JP7360546B2 - 非常止め装置及びエレベーター - Google Patents

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Description

本発明は、非常時に乗りかごを停止させる非常止め装置及びこの非常止め装置を備えたエレベーターに関するものである。
一般的に、ロープ式のエレベーターは、乗りかごと釣合おもりを連結する主ロープ及びコンペンロープや、乗りかご又は釣合おもりの速度を検出するために用いられる調速機ロープ等の長尺物を有している。また、エレベーターには、安全装置として、ガイドレールに沿って昇降する乗りかごの速度が規定された値を超えたときに、乗りかごの運転を自動的に停止する非常止め装置を設けることが規定されている。
近年では、調速機を用いずに電気的に非常止め装置の制動機構を作動させる非常止め装置が提案されている。従来の、この種の非常止め装置としては、例えば、特許文献1に記載されている技術がある。この特許文献1には、ブレーキリンクと、接続部と、弾性体部と、ロック部と、制御部と、を備えた技術が記載されている。特許文献1におけるロック部は、接続部に接続しブレーキリンクの位置を、ブレーキがかからない第1位置にロックしたりブレーキがかかる第2位置に解放する。そして、特許文献1には、制御部が、ロック部にブレーキリンクの位置を第2位置にすることにより、弾性体部に蓄えたエネルギーを解放して昇降体にブレーキをかけるように制御することが記載されている。
特開2013-189283号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、弾性体部に付勢力により、ブレーキリングを第1位置に保持するロック部が意図に反して解除されるおそれがあり、非常止め装置が誤作動するおそれがあった。
本目的は、上記の問題点を考慮し、誤作動を防止し、信頼性の向上を図ることができる非常止め装置及びエレベーターを提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するため、非常止め装置は、制動機構と、駆動機構と、作動機構と、を備えている。制動機構は、昇降体に設けられ、かつ昇降体が摺動するガイドレールを挟持して昇降体の移動を停止させる。駆動機構は、制動機構に接続し、駆動機構を動作させる。制動機構は、駆動機構に接続され、駆動機構を作動させる。作動機構は、駆動機構に接続されて、駆動機構と共に可動する接続部材と、接続部材に固定された可動鉄心と、可動鉄心を分離可能に吸着する電磁コアと、移動機構と、ロック機構と、を備えている。移動機構は、電磁コアを可動鉄心に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持する。ロック機構は、移動機構に接触し、電磁コアの移動を解除可能に規制する。また、ロック機構は、駆動機構に設けた駆動ばねからの荷重を受ける荷重受け部を有する。
また、エレベーターは、昇降路内を昇降移動する昇降体を備えたエレベーターにおいて、
昇降路内に立設されて昇降体を摺動可能に支持するガイドレールと、昇降体の昇降移動の状態に基づいて昇降体の移動を停止させる非常止め装置と、を備えている。また、非常止め装置としては、上述した非常止め装置が用いられる。
上記構成の非常止め装置及びエレベーターによれば、誤作動を防止し、信頼性の向上を図ることができる。
実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。 実施の形態例にかかる非常止め装置を示す正面図である。 実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構を上方から見た平面図である。 実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構を示す正面図である。 図3に示すA-A線断面図であり、ロック機構及びコアプレートのみを示す。 図3に示すB-B線断面図であり、ロック機構及びコアプレートのみを示す。 実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構が作動した状態を示す正面図である。 実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構が作動した状態を上方から見た平面図である。 実施の形態例にかかる非常止め装置のロック機構における復帰動作の初期状態を示す説明図である。 実施の形態例にかかる非常止め装置のロック機構における復帰動作の初期状態を示す説明図である。 実施の形態例にかかる非常止め装置の作動機構の復帰動作を上方から見た平面図である。
以下、実施の形態例にかかる非常止め装置及びエレベーターについて、図1~図11を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.実施の形態例
1-1.エレベーターの構成例
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本例のエレベーターの構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本例のエレベーター1は、建築構造物内に形成された昇降路110内を昇降動作する。エレベーター1は、人や荷物を載せる昇降体の一例を示す乗りかご120と、主ロープ130と、昇降体の他の例を示す釣合おもり140と、を備えている。また、エレベーター1は、巻上機100と、非常止め装置5とを備えている。
また、エレベーター1は、制御部170と、反らせ車150と、を備えている。なお、昇降路110は、建築構造物内に形成され、その頂部には機械室160が設けられている。
