JP7252172B2 - 位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7252172B2
JP7252172B2 JP2020083252A JP2020083252A JP7252172B2 JP 7252172 B2 JP7252172 B2 JP 7252172B2 JP 2020083252 A JP2020083252 A JP 2020083252A JP 2020083252 A JP2020083252 A JP 2020083252A JP 7252172 B2 JP7252172 B2 JP 7252172B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
command value
signal
frequency
limit range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020083252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021180538A (ja
Inventor
亮裕 手操
智仁 棚瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp filed Critical Toshiba Mitsubishi Electric Industrial Systems Corp
Priority to JP2020083252A priority Critical patent/JP7252172B2/ja
Publication of JP2021180538A publication Critical patent/JP2021180538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7252172B2 publication Critical patent/JP7252172B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Description

この発明は位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置に関し、特に、第1の交流信号と同位相の第2の交流信号を生成する位相同期制御回路と、それを用いた電力変換装置とに関する。
たとえば特許文献1には、逆変換器、開閉器、および制御装置を備える電力変換装置が開示されている。逆変換器は、直流電源から供給される直流電圧を第1の交流電圧に変換して負荷に供給する。開閉器の一方端子は第1の交流電圧を受け、その他方端子は商用交流電源から供給される第2の交流電圧を受ける。制御装置は、商用交流電源の停電が発生した場合には、開閉器をオフさせるとともに、逆変換器を制御して所定周波数の第1の交流電圧を生成させ、商用交流電源が復旧した場合には、第1の交流電圧の位相を第2の交流電圧の位相に一致させた後に、開閉器をオンさせる。
特開2018-152933号公報
しかし、従来の電力変換装置では、第1の交流電圧の位相を第2の交流電圧の位相に一致させるときに、第1の交流電圧の周波数が大きく変動し、負荷などへの悪影響が発生するという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、交流出力信号の周波数変動を小さく抑制することが可能な位相同期制御回路と、それを用いた電力変換装置とを提供することである。
この発明に係る位相同期制御回路は、第1の交流信号と同位相の第2の交流信号を生成する位相同期制御回路であって、第1および第2の交流信号の位相差を検出する位相差検出器と、位相差がなくなるように第1の周波数指令値を生成する第1の制御部と、第1の周波数指令値を可変制限範囲内に制限して第2の周波数指令値を生成するリミッタと、第2の周波数指令値に応じた値の周波数の第2の交流信号を出力する発振器と、位相差のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器と、可変制限範囲を第1の制限範囲に設定した後、ゼロクロス検出器によってゼロクロス点が検出されたことに応じて、可変制限範囲を第1の制限範囲よりも大きな第2の制限範囲に変更する設定部とを備えたものである。
この発明に係る位相同期制御回路では、第1および第2の交流信号の位相差のゼロクロス点が検出されたことに応じて位相同期制御を開始するので、交流出力信号である第2の交流信号の周波数変動を小さく抑制することができる。
実施の形態1による電力変換装置の構成を示す回路ブロック図である。 図1に示す制御装置のうちのインバータおよび開閉器の制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。 図2に示す位相同期制御回路の構成を示す回路ブロック図である。 図3に示す交流信号および交流電圧を例示するベクトル図である。 図4に示す位相差の時刻変化を示すタイムチャートである。 図3に示す交流信号および交流電圧を例示する他のベクトル図である。 図3に示すリミッタの可変制限範囲を示す図である。 図1~図7に示す電力変換装置の動作を示すタイムチャートである。 実施の形態1の比較例の要部を示すブロック図である。 図9に示す位相同期制御回路の動作を示すタイムチャートである。 実施の形態2による電力変換装置の構成を示す回路ブロック図である。 図11に示す位相同期制御回路の動作を示すタイムチャートである。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1による電力変換装置の構成を示す回路ブロック図である。図1において、この電力変換装置は、コンバータ1、直流ラインL1,L2、コンデンサC1、インバータ2、変圧器3、開閉器S1、電流検出器CD、および制御装置4を備える。
コンバータ1の交流ノード1aは、発電機5の出力端子5aに接続される。発電機5は、たとえば、水力発電機であり、水力によって駆動されて交流電圧VAC1を出力端子5aに出力する。交流電圧VAC1の瞬時値は、制御装置4によって検出される。
