JP7304835B2 - 呼吸器系医薬品粉末及びその製造方法 - Google Patents

呼吸器系医薬品粉末及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、肺到達性が高い呼吸器系医薬品粉末及びその製造方法に関する。
呼吸器系医薬品粉末等の吸入剤は肺局所に直接治療薬を送達させることが可能な製剤であ
る。
治療薬を吸入剤として開発する際には、治療薬を直接微細化すると、表面エネルギーの増
大によって治療薬が凝集し、経肺投与に適した大きさまで微細化することは極めて困難で
ある。そこで、治療薬を吸入剤として用いる場合、多くはキャリア法を用いて微細化した
治療薬を球形の粒子の表面に付着させた医薬品粉末が用いられている。
しかし、簡便な方法で肺深部まで到達できる呼吸器系医薬品粉末については、これまでに
なかった。
特表2019-513837号公報
そこで本発明の目的は、肺到達性が高い呼吸器系医薬品粉末及びその製造方法を提供す
るものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、呼吸器系治療薬とフィトグ
リコーゲン粒子を結着した呼吸器系医薬品粉末として、前記呼吸器系医薬品粉末の平均粒
径と分布幅を特定の値にすることにより、肺到達性が高い呼吸器系医薬品粉末を得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)下記の工程(a)乃至(c)の工程を少なくとも含むフィトグリコーゲン粒子に呼
吸器系治療薬が結着した呼吸器系医薬品粉末の製造方法、
(a)呼吸器系治療薬をエタノールに、フィトグリコーゲンを水に、それぞれ溶解した溶
液を調製する溶液調製工程
b)前記フィトグリコーゲン水溶液に、前記呼吸器系治療薬エタノール溶液を添加、混合
し、エタノール濃度45v/v%以上の含水エタノール混合液を調製する混合液調製工程
(c)前記混合液を乾燥する乾燥工程
(2)(1)において、
前記工程(c)の乾燥工程が、噴霧乾燥である
呼吸器系医薬品粉末の製造方法、
(3)呼吸器系治療薬とフィトグリコーゲン粒子が結着した呼吸器系医薬品粉末であって

前記呼吸器系医薬品粉末の平均粒径がメディアン径で5μm以上、
前記呼吸器系医薬品粉末の分布幅が2.0未満、
であることを特徴とする呼吸器系医薬品粉末、
(4)(3)記載の呼吸器系医薬品粉末において、
以下の測定方法によるカスケードインパクターによるextra-fine particle fraction(eFP
F)の吸入可能割合の値が15%以上であることを特徴とする呼吸器系医薬品粉末、
測定方法
呼吸器系医薬品粉末を10mg充填したカプセル剤(日本薬局方2号HPMCカプセル;
シオノギクオリカプス(株)社製)を製造し、吸入器に装着する。
吸入器をカスケードインパクター(アンダーセンノンバーブルサンプラー、モデルAN―
200 東京ダイレック株式会社製)のマウスピース部に取り付け、28.3L/minの速度で4
秒間吸引することによりカプセル内の微粉末製剤を分散させた後、カプセル、吸入デバイ
スへの呼吸器系医薬品粉末残存量及び各ステージへの呼吸器系医薬品粉末分布量を測定す
る。
ステージ5からステージ7への呼吸器系医薬品粉末分布量をextra-fine particle fracti
on(eFPF)として、以下の式を用いて呼吸器系医薬品粉末のextra-fine particle fraction
(eFPF)の吸入可能割合の値を算出する。
Emitted dose (%)=( Total dose-Capsule dose)/(Total dose)×100
Extra-fine particle fraction (eFPF) (%)=
