JP6934548B2 - 介助ロボット - Google Patents

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Description

本発明は、介助ロボットに関するものである。
特許文献1に、被介助者の起立補助を行う介助ロボットが開示されている。この介助ロボットは、2つの駆動軸を備えており、駆動部材の一つとして上下方向に直動する軸部と、駆動部材のもう一つとして軸部の上端に揺動可能に設けられるテーブルとを備える。この介助ロボットは、座位姿勢である被介助者の肘をテーブルの上に載せた状態で、テーブルを揺動(前旋回)させて上昇準備位置に移動させ、その後にテーブルを上昇させることで被介助者を立ち上がらせる。
特開2012−217686号公報
しかし、上記介助ロボットは、最初に、座位姿勢である被介助者の肘をテーブルの上に載せた状態で、テーブルを前旋回させている。テーブルの前旋回によってテーブルは上昇するため、テーブルの前旋回の開始に伴って被介助者の上半身は持ち上げられる。
ここで、被介助者が座面に着座した座位姿勢の状態において、通常、被介助者の重心は、被介助者の足の接地位置より後方に離れている。この状態から、テーブルの前旋回によって被介助者の上半身が持ち上げられた場合に、被介助者の上半身が介助ロボットのテーブルから後方に離れようとする力が発生する。そのため、被介助者には、被介助者がテーブルから離れないようにするための力が作用し、被介助者に不快感を与える。
本発明は、起立補助動作の際に被介助者に不快感を与えることを抑制できる介助ロボットを提供することを目的とする。
本発明に係る介助ロボットは、基台と、前記基台に対して上下方向に直動する昇降部と、前記昇降部に左右方向に平行な所定の揺動軸心を中心軸として揺動可能に設けられ、前記昇降部の上昇により上昇するアームと、前記アームの先端に設けられ、被介助者の胴体を支持する胴体受部を含み、前記アームの前旋回により上昇且つ前進するように揺動する保持部と、前記昇降部の上下動及び前記アームの揺動を制御して、前記被介助者の上半身を前傾させるように前記保持部を前旋回させ、前記被介助者の頭部が前記揺動軸心よりも後方に位置する座位姿勢から前記被介助者の頭部が前記揺動軸心よりも前方に位置する立位姿勢への起立補助を行う制御装置と、を備え、前記アームは、前記座位姿勢において前記揺動軸心から後方に延び、前記保持部のうち前記被介助者の前記胴体に接触する部位の前端は、前記座位姿勢において前記揺動軸心よりも後方に位置する。
本発明によれば、アームの揺動軸心は、初期の座位姿勢における被介助者の頭部より前方に位置し、立位姿勢における被介助者の頭部より後方に位置する。アームの揺動軸心を上記のような位置にすることで、介助ロボットは、被介助者に不快感を与えることなく、起立補助を行うことができる。
本実施形態の介助ロボットの外観の後方斜視図である。 介助ロボットの構造を示す右側から見た図であり、被介助者が初期の座位姿勢の時を示す。 介助ロボットの構造を示す右側から見た図であり、被介助者が初期の座位姿勢の時を示す。 介助ロボットの構造を示す右側から見た図であり、被介助者が初期の座位姿勢の時を示す。 介助ロボットを用いた被介助者の起立動作において、被介助者の肩の位置Pの軌跡及び肩の位置P1,P2,P3における胴体受部の角度θを示す図である。 被介助者の起立動作において、補助開始から補助終了までの胴体受部の角度θの時間変化を示す。 比較例として、健常者の起立動作において、健常者の肩の位置Paの軌跡及び肩の位置Pa1,Pa2,Pa3における胴体の角度θaを示す図である。 健常者の起立動作において、動作開始から動作終了までの胴体の角度θaを示す。
(1.介助ロボット1の構成)
