JP6909088B2 - 計測装置、計測方法、および計測プログラム - Google Patents

計測装置、計測方法、および計測プログラム Download PDF

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Description

この開示は、生体情報を取得するための技術に関し、より特定的には、非接触に生体情報を取得するための技術に関する。
生体の心拍数を非接触に計測するための技術が知られている。心拍数とは、一定時間(たとえば、1分)内において心臓が拍動する回数のことを言う。心拍数が非接触に計測されることで、生体の負担が軽減される。
非接触での心拍数の計測技術に関し、特開2010−120493号公報(特許文献1)は、運転手の心拍数や呼吸数を非接触に検知するための生体信号検知装置を開示している。当該生体信号検知装置は、ドップラセンサを用いて運転手の心拍数や呼吸などを計測している。
より具体的には、ドップラセンサは、運転手にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信する。生体がドップラセンサに近付くと当該反射波の周波数は高くなり、生体がドップラセンサから遠ざかると当該反射波の周波数は低くなる。すなわち、生体とドップラセンサとの間隔が変動すると、照射したマイクロ波とその反射波との間で周波数差又は位相差(所謂ドップラシフト)が生じる。ドップラセンサは、当該位相差に相関する信号(以下、「ドップラ信号」とも言う。)を出力する。特許文献1に開示される生体信号検知装置は、検知されたドップラ信号の周波数成分に基づいて、運転手の心拍数や呼吸などを計測する。
特開2010−120493号公報
生体には、心拍数や呼吸など様々な動きが生じる。そのため、ドップラセンサによって検知されたドップラ信号には、生体の心拍に起因する信号成分(以下、「心拍信号」とも言う。)、および生体の呼吸に起因する信号成分(以下、「呼吸信号」とも言う。)が含まれる。
上記のように、ドップラセンサは、生体と当該センサとの間隔の変動を検出する。そのため、生体が動いているときは、ドップラ信号における心拍信号および呼吸信号の割合が小さくなってしまう。そのため、特許文献1に開示されるような従来の計測装置は、生体が動いている場合に、不正確な生体情報(例えば心拍数、呼吸数)を検出してしまう可能性があった。したがって、不正確な生体情報の検出を抑制できる計測装置が必要とされている。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、不正確な生体情報の検出を従来よりも抑制できる計測装置を提供することである。他の局面における目的は、不正確な生体情報の検出を従来よりも抑制できる計測方法を提供することである。さらに他の局面における目的は、不正確な生体情報の検出を従来よりも抑制できる計測プログラムを提供することである。
ある実施形態に従うと、生体情報を計測するための計測装置が提供される。この計測装置は、生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するドップラセンサと、ドップラ信号に基づいて生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出する制御回路と、検出された生体情報を記憶するためのメモリとを備える。制御回路は、検出された生体情報と、メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する比較部と、比較結果が予め定められた条件を満たした場合に検出された生体情報、又は当該生体情報および過去の生体情報に基づいて導出される生体情報を出力する出力部とを含む。
ある実施形態に従う計測装置は、不正確な生体情報の検出を従来よりも抑制できる。
開示された技術的特徴の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
実施形態に従う計測装置の概略構成を表す図である。 呼吸信号が心拍信号に与える影響について説明するための図である。 実施形態1に従う計測システムの全体構成を示す図である。 実施形態1に従う制御回路の構成を説明するためのブロック図である。 実施形態1に従うアナログ信号処理回路の構成の一例を表すブロック図である。 心拍数の計測処理を表わすフローチャートである。 呼吸数の計測処理を表わすフローチャートである。 体動検出処理を表わすフローチャートである。 実施形態2に従う計測装置に含まれる制御回路の構成を説明するためのブロック図である。 実施形態2に従う心拍数の計測処理を表わすフローチャートである。 実施形態2に従う呼吸数の計測処理を表わすフローチャートである。 生体が動いていない状態における心拍数の検出精度について説明するための図である。 生体が動いている状態における心拍数の検出精度について説明するための図である。 実施形態3に従う計測装置に含まれる制御回路の構成を説明するためのブロック図である。 確度テーブル1500のデータ構造の一例を表す図である。 確度テーブル1600のデータ構造の一例を表す図である。 実施形態3に従う心拍数の計測処理を表わすフローチャートである。 実施形態3に従う呼吸数の計測処理を表わすフローチャートである。 実施形態3に従う体動の検出処理を表わすフローチャートである。
以下、この技術的思想の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
[技術思想]
まず、実施形態に従う計測装置100の技術思想について説明する。図1は、実施形態に従う計測装置100の概略構成を表す図である。
図1を参照して、計測装置100は、ドップラセンサ40と、制御回路152と、メモリ154とを含む。
ドップラセンサ40は、計測対象の生体Pにマイクロ波を照射し、生体Pからマイクロ波の反射波を受信する。生体Pは、例えば、人間などの動物である。生体Pがドップラセンサ40に近付くと反射波の周波数は高くなり、生体Pがドップラセンサから遠ざかると反射波の周波数は低くなる。すなわち、生体Pの呼吸や心拍によりドップラ信号の位相が変化する。そのため、照射したマイクロ波とその反射波との間で位相差(所謂ドップラシフト)が生じる。ドップラセンサ40は、当該位相差に相関するドップラ信号を制御回路152に出力する。
制御回路152は、検出部85と、比較部86と、出力部52とを含む。検出部85は、ドップラセンサ40から入力されたドップラ信号に基づいて、生体Pの生体情報を検出する。一例として、検出部85は、生体Pの心拍数および呼吸数を検出する。これらの具体的な検出方法については後述する。検出部85は、検出した生体情報を比較部86に出力する。
(不正確な生体情報を検出してしまう理由−その1)
ところで、ドップラセンサ40が固定されている場合、ドップラ信号は、生体Pとドップラセンサ40との間隔の変動、つまり、生体Pの体動を検出する。以下、「体動」は、呼吸および心拍に起因する生体Pの微小な動きと、「身体の動き」に起因する大きな動きとをどちらも含む概念として定義する。一方、「身体の動き」は、身体のゆさぶり等の大きな動きを表し、上記の微小な動きは含まない概念として定義する。
生体Pの身体が動いてる場合、ドップラ信号は、当該身体の動きの波形および当該波形の高調波を含む。また、このような身体の動きの波形および高調波の振幅は、心拍信号および呼吸信号の振幅に比べて大きい。そのため、検出部85は、身体の動きに起因する波形の周期性を心拍数又は呼吸数として誤って検出する可能性がある。
(不正確な生体情報を検出してしまう理由−その2)
図2は、呼吸信号が心拍信号に与える影響について説明するための図である。図2に示されるグラフは、ドップラ信号のスペクトル、つまり各周波数帯域についてのドップラ信号の信号強度を示す。
より具体的には、グラフの横軸は、周波数(単位は「Hz」)を表わす。周波数に「60」をかけると1分間辺りの生体の振動数となる。当該振動数は、生体の心拍数や呼吸数を表わす。心拍数や呼吸数の単位は、「bpm(Beats Per Minute)」で表わされるため、グラフの横軸は、「bpm」で表わされてもよい。グラフの縦軸は、信号強度を示す。
グラフに示されるように、ドップラ信号は、生体の心拍に起因して生じる心拍成分A1〜A3と、生体の呼吸に起因して生じる呼吸成分B1〜B3,B5とを含む。呼吸信号の波形は三角波に近いため、呼吸信号の周波数成分には、呼吸数に相当する周波数成分だけでなく、呼吸数の整数倍(典型的には、3倍以上の奇数倍)に相当する周波数成分(以下、「高次周波数成分」とも言う)B2、B3、B5が含まれている。特に、呼吸数の3倍に相当する呼吸成分B3の信号強度が強くなる。
一般的に、人の呼吸数は16〜19bpm程度である。そのため、呼吸成分B3の帯域は、48〜57bpmとなる。これに対して、人の心拍数は65〜75bpm程度である。このように、呼吸成分B3の帯域は、心拍成分A1の帯域に近似している。加えて、呼吸信号の振幅は、心拍信号の振幅の約10倍以上であるため、呼吸成分B3は、心拍数を検出する上で大きなノイズとなる。そのため、検出部85は、呼吸成分B3の周期性を心拍数として誤って検出する可能性がある。
このように、検出部85は、生体Pの生体情報を誤って検出し得る。実施形態に従う計測装置100は、比較部86の作用により、誤って検出された生体情報を除外する。
(不正確な生体情報を除外する構成)
