JP7013011B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に用いられるデファレンシャル装置に関する。
一般に、トルク感応型差動制限機能付き差動装置(以下、「トルク感応型LSD」と称する。)では、デフキャリア又はトランスアクスルの潤滑油を共用している。
このため、CVTオイルやATFをトルク感応型LSDに使用することになり摩擦部分のスティックスリップによるジャダー音を招いていた。
また、トルク伝達を行いながら差動するとき磨耗粉が発生し、差動装置が搭載される上位ユニットがコンタミの影響を受ける恐れがあった。
例えば、FF車の前輪左右の差動装置は、A/Tユニット内に搭載されるため、差動装置から発生した磨耗粉がA/Tオイルに混合することになる。
A/Tユニットは磨耗粉に限らずコンタミをきらい、ある一定粒度以上のものはA/Tバルブの作動不良の原因となる。
作動装置搭載部とA/T機構部との間に仕切りを設けて完全に別室とし、A/T機構部に磨耗粉が悪影響を及ぼさないように配慮したものもある。このような構成では、別々にオイルを注油しなければならず、注排油プラグやブリーザーも2組必要になるなど部品点数も増加し、ユニットとしての管理も煩雑になり、車両コストに悪影響を及ぼす問題があった。
これに対し、外部への磨耗粉の発生を防いで、上位ユニットへのコンタミの影響を無くすことができるトルク感応型LSDが特許文献1として提案されている。
このトルク感応型LSDは、ケーシング(「デフケース」とも称する。)と出力軸との間に回転シールを設けて機構部を密封構造とし、内部に潤滑油を封入した構造となっている。
しかし、ケーシング内で磨耗粉の分散に対しては考慮されておらず、磨耗粉が差動制限時の摩擦部に影響してジャダー音を招き易いという問題があった。
特開2000-205375号公報
解決しようとする問題点は、内部に潤滑油を封入した密閉構造のトルク感応型LSDは、ケーシング内で磨耗粉の分散に対しては考慮されておらず、磨耗粉が差動制限時の摩擦部に影響してジャダー音を招き易いという点である。
本発明は、密閉構造のトルク感応型LSDにおいて磨耗粉の影響を極力抑制することを可能とするために、トルクの入力又は出力を行うデフケースと、前記デフケース内に回転自在に支持され挿入結合されるシャフトを介してトルクの出力又は入力を行う一対のサイドギヤと、前記デフケース内でピニオンシャフトにより回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置され前記一対のサイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルク伝達に応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材と、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置されデフケース内外を密封する第1の封止部と、前記別体のシャフトに対する前記サイドギヤの第2の封止部又は前記サイドギヤ及びピニオンシャフト間の第2の封止部又はサイドギヤ間の第2の封止部又は前記サイドギヤ間の第2の封止部とを備え、前記摩擦部材は、前記サイドギヤ及びピニオンギヤの噛合い部よりも外周側に配置され、前記押圧部材及び摩擦部材は、前記デフケースの内周面よりも内径側で前記デフケースに形成され軸方向に対向する締結受け面間に配置され、前記デフケースの内周面に、前記押圧部材が回転方向に係合して軸方向に移動可能に係合する軸方向に沿った係合部を回転方向で複数形成し、前記前記デフケースの内周面に、前記係合部の回転方向間で潤滑油を溜め得る空間部を形成しことを特徴とする。
本発明は、上記構成であるから、デフケースの回転により内部の磨耗粉を遠心力により空間部に溜めることができ、摩擦部材等への影響を極力抑制することができる。
デファレンシャル装置の図2のI-I線矢視断面図である。(実施例1) デファレンシャル装置の図1のII-II線矢視断面図である。(実施例1) デファレンシャル装置の図4のIII-III線矢視断面図である。(実施例2) デファレンシャル装置の図3のIV-IV線矢視断面図である。(実施例2) 第1、第2の封止部を示す要部断面図である。(実施例3) 第1、第2の封止部を示す要部断面図である。(実施例4) シャフトが一体のサイドギヤの封止部を示す要部断面図である。(実施例5)
本発明は、密閉構造のトルク感応型LSDにおいて磨耗粉の影響を極力抑制することを可能にするという目的を達成するために、トルクの入力を行うデフケースと、前記デフケース内に回転自在に支持され挿入結合されるシャフトを介してトルクの出力を行う一対のサイドギヤと、前記デフケース内でピニオンシャフトにより回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置され前記一対のサイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルク伝達に応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材と、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置されデフケース内外を密封する第1の封止部と、前記別体のシャフトに対する前記サイドギヤの第2の封止部とを備え、前記摩擦部材は、前記サイドギヤ及びピニオンギヤの噛合い部よりも外周側に配置され、前記デフケースの内周面に、潤滑油を溜め得る空間部を形成し、前記空間部を、前記摩擦部材の外周側に配置したことで実現した。
