JP6957171B2 - インクジェットプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、インクジェットプリントヘッドおよびその製造方法に関する。
特許文献1は、インクジェットプリントヘッドを開示している。特許文献1のインクジェットプリントヘッドは、インク流路としての圧力室(圧力発生室)を有するアクチュエータ基板(基板)と、アクチュエータ基板上に形成された可動膜(弾性膜)と、可動膜上に設けられた圧電素子とを含んでいる。特許文献1のインクジェットプリントヘッドは、さらに、アクチュエータ基板の下面に接合されかつ圧力室に連通するノズル開口を有するノズル基板(ノズルプレート)と、アクチュエータ基板の上面に接合されかつ圧電素子を覆う保護基板とを備えている。
アクチュエータ基板には、圧力室と連通する個別インク供給路と、個別インク供給路と連通する共通インク供給路(連通部)とが形成されている。つまり、アクチュエータ基板には、共通インク供給路、個別インク供給路および圧力室を含むインク流路が形成されている。保護基板の下面には、圧電素子を収容する収容凹所(圧電素子保持部)が形成されている。また、保護基板には、平面視で収容凹所と間隔をおいて、アクチュエータ基板の共通インク供給路と連通するインク供給路(リザーバ―部)が形成されている。インクタンクから、保護基板のインク供給路、アクチュエータ基板の共通インク供給路および個別インク供給路を通って、圧力室にインクが供給される。
特開2015−91668号公報
特許文献1に記載されているようなインクジェットプリントヘッドでは、一般的に、ノズル基板はアクチュエータ基板に接着剤によって接合される。この際、ノズル基板はアクチュエータ基板に押圧された状態でアクチュエータ基板に接合されるが、両者間の接合圧が弱いと、両者間の接合強度が低下する。
また、特許文献1に記載されているようなインクジェットプリントヘッドでは、一般的に、保護基板はアクチュエータ基板に接着剤によって接合される。この際、保護基板はアクチュエータ基板に押圧された状態でアクチュエータ基板に接合されるが、両者間の接合圧が弱いと、両者間の接合強度が低下する。
この発明の目的は、アクチュエータ基板とノズル基板との間の接合強度を高めることができる、インクジェットプリントヘッドおよびその製造方法を提供することである。
この発明の目的は、アクチュエータ基板と保護基板との間の接合強度を高めることができる、インクジェットプリントヘッドを提供することである。
この発明の一実施形態は、圧力室を含むインク流路を有するアクチュエータ基板と、前記圧力室上に配置されかつ前記圧力室の天面部を区画する可動膜を含む可動膜形成層と、前記可動膜上に形成された圧電素子と、前記アクチュエータ基板の前記可動膜側の表面である第1表面とは反対側の第2表面に接着剤によって接合され、前記圧力室の底面部を区画し、前記圧力室に連通するノズル孔を有するノズル基板とを含み、前記アクチュエータ基板の前記第2表面の周縁部に、接合圧増加用凹部が形成されている、インクジェットプリントヘッドを提供する。
この構成では、アクチュエータ基板の第2表面の周縁部に接合圧増加用凹部が形成されているので、アクチュエータ基板の第2表面にノズル基板が接合される際に、両者間の接合圧を高めることができる。これにより、アクチュエータ基板とノズル基板との間の接合強度を高めることができる。
この発明の一実施形態では、前記接合圧増加用凹部は、前記アクチュエータ基板の前記第2表面の周縁部に点在するように形成された複数の接合圧増加用凹部を含む。
この発明の一実施形態では、前記接合圧増加用凹部が平面視四角形状に形成されており、複数の四角形状の前記接合圧増加用凹部が隙間を空けて行列状に配列されている。
この発明の一実施形態では、前記接合圧増加用凹部が平面視正六角形状に形成されており、複数の正六角形状の前記接合圧増加用凹部がハニカム状に配列されている。
この発明の一実施形態では、前記圧電素子を覆うように前記アクチュエータ基板に接着剤によって接合される保護基板をさらに含む。前記保護基板は、前記アクチュエータ基板側に向かって開口しかつ前記圧電素子を収容する収容凹所と、平面視において前記収容凹所の一端の外方に形成され、前記インク流路の一端部に連通するインク供給路とを有している。
この発明の一実施形態では、前記ノズル基板は、Si基板からなる主基板と、前記主基板上に形成されたSiO膜と、前記SiO膜上に形成された撥水膜とからなる。前記主基板における前記SiO膜とは反対側の表面が、前記アクチュエータ基板の前記第2表面に接合されている。
この発明の一実施形態では、前記アクチュエータ基板は、Si基板からなる。
この発明の一実施形態では、前記可動膜形成層は、SiO単膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記可動膜形成層は、前記アクチュエータ基板上に形成されたSi膜と、前記Si膜上に形成されSiO膜と、前記SiO膜上に形成されたSiN膜との積層膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記圧電素子は、前記可動膜上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電体膜と、前記圧電体膜上に形成された上部電極とを含む。
この発明の一実施形態では、平面視において、前記上部電極は、前記可動膜よりも前記圧力室の内方に後退した周縁を有しており、平面視において、一端部が前記上部電極の上面に接続され、他端部が前記圧力室の周縁の外側に引き出された上部配線をさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記上部電極および前記圧電体膜の少なくとも側面全域と、前記下部電極の上面とを覆う水素バリア膜と、前記水素バリア膜上に形成され、前記水素バリア膜と前記上部配線との間に配置された絶縁膜とをさらに含む。前記水素バリア膜および前記絶縁膜に、前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔が形成されており、前記上部配線の一端部は、前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接続されている。
この発明の一実施形態では、前記絶縁膜上に形成され、前記配線を被覆するパッシベーション膜をさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記圧電体膜は、PZT膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記上部電極は、Pt単膜からなる。
この発明の一実施形態では、前記上部電極は、前記圧電体膜上に形成されたIr0膜と、前記Ir0膜上に形成されたIr膜との積層膜からなる。
この発明の一実施形態は、アクチュエータ基板上に可動膜形成領域を含む可動膜形成層を形成する工程と、前記可動膜形成層の前記可動膜形成領域上に、下部電極と、前記下部電極に対して前記可動膜形成層とは反対側に配置された上部電極と、それらに挟まれた圧電体膜とを含む圧電素子を形成する工程と、前記圧電素子を覆うように前記アクチュエータ基板に保護基板を接合する工程と、前記アクチュエータ基板における前記可動膜形成層側の表面である第1表面とは反対側の第2表面の周縁部に、接合圧増加用凹部を形成する工程と、前記アクチュエータ基板の前記第2表面側からエッチングすることにより、前記可動膜形成領域に対向する圧力室を含むインク流路を形成する工程と、前記アクチュエータ基板の前記第2表面に、前記圧力室の底面部を区画し、前記圧力室に連通するノズル孔を有するノズル基板を接合する工程とを含む、インクジェットプリントヘッドの製造方法を提供する。
この方法では、アクチュエータ基板の第2表面の周縁部に接合圧増加用凹部が形成されているので、アクチュエータ基板の第2表面にノズル基板を接合する際に、両者間の接合圧を高めることができる。これにより、アクチュエータ基板とノズル基板との間の接合強度を高めることができる。
この発明の一実施形態では、前記接合圧増加用凹部を形成する工程では、前記アクチュエータ基板の前記第2表面の周縁部に、複数の接合圧増加用凹部が点在するように形成される。
この発明の一実施形態は、圧力室を含むインク流路を有するアクチュエータ基板と、前記圧力室上に配置されかつ前記圧力室の天面部を区画する可動膜を含む可動膜形成層と、前記可動膜上に形成された圧電素子と、前記圧電素子を覆うように前記アクチュエータ基板に接着剤によって接合される保護基板とを含み、前記保護基板における前記アクチュエータ基板に対向する対向面の周縁部に、接合圧増加用凹部が形成されている、インクジェットプリントヘッドを提供する。
この構成では、保護基板におけるアクチュエータ基板に対向する対向面の周縁部に接合圧増加用凹部が形成されているので、アクチュエータ基板に保護基板が接合される際に、両者間の接合圧を高めることができる。これにより、アクチュエータ基板と保護基板との間の接合強度を高めることができる。