(mass of particles on stages 5 through 7) /ED ×100、
である。
本発明の呼吸器系医薬品粉末を吸入剤等に使用することにより、肺到達性の高い呼吸器系
医薬品粉末が得られる。
図1は、本発明の実施例1の呼吸器系医薬品粉末の走査型電子顕微鏡による画像である。 図2は、呼吸器系治療薬を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、噴霧乾燥粒子のフィトグリコーゲン粉末を得て、得られたフィトグリコーゲン粉末の走査型電子顕微鏡の走査型電子顕微鏡による画像である。
<呼吸器系医薬品粉末>
本発明による呼吸器系医薬品粉末は呼吸器系治療薬とフィトグリコーゲン粒子が結着した
ものであって、少なくとも、前記呼吸器系医薬品粉末の平均粒径がメディアン径で5μm
以上、前記呼吸器系医薬品粉末の分布幅が2.0未満である。
呼吸器系医薬品粉末が前述の範囲であると肺到達性の高い呼吸器系医薬品粉末が得られる
<呼吸器系医薬品粉末の平均粒径>
本発明の呼吸器系医薬品粉末の平均粒径は、メディアン径で5μm以上であり、さらに7
.5μm以上であるとよく、特に10μm以上であるとよい。
また本発明の呼吸器系医薬品粉末の平均粒径の上限値は特に限定しないが、呼吸器系治療
薬に結着させるフィトグリコーゲンの使用量に応じた効果が得られ難いことから、本発明
の呼吸器系医薬品粉末の平均粒径は、メディアン径で30μm以下であるとよく、さらに
20μm以下であるとよく、特に15μm以下であるとよい。
<呼吸器系医薬品粉末の平均粒径の測定方法>
前記呼吸器系医薬品粉末の平均粒径(メディアン径)の測定は、呼吸器系医薬品粉末サン
プルを、レーザー回折・散乱法により測定した値であり、例えばMT3300EXII(マイクロト
ラック・ベル株式会社製)又はそれと同等の性能を有する機器にて測定することができる

なお、本発明の実施例、比較例、試験例等の呼吸器系医薬品粉末、フィトグリコーゲン粒
子等の平均粒径(メディアン径)の測定は、MT3300EXII(マイクロトラック・ベル株式会
社製)を用いて、以下の方法で行った。
呼吸器系医薬品粉末、フィトグリコーゲン粒子等の平均粒径(メディアン径)の積算体積
粒度10%、50%および90%に該当する粒径(D10、D50およびD90とする)
について、レーザー光散乱回折法粒度測定機MT3300EXII(マイクロトラック・ベル株式会
社製)を用いて、レーザー回折・散乱法により10~100mgの呼吸器系医薬品粉末ま
たはフィトグリコーゲン粒子を、0.40Mpaの空気圧下において、空気中に分散させた
状態で自動測定する。
得られた値のうち、積算体積粒度50%(D50)の値を、それぞれ呼吸器系医薬品粉末
及びフィトグリコーゲン粒子の平均粒径(メディアン径)とした。
(D90は積算体積粒度分布における積算粒度で90%の粒子径(μm)、D50は積算
体積粒度分布における積算粒度で50%の粒子径(μm)、D10は積算体積粒度分布に
おける積算粒度で10%の粒子径(μm)を示す。)
<呼吸器系医薬品粉末の分布幅>
本発明の呼吸器系医薬品粉末は、分布幅が2.0未満であり、さらに1.75未満である
とよい。
また本発明の呼吸器系医薬品粉末の分布幅の下限値は特に限定しないが、均一な呼吸器系
医薬品粉末が得られやすいことから、本発明の呼吸器系医薬品粉末は、分布幅が1.0超
であるとよく、さらに1.25超であるとよい。
なお、本発明の実施例、比較例、試験例等の呼吸器系医薬品粉末、フィトグリコーゲン粒
子等の分布幅については、上記の積算体積粒度10%、50%および90%に該当する粒
径D10、D50、およびD90より、下記の式を用い算出した。
分布幅(SPAN)=(D90-D10)/D50。
