JP7077128B2 - 積層体、その製造方法およびその積層体を含むトランスデューサー等 - Google Patents

積層体、その製造方法およびその積層体を含むトランスデューサー等 Download PDF

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Description

本発明は工業生産性に優れ、連続塗布プロセスを用いて効率よく生産可能な積層体、および当該積層体を含むトランスデューサー用部材等に関し、それを用いてなるトランスデューサー、電子部品又は表示装置に関する。
電気活性シリコーン材料等の電気活性ポリマーは、その機械特性及び/又は電気的特性、具体的には、高い比誘電率、高い絶縁破壊強度、低いヤング率を備えることで高いエネルギー密度を実現することができ、かつ、トランスデューサーの誘電層として使用した場合の機械的強度(具体的には、引っ張り強度、引き裂き強度、伸び率等)に優れるため、耐久性と実用的な変位量を実現することができ、トランスデューサー用材料として好適に使用することができる。例えば、本出願人らは、フルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサン硬化物が高い比誘電率を有し、トランスデューサー材料として有用であることを開示している(特許文献1または特許文献2)。
しかしながら、近年、アクチュエータをはじめとするトランスデューサー材料の分野では、電気活性ポリマーシートについて、容易に積層し、かつ、層間に電極層を形成可能であり、さらに高い比誘電率および機械的強度を両立した材料への要求が生じており、ポリマーシートの機械特性及び電気的特性の改善に加えて、その積層体の構造および生産プロセスの改善が強く求められている。
国際特許公開2014-105959号公報 国際特許公開2015-098072号公報
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、連続塗工物を用いて効率的に生産可能な電気活性ポリマーシートと帯状の電極層を備えた積層体、およびその製造プロセスを提供する。
同様に、本発明は、当該積層体の、アクチュエータ等のトランスデューサー材料としての用途を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、本発明者らは、その両面に帯状の電極層を有する電気活性ポリマーシートを、連続塗布プロセスに多層帯状塗工物として得た後、当該多層帯状塗工物を折り曲げ積層、巻き取り積層、若しくは連続パターン塗工物を用いて逐次積層化を行い、最後に上下面に圧着、好適には加熱圧着を行い完全な融着を行うことで積層体を形成することで上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。当該積層体は、さらに、その層間を通電してもよく、かつ、好ましい。
当該積層体は、生産効率に優れ、特に、トランスデューサー用部材等として利用可能である。
本発明によれば、連続塗工物を用いて効率的に生産可能な電気活性ポリマーシートと帯状の電極層を備えた積層体、およびその製造プロセスを提供を提供することができる。当該積層体は工業的生産性に優れ、誘電層として応用した場合、耐久性に加えて実用的な変位量、高い応答性を実現するため、アクチュエータ等のトランスデューサー材料としての用途に好適に用いることができる。
連続プロセスより得た、連続帯状塗工物とそのパターン塗工物の断面図である。 連続プロセスより得た、連続帯状塗工物を折り畳みにより積層する図である。 連続プロセスより得た、連続帯状塗工物を巻取りにより積層する図である。 連続プロセスより得た、帯状電極層の未塗工部を含む連続帯状塗工物とそのパターン塗工物の断面図である。 連続プロセスより得た、連続帯状塗工物を折り畳みにより積層した後、その端部を裁ち落とした積層体について、その層間を加熱圧着する図である。 連続プロセスより得た、連続帯状塗工物を折り畳みにより積層した後、その端部を裁ち落とした積層体について、通電させた図である。なお、図1~6中「EAP」は電気活性ポリマーシートを表す。 連続プロセスより得た、連続帯状塗工物を折り畳みにより積層した後、その端部を裁ち落とした積層体について、電極層を貼り合わせてさらに積層し、表面のセパレーターを取り除いた状態を示す図である。
以下、本発明の積層体について詳細に説明する。
本発明にかかる積層体は、シートの両面に帯状の電極層を備え、両面の帯状の電極層が、シートの幅方向について互いに一部重なるように配置された電気活性ポリマーシートを折り畳みまたは巻き取った構造を有し、任意でその端部を裁ち落とした構造を有する積層体であり、連続プロセスより連続帯状塗工物として得た両面に帯状の電極層を備えた電気活性ポリマーシートを用いることができるので、工業的生産効率に優れる。
このような連続帯状塗工物として得られる電気活性ポリマーシートは、帯状の電極層および電気活性ポリマーシート本体が、その前駆体である組成物を多層かつ帯状に塗工することで得られる。その際、折り畳みまたは巻き取りにより帯状電極層を適切に配置できるようにするために、積層体を構成する電気活性ポリマーシートが、その長軸方向に対して帯状の電極層と、電極層を有さない未塗工部分とが交互に形成された構造を有するポリマーシートであることが好ましい。
特に、当該帯状の電極層の配置については、以下の特徴(a)~(c)を備えることが特に好ましい。なお、シートの長軸方向とは連続帯状塗工物においてポリマーシートの巻取りを行う方向であり、シートの幅方向とはシートの長軸方向と直角方向であり、一般的には、ポリマーの前駆体を基材上に塗布した方向に対して、平面方向に直角な方向を意味する。