機械室160には、巻上機100と、反らせ車150が配置されている。巻上機100における付図の綱車には、主ロープ130が巻き掛けられている。また、巻上機100の近傍には、主ロープ130が装架される反らせ車150が設けられている。
主ロープ130の一端には、乗りかご120の上部が接続され、主ロープ130の他端には、釣合おもり140の上部が接続されている。巻上機100が駆動することで、乗りかご120及び釣合おもり140が昇降路110を昇降する。以下、乗りかご120及び釣合おもり140が昇降移動する方向を昇降方向Zとする。
乗りかご120は、不図示のガイド装置を介して2つのガイドレール201A、201Bに摺動可能に支持されている。同様に、釣合おもり140は、おもり側ガイドレール201Cに不図示のガイド装置を介して摺動可能に支持されている。2つのガイドレール201A、201Bと、おもり側ガイドレール201Cは、昇降路110内において昇降方向Zに沿って延在する。
また、乗りかご120には、乗りかご120の昇降移動を非常停止させる非常止め装置5が設けられている。非常止め装置5の詳細な構成については、後述する。
さらに、機械室160には、制御部170が設置されている。制御部170は、不図示の接続配線を介して乗りかご120に接続されている。そして、制御部170は、乗りかご120に制御信号を出力する。また、制御部170は、昇降路110内に設置されて、乗りかご120の状態を検出する不図示の状態検出センサが接続されている。
状態検出センサが検出する情報としては、昇降路110内を昇降移動する乗りかご120の位置情報、乗りかご120の速度情報や、乗りかご120の加速度情報等である。乗りかご120の位置情報としては、例えば、同一の昇降路110内に複数の乗りかご120が昇降移動するマルチカーエレベーターにおいて、上下に隣接する2つの乗りかご120の間隔が所定の間隔よりも接近した際に検出される異常接近情報である。
また、乗りかご120の速度情報としては、例えば、乗りかご120の下降速度が定格速度を超えて所定の速度に達した際に検出される異常下降速度情報である。そして、乗りかご120の加速度情報としては、例えば、乗りかご120の加速度が予め設定されたパターンから逸脱した際に検出される異常加速度情報である。状態検出センサは、検出した情報を制御装置に出力する。
制御部170は、状態検出センサで検出された情報に基づいて乗りかご120の状態が異常か正常であるかを判断する。そして、制御部170は、乗りかご120の状態が異常であると判断した場合、非常止め装置5に動作指令信号を出力する。これにより、非常止め装置5は、制御部170からの動作指令信号に基づいて、作動して、乗りかご120を停止させる。
なお、本例では、状態検出センサが、位置情報、速度情報及び加速度情報を検出する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、位置情報、速度情報及び加速度情報をそれぞれ異なるセンサで検出してもよい。さらに、制御部170は、位置情報、速度情報、加速度情報を選択して単独で取得してもよく、あるいは複数の情報を組み合わせて取得してもよい。
なお、制御部170と乗りかご120は、有線により接続される例に限定されるものではなく、無線により信号が送受信可能に接続されていてもよい。
以下、乗りかご120が昇降移動する方向を昇降方向Zとし、昇降方向Zと直交し、乗りかご120とガイドレール201Aと対向する方向を第1の方向Xとする。そして、第1の方向Xと直交し、かつ昇降方向Zとも直交する方向を第2の方向Yとする。
1-2.非常止め装置の構成
次に、非常止め装置5の詳細な構成について図2~図6を参照して説明する。
図2は、非常止め装置5を示す正面図である。
図2に示すように、非常止め装置5は、2つの制動機構10A、10Bと、作動機構11と、制動機構10A、10Bを動作させる駆動機構12と、第1引き上げ棒13と、第2引き上げ棒14と、を有している。作動機構11は、乗りかご120の上部に設けられたクロスヘッド121に配置されている。
[駆動機構]
駆動機構12は、駆動軸15と、第1リンク部材16と、第2リンク部材17と、第1作動軸18と、第2作動軸19と、駆動ばね20とを有している。
第1作動軸18及び第2作動軸19は、乗りかご120の上部に設置されたクロスヘッド121に設けられている。第1作動軸18は、クロスヘッド121における第1の方向Xの一端部に設けられ、第2作動軸19は、クロスヘッド121における第1の方向Xの他端部に設けられている。第1作動軸18には、第1リンク部材16が回動可能に支持されており、第2作動軸19には、第2リンク部材17が回動可能に支持されている。
第1リンク部材16及び第2リンク部材17は、略T字状に形成されている。第1リンク部材16は、作動片16aと、接続片16bとを有している。作動片16aは、接続片16bから略垂直に突出している。また、作動片16aは、接続片16bの長手方向における中間部よりも一端部側に接続されている。そして、作動片16aは、乗りかご120の第1の方向Xのマイナス側(図中の左側をいう。以下、図中のXYZ軸における紙面の左側及び紙面の下側をマイナス側とし、XYZ軸にける紙面の右側及び紙面の上側をプラス側とする。)に配置されたガイドレール201Aに向けて突出している。作動片16aにおける接続片16bとは反対側の端部には、接続部26を介して第1引き上げ棒13が接続されている。
第1リンク部材16は、作動片16aと接続片16bが接続する箇所において第1作動軸18に回動可能に支持される。接続片16bにおける長手方向の一端部には、接続部25を介して駆動軸15が接続されている。また、接続片16bにおける駆動軸15と接続する端部とは反対側の端部、すなわち長手方向の他端部には、後述する作動機構11の接続部材41が接続されている(図3参照)。