<フィトグリコーゲン粒子>
本発明のフィトグリコーゲン粒子は、動物の肝臓や筋肉に多く存在するグリコーゲンと基
本構造が同じである植物由来の冷水可溶な貯蔵多糖類である。フィトグリコーゲンの供給
源としては、植物由来であれば特に限定するものでないが、例えば、トウモロコシ、大麦
、米等の種子が挙げられる。その中でも、スイートコーンの種実は他の植物に比較し、フ
ィトグリコーゲンを高濃度含有していることから、供給源として好ましい。
本発明のフィトグリコーゲン粒子は、市販されているものを用いればよいが、効率的に肺
到達性が高い呼吸器系医薬品粉末を得られやすいことから、フィトグリコーゲン粒子の平
均粒径については、メディアン径で10μm以上50μm以下であるとよく、さらに15
μm以上45μm以下であるとよく、さらに20μm以上40μm以下であると特によく
、また、フィトグリコーゲン粒子の分布幅については、3.0未満であるとよく、さらに
2.0未満であるとよく、さらに1.5未満であると特によい。
<呼吸器系治療薬>
本発明の呼吸器系治療薬に使用される治療薬であればいずれのものでもよく、例えば、リ
ファンピシン、トラニラスト、イトラコナゾール、クロトリマゾール、レボフロキサシン
、ブテゾニド等が挙げられるが、溶液調製工程において、呼吸器系治療薬をエタノールに
溶解しやすいことから、リファンピシン等の疎水性薬物を用いるとよい。また、分子量が
大きいと、粒子密度が大きくなり、本発明の効果を奏する呼吸器系医薬品粉末を得られや
すいことから、分子量150以上の呼吸器系治療薬を用いるとよく、さらに分子量300
以上の呼吸器系治療薬を用いるとよく、特に分子量500以上の呼吸器系治療薬を用いる
とよい。
<呼吸器系医薬品粉末の製造方法>
本発明の呼吸器系医薬品粉末は、上述の呼吸器系治療薬とフィトグリコーゲン粒子を用い
、製造することができる。具体的には、呼吸器系治療薬をエタノールに、フィトグリコー
ゲンを水に、それぞれ溶解した溶液を調製する溶液調製工程の後、前記フィトグリコーゲ
ン水溶液に、前記呼吸器系治療薬エタノール溶液を添加、混合し、エタノール濃度45v
/v%以上の含水エタノール混合液を調製する混合液調製工程を経て、さらに、前記混合
液を乾燥する乾燥工程を経て製造することができる。
さらに、本発明の効果を奏しやすいことから、含水エタノール混合液のエタノール濃度4
7.5v/v%以上であるとよい。
また、含水エタノール混合液のエタノール濃度の上限値については、特に制限はないが、
エタノール濃度が高いと呼吸器系治療薬やフィトグリコーゲンが溶解しにくくなり、効率
的に呼吸器系医薬品粉末を得られ難くなることから含水エタノールのエタノール濃度は6
0v/v%以下であるとよく、さらに55v/v%以下であるとよい。
<溶液調製工程>
本発明の呼吸器系医薬品粉末は、呼吸器系治療薬をエタノールに、フィトグリコーゲンを
水に、それぞれ溶解した溶液を調製する溶液調製工程を有する。
溶液調製工程の方法は、特に制限はなく、種々の方法により常法に準じて、呼吸器系治療
薬をエタノールに、フィトグリコーゲンを水に、それぞれ溶解し、呼吸器系治療薬エタノ
ール溶液とフィトグリコーゲン水溶液を調整すればよい。
なお、呼吸器系治療薬エタノール溶液中の呼吸器系治療薬濃度とフィトグリコーゲン水溶
液中のフィトグリコーゲン濃度については、特に限定はしない。ただし、呼吸器系治療薬
エタノール溶液中の呼吸器系治療薬濃度及び呼吸器系治療薬エタノール溶液中の呼吸器系
治療薬濃度が低い場合は呼吸器系医薬品粉末の収率が下がるという問題あるいは呼吸器系
医薬品粉末中のフィトグリコーゲン粒子に対する呼吸器系治療薬の含量が不均一性になる
といった問題点が生じるため、呼吸器系治療薬エタノール溶液中の呼吸器系治療薬濃度は