図1を再び参照して、比較部86は、検出部85から入力された生体情報(以下、「新生体情報」とも言う)と、メモリ154の履歴領域155に格納される生体情報、つまり、過去に検出された生体情報(以下、「旧生体情報」とも言う)とを比較する。比較部86は、比較結果が予め定めれた条件を満たした場合に新生体情報を出力部52に出力する。つまり、比較部86は、当該条件が満たされない場合、新生体情報を出力部52に出力しない。
旧生体情報は、例えば、履歴領域155に格納される生体情報のうち最も新しい生体情報であり得る。予め定められた条件は、例えば、旧生体情報に対する新生体情報の変動率が所定値(例えば±10%)以内であることを含む。
基本的に、平静時は、心拍数および呼吸数を含む生体情報は、短時間で急激に変動しない。そのため、旧生体情報に対する新生体情報の変動率が所定値以上大きくなった場合、生体Pの「身体の動き」に起因して不正確な生体情報が検出される可能性が高い、又は、呼吸成分B3の周期性に起因して不正確な心拍数が検出される可能性が高い。実施形態に従う比較部86は、この特性を利用して、旧生体情報と新生体情報との比較結果が予め定められた条件を満たした場合のみ、新生体情報が正しい生体情報であると判断して、当該新生体情報を出力部52に出力する。
ある局面において、比較部86は、新生体情報が上記条件を満たさない場合、新生体情報に替えて旧生体情報を出力部52に出力するように構成されても良い。
出力部52は、比較部86から入力された情報を、ディスプレイ、スピーカなどのデバイスに出力する。これにより、生体P又は生体Pの観察者は、生体Pの生体情報を認識できる。
なお、他の局面において、出力部52は、比較部86から入力された情報を、スマートフォン等の外部装置に出力するように構成されてもよい。これにより、生体P又は生体Pの観察者は、生体Pの生体情報をより容易に認識できる。
上記によれば、実施形態に従う計測装置100は、検出された生体情報を過去の生体情報と比較することにより、当該検出された生体情報が正しい生体情報であるかノイズであるかを判断できる。そのため、実施形態に従う計測装置100は、従来の計測装置に比して不正確な生体情報の検出を抑制できる。以下に、実施形態に従う計測装置100の詳細な構成および制御について説明する。
[実施形態1]
図3は、実施形態1に従う計測システム1000の全体構成を示す図である。図3を参照して、計測システム1000は、生体Pを監視するための計測装置100と、端末装置200とを含む。端末装置200は、計測装置100による計測結果を受信するための端末であり、例えば、スマートフォンである。ただし、端末装置200は、折り畳み式携帯電話、タブレット端末装置、PC(personal computer)などのような他の機器であってもよい。
計測装置100と、端末装置200とを互いに接続するためのネットワーク300は、インターネットなどの各種ネットワークを含む。ネットワーク300は、これに限られず、有線通信方式を採用してもよいし、無線LAN(local area network)などのその他の無線通信方式を採用してもよい。
(計測装置100)
計測装置100は、生体情報を非接触で検出する。このような計測装置100は、様々なシチュエーションにおいて利用される。一例として、計測装置100は、車の運転時における運転者の生体情報を計測するために利用される。あるいは、計測装置100は、介護施設又は医療施設における患者の生体情報を計測するために利用される。
計測装置100は、主な構成要素として、ドップラセンサ40と、制御回路152と、メモリ154と、スピーカ156と、通信インターフェイス158とを含む。なお、計測装置100は、各種情報を表示するためのディスプレイと、ユーザからの各種入力を受け付けるボタンなどの入力装置とを含んでいてもよい。
制御回路152は、典型的には、CPUなどを含むマイクロプロセッサと、ドップラセンサ40からのアナログ信号を処理するアナログ信号処理回路と、AD(Analog to Digital)コンバータとを含む。制御回路152の詳細な構成については後述する。マイクロプロセッサは、メモリ154に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、計測装置100の各部の動作を制御する制御部として機能する。例えば、マイクロプロセッサは、当該プログラムを実行することによって、後述する制御回路152の処理を実現する。
メモリ154は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)などによって実現される。メモリ154は、マイクロプロセッサによって実行されるプログラム、又はマイクロプロセッサによって用いられるデータなどを記憶する。メモリ154は、旧生体情報を記憶するための履歴領域155を含む。ある局面において、履歴領域155は、不揮発性メモリによって構成される。他の局面において、履歴領域155は、揮発性メモリによって構成され、リングバッファとして機能する。
スピーカ156は、マイクロプロセッサから与えられる音声信号を音声に変換して計測装置100の外部へ出力する。通信インターフェイス158は、マイクロプロセッサからの通信データを符号化し通信信号に変換し、通信信号を端末装置200へ送信する。また、端末装置200から受信信号を復号化して通信データに変換しマイクロプロセッサに出力する。通信方式は、無線LANなどによる無線通信方式であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信方式であってもよい。
ドップラセンサ40は、生体Pにマイクロ波を照射し、反射してきたマイクロ波から、生体Pの身体の動きなどを反映する信号を制御回路152に出力する。また、ドップラセンサ40は、入力された反射信号から、互いに直交するIチャネル信号およびQチャネル信号を生成する。
具体的には、ドップラセンサ40は、発振回路21と、増幅器22A,22Bと、送信アンテナ25と、受信アンテナ30と、ミキサ32I,32Qと、LPF33I,33Qと、90度移相器38とを含む。送信アンテナ25および受信アンテナ30は、平面アンテナで構成されている。なお、送信アンテナ25および受信アンテナ30は、導波管アンテナ、あるいは、誘電体アンテナで構成されていてもよい。
発振回路21から出力されたマイクロ波正弦波信号は、増幅器22Aによって増幅され、送信アンテナ25から照射される。空間に照射されたマイクロ波Mtは、対象物である生体Pの体表(たとえば、胸部)で反射される。照射されたマイクロ波の反射波Mrには、生体Pの身体の動きと、呼吸動作および心拍動作とに対応したドップラシフトが生じている。そのため、受信アンテナ30に入力される反射波Mrの信号(反射信号)は、生体Pの身体の動き、呼吸動作および心拍動作に対応した信号となる。
受信アンテナ30により受信された反射信号は、増幅器22Bによって増幅される。当該増幅後の信号Drは、Iチャネル側のミキサ32IおよびQチャネル側のミキサ32Qに入力される。ここでは、Iチャネル側に入力される信号Drを便宜上「Dri」と称し、Qチャネル側に入力される信号Drを便宜上「Drq」と称する。
増幅器22Aによって増幅された信号Dtは、Iチャネル側のミキサ32Iと、90度移相器38を介してミキサ32Qとに入力される。ここでは、Iチャネル側に入力される信号Dtを便宜上「Dti」と称し、Qチャネル側に入力される信号Dtを便宜上「Dtq」と称する。なお、本実施形態では、90度移相器38を用いることにより、信号Dtiに対する信号Dtqの位相を90度ずらす構成について説明するが、当該構成に限られない。例えば、90度移相器38を用いることにより、信号Driに対する信号Drqの位相を90度ずらす構成であってもよい。
ミキサ32Iにより周波数変換(ダウンコンバージョン)された信号は、LPF33Iに入力される。LPF33Iは、当該信号から比較的高い周波数成分を除去した信号を、Iチャネル側のベースバンド信号Dbiとしてアナログ信号処理回路41に出力する。また、ミキサ32Qにより周波数変換された信号は、LPF33Qに入力される。LPF33Qは、当該信号から比較的高い周波数成分を除去した信号を、Qチャネル側のベースバンド信号Dbqとして制御回路152に出力する。当該ベースバンド信号Dbi,Dbqは、それぞれ、生体Pの体動によって、ドップラシフトを受けたドップラ信号として出力される。
受信アンテナ30に入力される反射信号の速度および振幅は、時間とともに変化する。そのため、Iチャネル側の信号およびQチャネル側の信号は、瞬時的には90度位相が異なっているものの、信号の速度および方向に応じて、ベースバンド信号Dbiに対するベースバンド信号Dbqの位相の進み方は、一定でなく常に時間変動することになる。
(制御回路152)
図4は、実施形態1に従う制御回路152の構成を説明するためのブロック図である。制御回路152は、アナログ信号処理回路41と、ADコンバータ43と、マイクロプロセッサ45とを含む。典型的には、マイクロプロセッサ45は、デジタル信号処理に特化したデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor:DSP)である。なお、他の局面において制御回路152は、マイクロプロセッサ45に替えてマイクロコントローラを備える構成であってもよい。
アナログ信号処理回路41は、ドップラセンサ40から入力された信号のうちの不要な周波数帯域の成分を除去して、ADコンバータ43に出力する。具体的には、アナログ信号処理回路41は、心拍成分の帯域(0.7Hz〜20Hz)のIチャネルのアナログ信号ShiおよびQチャネルのアナログ信号Shqを出力し、体動成分の帯域(0.1Hz〜40Hz)のIチャネルのアナログ信号StiおよびQチャネルのアナログ信号Stqを出力する。なお、体動成分の帯域には、呼吸成分の帯域も含まれる。図6を用いてアナログ信号処理回路41の具体的な構成を説明する。