第1リンク部材16は、接続片16bにおける長手方向の一端部を昇降方向Zの上方に向け、接続片16bにおける長手方向の他端部を昇降方向Zの下方に向けて配置される。
第2リンク部材17は、作動片17aと、接続片17bとを有している。作動片17aは、接続片17bから略垂直に突出している。また、作動片17aは、接続片17bにおける長手方向の中間部に接続されている。そして、作動片17aは、乗りかご120の第1の方向Xのプラス側に配置されたガイドレール201Bに向けて突出している。作動片17aにおける接続片17bとは反対側の端部には、接続部28を介して第2引き上げ棒14が接続されている。
接続片17bにおける長手方向の他端部には、接続部27を介して駆動軸15が接続されている。そして、第2リンク部材17は、作動片17aと接続片17bの接続箇所において第2作動軸19に回動可能に支持される。また、第2リンク部材17は、接続片17bにおける長手方向の一端部を昇降方向Zの上方に向け、接続片17bにおける長手方向の他端部を昇降方向Zの下方に向けて配置される。
駆動軸15における第1の方向Xの一端部は、第1リンク部材16の接続片16bに接続されており、駆動軸15における第1の方向Xの他端部は、第2リンク部材17の接続片17bに接続されている。また、駆動軸15の軸方向の中間部には、駆動ばね20が設けられている。
駆動ばね20は、例えば、圧縮コイルばねにより構成されている。駆動ばね20の一端部は、固定部21を介してクロスヘッド121に固定されており、駆動ばね20の他端部は、押圧部材22を介して駆動軸15に固定されている。そして、駆動ばね20は、押圧部材22を介して駆動軸15を第1の方向Xのプラス側に向けて付勢している。
作動機構11が作動すると、駆動軸15は、駆動ばね20によって付勢されて、第1の方向Xのプラス側に向けて移動する。これにより、第1リンク部材16は、作動片16aにおける第1引き上げ棒13が接続された端部が昇降方向Zの上方を向くように第1作動軸18を中心に回動する。また、第2リンク部材17は、作動片17aにおける第2引き上げ棒14が接続された端部が昇降方向Zの上方を向くように第2作動軸19を中心に回動する。その結果、第1引き上げ棒13と第2引き上げ棒14が連動して、昇降方向Zの上方に向けて引き上げられる。
また、第1引き上げ棒13における作動片16aが接続された端部とは反対側の端部には、第1制動機構10Aが接続されている。第2引き上げ棒14における作動片17aが接続された端部とは反対側の端部には、第2制動機構10Bが接続されている。そして、第1引き上げ棒13は、後述する第1制動機構10Aの一対の制動子を昇降方向Zの上方に向けて引き上げる。また、第2引き上げ棒14は、後述する第2制動機構10Bの一対の制動子を昇降方向Zの上方に向けて引き上げる。
[制動機構]
第1制動機構10A及び第2制動機構10Bは、乗りかご120の昇降方向Zの下端部に配置されている。第1制動機構10Aは、乗りかご120の第1の方向Xの一端部において、ガイドレール201Aと対向して配置されている。また、第2制動機構10Bは、乗りかご120の第1の方向Xの他端部においてガイドレール201Bと対向して配置されている。
第1制動機構10Aと第2制動機構10Bは、それぞれ同一の構成を有している。第1制動機構10Aと第2制動機構10Bは、ガイドレール201A、201Bを挟持可能な制動子を有している。駆動機構12が駆動することで、第1制動機構10A及び第2制動機構10Bは、制動子を用いてガイドレール201A、201Bを挟持する。これにより、乗りかご120の昇降移動が制動される。
[作動機構]
次に、図3から図6を参照して作動機構11について説明する。
図3は、作動機構11を上方から見た平面図、図4は、作動機構11を示す正面図、なお、図3及び図4は、作動機構11の待機状態を示している。
図3及び図4に示すように、作動機構11は、接続部材41と、電磁コア43と、可動鉄心44と、ベースプレート45と、駆動モータ46と、を備えている。また、作動機構11は、送りねじ軸47と、コアプレート49と、ガイド部材51と、ロック機構60を備えている。そして、作動機構11は、駆動機構12を作動させる。
ベースプレート45は、平板状の部材により形成されている。ベースプレート45は、クロスヘッド121に固定されている。なお、ベースプレート45を固定する箇所は、クロスヘッド121に限定されるものではなく、昇降体である乗りかご120であれば特に限定されるものではない。ベースプレート45における昇降方向Zの上面部には、支持ブラケット52と、固定ブラケット53と、第1軸支持部54と、第2軸支持部55が固定されている。
支持ブラケット52は、ベースプレート45における第2の方向Yの一端部に配置され、固定ブラケット53、第1軸支持部54及び第2軸支持部55は、ベースプレート45における第2の方向Yの他端部に配置されている。支持ブラケット52には、ガイド部材51が固定されている。ガイド部材51は、ベースプレート45における第1の方向Xと平行に配置されている。そのため、ガイド部材51のガイド方向は、第1の方向Xと平行である。このガイド部材51は、後述するコアプレート49を第1の方向Xに沿って移動可能に支持する。
固定ブラケット53は、ベースプレート45における第1の方向Xの一端部に配置されている。また、第1軸支持部54は、ベースプレート45における第1の方向Xの一端部に配置され、第2軸支持部55は、ベースプレート45における第1の方向Xの他端部に配置されている。第1軸支持部54は、固定ブラケット53よりも第1の方向Xの他端部に配置される。
固定ブラケット53には、移動機構の一例を示す駆動モータ46が固定されている。駆動モータ46の回転軸46aは、固定ブラケット53から第1の方向Xの他端部に向けて突出している。駆動モータ46の回転軸には、送りねじ軸47が取り付けられている。