0.1mg/mL%以上がよく、フィトグリコーゲン水溶液中のフィトグリコーゲン濃度について
は、1mg/mL以上がよい。
また、呼吸器系治療薬エタノール溶液中の呼吸器系治療薬濃度及び呼吸器系治療薬エタノ
ール溶液中の呼吸器系治療薬濃度が高すぎる場合は、呼吸器系医薬品粉末粒子の凝集や、
密度の高い呼吸器系医薬品粉末粒子が形成できるといった問題点があるため呼吸器系治療
薬エタノール溶液中の呼吸器系治療薬濃度は10mg/mL以下であるとよく、特に1mg/mL以上5
mg/mL以下であるとよくフィトグリコーゲン水溶液中のフィトグリコーゲン濃度について
は、10mg/mL以下であるとよい。
<混合液調製工程>
本発明の呼吸器系医薬品粉末は、上述の溶液調製工程の後に、得られたフィトグリコーゲ
ン水溶液に、呼吸器系治療薬エタノール溶液を添加、混合し、エタノール濃度45v/v
%以上の含水エタノール混合液を調製する混合液調製工程を有する。
混合液調製工程の方法は、特に制限はなく、種々の方法により常法に準じて、得られたフ
ィトグリコーゲン水溶液に、呼吸器系治療薬エタノール溶液を添加、混合すればよいが、
均質な呼吸器系医薬品粉末が得られやすいことから、フィトグリコーゲン水溶液への呼吸
器系治療薬エタノール溶液の添加、混合は緩やかに行うとよい。
具体的には、例えば、ポンプ等を用いて呼吸器系治療薬エタノール溶液を1mL/min以上
10mL/min以下、特に2.5mL/min以上7.5mL/min以下の速度でフィトグリコーゲ
ン水溶液へ添加し、撹拌機等を用いて250rpm以上750rpm以下、特に300r
pm以上600rpm以下の速度で混合するとよい。
<乾燥工程>
本発明の呼吸器系医薬品粉末は、上述の混合工程の後に、得られた混合液を乾燥する乾燥
工程を有する。
乾燥工程の方法は、特に制限はなく、例えば、噴霧乾燥(スプレードライ)、凍結乾燥、
真空乾燥等の種々の方法により常法に準じて、乾燥処理すればよいが、乾燥速度の調整等
により呼吸器系医薬品粉末の粒子径等の調整がしやすいことから、特に噴霧乾燥(スプレ
ードライ)がよい。
また、乾燥工程は、上述した混合工程と同時に行ってもよい。
本発明において「カスケードインパクターによる呼吸器系医薬品粉末のextra-fine parti
cle fraction(EFPF)の吸入可能割合」は、患者の肺深部に到達する呼吸器系医薬品粉末の
割合の指標をさす。
一般にextra-fine particle fraction(EFPF).の吸入可能割合は、従来の薬局方に掲載さ
れる手順に従って、アンダーセンカスケードインパクター(ACI)、マルチステージ液
体インピンジャー(MLSI)または次世代インパクター(NGI)等の適切なインビト
ロ装置を用いて評価される。
本発明においては、カスケードインパクターによるextra-fine particle fraction(EFPF)
の呼吸器系医薬品粉末の吸入可能割合は、欧州薬局方(Eur.Ph)7.3、第7版に
掲載される手順に従って、アンダーセンカスケードインパクター(ACI)を用いて評価
した値とする。
<カスケードインパクターによるextra-fine particle fraction(EFPF)の呼吸器系医薬品
粉末の吸入可能割合>
各呼吸器系医薬品粉末をカプセルに充填して、in vitroでの肺到達率の比較を行
う。具体的には、下記記載の実施例1、実施例2及び比較例1で得た3種類の呼吸器系医
薬品粉末それぞれを10mg充填したカプセル剤(日本薬局方2号HPMCカプセル;シ
オノギクオリカプス(株)社製)を製造し、吸入器に装着する。吸入器をカスケードイン
パクター(アンダーセンノンバーブルサンプラー、モデルAN-200 東京ダイレック
