JP7110898B2 - 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス処理装置及び排ガス処理方法に係り、特に、廃棄物焼却炉などから排出される燃焼排ガス中の煤塵や酸性ガス成分の除去処理を行う排ガス処理装置及び排ガス処理方法に関する。
廃棄物焼却炉などから排出され煤塵(飛灰)や酸性ガス(HCl、SO2)を含む燃焼排ガスから酸性ガスを除去するために、煤塵を捕集除去するバグフィルタの手前の排ガスダクト内を流通する排ガスに中和剤である消石灰粉体を供給し、消石灰粉体をバグフィルタの濾布上に付着保持させて、排ガスダクト内と濾布上で酸性ガスと消石灰粉体とを接触させ中和反応により酸性ガスの反応生成物を生じさせ、これを煤塵とともに濾布で捕集して酸性ガスを除去することが行われている。
バグフィルタの濾布表面には、捕集された煤塵(集塵灰という)、消石灰と酸性ガスとの反応生成物及び未反応の消石灰粉体(これらをまとめて集塵灰等という)が付着している。
濾布表面に付着したこれらの集塵灰等は、逆洗のためのパルスジェット噴射装置により濾布材内面から外面に向けて噴射されるパルスジェット気流により表面から剥離され落下して、バグフィルタ下部に一旦堆積し、適宜外部へ排出される。パルスジェット噴射装置による噴射は、例えば所定時間ごとに行われる。
消石灰粉体の供給量は、酸性ガスとの中和反応から想定される化学的な必要量以上の量(例えば当量比1.5程度)(当量比:実際に供給される消石灰の重量(又はモル数)/HCl、SO2との反応に必要な消石灰の重量(又はモル数))を供給して酸性ガス成分の十分な除去を行い、排ガス中の当該成分の規制値を充足させている。
このような高めの当量比で消石灰を供給すると、酸性ガスとの反応に寄与しなかった未反応の消石灰が生じることとなり、集塵灰を排出する際に未反応のままバグフィルタから排出されることになる。
そこで、バグフィルタにより捕集され回収された集塵灰等をバグフィルタの入口側の排ガス中に循環して供給する(集塵灰循環という)ことにより、集塵灰等に含まれる未反応の消石灰を有効利用し、新たに供給する消石灰の量を低減して運転コストを低減することが、特許文献1に開示されている。
更に、この集塵灰循環における制御方法として、特許文献2では、バグフィルタ入口または出口の酸性ガス濃度に応じて、新しく吹き込むアルカリ剤の量および集塵灰等の循環率(循環供給する集塵灰等重量/バグフィルタから排出する全集塵灰等重量)を変化させることが記載されている。
特開2014-24052号公報 特開2016-159258号公報
新たなアルカリ剤の供給量を低減するためには、未反応のアルカリ剤を反応させ、供給したアルカリ剤の重量に対して反応したアルカリ剤の重量比であるアルカリ剤の反応率を高くすることが有効であり、循環率を高くすればするほど、未反応のアルカリ剤を多く反応させ、アルカリ剤の反応率を高くすることができる。一方、バグフィルタの濾布に煤塵等が付着すると、排ガスが濾布を通過するときの圧力損失が大きくなり、バグフィルタの入口と出口との差圧が上昇する。差圧が所定圧力以上にならないように、パルスジェット噴射装置による噴射によって例えば所定時間ごとに逆洗が行われ、濾布に付着している煤塵等が剥離され除去される。すると、上昇していた差圧は逆洗により低下し、集塵を再開すると差圧は再び上昇し始め、このような差圧の推移が繰り返される。つまり、集塵灰等の循環率が高いほど、バグフィルタへ流入する煤塵等の量が多く、バグフィルタの差圧は早くかつ高く上昇することになる。このように、アルカリ剤の反応率を向上させるためには、循環率を高くすることが有効であるが、循環率が高いとバグフィルタの差圧上昇が高くなる。バグフィルタの差圧が高すぎると排ガスが濾布を円滑に通過できなくなり、支障が生じる。また、差圧を低く抑えるために逆洗の頻度を多くすると、濾布に負荷がかかり、濾布の交換頻度が高くなる。そこで、バグフィルタの差圧を測定し、濾布による濾過が可能な上限の差圧である限界差圧まで、差圧が上昇することを許容するように循環率を高くすれば、濾布の交換頻度を抑えつつ、アルカリ剤の反応率を高くできることを導き出した。
また、特許文献2に記載の技術では、酸性ガス濃度に応じて吹き込むアルカリ剤の量および循環率を変化させる制御を行っている。
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、バグフィルタの差圧と循環率との関係について考慮されておらず、限界差圧より低い差圧となっているような(差圧が上昇していても限界差圧にまで余裕のあるような)循環率で運転することとなっており、アルカリ剤の反応率を高くするような制御は行われない。また、バグフィルタの差圧は、排ガス流量、排ガス中の煤塵濃度、アルカリ剤の供給量の変動により、変動する。そのため、循環率を制御するには、バグフィルタ差圧の変動に対応して、制御することが必要となる。
