JP7101166B2 - 太陽電池、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含む太陽電池、及びその製造方法に関する。
近年、有機無機ペロブスカイト化合物を利用した固体型光電変換素子は、高い光電変換効率を示すことが報告されており、太陽電池への適用が盛んに検討されている。そのような太陽電池は、陰極及び陽極と、これら両電極の間に配置される、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層とを備えることが一般的である。また、特許文献1に開示されるように、光電変換層の水分による劣化を抑制する観点から、陰極又は陽極のいずれか一方の上に無機層、及び所定の水蒸気透過率を有するバリア層がこの順で配置されたものも知られている。
特開2016-178295号公報
しかしながら、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層は、水分による劣化が顕著であるため、電極上に設けられた無機層及びバリア層によって、光電変換層の水分劣化を十分には抑制できないことがある。例えば、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層は、側面からの水分浸入により劣化が発生することがある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、光電変換層の側面からの水分浸入による劣化に対して、高い耐久性を有する太陽電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、光電変換層を構成するペロブスカイト層の外周側に、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)から選択される少なくとも1つ又は有機ハロゲン化物(C)を含む側面保護層を設けることで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明は完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[9]を提供する。
[1]第1及び第2の電極と、
前記第1及び第2の電極の間に配置されるとともに、一般式RMX(ただし、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子である)で表される有機無機ペロブスカイト化合物(A)を含むペロブスカイト層と、
前記ペロブスカイト層の外周側に、前記ペロブスカイト層の側面の少なくとも一部を被覆するように設けられ、かつ金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つ又は有機ハロゲン化物(C)を含む側面保護層と
を備える太陽電池。
[2]前記側面保護層が、前記ペロブスカイト層を全周にわたって取り囲むように設けられる上記[1]に記載の太陽電池。
[3]前記有機無機ペロブスカイト化合物(A)が、前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つと、有機ハロゲン化物(C)との反応生成物である上記[1]又は[2]に記載の太陽電池。
[4]前記有機ハロゲン化物(C)が、ハロゲン化アルキルアンモニウムである上記[3]に記載の太陽電池。
[5]前記側面保護層は、前記ペロブスカイト層の外周から外側に0.5mm以上の幅を有する上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の太陽電池。
[6]第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上において、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つを付着させるとともに、有機ハロゲン化物(C)を付着させることにより、ペロブスカイト層を少なくとも形成する工程と、
前記ペロブスカイト層の上に第2の電極を形成する工程とを備え、
前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域は、前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域に重なり、かつその領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出る又は
前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域は、前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域に重なり、かつその領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出る太陽電池の製造方法。
[7]前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域は、前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域の外周より全周にわたってはみ出る上記[6]に記載の太陽電池の製造方法。
[8]前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域は、前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域の外周より全周にわたってはみ出る上記[6]に記載の太陽電池の製造方法。
[9]前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つを付着させた後に、前記有機ハロゲン化物(C)を付着させる上記[6]、[7]又は[8]に記載の太陽電池の製造方法。
本発明では、光電変換層の側面からの水分浸入による劣化に対して、高い耐久性を有する太陽電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池を示す模式的な断面図である。 本発明に係る側面保護層及びペロブスカイト層の構造の一実施形態を示す模式的な斜視図である。
以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。
本発明の太陽電池は、いずれか一方が陰極、他方が陽極となる第1及び第2の電極と、これら第1及び第2の電極の間に配置されるペロブスカイト層と、ペロブスカイト層の外周側に配置され、かつペロブスカイト層の側面を被覆するように設けられる側面保護層とを備える。
ペロブスカイト層は、有機無機ペロブスカイト化合物(A)を含む層であり、光電変換層となるものである。また、側面保護層は、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)から選択される少なくとも1つ又は有機ハロゲン化物(C)を含む層である。本発明においては、ペロブスカイト層の外周側に側面保護層を設けることで、側面からの水分浸入によって、光電変換層(ペロブスカイト層)が劣化するのを防止する。
なお、以下の説明では、有機無機ペロブスカイト化合物(A)を省略して単に“(A)成分”ということがある。他の化合物についても同様である。