前記摩擦部材は、前記一対のサイドギヤに各別に配置され、前記空間部は、前記各別に配置された摩擦部材に渡る構成でもよい。
前記サイドギヤは、前記別体のシャフトを挿入結合させる結合孔を貫通して備え、前記サイドギヤの第2の封止部は、前記結合孔の内端部を閉止するキャップであってもよい。
前記キャップは、前記結合孔を前記デフケースの内部に連通させる開口部を備え、前記開口部に、着脱自在なプラグを備え、前記ピニオンシャフトに、前記空間部とデフケース内中心側とを連通させる貫通孔を備えてもよい。
トルクの入力又は出力を行うデフケースと、前記デフケース内に回転自在に支持され一体のシャフトを介してトルクの出力又は入力を行う一対のサイドギヤと、前記デフケース内でピニオンシャフトにより回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置され前記一対のサイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルク伝達に応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材と、前記デフケースと前記一体のシャフトとの間の封止部とを備え、前記摩擦部材は、前記サイドギヤ及びピニオンギヤの噛合い部よりも外周側に配置され、前記デフケースの内周面に、潤滑油を溜め得る空間部を形成し、前記空間部を、前記摩擦部材の外周側に配置したことで実現した。
前記空間部に、永久磁石を備えてもよい。
図1は、本発明の実施例に係るデファレンシャル装置の図2のI-I線矢視断面図である。図2は、同デファレンシャル装置の図1のII-II線矢視断面図である。
なお、以下の説明において、軸方向とは、デフケースの回転軸心の方向、回転方向とは、デフケースの回転方向を意味する。
図1のように、デファレンシャル装置1は、A/Tユニット内で例えばFF車の前輪間に配置された密閉構造のトルク感応型LSDである。
このデファレンシャル装置1は、デフケース3と、一対のサイドギヤ5、7と、ピニオンギヤ9とを備えている。
前記デフケース3は、例えばA/T内でトルクの入力を受けるものであり、本体部11と蓋体部13とにより構成されている。
なお、デファレンシャル装置1をセンターデフとして構成し、デフケース3から出力する構成にすることもできる。
前記本体部11は、本体周壁部14の一側に本体フランジ部15を一体に備え、他側に本体端壁部17を一体に備えている。本体端壁部17には、軸支持用のボス部19が一体に突設され、ボス部19の外周面が軸受支持部19aとなっている。ボス部19の内周面には、シャフト潤滑用の螺旋溝19bが形成されている。
本体端壁部17の軸方向内面には、締結受け面17a及び逃げ面17bが設けられ、締結受け面17aが逃げ面17bに対して軸方向内方に相対的に突出している。逃げ面17bよりも内径側で本体端壁部17の内面には、サイドギヤ摺動面17fが形成されている。サイドギヤ摺動面17fは、径方向に沿った平坦面となっている。
本体端壁部17の内周側は軸方向に肉厚に形成され、回転支持用の凹部17cが周回状に形成されている。本体端壁部17の内周側に、凹部17cにおいて第1の封止部P1のシールを収容するシール収容凹部17dが周回状に形成されている。シール収容凹部17dは、軸方向で段付き状に形成されている。ボス部19の基部には、凹部17c側に連通する潤滑用の貫通孔17eが形成されている。
蓋体部13は、蓋体周壁部21の外周側に蓋体フランジ部23を一体に備え、内周側に蓋体端壁部25を一体に備えている。蓋体端壁部25には、ボス部27が一体に突設され、ボス部27の外周面が軸受支持部27aとなっている。ボス部27の内周面には、シャフト潤滑用の螺旋溝27bが形成されている。
蓋体端壁部25の内面には、締結受け面25a及び逃げ面25bが設けられ、締結受け面25aが逃げ面25bに対して軸方向内方に突出している。締結受け面25aは、突状部25cの内端面に形成されている。締結受け面25aは、本体端壁部17の締結受け面17aに対向する位置に配置されている。突状部25cは、蓋体端壁部25の内面に周回状に形成されている。
蓋体端壁部25の内周側は軸方向に肉厚に形成され、サイドギヤ摺動面25dが形成されている。サイドギヤ摺動面25dは、コーン形状の突面となっている。
蓋体端壁部25の内周には、回転支持用の凹部25eが周回状に形成されている。蓋体端壁部25の内周側に、凹部25eにおいて前記第1の封止部P1のシールを収容するシール収容凹部25fが周回状に形成されている。シール収容凹部25fは、軸方向で段付き状に形成されている。ボス部27の基部には、凹部25e側に連通する潤滑用の貫通孔25eが形成されている。
蓋体端壁部25の内周には、回転支持用の凹部25cが周回状に形成されている。蓋体端壁部25の内周側に、凹部25cにおいて前記第1の封止部P1を構成するシール収容凹部25fが周回状に形成されている。シール収容凹部25fは、軸方向で段付き状に形成されている。ボス部27の基部には、凹部25e側に連通する潤滑用の貫通孔25gが形成されている。
