特性値の今回の測定時における前記試料の温度を推定する温度推定ステップと、を含む。
この温度推定方法によっても、昇温により変性し得る試料の昇温中の温度をその光学的特性からリアルタイム且つ正確に推定することができる。なお、本発明において「学習済みのニューラルネットワーク」とは、学習を完了し更なる学習が行われないニューラルネットワークの他、学習が継続的に行われるニューラルネットワークも含む。例えば、学習済みのニューラルネットワークを,レーザー光の強度を示す値や光学物性値などを利用して,リアルタイムに再学習し,精度を高めることも可能である。
また、本発明の温度推定方法は、昇温により変性し得る試料の昇温中に光を照射し、反
射光から得られる特性値を測定する測定ステップと、
前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、前記測定部により測定される前記特性値が入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記試料の温度を推定する温度推定ステップと、
を含む、温度推定方法であって、
前記ニューラルネットワークの学習に際して、
前記出力ユニットは、測定対象の温度範囲における前記試料の温度に相当する、特定関数の値を出力し、
出力された前記特定関数の値のうち、学習対象の温度に相当する値に1なるラベルを付与するとともに、それ以外の値に0なるラベルを付与し、
前記出力ユニットにより出力された特定関数の値と、前記ラベルの値とに基づく、交差エントロピー誤差が小さくなるように、前記ニューラルネットワークにおける結合係数を更新する繰り返し演算を実行する、温度推定方法であってもよい。これによれば、試料の温度情報に係る時間に関わらず、ニューラルネットワークの数は1つで済む。また、過去に遡った特性値をニューラルネットワークに入力する必要はなく、現在の情報のみを入力すれば足りる。ここで、上記の特定関数は、シグモイド関数、ソフトマックス関数、線形関数、ステップ関数、ランプ関数、ハイパボリックタンジェント関数のいずれかであってもよい。
本発明によれば、昇温により変性し得る試料の昇温中の温度をその光学的特性からリアルタイム且つ正確に推定することができる。
図1は、本発明の実施例1に係る温度推定装置の概略構成図である。 図2は、実施形態に係る温度推定装置の使用形態の説明図である。 図3は、反射光強度を測定しやすい光ファイバーの構成例の説明図である。 図4は、AUC(曲線下面積)の説明図である。 図5は、温度推定部が温度推定に使用するニューラルネットワークの説明図である。 図6は、ニューラルネットワークの隠れユニットの説明図である。 図7は、レーザー光照射開始後の経過時間に対して、レーザー光照射対象の実測温度と、温度推定装置による推定温度(“推定温度”)と、線形モデルによる推定温度とをプロットした図である。 図8は、本発明の実施例2に係る温度推定部が温度推定に使用するニューラルネットワークの説明図である。 図9は、本発明の実施例2に係る温度推定装置の学習処理のフローチャートである。 図10は、本発明の実施例2に係るレーザー光照射開始後の経過時間に対して、レーザー光照射対象の実測温度と、温度推定装置による推定温度(“推定温度”)とをプロットした図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<実施例1>
図1に、本発明の実施例1に係る温度推定装置10の概略構成図を示し、図2に、実施形態に係る温度推定装置10の使用形態の説明図を示す。
本実施形態に係る温度推定装置10(図1)は、内視鏡下レーザー治療時における病変
部40(図2)を推定するために開発した装置である。ここで、内視鏡下レーザー治療とは、図2に示してあるように、内視鏡30の鉗子口31に挿入した光ファイバー35を通じてレーザー光を病変部40に直接照射することで病変部40を処置するレーザー治療法のことである。なお、温度推定装置10は、計測用光及びライドガイド32からの白色光の病変部40による反射光強度に基づき、病変部40の温度を推定する(詳細は後述)装置として構成されている。そのため、光ファイバー35としては、反射光強度を測定しやすい構成のもの、例えば、図3に示したように、レーザー光と計測用光とを病変部40に導入するための照射用光ファイバー36と、その周囲に配置された、複数(図では、6つ)の受光用光ファイバー37とを有するものが使用される。
図1に示してあるように、温度推定装置10は、分光器11と情報処理装置12と表示装置13とを備える。
分光器11は、病変部40からの反射光のスペクトル(以下、反射光スペクトルと表記する)を周期的に測定する装置である。以下、この分光器11による反射光スペクトルの測定周期をサンプリング周期と表記する。