送りねじ軸47は、駆動モータ46から第1の方向Xの他端部に向けて突出する。送りねじ軸47の軸方向の一端部は、第1軸支持部54に回転可能に支持され、送りねじ行く47の軸方向の他端部は、第2軸支持部55に回転可能に支持されている。そして、送りねじ軸47は、その軸方向が第1の方向Xと平行に配置される。また、送りねじ軸47としては、例えば、台形ねじやボールねじが適用される。送りねじ軸47には、後述するコアプレート49に設けたねじ孔49bが螺合する。
駆動モータ46は、制御部170により駆動が制御されている。駆動モータ46が正回転(正転)すると、後述するコアプレート49は第1の方向Xの一端部、すなわち第1の方向Xのマイナス側へ移動する。そして、駆動モータ46が逆回転(逆転)すると、コアプレート49は第1の方向Xの他端部、すなわち第1の方向Xのプラス側へ移動する。
次に、接続部材41について説明する。
接続部材41は、接続ピン42を介して接続片16bに揺動可能に接続されている。接続部材41における接続片16bと接続する側の端部とは反対側の端部には可動鉄心44が固定されている。可動鉄心44の対向面44aには、電磁コア43が対向する。そして、図3及び図4に示す待機状態において、可動鉄心44は、電磁コア43に吸着される。
電磁コア43は、ガイド部材51と送りねじ軸47の間に配置される。電磁コア43には、コイルが設けられている。コイルが通電されると、電磁コア43とコイルにより電磁石が構成される。そして、電磁コア43における可動鉄心44の対向面44aと対向する面が、可動鉄心44を吸着する吸着面43aとなる。
電磁コア43における吸着面43aとは反対側の端部には、コアプレート49が固定されている。コアプレート49には、スライド孔49aと、螺合部を示すねじ孔49bが形成されている。スライド孔49a及びねじ孔49bは、コアプレート49を第1の方向Xに沿って貫通する。
スライド孔49aは、コアプレート49における第2の方向Yの一端部に形成されている。スライド孔49aは、ガイド部材51に摺動可能に支持されている。そのため、コアプレート49及びこのコアプレート49に固定された電磁コア43は、ガイド部材51により第1の方向Xに沿って移動可能に支持される。
また、ねじ孔49bは、コアプレート49における第2の方向Yの他端部に設けられている。ねじ孔49bの内壁面には、雌ねじが形成されている。このねじ孔49bには、送りねじ軸47が挿通する。そして、ねじ孔49bの内壁面に形成された雌ねじと送りねじ軸47が螺合する。そして、コアプレート49は、ガイド部材51と送りねじ軸47により第1の方向X以外への移動が規制されている。
なお、本例では、螺合部としてコアプレート49にねじ孔49bを設ける例をこれに限定されるものではない。螺合部として、例えば、コアプレート49に送りねじ軸47と螺合する送りナットを設けてもよい。
送りねじ軸47が回転すると、ねじ孔49bにより送りねじ軸47の回転力が第1の方向Xに沿った力に変換される。そして、コアプレートは、第1の方向Xに沿って移動する。また、コアプレート49に固定された電磁コア43も第1の方向Xに沿って移動する。
駆動モータ46及び送りねじ軸47により、電磁コア43を可動鉄心44に対して接近及び離間する方向(本例では、第1の方向X)に移動させる移動機構が構成される。
また、コアプレート49における第2の方向Yの他端部には、複数のローラ49cが設けられている。ローラ49cは、コアプレート49における第1の方向Xの一端部と、コアプレート49における昇降方向Zの上端部に設けられている。第1の方向Xの一端部に設けられたローラ49cは、ねじ孔49bにおける第2の方向Yの両側に配置されている。
次に、ロック機構60について図3、図5及び図6を参照して説明する。図5は、図3に示すA-A線断面図、図6は、図3に示すB-B線断面図である。なお、図5及び図6では、ロック機構60とコアプレート49の一部のみを示す。
図3に示すように、ロック機構60は、ベースプレート45における送りねじ軸47が配置された側、すなわち第2の方向Yの他端部に配置されている。ロック機構60は、ベースプレート45における第2軸支持部55の近傍である第1の方向Xの他端部に配置されている。ロック機構60は、待機状態においてコアプレート49における第1の方向Xの一端部、すなわち第1の方向Xのマイナス側に向かう移動を規制する。
図5及び図6に示すように、ロック機構60は、保持ソレノイド61と、レバー62と、一対のストッパー63、63と、複数のガイド支柱64と、付勢部材67とを有している。保持ソレノイド61は、ベースプレート45に設置されている。また、保持ソレノイド61の周囲を囲むようにして複数のガイド支柱64が配置されている。荷重受け部を示す複数のガイド支柱64は、ベースプレート45の上面部から昇降方向Zの上方に向けて立設している。
また、保持ソレノイド61のプランジャ61aは、ガイド支柱64と同様に、昇降方向Zの上方に向けて突出している。プランジャ61aの先端部には、レバー62が配置されている。
レバー62は、ガイド支柱64によって昇降方向Zに沿って移動可能に支持されている。また、レバー62における第2の方向Yの一端部は、複数のガイド支柱64のうち第2の方向Yの一端部に配置された2つのガイド支柱64、64の間に挿入されている。そして、レバー62は、複数にガイド支柱64によって第1の方向Xへの移動が規制されている。なお、レバー62の第2の方向Yの一端部は、送りねじ軸47に向けて突出している。