コンバータ1の正側直流ノード1bは、直流ラインL1を介してインバータ2の正側直流ノード2aに接続される。コンバータ1の負側直流ノード1cは、直流ラインL2を介してインバータ2の負側直流ノード2bに接続される。コンデンサC1は、直流ラインL1,L2間に接続され、直流ラインL1,L2間の直流電圧VDCを平滑化する。直流電圧VDCは、制御装置4によって検出される。
コンバータ1は、制御装置4によって制御され、発電機5から供給される交流電圧VAC1を直流電圧VDCに変換して直流ラインL1,L2間に出力する。制御装置4は、交流電圧VAC1に同期して、直流電圧VDCが参照直流電圧VDCrになるようにコンバータ1を制御する。
コンバータ1およびコンデンサC1は、交流電圧VAC1を直流電圧VDCに変換する順変換器を構成する。発電機5、コンバータ1、およびコンデンサC1は、直流電圧VDCを出力する直流電源を構成する。
インバータ2は、制御装置4によって制御され、コンデンサC1の端子間電圧VDCを交流電圧に変換して交流ノード2cに出力する。インバータ2の交流ノード2cは、変圧器3の一次巻線に接続される。変圧器3の二次巻線は、負荷6に接続されるとともに、開閉器S1の一方端子に接続される。
変圧器3は、交流電圧を伝達する。変圧器3の二次巻線に現れる交流電圧VAC2の瞬時値は、制御装置4によって検出される。インバータ2および変圧器3は、直流電圧VDCを交流電圧VAC2に変換する逆変換器を構成する。
負荷6は、交流電圧VAC2によって駆動される。電流検出器CDは、電力変換装置と商用交流電源7との間に流れる電流IOを検出し、その検出値を示す信号φIOを出力する。開閉器S1の他方端子は、商用交流電源7(電力系統)から供給される商用周波数の交流電圧VAC3を受ける。交流電圧VAC3の瞬時値は、制御装置4によって検出される。
開閉器S1は、制御装置4によって制御され、自立運転モード時にオフされ、連系運転モード時にオンされる。制御装置4は、交流電圧VAC1,VAC2,VAC3、直流電圧VDC、電流検出器CDの出力信号φIOなどに基づいて電力変換装置全体を制御する。
商用交流電源7から交流電圧VAC3が正常に供給されている場合(商用交流電源7の健全時)には、制御装置4は、連系運転モードを選択し、開閉器S1をオンさせるとともに、インバータ2を制御して、交流電圧VAC3と同じ振幅で同じ周波数(すなわち商用周波数)の交流電圧VAC2を生成させる。
この結果、インバータ2の出力電力が負荷6の消費電力よりも大きい場合には、余剰電力はインバータ2から商用交流電源7に供給される。逆に、インバータ2の出力電力が負荷6の消費電力よりも小さい場合には、不足電力は商用交流電源7から負荷6に供給される。
商用交流電源7から交流電圧VAC3が正常に供給されなくなった場合(商用交流電源7の停電が発生した場合)には、制御装置4は、自立運転モードを選択し、開閉器S1をオフさせるとともに、インバータ2を制御して、所定振幅および商用周波数の交流電圧VAC2を生成させる。自立運転モードでは、負荷6は、インバータ2から供給される交流電力のみによって駆動される。
商用交流電源7が復旧し、商用交流電源7から交流電圧VAC3が再び正常に供給されるようになった場合には、インバータ2を制御し、交流電圧VAC2の振幅、周波数、および位相を交流電圧VAC3の振幅、周波数、および位相に一致させた後に、再び連系運転モードを選択し、開閉器S1をオンさせる。
図2は、制御装置4のうちのインバータ2および開閉器S1の制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。図2において、制御装置4は、同期検出器11、停電検出器12、開閉器制御部13、位相同期制御回路14、電圧制御部15、電流制御部16、加算器17、およびPWM(Pulse Width Modulation)制御部18を含む。
同期検出器11は、開閉器S1の一方端子に現れる交流電圧VAC2の周波数および位相と、開閉器S1の他方端子に現れる交流電圧VAC3の周波数および位相とが一致しているか否かを検出し、検出結果を示す同期検出信号φ11を出力する。
交流電圧VAC2,VAC3の周波数および位相が一致している場合には、同期検出信号φ11は活性化レベルの「H」レベルにされる。交流電圧VAC2,VAC3の周波数および位相が一致していない場合には、同期検出信号φ11は非活性化レベルの「L」レベルにされる。
停電検出器12は、商用交流電源7から供給される交流電圧VAC3に基づいて、商用交流電源7の停電の発生の有無を検出し、その検出結果を示す停電検出信号φ12を出力する。商用交流電源7から交流電圧VAC3が正常に供給されていない場合、たとえば交流電圧VAC3の実効値が下限値よりも低い場合には、停電検出器12は、商用交流電源7の停電が発生したと判別し、停電検出信号φ12を活性化レベルの「H」レベルにする。
商用交流電源7から交流電圧VAC3が正常に供給されている場合、たとえば交流電圧VAC3の実効値が下限値よりも高い場合には、停電検出器12は、商用交流電源7は健全である(あるいは商用交流電源7は停電から復旧した)と判別し、停電検出信号φ12を非活性化レベルの「L」レベルにする。
開閉器制御部13は、商用交流電源7が健全である場合(停電検出信号φ12が「L」レベルである場合)には、開閉器S1をオンさせる。開閉器制御部13は、商用交流電源7の停電が発生した場合(停電検出信号φ12が「H」レベルになった場合)には、開閉器S1をオフさせる。
開閉器制御部13は、商用交流電源7が停電から復旧した場合(すなわち、停電検出信号φ12が「H」レベルから「L」レベルに変化した場合)には、交流電圧VAC2,VAC3の周波数および位相が一致したことに応じて(すなわち、同期検出信号φ11が「L」レベルから「H」レベルに変化したことに応じて)、開閉器S1をオンさせる。
位相同期制御回路14は、停電検出信号φ12と、商用交流電源7から供給される交流電圧VAC3とに基づいて、正弦波状の交流信号vacを出力する。位相同期制御回路14は、商用交流電源7が健全である場合(停電検出信号φ12が「L」レベルである場合)には、商用交流電源7から供給される交流電圧VAC3と同じ位相で同じ周波数(すなわち商用周波数)の交流信号vacを出力する。
位相同期制御回路14は、商用交流電源7の停電が発生した場合(停電検出信号φ12が「H」レベルになった場合)には、交流信号vacの周波数を商用周波数から所定周波数に変化させる。所定周波数は、商用周波数の定格値である。