(a)表面および裏面の帯状の電極層がシートの幅方向について相互に一部重なる位置に配置されていること
(b)表面および裏面の帯状の電極層がシートの長軸方向について同一の位置に配置されていること
(c)表面および裏面の帯状の電極層の形状が実質的に同一であること
帯状の電極層は、銀粉末等の導電性無機粒子を含む樹脂(導電性ペースト)を塗布することで容易に形成可能である。
ここで、電気活性ポリマーシートは、以下の特徴を有することが好ましい。
[比誘電率]
本発明の電気活性ポリマーシートは、1kHz、25℃における比誘電率が3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、6以上であることが特に好ましい。
このような電気活性ポリマーシートは、シリコーンポリマーシートであることが好ましく、特に、ヒドロシリル化反応を含む硬化反応により得られたシリコーン硬化物ポリマーまたはシリコーン半硬化物ポリマーであることが好ましい。なお、半硬化物とは、硬化途上の反応物、たとえば、デュアル硬化型反応物等の多段階における硬化反応が可能なものを含む。
本発明における電気活性ポリマーシートは、
(A)1種類または2種類以上の、分子中に少なくとも2個の炭素数2~12のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1種類または2種類以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサン
組成物中のアルケニル基の合計量1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の和が0.1~5.0モルとなる量、
(C)有効量のヒドロシリル化反応用触媒、
を少なくとも含有する、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化または半硬化させてなる誘電性シリコーンポリマーシートであってよい。硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、加熱硬化、常温硬化または高エネルギー線照射により硬化させてもよい。各硬化又硬化の条件は、特に限定されないが、硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物である場合、90℃~180℃の範囲内で30秒~30分保持することにより行われる。
本発明においては、本件出願人が以下の特許出願において提案した硬化性オルガノポリシロキサン組成物および誘電性シート材料が特に制限なく利用でき、これらに開示された組成物およびその硬化物は、本件特許出願における好適な電気活性ポリマーシートを形成する前駆体組成物および電気活性ポリマーシートとして明示的に利用可能である。なお、本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は多段階における硬化反応性を備えてもよく、かつ好ましい。そのような特性を備えることで、後述する加熱プレス時等にさらに硬化を進めることも可能である。
国際特許公開2014-105959号公報
国際特許公開2015-098072号公報
国際特許公開2016-163069号公報
国際特許公開2016-031242号公報
国際特許公開2016-098334号公報
国際特許公開2017-183541号公報
国際特許出願番号:PCT/JP2018/017480
日本国特許出願番号:2017-246951
日本国特許出願番号:2017-173713
本発明の積層体は、後の製造プロセスで述べるとおり、積層体の端部の曲率が小さくなり断線等又、剛性が硬くなる等の不具合が出る場合、切り取っても良い。また、積層体の層間を導通してもよく、かつ好ましい。
電気活性ポリマーシートの厚さは、特に限定されないが、一層あたりの厚さは0.1μm~1,000μmであり、これを2層以上積層することによって、0.2~2,000μmの厚さとしてもよい。
このような積層体を構成する電気活性ポリマーシートは、シート裏面の帯状電極層、電気活性ポリマーシートおよびシート表面の帯状電極層の各層を連続塗布プロセスにより得た、多層帯状塗工物であることが好ましい、以下、その製造プロセスを示す。
本発明の積層体は上記の積層体であって、表面および裏面に帯状電極層を備えた積層体を同様な方法で2以上作成し、その電極層を互いにはり合わせる(図7)ことにより積層された構造をさらに備えてもよい。このような積層体は、製造時の多積層が容易であり、高い比誘電率および伸縮性を容易に実現できる利点がある。なお、電極層の貼り合わせは、加熱圧着等の公知の手段で容易に実現可能である。
[製造プロセス]
本発明の積層体は、
工程1:帯状電極層を形成する前駆体組成物を、剥離面を備えた剥離シート上に塗布する工程、
工程2:工程1で得た帯状電極層上に、電気活性ポリマーシートを形成する前駆体組成物を塗布する工程、
工程3:工程2で得た電気活性ポリマーシートの表面上に、工程1で得た帯状電極層に対して、シートの幅方向について互いに一部重なるように帯状電極層を形成する前駆体組成物を塗布する工程、
工程4:工程3で得た多層帯状塗工物を剥離シートから分離する工程、および、
工程5:工程4により剥離シートから分離した多層帯状塗工物をその長軸方向に対して折り畳みまたは巻き取ることで積層する工程、
工程6:積層体を圧着する工程、
任意で、さらに、
工程7:工程5または工程6の積層体の端部を切断する工程、および
工程8:積層体の層間を通電する工程