本体フランジ部15に蓋体フランジ部23がOリング30を介して合わされ、皿ボルト28により締結固定されている。これにより本体部11に蓋体部13が取り付けられ、密閉型のデフケース3が構成されている。本体フランジ部15及び蓋体フランジ部23からなるフランジ部には、A/T内のドライブピニオンギヤからトルク入力を受けるリングギヤが締結固定される。
図1、図2のように本体周壁部14の内周面には、断面が半円状のピン挿通溝29が設けられ、このピン挿通溝29は、デフケース3の回転周方向に所定間隔で複数設けられている。
前記サイドギヤ5、7は、前記デフケース3内に回転自在に支持され別体で挿入結合されるシャフトであるアクスルシャフトへトルクの出力を行う。なお、デファレンシャル装置1をセンターデフとして構成した場合は、サイドギヤ5、7の一方からトランスミッションのドライブシャフトの出力を入力する構成にすることもできる。
サイドギヤ5、7は、周回状のギヤ本体部35、37の正面側にギヤ部39、41を備え、かさ歯車となっている。ギヤ本体部35、37の背面には、回転嵌合用のボス部35a、37aが周回状に形成されている。ボス部35a、37aは、デフケース3の凹部17c、25eに回転自在に支持され、シール収容凹部17d、25fの内周を閉止している。
サイドギヤ5の背面は、径方向に沿った平坦面で形成されている。サイドギヤ5のボス部39aがデフケース3の凹部17cに支持された状態でデフケース3の本体端壁部17のサイドギヤ摺動面17fにサイドギヤ7の背面が対向する。
サイドギヤ7の背面は、凹形状に形成され、コーン形状の凹面を備えている。サイドギヤ7のボス部37aがデフケース3の凹部25eに支持された状態でデフケース3の蓋体端壁部25のサイドギヤ摺動面25dにサイドギヤ7のコーン形状の凹面が対向している。
シール収容凹部17d、25fには、シールとしてXリング20aがシール座20bと共に収容され、前記第1の封止部P1を構成している。Xリング20aは、高温、高圧に耐えるシールとして構成されている。但し、他の一般的なOリング等のシールを適用することもできる。この第1の封止部P1は、デフケース3とサイドギヤ5、7との間に配置されデフケース3内外を密封する。
サイドギヤ5、7のギヤ本体部35、37には、内周に結合孔35b、37bが貫通して備えられている。結合孔35b、37bは、アクスルシャフトを挿入結合させるものであり、この結合孔35b、37bにはインナースプラインが形成されている。ギヤ本体部35、37の軸方向対向側の内周部には、取付凹部35c、取付突部37cが形成されている。
取付凹部35cには、第2の封止部P2を構成するキャップ40、46が取り付けられている。キャップ40、46は、ギヤ本体部35、37の軸方向対向側内端に位置し、ギヤ本体部35、37内周の結合孔35b、37bの内端部を閉止して袋構造にするものである。
つまり、第2の封止部P2は、別体のアクスルシャフトに対して前記サイドギヤ5、7側の構成となっている。
第1、第2の封止部P2により、デフケース3内が密封され、この密封された空間内に潤滑油が封入されている。この潤滑油は、専用のLSDオイルを採用することができ、CVTオイルやATFなどと異なり、後述の摩擦クラッチの締結に際しスティックスリップ等を起こし難い。
ギヤ本体部35、37の外周には、係合部材43、45が精密鍛造等で一体に設けられている。係合部材43、45は、ギヤ本体部35、37からピニオンギヤ9の外周面に渡って突出する形状となっている。
係合部材43、45の内周面は、ピニオンギヤ9の外周面との間に隙間を有している。係合部材43、45軸方向内端部には、摩擦板係合用の係合部が形成されている。係合部材43、45の軸方向外端部は、デフケースの逃げ面17b、25bに軸方向に対向している。
なお、サイドギヤ5、7には、前記デフケース3のボス部19、27を貫通して結合孔35b、37bに挿入される一対のアクスルシャフトがスプライン結合される。
前記ピニオンギヤ9は、4個備えられた4ピニオンタイプであり、十字型のピニオンシャフト47に回転自在に支持されている。各ピニオンギヤ9は、前記各サイドギヤ5、7に噛み合っている。この噛合いにより差動ギヤが構成され、デフケース3及び各サイドギヤ5、7間のトルク伝達を可能にすると共に、各サイドギヤ5、7間の相対回転を許容する。
ピニオンシャフト47は、一体のスパイダー状ではなく、二本のシャフト部材48、50を十字に組み合わせて構成されている。各部材の中間部48a、50aが薄板状に形成されて交差し、十字をなしている。ピニオンシャフト47に十字の先端側として4箇所のギヤ支持軸部47aが形成され、各ピニオンギヤ9が遊嵌状態で嵌合支持されている。4箇所のギヤ支持軸部47aには、軽量化のための有底の軸穴47aaが形成されている。
なお、実施例2でも説明するが、何れかのギヤ支持軸部47aの軸穴47aaをオイル交換のための貫通穴として形成することもできる。ピニオンシャフト47は、4ピニオンタイプの仕様であるが、2ピニオンタイプの構成にすることもできる。他の実施例においても同様である。
十字に組まれたピニオンシャフト47の中間部48a、50aには、サイドギヤ7側に対向する十字の凹部47bが形成されている。凹部47bに、キャップ46が遊嵌している。凹部47bの軸方向反対側でピニオンシャフト47の中間部48a、50aは、略フラットに組まれ、キャップ40に対向している。