<アナログ信号処理回路41>
図5は、実施形態1に従うアナログ信号処理回路41の構成の一例を表すブロック図である。
図5を参照して、アナログ信号処理回路41は、ドップラセンサ40から出力されるIチャネル側のベースバンド信号Dbiと、ドップラセンサ40から出力されるQチャネル側のベースバンド信号Dbqとを入力として受ける。ベースバンド信号Dbiは、アナログ信号Dbia,Dbibに分配される。ベースバンド信号Dbqは、アナログ信号Dbqa,Dbqbに分配される。
アナログ信号処理回路41は、信号処理回路149A〜149Dを含む。アナログ信号Dbiaは、心拍計測用の信号処理回路149Aに出力される。信号処理回路149Aは、HPF143Aと、LFP144Aと、増幅器145Aとを含む。
HPF143Aは、アナログ信号Dbiaの低周波成分を除去する。一例として、HPF143Aは、0.8Hz以下の信号成分を除去する。除去後の信号は、LFP144Aに出力される。
LFP144Aは、HPF143Aから出力されたアナログ信号Dbiaの高周波成分を除去する。一例として、LFP144Aは、20Hz以上の信号成分を除去する。除去後の信号は、増幅器145Aに出力される。
増幅器145Aは、LFP144Aから出力されるアナログ信号Dbiaを所定倍(たとえば、400倍)に増幅し、アナログ信号Shiを生成する。アナログ信号Shiは、上述のADコンバータ43(図4参照)に出力される。
アナログ信号Dbibは、呼吸計測用の信号処理回路149Bに出力される。信号処理回路149Bは、HPF143Bと、LFP144Bと、増幅器145Bとを含む。
HPF143Bは、アナログ信号Dbibの低周波成分を除去する。一例として、HPF143Bは、0.1Hz以下の信号成分を除去する。除去後の信号は、LFP144Bに出力される。
LFP144Bは、HPF143Bから出力されたアナログ信号Dbibの高周波成分を除去する。一例として、LFP144Bは、20Hz以上の信号成分を除去する。除去後の信号は、増幅器145Bに出力される。
増幅器145Bは、LFP144Bから出力されるアナログ信号Dbibを所定倍(たとえば、100倍)に増幅し、アナログ信号Stiを生成する。アナログ信号Stiは、上述のADコンバータ43(図4参照)に出力される。
心拍信号の振幅は、呼吸信号の振幅に比べて約1/10以下であるので、心拍計測用の増幅器145Aの増幅率が、呼吸計測用の増幅器145Bの増幅率よりも大きくなるように、増幅器145A,145Bが設計される。一例として、増幅器145Aの増幅率は400倍であり、増幅器145Bの増幅率は100倍である。
アナログ信号Dbqaは、心拍計測用の信号処理回路149Cに出力される。信号処理回路149Cは、HPF143Cと、LFP144Cと、増幅器145Cとを含む。
HPF143Cは、アナログ信号Dbqaの低周波成分を除去する。一例として、HPF143Cは、0.8Hz以下の信号成分を除去する。除去後の信号は、LFP144Cに出力される。
LFP144Cは、HPF143Cから出力されたアナログ信号Dbqaの高周波成分を除去する。一例として、LFP144Cは、20Hz以上の信号成分を除去する。除去後の信号は、増幅器145Cに出力される。
増幅器145Cは、LFP144Cから出力されるアナログ信号Dbqaを所定倍(たとえば、400倍)に増幅し、アナログ信号Shqを生成する。アナログ信号Shqは、上述のADコンバータ43(図4参照)に出力される。
アナログ信号Dbqbは、呼吸計測用の信号処理回路149Dに出力される。信号処理回路149Dは、HPF143Dと、LFP144Dと、増幅器145Dとを含む。
HPF143Dは、アナログ信号Dbqbの低周波成分を除去する。一例として、HPF143Dは、0.1Hz以下の信号成分を除去する。除去後の信号は、LFP144Dに出力される。
LFP144Dは、HPF143Dから出力されたアナログ信号Dbqbの高周波成分を除去する。一例として、LFP144Dは、20Hz以上の信号成分を除去する。除去後の信号は、増幅器145Dに出力される。
増幅器145Dは、LFP144Dから出力されるアナログ信号Dbqbを所定倍(たとえば、100倍)に増幅し、アナログ信号Stqを生成する。アナログ信号Stqは、上述のADコンバータ43(図4参照)に出力される。アナログ信号Stiおよびアナログ信号Stqは生体Pの動きに関する体動信号として機能する。この意味で、アナログ信号処理回路41は、ドップラ信号からアナログ信号としての体動信号を抽出していると言える。
心拍信号の振幅は、呼吸信号の振幅に比べて約1/10以下であるので、心拍計測用の増幅器145Cの増幅率が、呼吸計測用の増幅器145Dの増幅率よりも大きくなるように、増幅器145C,145Dが設計される。一例として、増幅器145Cの増幅率は400倍であり、増幅器145Dの増幅率は100倍である。
HPF143A〜143DおよびLFP144A〜144Dは、例えば、オペアンプを用いたアクティブフィルタである。あるいは、HPF143A〜143Dは、コイルL、コンデンサC、抵抗Rを用いた受動素子であってもよい。
以上のようにして、振幅計測用および呼吸計測用に独立して帯域制限および増幅を行なうことにより、心拍域と呼吸域とでSN(Signal Noise)比の高い良質なアナログ信号が抽出される。なお、LFP144A〜144Dは、上述のADコンバータ43のためのアンチエイリアスフィルタとしても機能している。
図4を再び参照して、ADコンバータ43は、入力された信号を16ビット(又は、12ビット)AD変換する。具体的には、ADコンバータ43は、アナログ信号Shi,Shq,Sti,Stqの入力を受け付け、所定のサンプリングレート(たとえば、100Hz)にて、アナログ信号Shi,Shq,Sti,Stqをデジタル信号に変換してマイクロプロセッサ45に出力する。なお、各デジタル信号Shi,Shq,Sti,Stqは、電圧振幅に応じた信号として、適宜オフセット調整される。
<マイクロプロセッサ45>
マイクロプロセッサ45は、各デジタル信号Shi,Shq,Sti,Stqを用いて各種の処理を実行する。具体的には、マイクロプロセッサ45は、主な機能構成として、動き検出部50と、出力部52と、心拍演算部60と、呼吸演算部70とを含む。
≪心拍演算部60≫
心拍演算部60は、各デジタル信号Shi,Shqの入力を受け付けて、各種処理を実行する。具体的には、心拍演算部60は、Iチャネル側のローパスフィルタ(LPF)62I、ハイパスフィルタ(HPF)63I、心拍数検出部65I、および比較部66Iと、Qチャネル側のLPF62Q、HPF63Q、心拍数検出部65Q、および比較部66Qとを有する。心拍演算部60は、IチャネルおよびQチャネルに共通の振幅閾値確認部64と、メディアン処理部67とをさらに有する。
LPF62I,62Qは、それぞれデジタル信号Shi,Shqの高周波成分を除去することにより、デジタル信号Hai,Haqを生成する。LPF62I,62Qは、生成したデジタル信号Hai,HaqをHPF63I,63Qにそれぞれ出力する。以下では、LPF62I,62Qを総称してLPF62とも言う。一例として、LPF62のカットオフ周波数は、20Hzに設定されている。これは、生体Pの心拍数が高い場合(例えば、2Hz(120bpm))であっても、当該心拍波形の第10高調波(20Hz)までを検出することを目的としている。なお、LFP62のカットオフ周波数は、手動で切り替え可能に構成されてもよいし、生体Pの心拍数に応じて自動的に切り替え可能に構成されてもよい。
HPF63I,63Qは、それぞれデジタル信号Hai,Haqの低周波成分(特に、呼吸成分の帯域)を除去することにより、デジタル信号Hbi,Hbqを生成する。HPF63I,63Qは、生成したデジタル信号Hbi,Hbqを振幅閾値確認部64に出力する。以下では、HPF63I,64Qを総称してHPF63とも言う。一例として、HPF63のカットオフ周波数は、0.8Hzに設定されている。なお、HFP63のカットオフ周波数は、手動で切り替え可能に構成されてもよいし、生体Pの心拍数に応じて自動的に切り替え可能に構成されてもよい。
振幅閾値確認部64は、入力されたデジタル信号Hbi,Hbqが心拍信号であるかノイズであるかを判断する。以下、デジタル信号Hbi,Hbqを総称してデジタル信号Hbとも言う。まず、振幅閾値確認部64は、デジタル信号Hbの振幅を検出する。
一例として、振幅閾値確認部64は、デジタル信号Hbi,Hbqの振幅値の二乗値の和の平方根をデジタル信号Hbの振幅値として算出する。具体的には、以下の式(1)または式(2)により算出される値がデジタル信号Hbの振幅値として算出される。
(Hbi×Hbi+Hbq×Hbq)^(1/2)・・・(1)
((Hbi×Hbi+Hbq×Hbq)/2)^(1/2)・・・(2)
以下、上記(1)または(2)と同様の方法で算出された値を「IQ二乗平均値」とも言う。振幅閾値確認部64は、デジタル信号Hbの振幅値が予め設定された閾値Ath1未満の場合、デジタル信号Hbがノイズであると判断する。一方、振幅閾値確認部64は、デジタル信号Hbの振幅値が閾値Ath1以上である場合、デジタル信号Hbが心拍信号であると判断して、デジタル信号Hbi,Hbqを心拍数検出部65I,65Qにそれぞれ出力する。