位相同期制御回路14は、商用交流電源7が停電から復旧した場合(すなわち、停電検出信号φ12が「H」レベルから「L」レベルに変化した場合)には、交流電圧VAC3と交流信号vacの位相差がなくなるように交流信号vacの周波数を制御することにより、交流信号vacの周波数および位相を交流電圧VAC3の周波数および位相に一致させる。
電圧制御部15は、停電検出信号φ12、交流信号vac、および交流電圧VAC3に基づいて、正弦波状の電圧指令値Vc1を生成する。商用交流電源7が健全である場合(停電検出信号φ12が「L」レベルである場合)には、電圧指令値Vc1の振幅は、交流電圧VAC3の振幅と同じ値にされる。商用交流電源7の停電が発生した場合(停電検出信号φ12が「H」レベルになった場合)には、電圧指令値Vc1の振幅は、交流電圧VAC3の定格値に設定される。電圧指令値Vc1は、交流信号vacに同期している。
電流制御部16は、同期検出信号φ11が活性化レベルの「H」レベルである場合に活性化され、電流検出器CDの出力信号φIOに基づいて、電力変換装置と商用交流電源7との間に流れる電流に応じた値の電圧指令値Vc2を出力する。電流制御部16は、同期検出信号φ11が非活性化レベルの「L」レベルである場合に非活性化され、電圧指令値Vc2を0にする。
加算器17は、電圧制御部15から出力される電圧指令値Vc1と電流制御部16から出力される電圧指令値Vc2とを加算して電圧指令値Vc3を生成する。PWM制御部18は、電圧指令値Vc3と三角波信号とを比較してPWM制御信号φ18を生成し、インバータ2に与える。インバータ2は、PWM制御信号φ18によって駆動され、直流電圧VDCを交流電圧に変換する。
図3は、位相同期制御回路14の構成を示す回路ブロック図である。図3において、位相同期制御回路14は、位相差検出器21、ゼロクロス検出器22、フリップフロップ23、周波数制御部24、設定部31、リミッタ32、および発振器33を含む。
位相差検出器21は、停電検出信号φ12が非活性化レベルの「L」レベルである場合に活性化され、発振器33から出力される交流信号vac(第2の交流信号)と、商用交流電源7から供給される交流電圧VAC3(第1の交流信号)との位相差Δθを検出する。
位相差検出器21は、停電検出信号φ12が活性化レベルの「H」レベルである場合には、交流電圧VAC3がたとえば0Vになるので、実際の位相差Δθを検出することなく、位相差Δθの検出値を0に設定する。
図4は、交流信号vacおよび交流電圧VAC3を例示するベクトル図である。図4では、商用交流電源7が復旧した場合における交流信号vacおよび交流電圧VAC3の一例が示されており、交流信号vacの周波数は交流電圧VAC3の周波数よりも高い。
この場合、交流信号vacを基準とする回転座標において、交流信号vacを示すベクトルは0度の位置で停止し、交流電圧VAC3を示すベクトルは時計の回転方向に回転する。ただし、時計の回転方向を負の回転方向、時計の回転方向と反対方向を正の回転方向とする。交流信号vacを示すベクトルと交流電圧VAC3を示すベクトルとの間の角度が、交流信号vacと交流電圧VAC3の位相差Δθとなる。位相差Δθは+πから0まで減少し、0から-πまで減少した後、再び+πに戻る。
図5は、位相差Δθの時刻変化を示すタイムチャートである。図5では、交流信号vacおよび交流電圧VAC3の周波数が一定である場合が示されている。ある時刻t0においてΔθ=+πであるものとする。交流電圧VAC3を示すベクトルの回転に伴い、位相差Δθは一定速度で減少する。
時刻t1においてΔθ=0となり、時刻t2においてΔθ=-πとなり、その直後に位相差Δθは+πに戻る。位相差Δθは再び一定速度で減少し、時刻t3においてΔθ=0となり、時刻t4においてΔθ=-πとなる。図5では、時刻t1,t3の各々において位相差Δθのゼロクロス点Pc0が発生する。
図6は、交流信号vacおよび交流電圧VAC3を例示する他のベクトル図である。図6では、位相差Δθがゼロクロス点Pc0を通過した直後における交流信号vacおよび交流電圧VAC3の一例が示されている。
この場合、位相差Δθを0にするためには、交流信号vacの周波数を減少させて交流電圧VAC3を示すベクトルの正の向きへの回転速度を相対的に増大させ、交流電圧VAC3を示すベクトルを相対的に時計の回転と反対の方向に回転させればよいことが明らかである。
これに対して図4の場合では、位相差Δθを0にするためには、交流信号vacの周波数を増大させて交流電圧VAC3を示すベクトルの正の向きへの回転速度を相対的に減少させ、交流電圧VAC3を示すベクトルを相対的に時計の回転方向に回転させればよいのか、上述の通り、交流信号vacの周波数を減少させればよいのか不明確である。
そこで、この実施の形態1では、位相差Δθがゼロクロス点Pc0を通過した直後に、交流信号vacの位相を交流電圧VAC3の位相に同期させることにより、交流信号vacの周波数変動を小さく抑制する。
図3に戻って、ゼロクロス検出器22は、停電検出信号φ12が非活性化レベルの「L」レベルである場合に活性化され、位相差検出器21によって求められた位相差Δθのゼロクロス点Pc0を検出し、ゼロクロス点Pc0を検出したことに応じて、ゼロクロス検出信号φ22を所定時間だけ活性化レベルの「H」レベルにする。
また、ゼロクロス検出器22は、停電検出信号φ12が活性化レベルの「H」レベルである場合に非活性化され、ゼロクロス検出信号φ22を非活性化レベルの「L」レベルに維持する。
フリップフロップ23は、ゼロクロス検出信号φ22を受けるセット端子Sと、停電検出信号φ12を受けるリセット端子Rと、同期制御指令信号φ23を出力するデータ出力端子Dとを含む。
フリップフロップ23は、商用交流電源7の停電が発生して停電検出信号φ12が「H」レベルにされた場合にリセットされ、同期制御指令信号φ23を非活性化レベルの「L」レベルにする。
また、フリップフロップ23は、商用交流電源7が復旧して停電検出信号φ12が「L」レベルにされ、ゼロクロス検出信号φ22が「H」レベルにされたことに応じてセットされ、同期制御指令信号φ23を活性化レベルの「H」レベルにする。したがって、同期制御指令信号φ23は、位相差Δθがゼロクロス点Pc0を通過したときに、「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられる。