介助ロボット1は、被介助者M(図2に示す)に対して座位姿勢から立位姿勢への起立補助、及び、立位姿勢から座位姿勢への着座補助を行う。特に、本実施形態の介助ロボット1は、自力での起立が困難な被介助者Mを主として対象とし、例えば、被介助者Mのボトムス(下半身に着る衣服)の着脱支援や、被介助者Mの***介助などに有効に用いられる。介助ロボット1が立位姿勢における被介助者Mの上半身を支持することで、一人の介助者が、被介助者Mの上記処置を行うことができる。つまり、本実施形態における立位姿勢とは、少なくとも被介助者Mの下半身が立っている状態を意味し、上半身及び下半身が立っている状態を意味するものではない。
なお、本実施形態の介助ロボット1は、被介助者Mの下半身のみを立たせた立位姿勢への補助を目的として説明するが、被介助者Mの下半身及び上半身を立たせた立位姿勢への補助を目的とすることもできる。
介助ロボット1は、図1及び図2に示すように、基台10、車輪20、昇降部30、アーム40、保持部50、グリップ60、下腿当て部70、制御装置80を備える。以下において、前後左右上下は、図1に示すように、被介助者Mから見た前後左右上下とする。
基台10は、フレーム11と、支柱12と、足載置台13と、固定カバー14とを備える。フレーム11は、接地面2(床面、地面)から僅かに離れた位置であって、接地面2に対してほぼ水平に設けられる。
支柱12は、フレーム11に固定されており、フレーム11の前方上面から上方に向かって立設される。支柱12は、フレーム11の前方のうち、左右方向中央に配置される。なお、本実施形態において、介助ロボット1は、1本の支柱12を有するが、2本以上の支柱12を備えるようにしてもよい。
足載置台13は、フレーム11の上面後方に固定される。足載置台13の上面には、被介助者Mの足の接地マーク13aが記されている。つまり、接地マーク13aは、被介助者Mに対して足の位置を案内する役割を有する。固定カバー14は、図1に示すように、フレーム11又は支柱12に固定され、後述する昇降部30の昇降本体31の下側部分の周囲を囲む。
車輪20は、図1に示すように、フレーム11の前後左右の四隅に配置される。車輪20は、回転を規制するロック機能を有する。車輪20は、本実施形態においては、自由回転可能に設けられるが、駆動装置により駆動可能に設けてもよい。
昇降部30は、昇降本体31と、揺動支持部32と、昇降カバー33とを備える。昇降本体31は、図2に示すように、上下方向に長尺状に形成され、支柱12の前面に上下方向に直動可能に設けられる。昇降本体31は、支柱12の前面のガイド(図示せず)に案内されると共に、直動装置(図示せず)により駆動される。この昇降本体31は、固定カバー14により囲まれている。
揺動支持部32は、昇降本体31上端側に設けられ、左右方向に平行な揺動軸心32aを有する。詳細には、揺動支持部32は、昇降本体31の上端から後方に突出形成される。つまり、揺動軸心32aは、支柱12より後方に位置し、且つ、昇降本体31より後方に位置する。
昇降カバー33は、図1に示すように、昇降部30に固定され、昇降部30を囲む。さらに、昇降カバー33は、支柱12及び固定カバー14を囲む。昇降カバー33は、昇降部30が上昇した位置においても固定カバー14との重なりを有する。
なお、本実施形態においては、介助ロボット1は、1本の支柱12を有するため1個の昇降部30を有するが、仮に、2本以上の支柱12を有する場合には、支柱12の数に対応する数の昇降部30を有することになる。