閾値Ath1は、生体Pの生体情報を検出する前に事前に設定される。一例として、計測装置100は、周囲に(生体Pを含む)動体がない状況で予めデジタル信号Hbi,Hbqの振幅値を算出する。計測装置100は、上記の方法と同様にして、デジタルHbi,Hbqの振幅値のIQ二乗平均値を算出する。計測装置100は、当該平均値以上の値となるように閾値Ath1を設定する。一例として、計測装置100は、当該平均値の1.2倍を閾値Ath1として設定する。
なお、他の局面において、計測装置100は、周囲に動体がない状況で所定時間(例えば5秒間)にわたりデジタルHbi,Hbqの振幅値のIQ二乗平均値を複数回測定し、測定された複数の値の平均値を算出する。計測装置100は、当該算出された平均値の1.2倍を閾値Ath1として設定してもよい。計測装置100は、閾値Ath1をメモリ154に記憶する。一例として、計測装置100は、電源投入時に閾値Ath1を設定するように構成されていてもよいし、ユーザの入力に基づいて閾値Ath1を設定するように構成されてもよい。
実施形態1に従う計測装置100は、振幅閾値確認部64によりデジタル信号Hbがノイズであるか否かを判断することにより、ノイズから誤った心拍数を検出することを抑制する。
心拍数検出部65I,65Qは、それぞれデジタル信号Hbi,Hbqを用いて心拍数を検出する。具体的には、心拍数検出部65Iは、所定時間(たとえば、5秒)蓄積されたデジタル信号Hbiを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)し、個々の信号成分に分解した後、各成分を周波数スペクトラム上に表わす処理を行ない、周波数分布データを作成する。心拍数検出部65Iは、周波数分布データのうち、最も強度の高い周波数成分(ピークの周波数成分)を基本波データとして検出する。なお、心拍数検出部65I,65Qは、自己相関関数やウェーブレット変換を用いて基本波データを検出するように構成されてもよい。
心拍数検出部65Iは、基本波データを60倍することで心拍数Hiを検出する。同様に、心拍数検出部65Qは、デジタル信号Hbqを用いて心拍数Hqを検出する。心拍数検出部65I,65Qは、検出した心拍数Hi,Hqを比較部66I,66Qにそれぞれ出力する。
比較部66I,66Qは、入力された心拍数が、心拍信号に起因するものか、ノイズに起因するものかを判断する。具体的には、比較部66Iは、入力された心拍数Hiと、メモリ154の履歴領域155に格納される過去の心拍数(以下、「旧心拍数」とも言う)とを比較し、比較結果が予め定められた条件を満たした場合に、入力された心拍数Hiがノイズではなく心拍信号に起因するものと判断する。一例として、旧心拍数は、履歴領域155に格納される心拍数のうち最も新しい心拍数(つまり、前回検出された心拍数)である。なお、旧心拍数は、過去の心拍数Hiであってもよいし、過去の心拍数Hi,Hqの平均値であってもよい。予め定められた条件は、例えば、入力された心拍数Hiの旧心拍数に対する変動率が所定範囲(例えば±10%)内であることを含む。
比較部66Iは、入力された心拍数Hiが心拍信号に起因すると判断した場合、当該心拍数Hiをメディアン処理部67に出力する。一方、比較部66Iは、入力された心拍数Hiがノイズに起因すると判断した場合、当該心拍数Hiに替えて、旧心拍数をメディアン処理部67に出力する。比較部66Qも、比較部66Iと同様にして、入力された心拍数Hq又は旧心拍数をメディアン処理部67に出力する。
メディアン処理部67は、比較部66I,66Qから入力されたIチャネルおよびQチャネルの2つの心拍数を平均して平均心拍数を算出する。算出された平均心拍数は、メモリ154に所定個数(例えば4個)格納される。メディアン処理部67は、算出された平均心拍数、およびメモリに格納された所定個数の平均心拍数の中から中央値である心拍数Hnを特定する。メディアン処理部67は、特定した心拍数Hnを出力部52に出力する。なお、他の局面において、心拍演算部60は、メディアン処理部67を有さず、比較部66I,66Qから新心拍数又は旧心拍数を出力部52に出力するように構成されてもよい。また、ここではメディアン値を用いたが、上記所定個数の平均値や、所定個数の旧心拍数と新心拍数との移動平均であっても構わない。
上記によれば、実施形態1に従う計測装置100は、比較部66I,66Qの作用により、生体Pの身体の動きに起因するノイズ又は呼吸波形の高調波(特に3次高調波)に起因するノイズから誤って生体Pの心拍数を検出することを抑制できる。
≪呼吸演算部70≫
呼吸演算部70は、各デジタル信号Sti,Stqの入力を受け付けて、各種処理を実行する。具体的には、呼吸演算部70は、Iチャネル側のLPF72I、呼吸数検出部75I、および比較部76Iと、Qチャネル側のLPF72Q、呼吸数検出部75Q、および比較部76Qとを有する。呼吸演算部70は、IチャネルおよびQチャネルに共通の振幅閾値確認部74と、メディアン処理部77とをさらに有する。
LPF72I,72Qは、それぞれデジタル信号Sti,Stqの高周波成分(特に、心成分の帯域)を除去することにより、デジタル信号Bai,Baqを生成する。LPF72I,72Qは、生成したデジタル信号Bai,Baqを振幅閾値確認部74に出力する。以下では、LPF72I,72Qを総称してLPF72とも言う。一例として、LPF72のカットオフ周波数は、0.7Hzに設定されている。なお、LFP72のカットオフ周波数は、手動で切り替え可能に構成されてもよいし、生体Pの心拍数に応じて自動的に切り替え可能に構成されてもよい。
振幅閾値確認部74は、入力されたデジタル信号Bai,Baqが呼吸信号であるかノイズであるかを判断する。以下、デジタル信号Bai,Baqを総称してデジタル信号Baとも言う。まず、振幅閾値確認部74は、デジタル信号Baの振幅を検出する。
一例として、振幅閾値確認部74は、デジタル信号Bai,Baqの振幅値のIQ二乗平均値をデジタル信号Baの振幅値として算出する。振幅閾値確認部74は、デジタル信号Baの振幅値が予め設定された閾値Ath2未満の場合、デジタル信号Baがノイズであると判断する。一方、振幅閾値確認部74は、デジタル信号Baの振幅値が閾値Ath2以上である場合、デジタル信号Baが呼吸信号であると判断して、デジタル信号Bai,Baqを呼吸数検出部75I,75Qにそれぞれ出力する。
閾値Ath2は、生体Pの生体情報を検出する前に事前に設定される。一例として、計測装置100は、周囲に動体がない状況で予めデジタル信号Bai,Baqの振幅値を算出する。計測装置100は、デジタル信号Bai,Baqの振幅値のIQ二乗平均値を算出する。計測装置100は、当該平均値以上の値となるように閾値Ath2を設定する。一例として、計測装置100は、当該振幅値の1.2倍を閾値Ath2として設定する。
なお、他の局面において、計測装置100は、周囲に動体がない状況で所定時間(例えば5秒間)にわたりデジタル信号Bai,Baqの振幅値のIQ二乗平均値を複数回測定し、測定された複数の値の平均値を算出する。計測装置100は、当該算出された平均値の1.2倍を閾値Ath2として設定してもよい。計測装置100は、閾値Ath2をメモリ154に記憶する。一例として、計測装置100は、電源投入時に閾値Ath2を設定するように構成されていてもよいし、ユーザの入力に基づいて閾値Ath2を設定するように構成されてもよい。
実施形態1に従う計測装置100は、振幅閾値確認部74によりデジタル信号Baがノイズであるか否かを判断することにより、ノイズから誤った呼吸数を検出することを抑制する。
呼吸数検出部75I,75Qは、それぞれデジタル信号Bai,Baqを用いて呼吸数を検出する。具体的には、呼吸数検出部75Iは、所定時間(たとえば、10秒)蓄積されたデジタル信号Baiを高速フーリエ変換し、個々の信号成分に分解した後、各成分を周波数スペクトラム上に表わす処理を行ない、周波数分布データを作成する。呼吸数検出部75Iは、周波数分布データのうち、最も強度の高い周波数成分(ピークの周波数成分)を基本波データとして検出する。なお、呼吸数検出部75I,75Qは、自己相関関数やウェーブレット変換を用いて基本波データを検出するように構成されてもよい。
呼吸数検出部75Iは、基本波データを60倍することで呼吸数Biを検出する。同様に、呼吸数検出部75Qは、デジタル信号Baqを用いて呼吸数Bqを検出する。呼吸数検出部75I,75Qは、検出した呼吸数Bi,Bqを比較部76I,76Qにそれぞれ出力する。
比較部76I,76Qは、入力された呼吸数が、呼吸信号に起因するものか、ノイズに起因するものかを判断する。具体的には、比較部76Iは、入力された呼吸数Biと、メモリ154の履歴領域155に格納される過去の呼吸数(以下、「旧呼吸数」とも言う)とを比較し、比較結果が予め定められた条件を満たした場合に、入力された呼吸数Biがノイズではなく呼吸信号に起因するものと判断する。一例として、旧呼吸数は、履歴領域155に格納される呼吸数のうち最も新しい呼吸数(つまり、前回検出された呼吸数)である。なお、旧呼吸数は、過去の呼吸数Biであってもよいし、過去の呼吸数Bi,Bqの平均値であってもよい。予め定められた条件は、例えば、入力された呼吸数Biの旧呼吸数に対する変動率が所定範囲(例えば±20%)内であることを含む。
比較部76Iは、入力された呼吸数Biが呼吸信号に起因すると判断した場合、当該呼吸数Biをメディアン処理部77に出力する。一方、比較部76Iは、入力された呼吸数Biがノイズに起因すると判断した場合、当該呼吸数Biに替えて、旧呼吸数をメディアン処理部77に出力する。比較部76Qも、比較部76Iと同様にして、入力された呼吸数Bq又は旧呼吸数をメディアン処理部77に出力する。