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、濾布の限界差圧に対応させてアルカリ剤の循環率が最大となるように制御することで、アルカリ剤の反応率を最大化して、新たなアルカリ剤の供給量を最小化することを可能とする排ガス処理装置及び排ガス処理方法を提供することを課題とする。
本発明は、排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理装置において、排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタと、前記バグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給するためのアルカリ剤供給手段と、前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給するための集塵灰循環手段と、前記バグフィルタの入口と出口との差圧を測定する差圧測定手段と、該バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御する集塵灰循環率制御手段と、を備え、前記集塵灰循環率制御手段は、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が前記バグフィルタの限界差圧となるように制御することを特徴とする排ガス処理装置により、前記課題を解決するものである。
ここで、集塵灰の循環率は、バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物の、バグフィルタから排出する重量に対して循環供給する重量比率である。
本発明は、又、排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理装置において、排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタと、前記バグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給するためのアルカリ剤供給手段と、前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給するための集塵灰循環手段と、前記バグフィルタの入口と出口との差圧を測定する差圧測定手段と、該バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御する集塵灰循環率制御手段と、を備え、前記集塵灰循環率制御手段は、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が前記バグフィルタの限界差圧以下の範囲で限界差圧に近づくように制御することを特徴とする排ガス処理装置により、同様に前記課題を解決するものである
なお、限界差圧とは、バグフィルタの濾布による濾過が可能な上限の差圧のことである。限界差圧より高い差圧では、排ガスが濾布を通過することが困難となり、バグフィルタの集塵に支障が生じたり、排ガスを吸引するファンの負荷が過大となる等の問題が生じる。この対策として、集塵灰循環率を高くして、アルカリ剤の反応率を高めることを目指すときに、集塵灰循環率を高くすることに伴い、バグフィルタの入口と出口との差圧(バグフィルタ差圧)が上昇するが、この差圧の上昇は、限界差圧にまで許容することが有効である。集塵灰循環率の制御について、バグフィルタ差圧がバグフィルタの限界差圧となるように、又はバグフィルタの限界差圧以下の範囲で限界差圧に近づくように制御することにより、集塵灰循環率を高くして未反応アルカリ剤を反応させることで反応率を高め、新たに供給するアルカリ剤を低減することができる。
加えて、バグフィルタ差圧を測定し、測定値が所定範囲より低い場合は集塵灰循環率を高くし、測定値が所定範囲より高い場合は集塵灰循環率を低くするように制御することが好ましい。
ここで、前記バグフィルタの入口側および出口側の酸性ガス濃度のうち、少なくとも一方を測定する酸性ガス濃度測定手段と、前記アルカリ剤の供給量を制御するアルカリ剤供給量制御手段を更に備え、前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御している下で、前記バグフィルタの入口側および出口側の酸性ガス濃度のうち、少なくとも一方に基づき前記アルカリ剤の供給量を制御するようにされていることができる。
又、前記集塵灰循環手段が集塵灰の貯槽を含むことができる。