この発明の一実施形態では、前記接合圧増加用凹部は、前記保護基板における前記アクチュエータ基板に対向する対向面の周縁部に点在するように形成された複数の接合圧増加用凹部を含む。
この発明の一実施形態では、前記接合圧増加用凹部が平面視四角形状に形成されており、複数の四角形状の前記接合圧増加用凹部が隙間を空けて行列状に配列されている。
この発明の一実施形態では、前記接合圧増加用凹部が平面視正六角形状に形成されており、複数の正六角形状の前記接合圧増加用凹部がハニカム状に配列されている。
この発明の一実施形態では、前記保護基板は、前記アクチュエータ基板側に向かって開口しかつ前記圧電素子を収容する収容凹所と、平面視において前記収容凹所の一端の外方に形成され、前記インク流路の一端部に連通するインク供給路とを有している。
この発明の一実施形態では、前記アクチュエータ基板の前記可動膜側の表面である第1表面とは反対側の第2表面に接着剤によって接合され、前記圧力室の底面部を区画し、前記圧力室に連通するノズル孔を有するノズル基板をさらに含む。
図1は、この発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの構成を説明するための図解的な平面図である。 図2は、アクチュエータ基板の裏面を示す底面図である。 図3は、保護基板の裏面を示す底面図である。 図4は、図1のA部を拡大して示す図解的な部分拡大平面図であって、保護基板を含む平面図である。 図5は、図1のA部を拡大して示す図解的な部分拡大平面図であって、保護基板が省略された平面図である。 図6は、図4のVI-VI線に沿う図解的な断面図である。 図7は、図4のVII-VII線に沿う図解的な断面図である。 図8は、前記インクジェットプリントヘッドの絶縁膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図9は、前記インクジェットプリントヘッドのパッシベーション膜のパターン例を示す図解的な平面図である。 図10は、保護基板の図4に示される領域の底面図である。 図11は、アクチュエータ基板の元基板としての半導体ウエハの平面図である。 図12Aは、前記インクジェットプリントヘッドの製造工程の一例を示す断面図である。 図12Bは、図12Aの次の工程を示す断面図である。 図12Cは、図12Bの次の工程を示す断面図である。 図12Dは、図12Cの次の工程を示す断面図である。 図12Eは、図12Dの次の工程を示す断面図である。 図12Fは、図12Eの次の工程を示す断面図である。 図12Gは、図12Fの次の工程を示す断面図である。 図12Hは、図12Gの次の工程を示す断面図である。 図12Iは、図12Hの次の工程を示す断面図である。 図12Jは、図12Iの次の工程を示す断面図である。 図12Kは、図12Jの次の工程を示す断面図である。 図12Lは、図12Kの次の工程を示す断面図である。 図12Mは、図12Lの次の工程を示す断面図である。 図12Nは、図12Mの次の工程を示す断面図である。 図13Aは、ノズル基板集合体の製造工程を模式的に示す断面図であって、インク流通方向に直交しかつノズル孔の中心を通過するような切断線に沿う断面図ある。 図13Bは、図13Aの次の工程を示す断面図である。 図13Cは、図13Bの次の工程を示す断面図である。 図13Dは、図13Cの次の工程を示す断面図である。 図13Eは、図13Dの次の工程を示す断面図である。 図13Fは、図13Eの次の工程を示す断面図である。 図14Aは、ノズル基板集合体を基板アセンブリ集合体に接合する工程を説明するための模式的な断面図であって、インク流通方向に直交しかつノズル孔の中心を通過するような切断線に沿う断面図ある。 図14Bは、図14Aの次の工程を示す断面図である。 図14Cは、図14Bの次の工程を示す断面図である。 図15Aは、ノズル孔の変形例を示す図解的な断面図である。 図15Bは、ノズル孔の他の変形例を示す図解的な断面図である。 図15Cは、ノズル孔のさらに他の変形例を示す図解的な断面図である。 図16は、第1接合圧増加用凹部の変形例を示す部分拡大底面図である。 図17は、第2接合圧増加用凹部の変形例を示す部分拡大底面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの構成を説明するための図解的な平面図である。図2は、アクチュエータ基板の裏面を示す底面図である。図3は、保護基板の裏面を示す底面図である。図4は、図1のA部を拡大して示す図解的な部分拡大平面図であって、保護基板を含む平面図である。図5は、図1のA部を拡大して示す図解的な部分拡大平面図であって、保護基板が省略された平面図である。図6は、図4のVI-VI線に沿う図解的な断面図である。図7は、図4のVII-VII線に沿う図解的な断面図である。
図6を参照して、インクジェットプリントヘッド1の構成を概略的に説明する。
インクジェットプリントヘッド1は、アクチュエータ基板2および圧電素子9を含むアクチュエータ基板アセンブリSAと、ノズル基板3と、保護基板4とを備えている。以下において、アクチュエータ基板アセンブリSAを、基板アセンブリSAということにする。
アクチュエータ基板2の表面2aには、可動膜形成層10が積層されている。アクチュエータ基板2には、インク流路(インク溜まり)5が形成されている。インク流路5は、この実施形態では、アクチュエータ基板2を貫通して形成されている。インク流路5は、図6に矢印で示すインク流通方向41に沿って細長く延びて形成されている。インク流路5は、インク流通方向41の上流側端部(図6では左端部)のインク流入部6と、インク流入部6に連通する圧力室7とから構成されている。図6において、インク流入部6と圧力室7との境界を二点鎖線で示すことにする。アクチュエータ基板2の裏面2bの周縁部には、複数の第1接合圧増加用凹部61が形成されている。 ノズル基板3は、たとえば、シリコン(Si)基板(主基板)30と、シリコン基板30における圧力室7とは反対側の表面(裏面)に形成された酸化シリコン(SiO)膜31と、酸化シリコン膜31におけるシリコン基板30とは反対側の表面に形成された撥水膜32とからなる。撥水膜32は、この実施形態では、フッ素系ポリマー等の有機膜からなる。この実施形態では、シリコン基板30の厚さは40μm程度であり、酸化シリコン膜31の膜厚は0.1μm程度であり、撥水膜32の膜厚は0.1μm程度である。
ノズル基板3は、アクチュエータ基板2の裏面2bにシリコン基板30側の表面が対向した状態で、アクチュエータ基板2の裏面2bに張り合わされている。ノズル基板3は、アクチュエータ基板2および可動膜形成層10とともにインク流路5を区画している。より具体的には、ノズル基板3は、インク流路5の底面部を区画している。前述の第1接合圧増加用凹部61は、ノズル基板3をアクチュエータ基板2に接合する際に、両者間の接合圧を大きくするために形成されている。
ノズル基板3には、ノズル孔20が形成されている。ノズル孔20は、圧力室7に臨む凹部20aと、凹部20aの底面に形成されたインク吐出通路20bとからなる。インク吐出通路20bは、凹部20aの底壁を貫通しており、圧力室7とは反対側にインク吐出口20cを有している。したがって、圧力室7の容積変化が生じると、圧力室7に溜められたインクは、インク吐出通路20bを通り、吐出口20cから吐出される。
この実施形態では、凹部20aは、シリコン基板30の表面から酸化シリコン膜31側に向かって横断面が徐々に小さくなる円錐台状に形成されている。インク吐出通路20bは、横断面が円形のストレート孔から構成されている。この実施形態では、凹部20aは、シリコン基板30の厚さ途中まで形成されており、インク吐出通路20bは、シリコン基板30に形成されている部分と、酸化シリコン膜31および撥水膜32に形成された部分とからなる。
可動膜形成層10における圧力室7の天壁部分は、可動膜10Aを構成している。可動膜10A(可動膜形成層10)は、たとえば、アクチュエータ基板2上に形成された酸化シリコン(SiO)膜からなる。可動膜10A(可動膜形成層10)は、たとえば、アクチュエータ基板2上に形成されるシリコン(Si)膜と、シリコン膜上に形成される酸化シリコン(SiO)膜と、酸化シリコン膜上に形成される窒化シリコン(SiN)膜との積層膜から構成されていてもよい。この明細書において、可動膜10Aとは、可動膜形成層10のうち圧力室7の天面部を区画している天壁部を意味している。したがって、可動膜形成層10のうち、圧力室7の天壁部以外の部分は、可動膜10Aを構成していない。
可動膜10Aの厚さは、たとえば、0.4μm〜2μmである。可動膜10Aが酸化シリコン膜から構成される場合は、酸化シリコン膜の厚さは1.2μm程度であってもよい。可動膜10Aが、シリコン膜と酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜から構成される場合には、シリコン膜、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の厚さは、それぞれ0.4μm程度であってもよい。