メディアン処理部77は、比較部76I,76Qから入力された2つの呼吸数を平均して平均呼吸数を算出する。算出された平均呼吸数は、メモリ154に所定個数(例えば4個)格納される。メディアン処理部77は、算出された平均呼吸数、およびメモリに格納された所定個数の平均呼吸数の中から中央値である呼吸数Bnを特定する。メディアン処理部77は、特定した呼吸数Bnを出力部52に出力する。なお、他の局面において、呼吸演算部70は、メディアン処理部77を有さず、比較部76I,76Qから新呼吸数又は旧呼吸数を出力部52に出力するように構成されてもよい。また、ここではメディアン値を用いたが、上記所定個数の平均値や、所定個数の旧心拍数と新心拍数との移動平均であっても構わない。
上記によれば、実施形態1に従う計測装置100は、比較部76I,76Qの作用により、生体Pの身体の動きに起因するノイズから誤って生体Pの呼吸数を検出することを抑制できる。
≪動き検出部50≫
動き検出部50は、所定の閾値と、反射信号(具体的には、各デジタル信号Sti,Stq)とに基づいて、生体Pの体動(特に、身体の動き)を検出する。具体的には、動き検出部50は、Iチャネル側の振幅検出部52Iと、Qチャネル側の振幅検出部52Qと、IチャネルおよびQチャネルに共通の振幅閾値確認部54とを有する。
振幅検出部52Iは、デジタル信号Stiの振幅Tiを検出して、検出結果を振幅閾値確認部54に出力する。振幅検出部52Qは、デジタル信号Stqの振幅Tqを検出して、検出結果を振幅閾値確認部54に出力する。
振幅閾値確認部54は、入力された振幅Ti,TqのIQ二乗平均値(以下、「体動振幅値」とも言う)を算出する。振幅閾値確認部54は、体動振幅値が予め設定された閾値Ath3以上の場合、生体Pの身体が動いたこと(例えば、生体Pが寝ている状態から起き上がったこと)を検出する。一方、振幅閾値確認部54は、体動振幅値が閾値Ath3未満である場合、生体Pの身体の動きを検出しない。振幅閾値確認部54は、検出結果を出力部52に出力する。
閾値Ath3は、生体Pの生体情報を検出する前に事前に設定される。具体的には、計測装置100は、周囲に動体がない状況で予めデジタル信号Sti,Stqの振幅値のIQ二乗平均値を算出する。計測装置100は、当該平均値以上の値となるように閾値Ath3を設定する。一例として、計測装置100は、当該平均値の1.2倍を閾値Ath3として設定する。
なお、他の局面において、計測装置100は、周囲に動体がない状況で所定時間(例えば5秒間)にわたりデジタル信号Sti,Stqの振幅値のIQ二乗平均値を複数回測定し、これら測定された複数の値の平均値を算出する。計測装置100は、当該算出された平均値の1.2倍を閾値Ath3として設定してもよい。計測装置100は、閾値Ath3をメモリ154に記憶する。一例として、計測装置100は、電源投入時に閾値Ath3を設定するように構成されていてもよいし、ユーザの入力に基づいて閾値Ath3を設定するように構成されてもよい。
出力部52は、動き検出部50による体動検出結果、心拍演算部60による心拍数の計測結果、および、呼吸演算部70による呼吸数の計測結果などを出力する。これらの計測結果の出力態様は、任意である。ある局面において、出力部52は、体動異常、心拍異常又は呼吸異常との判定結果を受けた場合に、警告情報を出力する。出力部52は、スピーカ156を介して、警告情報を音声出力してもよいし、ディスプレイに警告情報を表示してもよい。また、出力部52は、通信インターフェイス158を介して、端末装置200に警告情報を送信してもよい。他の局面において、これらの計測結果は、例えば、予め定められたフォーマットに合わせてデータ化された上で通信インターフェイス158(図3参照)を介して端末装置200に送信される。端末装置200は、計測装置100から受信した計測結果を表示する。
(計測装置100の制御構造)
図6〜図8を参照して、計測装置100の制御構造について説明する。図6は、心拍数の計測処理を表わすフローチャートである。図7は、呼吸数の計測処理を表わすフローチャートである。図8は、体動検出処理を表わすフローチャートである。図6〜図8の処理は、計測装置100のマイクロプロセッサ45がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部又は全部が、回路素子又はその他のハードウェアによって実行されてもよい。なお、図6〜図8の処理に用いられる各閾値Ath1〜Ath3は、上述の方法によって図6〜図8に示される各一連の処理が実行される前に予め測定されているものとする。また、マイクロプロセッサ45は、図6〜図8に示される各一連の処理を周期的に繰り返し実行する。
<心拍数の計測処理>
まず、図6を参照して、心拍数の計測処理のフローについて説明する。
ステップS610において、マイクロプロセッサ45は、ADコンバータ43から心拍成分の帯域のIチャネルのデジタル信号ShiおよびQチャネルのデジタル信号Shqの入力を受け付ける。
ステップS620において、マイクロプロセッサ45は、LPF62Iに設定されたカットオフ帯域に含まれる信号成分をIチャネル側のデジタル信号Shiから除去する。また、マイクロプロセッサ45は、LPF62Qに設定されたカットオフ帯域に含まれる信号成分をQチャネル側のデジタル信号Shqから除去する。
ステップS630において、マイクロプロセッサ45は、HPF63Iに設定されたカットオフ帯域に含まれる信号成分をIチャネル側のデジタル信号Shiから除去する。また、マイクロプロセッサ45は、HPF63Qに設定されたカットオフ帯域に含まれる信号成分をQチャネル側のデジタル信号Shqから除去する。マイクロプロセッサ45は、ステップS620およびS630の行程を経て、デジタル信号としての心拍信号を抽出する。
ステップS640において、マイクロプロセッサ45は、抽出した心拍信号の振幅を算出する。一例として、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側の心拍信号の振幅と、Qチャネル側の心拍信号の振幅とのIQ二乗平均値を算出する。なお、他の局面において、マイクロプロセッサ45は、これらの振幅の絶対値の平均値を算出してもよいし、これらの振幅のうち一方の振幅を採用するように構成されてもよい。マイクロプロセッサ45は、算出した心拍信号の振幅が、メモリ154に格納されている閾値Ath1以上であるか否かを判断する。マイクロプロセッサ45は、算出した心拍信号の振幅が閾値Ath1以上であると判断した場合(ステップS640でYES)、ステップS650の処理を実行する。一方、マイクロプロセッサ45は、算出した心拍信号の振幅が閾値Ath1未満であると判断した場合(ステップS640でNO)、抽出した心拍信号は心拍成分を含まないノイズであって、心拍数は0bpmであると判断し(ステップS645)、その後ステップS690の処理を実行する。
ステップS650において、マイクロプロセッサ45は、抽出した心拍信号の周期性を検出する。典型的には、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の各々の心拍信号について、高速フーリエ変換することで周波数分布データを生成し、当該周波数分布データから信号強度の高い周波数成分を基本波データとして検出する。なお、マイクロプロセッサ45は、自己相関関数やウェーブレット変換を用いて基本波データを検出してもよい。マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の各々について、基本波データを60倍して単位時間(つまり、1分間)当たりの心拍数を算出する。マイクロプロセッサ45はさらに、これらの心拍数を平均化して、計測結果としての心拍数を検出する。検出された心拍数を「新心拍数」とも言う。
ステップS660において、マイクロプロセッサ45は、新心拍数の旧心拍数(メモリ154に格納されている過去の心拍数)に対する変動率が所定範囲内であるか否かを判断する。一例として、所定範囲は±10%以内に設定される。ある局面において、旧心拍数は、メモリ154に格納されている最も新しい心拍数である。他の局面において、旧心拍数は、メモリ154に格納されている最も新しい複数個数の心拍数の平均値に設定される。
マイクロプロセッサ45は、新心拍数の旧心拍数に対する変動率が所定範囲内であると判断した場合(ステップS660でYES)、ステップS670の処理を実行する。そうでない場合(ステップS660でNO)、マイクロプロセッサ45は、ステップS680の処理を実行する。
ステップS670において、マイクロプロセッサ45は、新心拍数がノイズでないと判断して、新心拍数をメモリ154の履歴領域155に格納する。マイクロプロセッサ45はさらに、履歴領域155に格納されている最も新しい複数個数(例えば5個)の心拍数(新心拍数を含む)から中央値である心拍数を特定する。
ステップS680において、マイクロプロセッサ45は、新心拍数がノイズであると判断して、旧心拍数をメモリ154の履歴領域155に格納する。マイクロプロセッサ45はさらに、履歴領域155に格納されている最も新しい複数個数(例えば5個)の心拍数(新心拍数を含まない)から中央値である心拍数を特定する。
ステップS690において、マイクロプロセッサ45は、特定した中央値である心拍数を計測結果として出力する。計測結果の出力態様は、任意である。ある局面において、マイクロプロセッサ45は、計測結果をスピーカ156を介して音声出力されてもよいし、ディスプレイを介して出力してもよい。また、マイクロプロセッサ45は、通信インターフェイス158を介して、端末装置200に計測結果を出力してもよい。他の局面において、マイクロプロセッサ45は、心拍数が所定下限値以下又は所定上限値以上のときに心拍異常として判定し、警告情報を出力するように構成されてもよい。