アーム40は、昇降部30の揺動支持部32の揺動軸心32aを中心軸として揺動可能に設けられる。アーム40は、アーム駆動装置(図示せず)によって揺動させられる。アーム40は、揺動支持部32より高い位置を揺動する。つまり、アーム40の揺動範囲は、アーム40の先端が揺動支持部32の後方に延びる状態(図2に示す)と、アーム40の先端が揺動支持部32又は昇降本体31の上方付近に位置する状態(図4に示す)との間である。介助ロボット1が起立補助を行う場合には、アーム40は、後方に延びた状態から前旋回し、介助ロボット1が着座補助を行う場合には、アーム40は、後方に延びる状態となるように後旋回する。
保持部50は、アーム40の先端に設けられ、被介助者Mの上半身を保持する。本実施形態においては、保持部50は、被介助者Mの胴体に接触する胴体受部51と、被介助者Mの両脇を抱える脇受部52とを備える。なお、保持部50は、胴体受部51と脇受部52の何れか一方のみを備えるようにしてもよい。
胴体受部51は、被介助者Mの胴体を下方から支持する。胴体受部51は、面状に形成され、クッション材により形成される。胴体受部51は、標準的な被介助者Mの胴体に応じた初期形状に形成され、個々の被介助者Mの胴体に応じて柔軟に変形する。本実施形態では、胴体受部51は、被介助者Mの胸部から腹部に亘って接触する。
脇受部52は、円弧状に形成され、円弧開口が上方を向くように胴体受部51の左右それぞれに配置される。脇受部52は、被介助者Mの脇を下方から支持することで、被介助者Mの上半身を支持する。さらに、脇受部52は、被介助者Mの両脇を前後方向から挟むことで、被介助者Mの前後動を規制する。従って、胴体受部51及び脇受部52は、保持部50により保持された状態の被介助者Mの肩の位置Pを規制できる。
アーム40が昇降部30に対して揺動することにより、胴体受部51の左右方向の中央線は、鉛直線に対して20°〜110°の範囲で揺動する。胴体受部51の当該中央線の角度が20°〜90°の範囲においては、胴体受部51が上方且つ後方を向く状態となる。一方、胴体受部51の当該中央線の角度が90°〜110°の範囲においては、胴体受部51が上方且つ前方を向く状態となる。
グリップ60は、U字状に形成され、グリップ60のU字状の両端が、胴体受部51の下面に固定される。グリップ60の中央部は、胴体受部51の前方に位置し、保持部50に保持された状態の被介助者Mにより把持される。
下腿当て部70は、座位姿勢における被介助者Mの下腿前部(脛部又は膝部)を接触させることで、座位姿勢における被介助者Mの下半身の位置及び姿勢を決める。特に、足の位置がある程度決定される。下腿当て部70は、基台10の支柱12に固定される。下腿当て部70は、2個の支持部材71と、下腿当て本体72とを備える。
支持部材71は、L字状に形成される。支持部材71のL字状の一端が、支柱12に固定され、支持部材71のL字状の他端が、支柱12より後方に位置する。下腿当て本体72は、支持部材71の他端側に固定され、昇降カバー33の後方且つ揺動支持部32の下方に位置する。下腿当て本体72は、被介助者Mの下腿前部を接触させる部位であり、面状に形成され、クッション材により形成される。
制御装置80は、基台10の水平台11に固定されており、水平台11の前方上面から上方に向かって立設される。制御装置80は、支柱12の横に配置される。制御装置80は、昇降部30の上下動及びアーム40の揺動を制御して、被介助者Mに対して起立補助及び着座補助を行う。
制御装置80は、操作者(被介助者M又は介助者)により起立開始高さの調整操作が実行されると、昇降部30の上下動のみを制御し、このときアーム40を揺動させない。つまり、制御装置80は、被介助者Mの伸長に応じて、起立開始高さを調整する。