株式会社製)のマウスピース部に取り付け、28.3L/minの流速で4秒間吸引する
ことによりカプセル内の微粉末製剤を分散させた後、カプセル、吸入デバイスへの呼吸器
系医薬品粉末残存量及び各ステージへの呼吸器系医薬品粉末分布量を液体クロマトグラフ
法で測定する。
カスケードインパクターによる吸入可能割合がステージ5(一般的に1.1~2.1μm
程度の粒子)、ステージ6(一般的に0.65~1.1μm程度の粒子)及び7(一般的
に0.43~0.65μm程度の粒子)の割合の合計をextra-fine particle fraction(e
FPF)の吸入可能割合とする。
具体的には、以下の式を用いてextra-fine particle fraction(eFPF)の吸入可能割合の値
を算出する。
Emitted dose (%)=( Total dose―Capsule dose)/(Total dose)×100
Extra-fine particle fraction (eFPF) (%)=
(mass of particles on stages 5 through 7) / Emitted dose ×100
本発明の効果を奏しやすいことから、本発明の呼吸器系医薬品粉末のextra-fine particl
e fraction(eFPF)の吸入可能割合の値は15%以上であるとよく、さらに20%以上である
とよく、特に25%以上であるとよい。
<平均空気力学的粒子径>
本発明の平均空気力学的粒子径とは薬局方 (Pharm Eur 2.9.18装置D, USP USP <601> 空
気力学的サイズ分布装置1)に従ってAndersenカスケードインパクターによる測定に基づい
て測定されたものをいう。
空気力学的粒子サイズに応じて、粒子が異なる深さで肺に付着される(例えば肺胞等)。
こうして、選ばれた空気力学的粒子サイズは肺中で、呼吸器系医薬品粉末が好ましくは沈
降し、こうして利用し得る場所を制御するのに利用できる。
本発明の呼吸器系医薬品粉末の平均空気力学的粒子径は、効率的に肺到達性が高い呼吸器
系医薬品粉末を得られやすいことから、0.75μm以上であるとよく、さらに1.0μ
m以上であるとよく、さらに1.25μm以上であると特によい。
また本発明の呼吸器系医薬品粉末の平均空気力学的粒子径の上限値は特に限定しないが、
呼吸器系治療薬に結着させるフィトグリコーゲンの使用量に応じた効果が得られ易いこと
から、3.0μm以下であるとよく、さらに2.0μm以下であるとよく、特に1.75
μm以下であるとよい。
<他の原料>本発明の呼吸器系医薬品粉末は本発明の効果を損なわない範囲で他の原料を
組合せて用いることができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施
例の内容に限定して解釈されるものではない。
[実施例1]
呼吸器系治療薬(Rifampicin: RFP、フナコシ社製、分子量822)200mgをエタノー
ル(日本アルコール販売株式会社製、エタノール濃度99v/v%以上)150mLに溶解し
、呼吸器系治療薬エタノール溶液150mLを調製した。
フィトグリコーゲン粒子(キユーピー社製)1000mgを精製水150mLに溶解し、フ
ィトグリコーゲン水溶液150mLを調製した。
前記呼吸器系治療薬エタノール溶液150mLを前記フィトグリコーゲン水溶液150mL
にポンプを用いて5mL/minの速度で添加、500rpmで混合し、エタノール濃度50
v/v%の含水エタノール混合液を調整した。
得られたエタノール濃度50v/v%の含水エタノール混合液をスプレードライヤー(B
-290、日本ビュッヒ株式会社製)にて噴霧乾燥し、噴霧乾燥粒子の呼吸器系医薬品粉
末を得た。