周波数制御部24は、位相差Δθが0になるように周波数指令値Fc1(第1の周波数指令値)を生成する。周波数制御部24は、比例項演算部25、スイッチ26、積分項演算部27、および加算器28を含む。比例項演算部25は、位相差Δθに比例ゲインを乗じて得られる周波数指令値FPを求める。
スイッチ26は、フリップフロップ23から出力される同期制御指令信号φ23によって制御され、周波数指令値FPを受ける切換端子26aと、0を受ける切換端子26bと、共通端子26cとを含む。同期制御指令信号φ23が「H」レベルである場合には端子26a,26c間が導通し、同期制御指令信号φ23が「L」レベルである場合には端子26b,26c間が導通する。
積分項演算部27は、位相差Δθを積分した値に積分ゲインを乗じて得られる周波数指令値FIを求める。停電検出信号φ12が「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられると、周波数指令値FIは0にリセットされる。加算器28は、スイッチ26の共通端子26cに現れる数値(FPまたは0)と、周波数指令値FIと、商用周波数を示す定格周波数指令値Fcrとを加算して周波数指令値Fc1を求める。
設定部31は、同期制御指令信号φ23が非活性化レベルの「L」レベルである場合には、リミッタ32の可変制限範囲を第1の制限範囲(FL1~FH1)に設定し、同期制御指令信号φ23が活性化レベルの「H」レベルである場合には、リミッタ32の可変制限範囲を第1の制限範囲よりも大きな第2の制限範囲(FL2~FH2)に設定する。
リミッタ32は、周波数制御部24によって生成される周波数指令値Fc1を可変制限範囲内に制限して周波数指令値Fc2(第2の周波数指令値)を生成する。
図7は、リミッタ32の可変制限範囲を示す図である。図7において、(A)は同期制御指令信号φ23が「L」レベルである場合の可変制限範囲(すなわち第1の制限範囲)を示し、(B)は同期制御指令信号φ23が「H」レベルである場合の可変制限範囲(すなわち第2の制限範囲)を示している。
リミッタ32の可変制限範囲が第1の制限範囲(FL1~FH1)である場合には、図7(A)に示すように、周波数指令値Fc1が第1下限値FL1と第1上限値FH1との間の値であるときには、Fc2=Fc1となる。周波数指令値Fc1が第1下限値FL1よりも小さいときには、Fc2=FL1となる。周波数指令値Fc1が第1上限値FH1よりも大きいときには、Fc2=FH1となる。
また、リミッタ32の可変制限範囲が第2の制限範囲(FL2~FH2)である場合には、図7(B)に示すように、周波数指令値Fc1が第2下限値FL2と第2上限値FH2との間の値であるときには、Fc2=Fc1となる。周波数指令値Fc1が第2下限値FL2よりも小さいときには、Fc2=FL2となる。周波数指令値Fc1が第2上限値FH2よりも大きいときには、Fc2=FH2となる。
第2上限値FH2は、第1上限値FH1よりも大きく、発振器33に対して許容される最大値である。第2下限値FL2は、第1下限値FL1よりも小さく、発振器33に対して許容される最小値である。第1下限値FL1および第1上限値FH1の平均値と、第2下限値FL2および第2上限値FH2の平均値とは等しい。また、この平均値は、商用周波数の定格値を示す定格周波数指令値Fcrと等しい。したがって、(FL1+FH1)/2=(FL2+FH2)/2=Fcrである。
このリミッタ32によれば、同期制御指令信号φ23が「L」レベルである場合には、交流信号vacの周波数変動は小さく抑制され、同期制御指令信号φ23が「H」レベルである場合には、位相同期制御回路14の能力が最大限に発揮される。
図3に戻って、発振器33は、周波数指令値Fc2に応じた値の周波数を有する交流信号vacを出力する。この交流信号vacは、電圧制御部15(図2)に与えられるとともに、位相差検出器21にフィードバックされる。
図8は、図1~図7に示す電力変換装置の動作を示すタイムチャートである。図8において、(A)は停電検出信号φ12の波形を示し、(B)は同期検出信号φ11の波形を示し、(C)は開閉器S1のオン/オフ状態を示し、(D)は位相制御指令信号φ23の波形を示し、(E)は位相差Δθの時刻変化を示し、(F)は周波数指令値Fc2とリミッタ32の可変制限範囲との時刻変化を示している。
初期状態(時刻t0)では、商用交流電源7が健全であり、商用交流電源7から交流電圧VAC3が正常に供給され、制御装置4(図1)によって連系運転モードが選択されている。この場合、図8(A)~(C)に示すように、停電検出器12(図2)によって停電検出信号φ12が非活性化レベルの「L」レベルにされ、同期検出器11(図2)によって同期検出信号φ11が活性化レベルの「H」レベルにされ、開閉器制御部13(図2)によって開閉器S1がオンされている。
また、発電機5(図1)によって交流電圧VAC1が生成され、その交流電圧VAC1がコンバータ1およびコンデンサC1によって直流電圧VDCに変換され、その直流電圧VDCがインバータ2および変圧器3によって交流電圧VAC2に変換される。
制御装置4(図2)では、停電検出信号φ12が「L」レベルにされているので、位相同期制御回路14によって交流電圧VAC3と同じ周波数および同じ位相の交流信号vacが生成され、電圧制御部15によって交流電圧VAC3と同じ振幅で、交流信号vacに同期した電圧指令値Vc1が生成される。
また、この連系運転モード時には、商用交流電源7と電力変換装置との間に流れる電流IOに応じた値の電圧指令値Vc2が電流制御部16によって生成され、電圧指令値Vc1と電圧指令値Vc2が加算器17によって加算されて電圧指令値Vc3が生成される。その電圧指令値Vc3に基づきPWM制御部18によってPWM制御信号φ18が生成され、そのPWM制御信号φ18によってインバータ2が駆動される。
位相同期制御回路14(図3)では、交流信号vacの周波数および位相と交流電圧VAC3の周波数および位相とは一致しているので、図8(E)に示すように、位相差検出器21により、交流信号vacと交流電圧VAC3の位相差Δθは0になっている。
また、前回、自立運転モードから連系運転モードに遷移するときに、ゼロクロス検出器22によってゼロクロス検出信号φ22が所定時間だけ「H」レベルにされ、図8(D)に示すように、フリップフロップ23がセットされて同期制御指令信号φ23が「H」レベルにされている。