レバー62と保持ソレノイド61との間には、付勢部材67が介在されている。付勢部材67は、保持ソレノイド61のプランジャ61aに取り付けられている。そして、付勢部材67は、レバー62を昇降方向Zの上方に向けて付勢している。本例の付勢部材67としては、コイルばねが適用されている。なお、付勢部材67としては、コイルばね以外にゴムや板ばね等その他各種の弾性を有する部材を用いてもよい。
レバー62における複数のガイド支柱64から突出する端部、すなわち第2の方向Yの一端部には、一対のストッパー63、63が設けられている。一対のストッパー63、63は、接続片65を介して接続されており、第2の方向Yに沿って間隔を空けて配置されている。接続片65は、ストッパー63における昇降方向Zの下端部に設けられている。そして、接続片65は、送りねじ軸47よりも昇降方向Zの下端部側に配置される。
また、待機状態において、一対のストッパー63、63は、コアプレート49の第2の方向Yの他端部と対向する。そして、一対のストッパー63、63における第1の方向Xの他端部は、コアプレート49に設けたローラ49cに接触する。また、一対のストッパー63、63は、送りねじ軸47の第2の方向Yの両側に配置される。
なお、ストッパー63を2つ設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、ストッパー63の数は、1つだけでもよく、あるいは3つ以上設けてもよい。
ストッパー63におけるコアプレート49と対向する端部とは反対側の端部、すなわち第1の方向Xの一端部には、テーパー面63aが形成されている。テーパー面63aは、第1の方向Xの他端部から一端部に向かうにつれて昇降方向Zの高さが連続して小さくなるように傾斜している。復帰動作時において、テーパー面63aには、コアプレート49に設けたローラ49cが接触する。
また、上述した作動機構11を構成する接続部材41、電磁コア43、可動鉄心44と、ベースプレート45、駆動モータ46、送りねじ軸47及びコアプレート49は、不図示の筐体の中に収容される。このように、接続部材41や、保持部を構成する電磁コア43移動機構を構成する送りねじ軸47や駆動モータ46を一つの筐体に収容することで、非常止め装置5が大型化することを抑制することができる。また、作動機構11の機能を一箇所に集約することで、メンテナンス作業も容易に行うことができる。
なお、上述した実施の形態例では、電磁コアと可動鉄心を1つずつ設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、電磁コアと可動鉄心の数を2つ以上設けてもよい。
また、上述したように、駆動ばね20を作動機構11とは別の位置に配置し、リンク機構である第1リンク部材16を介して駆動ばね20と作動機構11とを接続している。これにより、作動機構11の小型化を図ることができる。
なお、駆動モータ46及び送りねじ軸47を配置する位置は、上述した例に限定されない。例えば、駆動モータ46をベースプレート45の第1の方向Xの他端部側に配置してもよい。あるいは、コアプレート49の第2の方向Yの中間部にねじ孔49bを設け、駆動モータ46及び送りねじ軸47をコアプレート49における第2の方向Yの中間部に配置してもよい。この場合、ロック機構60は、ガイド部材51側に配置される。
2.非常止め装置の動作例
次に、上述した構成を有する非常止め装置5の動作例について図3~図11を参照して説明する。なお、ここでは、非常止め装置5における作動機構11の動作について説明する。
[待機状態での動作]
まず、図3から図6を参照して非常止め装置5の待機状態について説明する。
図3から図6に示すように、非常止め装置5の待機状態では、コアプレート49及び電磁コア43は、送りねじ軸47における第1の方向Xの他端部側に配置される。また、電磁コア43のコイルが通電されており、電磁コア43が励磁されている。これにより、電磁コア43とコイルによる電磁石が構成される。
電磁コア43の吸着面43aに可動鉄心44が吸着される。そのため、可動鉄心44が固定された接続部材41を介して、第1リンク部材16の接続片16bの一端部を第1の方向Xのプラス側に向けて保持する。その結果、接続片16bの他端部に接続された駆動軸15は、駆動ばね20の付勢力に抗して、第1の方向Xのマイナス側に付勢される。
なお、待機状態では、駆動ばね20の付勢力が、第1リンク部材16、接続部材41及び可動鉄心44を介して電磁コア43に作用する。そのため、電磁コア43及びコアプレート49は、第1の方向Xの一端部側、すなわちマイナス側に向けて付勢される。この付勢力により、電磁コア43が第1の方向Xのマイナス側に移動するおそれがある。
しかしながら、本例の非常止め装置5では、上述したように、コアプレート49がロック機構60のストッパー63により第1の方向Xへの移動が規制されている。これにより、駆動ばね20の付勢力により電磁コア43が第1の方向Xのマイナス側に移動することを防止することができる。その結果、非常止め装置5の制動機構10A、10Bが誤作動することを防止することができ、非常止め装置5の信頼性を高めることができる。
また、ストッパー63及びレバー62には、コアプレート49を介して第1の方向Xのマイナス側に向かう荷重を受ける。そして、レバー62及びストッパー63にかかる荷重は、ガイド支柱64が受ける。そのため、保持ソレノイド61や付勢部材67には、駆動ばね20の付勢力がかからない。これにより、保持ソレノイド61や付勢部材67の小型化を図ることができる。
なお、本例では、荷重受け部としてレバー62及びストッパー63を移動可能に支持するガイド支柱64を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、駆動ばね20からの荷重を受ける荷重受け部を、ガイド支柱64とは別に設けてもよい。