圧力室7は、可動膜10Aと、アクチュエータ基板2と、ノズル基板3とによって区画されており、この実施形態では、略直方体状に形成されている。圧力室7の長さはたとえば800μm程度、その幅は55μm程度であってもよい。インク流入部6は、圧力室7の長手方向一端部に連通している。
可動膜形成層10の表面には、金属バリア膜8が形成されている。金属バリア膜8は、たとえば、Al(アルミナ)からなる。金属バリア膜8の厚さは、50nm〜100nm程度である。金属バリア膜8の表面には、可動膜10Aの上方位置に、圧電素子9が配置されている。圧電素子9は、金属バリア膜8上に形成された下部電極11と、下部電極11上に形成された圧電体膜12と、圧電体膜12上に形成された上部電極13とを備えている。言い換えれば、圧電素子9は、圧電体膜12を上部電極13および下部電極11で上下から挟むことにより構成されている。
上部電極13は、白金(Pt)の単膜であってもよいし、たとえば、導電性酸化膜(たとえば、IrO(酸化イリジウム)膜)および金属膜(たとえば、Ir(イリジウム)膜)が積層された積層構造を有していてもよい。上部電極13の厚さは、たとえば、0.2μm程度であってもよい。
圧電体膜12としては、たとえば、ゾルゲル法またはスパッタ法によって形成されたPZT(PbZrTi1−x:チタン酸ジルコン酸鉛)膜を適用することができる。このような圧電体膜12は、金属酸化物結晶の焼結体からなる。圧電体膜12は、上部電極13と平面視で同形状に形成されている。圧電体膜12の厚さは、1μm程度である。可動膜10Aの全体の厚さは、圧電体膜12の厚さと同程度か、圧電体膜12の厚さの2/3程度とすることが好ましい。前述の金属バリア膜8は、主として圧電体膜12から金属元素(圧電体膜12がPZTの場合には、Pb,Zr,Ti)が抜け出すことを防止し、圧電体膜12の圧電特性を良好に保つとともに、圧電体膜12の成膜時に、可動膜10Aに金属が拡散するのを防止する。金属バリア膜8は、圧電体膜12の水素還元による特性劣化を防止する機能も有している。
下部電極11は、たとえば、Ti(チタン)膜およびPt(プラチナ)膜を金属バリア膜8側から順に積層した2層構造を有している。この他にも、Au(金)膜、Cr(クロム)層、Ni(ニッケル)層などの単膜で下部電極11を形成することもできる。下部電極11は、圧電体膜12の下面に接した主電極部11Aと、圧電体膜12の外方の領域まで延びた延長部11Bとを有している。下部電極11の厚さは、たとえば、0.2μm程度であってもよい。
圧電素子9上、下部電極11の延長部11B上および金属バリア膜8上には、水素バリア膜14が形成されている。水素バリア膜14は、たとえば、Al(アルミナ)からなる。水素バリア膜14の厚さは、50nm〜100nm程度である。水素バリア膜14は、圧電体膜12の水素還元による特性劣化を防止するために設けられている。
水素バリア膜14上に、絶縁膜15が積層されている。絶縁膜15は、たとえば、SiO、低水素のSiN等からなる。絶縁膜15の厚さは、500nm程度である。絶縁膜15上には、上部配線17および下部配線(図示略)が形成されている。これらの配線は、Al(アルミニウム)を含む金属材料からなっていてもよい。これらの配線の厚さは、たとえば、1000nm(1μm)程度である。
上部配線17の一端部は、上部電極13の一端部(インク流通方向41の下流側端部)の上方に配置されている。上部配線17と上部電極13との間において、水素バリア膜14および絶縁膜15を連続して貫通する上部電極用コンタクト孔33が形成されている。上部配線17の一端部は、上部電極用コンタクト孔33に入り込み、上部電極用コンタクト孔33内で上部電極13に接続されている。上部配線17は、上部電極13の上方から、圧力室7の外縁を横切って圧力室7の外方に延びている。
下部配線は、図示しないが、所定位置において、下部電極11の延長部11Bの上方に配置されている。下部配線と下部電極11の延長部11Bとの間において、水素バリア膜14および絶縁膜15を連続して貫通する下部電極用コンタクト孔(図示略)が形成されている。下部配線は、下部電極用コンタクト孔に入り込み、下部電極用コンタクト孔内で下部電極11の延長部11Bに接続されている。
絶縁膜15上には、上部配線17、下部配線および絶縁膜15を覆うパッシベーション膜21が形成されている。パッシベーション膜21は、たとえば、SiN(窒化シリコン)からなる。パッシベーション膜21の厚さは、たとえば、800nm程度であってもよい。
パッシベーション膜21には、上部配線17の一部を露出させる上部電極用パッド開口35が形成されている。上部電極用パッド開口35は、圧力室7の外方領域に形成されており、たとえば、上部配線17の先端部(上部電極13へのコンタクト部の反対側端部)に形成されている。パッシベーション膜21上には、上部電極用パッド開口35を覆う上部電極用パッド42が形成されている。上部電極用パッド42は、上部電極用パッド開口35に入り込み、上部電極用パッド開口35内で上部配線17に接続されている。
また、パッシベーション膜21には、下部配線の一部を露出させる下部電極用パッド開口(図示略)が形成されている。パッシベーション膜21上には、下部電極用パッド開口を覆う下部電極用パッド43(図1参照)が形成されている。下部電極用パッド43は、下部電極用パッド開口に入り込み、下部電極用パッド開口内で下部配線に接続されている。
インク流路5におけるインク流入部6側の端部に対応する位置に、パッシベーション膜21、絶縁膜15、水素バリア膜14、下部電極11、金属バリア膜8および可動膜形成層10を貫通するインク供給用貫通孔22が形成されている。下部電極11には、インク供給用貫通孔22を含み、インク供給用貫通孔22よりも大きな貫通孔23が形成されている。下部電極11の貫通孔23とインク供給用貫通孔22との隙間には、水素バリア膜14が入り込んでいる。インク供給用貫通孔22は、インク流入部6に連通している。
保護基板4は、たとえば、シリコン基板からなる。保護基板4は、圧電素子9を覆うように基板アセンブリSA上に配置されている。保護基板4は、基板アセンブリSAに、接着剤50を介して接合されている。保護基板4は、基板アセンブリSAに対向する対向面51に収容凹所52を有している。収容凹所52内に圧電素子9が収容されている。また、保護基板4には、インク供給用貫通孔22に連通するインク供給路53とパッド42,43を露出させるための開口部54とが形成されている。インク供給路53および開口部54は、保護基板4を貫通している。保護基板4の基板アセンブリSAに対向する対向面51の周縁部には、複数の第2接合圧増加用凹部62が形成されている。第2接合圧増加用凹部62は、保護基板4をアクチュエータ基板2に接合する際に、両者間の接合圧を大きくするために形成されている。保護基板4上には、インクを貯留したインクタンク(図示せず)が配置されている。
圧電素子9は、可動膜10Aおよび金属バリア膜8を挟んで圧力室7に対向する位置に形成されている。すなわち、圧電素子9は、金属バリア膜8の圧力室7とは反対側の表面に接するように形成されている。インクタンクからインク供給路53、インク供給用貫通孔22、インク流入部6を通って圧力室7にインクが供給されることによって、圧力室7にインクが充填される。可動膜10Aは、圧力室7の天面部を区画していて、圧力室7に臨んでいる。可動膜10Aは、アクチュエータ基板2における圧力室7の周囲の部分によって支持されており、圧力室7に対向する方向(換言すれば可動膜10Aの厚さ方向)に変形可能な可撓性を有している。
上部配線17および下部配線は、駆動回路(図示せず)に接続されている。具体的には、上部電極用パッド42と駆動回路とは、接続金属部材(図示せず)を介して接続されている。下部電極用パッド43と駆動回路とは、接続金属部材(図示せず)を介して接続されている。駆動回路から圧電素子9に駆動電圧が印加されると、逆圧電効果によって、圧電体膜12が変形する。これにより、圧電素子9とともに可動膜10Aが変形し、それによって、圧力室7の容積変化がもたらされ、圧力室7内のインクが加圧される。加圧されたインクは、インク吐出通路20bを通って、インク吐出口20cから微小液滴となって吐出される。
図1〜図7を参照して、インクジェットプリントヘッド1の構成についてさらに詳しく説明する。以下の説明において、図1の左側を「左」、図1の右側を「右」、図1の下側を「前」、図1の上側を「後」とそれぞれいうものとする。
図1に示すように、インクジェットプリントヘッド1の平面視形状は、前後方向に長い長方形状である。この実施形態では、アクチュエータ基板2、保護基板4およびノズル基板3の平面形状および大きさは、インクジェットプリントヘッド1の平面形状および大きさとほぼ同じである。
アクチュエータ基板2上には、平面視において、前後方向に間隔をおいてストライプ状に配列された複数の圧電素子9の列(以下「圧電素子列」という)が、左右方向に間隔をおいて複数列分設けられている。この実施形態では、説明の便宜上、圧電素子列は、2列分設けられているものとする。