さらに、制御装置80には、予め起立補助動作を行う際の起立補助プログラムが記憶されている。操作者(被介助者M又は介助者)によって起立補助操作が実行されることにより、制御装置80は、起立補助プログラムを実行し、昇降部30の上下動及びアーム40の揺動を制御する。また、制御装置80には、予め着座補助動作を行う際の着座補助プログラムが記憶されている。操作者(被介助者M又は介助者)によって着座補助操作が実行されることにより、制御装置80は、着座補助プログラムを実行し、昇降部30の上下動及びアーム40の揺動を制御する。また、制御装置80は、起立開始高さに応じて、起立補助プログラム及び着座補助プログラムを補正する。
(2.介助ロボット1による起立補助動作)
介助ロボット1による被介助者Mに対する起立補助動作について、図2〜図4を参照して説明する。ここで、図2〜図4において、太実線にて、被介助者Mの起立動作中の肩の位置Pの軌跡を示し、太破線にて、被介助者Mの起立動作中の重心Gの軌跡を示す。起立補助動作は、介助ロボット1を、図2に示す初期状態から、図3に示す中間状態に移行し、そして図4に示す最終状態に至るまでの動作である。つまり、起立補助動作によって、被介助者Mは、図2に示す初期の座位姿勢から、図3に示す中間姿勢に移行し、そして図4に示す立位姿勢となる。つまり、制御装置80は、肩の位置Pが図2〜図4に示す軌跡を移動するように、昇降部30の上下動及びアーム40の前旋回を行う。
図2に示すように、起立補助動作の初期状態では、被介助者Mは、座面3に着座した状態(座位姿勢の状態)である。介助ロボット1は、被介助者M又は介助者による操作によって、起立補助動作の初期状態にセットされる。介助ロボット1の初期状態とは、起立補助プログラムにおいて、保持部50が最も後方に位置する状態である。つまり、介助ロボット1の初期状態とは、アーム40が後方に延びる状態である。被介助者Mの下半身は、保持部50の下方空間に配置される。被介助者Mの足が、接地マーク13a上に位置する。被介助者Mの下腿が、下腿当て本体72の後面に接触する。
この状態において、被介助者M又は介助者が、座面3上に座位姿勢である被介助者Mの上半身の高さに応じて昇降部30のみの上下動操作を行うことにより、制御装置80が昇降部30を上下動させる。このようにして、被介助者Mの胴体の前面が、胴体受部51の胴体保持面に接触する。さらに、被介助者Mは、脇を脇受部52の上に載置し、被介助者Mは、グリップ60を把持する。この初期状態において、被介助者Mの上半身は、少し前傾姿勢となる。ただし、初期状態における被介助者Mの重心G1の前後方向位置は、被介助者Mの足の前後方向範囲Fより後方に位置する。
続いて、被介助者M又は介助者が起立補助操作を開始すると、制御装置80が、起立補助プログラムに従って、昇降部30の下降とアーム40の前旋回とを協調させる。ここで、被介助者Mの初期の座位姿勢の時から中間姿勢時までの動作を第一動作と称する。つまり、第一動作は、昇降部30の下降とアーム40の前旋回との協調を、初期の座位姿勢の時から中間姿勢時までの少なくとも一部区間において行う動作である。
なお、本実施形態においては、昇降部30の下降とアーム40の前旋回との協調動作は、初期の座位姿勢の時から中間姿勢時までの全ての区間において行われる。もちろん、協調動作が一部区間のみにて実行されるようにしてもよい。このとき、アーム40は、前旋回のみであり、後旋回を行わず、昇降部30は、下降のみであり、上昇を行わない。
第一動作によって、図2及び図3に示すように、被介助者Mの肩の位置Pは、ほぼ水平に前方へ移動していく。第一動作において、アーム40の前旋回によって、保持部50は昇降部30に対して上昇する。しかし、昇降部30が下降することによって、肩の位置Pがほぼ水平に移動するようにできる。ここで、ほぼ水平とは、水平である場合、水平から上下に僅かに傾斜した状態を含む。