前記各サイドギヤ5、7と前記デフケース3との間には、摩擦部材として多板の摩擦クラッチ49、51が締結受け面17a、25aの軸方向に隣接配置されている。摩擦クラッチ49と締結受け面17aとの間には、受圧リング52が介設され、摩擦クラッチ51は締結受け面25aに直接対向している。
この摩擦クラッチ49、51は、サイドギヤ5、7間の差動回転をその締結力に応じて制限する。
摩擦クラッチ49、51のインナープレートは、前記係合部材43、45の摩擦板係合用の係合部に回転方向に係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。摩擦クラッチ49、51のアウタープレートは、ピン53に回転方向に係合し、デフケース3の回転軸芯に沿った方向へ移動可能となっている。摩擦クラッチ49、51は、ピン53に係合することによってデフケース3に係合した構成となっている。
かかる構造により、摩擦部材である摩擦クラッチ49、51は、サイドギヤ5、7及びピニオンギヤ9の噛合い部よりも外周側に配置された構成となる。
ピン53は、ピン挿通溝29に嵌合している。ピン53の一端は、受圧リング52の外周により径方向の支持が行なわれ、ピン53の他端は、蓋体端壁部25の突状部25cの外周により径方向の支持が行なわれている。
前記摩擦クラッチ49、51に軸方向に隣接して、押圧部材としてのプレッシャーリング55、57が設けられている。プレッシャーリング55、57は、デフケース3及びピニオンシャフト47に係合し前記デフケース3の回転を前記ピニオンギヤ9の公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルク伝達に応じて移動し前記摩擦部材である摩擦クラッチ49、51に締結力を与えるものである。
つまり、摩擦クラッチ49、51は、プレッシャーリング55、57の移動により締結受け面17a、25aとの間で締結可能となっている。
プレッシャーリング55、57は、外周面の半円状の複数の凹部が前記ピン53に回転方向にそれぞれ係合し、回転軸心に沿った方向へ移動可能となっている。プレッシャーリング55、57は、ピン53に係合することによって、デフケース3に係合した構成となっている。
各プレッシャーリング55、57には、ピニオンシャフト47への対向側にカム面が設けられている。カム面は、例えば山形凹状に形成され、ピニオンシャフト47の外周面に係合する構成となっている。
プレッシャーリング55、57には、内周に球面部が設けられ、ピニオンギヤ9の背面を支持している。
前記プレッシャーリング55、57の対向面間には、コイルスプリング63が支持されている。
コイルスプリング63は、前記プレッシャーリング55、57の対向面に弾接し、プレッシャーリング55、57を介し摩擦クラッチ49、51にプリロードを付与している。
[空間部]
本発明実施例では、特に前記デフケース3内の密封に加え、前記デフケース3の内周面に、潤滑油を溜め得る空間部59a、59b形成し、空間部59a、59bを、前記摩擦部材である摩擦クラッチ49、51の外周側に配置した。
前記のように、摩擦クラッチ49、51は、一対のサイドギヤ5、7に各別に配置され、空間部59a、59bは、共に各別に配置された摩擦クラッチ49、51に渡るように形成されている。
つまり、図1のように、空間部59aは、デフケース3の本体周壁部14の内周面に軸方向に渡って形成され、摩擦クラッチ49、51の外周部を空間部59aにより軸方向に結合し、各別に配置された摩擦クラッチ49、51に渡る構成となっている。空間部59bも同様である。
なお、摩擦クラッチ49、51は、何れか一方のみの構成にすることもでき、かかる構造では、空間部59a、59bを軸方向で短く形成することもできる。摩擦クラッチ49、51を何れか一方のみの構成とした場合でも、図1と同様に両サイドギヤ5、7に渡る長さの空間部にすることもできる。
空間部59a、59bにおいて、本体周壁部14の内周面に軸方向に傾斜するガイド面を形成することもできる。図1の形態では、ギヤ支持軸部47a側から両摩擦クラッチ49、51側へ向かい漸次外周側へ傾斜するガイド面、或いは逆方向へ傾斜するガイド面とすることができる。
摩擦クラッチ49、51を何れか一方のみの構成とする場合は、空間部59a、59bの軸方向一端側から摩擦クラッチ49又は摩擦クラッチ51側へ向かい漸次外側へ傾斜するガイド面、或いは逆方向へ傾斜するガイド面とすることができる。
かかるガイド面により遠心力で潤滑油と共に磨耗粉がガイドされ、磨耗粉を集めることができる。
空間部59a、59bは、デフケース3の本体周壁部14の内周面の周方向では、一定間隔で複数配置されている。本実施例では、45度配置で合計8箇所に備えられている。4箇所の空間部59aは、ピニオンシャフト47のギヤ支持軸部47aに径方向に対向して配置され、周方向では相対的に幅が広く形成されている。残りの4箇所の空間部59bは、空間部59aの間に配置され、周方向では相対的に幅が狭く形成されている。但し、空間部59a、59b共に同じ周方向幅に形成することもできる。
空間部59a、59bは、図2の断面で扁平のかまぼこ状で内径側が広口に形成され、内部に永久磁石61を備えている。空間部59a、59bの周方向両側は湾曲面に形成され、内定部に至っている。
永久磁石61は、磨耗粉を吸着させるものである。相対的に幅の広い空間部59aには、永久磁石61が周方向に2個並べて配置されている。相対的に幅の狭い空間部59bには、永久磁石61が周方向で1個配置されている。空間部59a、59bの永久磁石61は、軸方向では4個備えられている。但し、永久磁石61の個数は自由である。