図1〜図7に示すように、アクチュエータ基板2には、各圧電素列の圧電素子毎に、インク流路5(圧力室7)が形成されている。したがって、アクチュエータ基板2には、平面視において、前後方向に間隔をおいてストライプ状に配列された複数のインク流路5(圧力室7)からなるインク流路列(圧力室列)が、左右方向に間隔をおいて2列分設けられている。
図1の左側のインク流路列のパターンと右側のインク流路列のパターンとは、それらの列間の中央を結ぶ線分に対して左右対称のパターンとなっている。したがって、左側のインク流路列に含まれるインク流路5においては、インク流入部6が圧力室7に対して右側にあるのに対して、右側のインク流路列に含まれるインク流路5においては、インク流入部6が圧力室7に対して左側にある。したがって、左側のインク流路列と右側のインク流路列とでは、インク流通方向41は互いに逆方向になる。
各インク流路列の複数のインク流路5毎に、インク供給用貫通孔22が設けられている。インク供給用貫通孔22は、インク流入部6上に配置されている。したがって、左側のインク流路列に含まれるインク流路5に対するインク供給用貫通孔22は、インク流路5の右端部上に配置され、右側のインク流路列に含まれるインク流路5に対するインク供給用貫通孔22は、インク流路5の左端部上に配置されている。
各インク流路列において、複数のインク流路5は、それらの幅方向に微小な間隔(たとえば30μm〜350μm程度)を開けて等間隔で形成されている。各インク流路5は、インク流通方向41に沿って細長く延びている。インク流路5は、インク供給用貫通孔22に連通するインク流入部6とインク流入部6に連通する圧力室7とからなる。圧力室7は、平面視において、インク流通方向41に沿って細長く延びた長方形形状を有している。つまり、圧力室7の天面部は、インク流通方向41に沿う2つの側縁と、インク流通方向41に直交する方向に沿う2つの端縁とを有している。インク流入部6は、平面視で圧力室7とほぼ同じ幅を有している。インク流入部6における圧力室7とは反対側の端部の内面は、平面視で半円形に形成されている。インク供給用貫通孔22は、平面視において、円形状である(特に図5参照)。
圧電素子9は、平面視において、圧力室7(可動膜10A)の長手方向に長い矩形形状を有している。圧電素子9の長手方向の長さは、圧力室7(可動膜10A)の長手方向の長さよりも短い。図5に示すように、圧電素子9の短手方向に沿う両端縁は、可動膜10Aの対応する両端縁に対して、それぞれ所定間隔を開けて内側に配置されている。また、圧電素子9の短手方向の幅は、可動膜10Aの短手方向の幅よりも狭い。圧電素子9の長手方向に沿う両側縁は、可動膜10Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。
下部電極11は、可動膜形成層10の表面のほぼ全域に形成されている。下部電極11は、複数の圧電素子9に対して共用される共通電極である。下部電極11は、圧電素子9を構成する平面視矩形状の主電極部11Aと、主電極部11Aから可動膜形成層10の表面に沿う方向に引き出され、圧力室7の天面部の周縁の外方に延びた延長部11Bとを含んでいる。
主電極部11Aの長手方向の長さは、可動膜10Aの長手方向の長さよりも短い。主電極部11Aの両端縁は、可動膜10Aの対応する両端縁に対して、それぞれ、所定間隔を開けて内側に配置されている。また、主電極部11Aの短手方向の幅は、可動膜10Aの短手方向の幅よりも狭い。主電極部11Aの両側縁は、可動膜10Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。延長部11Bは、下部電極11の全領域のうち主電極部11Aを除いた領域である。
上部電極13は、平面視において、下部電極11の主電極部11Aと同じパターンの矩形状に形成されている。すなわち、上部電極13の長手方向の長さは、可動膜10Aの長手方向の長さよりも短い。上部電極13の両端縁は、可動膜10Aの対応する両端縁に対して、それぞれ、所定間隔を開けて内側に配置されている。また、上部電極13の短手方向の幅は、可動膜10Aの短手方向の幅よりも狭い。上部電極13の両側縁は、可動膜10Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。
圧電体膜12は、平面視において、上部電極13と同じパターンの矩形状に形成されている。すなわち、圧電体膜12の長手方向の長さは、可動膜10Aの長手方向の長さよりも短い。圧電体膜12の両端縁は、可動膜10Aの対応する両端縁に対して、それぞれ、所定間隔を開けて内側に配置されている。また、圧電体膜12の短手方向の幅は、可動膜10Aの短手方向の幅よりも狭い。圧電体膜12の両側縁は、可動膜10Aの対応する両側縁に対して、所定間隔を開けて内側に配置されている。圧電体膜12の下面は下部電極11の主電極部11Aの上面に接しており、圧電体膜12の上面は上部電極13の下面に接している。
上部配線17は、圧電素子9の一端部(インク流通方向41の下流側の端部)の上面からそれに連なる圧電素子9の端面に沿って延び、さらに下部電極11の延長部11Bの表面に沿って、インク流通方向41に沿う方向に延びている。上部配線17の先端部は、保護基板4の開口部54内に配置されている。パッシベーション膜21には、上部配線17の先端部表面の中央部を露出させる上部電極用パッド開口35が形成されている。パッシベーション膜21上に、上部電極用パッド開口35を覆うように上部電極用パッド42が設けられている。上部電極用パッド42は、上部電極用パッド開口35内で上部配線17に接続されている。
下部電極用パッド43は、図1を参照して、平面視において、左側の圧電素子列に対応する上部電極用パッド列の後方位置と、右側の圧電素子列に対応する上部電極用パッド列の後方位置とに配置されている。各下部電極用パッド43は、その下方に配置された下部配線を介して、下部電極11の延長部11Bに接続されている。
図1、図3、図4および図6に示すように、保護基板4には、左側のインク流路列に対する複数のインク供給用貫通孔22に連通する複数のインク供給路53(以下、「第1のインク供給路53」という場合がある)と、右側のインク流路列に対する複数のインク供給用貫通孔22に連通する複数のインク供給路53(以下、「第2のインク供給路53」という場合がある)とが形成されている。第1のインク供給路53は、平面視において、保護基板4の幅中央部よりも左側寄りの位置に、前後方向に間隔をおいて1列状に配置されている。第2のインク供給路53は、平面視において、保護基板4の幅中央よりも右側寄りの位置に、前後方向に間隔をおいて1列状に配置されている。保護基板4のインク供給路53は、平面視において、アクチュエータ基板2側のインク供給用貫通孔22と同じパターンの円形状である。インク供給路53は、平面視でインク供給用貫通孔22に整合している。
また、保護基板4には、左側の圧電素子列に対応した全ての上部電極用パッド42および左側の下部電極用パッド43を露出させるための開口部54と、右側の圧電素子列に対応した全ての上部電極用パッド42および右側の下部電極用パッド43を露出させるための開口部54とが形成されている。これらの開口部54は、平面視において、前後方向に長い矩形状である。
図10は、保護基板の図4に示される領域の底面図である。
図6、図7および図10に示すように、保護基板4の対向面51には、各圧電素子列内の圧電素子9に対向する位置に、それぞれ収容凹所52が形成されている。各収容凹所52に対してインク流通方向41の上流側にインク供給路53が配置され、下流側に開口部54が配置されている。各収容凹所52は、平面視において、対応する圧電素子9の上部電極13のパターンよりも少し大きな矩形状に形成されている。そして、各収容凹所52に、対応する圧電素子9が収容されている。
図8は、前記インクジェットプリントヘッドの絶縁膜のパターン例を示す図解的な平面図である。図9は、前記インクジェットプリントヘッドのパッシベーション膜のパターン例を示す図解的な平面図である。
この実施形態では、絶縁膜15およびパッシベーション膜21は、アクチュエータ基板2上において、平面視で保護基板4の収容凹所52の外側領域のほぼ全域に形成されている。ただし、この領域において、絶縁膜15には、インク供給用貫通孔22および下部電極用コンタクト孔が形成されている。この領域において、パッシベーション膜21には、インク供給用貫通孔22、上部電極用パッド開口35および下部電極用パッド開口が形成されている。
保護基板4の収容凹所52の内側領域においては、絶縁膜15およびパッシベーション膜21は、上部配線17が存在する一端部(上部配線領域)にのみ形成されている。この領域において、パッシベーション膜21は、絶縁膜15上の上部配線17の上面および側面を覆うように形成されている。換言すれば、絶縁膜15およびパッシベーション膜21には、平面視で収容凹所52の内側領域のうち、上部配線領域を除いた領域に、開口37が形成されている。絶縁膜15には、さらに、上部電極用コンタクト孔33が形成されている。