ことが好ましい。
本願発明においては、例えば、銀粉末、ITO粒子等の導電性粒子を含有する樹脂(=導電性ペースト)を剥離面を備えた剥離シート上に塗布して裏面の帯状電極層を形成した後、硬化性オルガノポリシロキサン組成物等の電気活性ポリマーシートを形成する前駆体組成物をダイコーティング等によって基板に塗布して硬化させ、さらに、上記の配置で、銀粉末等の導電性粒子を含有する樹脂を剥離面を備えた剥離シート上に塗布して表面の帯状電極層を形成してよい。ダイコーティングは高速塗布が可能であり、生産性の高い塗布方式である。なお、各面の帯状電極層が、電気活性ポリマーシートの長軸方向に対して帯状電極層を形成していない未塗工部分と帯状電極層を形成する前駆体組成物を塗工した部分を交互に設けるように配置されていることが好ましい。
当該帯状電極層を形成する前駆体組成物は、硬化反応性であることが好ましく、多段階における硬化反応性を備えてもよい。例えば、デュアルキュア特性を備えることで、後述する加熱プレス時等にさらに硬化を進めることも可能である。
電気活性ポリマーシートは、好適には前記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を基板上に塗工し、室温下、加熱下または紫外線等の高エネルギー線照射下で硬化させることにより得ることができる。
電極層の材質としては、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、鉄、コバルト、錫、鉛、インジウム、クロム、モリブデン、及びマンガン等の金属及びこれらの合金;インジウム-錫複合酸化物(ITO)、アンチモン-錫複合酸化物(ATO)、酸化ルテニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化錫等の金属酸化物;カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノシート、炭素繊維、及びカーボンブラック等のカーボン材料;並びにポリ(エチレン-3,4-ジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリアニリン及びポリピロール等の導電性樹脂を使用することができる。導電性フィラーを樹脂中に分散した導電性樹脂及びエラストマーを使用することが特に好ましい。これらは、「導電性ペースト」と呼ばれることがある。電極層は上記の導電性物質のうちの1種を単独で含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。電極が2種以上の導電性物質を含む場合には、そのうちの少なくとも1種を活物質として機能させ、残り電極の抵抗を低減させるための導電材として機能させることもできる。なお、これらを樹脂およびエラストマー中に分散ないし混練させる場合、公知の技術(例えば、導電性フィラーの混練・分散技術とその不良対策、技術情報協会刊(2004)等に開示された手法等)が特に制限なく利用できる。
本発明の積層体は、最後に圧着、好適には加熱熱圧着(=プレス)を加えて、帯状電極間の密着を確かにする。基本的に、加熱プレスにより融着される材料は同一の材料の為容易に接着し、接着された電極間は十分な接着強度を有する。さらに、圧着前または圧着後に、当該積層体を延伸するプロセスをさらに備えてもよい。
前記の剥離面は剥離ライナー、離型層あるいは剥離コーティング層と呼ばれることもあり、好適には、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、アルキド系剥離剤、またはフルオロシリコーン系剥離剤等の剥離コーティング能を有する剥離層である。基材表面に物理的に微細な凹凸を形成させたり、上記の帯状の電極層または電気活性ポリマーシートと付着しにくい基材それ自体であってもよい。このような剥離面を備えた剥離シートは、「セパレータ」と呼ばれることもある。本発明において、好適には、剥離面は、シリコーン系剥離剤層からなる剥離面である。さらに、なきわかれ等の剥離不良防止の為、UV剥離型ダイボンディングシート上に積層化して、最後にUVを照射して剥離しても良い。
上記の工程1および工程3において、各面の帯状電極層が、電気活性ポリマーシートの長軸方向に対して帯状電極層を形成していない未塗工部分と帯状電極層を形成する前駆体組成物を塗工した部分を交互に設けるように配置されていることが好ましい。
層ごとの電極の導通の手法は、図6に示すとおりであり、電極の幅方向のアライメントをずらす事により、組み込み電極を貫通させた場合、独立に電極を短絡させることが出来る。
本発明の積層体は、図7に示すとおり、上記の製造方法により得た積層体であって、表面および裏面に電極層を有するものを複数作成し、各々の電極層を貼り合わせてさらに積層して作成してもよい。
以上の手法を使用すれば、従来シートを一枚一枚作成し、積層化していた事に対して効率的に積層化が可能である。
以下、本発明に関してその構成および各機能層を形成する原料等の例を挙げて説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。

[誘電性シートを形成する硬化性オルガノポリシロキサン組成物の原料成分]
・成分(a1):両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖、3,3,3-トリフルオロプロピルメチルシロキサンポリマー (末端を含むシロキサン重合度:約268)
・成分(B1-1):ビス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)ジフェニルシラン