永久磁石61の厚み寸法は、空間部59a、59bの深さ寸法よりも若干小さく形成されている。このため、永久磁石61は、空間部59a、59b内に収容される。
[作用]
デファレンシャル装置1は、デフケース3の軸受支持部19a、27aがA/T内にベアリングを介して回転自在に支持され、本体フランジ部15及び蓋体フランジ部23からなるフランジ部に取り付けられたリングギヤが、ドライブピニオンギヤに噛合っている。
アクスルシャフトは、左右のボス部27、19からサイドギヤ41、39の結合孔35b、37bに挿入され、スプライン結合される。
ドライブピニオンギヤからリングギヤを介し、トルクが入力されると、デフケース3が回転する。デフケース3の回転によって、ピン53に係合するプレッシャーリング55、57にトルクが伝達され、カム面を介して、ピニオンシャフト47にトルク伝達が行われる。このトルク伝達によって、ピニオンギヤ9及びサイドギヤ5、7がデフケース3共に一体に回転する。サイドギヤ5、7からは、左右のアクスルシャフトを介してトルク伝達が行われ、左右の車輪が回転駆動される。
アクスルシャフトとボス部19、27、結合孔35b、37b間の潤滑は、A/T内の潤滑油により行われる。この潤滑油は、螺旋溝19b、27b、貫通孔17e、25gから供給され、デフケース3内部の潤滑油とは区別されている。
前記プレッシャーリング55、57のカム面が、ピニオンシャフト47に回転方向に当接すると、カム作用によって、プレッシャーリング55、57が摩擦クラッチ49、51側へ移動する。この移動によって、プレッシャーリング55、57と締結受け面17a、25aとの間で摩擦クラッチ49、51が締結される。
この場合、デフケース3からプレッシャーリング55、57へ伝達されるトルクの増大に応じて、プレッシャーリング55、57のカム面のカム力が増大するため、摩擦クラッチ49、51がトルクに応じて締結力を強める。この摩擦クラッチ49、51の締結力によって、係合部材43、45とデフケース3とが摩擦係合し、サイドギヤ5、7間の差動制限が行われる。この差動制限力は、前記のように、トルクの増大に応じて増大する。
同時にサイドギヤ5、7がピニオンギヤ9との間の噛合い反力で軸方向に移動すると一方でサイドギヤ5の平坦な背面がサイドギヤ摺動面17fに圧接して摺動し、他方でサイドギヤ7の背面のコーン形状の凹面がコーン形状のサイドギヤ摺動面25dに圧接して摺動する。
これら摩擦クラッチ49、51の摩擦力と、サイドギヤ5、7及びデフケース3との直接摺動とが協動し、差動制限力を確実に得ることができる。
左右の車輪へは、トルク増大に応じた差動制限を行いながらトルク伝達が行われることになる。
また、コイルスプリング63の付勢力によって、プレッシャーリング55、57を介し、摩擦クラッチ49、51にプリロードが与えられているため、当初から差動制限力を得ながらトルク伝達を行うことができる。
左右の車輪の差動回転時には、ピニオンギヤ9がピニオンシャフト47のギヤ支持軸部47aを中心に自転する。この自転によりサイドギヤ5、7間の差動回転を許容することができ、該差動回転を摩擦クラッチ49、51のプリロード及びトルクに応じた摩擦力によって制限することができる。
従って、コーナリング走行時等に確実な差動制限力により、安定したコーナリング走行等を可能とする。
かかる差動制限に際し、摩擦摺動する各部から磨耗粉が発生する。特に摩擦クラッチ49、51から発生する磨耗粉が主体となり、この磨耗粉は摩擦クラッチ49、51の外周側の空間部59a、59bに遠心力で集まる。
空間部59a、59bに集まった磨耗粉は、永久磁石61等により保持され、デフケース3内部の差動歯車、摩擦クラッチ49、51等の各機能部への影響を抑制することができる。
しかも、空間部59a、59bは、オイル溜まりとなり、摩擦クラッチ49、51等への潤滑油量を増加させることができ、耐久性が向上し、信頼性が高まる。
[実施例の効果]
本発明実施例は、トルクの入力又は出力を行うデフケース3と、前記デフケース3内に回転自在に支持され別体で挿入結合されるアクスルシャフトを介してトルクの出力を行う一対のサイドギヤ5、7と、前記デフケース3内でピニオンシャフト47により回転自在に支持され前記各サイドギヤ5、7に噛合うピニオンギヤ9と、前記デフケース3と前記サイドギヤ5、7との間に配置され前記一対のサイドギヤ5、7の差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦クラッチ49、51と、前記デフケース3及びピニオンシャフト47に係合し前記デフケース3の回転を前記ピニオンギヤ9の公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルク伝達に応じて移動し前記摩擦クラッチ49、51に締結力を与えるプレッシャーリング55、57と、前記デフケース3と前記サイドギヤ5、7との間に配置されデフケース3内外を密封する第1の封止部P1のXリング20aと、前記別体のアクスルシャフトに対する前記サイドギヤ5、7の第2の封止部P2のキャップ40、46とを備えている。
従って、第1、第2の封止部P2により、デフケース3内が密封され、この密封された空間内に専用のLSDオイルを封入することができる。専用のLSDオイルは、CVTオイルやATFなどと異なり、摩擦クラッチ49、51の締結に際しスティックスリップ等を起こし難くすることができる。