図2を参照して、アクチュエータ基板2の裏面2bの周縁部には、複数の第1接合圧増加用凹部61が点在するように形成されている。第1接合圧増加用凹部61は、平面視において四角形状である。具体的には、アクチュエータ基板2の裏面2bの周縁部において、複数の第1接合圧増加用凹部61は、間隔を空けて行列状に配列されている。アクチュエータ基板2の裏面2bの周縁部において、複数の第1接合圧増加用凹部61は千鳥格子状に配列されていてもよい。また、アクチュエータ基板2の裏面2bの周縁部において、複数の第1接合圧増加用凹部61は、ランダムに配置されていてもよい。
この実施形態では、第1接合圧増加用凹部61の平面視形状は、四角形状であるが、円形、楕円形、四角形以外の多角形等、任意形状であってもよい。たとえば、図16に示すように、第1接合圧増加用凹部61の平面視形状は正六角形であってもよい。図16は、図2に対応する底面の一部を拡大した底面図である。このとき、複数の第1接合圧増加用凹部61の配列パターンは、隣り合う第1接合圧増加用凹部61の一辺どうしが互いに平行となるように第1接合圧増加用凹部61が配列されるハニカム状である。このように、平面視正六角形状の複数の第1接合圧増加用凹部61をハニカム状に配列した場合には、平面視四角形状の複数の第1接合圧増加用凹部61を間隔を空けて行列状に配列した場合に比べて、次のような利点がある。つまり、平面視正六角形状の複数の第1接合圧増加用凹部61をハニカム状に配列した場合には、第1接合圧増加用凹部61がジクザグ状に配置されるため、ノズル基板3をアクチュエータ基板2に接合した際に、接着剤がインク流路5へ流れ込みにくくなる。
図3を参照して、保護基板4の対向面51の周縁部には、複数の第2接合圧増加用凹部62が点在するように形成されている。第2接合圧増加用凹部62は、平面視において四角形状である。具体的には、保護基板4の対向面51の周縁部において、複数の第2接合圧増加用凹部62は、間隔を空けて行列状に配列されている。保護基板4の対向面51の周縁部において、複数の第2接合圧増加用凹部62は千鳥格子状に配列されていてもよい。また、保護基板4の対向面51の周縁部において、複数の第2接合圧増加用凹部62は、ランダムに配置されていてもよい。
この実施形態では、第2接合圧増加用凹部62の平面視形状は、四角形状であるが、円形、楕円形、四角形以外の多角形等、任意形状であってもよい。たとえば、図17に示すように、第2接合圧増加用凹部62の平面視形状は正六角形であってもよい。図17は、図3に対応する底面の一部を拡大した底面図である。このとき、複数の第2接合圧増加用凹部62の配列パターンは、隣り合う第2接合圧増加用凹部62の一辺どうしが互いに平行となるように第2接合圧増加用凹部62が配列されるハニカム状である。このように、平面視正六角形状の複数の第2接合圧増加用凹部62をハニカム状に配列した場合には、平面視四角形状の複数の第2接合圧増加用凹部62を間隔を空けて行列状に配列した場合に比べて、次のような利点がある。つまり、平面視正六角形状の複数の第2接合圧増加用凹部62をハニカム状に配列した場合には、第2接合圧増加用凹部62がジクザグ状に配置されるため、保護基板4をアクチュエータ基板2に接合した際に、接着剤が収容凹所52、インク供給路53および開口部54へ流れ込みにくくなる。 インクジェットプリントヘッド1の製造方法の概要について説明する。
図11は、アクチュエータ基板の元基板としての半導体ウエハの平面図であり、一部の領域を拡大して示してある。
アクチュエータ基板2の元基板としての半導体ウエハ(アクチュエータウエハ)100が用意される。アクチュエータウエハ100は、例えばシリコンウエハからなる。アクチュエータウエハ100の表面100aは、アクチュエータ基板の表面2aに対応している。アクチュエータウエハ100の表面100aには、複数の機能素子形成領域101がマトリクス状に配列されて設定されている。隣接する機能素子形成領域101の間には、スクライブ領域(境界領域)102が設けられている。スクライブ領域102は、ほぼ一定の幅を有する帯状の領域であり、直交する二方向に延びて格子状に形成されている。スクライブ領域102には、切断予定線103が設定されている。アクチュエータウエハ100に対して必要な工程を行うことにより、インク流路5および第1接合圧増加用凹部61は形成されていないが、各機能素子形成領域101上に基板アセンブリSAの構成が形成された基板アセンブリ集合体(SA集合体)110が作成される。
基板アセンブリ集合体110の各機能素子形成領域101に対応した複数の保護基板4を一体的に含む保護基板集合体130(図12K参照)が予め用意されている。保護基板集合体130は、保護基板4の元基板としての半導体ウエハ(保護基板用ウエハ)に対して必要な工程を行うことにより作成される。保護基板用ウエハは、例えばシリコンウエハからなる。
また、基板アセンブリ集合体110の各機能素子形成領域101に対応した複数のノズル基板3を一体的に含むノズル基板集合体150(図13F参照)が予め用意される。ノズル基板集合体150は、ノズル基板3の元基板としての半導体ウエハ(ノズルウエハ)に対して必要な工程を行うことにより作成される。ノズルウエハは、例えばシリコンウエハからなる。ノズル基板集合体150は、図13Fに示すように、ノズルウエハ140と、ノズルウエハ140の一表面に形成された酸化シリコン(SiO)膜142と、酸化シリコン膜142の表面に形成された撥水膜143とからなる。
基板アセンブリ集合体110が作成されると、基板アセンブリ集合体110に保護基板集合体130が接合される。次に、基板アセンブリ集合体110に、第1接合圧増加用凹部61およびインク流路5が形成される。次に、基板アセンブリ集合体110にノズル基板集合体150が接合される。これにより、基板アセンブリ集合体110と、保護基板集合体130と、ノズル基板集合体150とからなるインクジェットプリントヘッド集合体170(図12N参照)が得られる。この後、インクジェットプリントヘッド集合体170は、切断予定線103に沿ってダイシングブレードにより切断(ダイシング)される。これによって、機能素子形成領域101を含む個々のインクジェットプリントヘッド(チップ)1が切り出される。インクジェットプリントヘッド1は、周縁部にスクライブ領域102を有し、スクライブ領域102に囲まれた中央領域に機能素子形成領域101を有することになる。
以下、インクジェットプリントヘッド1の製造方法を、より具体的に説明する。
図12A〜図12Nは、インクジェットプリントヘッド1の製造工程を示す断面図であり、図6の切断面に対応する断面図である。
まず、図12Aに示すように、アクチュエータウエハ100を用意する。ただし、アクチュエータウエハ100としては、最終的なアクチュエータ基板2の厚さより厚いものが用いられる。そして、アクチュエータウエハ100の表面100aに可動膜形成層10が形成される。具体的には、アクチュエータウエハ100の表面100aに酸化シリコン膜(たとえば、1.2μm厚)が形成される。可動膜形成層10が、シリコン膜と酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層膜で構成される場合には、アクチュエータ基板2の表面にシリコン膜(たとえば0.4μm厚)が形成され、シリコン膜上に酸化シリコン膜(たとえば0.4μm厚)が形成され、酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜(たとえば0.4μm厚)が形成される。
次に、可動膜形成層10上に、金属バリア膜8が形成される。金属バリア膜8は、たとえば、Al膜(たとえば50nm〜100nm厚)からなる。金属バリア膜8は、後に形成される圧電体膜12からの金属原子の抜け出しを防ぐ。金属電子が抜け出すと、圧電体膜12の圧電特性が悪くなるおそれがある。また、抜け出した金属原子が可動膜10Aを構成するシリコン層に混入すると可動膜10Aの耐久性が悪化するおそれがある。
次に、図12Bに示すように、金属バリア膜8に、下部電極11の材料層である下部電極膜71が形成される。下部電極膜71は、たとえば、Ti膜(たとえば10nm〜40nm厚)を下層としPt膜(たとえば10nm〜400nm厚)を上層とするPt/Ti積層膜からなる。このような下部電極膜71は、スパッタ法で形成されてもよい。
次に、圧電体膜12の材料膜(圧電体材料膜)72が下部電極膜71上の全面に形成される。具体的には、たとえば、ゾルゲル法によって1μm〜3μm厚の圧電体材料膜72が形成される。このような圧電体材料膜72は、金属酸化物結晶粒の焼結体からなる。
次に、圧電体材料膜72の全面に上部電極13の材料である上部電極膜73が形成される。上部電極膜73は、たとえば、白金(Pt)の単膜であってもよい。上部電極膜73は、たとえば、IrO膜(たとえば40nm〜160nm厚)を下層とし、Ir膜(たとえば40nm〜160nm厚)を上層とするIr0/Ir積層膜であってもよい。このような上部電極膜73は、スパッタ法で形成されてもよい。