さらに、第一動作において、アーム40の前旋回によって、胴体受部51の胴体保持面は、前傾するとともに前方に移動する。従って、協調させる第一動作により、被介助者Mの肩の位置Pは前進すると共に、胴体受部51の後端が上昇する。従って、被介助者Mの上半身は前傾し、且つ、被介助者Mの腹部付近が持ち上げられる。このような第一動作により、被介助者Mの臀部が座面3に接触している状態を維持しつつ、被介助者Mの背筋が伸びると共に、骨盤が立つ状態となる。従って、このような姿勢となった被介助者Mを、保持部50は安定して支持できる。
また、中間姿勢時には、図3に示すように、被介助者Mの重心G2の前後方向位置が、被介助者Mの足の接地面の前後方向範囲Fに進入している。従って、被介助者Mは自力では起立できないが、中間姿勢時においては、被介助者Mは、自身の足により自身を安定して支え易い姿勢となっている。
ここで、被介助者Mの重心G2の前後方向位置が足の接地面の前後方向範囲Fに含まれているか否かは、被介助者Mの伸長及び体重により予測可能である。そこで、予め被介助者Mの重心Gを予測して、昇降部30の上下動及びアーム40の前旋回の角度を設定することで、上記を実現できる。
この他に、保持部50にかかる質量を計測し、被介助者Mの上半身の質量に対する所定割合に達したか否かにより、上記判断を行うこともできる。また、保持部50が被介助者Mから受ける後方荷重が所定値以下に達したか否かにより、上記判断を行うこともできる。さらに、被介助者Mの上半身の傾きが所定値以上に達したか否かにより、上記判断を行うこともできる。
続いて、制御装置80は、昇降部30の動作を下降から上昇に切り替える。本実施形態においては、制御装置80は、起立補助プログラムに従って、昇降部30の上昇とアーム40の前旋回とを協調させる。ここで、被介助者Mの中間姿勢時から立位姿勢の時までの動作を第二動作と称する。つまり、第二動作は、昇降部30の上昇とアーム40の前旋回との協調を、中間姿勢時から立位姿勢の時までの少なくとも一部区間において行う動作である。
なお、本実施形態においては、昇降部30の上昇とアーム40の前旋回との協調動作は、中間姿勢時から立位姿勢の時までの全ての区間において行われる。もちろん、協調動作が一部区間のみにて実行されるようにしてもよい。このとき、アーム40は、前旋回のみであり、後旋回を行わず、昇降部30は、上昇のみであり、下降を行わない。
第二動作によって、図3及び図4に示すように、被介助者Mの肩の位置Pは、中間姿勢時から僅かに前進しながらもほぼ真上に向かって上昇する。つまり、保持部50は、アーム40の前旋回により僅かに前進しつつ、主として昇降部30の上昇により上昇する。
第二動作が行われることによって、被介助者Mの臀部は座面3から離れて上昇する。第二動作において、アーム40の前旋回によって、胴体受部51の胴体保持面は、さらに前傾する。被介助者Mの上半身は、上昇しつつ、さらに前傾する。従って、第二動作により、被介助者Mの上半身が上昇する際において、被介助者Mの背筋が伸びた状態が維持される。そのため、第二動作の際に、保持部50は、被介助者Mを安定して支持できる。
さらに、第二動作の際に、被介助者Mの重心Gの前後方向位置(G2〜G3)は、被介助者Mの足の接地面の前後方向範囲Fに位置している。従って、被介助者Mの上半身が上昇する際に、被介助者Mは安心感を得ることができる。
(3.揺動軸心32aの位置)
次に、揺動軸心32aの位置について、図2〜図4を参照して説明する。足載置台13の上面から揺動軸心32aまでの高さは、昇降部30の上下動によって、400〜1000mmの範囲で上下動する。起立補助プログラムにおいては、介助ロボット1が図3に示す中間状態の時に、揺動軸心32aが最も下に位置し、介助ロボット1が図4に示す最終状態の時に、揺動軸心32aが最も上に位置する。ただし、昇降部30の上下動は適宜調整できるため、被介助者Mの伸長に応じて、揺動軸心32aが最下位置及び最上位置は変化できるようにしている。