さらに、保持ソレノイド61のプランジャ61a及び付勢部材67の伸縮方向は、昇降方向Zを向いており、電磁コア43やコアプレート49が駆動ばね20の付勢力を受ける方向である第1の方向Xと直交している。すなわち、力のベクトルの向きが直交するため、保持ソレノイド61や付勢部材67は、駆動ばね20の付勢力により伸縮することがない。これにより、ロック機構60が駆動ばね20の付勢力により解除されることを防止することができ、非常止め装置5の信頼性を高めることができる。
また、送りねじ軸47のねじ部に台形ねじを適用することで、送りねじ軸47のねじ部とコアプレート49のねじ孔49bは、面接触する。そのため、ねじ部とねじ孔との間にボールを設けたボールねじよりも送りねじ軸47とねじ孔49bとの摩擦力及びコアプレート49の保持力を高めることができる。そのため、台形ねじを適用することで、送りねじ軸47とねじ孔49bが直線運動を回転運動に変換する、いわゆる逆作動することを防止することができる。
これにより、駆動ばね20の付勢力により、意図に反して送りねじ軸47が回転し、電磁コア43及び可動鉄心44が第1の方向Xのマイナス側に移動することを防ぐことができる。その結果、制動機構10A、10Bが誤作動することを防ぐことができる。
なお、送りねじ軸47としてボールねじを適用することで、後述する復帰動作において、台形ねじを適用した場合よりも、コアプレート49の移動をスムーズに行うことができる。
[制動状態への動作]
次に、図7及び図8を参照して待機状態から制動状態への動作について説明する。
図7は、作動機構11が作動した状態を示す正面図、図8は、作動機構11が作動した状態を示す平面図である。
乗りかご120(図1及び図2参照)が下降移動時において、乗りかご120の下降速度が所定の速度を超過したことを制御部170が判断すると、制御部170は、非常止め装置5に動作指令信号を出力する。これにより、電磁コア43への通電が遮断される。
電磁コア43への通電が遮断されることで、電磁コア43の磁性が消去される。これにより、図7に示すように、駆動軸15は、駆動ばね20の付勢力により第1の方向Xのプラス側へ移動し、第1リンク部材16の一端部も駆動軸15と共に第1の方向Xのプラス側へ移動する。その結果、第1リンク部材16が第1作動軸18を中心に回動し、第2リンク部材17が第2作動軸19を中心に回動する。このように、作動機構11により駆動機構12が作動する。
また、図7及び図8に示すように、第1リンク部材16が回動することで、可動鉄心44が電磁コア43から分離する。第1リンク部材16の回動に伴って、接続部材41は、第1の方向Xのマイナス側に移動する。さらに、接続部材41は、第1の方向Xのマイナス側に移動する際に、接続ピン42を中心に揺動する。
第1リンク部材16及び第2リンク部材17が回動することで、第1引き上げ棒13と第2引き上げ棒14が連動して、昇降方向Zの上方に向けて引き上げられる。そして、第1引き上げ棒13に接続された第1制動機構10Aと、第2引き上げ棒14に接続された第2制動機構10B(図2参照)が作動する。その結果、第1制動機構10A及び第2制動機構10Bの一対の制動子が昇降方向Zの上方に移動し、第2引き上げ棒14に連結する第2制動機構10Bの一対の制動子がガイドレール201A、201Bを挟持することで、乗りかご120の昇降移動が機械的に停止される。
また、第1リンク部材16を介して駆動機構12に接続された可動鉄心44は、電磁コア43から分離する。これにより、移動機構である送りねじ軸47とねじ孔49bとの摩擦力や、ロック機構60の影響を受けることなく、接続部材41を移動させて、駆動機構12を確実に作動させることができる。その結果、非常止め装置5の信頼性を高めることができる。
なお、本例の非常止め装置5では、作動機構11内に可動鉄心44を保持する保持部と、可動鉄心44を制動状態から待機位置に復帰させる復帰部を設けている。そのため、可動鉄心44及び接続部材41が移動する際に、作動機構11の他の部材と干渉するおそれがある。
これに対して、本例の作動機構11では、駆動モータ46や送りねじ軸47を、電磁コア43や可動鉄心44よりも第2の方向Yの他端部側に配置している。すなわち、駆動モータ46や送りねじ軸47は、可動鉄心44や接続部材41の移動する軌道から離れた位置に配置されている。このように、待機状態から制動状態へ移行動作する際に、第1リンク部材16に接続された可動鉄心44や接続部材41は、送りねじ軸47等の作動機構11を構成する他の部材と干渉することがない。
これにより、第1リンク部材16をスムーズに回動させることができ、駆動機構12をスムーズに作動させることができる。その結果、制動機構10A、10Bを素早く作動させることができ、非常止め装置5の信頼性を高めることができる。
[復帰動作]
次に、図9~図11を参照して作動機構11における制動状態から待機状態に復帰する復帰動作について説明する。
図9及び図10は、ロック機構60における復帰動作の初期状態を示す図、図11は、作動機構11の復帰動作を示す図である。
まず、制御部170は、電源を制御し、電磁コア43のコイルに通電する。これにより、コイルが通電されることで、電磁コア43は、励磁する。次に、制御部170は、ロック機構60の保持ソレノイド61を駆動させる。これにより、図9及び図10に示すように、保持ソレノイド61は、プランジャ61aを吸引する。そして、レバー62は、付勢部材67の付勢力に抗して、保持ソレノイド61に接近する方向、すなわち昇降方向Zの下方に向けて移動する。
レバー62が昇降方向Zの下方に移動することで、レバー62に接続された一対のストッパー63は、コアプレート49よりも昇降方向Zの下方に移動し、コアプレート49から離間する。これにより、コアプレート49における第1の方向Xのマイナス側が開放される。