次に、図12Cおよび図12Dに示すように、上部電極膜73、圧電体材料膜72および下部電極膜71のパターニングが行われる。まず、フォトリソグラフィによって、上部電極13のパターンのレジストマスクが形成される。そして、図12Cに示すように、このレジストマスクをマスクとして、上部電極膜73および圧電体材料膜72が連続してエッチングされることにより、所定パターンの上部電極13および圧電体膜12が形成される。
次に、レジストマスクが剥離された後、フォトリソグラフィによって、下部電極11のパターンのレジストマスクが形成される。そして、図12Dに示すように、このレジストマスクをマスクとして、下部電極膜71がエッチングされることにより、所定パターンの下部電極11が形成される。これにより、主電極部11Aと、貫通孔23を有する延長部11Bとからなる下部電極11が形成される。このようにして、下部電極11の主電極部11A、圧電体膜12および上部電極13からなる圧電素子9が形成される。
次に、図12Eに示すように、レジストマスクが剥離された後、全面を覆う水素バリア膜14が形成される。水素バリア膜14は、スパッタ法で形成されたAl膜であってもよく、その膜厚は、50nm〜100nmであってもよい。この後、水素バリア膜14上の全面に絶縁膜15が形成される。絶縁膜15は、SiO膜であってもよく、その膜厚は、200nm〜300nmであってもよい。続いて、絶縁膜15および水素バリア膜14が連続してエッチングされることにより、上部電極用コンタクト孔33および下部電極用コンタクト孔が形成される。
次に、図12Fに示すように、上部電極用コンタクト孔33および下部電極用コンタクト孔内を含む絶縁膜15上に、スパッタ法によって、上部配線17および下部配線を構成する配線膜が形成される。この後、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、配線膜がパターニングされることにより、上部配線17および下部配線が同時に形成される。
次に、図12Gに示すように、絶縁膜15の表面に上部配線17および下部配線を覆うパッシベーション膜21が形成される。パッシベーション膜21は、例えば、SiNからなる。パッシベーション膜21は、例えば、プラズマCVDによって形成される。
次に、フォトリソグラフィによって上部電極用パッド開口35および下部電極用パッド開口に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、パッシベーション膜21がエッチングされる。これにより、図12Hに示すように、パッシベーション膜21に上部電極用パッド開口35および下部電極用パッド開口が形成される。レジストマスクが剥離された後に、パッシベーション膜21上に上部電極用パッド開口35および下部電極用パッド開口を介して、それぞれ上部配線17および下部配線に接続される上部電極用パッド42および下部電極用パッド43が形成される。
次に、フォトリソグラフィによって開口37およびインク供給用貫通孔22に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、パッシベーション膜21および絶縁膜15が連続してエッチングされる。これにより、図12Iに示すように、パッシベーション膜21および絶縁膜15に、開口37およびインク供給用貫通孔22が形成される。
次に、レジストマスクが剥離される。そして、フォトリソグラフィによってインク供給用貫通孔22に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、水素バリア膜14、金属バリア膜8および可動膜形成層10がエッチングされる。これにより、図12Jに示すように、水素バリア膜14、金属バリア膜8および可動膜形成層10に、インク供給用貫通孔22が形成される。これにより、基板アセンブリ集合体110が作成される。
次に、図12Kに示すように、保護基板集合体130の対向面51に接着剤50が塗布され、インク供給路53とそれに対応するインク供給用貫通孔22とが一致するように、基板アセンブリ集合体110に保護基板集合体130が固定される。 次に、図12Lに示すように、保護基板集合体130が固定された基板アセンブリ集合体110の取扱いを良くするために、保護基板集合体130の上面にサポートウエハ75が図示しない熱剥離テープを介して取り付けられる。そして、アクチュエータウエハ100を薄くするための裏面研削が行われる。アクチュエータウエハ100が裏面100bから研磨されることにより、アクチュエータウエハ100が薄膜化される。たとえば、初期状態で670μm厚程度のアクチュエータウエハ100が、300μm厚程度に薄型化されてもよい。
次に、アクチュエータウエハ100の裏面100b側に、フォトリソグラフィによって第1接合圧増加用凹部61に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、アクチュエータウエハ100が裏面100bからエッチングされる。これにより、アクチュエータウエハ100の裏面100bに、第1接合圧増加用凹部61が形成される。この実施形態では、第1接合圧増加用凹部61は、アクチュエータウエハ100の裏面100bにおける各機能素子形成領域101の周縁部に対応する領域の他、裏面100bにおけるスクライブ領域102および裏面100bにおける機能素子形成領域101を含まない周縁部にも形成される。
次に、レジストマスクが剥離される。そして、アクチュエータウエハ100の裏面100b側に、フォトリソグラフィによってインク流路5(インク流入部6および圧力室7)に対応した開口を有するレジストマスクが形成され、このレジストマスクをマスクとして、アクチュエータウエハ100が裏面100bからエッチングされる。これにより、図12Mに示すように、アクチュエータウエハ100に、インク流路5(インク流入部6および圧力室7)が形成される。
このエッチングの際、可動膜形成層10の表面に形成された金属バリア膜8は、圧電体膜12から金属元素(PZTの場合は、Pb,Zr,Ti)が抜け出すことを防止し、圧電体膜12の圧電特性を良好に保つ。また、前述のとおり、金属バリア膜8は、可動膜10Aを形成するシリコン層の耐久性の維持に寄与する。
この後、図12Nに示すように、ノズル基板集合体150がアクチュエータウエハ100の裏面100bに張り合わされる。これにより、基板アセンブリ集合体110と、保護基板集合体130と、ノズル基板集合体150とからなるインクジェットプリントヘッド集合体170が得られる。この後、インクジェットプリントヘッド集合体170が、切断予定線103に沿ってダイシングブレードにより切断される。つまり、インクジェットプリントヘッド1を個別に切り出す工程が行われる。この工程が完了すると、基板アセンブリ集合体110におけるアクチュエータウエハ100は、個々のインクジェットプリントヘッド1のアクチュエータ基板2となる。また、保護基板集合体130は、個々のインクジェットプリントヘッド1の保護基板4となる。また、ノズル基板集合体150におけるノズルウエハ140、酸化シリコン膜142および撥水膜143は、それぞれ、個々のインクジェットプリントヘッド1のノズル基板3におけるシリコン基板30、酸化シリコン膜31および撥水膜32となる。こうして、図1〜図7に示す構造のインクジェットプリントヘッド1の個片が得られる。
このようにして得られたインクジェットプリントヘッド1では、アクチュエータ基板2の側面およびノズル基板3の側面は、平面視において全方位で面一(全周囲にわたって面一)となる。つまり、この実施形態では、アクチュエータ基板2とノズル基板3との間に段差のないインクジェットプリントヘッド1が得られる。また、この実施形態では、アクチュエータ基板2の側面および保護基板4の側面も、平面視において全方位で面一(全周囲にわたって面一)となる。つまり、この実施形態では、アクチュエータ基板2と保護基板4との間にも段差のないインクジェットプリントヘッド1が得られる。
この実施形態によるインクジェットプリントヘッドの製造方法では、保護基板集合体130が固定された基板アセンブリ集合体110にノズル基板集合体150が接合されることにより、インクジェットプリントヘッド集合体170が作成される、そして、インクジェットプリントヘッド集合体170が、ダイシングされることにより、インクジェットプリントヘッド1が個別に切り出される。このため、たとえば、個々の基板アセンブリSAを製造した後に、個々の基板アセンブリSAにノズル基板3を個別に接合してインクジェットプリントヘッドを製造する場合に比べて、インクジェットプリントヘッド1を効率よく製造することができるようになる。
図13A〜図13Fは、ノズル基板集合体150の製造工程を模式的に示す断面図であって、インク流通方向に直交しかつノズル孔の中心を通過するような切断線に沿う断面図ある。