胴体受部51のうち左右方向の中央は、被介助者Mの胴体前面の左右方向の中央に接触する。肩の位置Pを通り、保持部50の胴体受部51による被介助者Mの胴体保持面に平行な線と、アーム40の揺動軸心32aとの距離L(図2及び図4に示す)は、230〜290mmである。特に、当該距離Lは、250〜270mmが好適である。
また、揺動軸心32aは、被介助者Mの足の接地面の前後方向範囲Fより前方に位置する。揺動軸心32aは、被介助者Mの足のかかとの接地位置より、250〜450mm前方に位置する。特に、揺動軸心32aと当該接地位置との距離は、300〜400mmが好適である。
揺動軸心32aは、第一動作の際に、被介助者Mの上半身の高さ範囲内、すなわち被介助者Mの臀部の下面(座面3)から頭部の上端までの範囲内で、下降する。特に、本実施形態においては、揺動軸心32aは、第一動作の際に、被介助者Mの胴体(胸部及び腹部)の高さ範囲内で、下降する。
さらに、揺動軸心32aは、図2に示すように、初期の座位姿勢における被介助者Mの頭部より前方に位置する。さらに、揺動軸心32aは、図4に示すように、保持部50に保持された状態の被介助者Mが立位姿勢における被介助者Mの頭部より後方に位置する。
(4.被介助者と健常者の肩の位置)
次に、起立補助動作において、被介助者Mの肩の位置Pの軌跡及び胴体受部51の角度θの軌跡について、図5A及び図5Bを参照して説明する。図5A及び図5Bにおいて、T1,T2,T3は時刻を表し、P1(T1)は、時刻T1における肩の位置P1を意味し、P2(T2)、P3(T3)も同様である。
比較のため、健常者が起立動作を行う場合に、健常者の肩の位置Paの軌跡及び胴体の傾きθaの軌跡について、図6A及び図6Bを参照して説明する。図6A及び図6Bにおいて、Ta1,Ta2,Ta3,Ta4は時刻を表し、Pa1(Ta1)は、時刻Ta1における肩の位置Pa1を意味し、Pa2(Ta2)、Pa3(Ta3)、Pa4(Ta4)も同様である。なお、被介助者Mの肩の位置Pの軌跡及び胴体受部51の角度θの軌跡、並びに、健常者の肩の位置Paの軌跡及び胴体の角度θaの軌跡は、一例であり、伸長や座高、股下長さなどに応じて、適宜異なる数値となる。
被介助者Mの肩の位置Pは、図5Aに示すように、被介助者Mが初期の座位姿勢の時T1にP1に位置し、中間姿勢時T2にはP2に位置し、立位姿勢の時T3にはP3に位置する。肩の位置Pは、P1からP2へ、ほぼ水平に前進している。その後、肩の位置Pは、P2から前進しながら、上昇してP3へ到達する。肩の位置Pは、P1からP3までにおいて、前進しながら、上昇している。P1が最下位置となり、P3が最上位置となる。
胴体受部51の角度θ(被介助者Mの胴体の角度に相当)は、図5A及び図5Bに示すように、被介助者Mが初期の座位姿勢の時T1に35°であり、中間姿勢時T2に64°であり、立位姿勢の時T3に95°である。図5Bに示すように、角度θは、増加し続ける。
一方、健常者の肩の位置Paは、図6Aに示すように、健常者が初期の座位姿勢の時Ta1にPa1に位置し、上半身を前傾して臀部が座面3から離れて上昇する姿勢の時Ta2に、最下位置であるPa2に位置する。その後、健常者の肩の位置Paは、上昇して、立位姿勢の時Ta4に、Pa4に位置する。
健常者の胴体の角度θaは、初期の座位姿勢の時Ta1の時には5°であり、徐々に前傾することで、臀部が座面3から離れる時Ta2に44°となる。その直後の時Ta3に、胴体の角度θaが最大となり、その後胴体の角度θaが小さくなりながら上昇する。そして、胴体の角度θaは、立位姿勢の時Ta4に、3°となる。