表示装置13は、情報処理装置12(後述する温度推定部22)による病変部40の温度の推定結果をユーザに提示するための装置である。この表示装置13としては、文字情報等も表示可能な液晶ディスプレイや、温度のみを表示可能なセグメントディスプレイが使用される。
情報処理装置12は、いわゆるコンピュータ(コンピュータ本体)である。情報処理装置12は、AUC算出部21、温度推定部22、学習処理部23、記憶部24として機能するように構成(プログラミング)されている。また、情報処理装置12は、内視鏡30のレーザー光源(図示略)と接続可能に構成されており、情報処理装置12は、病変部40の温度の推定時には、内視鏡30のレーザー光源からレーザー光強度が入力される状態で動作する。
AUC算出部21は、分光器11により反射光スペクトルが測定される度に、その反射光スペクトルのAUCを算出するユニットである。なお、反射光スペクトルのAUC(Area Under the Curve;曲線下面積)とは、図4に示したように、反射光スペクトルの曲線より下の部分の面積のことである。
温度推定部22は、AUC算出部21により算出される各AUCと、内視鏡30のレーザー光源からのレーザー光強度とに基づき、病変部40の温度を推定し、推定結果を表示装置13に表示するユニットである。この温度推定部22は、図5に示した構成のニューラルネットワークを用いて、病変部40の温度を推定するものとなっている。なお、図5におけるZ-kは、入力をkサンプリング周期分遅らせて出力する離散時間演算子である。
すなわち、温度推定部22が病変部40の温度の推定に用いるニューラルネットワークの入力層は、AUCが互いに異なる遅延時間で入力されるq+1個の入力ユニット26と、レーザー光強度が互いに異なる遅延時間で入力されるq+1個の入力ユニット26とを含む。また、ニューラルネットワークの中間層は、各入力ユニット26の出力又は他の隠れユニット27からの出力が入力される複数の隠れユニット27を含む。そして、ニューラルネットワークの出力層は、病変部40の温度を出力する1つの出力ユニット28で構成されている。
各入力ユニット26は、入力(AUC又はレーザー光強度)を、予め定められている複数の隠れユニット27に出力するユニットである。
また、本実施形態における各隠れユニット27は、図6に模式的に示したように、各入力xi(i=1~n)と重みwiの乗算結果の総和aを算出し、総和aから、y=1/(1+e-a)を算出して算出結果yを出力するユニット(人工ニューロン)である。出力ユニット28も、各隠れユニット27と同様のユニットである。なお、隠れユニット27、出力ユニット28は、バイアスを考慮するものであっても、1/(1+e-a)とは異なる活性化関数を使用するものであっても良い。
記憶部24(図1)は、温度推定部22を教育する(詳細は後述)ための複数の教師データが記憶されるユニット(ハードディスク等)である。ここで、教師データとは、内視鏡下レーザー治療を模擬した実験により得られるAUCの時系列データ(サンプリング周期毎のAUC)と、当該実験時のレーザー光強度の時系列データ及び病変部40(病変部40相当の部分)の温度の時系列データとからなるデータのことである。教師データとしては、条件(レーザー光強度等)が異なる比較的に多数のデータが用意される。
学習処理部23は、記憶部24内の教師データ群に基づき、温度推定部22を教育するユニットである。なお、温度推定装置10(温度推定部22)が、病変部40の温度をリアルタイム且つ正確に推定できる装置として機能するのは、この学習処理部23による温度推定部22の教育が完了した後である。
具体的には、この学習処理部23は、温度推定部22が温度推定に使用するニューラルネットワークの各重み値(及びバイアス値)を所定の評価関数が最小となるように決定する処理を行う。本実施形態に係る学習処理部23が行うこの処理は、誤差逆伝播法に評価関数を最小化する処理である。また、学習処理部23が最小化する評価関数は、教師データ#j(jは、教師データの識別番号)内のAUC、レーザー光強度の入力時における温度推定部22の各時刻における出力と対応する時刻における教師データ#j内の温度との差の二乗値の総和をCjと表記すると、ΣCj(=C1+C2+…+Cm;mは教師データの
総数)である。ただし、温度推定部22の教育(重み値等の決定)に、誤差逆伝播法以外の方法を用いても良く、上記評価関数とは異なる評価関数を用いても良い。
以上の説明から明らかなように、温度推定装置10は、昇温(加熱)により変性し得る試料(病変部40)の各時点の温度を、その時点までに測定された試料についてのAUCを考慮に入れて推定する構成を有する。そして、各時点までに測定された試料についてのAUCは、試料の変性の程度を示す情報である。従って、本温度推定装置10によれば、図7に例示したように、昇温により変性し得る試料の昇温中の温度をその光学的特性からリアルタイム且つ正確に推定できる。なお、この図7は、レーザー光照射開始後の経過時間に対して、レーザー光照射対象の実測温度(“実温度”)と、温度推定装置10による推定温度(“推定温度”)と、線形モデル(一次遅れモデル)による推定温度とをプロットした図である。また、この実験結果における実温度と温度推定装置10による推定温度との間の誤差は、±2℃である。