まず、図13Aに示すように、ノズル基板3の元基板としての半導体ウエハ(ノズルウエハ)140が用意される。ただし、ノズルウエハ140としては、最終的なノズル基板3の厚さより厚いものが用いられる。ノズルウエハ140はシリコンウエハからなる。ノズルウエハ140は、アクチュエータ基板2の裏面2bに対向される側の表面140aと、その反対側の裏面140bとを有している。ノズルウエハ140の両面140a,140bが熱酸化されることにより、ノズルウエハ140の両面140a,140bに酸化シリコン(SiO)膜141,142が形成される。
次に、図13Bに示すように、ノズルウエハ140の裏面140b側の酸化シリコン膜142の表面に、スピンコート法または蒸着法により、撥水膜143が形成される。
次に、図13Cに示すように、撥水膜143の表面に、保護テープ144および熱剥離テープ145を介してサポートウエハ146が貼り付けられる。保護テープ144は、例えば、カプトン(登録商標)テープである。サポートウエハ146はシリコンウエハからなる。
次に、図13Dに示すように、ノズルウエハ140が酸化シリコン膜141側(ノズルウエハ140表面140a側)から研磨されることにより、ノズルウエハ140が薄膜化される。たとえば、初期状態で625μm厚程度のノズルウエハ140が、40μm厚程度に薄型化されてもよい。
次に、図13Eに示すように、フォトリソグラフィによって、ノズル孔20に対応した開口を有するレジストマスク147が形成され、このレジストマスク147をマスクとして、ノズルウエハ140が表面からドライエッチングされる。この際、最初は等方性ドライエッチングが行われ、その後、異方性ドライエッチングが行われる。等方性ドライエッチングにより、ノズルウエハ140の表面140aにノズルウエハ140の裏面140b側に向かって横断面が小さくなる円錐台状の凹部(順テーパ状凹部)20aが形成される。そして、異方性ドライエッチングにより、ノズルウエハ140における順テーパ状凹部20aの底面に、酸化シリコン膜142に達する横断面円形の第1ストレート孔20b1が形成される。第1ストレート孔20b1の横断面積は、その長さ方向にわたってほぼ一定である。
次に、図13F示すように、レジストマスクが剥離された後に、ノズルウエハ140をハードマスクとして、酸化シリコン膜142および撥水膜143がエッチングされる。これにより、酸化シリコン膜142および撥水膜143に、第1ストレート孔20b1に連通する第2ストレート孔20b2が形成される。第2ストレート孔20b2の横断面は第1ストレート孔20b1とほぼ同じ大きさの円形状である。第2ストレート孔20b2の横断面積は、その長さ方向にわたってほぼ一定である。第1ストレート孔20b1と第2ストレート孔20b2とによってインク吐出通路20bが構成される。また、テーパ状凹部20aとインク吐出通路20bとによってノズル孔20が構成される。
このようにして、ノズルウエハ140、酸化シリコン膜142および撥水膜143からなる積層膜に、ノズル孔20が形成される。ノズルウエハ140、酸化シリコン膜142および撥水膜143からなる積層膜は、ノズル基板集合体150を構成する。したがって、ノズル基板集合体150と、ノズル基板集合体150に保護テープ144および熱剥離テープ145を介して貼り付けられたサポートウエハ146とからなる、サポートウエハ146付きのノズル基板集合体150が得られる。
図14A〜図14Cは、ノズル基板集合体150を基板アセンブリ集合体110に接合する工程を説明するための模式的な断面図であって、インク流通方向に直交しかつノズル孔の中心を通過するような切断線に沿う断面図ある。図14A〜図14Cは、右側の圧力室列内の最も前側の圧力室と最も後側の圧力室に対応した領域を示す断面図である。
まず、図14Aに示すように、基板アセンブリ集合体110のアクチュエータウエハ100の裏面100bに接着材160が塗布される。そして、サポートウエハ146付きのノズル基板集合体150のノズルウエハ140の表面140aが、基板アセンブリ集合体110のアクチュエータウエハ100の裏面100bに対向した状態で押圧されることにより、ノズルウエハ140の表面140aがアクチュエータウエハ100の裏面100bに貼り付けられる。
第1接合圧増加用凹部61は、アクチュエータウエハ100の裏面100bにおける各機能素子形成領域101の周縁部に対応する領域と、裏面100bにおけるスクライブ領域102と、裏面100bにおける機能素子形成領域101を含まない周縁部とに形成されている。このため、ノズルウエハ140の表面140aをアクチュエータウエハ100の裏面100bに押圧した際に、両者間の接合圧を高めることができる。これにより、ノズル基板集合体150と基板アセンブリ集合体110との間の接合強度を高めることができる。言い換えれば、ノズル基板3とアクチュエータ基板2との接合強度を高めることができる。
次に、図14Bに示すように、ノズル基板集合体150に貼り付けられている保護テープ144から、熱剥離テープ145を剥離することにより、熱剥離テープ145とともにサポートウエハ146を剥離する。
最後に、図14Cに示すように、保護テープ144をノズル基板集合体150から剥離する。
図15A〜図15Cは、それぞれノズル孔の変形例を模式的に示す断面図である。
図15Aに示すノズル孔20は、シリコン基板30に形成された順テーパ状凹部20aと、酸化シリコン膜31および撥水膜32からなる積層膜に形成されたインク吐出通路20bとからなる。インク吐出通路20bの開口部がインク吐出口20cとなっている。順テーパ状凹部20aは、シリコン基板30の表面から酸化シリコン膜31側に向かって横断面が徐々に小さくなる円錐台状に形成されている。順テーパ状凹部20aは、シリコン基板30(ノズルウエハ140)を、レジストマスクを用いて、等方性ドライエッチングすることにより形成することができる。インク吐出通路20bは、横断面円形のストレート孔からなる。インク吐出通路20bは、順テーパ状凹部20aが形成されたシリコン基板30(ノズルウエハ140)をハードマスクとして、酸化シリコン膜31(142)および撥水膜32(143)からなる積層膜を、異方性ドライエッチングすることにより形成することができる。
図15Bに示すノズル孔20は、シリコン基板30、酸化シリコン膜31および撥水膜32からなる積層膜に形成された横断面円形のストレート孔からなる。このようなノズル孔20は、シリコン基板30(ノズルウエハ140)、酸化シリコン膜31(142)および撥水膜32(143)からなる積層膜を、レジストマスクを用いて、異方性ドライエッチングすることにより形成することができる。
図15Cに示すノズル孔20は、シリコン基板30に形成された逆テーパ状凹部20aと、酸化シリコン膜31および撥水膜32からなる積層膜に形成されたインク吐出通路20bとからなる。インク吐出通路20bの開口部がインク吐出口20cとなっている。逆テーパ状凹部20aは、シリコン基板30の表面から酸化シリコン膜31側に向かって横断面が徐々に大きくなる円錐台状に形成されている。逆テーパ状凹部20aはシリコン基板30(ノズルウエハ140)を、レジストマスクを用いて、異方性ドライエッチングすることにより形成することができる。インク吐出通路20bは、横断面円形のストレート孔からなる。インク吐出通路20bは、逆テーパ状凹部20aが形成されたシリコン基板30(ノズルウエハ140)をハードマスクとして、酸化シリコン膜31(142)および撥水膜32(143)からなる積層膜を、異方性ドライエッチングすることにより形成することができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の実施形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、アクチュエータ基板2には、圧電体素子列(圧力室列)は2列分設けられているが、圧電体素子列(圧力室列)は1列分のみ設けられていてもよいし、3列分以上設けられていてもよい。
また、前述の実施形態では、ノズル基板3は、シリコン基板30と、シリコン基板30上に形成された酸化シリコン膜31と、酸化シリコン膜31上に形成された撥水膜32とから構成されているが、酸化シリコン膜31は設けられていなくてもよい。つまり、ノズル基板3は、シリコン基板30と、シリコン基板30上に形成された撥水膜32とから構成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、第1接合圧増加用凹部61は、アクチュエータウエハ100の裏面100bにおける各機能素子形成領域101の周縁部に対応する領域の他、裏面100bにおけるスクライブ領域102および裏面100bにおける機能素子形成領域101を含まない周縁部にも形成される。しかし、アクチュエータウエハ100の裏面100bにおける機能素子形成領域101を含まない周縁部に、第1接合圧増加用凹部61は形成されていなくてもよい。また、アクチュエータウエハ100の裏面100bにおけるスクライブ領域102に、第1接合圧増加用凹部61は形成されていなくてもよい。また、第1接合圧増加用凹部61は、アクチュエータウエハ100の裏面100bにおける機能素子形成領域101を含まない周縁部およびスクライブ領域102に形成されていなくてもよい。