被介助者Mの肩の位置Pは、健常者の肩の位置PaにおけるPa2付近からPa3とPa4の中間付近に近似した軌跡となる。よって、被介助者Mは健常者のように上半身を前にスライドさせてから立ち上がるので、被介助者Mは重心Gを足の裏に乗せて気持ちよく立ち上がることができる。ただし、健常者の場合には、胴体の角度θaが大きくなった後に小さくなっているのに対して、被介助者Mの場合には、胴体受部51の角度θは大きくなり続けている。この違いの理由は、最終的な立位姿勢が異なるためである。
(5.効果)
上述した介助ロボット1は、基台10と、基台10に対して上下方向に直動する昇降部30と、昇降部30に所定の揺動軸心32aを中心軸として揺動可能に設けられるアーム40と、アーム40の先端に設けられ、被介助者Mの上半身を保持する保持部50と、昇降部30の上下動及びアーム40の揺動を制御して、被介助者Mに対して座位姿勢から立位姿勢への起立補助を行う制御装置80とを備える。
そして、制御装置80は、図2に示す被介助者Mが初期の座位姿勢の時(図5A及び図5BのT1)から図3に示す中間姿勢時(図5A及び図5BのT2)までの少なくとも一部区間において、昇降部30の下降とアーム40の前旋回とを協調させる第一動作を実行させる。さらに、制御装置80は、図3に示す中間姿勢時(図5A及び図5BのT2)から図4に示す立位姿勢の時(図5A及び図5BのT3)までの区間において、昇降部30を上昇させる第二動作を実行させる。
制御装置80による第一動作が、昇降部30の下降とアーム40の前旋回とを協調して行う動作である。アーム40の前旋回によって、被介助者Mの上半身が前傾する。ここで、第一動作は、アーム40の前旋回によって昇降部30に対して保持部50を上昇させるが、昇降部30の下降によって基台10に対して昇降部30を下降させている。そのため、第一動作において、アーム40の前旋回による昇降部30に対する保持部50の上昇動作の少なくとも一部は、昇降部30の下降動作によって相殺される。
従って、被介助者Mが初期の座位姿勢の状態から被介助者Mの重心Gが前方に移動する際に、上述した第一動作の場合には、従来のように単にアームの前旋回のみの場合と比べて、被介助者Mの上半身の上昇量が抑制される。そのため、座位姿勢から立位姿勢までの初期段階において、被介助者Mの上半身が持ち上げられる量が少なくなり、被介助者Mに不快感を与えることが抑制される。
また、保持部50は、被介助者Mの胴体に接触する胴体受部51を備える。そして、第一動作は、昇降部30の下降とアーム40の前旋回との協調により胴体受部51の後端を上昇させる動作である。このような第一動作により、被介助者Mの背筋が伸びると共に、骨盤が立つ状態となる。従って、このような姿勢となった被介助者Mを、保持部50は安定して支持できる。さらに、第二動作の際に、介助ロボット1は、被介助者Mを安定して立位姿勢に移行できる。つまり、被介助者Mに安心感を与えることができる。
また、第一動作は、少なくとも一部区間において、昇降部30の下降とアーム40の前旋回との協調により、保持部50により保持された状態の被介助者Mの肩の位置Pをほぼ水平に前進させる動作である。そうすることで、初期の座位姿勢の時T1から中間姿勢時T2までにおいて、被介助者Mに負担がかかることなく、立ち上がりの準備ができる。
また、制御装置80による第一動作及び第二動作は、アーム40を前旋回させる動作を含み、アーム40を後旋回させる動作を含まない。つまり、被介助者Mの胴体の角度が、一方方向のみに変化することになる。図6A及び図6Bに示すように、健常者であれば、胴体は、途中で逆転する。第一動作及び第二動作を上記のようにすることで、被介助者Mの下半身のみを立たせた立位姿勢への補助を目的とする場合に有効である。
また、第二動作は、中間姿勢時T2から立位姿勢の時T3までの少なくとも一部区間において、昇降部30の上昇とアーム40の前旋回とを協調させる動作としている。つまり、被介助者Mは、第二動作において、さらに前傾姿勢へ移行する。従って、特に、被介助者Mの下半身のみを立たせた立位姿勢への補助を目的とする場合に有効である。