(有機無機ペロブスカイト化合物(A))
有機無機ペロブスカイト化合物(A)は、以下の一般式(1)で表される化合物である。
RMX ・・・(1)
(ただし、式(1)において、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子である。)
光電変換層であるペロブスカイト層に一般式(1)で示される有機無機ペロブスカイト化合物(A)を含有させることにより、太陽電池の光電変換効率を良好にすることができる。なお、光電変換層に有機無機ペロブスカイト化合物(A)を利用した太陽電池は、有機無機ハイブリッド型太陽電池とも呼ばれる。
上記一般式(1)において、Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、フェネチルアミン、アニリン、ビリジン、ホルムアミジン、グアニジン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)、フェネチルアンモニウム等)などが挙げられる。
Rの有機分子は、上記した中でも、アルキルアミン及びそのイオンが好ましく、中でもメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミンなどの1級アルキルアミン及びこれらのイオンが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びそのイオンがより好ましく、メチルアミン及びそのイオンがさらに好ましい。
Rで示される有機分子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(1)において、Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。これらの金属原子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、太陽電池の光電変換効率を向上させる観点から、鉛、スズ、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン、ビスマスが好ましく、鉛がより好ましい。
上記一般式(1)において、Xはハロゲン原子である。Xは、例えば、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。これらのハロゲン原子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機無機ペロブスカイト化合物は、ハロゲン原子を含有することで、有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になる。また、ハロゲン原子としては、ヨウ素がより好ましい。ヨウ素を使用すると、有機無機ペロブスカイト化合物(A)のエネルギーバンドギャップが狭くなり、光電変換効率を向上させやすくなる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物(A)は、体心に金属原子、各頂点に有機分子、面心にハロゲン原子が配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。詳細は明らかではないが、立方晶系の構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、有機無機ペロブスカイト化合物(A)中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
ペロブスカイト層を構成する有機無機ペロブスカイト化合物(A)は、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)から選択される少なくとも1つと、有機ハロゲン化物(C)との反応生成物であることが好ましい。有機無機ペロブスカイト化合物(A)がこれらの反応生成物であると、成分(B1)及び(B2)の少なくともいずれかと、成分(C)を同じ領域に付着させ、その領域でこれらを反応させることでペロブスカイト層を形成することができる。また、成分(B1)及び(B2)の少なくともいずれかを付着させるが、成分(C)を付着させない領域又は成分(C)を付着させるが、成分(B1)及び(B2)の少なくともいずれかを付着させない領域を設けることで、その領域に成分(B1)及び(B2)の少なくともいずれか、又は成分(C)を含む側面保護層を形成することができる。
(金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2))
金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)の少なくともいずれかは、側面保護層を構成しうる成分の1つである。また、有機ハロゲン化物(C)と反応して有機無機ペロブスカイト化合物(A)を生成するものである。本発明においては、側面保護層に、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)の少なくともいずれかを使用することで、ペロブスカイト層への水分浸入を適切に防止することが可能である。また、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)は、上記のように有機無機ペロブスカイト化合物(A)の原料(前駆体)にもなるものであり、これらをペロブスカイト層の原料として使用することで、側面保護層とペロブスカイト層の形成が容易になる。
また、側面保護層及びペロブスカイト層の形成を容易にする観点から、側面保護層に含有される金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)は、ペロブスカイト層に含有される有機無機ペロブスカイト化合物(A)の前駆体として使用されるものと同一の化合物であることが好ましい。
金属ハロゲン化物(B1)は、有機ハロゲン化物(C)と反応して、有機無機ペロブスカイト化合物(A)を生成することができるものであればよいが、以下の一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
MX ・・・(2)
(ただし、M、及びXはそれぞれ、式(1)におけるM、及びXと同義である。kは1~3の整数である。)
式(2)において、kは2であることが好ましい。なお、金属ハロゲン化物(B1)におけるM、Xの詳細な説明は上記と同様であるので省略する。
金属ハロゲン化物(B1)の好ましい具体例としては、塩化鉛(PbCl)、臭化鉛(PbBr)、ヨウ化鉛(PbI)、塩化スズ(SnCl)、臭化スズ(SnBr)、ヨウ化スズ(SnI)、塩化インジウム(InCl)、臭化インジウム(InBr)、ヨウ化インジウム(InI)が挙げられる。これらの中でも塩化鉛、臭化鉛、ヨウ化鉛がより好ましく、ヨウ化鉛がさらに好ましい。
なお、1価ハロゲン化インジウムなどの各種の1価金属ハロゲン化物を使用する場合には、各種の3価金属ハロゲン化物と混合して使用すればよい。
有機金属ハロゲン化物(B2)とは、金属ハロゲン化物に極性を有する有機分子を配位して錯体化したものである。例えば、有機金属ハロゲン化物(B2)は、上記した金属ハロゲン化物(B1)と、金属ハロゲン化物(B1)と錯体を形成し得る化合物(以下、単に化合物(B3)ということがある)とからなるものである。