また、コーナリング走行時には差動回転が許容され、摩擦クラッチ49、51等によるLSD機能が発揮され、差動制限により安定したコーナリング走行等を可能とする。
しかも、前記摩擦クラッチ49、51は、前記サイドギヤ5、7及びピニオンギヤ9の噛合い部よりも外周側に配置され、前記デフケース3の内周面に、潤滑油を溜め得る空間部59a、59bを形成し、前記空間部59a、59bを、前記摩擦クラッチ49、51の外周側に配置した。
差動制限に際しては、摩擦摺動する各部から磨耗粉が発生する。特に摩擦クラッチ49、51から発生する磨耗粉が主体となる。なお、磨耗粉としてはピニオンギヤ9とサイドギヤ5、7との間の噛合い部、サイドギヤ5、7とデフケース3との間の摺動部からも発生する。
この磨耗粉は摩擦クラッチ49、51の外周側の空間部59a、59bに遠心力で集まる。空間部59a、59bに集まった磨耗粉は、永久磁石61により保持され、デフケース3内部の差動歯車、摩擦クラッチ49、51等の各機能部への影響を抑制することができる。
LSDの摩擦部への磨耗粉の影響を抑制できるから、ジャダー音の発生を抑制できる。
磨耗粉は、デフケース3外へ排出されないから、トランスミッション油圧制御部への影響を防止することができる。
しかも、空間部59は、オイル溜まりとなり、摩擦クラッチ49、51等への潤滑油量を増加させることができ、耐久性が向上し、信頼性が高まる。
空間部59が一対の摩擦クラッチ49、51間に渡っているため、空間部59が広く、十分なオイル溜まりを形成することができ、空間部59に溜まった潤滑油で両摩擦クラッチ49、51を十分に潤滑することができる。
前記サイドギヤ5、7の第2の封止部P2は、結合孔35b、37bの軸方向内端部を閉止するキャップ40、46である。
このため、アクスルシャフトを挿入結合する前にサイドギヤ5、7の結合孔35b、37bを袋状態とし、Xリング20aと相俟ってデフケース3内を独立して密封構造にすることができる。
従って、LSDオイルをデファレンシャル装置1単体で封入することができ、取り扱いが容易である。
前記空間部59a、59bに、永久磁石61を備えた。
このため、摩擦クラッチ49、51の外周側の空間部59に遠心力で集まった磨耗粉は、永久磁石61により保持され、デフケース3内部の差動歯車、摩擦クラッチ49、51等の各機能部への影響を抑制することができる。
図3、図4は、本発明の実施例2に係るデファレンシャル装置である。図3は、デファレンシャル装置の図4のIII-III線矢視断面図である。図4は、デファレンシャル装置の図3のIV-IV線矢視断面図である。
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一又は対応する部分には同符号を付し、重複した説明は省略する。
本実施例2のデファレンシャル装置1は、内部のオイル交換を容易にする構造とした。
図3、図4のように、本実施例2のデファレンシャル装置1では、キャップ40が開口部65を備えている。開口部65は、結合孔35aをデフケース3の内部に連通させるものである。開口部65に、着脱自在なプラグ67を備えている。
キャップ40は、内端側が軸方向に肉厚に形成され、軸心部に前記開口部65が段付き状に形勢されている。開口部65には雌ねじ部が形成され、プラグ67が雌ねじ部により開口部65に着脱自在に螺合結合されている。
ピニオンシャフト47は、スパイダー状に形成され、リング部47cに各ギヤ支持軸部47aが圧入などの嵌合により固定されている。ギヤ支持軸部47aの一つには、空間部59aとデフケース3内中心側であるリング部47c内周側に連通させる貫通孔47abを備えた。
貫通孔47abを備えたギヤ支持軸部47aは、他のギヤ支持軸部47aよりも相対的に長く形成され、端部が空間部59a内に位置している。この端部が位置している空間部59a内では、磁石は配置しないか、デフケース3の軸方向でギヤ支持軸部47aの両側に配置する。
リング部47cは、キャップ40、46の外周面に嵌合し、サイドギヤ5、7の軸方向内端側を相対回転自在に支持している。リング部47cの軸方向端面は、サイドギヤ5、7の前面に近接して対向している。
リング部47cの内周には、キャップ40、46に対して軸方向複数の周溝47caが形成されている。周溝47caは、キャップ40、46に対してラビリンスパッキンを形成する。
従って、本実施例2において、第2の封止部P2は、複数の周溝47caを備えたリング部47c、キャップ40、46、プラグ67が構成する。
その他、実施例1と略同様の構成である。
本実施例2においても、Xリング20aなどによる第1の封止部P1と複数の周溝47caなどによる第2の封止部P2とにより、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施例2では、デフケース3内に封入されたLSDオイルが劣化したとき、次の手順でオイル交換を容易に行わせることができる。
デファレンシャル装置1は、貫通孔47abが下方となる様に回転位置を調節する。
デファレンシャル装置1のサイドギヤ5側において結合孔35bからアクスルシャフトを引き抜く。
キャップ40のプラグ67を螺子戻して取外し、ボス部19に吸引ポンプを接続する。