また、位相差Δθに基づいて、比例項演算部25によって周波数指令値FPが求められるとともに、積分項演算部27によって周波数指令値FIが求められる。同期制御指令信号φ23が「H」レベルであるので、スイッチ26の端子26a,26c間が導通し、加算器28によって周波数指令値FPと周波数指令値FIと定格周波数指令値Fcrとが加算されて周波数指令値Fc1が生成され、リミッタ32に与えられる。
また、同期制御指令信号φ23が「H」レベルにされているので、図8(F)に示すように、設定部31によってリミッタ32の可変制限範囲は第2の制限範囲(FL2~FH2)に設定される。第2の制限範囲(FL2~FH2)は、発振器33に対して許容される最大の範囲である。
周波数指令値Fc1は、リミッタ32によって第2の制限範囲内に制限されて周波数指令値Fc2となる。発振器33は、周波数指令値Fc2に応じた値の周波数の交流信号vacを出力する。連系運転モード時には、交流信号vacの周波数および位相と交流電圧VAC3の周波数および位相とは一致しているので、図8(E)(F)に示すように、交流信号vacと交流電圧VAC3の位相差Δθは0になっている。
ある時刻t1において、商用交流電源7の停電が発生すると、制御装置4(図1)によって自立運転モードが選択される。この場合、図8(A)~(C)に示すように、停電検出器12(図2)によって停電検出信号φ12が活性化レベルの「H」レベルにされ、同期検出器11(図2)によって同期検出信号φ11が非活性化レベルの「L」レベルにされ、開閉器制御部13(図2)によって開閉器S1がオフされる。
制御装置4(図2)では、停電検出信号φ12が「H」レベルにされたので、位相同期制御回路14によって商用周波数の定格値の交流信号vacが生成され、電圧制御部15によって交流電圧VAC3の定格値と同じ値の振幅を有し、交流信号vacに同期した電圧指令値Vc1が生成される。
また、この自立運転モード時には、商用交流電源7と電力変換装置との間に流れる電流IOは0Aとなり、電流制御部16によって電圧指令値Vc2が0となり、電圧指令値Vc1がそのまま電圧指令値Vc3となる。その電圧指令値Vc3に基づきPWM制御部18によってPWM制御信号φ18が生成され、そのPWM制御信号φ18によってインバータ2が駆動される。
また、位相同期制御回路14(図3)では、停電検出信号φ12が「H」レベルにされたので、位相差検出器21によって位相差Δθの検出値は0に設定され、ゼロクロス検出器22によってゼロクロス検出信号φ22が「L」レベルに設定される。このため図8(D)に示すように、フリップフロップ23がリセットされて同期制御指令信号φ23が「L」レベルにされる。
また、停電検出信号φ12の立ち上がりエッジに応答して積分項演算部27によって周波数指令値FIが0にリセットされた後、位相差Δθに基づいて、比例項演算部25によって周波数指令値FPが求められるとともに、積分項演算部27によって周波数指令値FIが求められる。同期制御指令信号φ23が「L」レベルにされたので、スイッチ26の端子26b,26c間が導通し、加算器28によって0と周波数指令値FIと定格周波数指令値Fcrとが加算されて周波数指令値Fc1が生成される。
これは、商用交流電源7が復旧してから、位相差Δθのゼロクロス点が検出されて同期制御が開始されるまでの期間(時刻t2~t3)において、周波数指令値Fc1の変化を小さな値に抑制するためである。すなわち、周波数制御部24においては、比例項演算部25によって求められる周波数指令値FPは積分項演算部27によって求められる周波数指令値FIよりも変化が大きいので、上記期間(時刻t2~t3)では周波数指令値FPを0にすることにより、周波数指令値Fc1の変動を小さく抑制している。
また、同期制御指令信号φ23が「L」レベルにされたので、図8(F)に示すように、設定部31によってリミッタ32の可変制限範囲は、第2の制限範囲(FL2~FH2)から第1の制限範囲(FL1~FH1)に狭められる。このとき、周波数指令値Fc2は、第1の制限範囲(FL1~FH1)の中心値(FL1+FH1)/2となっており、定格値Fcrに等しい。
周波数指令値Fc2は、リミッタ32によって第1の制限範囲(FL1~FH1)内に制限されて周波数指令値Fc2=Fcrとなる。発振器33は、周波数指令値Fc2に応じた値の周波数の交流信号vacを出力する。商用交流電源7の停電時には、図8(E)(F)に示すように、位相差検出器21によって位相差Δθの検出値が0に設定されており、周波数指令値Fc2は商用周波数を示す定格値Fcrに等しい。
次に、ある時刻t2において、商用交流電源7が復旧すると、図8(A)~(C)に示すように、停電検出器12(図2)によって停電検出信号φ12が非活性化レベルの「L」レベルにされ、同期検出器11(図2)によって同期検出信号φ11が非活性化レベルの「L」レベルに維持され、開閉器制御部13(図2)によって開閉器S1がオフ状態に維持される。
制御装置4(図2)では、停電検出信号φ12が「L」レベルにされたので、位相同期制御回路14において交流信号vacと交流電圧VAC3の位相差Δθおよびそのゼロクロス点の検出動作が開始される。また、電圧制御部15、電流制御部16、および加算器17によって交流電圧VAC3と同じ値の振幅を有し、交流信号vacに同期した電圧指令値Vc3が生成され、その電圧指令値Vc3に基づきPWM制御部18によってPWM制御信号φ18が生成され、そのPWM制御信号φ18によってインバータ2が駆動される。
位相同期制御回路14(図3)では、停電検出信号φ12が「L」レベルにされたので、位相差検出器21およびゼロクロス検出器22が活性化される。同期制御指令信号φ23は、図8(D)に示すように、「L」レベルに維持される。同期制御指令信号φ23が「L」レベルであるので、スイッチ26の端子26b,26c間が導通し、加算器28によって0と周波数指令値FIが加算されて周波数指令値Fc1が生成される。
また、同期制御指令信号φ23が「L」レベルにされているので、図8(F)に示すように、設定部31によってリミッタ32の可変制限範囲は第1の制限範囲(FL1~FH1)に維持される。
周波数指令値Fc1は、リミッタ32によって第1の制限範囲内に制限されて周波数指令値Fc2となる。発振器33は、周波数指令値Fc2に応じた値の周波数の交流信号vacを出力する。