化合物(B3)としては、スルホキシド化合物、アミド化合物等が挙げられる。また、後述するように金属ハロゲン化物(B1)に混合して使用する溶媒も、金属ハロゲン化物(B1)の種類によっては、金属ハロゲン化物(B1)と錯体を形成し得る化合物(B3)になり得ることもある。
上記スルホキシド化合物としては、一般式Y-S(=O)-Y’で表される化合物が挙げられる。ここで、Y及びY’は、置換基を有していてもよい炭素数1~18の炭化水素基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、メチレン基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。これらの中では、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、フェニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。なお、YとY’は互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
化合物(B3)としては、これらの中では、スルホキシド化合物が好ましく、より好ましくはジメチルスルホキシド(DMSO)である。
有機金属ハロゲン化物(B2)の生成方法は、特に限定されないが、金属ハロゲン化物(B1)と、化合物(B3)とを混合する方法などが挙げられる。
金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)は、これらから選択される1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(有機ハロゲン化物(C))
有機ハロゲン化物(C)は、側面保護層を構成しうる成分の1つである。本発明においては、側面保護層に、有機ハロゲン化物(C)を使用することで、ペロブスカイト層へ浸入する水分が有機ハロゲン化物(C)に吸収されることから、ペロブスカイト層まで水分が到達し難くなり、ペロブスカイト層の劣化を防止することが可能である。また、有機ハロゲン化物(C)は、上記のように有機無機ペロブスカイト化合物(A)の原料(前駆体)にもなるものであり、これらをペロブスカイト層の原料として使用することで、側面保護層とペロブスカイト層の形成が容易になる。
有機ハロゲン化物(C)は、上記したように、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)の少なくともいずれかと反応して有機無機ペロブスカイト化合物(A)を生成するものである。有機ハロゲン化物(C)は、以下の一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
RX ・・・(3)
(ただし、R、及びXはそれぞれ、式(1)におけるR及びXと同義である。)
なお、有機ハロゲン化物(C)におけるR、Xの詳細な説明は上記と同様であるので省略する。
また、有機ハロゲン化物(C)は、ハロゲン化アルキルアンモニウムがより好ましく、特にハロゲン化1級アルキルアンモニウムがさらに好ましい。
有機ハロゲン化物(C)の具体例は、上記したRで示される有機分子のハロゲン化物が挙げられる。中でも、塩化メチルアンモニウム、臭化メチルアンモニウム、ヨウ化メチルアンモニウム、塩化エチルアンモニウム、臭化エチルアンモニウム、ヨウ化エチルアンモニウム、塩化プロピルアンモニウム、臭化プロピルアンモニウム、ヨウ化プロピルアンモニウム、塩化ブチルアンモニウム、臭化ブチルアンモニウム、ヨウ化ブチルアンモニウム、塩化ペンチルアンモニウム、臭化ペンチルアンモニウム、ヨウ化ペンチルアンモニウム、塩化ヘキシルアンモニウム、臭化ヘキシルアンモニウム、ヨウ化ヘキシルアンモニウムが好ましく、ヨウ化メチルアンモニウム、ヨウ化エチルアンモニウム、ヨウ化プロピルアンモニウムがより好ましく、ヨウ化メチルアンモニウムが特に好ましい。
有機ハロゲン化物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ペロブスカイト層は、有機無機ペロブスカイト化合物(A)からなるものでもよいが、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、有機無機ペロブスカイト化合物(A)に加えて、他の成分を含んでもよい。有機無機ペロブスカイト化合物(A)の含有量は、ペロブスカイト層において、一般的に50質量%以上であり、好ましくは70~100質量%、より好ましくは80~100質量%である。
ペロブスカイト層に含まれる有機無機ペロブスカイト化合物(A)以外の成分としては、有機半導体及び無機半導体の少なくともいずれが挙げられる。また、有機無機ペロブスカイト化合物(A)を形成するときの原料の未反応物(例えば、(B1)、(B2)及び(C)成分)などが含まれていてもよい。
有機半導体としては、例えば、ポリ(3-アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
また、無機半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
ペロブスカイト層が、有機半導体及び無機半導体の少なくともいずれかを含む場合、有機半導体部位及び無機半導体部位の少なくともいずれかと有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。
また、上記有機半導体及び無機半導体の少なくともいずれかは、有機半導体層、無機半導体層として形成され、ペロブスカイト層と積層構造を形成して、ペロブスカイト層とともに光電変換層の機能を有してもよい。また、これら有機半導体層又は無機半導体層は、後述する電子輸送層又はホール輸送層の役割を果たすこともある。
側面保護層が金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)から選択される化合物を含む場合、側面保護層は本発明の効果を損なわない範囲であれば、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)以外の成分を含んでもよい。金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)の合計含有量は、側面保護層において、一般的に50質量%以上であり、好ましくは70~100質量%、より好ましくは80~100質量%である。
側面保護層に含まれる金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)以外の成分としては、上記した有機半導体、無機半導体などが挙げられる。
側面保護層が有機ハロゲン化物(C)を含む場合、側面保護層は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、有機ハロゲン化物(C)以外の成分を含んでもよい。側面保護層に含まれる有機ハロゲン化物(C)以外の成分としては、上記した有機半導体、無機半導体などが挙げられる。
(太陽電池の層構造)