得られた呼吸器系医薬品粉末の平均粒径(メディアン径)、分布幅を測定したところそれ
ぞれ10.2μm、1.54、平均空気力学的粒子径は1.42μmであった。
また、カスケードインパクターを用いて、吸入可能割合を評価したところextra-fine par
ticle fraction(EFPF)の吸入可能割合は25%であり、特にステージ6は8%、ステージ
は2.5%であった。
[実施例2]
使用する呼吸器系治療薬をRFPから呼吸器系治療薬(Tranilast: TL、大和薬品工業株式会
社製、分子量327)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
具体的には、呼吸器系治療薬(Tranilast: TL、大和薬品工業株式会社製、分子量327)
を200mgをエタノール(日本アルコール販売株式会社製、エタノール濃度99v/v%
以上)150mLに溶解し、呼吸器系治療薬エタノール溶液150mLを調製した。
フィトグリコーゲン粒子(キユーピー社製)1000mgを精製水150mLに溶解し、フ
ィトグリコーゲン水溶液150mLを調製した。
前記呼吸器系治療薬エタノール溶液150mLを前記フィトグリコーゲン水溶液150mL
にポンプを用いて5mL/minの速度で添加、500rpmで混合し、エタノール濃度50
v/v%の含水エタノール混合液を調整した。
得られたエタノール濃度50v/v%の含水エタノール混合液をスプレードライヤー(B
-290、日本ビュッヒ株式会社製)にて噴霧乾燥し、噴霧乾燥粒子の呼吸器系医薬品粉
末を得た。
得られた呼吸器系医薬品粉末の平均粒径(メディアン径)、分布幅を測定したところそれ
ぞれ5μm以上、2.0未満、平均空気力学的粒子径は0.75μm以上3.0μm以下
であった。
また、カスケードインパクターを用いて、吸入可能割合を評価したところextra-fine par
ticle fraction(EFPF). の吸入可能割合は21%であり、特にステージ6は2%、ステー
ジ7は1%であった。
[比較例1]
使用するエタノールと精製水の量を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
具体的には、呼吸器系治療薬(Rifampicin: RFP、フナコシ製、分子量822)200mg
をエタノール(日本アルコール販売株式会社製、エタノール濃度99v/v%以上)120
mLに溶解し、呼吸器系治療薬エタノール溶液120mLを調製した。
フィトグリコーゲン粒子(キユーピー社製)1000mgを精製水180mLに溶解し、フ
ィトグリコーゲン水溶液180mLを調製した。
前記呼吸器系治療薬エタノール溶液120mLを前記フィトグリコーゲン水溶液180mL
にポンプを用いて2mL/minの速度で添加、混合し、エタノール濃度40v/v%の含水
エタノール混合液を調整した。
得られたエタノール濃度40v/v%の含水エタノール混合液をスプレードライヤー(B
-290、日本ビュッヒ株式会社製)にて噴霧乾燥し、噴霧乾燥粒子の呼吸器系医薬品粉
末を得た。
得られた呼吸器系医薬品粉末の平均粒径(メディアン径)、分布幅を測定したところそれ
ぞれ4.0μm、2.83、平均空気力学的粒子径は0.55μmであった。
また、カスケードインパクターを用いて、吸入可能割合を評価したところextra-fine par
ticle fraction(EFPF) の吸入可能割合.は14%であり、特にステージ6は3%、ステー
ジ7は0.2%であった。
実施例1及び2、比較例1より、呼吸器系治療薬をエタノールに、フィトグリコーゲンを
水に、それぞれ溶解した溶液を調製する溶液調製工程、前記フィトグリコーゲン水溶液に
、前記呼吸器系治療薬エタノール溶液を添加、混合し、エタノール濃度45v/v%以上