・成分(B1-2):両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルシロキサンポリマー(シロキサン重合度:約2.5)
・成分(B2-1):ジメチルヒドロシロキシユニット(M単位)と3,3,3-トリフルオロプロピル基を有するTF3Pr単位(3官能シロキシ単位)で構成されるシロキサン(Mw=1.11×10、ケイ素原子結合水素原子は約0.59重量%である。)
なお、成分(B2-1)の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒に用いて、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
・成分(C1):白金-1,3-ジビニル1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体の両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンポリマー溶液(白金濃度で約0.6重量%)
<ヒドロシリル化反応抑制剤>
・成分(D1):1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニル-シクロテトラシロキサン
<充填材>
・成分(E1):表面処理したCAB-O-SIL(R)MS75D
[組成例1~6:誘電性シートを与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物]
表1組成例を示した。以下の実施例では組成物中のビニル基1モル当たり、成分(B1)および(B2)のケイ素原子結合水素原子(Si-H)が1.3モルとなる量で用いた。また、(B1)と(B2)のSi-Hの比をB1/B2として示した。さらに、成分(A)の重合度は下記式により算出した。
[NAA1/(NAA1+NAA2)]DPA1+[NAA2/(NAA1+NAA2)]DPA2
ここでNAA1およびNAA2は、成分(A)中(A1)および(A2)の重量比率をそれぞれ数平均分子量で割り返したものであり、DPA1およびDPA2は(A1)および(A2)のそれぞれの重合度を表す。
[得られた材料の物性測定]
シリコーン組成物を150℃で15分間プレスキュアし、更に150℃で60分~120分間オーブン中ポストキュアを施し、硬化物を得た。JIS-K6249に基づき、得られた硬化物の引裂強さを測定し、また引張強さおよび破断伸びを測定し、ヤング率(モジュラス)を求めた。なお、機械的強度の測定のため、シートの厚さは2mmとした。また、厚さ6mmシートのデュロメータA硬度を測定した。
また、上記条件にて厚さ約0.1mmのシートを作製し、電気絶縁油破壊電圧試験装置 総研電気株式会社製PORTATEST 100A-2で絶縁破壊強さを測定した。同様に、厚さ1mmのシートを作製し、LCRメーター ウェインカー社製6530P/D2で温度25℃、周波数20Hz~1MHzの範囲で比誘電率を測定した。そのうち100KHzでの値を実施例および比較例に使用した。各種物性値を表1に示した。

Figure 0007077128000001

[実施例1]
剥離層を備えた耐熱樹脂フィルム(以下、「セパレータ」という)上に、上記組成例から選ばれる組成物に導電性微粒子を5質量%添加した帯状電極層形成用組成物を図4の「裏面電極」となるように塗布する。なお、帯状電極層形成用組成物は図4同様に未塗工部分を設ける。
ついで、当該帯状電極上に、上記組成例から選ばれる組成物を図4の「EAP」となるように塗布し、150℃、60分間加熱して硬化させる。
さらに、当該硬化物上に、上記の帯状電極層形成用組成物を図4の「表面電極」となるように塗布する。なお、帯状電極層形成用組成物は図4同様に未塗工部分を設ける。
以上の方法で、シートの両面に帯状の電極層を備えた電気活性ポリマーシートを多層帯状塗工物として得る。なお、上記の帯状電極層は、剥離可能な電極層を与える他の導電性ペーストを用いても形成可能である。
当該シートの両面に帯状の電極層を備えた電気活性ポリマーシートを、セパレータ上から引き剥がし、長軸方向に、図2に同様に折り畳む。その際に、図5に明示するように、表面電極と裏面電極が相対するように積層する。その後、端部の曲率が小さくなり断線等又、剛性が硬くなる等の不具合が出る場合、当該積層体の端部を裁ち落とす。
上記の積層体(任意で端部を裁ち落としたものを含む)を、図5のように加熱圧着することにより、電極間を強固に密着させる。なお、当該加熱圧着工程において、上記ポリマーシートをさらに硬化させてもよい。
上記の加熱圧着後の積層体の層間に電気伝導体(例えば、銅線)を貫通させ、導通させる。
本発明の積層体は、力学特性および電気特性に優れたエラストマーまたはゲル状部材が要求される用途、例えばトランスデューサーの製造に好適に使用することができる。特に本発明の製造方法を使用すれば、従来シートを一枚一枚作成し、積層化していた事に対して効率的に積層化が可能であり、工業的生産性に著しく優れる。このため、高性能のトランスデューサー部材等を大量かつ高品質に提供できる。