本発明の太陽電池は、第1及び第2の電極と、これら第1及び第2の電極の間に配置されるペロブスカイト層と、ペロブスカイト層の外周側に配置される側面保護層とを備えるものであるが、本発明の効果を損なわない範囲において、第1及び第2の電極、ペロブスカイト層、及び側面保護層以外の層を有していてもよい。
例えば、陰極(第1又は第2の電極)とペロブスカイト層の間に電子輸送層が設けられてもよいし、陽極(第1又は第2の電極)とペロブスカイト層の間にホール輸送層が設けられてもよい。
また、太陽電池にはバリア層が設けられ、厚さ方向に沿う水分浸入などがバリア層によって保護されてもよい。バリア層は、第1及び第2の電極の一方又は両方のペロブスカイト層が設けられる側とは反対側に設けられるとよい。また、バリア層は、例えば、接着層を介して第1又は第2の電極に接着されるとよい。さらに、上記したように、ペロブスカイト層に積層するように、無機半導体層、有機半導体層などが設けられてもよい。
また、太陽電池は、基板を有することが好ましく、第1及び第2の電極、ペロブスカイト層、側面保護層、及び必要に応じて設けられるその他の層を有する積層体が基板上に設けられるとよい。
図1は、本発明の太陽電池の一実施形態を示す。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る太陽電池10は、基板11を有し、さらに、その基板11上に、陰極となる第1の電極12と、電子輸送層13と、ペロブスカイト層14及び側面保護層15と、ホール輸送層16と、第2の電極17と、接着層18と、バリア層19とがこの順番に形成されている。
(側面保護層及びペロブスカイト層の構造)
図2は、本発明に係る側面保護層及びペロブスカイト層の構造の一実施形態を示す模式的な斜視図である。以下、図2を参照しつつ、側面保護層及びペロブスカイト層の構造についてより詳細に説明する。
図2に示すように、側面保護層15は、ペロブスカイト層14に連続するようにペロブスカイト層14の外周側に設けられ、ペロブスカイト層14の側面を被覆する。これにより、ペロブスカイト層14は、側面保護層15によって側面が露出することが防止され、側面からの水分浸入等が防止される。
本発明の一実施形態において、ペロブスカイト層14の外周側に設けられた側面保護層15は、図2に示すように、ペロブスカイト層14を全周にわたって取り囲むように設けられる。この場合、ペロブスカイト層14の側面は、全周が側面保護層15によって被覆され、側面からの水分浸入を効果的に防ぐことが可能になる。
上記のように側面保護層15は金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)から選択される化合物を含んでいてもよいし、有機ハロゲン化物(C)を含んでいてもよい。側面保護層15が金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)から選択される化合物を含む場合、より効果的に側面からの水分浸入を防ぐことができる。側面保護層15が有機ハロゲン化物(C)を含む場合、形成される側面保護層の色が白色となることから、意匠性が高いという利点がある。側面保護層に金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)を含む場合は、例えば、鉛原子が含まれていると側面保護層が黄色になることから、視覚上、外観上の観点から好ましくない。
ペロブスカイト層14の側面は、全周にわたって、側面保護層15によって被覆される必要はなく、側面の一部のみが側面保護層15によって被覆されてもよい。具体的には、ペロブスカイト層14の側面は、全周の20%以上が被覆されればよく、全周の45%以上が被覆されることが好ましく、全周の70%以上が被覆されることがより好ましいが、全周の100%、すなわち全周にわたって側面が被覆されることが最も好ましい。
ペロブスカイト層14は、例えば、平面視四角形の形状を有している場合には、図2に示すように、その4辺ともが側面保護層15によって被覆されることが最も好ましいが、1辺、2辺、又は3辺のみが側面保護層15によって被覆されていてもよい。
なお、ペロブスカイト層14を平面視した形状は、四角形に限定されず、三角形、五角形、六角形などの四角形以外の多角形形状、円形、楕円形などの曲線を有する形状であってもよい。
また、側面保護層15の幅Wは、ペロブスカイト層14の外周から外側に0.5mm以上の幅であることが好ましい。なお、幅Wとは、ペロブスカイト層14の外周から、側面保護層15の外周までの最短距離をいう。幅Wを0.5mm以上とすることで、側面保護層15によりペロブスカイト層14を適切に保護することが可能になる。また、幅Wは、より好ましくは0.9mm以上、さらに好ましくは1.8mm以上である。さらに、幅Wは、特に限定されないが、有効な光電変換面積を減らさない観点から、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましい。
側面保護層15は、ペロブスカイト層14と同一表面上に形成されることが好ましい。なお、同一表面上に形成されるとは、ペロブスカイト層14と側面保護層15が、同一の層の同じ表面上に形成されていることを意味する。例えば、ペロブスカイト層14が図1に示すように電子輸送層13上に形成されている場合には、側面保護層15も電子輸送層13上に形成されていること意味する。また、電子輸送層13が省略され、ペロブスカイト層が第1の電極12上に直接形成されている場合には、側面保護層15も第1の電極12上に直接形成されていることを意味する。
このように、側面保護層15とペロブスカイト層14が同一表面上に形成されると、ペロブスカイト層14の側面が、側面保護層15によって保護されやすくなる。また、側面保護層15は、後述する製造方法ではペロブスカイト層14を形成するための工程によって同時に形成されるが、そのような製造方法によって形成されやすくなる。
ただし、側面保護層15がペロブスカイト層14の側面を被覆する限り、側面保護層15とペロブスカイト層14は必ずしも同一表面上に形成される必要はなく、例えば、ペロブスカイト層14が電子輸送層13の表面上に形成される一方で、側面保護層15が第1の電極12又は基板11の表面上に形成されてもよい。
側面保護層及びペロブスカイト層の厚さはそれぞれ、5~5000nmが好ましい。厚さが5nm以上であれば、ペロブスカイト層によって充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。厚さが5000nm以下であれば、ペロブスカイト層において電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。ペロブスカイト層及び側面保護層の厚さはそれぞれ、より好ましくは10~1000nm、更に好ましくは20~500nmである。
側面保護層及びペロブスカイト層の厚さは、互いに同一であってもよいが、異なってもよい。ただし、側面保護層によってペロブスカイト層の側面を保護できるように、互いの厚さは同一であるか、また異なっていてもその差はできる限り小さいほうがよい。
(第1及び第2の電極)
本発明の太陽電池で使用される第1及び第2の電極は、いずれか一方が陰極、他方が陽極となるものである。陰極を構成する材料としては、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