本発明は、又、排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理方法において、排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給すると共に、前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて、前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給する集塵灰の循環率を制御する際に、前記集塵灰の循環率を、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が、前記バグフィルタの限界差圧となるように制御することにより、同様に前記課題を解決するものである。
本発明は、又、排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理方法において、排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給すると共に、前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて、前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給する集塵灰の循環率を制御する際に、前記集塵灰の循環率を、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が、前記バグフィルタの限界差圧以下の範囲で限界差圧に近づくように制御することにより、同様に前記課題を解決するものである
ここで、前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御している下で、前記バグフィルタの入口側および出口側の酸性ガス濃度のうち、少なくとも一方に基づき前記アルカリ剤の供給量を制御することができる。
本発明によれば、バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御するようにしたので、前記差圧がバグフィルタの限界差圧となるように、又は、限界差圧以下の範囲で限界差圧に近づくように、循環率を制御することで、アルカリ剤の反応率を最大化できる。従って、アルカリ剤の供給量を最小化することが可能となる。
本発明の実施形態の構成を示す全体図 前記実施形態におけるバグフィルタの差圧及び循環率設定値の時間変化の例を示す図 同じく循環率と必要消石灰量の関係の例を示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。加えて、以下の実施形態の説明では、後述するバグフィルタにより捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物をまとめて集塵灰ということがある。
本実施形態は、図1に示す如く、排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理装置において、排ガスダクト8により図示しない廃棄物焼却炉等から送り込まれる排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタ10と、該バグフィルタ10の入口より上流側で排ガスにアルカリ剤、例えば消石灰を供給するためのアルカリ剤供給手段である消石灰供給装置20と、バグフィルタ10下方の集塵灰ホッパ14下部に溜まる集塵灰を切出すための集塵灰切出装置30と、該集塵灰切出装置30によって切出された集塵灰を廃棄又は循環するために分配する集塵灰分配装置32と、集塵灰を廃棄灰処理系統に送って廃棄するために例えば図の右方向に搬送する、例えばスクリューコンベアで構成される廃棄集塵灰搬送装置34と、集塵灰を循環供給するために例えば図の左方向に搬送する、例えばスクリューコンベアで構成される循環集塵灰搬送装置36と、循環供給される集塵灰を一時的に貯えておくための、例えばサイロで構成される集塵灰貯槽38と、該集塵灰貯槽38に貯えられた集塵灰を排ガスダクト8に供給するための循環集塵灰供給装置40と、バグフィルタ10の入力圧力Pinと出口圧力Poutの差圧を測定する差圧計50と、該差圧計50の差圧測定値に応じて前記集塵灰分配装置32を制御することにより循環率を制御する集塵灰循環率制御装置52と、前記バグフィルタ10の出口側の酸性ガス濃度を測定する酸性ガス濃度計60と、前記バグフィルタ10の入口側の酸性ガス濃度を測定する酸性ガス濃度計62と、該酸性ガス濃度計60および62の酸性ガス濃度測定値のうち少なくとも一方によって前記消石灰供給装置20による消石灰の供給量を制御する消石灰供給量制御装置64とを備えたものである。
図1において、12は、バグフィルタ10内に配設された、排ガス中の煤塵を集塵するための濾布、22は、バグフィルタ10で除塵された排ガスを排出するためのファンである。
前記消石灰供給装置20としては、例えば消石灰を収容するホッパとテーブルフィーダなどの切出量を制御可能な切出装置が使用できる。