同様に、上記の積層体は、いわゆる「高分子アクチュエータ」あるいは「ポリマーアクチュエータ」として知られるアクチュエータ素子構造における電解質層または誘電層を代替して利用することもできる。その他の用途としては、上記に開示した他に何ら制約はなく、本発明のフルオロアルキル基含有硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化物を備えてなる誘電層フィルムはテレビ受像機、コンピューター用モニター、携帯情報端末用モニター、監視用モニター、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、携帯情報端末、自動車などの計器盤用ディスプレイ、種々の設備・装置・機器の計器盤用ディスプレイ、自動券売機、現金自動預け払い機、など、文字や記号、画像を表示するための種々のフラットパネルディスプレイ(FPD)に使用することができる。装置としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、表面電解ディスプレイ(SED)、電界放出型ディスプレイ(FED)などの表示装置や、これらを利用したタッチパネルに応用が可能である。本発明のフィルムは、これらの、ディスプレイ表面の傷つき防止、汚れ防止、指紋付着防止、帯電防止、反射防止、のぞき見防止などの目的で使用してもよい。

Claims (12)

  1. 工程1:帯状電極層を形成する前駆体組成物を、剥離面を備えた剥離シート上に塗布する工程、
    工程2:工程1で得た帯状電極層上に、硬化反応性オルガノポリシロキサン組成物からなる、電気活性ポリマーシートを形成する前駆体組成物を塗布する工程、
    工程3:工程2で得た電気活性ポリマーシートの表面上に、工程1で得た帯状電極層に対して、前記の電気活性ポリマーシートの幅方向について互いに一部重なるように帯状電極層を形成する前駆体組成物を塗布する工程、
    工程4:工程3で得た多層帯状塗工物を剥離シートから分離する工程、および、
    工程5:工程4により剥離シートから分離した多層帯状塗工物をその長軸方向に対して折り畳みまたは巻き取ることで積層する工程、
    工程6:積層体を圧着する工程、
    を有する、積層体の製造方法。
  2. 上記の電気活性ポリマーシートが、ヒドロシリル化反応を含む硬化反応により得られるシリコーン硬化物ポリマーまたはシリコーン半硬化物ポリマーである、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 上記の工程1乃至工程3において、各面の帯状電極層が、上記の電気活性ポリマーシートの長軸方向に対して帯状電極層を形成していない未塗工部分と帯状電極層を形成する前駆体組成物を塗工した部分を交互に設けるように配置されている、請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 上記の工程1乃至工程3において、各面の帯状電極層がシートの長軸方向について同一の位置に配置されており、かつ、各面の帯状電極層の形状が実質的に同一である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  5. 上記の工程5または工程6の後に、さらに、
    工程7:上記の工程5または工程6の積層体の端部を切断する工程、および
    工程8:積層体の層間を通電する工程
    を有する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  6. 積層体を構成する上記の電気活性ポリマーシートが、
    (A)1種類または2種類以上の、分子中に少なくとも2個の炭素数2~12のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
    (B)1種類または2種類以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    組成物中のアルケニル基の合計量1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子の和が0.1~5.0モルとなる量、
    (C)有効量のヒドロシリル化反応用触媒、
    を少なくとも含有する、硬化性オルガノポリシロキサン組成物をヒドロシリル化反応を含む硬化反応により硬化または半硬化させてなる誘電性シリコーンポリマーシートである、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法
  7. 上記の剥離シートが、シリコーン系剥離剤層からなる剥離面を有する剥離シートである、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の積層体の製造方法
  8. 上記の工程6が積層体の加熱圧着工程である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  9. 請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の積層体の製造方法により、表面および裏面に電極層を有する積層体を複数作成し、各々の積層体の表面および裏面の電極層を貼り合わせてさらに積層することを特徴とする、さらなる積層体の製造方法
  10. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の積層体の製造方法を含む、トランスデューサー用部材の製造方法
  11. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の積層体の製造方法を含む、トランスデューサーの製造方法
  12. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の積層体の製造方法を含む、電子部品または表示装置の製造方法
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