なお、ステップS640において、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側の心拍信号の振幅値と、Qチャネル側の心拍信号の振幅値とに基づいて、一の振幅値(例えば、IQ二乗平均値)を算出して、当該算出された一の閾値値と閾値Ath1との比較を行なうように構成されているが、当該構成に限られない。他の局面において、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の各々の心拍信号の振幅値と閾値Ath1とを比較するように構成されてもよい。係る場合、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の両方の心拍信号の振幅値がともに閾値Ath1を超えた場合、又は、いずれか一方の心拍信号の振幅値が閾値Ath1を超えた場合にステップS650の処理を実行してもよい。
<呼吸数の計測処理>
次に、図7を参照して、呼吸数の計測処理のフローについて説明する。
ステップS710において、マイクロプロセッサ45は、ADコンバータ43から体動成分の帯域のIチャネルのデジタル信号StiおよびQチャネルのデジタル信号Stqの入力を受け付ける。
ステップS720において、マイクロプロセッサ45は、LPF72Iに設定されたカットオフ帯域に含まれる信号成分をIチャネル側のデジタル信号Stiから除去する。また、マイクロプロセッサ45は、LPF72Qに設定されたカットオフ帯域に含まれる信号成分をQチャネル側のデジタル信号Stqから除去する。これにより、マイクロプロセッサ45は、デジタル信号としての呼吸信号を抽出する。
ステップS730において、マイクロプロセッサ45は、抽出した呼吸信号の振幅を算出する。一例として、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側の呼吸信号の振幅と、Qチャネル側の呼吸信号の振幅とのIQ二乗平均値を算出する。なお、他の局面において、マイクロプロセッサ45は、これらの振幅の絶対値の平均値を算出してもよいし、これらの振幅のうち一方の振幅を採用するように構成されてもよい。マイクロプロセッサ45は、算出した呼吸信号の振幅が、メモリ154に格納されている閾値Ath2以上であるか否かを判断する。マイクロプロセッサ45は、算出した呼吸信号の振幅が閾値Ath2以上であると判断した場合(ステップS730でYES)、ステップS740の処理を実行する。一方、マイクロプロセッサ45は、算出した呼吸信号の振幅が閾値Ath2未満であると判断した場合(ステップS730でNO)、抽出した呼吸信号は呼吸成分を含まないノイズであって、呼吸数は0bpmであると判断し(ステップS735)、その後ステップS780の処理を実行する。
ステップS740において、マイクロプロセッサ45は、抽出した呼吸信号の周期性を検出する。典型的には、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の各々の呼吸信号について、高速フーリエ変換することで周波数分布データを生成し、当該周波数分布データから信号強度の高い周波数成分を基本波データとして検出する。なお、マイクロプロセッサ45は、自己相関関数やウェーブレット変換を用いて基本波データを検出してもよい。マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の各々について、基本波データを60倍して単位時間(つまり、1分間)当たりの呼吸数を算出する。マイクロプロセッサ45はさらに、これらの呼吸数を平均化して、計測結果としての呼吸数を検出する。検出された呼吸数を「新呼吸数」とも言う。
ステップS750において、マイクロプロセッサ45は、新呼吸数の旧呼吸数(メモリ154に格納されている過去の呼吸数)に対する変動率が所定範囲内であるか否かを判断する。一例として、所定範囲は±20%以内に設定される。ある局面において、旧呼吸数は、メモリ154に格納されている最も新しい呼吸数である。他の局面において、旧呼吸数は、メモリ154に格納されている最も新しい複数個数の呼吸数の平均値に設定される。
マイクロプロセッサ45は、新呼吸数の旧呼吸数に対する変動率が所定範囲内であると判断した場合(ステップS750でYES)、ステップS760の処理を実行する。そうでない場合(ステップS750でNO)、マイクロプロセッサ45は、ステップS770の処理を実行する。
ステップS760において、マイクロプロセッサ45は、新呼吸数がノイズでないと判断して、新呼吸数をメモリ154の履歴領域155に格納する。マイクロプロセッサ45はさらに、履歴領域155に格納されている最も新しい複数個数(例えば3個)の呼吸数(新呼吸数を含む)から中央値である呼吸数を特定する。
ステップS770において、マイクロプロセッサ45は、新呼吸数がノイズであると判断して、旧呼吸数をメモリ154の履歴領域155に格納する。マイクロプロセッサ45はさらに、履歴領域155に格納されている最も新しい複数個数(例えば3個)の呼吸数(新呼吸数を含まない)から中央値である呼吸数を特定する。
ステップS780において、マイクロプロセッサ45は、特定した中央値である呼吸数を計測結果として出力する。計測結果の出力態様は、任意である。ある局面において、マイクロプロセッサ45は、計測結果をスピーカ156を介して音声出力されてもよいし、ディスプレイを介して出力してもよい。また、マイクロプロセッサ45は、通信インターフェイス158を介して、端末装置200に計測結果を出力してもよい。他の局面において、マイクロプロセッサ45は、呼吸数が所定下限値以下又は所定上限値以上のときに呼吸異常として判定し、警告情報を出力するように構成されてもよい。
なお、ステップS730において、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側の呼吸信号の振幅値と、Qチャネル側の呼吸信号の振幅値とに基づいて、一の振幅値(例えば、2つの振幅値のIQ二乗平均値)を算出して、当該算出された一の閾値値と閾値Ath2との比較を行なうように構成されているが、当該構成に限られない。他の局面において、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の各々の呼吸信号の振幅値と閾値Ath2とを比較するように構成されてもよい。係る場合、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側およびQチャネル側の両方の呼吸信号の振幅値がともに閾値Ath2を超えた場合、又は、いずれか一方の呼吸信号の振幅値が閾値Ath2を超えた場合にステップS740の処理を実行してもよい。
<体動検出処理>
次に、図8を参照して、体動検出処理のフローについて説明する。
ステップS810において、マイクロプロセッサ45は、ADコンバータ43から体動信号として、Iチャネルのデジタル信号StiおよびQチャネルのデジタル信号Stqの入力を受け付ける。
ステップS820において、マイクロプロセッサ45は、受け付けた体動信号の振幅を検出する。一例として、マイクロプロセッサ45は、Iチャネル側の体動信号の振幅と、Qチャネル側の体動信号の振幅とのIQ二乗平均値を体動信号の振幅として検出する。なお、他の局面において、マイクロプロセッサ45は、これらの振幅の絶対値の平均値を体動信号の振幅として検出してもよい。
ステップS830において、マイクロプロセッサ45は、検出した呼吸信号の振幅が、メモリ154に格納されている閾値Ath3以上であるか否かを判断する。マイクロプロセッサ45は、検出した呼吸信号の振幅が閾値Ath3以上であると判断した場合(ステップS830でYES)、ステップS840の処理を実行する。一方、マイクロプロセッサ45は、検出した体動信号の振幅が閾値Ath3未満であると判断した場合(ステップS830でNO)、体動信号がノイズであると判断して一連の処理を終了する。
ステップS840において、マイクロプロセッサ45は、生体Pの身体が動いたことを検出する。一例として、マイクロプロセッサ45は、生体Pの起き上がりなどを検出する。マイクロプロセッサ45はさらに、検出結果を出力する。検出結果の出力態様は、任意である。ある局面において、計測装置100が患者の監視装置として利用される場合には、マイクロプロセッサ45は、患者の起き上がりを検出したことを出力する。このことは、スピーカ156を介して音声出力されてもよいし、ディスプレイを介して出力されてもよい。また、マイクロプロセッサ45は、通信インターフェイス158を介して、端末装置200に警告情報を送信してもよい。
(実施形態1のまとめ)
以上のようにして、実施形態1に従う計測装置100は、検出された生体情報を過去の生体情報と比較することにより、当該検出された生体情報が正しい生体情報であるかノイズであるか判断することができる。そのため、実施形態に従う計測装置100は、従来の計測装置に比して不正確な生体情報の検出を抑制できる。より具体的には、計測装置100は、生体Pの身体の動きに起因する波形の周期性を心拍数又は呼吸数として誤って検出することを抑制し得る。また、計測装置100は、呼吸波形の高調波の周期性を心拍数として誤って検出することを抑制し得る。加えて、計測装置100は、心拍信号または呼吸信号がノイズであると判断した場合、心拍数または呼吸数を0bpmとして出力するため、計測装置100のユーザは、生体の有無または生体の生死の判断を行なうことができる。
[実施形態2]