前記集塵灰切出装置30としては、例えばロータリーバルブやダブルダンパが使用できる。
前記集塵灰分配装置32は、例えばスクリューコンベアを用いて、図の左右の2つの排出口へ向けて集塵灰を送る方向を切り替えて、集塵灰を循環集塵灰搬送装置36により循環供給する分(図の左側)と、廃棄集塵灰搬送装置34により廃棄灰処理系統に送って廃棄する分(図の右側)とに分配する。あるいは、廃棄集塵灰搬送装置34と循環集塵灰搬送装置36を、例えば長いコンベアを用いて一体化して、コンベアの搬送方向を切り換えることで、集塵灰の供給先を切り替えることも可能である。
前記循環集塵灰搬送装置36の出口側に設けた集塵灰貯槽38は、例えば重量をロードセルで計測する、あるいは、レベルセンサで制御する等により、槽内の集塵灰のレベルを一定範囲内に維持して、循環集塵灰搬送装置36の運転状態に係わらず、集塵灰が循環集塵灰供給装置40に供給されるようにすることができる。なお、この集塵灰貯槽38は省略することもできる。
前記循環集塵灰供給装置40としては、テーブルフィーダ等の切出量を制御可能な切出装置を用いることができる。
なお、排ガスダクト8における循環集塵灰供給装置40の位置は、図に例示した消石灰供給装置20の上流側でも下流側でも良い。
この排ガス処理装置は、廃棄物焼却炉(図示省略)などから排出され、煤塵や酸性ガス(HCl、SO2)を含む燃焼排ガスから酸性ガスを除去する。
具体的には、煤塵を捕集するバグフィルタ10手前の排ガスダクト8内を流通する排ガスに、例えば消石灰又は重曹でなるアルカリ剤(実施形態では消石灰)を供給し、アルカリ剤をバグフィルタ10の濾布12上に付着保持させて、排ガスダクト8内と濾布12上で酸性ガスとアルカリ剤とを接触させ、中和反応により酸性ガスの反応生成物を生じさせ、これを濾布12で捕集して酸性ガスを除去する。
バグフィルタ10に流入する排ガスに含まれる煤塵、消石灰、酸性ガスとの反応生成物(これらを集塵灰等または単に集塵灰という)の大部分は濾布12上に付着するが、一部は付着せず落下してバグフィルタ10下部の集塵灰ホッパ14に堆積する。
濾布12は、バグフィルタ10の上部に配設されたパルスジェット噴射装置(図示省略)により濾布12の内側から例えば周期的に噴射されるパルスジェット気流により、周期的に逆洗され、集塵灰等が濾布12表面から剥離され落下して、バグフィルタ10下部の集塵灰ホッパ14に堆積し、適宜集塵灰切出装置30により排出される。
本実施形態においては、循環集塵灰供給装置40により、バグフィルタ10で捕集した集塵灰等をバグフィルタ10の入口より上流側で排ガスに吹き込む集塵灰循環を行うことにより、未反応の消石灰を有効利用して、新たに供給する消石灰の量を低減できる。
本実施形態における集塵灰の循環率の制御は、差圧計50により測定されるバグフィルタ差圧測定値に応じて循環率を制御することにより行う。ここで、集塵灰循環率を高くして、アルカリ剤の反応率を高めることを目指すときに、集塵灰循環率を高めることに伴い、バグフィルタ10の入口と出口との差圧(バグフィルタ差圧)が上昇するが、この差圧の上昇は、限界差圧にまで許容することが有効である。集塵灰循環率の制御について、バグフィルタ差圧がバグフィルタ10の限界差圧となるように、又は、バグフィルタ10の限界差圧以下の範囲で限界差圧に近づくように制御することにより、集塵灰循環率を高くして未反応アルカリ剤を反応させることで反応率を高め、また、消石灰供給量制御装置64により、バグフィルタ出口側の酸性ガス濃度計60及びバグフィルタ入口側の酸性ガス濃度計62のうち少なくとも一方で計測される酸性ガス濃度によって、新たに供給する消石灰の量を低減することができる。
加えて、バグフィルタ差圧を測定し、測定値が所定範囲より低い場合は集塵灰循環率を高くし、測定値が所定範囲より高い場合は集塵灰循環率を低くするように制御することが好ましい。
また、消石灰供給量制御装置64により、バグフィルタ出口側の酸性ガス濃度計60及びバグフィルタ入口側の酸性ガス濃度計62のうち少なくとも一方で計測される酸性ガス濃度によって、消石灰供給装置20により新たに供給される消石灰の供給量を制御し、排ガス中の酸性ガス濃度に対応して、適正な量で消石灰を供給することができるため、新たに供給する消石灰の量を低減することができる。
また、バグフィルタ入口側の酸性ガス濃度計62で計測される酸性ガス濃度の急上昇を検知し、一時的に新しいアルカリ剤の供給量を増加させることで、出口側の酸性ガス濃度の急上昇を防ぐことができる。
本実施形態では、集塵灰循環率の変更を以下のように行う。集塵灰分配装置32の循環集塵灰搬送装置36と廃棄集塵灰搬送装置34への排出運転時間の内、循環集塵灰搬送装置36側への排出運転時間の割合が循環率となるので、循環率変更の際は、運転時間の比率を変更する。