図8(E)(F)では、交流信号vacと交流電圧VAC3の位相差Δθが+πよりも少し小さな値になり、この結果、周波数指令値Fc2が増大し、リミッタ32によって第1上限値FH1に制限された場合が示されている。図5で示したように、位相差Δθはほぼ一定速度で減少する。
次いで時刻t3において、位相差Δθがゼロクロス点Pc0を通過すると、位相同期制御回路14(図3)では、ゼロクロス検出器22によってゼロクロス検出信号φ22が所定時間だけ「H」レベルに立ち上げられ、図8(D)に示すように、フリップフロップ23がセットされて同期制御指令信号φ23が活性化レベルの「H」レベルに立ち上げられる。
同期制御指令信号φ23が「H」レベルにされたので、スイッチ26の端子26a,26c間が導通し、比例項演算部25によって求められた周波数指令値FPと、積分項演算部27によって求められた周波数指令値FIと、商用周波数の定格値を示す定格周波数指令値Fcrとが加算器28によって加算されて周波数指令値Fc1となる。これにより、周波数制御部24の性能が最大限に発揮される。
また、同期制御指令信号φ23が「H」レベルにされたので、図8(F)に示すように、設定部31によってリミッタ32の可変制限範囲は第1の制限範囲(FL1~FH1)から第2の制限範囲(FL2~FH2)に拡げられる。これにより、位相同期制御回路14の性能が最大限に発揮されることとなる。
図8(E)(F)に示すように、位相同期制御回路14によって位相差Δθが迅速に0に収束され、周波数指令値Fc2は第1上限値FH1から商用交流電源7の周波数に収束し、交流電圧VAC3と同じ周波数で同じ位相の交流信号vacが生成される。
制御装置4(図2)では、電圧制御部15によって交流電圧VAC3と同じ値の振幅を有し、交流信号vacに同期した電圧指令値Vc1が生成される。その電圧指令値Vc1に基づきPWM制御部18によってPWM制御信号φ18が生成され、そのPWM制御信号φ18によってインバータ2が駆動される。
次に時刻t4において、同期検出器11(図2)により、交流電圧VAC2が交流電圧VAC3に同期したことが検出され、同期検出信号φ11が活性化レベルの「H」レベルに立ち上げられる。同期検出信号φ11が「H」レベルにされたので、開閉器S1(図1)がオンされ、再び連系運転モードが実行される。
以上のように、この実施の形態1では、交流信号vacと交流電圧VAC3の位相差Δθがゼロクロス点Pc0を通過したときに位相制御を開始するので、交流信号vacの周波数および位相を交流電圧VAC3の周波数および位相に迅速かつスムーズに一致させることができる。
また、位相差Δθがゼロクロス点Pc0を通過する前には、積分項演算部27のみによて周波数指令値Fc1を変化させるとともに、リミッタ32の可変制限範囲を第2の制限範囲(FL2~FH2)よりも狭い第1の制限範囲(FL1~FH1)に絞る。したがって、交流信号vacの周波数(すなわち交流電圧VAC2)の周波数変動を小さく抑制し、変圧器3の偏磁が発生したり、負荷6の動作が不安定になることを防止することができる。
図9は、実施の形態1の比較例の要部を示すブロック図であって、図3と対比される図である。図9を参照して、この比較例が実施の形態1と異なる点は、位相同期制御回路14が位相同期制御回路40と置換されている点である。位相同期制御回路40は、位相同期制御回路14からゼロクロス検出器22、フリップフロップ23、および設定部31を除去し、周波数制御部24およびリミッタ32をそれぞれ周波数制御部41およびリミッタ42で置換したものである。
周波数制御部41は、周波数制御部24からスイッチ26を除去したものであり、比例項演算部25によって求められた周波数指令値FPと、積分項演算部27によって求められた周波数指令値FIと定格周波数指令値Fcrとを加算器28によって加算して周波数指令値Fc1=FP+FI+Fcrを生成する。リミッタ42は、周波数指令値Fc1を第2の制限範囲(FL2~FH2)内に制限して周波数指令値Fc2を生成する。
図10は、位相同期制御回路40の動作を示すタイムチャートである。図10において、(A)は位相差θの時刻変化を示し、(B)は周波数指令値Fc2の時刻変化を示している。ある時刻t1において、商用交流電源7が復旧して停電検出信号φ12が非活性化レベルの「L」レベルにされたものとする。
停電検出信号φ12が「L」レベルにされたので、位相差検出器21が活性化されて、交流信号vacと交流電圧VAC3の位相差Δθが検出される。また、周波数指令値Fc1がリミッタ42に与えられる。つまり、比較例では、商用交流電源7が復旧すると、直ぐに同期制御が開始される。
図10(A)では、時刻t1において、位相差Δθが+πよりも少し小さな値であった場合が示されている。これは、図4で示した状況である。位相同期制御回路40は、まず周波数指令値Fc2を増大させて、交流電圧VAC3を示すベクトルを交流信号vacを示すベクトルに追い付かせる。交流電圧VAC3を示すベクトルが交流信号vacを示すベクトルを追い越すと、位相同期制御回路40は、周波数指令値Fc2が減少させて、交流電圧VAC3を示すベクトルの位相を交流信号vacを示すベクトルの位相に一致させる。
したがって、比較例では、実施の形態1と比較して、交流信号vac(すなわち交流電圧VAC2)の周波数変動が大きくなり、変圧器3の偏磁が発生したり、負荷6の動作が不安定になるという問題がある。
[実施の形態2]
図11は、この発明の実施の形態2による電力変換装置の要部を示す回路ブロック図であって、図3と対比される図である。図11を参照して、実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、位相同期制御回路14が位相同期制御回路50で置換されている点である。位相同期制御回路50は、位相同期制御回路14の周波数制御部24および設定部31をそれぞれ周波数制御部51および設定部53で置換したものである。
周波数制御部51は、周波数制御部24の積分項演算部27を積分項演算部52で置換したものである。積分項演算部27は停電検出信号φ12の立ち上がりエッジに応答して周波数指令値FIを直ちに0にリセットするのに対し、積分項演算部52は停電検出信号φ12の立ち上がりエッジに応答して周波数指令値FIを所定時間をかけて徐々に0にリセットする点で、積分項演算部27と積分項演算部52は異なる。