上記説明した実施形態1に従う計測装置100は、不正確な生体情報の検出を抑制できるものの、場合によってはノイズから不正確な生体情報を検出し得る。当該不正確な生体情報が検出された後に正しい生体情報が検出された場合、正しい生体情報の不正確な生体情報に対する変動率が大きくなってしまう結果、実施形態1に従う計測装置100は、正しい生体情報であるにも関わらず、当該生体情報をノイズとして判断してしまう。以下、このような課題を解決し得る実施形態2に従う計測装置100Aの具体的な構成と制御について説明する。
図9は、実施形態2に従う計測装置100Aに含まれる制御回路152Aの構成を説明するためのブロック図である。なお、計測装置100の構成と計測装置100Aの構成とは略同じである。そのため、以下では、計測装置100Aの構成のうち、計測装置100の構成と相違する部分についてのみ説明する。
制御回路152Aは、心拍演算部60、呼吸演算部70に替えて心拍演算部60A、呼吸演算部70Aとして機能する点において、実施形態1に従う制御回路152と相違する。
(心拍演算部60A)
心拍演算部60Aは、比較部66I,66Qに替えて比較部66IA,66QAを有し、カウンタ68をさらに有する点において、心拍演算部60と相違する。ある局面において、振幅閾値確認部64は、デジタル信号Hbi,Hbqのうち少なくともいずれか一方が閾値Ath1以上である場合に、所定信号をカウンタ68に出力する。カウンタ68は、振幅閾値確認部64から所定信号の入力を受け付けると、内部のカウント値をインクリメントする。また、デジタル信号Hbi,Hbqのうち少なくともいずれか一方が閾値Ath1以上である場合に、比較部66IA,66QAのうち少なくとも一方において新心拍数と旧心拍数との比較処理が実行される。つまり、カウンタ68は、比較処理が実行された回数をカウントする(カウント数は自然数)。なお、他の局面において、振幅閾値確認部64は、デジタル信号Hbi,Hbqの両方が閾値Ath1以上である場合にのみ、所定信号をカウンタ68に出力するように構成されてもよい。
比較部66IAは、上述したIチャネル側の新心拍数とIチャネル側の旧心拍数との比較処理を行なう前に、カウンタ68にアクセスしてカウント値を確認する。比較部66IAは、カウンタ値が所定値(例えば、4)である場合に、上述した比較処理を行なうことなく、Iチャネル側の新心拍数をメディアン処理部67に出力する。その後、比較部66IAは、初期化信号をカウンタ68に出力する。カウンタ68は、初期化信号の入力に応じて、カウント値を初期化(リセット)する。比較部66QAも比較部66IAと同様に、カウント値が所定値である場合に、上述した比較処理を行なうことなく、Qチャネル側の新心拍数をメディアン処理部67に出力する。
上記によれば、実施形態2に従う心拍演算部60Aは、所定回数(例えば、5回)ごとに比較部66IA,66QAにおける比較処理を省略し、Iチャネル側の新心拍数とQチャネル側の新心拍数とを用いて心拍数Hnを検出する。そのため、万が一ノイズに基づく不正確な心拍数Hnが検出された場合であっても、心拍演算部60Aは、当該不正確な心拍数Hn(旧心拍数)が採用され続ける回数の上限を上記所定回数に抑えることができる。つまり、心拍演算部60Aは、不正確な心拍数Hnを検出してから正確な心拍数Hnを検出するまでに要する時間を、実施形態1に従う心拍演算部60に比して短縮し得る。
(呼吸演算部70A)
呼吸演算部70Aは、比較部76I,76Qに替えて比較部76IA,76QAを有し、カウンタ78をさらに有する点において、呼吸演算部70と相違する。カウンタ78は、比較部76IA,76QAにおける比較処理が実行された回数をカウントする(カウント数は自然数)。このカウント方法は、カウンタ68におけるカウント方法と同じであるので、繰り返し説明しない。
比較部76IAは、上述したIチャネル側の新呼吸数とIチャネル側の旧呼吸数との比較処理を行なう前に、カウンタ78にアクセスしてカウント値を確認する。比較部76IAは、カウンタ値が所定値(例えば、4)である場合に、上述した比較処理を行なうことなく、Iチャネル側の新呼吸数をメディアン処理部77に出力する。その後、比較部76IAは、初期化信号をカウンタ78に出力する。カウンタ78は、初期化信号の入力に応じて、カウント値を初期化(リセット)する。比較部76QAも比較部76IAと同様に、カウント値が所定値である場合に、上述した比較処理を行なうことなく、Qチャネル側の新呼吸数をメディアン処理部77に出力する。
上記によれば、実施形態2に従う呼吸演算部70Aは、所定回数(例えば、5回)ごとに比較部76IA,76QAにおける比較処理を省略し、Iチャネル側の新呼吸数とQチャネル側の新呼吸数とを用いて呼吸数Bnを検出する。そのため、万が一ノイズに基づく不正確な呼吸数Bnが検出された場合であっても、呼吸演算部70Aは、当該不正確な呼吸数Bn(旧呼吸数)が採用され続ける回数の上限を上記所定回数に抑えることができる。つまり、呼吸演算部70Aは、不正確な呼吸数Bnを検出してから正確な呼吸数Bnを検出するまでに要する時間を、実施形態1に従う呼吸演算部70に比して短縮し得る。
(心拍数の計測処理)
図10は、実施形態2に従う心拍数の計測処理を表わすフローチャートである。なお、図10に示される処理の内、上述の処理と同じ処理については同じ符号を付している。そのため、その処理についての説明は繰り返さない。
マイクロプロセッサ45は、ステップS650において心拍数(新心拍数)を検出した後、ステップS1010の処理を実行する。
ステップS1010において、マイクロプロセッサ45は、新心拍数と旧心拍数とを比較した回数が所定回数(例えば、4)に到達したか否かを判断する。より具体的には、マイクロプロセッサ45は、カウンタ68におけるカウント値が所定値(例えば、4)に到達したか否かを判断する。
マイクロプロセッサ45は、比較した回数が所定回数に到達していると判断した場合(ステップS1010でYES)、カウンタ68におけるカウント値を初期化した後に、ステップS660における比較処理を省略してステップS670の処理を実行する。一方、マイクロプロセッサ45は、比較した回数が所定回数に到達していないと判断した場合(ステップS1010でNO)、カウンタ68におけるカウント値をインクリメントした後に、ステップS660における比較処理を実行する。
(呼吸数の計測処理)
図11は、実施形態2に従う呼吸数の計測処理を表わすフローチャートである。なお、図11に示される処理の内、上述の処理と同じ処理については同じ符号を付している。そのため、その処理についての説明は繰り返さない。
マイクロプロセッサ45は、ステップS740において呼吸数(新呼吸数)を検出した後、ステップS1010の処理を実行する。
ステップS1110において、マイクロプロセッサ45は、新呼吸数と旧呼吸数とを比較した回数が所定回数(例えば、4)に到達したか否かを判断する。より具体的には、マイクロプロセッサ45は、カウンタ78におけるカウント値が所定値(例えば、4)に到達したか否かを判断する。
マイクロプロセッサ45は、比較した回数が所定回数に到達していると判断した場合(ステップS1110でYES)、カウンタ78におけるカウント値を初期化した後に、ステップS750における比較処理を省略してステップS760の処理を実行する。一方、マイクロプロセッサ45は、比較した回数が所定回数に到達していないと判断した場合(ステップS1110でNO)、カウンタ78におけるカウント値をインクリメントした後に、ステップS750における比較処理を実行する。
(実施形態2のまとめ)
以上のようにして、実施形態2に従う計測装置100Aは、所定回数(例えば5回)ごとに新生体情報と旧生体情報との比較処理を省略し、新生体情報を出力するとともに、メモリ154に記録する。そのため、実施形態2に従う計測装置100Aは、万が一ノイズに基づく不正確な生体情報が検出された場合であっても、当該不正確な生体情報が採用され続ける回数の上限を上記所定回数に抑えることができる。これにより、計測装置100Aは、不正確な生体情報を検出してから正確な生体情報を検出するまでに要する時間を、実施形態1に従う計測装置100に比して短縮し得る。
[実施形態3]
生体Pの身体が動いている場合、ドップラセンサを用いた生体Pの生体情報の検出精度は低くなる。そのため、実施形態3に従う計測装置100Bは、生体Pの身体の動きの程度を表す指標(以下、「動き指標」とも言う)を算出し、算出された動き指標に基づいて各種処理を実行する。
計測装置100Bは、呼吸信号の振幅値に対する体動信号の振幅値の比率(割合)を動き指標の一例として算出する。上記説明したように、呼吸信号の振幅は、心拍信号の振幅よりもはるかに大きい(約10倍以上大きい)。そのため、生体Pが動いていない場合、体動信号の振幅は、略呼吸信号の振幅に略等しくなる。つまり、生体Pが動いていない場合、動き指標は略1.0となる。一方、生体Pが動いている場合、体動信号の振幅が大きくなる。そのため、生体Pが動いている場合、動き指標は1.0よりも大きくなる。
なお、他の局面において、計測装置100Bは、生体Pが静止している状態における体動信号の振幅を予め記録しておき、当該振幅に対する体動信号の振幅の比率(割合)を動き指標として算出するように構成されてもよい。
以下、図12および図13を用いて、生体Pが動いている場合と動いていない場合とにおいて、心拍数の検出精度がどのように変化するかについて説明する。