吸引ポンプの稼動によりデフケース3の密封された内部に対し外部となるボス部19側に負圧が発生する。この負圧によりデフケース3の密封された内部の空気圧との間に圧力差が生じる。この圧力差により、デフケース3内の劣化したLSDオイルが貫通孔47abに吸い込まれ、キャップ40、46間から開口部65を介して結合孔35b側に至り、吸引ポンプ側に吸い出される。
このとき、周溝47caによるラビリンスパッキンの作用によりデフケース3内を封止するから、貫通孔47ab側からデフケース3内のLSDオイルを円滑に吸いだすことができる。
ギヤ支持軸部47aの貫通孔47abは、最下部に位置する空間部59aの底部に臨んでいるから、デフケース3内の劣化したLSDオイルの残量を極力少なくすることができる。
新しいLSDオイルの注入に際しては、貫通孔47abが上方となる様にデファレンシャル装置1の回転位置を調節する。
ボス部19に切り換え弁を介して吸引ポンプ及び給油タンクを接続する。
吸引ポンプの稼動によりデフケース3内を吸引して負圧にする。
このとき、周溝47caによるラビリンスパッキンの作用によりデフケース3内を封止するから、貫通孔47ab側からデフケース3内の空気を円滑に吸いだすことができる。
切り換え弁を切り換えると、デフケース3内の負圧により給油タンクから新しいLSDオイルがデフケース3内に吸引される。
ボス部19から吸引ポンプ及び給油タンクを離脱させ、結合孔35にプラグ67を螺合結合してデフケース3を密封する。
ボス部19からアクスルシャフトを挿入し、結合孔35bにスプライン結合してLSDオイルの交換が終了する。
従って、本実施例2では、デファレンシャル装置1のLSDオイルの交換作業を極めて容易に行わせることができる。
図5は、実施例3に係るデファレンシャル装置の第1、第2の封止部を示す要部断面図である。
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一又は対応する部分には同符号を付し、重複した説明は省略する。
図5のように、本実施例3のデファレンシャファ装置では、第2の封止部P2をサイドギヤ5、7とピニオンシャフト47との間に配置した。
本実施例3では、実施例1の図1で採用したキャップ40、46は省略されている。
ピニオンシャフト47は、一体のスパイダー状に形成され、ボス部47dがサイドギヤ5、7の内側ボス部35d、37dに相対回転自在に嵌合している。ボス部47dの内周には、シール収容凹部が形成され、シール69が収容されている。
従って、本実施例3の第2の封止部P2は、ピニオンシャフト47のシール収容凹部を備えたボス部47d、サイドギヤ5、7の内側ボス部35d、37d、及びシール69が構成している。
その他、実施例1と略同様の構成である。
本実施例3においても、Xリング20aなどによる第1の封止部P1とシール69などによる第2の封止部P2とにより、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施例3では、構造を簡単にすることができる。
図6は、実施例4に係るデファレンシャル装置の第1、第2の封止部を示す要部断面図である。
図6のように、本実施例4のデファレンシャファ装置では、第2の封止部P2をサイドギヤ5、7相互間に配置した。
本実施例4では、実施例1の図1で採用したキャップ40、46は省略されている。
ピニオンシャフト47は、一体のスパイダー状に形成され、ボス部47dがサイドギヤ5、7の内側ボス部35d、37dに相対回転自在に嵌合している。内側ボス部37dの内周には、シール収容凹部が形成され、シール69が収容されている。シール69は、Oリング、Xリングなどを採用することができる。シール69は、内側ボス部35d外周面に密接している。
従って、本実施例4の第2の封止部P2は、サイドギヤ7のシール収容凹部を備えた内側ボス部37d、サイドギヤ5の内側ボス部35c、及びシール69が構成している。
その他、実施例1と略同様の構成である。
本実施例3においても、Xリング20aなどによる第1の封止部P1とシール69などによる第2の封止部P2とにより、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施例3では、構造を簡単にすることができる。
図7は、実施例5に係るデファレンシャル装置に係り、シャフトが一体のサイドギヤの封止部を示す要部断面図である。
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一又は対応する部分には同符号を付し、重複した説明は省略する。
図7のように、本実施例5のデファレンシャファ装置では、封止部Pをサイドギヤ7と一体のシャフト71とこのシャフト71が貫通するデフケースのボス部との間に配置した。他方のサイドギヤとデフケースとの間にも同様の封止部を備えている。
封止部Pは、Xリング等のシール7等で構成され、デフケース側のボス部のシール収容凹部に収容され、シャフト71に密接している。
従って、封止部Pは、デフケース側のシール収容凹部を備えたボス部とXリング等のシール73が構成する。サイドギヤ5側も同様である。
その他、実施例1と略同様の構成である。
本実施例5においても、Xリングなどの封止部Pによりデフケース内を密閉し、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施例5では、構造を簡単にすることができる。