設定部53は、停電検出信号φ12および同期制御指令信号φ23に従って、リミッタ32の可変制限範囲を第1の制限範囲(FL1~FH1)および第2の制限範囲(FL2~FH2)のうちのいずれかの制限範囲に設定する。設定部53は、制限範囲を変化させる場合には、制限範囲を徐々に変化させる。
図12は、実施の形態2に係る電力変換装置の動作を示すタイムチャートであって、図8と対比される図である。図12において、(A)は停電検出信号φ12の波形を示し、(B)は同期検出信号φ11の波形を示し、(C)は開閉器S1のオン/オフ状態を示し、(D)は位相制御指令信号φ23の波形を示し、(E)は位相差Δθの時刻変化を示し、(F)は周波数指令値Fc2とリミッタ32の可変制限範囲との時刻変化を示している。
図12(F)に示すように、ある時刻t1において、商用交流電源7の停電が発生して停電検出信号φ12が「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられると、設定部53により、リミッタ32の可変制限範囲が第2の制限範囲(FL2~FH2)から第1の制限範囲(FL1~FH1)に所定時間をかけて徐々に変化される。また、積分項演算部52により、周波数指令値FIが所定時間をかけて徐々に0にリセットされ、周波数指令値Fc2が現在値から定格周波数指令値Fcrに所定時間をかけて徐々に変化される。
次に時刻t2において、商用交流電源7が復旧して停電検出信号φ12が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられると、設定部53により、リミッタ32の可変制限範囲が第1の制限範囲(FL1~FH1)から第2の制限範囲(FL2~FH2)に所定時間をかけて徐々に変化される。このため、周波数指令値Fc2は、リミッタ32によって制限されて徐々に変化する。
図12では、リミッタ32の可変制限範囲を第1の制限範囲(FL1~FH1)から第2の制限範囲(FL2~FH2)に変化させている途中の時刻t3に、位相差Δθがゼロクロス点Pc0を通過した場合が示されている。他の構成および動作は、実施の形態1と同じであるので、その説明は繰り返さない。
以上のように、この実施の形態2では、積分項演算部52が周波数指令値FIを所定時間をかけて徐々に0にリセットするとともに、設定部53がリミッタ32の可変制限範囲を所定時間をかけて徐々に変化させるので、周波数指令値Fc2がステップ状に変化することを防止することができ、交流電圧VAC2の周波数が急変して変圧器3の偏磁が発生したり、負荷6の動作が不安定になることを防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 コンバータ、L1,L2 直流ライン、C1 コンデンサ、2 インバータ、3 変圧器、S1 開閉器、CD 電流検出器、4 制御装置、5 発電機、6 負荷、7 商用交流電源、11 同期検出器、12 停電検出器、13 開閉器制御部、14,40,50 位相同期制御回路、15 電圧制御部、16 電流制御部、17 加算器、18 PWM制御部、21 位相差検出器、22 ゼロクロス検出器、23 フリップフロップ、24,41,51 周波数制御部、25 比例項演算部、26 スイッチ、27,52 積分項演算部、31,53 設定部、32,42 リミッタ、33 発振器。

Claims (7)

  1. 第1の交流信号と同位相の第2の交流信号を生成する位相同期制御回路であって、
    前記第1および第2の交流信号の位相差を検出する位相差検出器と、
    前記位相差がなくなるように第1の周波数指令値を生成する第1の制御部と、
    前記第1の周波数指令値を可変制限範囲内に制限して第2の周波数指令値を生成するリミッタと、
    前記第2の周波数指令値に応じた値の周波数の前記第2の交流信号を出力する発振器と、
    前記位相差のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器と、
    前記可変制限範囲を第1の制限範囲に設定した後、前記ゼロクロス検出器によって前記ゼロクロス点が検出されたことに応じて、前記可変制限範囲を前記第1の制限範囲よりも大きな第2の制限範囲に変更する設定部とを備える、位相同期制御回路。
  2. 前記設定部は、前記可変制限範囲を前記第1の制限範囲に設定した後、前記第1の制限範囲の幅を一定に維持する、請求項1に記載の位相同期制御回路。
  3. 前記設定部は、前記可変制限範囲を前記第1の制限範囲に設定した後、前記第1の制限範囲の幅を徐々に拡げる、請求項1に記載の位相同期制御回路。
  4. 前記第2の制限範囲は、前記発振器に対して許容される最大の範囲である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の位相同期制御回路。
  5. 前記第1の制御部は、前記位相差の積分値に比例する値に基づいて前記第1の周波数指令値を生成した後、前記ゼロクロス検出器によって前記ゼロクロス点が検出されたことに応じて、前記位相差に比例する値と前記位相差の積分値に比例する値との和に基づいて前記第1の周波数指令値を生成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位相同期制御回路。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の位相同期制御回路と、
    直流電源から供給される直流電圧を、前記第2の交流信号に同期した第1の交流電圧に変換して負荷に供給する逆変換器と、
    一方端子が前記逆変換器から供給される前記第1の交流電圧を受け、他方端子が交流電源から供給される第2の交流電圧を受ける開閉器と、
    前記第2の交流電圧に基づいて前記交流電源の停電の有無を検出し、前記交流電源の停電が発生している場合に停電検出信号を出力する停電検出器と、
    前記第1および第2の交流電圧の位相が一致している場合に同期検出信号を出力する同期検出器と、
    前記停電検出信号に応答して前記開閉器をオフさせ、前記同期検出信号に応答して前記開閉器をオンさせる第2の制御部とを備え、
    前記第1の交流信号は前記第2の交流電圧に同期している、電力変換装置。