また、前述の実施形態では、水素バリア膜14の表面の一部に絶縁膜15が形成されているが、水素バリア膜14の表面の全域に絶縁膜15が形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、水素バリア膜14表面の一部に絶縁膜15が形成されているが、絶縁膜15はなくてもよい。
また、前述の実施形態では、圧電体膜の材料としてPZTを例示したが、そのほかにも、チタン酸鉛(PbPO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸ニチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などに代表される金属酸化物からなる圧電材料が適用されてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 インジットプリントヘッド
2 アクチュエータ基板
3 ノズル基板
4 保護基板
5 インク流路
6 インク流入部
7 圧力室
8 金属バリア膜
9 圧電素子
10 可動膜形成層
10A 可動膜
11 下部電極
11A 主電極部
11B 延長部
12 圧電体膜
13 上部電極
14 水素バリア膜
15 絶縁膜
17 上部配線
20 ノズル孔
20a 凹部
20b インク吐出通路
20b1 第1ストレート孔
20b2 第2ストレート孔
20c インク吐出口
21 パッシベーション膜
22 インク供給用貫通孔
23 貫通孔(下部電極)
30 シリコン基板(主基板)
31 酸化シリコン膜
32 撥水膜
33 上部電極用コンタクト孔
35 上部電極用パッド開口
37 開口
41 インク流通方向
42 上部電極用パッド
43 下部電極用パッド
50 接着剤
51 対向面
52 収容凹所
53 インク供給路
54 開口部
61 第1接合圧増加用凹部
62 第2接合圧増加用凹部
71 下部電極膜
72 圧電体材料膜
73 上部電極膜
75 サポートウエハ
100 アクチュエータウエハ
100a 表面
100b 裏面
101 機能素子形成領域
102 スクライブ領域
103 切断予定線
110 基板アセンブリ集合体
130 保護基板集合体
140 ノズルウエハ
141,142 酸化シリコン膜
143 撥水膜
144 保護テープ
145 熱剥離テープ
146 サポートウエハ
147 レジストマスク
150 ノズル基板集合体
160接着剤
170 インクジェットプリントヘッド集合体
SA 基板アセンブリ

Claims (14)

  1. 圧力室を含むインク流路を有するアクチュエータ基板と、
    前記圧力室上に配置されかつ前記圧力室の天面部を区画する可動膜を含む可動膜形成層と、
    前記可動膜上に形成された圧電素子と、
    前記アクチュエータ基板の前記可動膜側の表面である第1表面とは反対側の第2表面に接着剤によって接合され、前記圧力室の底面部を区画し、前記圧力室に連通するノズル孔を有するノズル基板とを含み、
    前記アクチュエータ基板の前記第2表面の周縁部に、接合圧増加用凹部が形成されており、
    前記接合圧増加用凹部は、前記アクチュエータ基板の前記第2表面の周縁部に点在するように形成された複数の接合圧増加用凹部を含み、
    前記接合圧増加用凹部が平面視正六角形状に形成されており、複数の正六角形状の前記接合圧増加用凹部がハニカム状に配列されている、インクジェットプリントヘッド。
  2. 前記圧電素子を覆うように前記アクチュエータ基板に接着剤によって接合される保護基板をさらに含み、
    前記保護基板は、前記アクチュエータ基板側に向かって開口しかつ前記圧電素子を収容する収容凹所と、平面視において前記収容凹所の一端の外方に形成され、前記インク流路の一端部に連通するインク供給路とを有している、請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 前記ノズル基板は、Si基板からなる主基板と、前記主基板上に形成されたSiO膜と、前記SiO膜上に形成された撥水膜とからなり、前記主基板における前記SiO膜とは反対側の表面が、前記アクチュエータ基板の前記第2表面に接合されている、請求項1または2に記載のインクジェットプリントヘッド。
  4. 前記アクチュエータ基板は、Si基板からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリントヘッド。
  5. 前記可動膜形成層は、SiO単膜からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットプリントヘッド。
  6. 前記可動膜形成層は、前記アクチュエータ基板上に形成されたSi膜と、前記Si膜上に形成されSiO膜と、前記SiO膜上に形成されたSiN膜との積層膜からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリントヘッド。
  7. 前記圧電素子は、前記可動膜上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電体膜と、前記圧電体膜上に形成された上部電極とを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットプリントヘッド。
  8. 平面視において、前記上部電極は、前記可動膜よりも前記圧力室の内方に後退した周縁を有しており、
    平面視において、一端部が前記上部電極の上面に接続され、他端部が前記圧力室の周縁の外側に引き出された上部配線をさらに含む、請求項7に記載のインクジェットプリントヘッド。
  9. 前記上部電極および前記圧電体膜の少なくとも側面全域と、前記下部電極の上面とを覆う水素バリア膜と、
    前記水素バリア膜上に形成され、前記水素バリア膜と前記上部配線との間に配置された絶縁膜とをさらに含み、
    前記水素バリア膜および前記絶縁膜に、前記上部電極の一部を露出させるコンタクト孔が形成されており、前記上部配線の一端部は、前記コンタクト孔を介して前記上部電極に接続されている、請求項8に記載のインクジェットプリントヘッド。
  10. 前記絶縁膜上に形成され、前記配線を被覆するパッシベーション膜をさらに含む、請求項9に記載のインクジェットプリントヘッド。
  11. アクチュエータ基板上に可動膜形成領域を含む可動膜形成層を形成する工程と、
    前記可動膜形成層の前記可動膜形成領域上に、下部電極と、前記下部電極に対して前記可動膜形成層とは反対側に配置された上部電極と、それらに挟まれた圧電体膜とを含む圧電素子を形成する工程と、
    前記圧電素子を覆うように前記アクチュエータ基板に保護基板を接合する工程と、
    前記アクチュエータ基板における前記可動膜形成層側の表面である第1表面とは反対側の第2表面の周縁部に、接合圧増加用凹部を形成する工程と、
    前記アクチュエータ基板の前記第2表面側からエッチングすることにより、前記可動膜形成領域に対向する圧力室を含むインク流路を形成する工程と、
    前記アクチュエータ基板の前記第2表面に、前記圧力室の底面部を区画し、前記圧力室に連通するノズル孔を有するノズル基板を接合する工程とを含み、
    前記接合圧増加用凹部を形成する工程では、前記アクチュエータ基板の前記第2表面の周縁部に、複数の接合圧増加用凹部が点在するように形成され、
    前記接合圧増加用凹部は平面視正六角形状であり、複数の正六角形状の前記接合圧増加用凹部がハニカム状に配列されている、インクジェットプリントヘッドの製造方法。
  12. 圧力室を含むインク流路を有するアクチュエータ基板と、
    前記圧力室上に配置されかつ前記圧力室の天面部を区画する可動膜を含む可動膜形成層と、
    前記可動膜上に形成された圧電素子と、
    前記圧電素子を覆うように前記アクチュエータ基板に接着剤によって接合される保護基板とを含み、
    前記保護基板における前記アクチュエータ基板に対向する対向面の周縁部に、接合圧増加用凹部が形成されており、
    前記接合圧増加用凹部は、前記保護基板における前記アクチュエータ基板に対向する対向面の周縁部に点在するように形成された複数の接合圧増加用凹部を含み、
    前記接合圧増加用凹部が平面視正六角形状に形成されており、複数の正六角形状の前記接合圧増加用凹部がハニカム状に配列されている、インクジェットプリントヘッド。
  13. 前記保護基板は、前記アクチュエータ基板側に向かって開口しかつ前記圧電素子を収容する収容凹所と、平面視において前記収容凹所の一端の外方に形成され、前記インク流路の一端部に連通するインク供給路とを有している、請求項12に記載のインクジェットプリントヘッド。
  14. 前記アクチュエータ基板の前記可動膜側の表面である第1表面とは反対側の第2表面に接着剤によって接合され、前記圧力室の底面部を区画し、前記圧力室に連通するノズル孔を有するノズル基板をさらに含む、請求項13に記載のインクジェットプリントヘッド。
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