また、アーム40の揺動軸心32aは、第一動作の際に、被介助者Mの上半身の高さ範囲内で下降する。さらに、アーム40の揺動軸心32aは、初期の座位姿勢における被介助者Mの頭部より前方に位置し、前記立位姿勢における前記被介助者の頭部より後方に位置する。アーム40の揺動軸心32aを上記のような位置にすることで、介助ロボット1は、被介助者Mに不快感を与えることなく、起立補助を行うことができる。
また、保持部50により保持された状態の被介助者Mの肩の位置Pを通り、保持部50による被介助者Mの胴体保持面に平行な線と、アーム40の揺動軸心32aとの距離Lは、230〜290mmである。アーム40の揺動軸心32aを上記のような位置にすることで、介助ロボット1は、被介助者Mに不快感を与えることなく、起立補助を行うことができる。
また、被介助者Mの中間姿勢時T2は、以下の何れとしてもよい。本実施形態においては、中間姿勢時T2は、以下の全てに該当することとしたが、以下のうちの少なくとも一つに該当すればよい。
第一の被介助者Mの中間姿勢時T2は、被介助者Mの臀部が座面3から上昇開始する時である。第二の被介助者Mの中間姿勢時T2は、被介助者Mの重心Gの前後方向位置が被介助者Mの足の接地面の前後方向範囲Fに進入している時である。第三の被介助者Mの中間姿勢時T2は、保持部50が被介助者Mの上半身の質量に対する所定割合以上の質量を支持している状態に達した時である。第四の被介助者Mの中間姿勢時T2は、介助ロボット1が被介助者Mから受ける後方荷重が所定値以下に達した時である。第五の被介助者Mの中間姿勢時T2は、被介助者Mの上半身の傾きが所定値以上に達した時である。
1:介助ロボット、 3:座面、 10:基台、 30:昇降部、 31:昇降本体、 32:揺動支持部、 32a:揺動軸心、 40:アーム、 50:保持部、 51:胴体受部、 52:脇受部、 80:制御装置、 F:足の接地面の前後方向範囲、 M:被介助者、 G:被介助者の重心、 P:肩の位置、 T1:初期の座位姿勢時、 T2:中間姿勢時、 T3:立位姿勢時、 θ:胴体受部の角度

Claims (3)

  1. 基台と、
    前記基台に対して上下方向に直動する昇降部と、
    前記昇降部に左右方向に平行な所定の揺動軸心を中心軸として揺動可能に設けられ、前記昇降部の上昇により上昇するアームと、
    前記アームの先端に設けられ、被介助者の胴体を支持する胴体受部を含み、前記アームの前旋回により上昇且つ前進するように揺動する保持部と、
    前記昇降部の上下動及び前記アームの揺動を制御して、前記被介助者の上半身を前傾させるように前記保持部を前旋回させ、前記被介助者の頭部が前記揺動軸心よりも後方に位置する座位姿勢から前記被介助者の頭部が前記揺動軸心よりも前方に位置する立位姿勢への起立補助を行う制御装置と、
    を備え
    前記アームは、前記座位姿勢において前記揺動軸心から後方に延び、
    前記保持部のうち前記被介助者の前記胴体に接触する部位の前端は、前記座位姿勢において前記揺動軸心よりも後方に位置する、介助ロボット。
  2. 前記保持部により保持された状態の前記被介助者の肩の位置を通り、前記胴体受部による前記被介助者の胴体保持面に平行な線と、前記アームの前記揺動軸心との距離は、230〜290mmである、請求項1に記載の介助ロボット。
  3. 前記胴体受部の下端部は、前記座位姿勢においては前記揺動軸心よりも下方に位置し、前記立位姿勢においては前記揺動軸心よりも上方に位置する、請求項1または2に記載の介助ロボット。
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