《変形例》
上記した実施例に係る温度推定装置10は、各種の変形が行えるものである。例えば、レーザー光強度の多寡により、AUCの時間変化パターンは変化する。従って、温度推定用のニューラルネットワーク(図5)から、レーザー光強度を入力する入力ユニット26を除去しておいても良い。また、レーザー光強度が一定である(時間変化しない)場合のみを対象とする場合には、温度推定用のニューラルネットワークのレーザー光強度入力用の入力ユニット26の数を1つとしておいても良い。
温度推定用のニューラルネットワークを、AUCではなく、特定波長の光の反射光強度
、特定のM(M≧2)波長の光の反射光強度の総和を入力としたものに変形しても良い。また、温度推定装置10を、光ファイバーを介さずに反射光強度を測定する装置や、レーザー光以外の熱源により昇温される試料の温度を推定する装置に変形しても良い。
<実施例2>
次に、本発明の実施例2について示す。実施例1においては、学習処理部23が、出力ユニット(出力層)から出力される推定温度と試料(病変部40)の温度の誤差が小さくなるように、重み(結合係数)Wを更新する温度推定装置について説明したが、実施例2においては、入力ユニット(入力層)に入力される特性値を増加するとともに、複数の出力ユニット(出力層)からソフトマトリックス関数の値を出力し、これらに正解ラベルを付与し、交差エントロピー誤差が小さくなるように、重み(結合係数)Wを更新する例について説明する。なお、本実施例における温度推定装置10の概略構成は、図1に示したものと同等である。
図8は、本実施例における温度推定装置10を説明するための図である。本実施例では、温度推定部22は、図8に示したニューラルネットワークを用いて、病変部20の温度を推定する。すなわち、本実施例では、試料である病変部40にレーザー光と、計測用光を照射する。そして、時刻kにおける、(1)反射光を分光器によって分光することで得られる波長分布、(2)反射光を血流計に入力することで得られる血流速度に代表される生体情報、(3)レーザー光を光センサに照射することで得られるレーザー光量(レーザー光強度)、(4)CCDカメラ33で得られるファイバースコープ画像を処理した後の画像を、ニューラルネットワークの入力ユニット(入力層)26に入力する。ここで、生体情報としては、血流速度の他、酸素飽和濃度、蛍光、薬剤反応などを用いてもよい。また、ここでは画像を取得するためのカメラとして、CCDカメラ33を用いた例について説明したが、CMOSカメラ等、他の方式のカメラを用いても良いことは当然である。
そして、本実施例の隠れユニット(中間層)27では、実施例1と同様、図6に模式的に示したように、各入力xi(i=1~n)と重みwiの乗算結果の総和aを算出し、総和aから、y=1/(1+e-a)を算出して算出結果yを出力する。そして、出力ユニット(出力層)28は、以下の(1)式に基づく、ソフトマックス関数を出力する。
Figure 0007378063000001
なお、このソフトマックス関数は、複数の出力ユニット(出力層)28の値の総和が1になる関数と言える。
そして、学習させる温度に相当する出力には正解ラベル“1”を、それ以外の出力には“0”を付与する。そして、以下の(2)式に基づく交差エントロピー誤差Eが、小さくなるように、重み(結合係数)Wを調整する。
Figure 0007378063000002
図8では、30℃を学習させる場合について記載しており、30℃に相当する出力に正
解ラベル“1”が付与されている。なお、本実施例においても、隠れユニット(中間層)27、出力ユニット(出力層)28は、バイアスを考慮するものであっても、1/(1+e-a)とは異なる活性化関数を使用するものであっても良い。
図9には本実施例における学習処理部23による学習処理のフローチャートを示す。本処理が実行されると、まず、ステップS101において、光ファイバー35の中心の照射用光ファイバー36から、温度上昇用のレーザー光と、波長分布と血流計測用の計測用光を試料としての病変部40に照射する。ステップS102においては、周囲の複数の受光用光ファイバー37で2つの計測用光の反射光を受光する。ステップS103においては、レーザー光量、反射光の波長分布、生体情報(この例では組織の血流速度)、ファイバースコープ画像を取得する。ステップS104においては、ステップS103で取得された信号を正規化し、各入力ユニット(入力層)26に入力する。