陰極の厚さは、特に限定されず、例えば、1nm~10μm、好ましくは10~5000nmである。
陽極を構成する材料としては、例えば、金、銀等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
陽極の厚さは、特に限定されず、例えば、1nm~10μm、好ましくは10~2000nmである。
第1及び第2の電極は、層状に形成されていてもよいし、適宜パターニングされていてもよい。
(電子輸送層)
上記したように、本発明の太陽電池において陰極と光電変換層(ペロブスカイト層)の間には、電子輸送層が配置されてもよい。電子輸送層の材料は、特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられる。具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソクプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
電子輸送層は、非多孔質の薄膜状の電子輸送層のみからなってもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましく、非多孔質の薄膜状の電子輸送層の上に、多孔質状の電子輸送層が形成されることがより好ましい。そして、その多孔質状の電子輸送層上にペロブスカイト層が形成されることが好ましい。また、電子輸送層には適宜添加剤が含有されていてもよい。
電子輸送層の厚さは、好ましくは1~2000nmである。厚さが1nm以上であれば、ホールをブロックできるようになる。また、厚さが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗が低くなり、光電変換効率が高くなる。電子輸送層の厚さは、より好ましくは3~1000nmであり、更に好ましくは5~800nmである。
(ホール輸送層)
また、本発明の太陽電池においては、陽極と光電変換層(ペロブスカイト層)との間に、ホール輸送層が配置されてもよい。ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、フタロシアニンなどのフタロシアニン骨格、ポルフィリン等のポルフィリン骨格、2,2’,7,7’-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミン)-9,9’-スピロビフルオレン(Spiro-OMeTAD)などのスピロビフルオレン骨格等を有する化合物等が挙げられる。さらには、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ、CuSCN、CuI、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。また、ホール輸送層には適宜添加剤が含有されていてもよい。
ホール輸送層の厚さは、好ましくは1~2000nmである。厚さが1nm以上であれば、電子をブロックできるようになる。また、厚さが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗が小さくなり、光電変換効率が高くなる。上記厚さは、より好ましくは3~1000nmであり、更に好ましくは5~800nmである。
(バリア層)
太陽電池では、第1及び第2の電極の一方又は両方のペロブスカイト層が設けられる側とは反対側に、バリア層が設けられてもよい。太陽電池は、バリア層が設けられる場合、基板の上に、第1の電極、ペロブスカイト層及び側面保護層、第2の電極、並びにバリア層がこの順に設けられることが好ましい。
バリア層は、太陽電池の厚さ方向に沿う水分浸入を防止するための層である。また、バリア層により、異物等から太陽電池を保護することもできる。バリア層としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、チタン、ニッケルなどの各種金属であってもよいし、ガラス、セラミック基板、プラスチック基板などであってもよい。また、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物などの無機層であってもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリイソブチレン、アクリル樹脂等の各種樹脂によって形成された樹脂層であってもよいし、これらの積層体であってもよい。
バリア層の厚さは、特に限定されないが、10nm~200μmであることが好ましく、50nm~100μmがより好ましい。
また、接着層を設けて、バリア層を接着層を介して第1又は第2の電極に接着させてもよい。接着層としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの各種粘着剤が挙げられる。また、接着層に使用する粘着剤としてはバリア性が高い粘着剤を用いることが好ましい。
(基板)
本発明の太陽電池に使用される基板は、特に限定されず、透明な基材が好適であり、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
[太陽電池の製造方法]
次に、本発明の太陽電池の製造方法について説明する。
本発明の太陽電池の製造方法は、例えば、以下の工程(a)~(c)を備えるものである。
工程(a):第1の電極を形成する工程と、
工程(b):前記第1の電極上において、ペロブスカイト層及び側面保護層を形成する工程と、
工程(c):前記ペロブスカイト層の上に、第2の電極を形成する工程
(工程(a))
工程(a)にて第1の電極を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、基板の上に常法により電極を形成すればよい。また、第1の電極の上には、ペロブスカイト層を形成する前に、電子輸送層、有機半導体層、無機半導体層などを適宜形成してもよい。
(工程(b))
本製造方法では、工程(a)の後に、工程(b)を行う。工程(b)では、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)から選択される少なくとも1つを付着させる工程(b1)と、有機ハロゲン化物(C)を付着させる工程(b2)により少なくともペロブスカイト層を形成する。ペロブスカイト層は、上述したように、有機無機ペロブスカイト化合物(A)を含む層である。上記工程(b1)と上記工程(b2)はどちらを先に行ってもよい。
工程(b1)にて、(B1)及び(B2)成分から選択される少なくとも1つを付着させる方法は、特に限定されないが、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかを含む第1の塗工液を塗工することで行えばよい。第1の塗工液は、溶媒をさらに含み、第1の塗工液に含まれる(B1)及び(B2)成分が、溶媒に溶解されていることが好ましい。第1の塗工液に使用する溶媒は、(B1)及び(B2)成分を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチルラクトン、2-メトキシエタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを使用することが可能である。溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、2種以上を混合する場合には、例えば、1種単独では(B1)及び(B2)成分に対する溶解度が低い溶媒であっても、必要とする膜厚が成膜可能な範囲で固形分濃度を調整できる限り、そのような溶媒を使用してもよい。また、第1の塗工液には、必要に応じて、(B1)及び(B2)成分及び溶媒以外の成分を含んでいてもよく、例えば、上記した有機半導体、無機半導体などを含んでいてもよい。