1 デファレンシャル装置
3 デフケース
5、7 サイドギヤ
9 ピニオンギヤ
20a Xリング(シール)
35、37 ギヤ本体部
39、41 ギヤ部
49、51 摩擦クラッチ(摩擦部材)
55、57 プレッシャーリング(押圧部材)
59a、59b 空間部
61 永久磁石
69、73 シール
P 封止部
P1 第1の封止部
P2 第2の封止部

Claims (6)

  1. トルクの入力又は出力を行うデフケースと、
    前記デフケース内に回転自在に支持され挿入結合されるシャフトを介してトルクの出力又は入力を行う一対のサイドギヤと、
    前記デフケース内でピニオンシャフトにより回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、
    前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置され前記一対のサイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、
    前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルク伝達に応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材と、
    前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置されデフケース内外を密封する第1の封止部と、
    前記別体のシャフトに対する前記サイドギヤの第2の封止部又は前記サイドギヤ及びピニオンシャフト間の第2の封止部又は前記サイドギヤ間の第2の封止部と、を備え、
    前記摩擦部材は、前記サイドギヤ及びピニオンギヤの噛合い部よりも外周側に配置され、
    前記押圧部材及び摩擦部材は、前記デフケースの内周面よりも内径側で前記デフケースに形成され軸方向に対向する締結受け面間に配置され、
    前記デフケースの内周面に、前記押圧部材が回転方向に係合して軸方向に移動可能に係合する軸方向に沿った係合部を回転方向で複数形成し、
    前記前記デフケースの内周面に、前記係合部の回転方向間で潤滑油を溜め得る空間部を形成した、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
    前記摩擦部材は、前記一対のサイドギヤに各別に配置され、
    前記空間部は、前記各別に配置された摩擦部材に渡る、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 請求項1又は2記載のデファレンシャル装置であって、
    前記サイドギヤは、前記別体のシャフトを挿入結合させる結合孔を貫通して備え、
    前記サイドギヤの第2の封止部は、前記結合孔の内端部を閉止するキャップである、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 請求項3記載のデファレンシャル装置であって、
    前記キャップは、前記結合孔を前記デフケースの内部に連通させる開口部を備え、
    前記開口部に、着脱自在なプラグを備え、
    前記ピニオンシャフトに、前記空間部とデフケース内中心側とを連通させる貫通孔を備えた、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. トルクの入力又は出力を行うデフケースと、
    前記デフケース内に回転自在に支持され一体のシャフトを介してトルクの出力又は入力を行う一対のサイドギヤと、
    前記デフケース内でピニオンシャフトにより回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、
    前記デフケースと前記サイドギヤとの間に配置され前記一対のサイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、
    前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記トルク伝達に応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材と、
    前記デフケースと前記一体のシャフトとの間の封止部と、を備え、
    前記摩擦部材は、前記サイドギヤ及びピニオンギヤの噛合い部よりも外周側に配置され、
    前記押圧部材及び摩擦部材は、前記デフケースの内周面よりも内径側で前記デフケースに形成され軸方向に対向する締結受け面間に配置され、
    前記デフケースの内周面に、前記押圧部材が回転方向に係合して軸方向に移動可能に係合する軸方向に沿った係合部を回転方向で複数形成し、
    前記前記デフケースの内周面に、前記係合部の回転方向間で潤滑油を溜め得る空間部を形成した、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  6. 請求項1~5の何れか1項記載のデファレンシャル装置であって、
    前記空間部に、永久磁石を備えた、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
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