ここで、コアプレート49における一対のストッパー63と接触する箇所には、ローラ49cが設けられている。ローラ49cにより、ストッパー63が移動する際の摩擦抵抗を低減することができる。その結果、レバー62及びストッパー63を移動させる保持ソレノイド61の小型化を図ることができる。
なお、ストッパー63とコアプレート49との摩擦力が小さい場合は、ローラ49cを設けなくてもよい。また、保持ソレノイド61を駆動させる前に、駆動モータ46を逆回転で駆動し、コアプレート49を第1の方向Xのプラス側に移動させてもよい。これにおり、コアプレート49がストッパー63から離れるため、コアプレート49によりストッパー63への摩擦力をなくすことができ、レバー62及びストッパー63をよりスムーズに移動させることができる。
レバー62及びストッパー63が昇降方向Zの下方に移動すると、制御部170は、駆動モータ46を正回転で駆動し、送りねじ軸47を回転させる。送りねじ軸47が回転することで、送りねじ軸47とコアプレート49のねじ孔49bにより送りねじ軸47の回転力が第1の方向Xに沿った力に変換される。そのため、図11に示すように、コアプレート49は、ガイド部材51にガイドされて、第1の方向Xのマイナス側に移動する。さらに、コアプレート49に固定された電磁コア43も可動鉄心44に接近する向き、すなわち第1の方向Xのマイナス側に移動する。
コアプレート49がストッパー63よりも第1の方向Xのマイナス側に移動すると、制御部170は、保持ソレノイド61の駆動を解除する。これにより、レバー62及びストッパー63は、付勢部材67の付勢力により昇降方向Zの上方に向けて移動する。
次に、電磁コア43の吸着面43aが可動鉄心44の対向面44aに接触すると、可動鉄心44が電磁コア43の吸着面43aに吸着される。このとき、接続部材41は、接続ピン42を中心に回動する。
可動鉄心44が電磁コア43に吸着されると、制御部170は、駆動モータ46を逆回転で駆動し、送りねじ軸47を回転させる。これにより、送りねじ軸47に螺合するコアプレート49が第1の方向Xのプラス側に向けて移動する。そのため、コアプレート49、電磁コア43、電磁コア43に吸着された可動鉄心44及び接続部材41が第1の方向Xのプラス側に向けて移動する。
接続部材41が第1の方向Xのプラス側に移動することで、第1リンク部材16は、駆動ばね20の付勢力に抗して、回動する。コアプレート49が第1の方向Xのプラス側に移動すると、コアプレート49のローラ49cがストッパー63のテーパー面63aに接触する。そして、コアプレート49がさらに第1の方向Xのプラス側に移動すると、ストッパー63及びレバー62は、コアプレート49により昇降方向Zの下方に向けて押圧される。そのため、ストッパー63及びレバー62は、付勢部材67の付勢力に抗して昇降方向Zの下方に向けて移動する。
このように、ストッパー63にテーパー面63aを設けたことで、コアプレート49を待機位置に戻す際に、保持ソレノイド61を駆動させることなく、ストッパー63及びレバー62を押し下げることができる。そのため、保持ソレノイド61が駆動する回数は、コアプレート49が第1の方向Xのマイナス側に移動するときの1回だけでよい。
ここで、比較的小型のソレノイドで比較的長い時間駆動させると、ソレノイドが発熱する。そのため、耐熱性能の大きい大型のソレノイドが必要となる。これに対して、本例の作動機構11では、保持ソレノイド61の駆動回数及び駆動時間を短縮することができ、保持ソレノイド61の発熱を抑制することができる。その結果、小型の保持ソレノイド61を用いることができる。さらに、保持ソレノイド61の駆動回数の短縮を図ることができるため、復帰作業にかかる保持ソレノイド61の制御を容易にすることができる。さらに、ローラ49cによりコアプレート49とストッパー63との摩擦抵抗を低減することができ、コアプレート49をスムーズに移動させることができる。
また、コアプレート49がストッパー63よりも第1の方向Xのプラス側に移動すると、ストッパー63及びレバー62は、付勢部材67の付勢力により昇降方向Zの上方に向けて移動する。そして、可動鉄心44及び電磁コア43が図3及び図4に示す待機位置まで移動すると、制御部170は、駆動モータ46の駆動を停止する。これにより、作動機構11の復帰動作が完了する。
また、本例の作動機構11では、ロック機構60をコアプレート49における送りねじ軸47側に配置した例を説明したが、これに限定されるものではなく、ロック機構60をコアプレート49におけるガイド部材51側に配置してもよい。
なお、ロック機構60をガイド部材51側に配置した場合、コアプレート49の戻り時においてコアプレート49がストッパー63に接触する箇所とねじ孔49bとの間隔が長くなる。その結果、ストッパー63及びレバー62を押し下げるために必要なモーメントが大きくなる。したがって、コアプレート49にかかるモーメントを小さくするために、ロック機構60は、コアプレート49における駆動モータ46からの力が伝達されるねじ孔49b側の近傍、すなわち送りねじ軸47側に配置することが好ましい。
なお、電磁コア43やコアプレート49の位置の検出は、機械式のスイッチや光学式のスイッチ等を用いて行ってもよい。さらに、可動鉄心44と電磁コア43の吸着動作の検出は、電磁コア43のコイルに流れる電流値から判断してもよい。
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態例では、作動機構11の電磁コアが移動する方向を第1の方向Xと略平行に設定した例を説明したが、これに限定されるものではない。作動機構11の電磁コアの移動方向は、昇降方向Zや第2の方向Yと略平行に設定してもよく、あるいは第1の方向X、第2の方向Yや昇降方向Zに対して傾斜した方向であってもよい。また、第1リンク部材16及び第2リンク部材17を乗りかご120における第2の方向Yの両端部に配置し、駆動軸15を第2の方向Yに沿って配置してもよい。