また、第1の塗工液を塗工した後、適宜加熱等して第1の塗工液を乾燥してもよい。
工程(b2)にて有機ハロゲン化物(C)を付着させる方法は、特に限定されないが、(C)成分を含む第2の塗工液を塗工することで行えばよい。第2の塗工液は、溶媒をさらに含み、(C)成分が溶媒により溶解されていることが好ましい。第2の塗工液を調製するために使用する溶媒は、(C)成分を溶解できるものであれば限定されないが、イソプロピルアルコール(IPA)、エタノールなどのプロトン性溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、2種以上を混合する場合には、例えば、1種単独では(C)成分に対する溶解度が低い溶媒であっても、必要とする膜厚が成膜可能な範囲で固形分濃度を調整できる限り、そのような溶媒を使用してもよい。なお、第2の塗工液には、(C)成分及び溶媒以外の成分を含んでいてもよく、例えば、上記した有機半導体、無機半導体などを含んでいてもよい。
また、第2の塗工液を塗工した後、適宜加熱等して第2の塗工液を乾燥してもよい。
第1及び第2の塗工液の塗工方法は特に限定されず、ダイコート法、スピンコート法、キャスト法等が挙げられる。また、ロールtoロール法等の印刷法も採用することができる。
なお、(B1)及び(B2)成分、及び(C)成分は、第1の電極の上に直接付着させてもよいが、第1の電極の上に電子輸送層などの電極以外の層が形成されていればその層上に付着させればよい。
(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかを側面保護層に用いる場合、工程(b1)において(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかは、太陽電池にてペロブスカイト層及び側面保護層が形成される領域に付着させるとよく、工程(b2)において(C)成分は、ペロブスカイト層が形成される領域に付着させるとよい。また、(C)成分を側面保護層に用いる場合、工程(b2)において(C)成分は、太陽電池にてペロブスカイト層及び側面保護層が形成される領域に付着させるとよく、工程(b1)において(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかは、ペロブスカイト層が形成される領域に付着させるとよい。
すなわち、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかを側面保護層に用いる場合、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかが付着する領域は、(C)成分が付着される領域に重なり、かつその領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出ることになる。また、(C)成分を側面保護層に用いる場合、(C)成分が付着する領域は、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかが付着される領域に重なり、かつその領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出ることになる。これにより、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかを側面保護層に用いる場合、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかと、(C)成分の両方が付着した領域では、これらが反応して有機無機ペロブスカイト化合物(A)が生成し、ペロブスカイト層が形成される。また、(C)成分が付着されず(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかが付着された領域では、(B1)、(B2)成分がそのまま残り、(B1)及び(B1)成分の少なくともいずれかにより側面保護層が形成される。(C)成分を側面保護層に用いる場合、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかと、(C)成分の両方が付着した領域では、これらが反応して有機無機ペロブスカイト化合物(A)が生成し、ペロブスカイト層が形成される。また、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかが付着されず(C)成分が付着された領域では、(C)成分がそのまま残り、側面保護層が形成される。
ここで、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかを側面保護層に用いる場合、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかが付着される領域は、(C)成分が付着される領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出せばよいが、(C)成分が付着される領域の外周より、全周にわたって外側にはみ出ることが好ましい。また、(C)成分を側面保護層に用いる場合、(C)成分が付着される領域は、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかが付着される領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出せばよいが、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかが付着される領域の外周より、全周にわたって外側にはみ出ることが好ましい。これにより、側面保護層は、図2に示すように、ペロブスカイト層を取り囲むように形成されることになる。
また、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれか又は(C)成分が付着される領域が、他方の成分が付着される領域の外周より外側にはみ出す長さ(はみ出し長さ)は、上記した幅Wに対応する。そのため、はみ出し長さは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、さらに好ましくは1.8mm以上である。また、はみ出し長さは、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましい。