ステップS105においては、各信号と重み(結合係数)Wにより隠れユニット(中間層)27を通過する。ステップS106においては、ソフトマックス関数として出力ユニット(出力層)28から信号を出力させる。ここで、出力ユニット28の数は、対象となる温度範囲中の温度値の数と一致させる。この例では、対象となる温度範囲を1℃~80℃とし、出力ユニット27の数は、教師データとしての病変部40の温度の数と同数の80個としている。ステップS107においては、各出力ユニット(出力層)28からの出力に正解ラベルを付与する。ここで、推定のための学習をさせたい温度(この例では30℃)にラベル“1”を付与し、それ以外の温度にラベル“0”を付与する。
ステップS108においては、(2)式に示した交差エントロピー誤差Eが小さくなるように重み(結合係数)Wを更新する。ステップS109においては、S105に戻る。そして、S105~S108の処理を繰り返し実行する。ステップS110においては、対象となる温度範囲(この例では1℃~80℃)の各温度に対して、S104~S109の処理を繰り返し実行し、各温度に対する学習を完了させる。対象となる温度範囲の各温度について学習が終了すると本ルーチンを終了する。
実施例1で示した温度推定装置10では、過去に遡る時刻の数(q+1)だけニューラルネットワークを準備する必要があったのに対し、本実施例で示した温度推定装置10では、時刻の数に関わらず、1つのニューラルネットワークを準備することで充分である。また、実施例1で示した温度推定装置10では、入力ユニット26に対して、過去に遡ったAUC、レーザー光強度の情報を入力する必要があったのに対し、本実施例で示した温度推定装置10では、波長分布、レーザー光量、生体情報、ファイバースコープ画像の現在の情報のみを入力すれば足りる。
図10には、レーザー光照射開始後の経過時間に対する、レーザー光照射対象の実測温度(“実温度”)と、本実施例における学習済の温度推定装置10による推定温度(“推定温度”)とをプロットした図である。図10を見て分かるように、本実施例では、1つのニューラルネットワークを用いた推定であるにも関わらず、実施例1と同等の精度で病変部40の温度を推定することが可能となっている。
本実施例においては、試料である病変部40にレーザー光と、計測用光を照射し、時刻kにおける、CCDカメラ33で得られるファイバースコープ画像を処理した後の画像を、ニューラルネットワークの入力ユニット(入力層)26に入力した。この画像については、画像自体の代わりに、あるいは、画像自体に加えて、光ファイバーあるいは、CCDカメラ33で撮影した画像情報を、RGB(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))や、HLS(色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Lightness/Luminance))等の、色空間分解することで得られた数値データ、
あるいはこの数値データの変化をニューラルネットワークの入力ユニット(入力層)26に入力するようにしてもよい。
また、本実施例においては、出力ユニット(出力層)28からの信号を、ソフトマックス関数として出力させる例について説明した。しかしながら、出力ユニット(出力層)28からの信号は、シグモイド関数、線形関数、ステップ関数、ランプ関数、ハイパボリックタンジェント関数といった、他の関数として出力しても構わない。
また、上記の実施例においては、入力ユニット(入力層)26、隠れユニット(中間層)27、出力ユニット(出力層)28を備えた多層構造のニューラルネットワークを用いたが、CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)、RNN(Recurrent Neural Network:リカレントニューラルネットワーク)、強化学習などを含むニューラルネットワークを用いても構わない。
上記の実施例においては、内視鏡のチャネルに光ファイバーを挿入して行う医療シーンを例にとって本発明を説明したが、本発明が適用される分野はこれに限られない。例えば、電気メス等の熱的手法により対象を切開する場合の切開対象の温度推定といった、他の医療分野の他、配管内における溶接対象の温度推定といった、工業分野に本発明を適用しても構わない。
10 温度推定装置
11 分光器
12 情報処理装置
13 表示装置
21 AUC算出部
22 温度推定部
23 学習処理部
24 記憶部
26 入力ユニット
27 ユニット
28 出力ユニット
30 内視鏡
31 鉗子口
32 ライドガイド
33 CCDカメラ
35 光ファイバー
36 照射用光ファイバー
37 受光用光ファイバー
40 病変部

Claims (10)

  1. 昇温により変性し得る試料の昇温中に、前記試料の反射率に関する光学特性値を周期的に測定する測定部と、