また、昇降体としては乗りかご120に限定されるものではなく、釣合おもり140を適用してもよい。そして、非常止め装置を釣合おもり140に設け、釣合おもり140の昇降移動を非常停止させてもよい。この場合、非常止め装置を構成する作動機構や駆動機構等は、釣合おもり140に配置される。
また、上述した実施の形態例では、非常止め装置の制御する制御部として、エレベーター1全体を制御する制御部170を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。制御部としては、乗りかご120に設けられて乗りかご120のみを制御する制御部や非常止め装置のみを制御する制御部等その他各種の制御部を適用できるものである。
さらに、エレベーターとして一つ昇降路内を複数の乗りかごが昇降移動するマルチカーエレベーターにも適用できるものである。
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
1…エレベーター、 5…非常止め装置、 10A、10B…第1制動機構、 11、11B…作動機構、 12…駆動機構、 13、14…引き上げ棒、 15…駆動軸、 16…第1リンク部材、 17…第2リンク部材、 16a、17b…作動片、 16b、17b…接続片、 18…第1作動軸、 19…第2作動軸、 20…駆動ばね、 41…接続部材、 43…電磁コア、 43a…吸着面、 44…可動鉄心、 44a…対向面、 45…ベースプレート、 46…駆動モータ、 46a…回転軸、 47…送りねじ軸、 49…コアプレート、 49a…スライド孔、 49b…ねじ孔、 49c…ローラ、 53…固定ブラケット、 54…第1軸支持部、 55…第2軸支持部、 60…ロック機構、 61…保持ソレノイド、 61a…プランジャ、 62…レバー、 63…ガイド部、 63a…テーパー面、 64…ガイド支柱(荷重受け部)、 65…接続片、 67…付勢部材、 100…巻上機、 110…昇降路、 120…乗りかご(昇降体)、 121…クロスヘッド、 130…主ロープ、 140…釣合おもり(昇降体) 150…反らせ車、 160…機械室、 170…制御部、 201A、201B…ガイドレール

Claims (7)

  1. 昇降体に設けられ、かつ前記昇降体が摺動するガイドレールを挟持して前記昇降体の移動を停止させる制動機構と、
    前記制動機構に接続し、前記制動機構を動作させる駆動機構と、
    前記駆動機構に接続され、前記駆動機構を作動させる作動機構と、を備え、
    前記作動機構は、
    前記駆動機構に接続されて、前記駆動機構と共に可動する接続部材と、
    前記接続部材に固定された可動鉄心と、
    前記可動鉄心を分離可能に吸着する電磁コアと、
    前記電磁コアを前記可動鉄心に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持する移動機構と、
    前記移動機構に接触し、前記電磁コアの移動を解除可能に規制するロック機構と、を備え、
    前記ロック機構は、前記駆動機構に設けた駆動ばねからの荷重を受ける荷重受け部を有する
    非常止め装置。
  2. 前記ロック機構は、
    前記移動機構に接触するストッパーが設けられたレバーと、
    前記レバーを移動させることで、前記ストッパーを前記移動機構に接触及び離間させる保持ソレノイドと、
    前記レバーを移動可能に支持するガイド支柱と、を有し、
    前記荷重受け部は、前記ガイド支柱である
    請求項1に記載の非常止め装置。
  3. 前記保持ソレノイドにおける前記レバーを移動させる方向は、前記駆動ばねからの荷重を受ける方向と直交する
    請求項2に記載の非常止め装置。
  4. 前記移動機構は、
    駆動モータと、
    前記駆動モータにより回転駆動する送りねじ軸と、
    前記電磁コアに固定され、前記送りねじ軸と螺合する螺合部を有するコアプレートと、を有し、
    前記ストッパーは、前記コアプレートに接触及び離間する
    請求項2に記載の非常止め装置。
  5. 前記コアプレートにおける前記ストッパーと接触する箇所には、ローラが設けられる
    請求項4に記載の非常止め装置。
  6. 前記ストッパーは、前記コアプレートにおける前記螺合部が設けられた端部に接触する
    請求項4に記載の非常止め装置。
  7. 昇降路内を昇降移動する昇降体を備えたエレベーターにおいて、
    前記昇降路内に立設されて前記昇降体を摺動可能に支持するガイドレールと、
    前記昇降体の昇降移動の状態に基づいて前記昇降体の移動を停止させる非常止め装置と、を備え、
    前記非常止め装置は、
    前記昇降体に設けられ、かつ前記ガイドレールを挟持して前記昇降体の移動を停止させる制動機構と、
    前記制動機構に接続し、前記制動機構を動作させる駆動機構と、
    前記駆動機構に接続され、前記駆動機構を作動させる作動機構と、を備え、
    前記作動機構は、
    前記駆動機構に接続されて、前記駆動機構と共に可動する接続部材と、
    前記接続部材に固定された可動鉄心と、
    前記可動鉄心を分離可能に吸着する電磁コアと、
    前記電磁コアを前記可動鉄心に対して接近及び離間する方向に移動可能に支持する移動機構と、
    前記移動機構に接触し、前記電磁コアの移動を解除可能に規制するロック機構と、を備え、
    前記ロック機構は、前記駆動機構に設けた駆動ばねからの荷重を受ける荷重受け部を有する
    エレベーター。
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