前記バグフィルタ差圧は、濾布に集塵灰等が付着すると差圧が上昇し、特に循環率が高いとバグフィルタ10に流入する煤塵量が多く、差圧上昇が大きい。逆洗時に逆洗パルスジェット噴射により付着した集塵灰等が剥離除去されると差圧が低下するなど差圧が上下するので、パルスジェット噴射時間(例えば5分間)以上の期間(例えば10分間)の差圧測定値の移動平均値に応じて循環率を制御することが好ましい。
ここで、本実施形態におけるバグフィルタ差圧と循環率の設定値(制御目標値)の関係の例を表1に示す。
Figure 0007110898000001
表1において、バグフィルタ差圧の限界値に対して下回る差圧をa、b、c(a<b<c)と設定し、区分を1~5として区分し、それぞれの区分における循環率の制御目標値(設定値)を示す。
運転開始時の初期循環率設定値は、排ガス中のダスト濃度によって決定するが、例えば50%とすることができる。
表1に従って、時刻t0で初期循環率設定値を50%として制御を始めた場合のバグフィルタ差圧と循環率設定値の時間変化の関係の例を図2に示す。
時刻t0~t1間では、バグフィルタ差圧が表1の区分4(限界値-cと限界値-bの間)にあったので、時刻t1で循環率設定値を10%高めて60%とし、時刻t1~t2間ではバグフィルタ差圧が上昇するが、区分4(限界値-cと限界値-bの間)にあったので、時刻t2で循環率設定値を更に10%高めて70%としている。一方、時刻t2~t3間ではバグフィルタ差圧が上昇し、区分3(限界値-bと限界値-aの間)に入ったので、時刻t3において、循環率設定値は現在の設定値である70%をそのまま維持している。次いで、時刻t3~t4間ではバグフィルタ差圧が上昇し、区分2(限界値-aと限界値の間)に入ったので、時刻t4で循環率設定値を10%下げて60%に戻している。
なお、バグフィルタ差圧が限界値、例えば2kPa以上となった時は、一時的に循環率を0%に下げ、すなわち、集塵灰循環を停止するように制御し、バグフィルタ差圧が2kPa未満になった時に循環率を0%とした直前の設定値に戻し、逆にバグフィルタ差圧が限界値-c未満となった時は、一時的に循環率を100%に上げ、バグフィルタから排出される集塵灰全量を循環供給し、バグフィルタ差圧が限界値-c以上となった時に循環率を100%とした直前の設定値に戻すようにすることができる。このように、バグフィルタ差圧を測定し、測定値に応じて集塵灰循環率を制御することにより、バグフィルタ10の集塵運転を円滑に行いながら、集塵灰循環率を高くしてアルカリ剤の反応率を高めることができる。
又、本実施形態における消石灰供給量の制御は、排ガス流量、循環率、バグフィルタ入口側および出口側の酸性ガス濃度のうち、少なくとも一方と消石灰供給量との対応関係を予め取得しておき、循環率を適正に制御している下でバグフィルタ入口側及び出口側の酸性ガス濃度測定値のうち少なくとも一方に基づき、消石灰供給量を制御する。具体的には、バグフィルタ出口側の酸性ガス濃度計60で検出される酸性ガス(例えばHCl)濃度が目標値(例えば廃棄物焼却施設ごとに定められた基準値に余裕をもたせた値であって例えば30ppm)となるように、消石灰供給量制御装置64により、例えばPID制御を用いて、目標値より低い場合は、供給量を減少させ、高い場合は増加させる。
又、バグフィルタ入口側の酸性ガス濃度計62で計測される酸性ガス濃度の増加率が所定値以上となった場合は、一時的に新しいアルカリ剤の供給量を増加させることで、出口側の酸性ガス濃度の急上昇を防ぐ。
次に、前記実施形態における消石灰供給量の削減効果を例示する。
排ガス流量20kNm/h、入口HCl濃度300ppm、SO2濃度30ppmのとき、循環率とバグフィルタ出口HCl濃度を30ppmとするのに必要な消石灰吹き込み量の関係は図3のようになる。図3によれば、循環率が高いほど、消石灰の量を削減できることがわかる。
なお、前記実施形態においては、バグフィルタ10が1区画とされていたが、バグフィルタ10が複数区画に分かれていても良い。
又、前記実施形態においては、中和剤であるアルカリ剤として消石灰が用いられていたが、中和剤の種類は、これに限定されず、例えば重曹やドロマイトであっても良い。
8…排ガスダクト
10…バグフィルタ
20…消石灰供給装置
30…集塵灰切出装置
32…集塵灰分配装置
34…廃棄集塵灰搬送装置
36…循環集塵灰搬送装置
38…集塵灰貯槽
40…循環集塵灰供給装置
50…差圧計
52…集塵灰循環率制御装置
60、62…酸性ガス濃度計
64…消石灰供給量制御装置

Claims (7)

  1. 排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理装置において、
    排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタと、