    前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、前記測定部により時系列的に測定される前記光学特性値が互いに異なる遅延時間で入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記測定部により前記光学特性値が測定される度に、前記光学特性値の今回の測定時における前記試料の温度を推定する温度推定部と、
    を備えることを特徴とする、温度推定装置。
  2. 前記光学特性値が、前記試料の反射光スペクトルの曲線下面積である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の温度推定装置。
  3. 前記測定部は、レーザー光の照射により昇温されている前記試料の前記光学特性値を周期的に測定し、
    前記ニューラルネットワークは、前記レーザー光の強度を示す値を入力するための少なくとも1つの入力ユニットをさらに含む、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の温度推定装置。
  4. 昇温により変性し得る試料の昇温中に光を照射し、反射光から得られる特性値を測定する測定部と、
    前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、前記測定部により測定される前記特性値が入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記試料の温度を推定する温度推定部と、
    を備え、
    前記ニューラルネットワークの学習に際して、
    前記出力ユニットは、測定対象の温度範囲における前記試料の温度に相当する、特定関数の値を出力し、
    出力された前記特定関数の値のうち、学習対象の温度に相当する値に1なるラベルを付与するとともに、それ以外の値に0なるラベルを付与し、
    前記出力ユニットにより出力された特定関数の値と、前記ラベルの値とに基づく、交差エントロピー誤差が小さくなるように、前記ニューラルネットワークにおける結合係数を更新する繰り返し演算を実行することを特徴とする、温度推定装置。
  5. 前記特定関数は、シグモイド関数、ソフトマックス関数、線形関数、ステップ関数、ランプ関数、ハイパボリックタンジェント関数のいずれかであることを特徴とする、請求項4に記載の、温度推定装置。
  6. 前記特性値は、前記反射光の波長分布、前記反射光に基づく生体情報、照射する前記光の強度及び、前記試料の画像を含むことを特徴とする、請求項4または5に記載の温度推定装置。
  7. 前記特性値は、前記試料の画像情報を、色空間分解することで得られる数値データを含むことを特徴とする、請求項4または5に記載の温度推定装置。
  8. 昇温により変性し得る試料の昇温中に、前記試料の反射率に関する光学特性値を周期的に測定する測定ステップと、
    前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、それぞれ、前記測定ステップより時系列的に測定される前記光学特性値が互いに異なる遅延時間で入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記測定ステップにより前記光学特性値が測定される度に、前記光学特性値の今回の測定時における前記試料の温度を推定する温度推定ステップと、
    を含むことを特徴とする、温度推定方法。
  9. 昇温により変性し得る試料の昇温中に光を照射し、反射光から得られる特性値を測定する測定ステップと、
    前記試料の温度を出力するための出力ユニット、及び、前記測定ステップにおいて測定される前記特性値が入力される複数の入力ユニットを含む学習済みのニューラルネットワークを用いて、前記試料の温度を推定する温度推定ステップと、
    を含む、温度推定方法であって、
    前記ニューラルネットワークの学習に際して、
    前記出力ユニットは、測定対象の温度範囲における前記試料の温度に相当する、特定関数の値を出力し、
    出力された前記特定関数の値のうち、学習対象の温度に相当する値に1なるラベルを付与するとともに、それ以外の値に0なるラベルを付与し、
    前記出力ユニットにより出力された特定関数の値と、前記ラベルの値とに基づく、交差エントロピー誤差が小さくなるように、前記ニューラルネットワークにおける結合係数を更新する繰り返し演算を実行することを特徴とする、温度推定方法。
  10. 前記特定関数は、シグモイド関数、ソフトマックス関数、線形関数、ステップ関数、ランプ関数、ハイパボリックタンジェント関数のいずれかであることを特徴とする、請求項9に記載の温度推定方法。
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