の含水エタノール混合液を調製する混合液調製工程、前記混合液を乾燥する乾燥工程、を
含むと、呼吸器系治療薬とフィトグリコーゲン粒子が結着した呼吸器系医薬品粉末であっ
て、
前記呼吸器系医薬品粉末の平均粒径がメディアン径で5μm以上、前記呼吸器系医薬品粉
末の分布幅が2.0未満、であることを特徴とする呼吸器系医薬品粉末が得られ、得られ
た呼吸器系医薬品粉末のextra-fine particle fraction(EFPF).の吸入可能割合が20%
以上となり、肺到達性が高い呼吸器系医薬品粉末が得られることがわかる。
(考察)
実施例及び試験例1の結果より、呼吸器系治療薬とフィトグリコーゲン粒子が結着した呼
吸器系医薬品粉末の平均粒径がメディアン径で5μm以上、前記呼吸器系医薬品粉末の分
布幅が2.0未満、であると肺到達性が高い呼吸器系医薬品粉末が得られることがわかっ
た。
肺の深部まで届く粒子の粒子径は一般的に2μm以下であるといわれているにもかかわら
ず、カスケードインパクターによる吸入可能割合がステージ5(一般的に1.1~2.1
μm程度)、ステージ6(一般的に0.65~1.1μm程度)及び7(一般的に0.4
3~0.65μm程度)の割合の合計であるextra-fine particle fraction(EFPF)の吸入
可能割合が一定以上あることから、呼吸器系治療薬とフィトグリコーゲン粒子が結着した
呼吸器系医薬品粉末のうち、粒子径の大きいフィトグリコーゲン粒子が、ある時点で粒子
径の小さい呼吸器系治療薬を離し、その粒子径の小さい呼吸器系治療薬が肺の深部まで到
達していると考えられる。
走査型電子顕微鏡を用いて、実施例1で得られた呼吸器系医薬品粉末を観察すると図1の
ようになっていた。また、呼吸器系治療薬を用いなかった以外は、実施例1と同様にして
、噴霧乾燥粒子のフィトグリコーゲン粉末を得て、走査型電子顕微鏡を用いて、フィトグ
リコーゲン粉末を観察したところ図2のようになっていた。図1、図2より、図の中央の
大きな粒子がフィトグリコグリコーゲンであり、図1のフィトグリコグリコーゲンに付着
している多数の付着物が呼吸器系治療薬であることがわかる。
























Claims (3)

  1. 下記の工程(a)乃至(c)の工程を少なくとも含むフィトグリコーゲン粒子に呼吸器系治療薬が結着した呼吸器系医薬品粉末の製造方法。
    (a)呼吸器系治療薬をエタノールに、フィトグリコーゲンを水に、それぞれ溶解した溶液を調製する溶液調製工程
    (b)前記フィトグリコーゲン水溶液に、前記呼吸器系治療薬エタノール溶液を添加、混合し、エタノール濃度45v/v%以上の含水エタノール混合液を調製する混合液調製工程
    (c)前記混合液を乾燥する乾燥工程
  2. 請求項1において、
    前記工程(c)の乾燥工程が、噴霧乾燥である
    呼吸器系医薬品粉末の製造方法。
  3. 呼吸器系治療薬とフィトグリコーゲン粒子が結着した呼吸器系医薬品粉末であって、
    前記呼吸器系医薬品粉末の平均粒径がメディアン径で5μm以上、
    積算体積粒度10%、50%および90%に該当する粒径D10、D50、およびD90より、下記式(1)を用いて算出した前記呼吸器系医薬品粉末の分布幅が2.0未満、
    であることを特徴とする呼吸器系医薬品粉末。
    分布幅(SPAN)=(D90-D10)/D50 ・・・式(1)
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第35回製剤と粒子設計シンポジウム講演要旨集,2018年,pp.172-173
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