    前記バグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給するためのアルカリ剤供給手段と、
    前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給するための集塵灰循環手段と、
    前記バグフィルタの入口と出口との差圧を測定する差圧測定手段と、
    該バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御する集塵灰循環率制御手段と、を備え
    前記集塵灰循環率制御手段は、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が前記バグフィルタの限界差圧となるように制御することを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理装置において、
    排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタと、
    前記バグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給するためのアルカリ剤供給手段と、
    前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給するための集塵灰循環手段と、
    前記バグフィルタの入口と出口との差圧を測定する差圧測定手段と、
    該バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御する集塵灰循環率制御手段と、を備え、
    前記集塵灰循環率制御手段は、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が前記バグフィルタの限界差圧以下の範囲で限界差圧に近づくように制御することを特徴とする排ガス処理装置。
  3. 前記バグフィルタの入口側および出口側の酸性ガス濃度のうち、少なくとも一方を測定する酸性ガス濃度測定手段と
    前記アルカリ剤の供給量を制御するアルカリ剤供給量制御手段を更に備え
    前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御している下で、記バグフィルタの入口側および出口側の酸性ガス濃度のうち、少なくとも一方に基づき前記アルカリ剤の供給量を制御するようにされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記集塵灰循環手段が集塵灰の貯槽を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の排ガス処理装置。
  5. 排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理方法において、
    排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給すると共に、
    前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて、前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給する集塵灰の循環率を制御する際に、
    前記集塵灰の循環率を、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が、前記バグフィルタの限界差圧となるように制御することを特徴とする排ガス処理方法。
  6. 排ガス中の酸性ガスを除去するための排ガス処理方法において、
    排ガス中の煤塵を集塵するためのバグフィルタの入口より上流側で排ガスにアルカリ剤を供給すると共に、
    前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて、前記バグフィルタで捕集した集塵灰、未反応アルカリ剤、及び、酸性ガスとアルカリ剤との反応生成物を、該バグフィルタの入口より上流側で排ガスに供給する集塵灰の循環率を制御する際に、
    前記集塵灰の循環率を、前記バグフィルタの入口と出口との差圧が、前記バグフィルタの限界差圧以下の範囲で限界差圧に近づくように制御することを特徴とする排ガス処理方法。
  7. 前記バグフィルタの入口と出口との差圧に応じて集塵灰の循環率を制御している下で、前記バグフィルタの入口側および出口側の酸性ガス濃度のうち、少なくとも一方に基づき前記アルカリ剤の供給量を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の排ガス処理方法。
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