(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかと、(C)成分を付着させる順番は、特に限定されないが、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれかを付着させた後に(C)成分を付着させることが好ましい。この方法によると、まず、(B1)及び(B2)成分を含む層を形成した後、その層に(C)成分を付着させることになる。金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)は、有機ハロゲン化物(C)に比べて単独でも成膜しやすいため、(B1)及び(B2)成分を先に付着させることで、ペロブスカイト層を形成する際の成膜性が良好となる。
また、本製造方法では、先に付着した成分(例えば、(B1)及び(B2)成分の少なくともいずれか)により形成された層に対して、後で付着する成分(例えば、(C)成分)が内部に含浸するようにしてペロブスカイト層が形成される。そのため、側面保護層とペロブスカイト層の厚さは、実質的に同一となり、ペロブスカイト層の側面が側面保護層により適切に保護されると考えられる。
(工程(c))
本製造方法では、工程(b)の後、工程(c)を行う。工程(c)においては、ペロブスカイト層の上に第2の電極を形成する。第2の電極を形成する方法は、特に限定されず、スパッタ法、蒸着法等により行うとよい。
また、第2の電極を形成する前に、ペロブスカイト層の上に、ホール輸送層、有機半導体層、無機半導体層などを適宜形成してもよい。さらに、第2の電極の上には、さらにバリア層を形成してもよい。バリア層は、例えば、接着層によって第2の電極の上に接着させてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基板上に、陰極となる第1の電極として厚さ1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。FTO膜の表面上に、2%に調整したチタンイソプロポキシドのエタノール溶液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成し、厚さ20nmの薄膜状の電子輸送層を形成した。更に、薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚さ500nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
次いで、ヨウ化鉛(PbI)とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)をモル比1:10で混合して得た溶液(第1の塗工液)を、多孔質状の電子輸送層上に、卓上ダイコーター(株式会社ダイ門製、商品名「New卓ダイS」)を用いて塗工した。その後、溶剤であるDMFを乾燥させることで電子輸送層上にヨウ化鉛を付着させて、ヨウ化鉛層を形成した。ヨウ化鉛層は、四角形の領域(50×50mm)上に形成した。次いで、ヨウ化メチルアンモニウム(MAI)とイソプロピルアルコール(IPA)をモル比1:30で混合して得た溶液(第2の塗工液)を、ヨウ化鉛層の上に、上記の卓上ダイコーターを用いて塗工し、乾燥させMAIを付着させた。このとき、第2の塗工液は、四角形状に塗工されるとともに、4辺ともヨウ化鉛層の外周から内側に0.5mm狭い領域に塗工した。
ヨウ化鉛とMAIがいずれも付着した領域では、ヨウ化鉛とヨウ化メチルアンモニウムが反応して、組成式(CHNHPbI)で表される有機無機ペロブスカイト化合物が生成され、ペロブスカイト層が形成された。また、MAIが付着されないが、ヨウ化鉛が付着した領域には、ヨウ化鉛層からなる側面保護層が形成された。したがって、ペロブスカイト層の側面は、図2に示すように、4辺とも側面保護層に被覆されており、側面保護層により取り囲まれる状態となった。ペロブスカイト層及び側面保護層の厚さは、それぞれ400nmであった。
その後、クロロベンゼン25μlに、スピロビフルオレン骨格を有する化合物としてSpiro-OMeTADを68mM、tert-ブチルピリジンを55mM、リチウムビス(トリフロオロメチルスロフォニル)イミド塩を9mM溶解させた溶液をスピンコート法によって300nmの厚さで成膜し、ホール輸送層を形成した。ホール輸送層上に、陽極となる第2の電極として真空蒸着により厚さ100nmの金膜を形成した。
次に、バリア層として用いる50μm厚のアルミ箔上に、ドクターブレード法を用いて粘着剤(BASF社製、商品名「OPPANOL B50」)の10質量%シクロヘキサン溶液を、10μmの厚さに塗工した後、溶剤を乾燥させることで接着層/バリア層からなる積層体を得た。この積層体を接着層を介して、上記第2の電極上にラミネーターにより貼り合わせることで、図1に示すように、基板上に第1の電極/電子輸送層/ペロブスカイト層-側面保護層/ホール輸送層/第2の電極/接着層/バリア層の順で各層が積層された太陽電池を得た。
(実施例2)
第2の塗工液を、ヨウ化鉛層の外周から内側に1.0mm狭い領域に塗工したこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例3)
第2の塗工液を、ヨウ化鉛層の外周から内側に2.0mm狭い領域に塗工したこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例4)
バリア層としてアルミ箔の代わりにガラスを用いたこと以外は実施例2と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例5)
粘着剤として、OPPANOL B50の代わりにOPPANOL B80(商品名.BASF社製)を用いたこと以外は実施例2と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例6)
粘着剤として、OPPANOL B50の代わりに、OPPANOL B100(商品名.BASF社製)を用いたこと以外は実施例2と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例7)
ヨウ化鉛層の代わりに、ヨウ化鉛(PbI)とジメチルスルホキシド(DMSO)とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)をモル比1:1:10で混合した溶液(第1の塗工液)を電子輸送層上に塗工した後、溶剤であるDMFを乾燥させることでヨウ化鉛・DMSO錯体からなる層を形成したこと以外は実施例2と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例8)
第2の塗工液を、3辺は四角形状のヨウ化鉛層の外周から内側に1.0mm狭い領域に、残り1辺は外周から外側に1.0mmはみ出るように四角形状に塗工したこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例9)
第2の塗工液を、2辺は四角形状のヨウ化鉛層の外周から内側に1.0mm狭い領域に、残り2辺は外周から外側に1.0mmはみ出るように四角形状に塗工したこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例10)
粘着剤として、OPPANOL B50の代わりに、OPPANOL B80(商品名.BASF社製)を用いたこと以外は実施例8と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例11)