  7. 前記直流電源は、発電機から供給される第3の交流電圧を前記直流電圧に変換する順変換器を含む、請求項6に記載の電力変換装置。
JP2020083252A 2020-05-11 2020-05-11 位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置 Active JP7252172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020083252A JP7252172B2 (ja) 2020-05-11 2020-05-11 位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020083252A JP7252172B2 (ja) 2020-05-11 2020-05-11 位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021180538A JP2021180538A (ja) 2021-11-18
JP7252172B2 true JP7252172B2 (ja) 2023-04-04

Family

ID=78510624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020083252A Active JP7252172B2 (ja) 2020-05-11 2020-05-11 位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7252172B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20240021873A (ko) 2022-06-17 2024-02-19 도시바 미쓰비시덴키 산교시스템 가부시키가이샤 위상 동기 제어 회로 및 그것을 이용한 전력 변환 장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008206269A (ja) 2007-02-19 2008-09-04 Honda Motor Co Ltd コージェネレーション装置
JP2011036067A (ja) 2009-08-04 2011-02-17 Kansai Electric Power Co Inc:The 分散電源連系システムおよび系統連系保護装置
JP2012070590A (ja) 2010-09-27 2012-04-05 Meidensha Corp 交直変換装置の同期制御装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09247952A (ja) * 1996-03-05 1997-09-19 Hitachi Ltd 無停電運転方法及び電源装置
JPH10313574A (ja) * 1997-05-07 1998-11-24 Hitachi Ltd 電力変換装置及びその位相同期制御方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008206269A (ja) 2007-02-19 2008-09-04 Honda Motor Co Ltd コージェネレーション装置
JP2011036067A (ja) 2009-08-04 2011-02-17 Kansai Electric Power Co Inc:The 分散電源連系システムおよび系統連系保護装置
JP2012070590A (ja) 2010-09-27 2012-04-05 Meidensha Corp 交直変換装置の同期制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021180538A (ja) 2021-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6957621B2 (ja) 無停電電源装置
JP7252172B2 (ja) 位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置
WO2018185812A1 (ja) 電力変換装置
JP2009100505A (ja) 3レベル電力変換装置
JP6714157B2 (ja) 電源装置およびそれを用いた電源システム
JP4930009B2 (ja) 交流電力供給装置及びその運転方法
TWI634731B (zh) 電源裝置及使用該電源裝置之電源系統
JP7012634B2 (ja) Cvcf電源装置
JP2674402B2 (ja) 交流出力変換器の並列運転制御装置
WO2023243091A1 (ja) 位相同期制御回路およびそれを用いた電力変換装置
JP3550573B2 (ja) 電力変換装置
WO2018185813A1 (ja) 電力変換装置
JP7387913B1 (ja) 無停電電源装置
JP3463197B2 (ja) 同期発電機の自動電圧調整器
JPS62181674A (ja) パルス幅変調形インバ−タ装置
JP2957613B2 (ja) インバータ装置
KR102350938B1 (ko) 무정전 전원장치의 위상 동기 기기
JPH10271829A (ja) 汎用インバータ用整流回路
JP3235651B2 (ja) 周期性信号制御装置
JP3602229B2 (ja) Pwmコンバータ制御方法
CN110463011B (zh) 电力转换装置
JPH08266045A (ja) Dc/dcコンバータ
KR20040040530A (ko) 단상인버터의 병렬제어시스템
JP2002058166A (ja) 電力変換装置の並列運転制御方法とその制御装置
JPH0429527A (ja) 同期制御回路および制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220708

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230315

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7252172

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150