バリア層としてアルミ箔の代わりにガラスを用いたこと以外は実施例8と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例12)
第2の塗工液を、4辺ともヨウ化鉛層の外周から外側に0.7mmはみ出るように四角形状に塗工したこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例13)
第2の塗工液を、1辺は四角形状のヨウ化鉛層の外周から内側に0.7mm狭い領域に、残り3辺は外周から外側に1.5mmはみ出るように四角形状に塗工したこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例14)
第2の塗工液を3辺は四角形状のヨウ化鉛層の外周から内側に1.5mm狭い領域に、残り1辺はヨウ化鉛層が形成された領域に一致させたこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(実施例15)
第2の塗工液を2辺は四角形状のヨウ化鉛層の外周から内側に2.0mm狭い領域に、残り2辺はヨウ化鉛層が形成された領域に一致させたこと以外は実施例1と同一の方法で太陽電池を得た。
(比較例1)
ヨウ化メチルアンモニウム(MAI)とイソプロピルアルコール(IPA)をモル比1:30で混合した溶液(第2の塗工液)を塗工する領域を、ヨウ化鉛層が形成された領域に一致させた以外は、実施例1と同様に実施した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。
[耐久性評価]
太陽電池を相対湿度85%、温度85℃の条件下に200時間置いて耐久試験を行った。耐久試験前後の太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmでソーラシミュレータ(山下電装株式会社製)を用いて光電変換効率を測定し、耐久試験前の光電変換効率に対する耐久試験後の光電変換効率の比を百分率で算出した。また、その値が80%以上である場合は、“A”、30%以上80%未満を“B”、30%未満を“C”と評価した。耐久性試験の評価結果を表1に示す。
Figure 0007101166000001
なお、表1において、外周被覆辺数とは、ペロブスカイト層の外周4辺のうち、側面保護層に被覆されている辺の数を表記する。また、外周幅とは、各辺における第1の塗工液の塗工された領域の外周から第2の塗工液が塗工された領域の外周までの最短距離を表す。第1の塗工液が塗工された領域の外周が、第2の塗工液が塗工された領域の外周より外側にある場合は+の値、内側にある場合は-の値として表記する。つまり、外周幅が+の値の場合は、第1の塗工液の成分が側面保護層となり、外周幅が-の値の場合は、第2の塗工液の成分が側面保護層となる。
実施例1~15に示すように、ペロブスカイト層の外周側に側面保護層を設けることで、側面保護層を設けなかった比較例1に比べて、側面からのペロブスカイト層への水分浸入が防止でき、太陽電池の耐久性を向上させることができた。また、実施例1~13に示すように、側面保護層をペロブスカイト層の外周4辺に接続するように設けて、側面保護層がペロブスカイト層を取り囲むようにすると耐久性をより良好にすることができた。
10 太陽電池
11 基板
12 第1の電極
13 電子輸送層
14 ペロブスカイト層
15 側面保護層
16 ホール輸送層
17 第2の電極
18 接着層
19 バリア層

Claims (8)

  1. 第1及び第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置されるとともに、一般式RMX(ただし、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子である)で表される有機無機ペロブスカイト化合物(A)を含むペロブスカイト層と、
    前記ペロブスカイト層の外周側に、前記ペロブスカイト層の側面の少なくとも一部を被覆するように設けられ、かつ金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つ又は有機ハロゲン化物(C)を含む側面保護層とを備え
    前記有機無機ペロブスカイト化合物(A)が、前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つと、有機ハロゲン化物(C)との反応生成物である
    太陽電池。
  2. 前記側面保護層が、前記ペロブスカイト層を全周にわたって取り囲むように設けられる請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記有機ハロゲン化物(C)が、ハロゲン化アルキルアンモニウムである請求項1に記載の太陽電池。
  4. 前記側面保護層は、前記ペロブスカイト層の外周から外側に0.5mm以上の幅を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の太陽電池。
  5. 第1の電極を形成する工程と、
    前記第1の電極上において、金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つを付着させるとともに、有機ハロゲン化物(C)を付着させることにより、ペロブスカイト層を少なくとも形成する工程と、
    前記ペロブスカイト層の上に第2の電極を形成する工程とを備え、
    前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域は、前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域に重なり、かつその領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出る
    又は前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域は、前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域に重なり、かつその領域の外周の少なくとも一部より外側にはみ出る太陽電池の製造方法。
  6. 前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域は、前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域の外周より全周にわたってはみ出る請求項5に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記有機ハロゲン化物(C)が付着する領域は、前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つが付着する領域の外周より全周にわたってはみ出る請求項5に記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記金属ハロゲン化物(B1)及び有機金属ハロゲン化物(B2)からなる群から選択される少なくとも1つを付着させた後に、前記有機ハロゲン化物(C)を付着させる請求項5、6又は7に記載の太陽電池の製造方法。
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