図12は、生体Pが動いていない状態における心拍数の検出精度について説明するための図である。図13は、生体Pが動いている状態における心拍数の検出精度について説明するための図である。図12および図13において、横軸は時間を、縦軸は心拍数を表す。図12および図13において、非接触方式のドップラセンサを利用して測定された生体Pの心拍数と、接触方式のパルスオキシメータを用いて測定された生体Pの脈拍数と、動き指標とが示されている。なお、以下では心拍数と脈拍数とが等しいものとする。
図12を参照して、動き指標は1.05〜1.10程度で安定している。これは、生体Pの身体がほとんど動いていないことを表す。この場合、パルスオキシメータを用いて測定された脈拍数と、ドップラセンサを用いて測定された心拍数とは、概ね一致している。つまり、生体P(の身体)が動いていない場合、ドップラセンサにより測定された生体情報の検出精度は高い。
図13を参照して、動き指標は、1.00〜1.30の範囲で大きく変動している。これは、生体Pの身体が動いていることを表す。この場合、パルスオキシメータを用いて測定された脈拍数と、ドップラセンサを用いて測定された心拍数とは、大きく乖離している。つまり、生体P(の身体)が動いている場合、ドップラセンサにより測定された生体情報の検出精度は低い。
図12および図13の結果を踏まえ、実施形態3に従う計測装置100Bは、動き指標が予め設定された閾値(例えば、1.2)以上である場合に、十分な生体情報の検出精度を担保できないとして、ドップラ信号を破棄する。一方、計測装置100Bは、動き指標が閾値未満である場合に、上記説明した一連の生体情報を検出する処理を実行するように構成される。当該構成によれば、計測装置100Bは、実施形態1および2に従う計測装置よりも、生体情報の検出精度を上げることができる。
(計測装置100B)
図14は、実施形態3に従う計測装置100Bに含まれる制御回路152Bの構成を説明するためのブロック図である。なお、計測装置100Aの構成と計測装置100Bの構成とは略同じである。そのため、以下では、計測装置100Bの構成のうち、計測装置100Aの構成と相違する部分についてのみ説明する。
制御回路152Bは、動き検出部50、心拍演算部60A、呼吸演算部70Aに替えて動き検出部50B、心拍演算部60B、呼吸演算部70Bとして機能する点において、実施形態2に従う制御回路152Aと相違する。
さらに、実施形態3に従うメモリ154は、図15および図16に示される確度テーブル1500,1600を格納している。
図15は、確度テーブル1500のデータ構造の一例を表す。確度テーブル1500は動き指標の範囲と、検出された心拍数の正確度とを互いに関連付けて保持している。図15に示される例において、動き指標が1.05以下である場合に検出された心拍数の正確度は高く、動き指標が1.06〜1.10である場合に検出された心拍数の正確度は中程度で、動き指標が1.11以上である場合に検出された心拍数の正確度は低い。
図16は、確度テーブル1600のデータ構造の一例を表す。確度テーブル1600は、動き指標の範囲と、検出された呼吸数の正確度とを互いに関連付けて保持している。図16に示される例において、動き指標が1.15以下である場合に検出された呼吸数の正確度は高く、動き指標が1.16〜1.30である場合に検出された呼吸数の正確度は中程度で、動き指標が1.31以上である場合に検出された呼吸数の正確度は低い。
上記説明したように、心拍信号の振幅は、呼吸信号の振幅に比べて非常に小さい。そのため、図15および図16に示されるように、生体Pの身体の動きが心拍信号の検出に与える影響は、生体Pの身体の動きが呼吸信号の検出に与える影響よりも大きい。
なお、上記の例において、心拍数の正確度は3段階に設定されているが、他の局面において、心拍数の正確度は2段階又は4段階以上に設定されてもよい。また、呼吸数の正確度も同様に、2段階又は4段階以上に設定されてもよい。
(動き検出部50B)
図14を再び参照して、動き検出部50Bは、比率算出部55と、比率判断部56と、正確度判断部57とをさらに有する点において、動き検出部50と相違する。心拍演算部60Bは、比較部66IA,66QAに替えて比較部66IB,66QBを有する点において、心拍演算部60Aと相違する。呼吸演算部70Bは、振幅閾値確認部74、比較部76IA,76QAに替えて振幅閾値確認部74B、比較部76IB,76QBを有する点において、呼吸演算部70Aと相違する。
比率算出部55は、Iチャネル側の体動信号Stiの振幅Tiを振幅検出部52Iから受け付ける。また、比率算出部55は、Iチャネル側の呼吸信号Baiの振幅Biiを振幅閾値確認部74Bから受け付ける。
比率算出部55は、振幅Biiに対する振幅Tiの比率(割合)、つまり、動き指標を算出する。比率算出部55は、算出した比率を比率判断部56および正確度判断部57に出力する。
比率判断部56は、入力された比率と、予め定められた閾値Ath4,Ath5とを比較する。閾値Ath4は、心拍数の検出精度を担保するための値であって、一例として1.10に設定される。閾値Ath5は、呼吸数の検出精度を担保するための値であって、一例として1.30に設定される。これら閾値Ath4,Ath5は、メモリ154に格納されているものとする。
比率判断部56は、入力された比率(動き指標)が閾値Ath4以下であるか否かの判断結果を心拍演算部60Bの比較部66IB,66QBに出力する。比較部66IBは、比率が閾値Ath4以下である場合、Iチャネル側の新心拍数をメディアン処理部67に出力する。一方、比較部66IBは、比率が閾値Ath4より大きい場合、Iチャネル側の旧心拍数をメディアン処理部67に出力する。比較部66QBも、比較部66IBと同様に動作する。
比率判断部56は、入力された比率(動き指標)が閾値Ath5以下であるか否かの判断結果を呼吸演算部70Bの比較部76IB,76QBにそれぞれ出力する。比較部76IBは、比率が閾値Ath5以下である場合、Iチャネル側の新呼吸数をメディアン処理部77に出力する。一方、比較部76IBは、比率が閾値Ath5より大きい場合、Iチャネル側の旧呼吸数をメディアン処理部77に出力する。比較部76QBも、比較部76IBと同様に動作する。
正確度判断部57は、入力された比率(動き指標)に基づいて、検出された心拍数の正確度と検出された呼吸数の正確度とを出力部52に出力する。より具体的には、正確度判断部57は、メモリ154に格納されている確度テーブル1500を参照して、入力された比率に対応する正確度(検出された心拍数の正確度)を出力部52に出力する。また、正確度判断部57は、メモリ154に格納されている確度テーブル1600を参照して、入力された比率に対応する正確度(検出された呼吸数の正確度)を出力部52に出力する。
出力部52は、正確度判断部57から入力された心拍数の正確度と呼吸数の正確度とを出力する。例えば、出力部52は、これらの正確度をスピーカ156を介して音声出力してもよいし、ディスプレイ(不図示)に出力してもよい。また、出力部52は、通信インターフェイス158を介して、これらの正確度を端末装置200に出力してもよい。
なお、上記の例において、比率算出部55は、Iチャネル側の呼吸信号の振幅に対するIチャネル側の体動信号の振幅の比率を算出するように構成されているが、算出方法はこれに限られない。例えば、比率算出部55は、Qチャネル側の呼吸信号の振幅に対するQチャネル側の体動信号の振幅の比率を算出するように構成されてもよい。また、比率算出部55は、Iチャネル側の呼吸信号の振幅とQチャネル側の呼吸信号の振幅とのIQ二乗平均値に対する、Iチャネル側の体動信号の振幅とQチャネル側の体動信号の振幅とのIQ二乗平均値の比率を算出するように構成されてもよい。
(心拍数の計測処理)
図17は、実施形態3に従う心拍数の計測処理を表わすフローチャートである。なお、図17に示される処理の内、上述の処理と同じ処理については同じ符号を付している。そのため、その処理についての説明は繰り返さない。
マイクロプロセッサ45は、新心拍数を検出(ステップS650)した後に、動き検出部50Bとして、動き指標(例えば、呼吸信号の振幅に対する体動信号の振幅の比率)を算出する(ステップS1710)。
ステップS1720において、マイクロプロセッサ45は、新心拍数と旧心拍数とを比較した回数が所定回数に到達していないと判断した場合(ステップS1010でNO)、動き指標が閾値Ath4以下であるか否かを判断する。マイクロプロセッサ45は、動き指標が閾値Ath4以下であると判断した場合(ステップS1720でYES)、ステップS660における比較処理を実行する。一方、マイクロプロセッサ45は、動き指標が閾値Ath4より大きいと判断した場合(ステップS1720でNO)、ステップS650で検出した新心拍数を破棄し、旧心拍数を用いて計測結果としての心拍数Hnを特定する(ステップS680)。
ステップS1730において、マイクロプロセッサ45は、特定された中央値である心拍数Hnを計測結果として出力する。
上記によれば、実施形態3に従う計測装置100Bは、生体Pの身体の動きが大きい場合、つまり、検出された心拍数(新心拍数)の検出精度が低い場合に、当該検出された心拍数を用いることなく旧心拍数を用いて計測結果としての心拍数Hnを特定する。これにより、計測装置100Bは、実施形態1および2に従う計測装置に比して、心拍数の検出精度を高めることができる。
(呼吸数の計測処理)
図18は、実施形態3に従う呼吸数の計測処理を表わすフローチャートである。なお、図18に示される処理の内、上述の処理と同じ処理については同じ符号を付している。そのため、その処理についての説明は繰り返さない。
ステップS730において、マイクロプロセッサ45は、呼吸演算部70Bとして、算出した呼吸信号の振幅を動き検出部50Bに出力する。
マイクロプロセッサ45は、新呼吸数を検出(ステップS740)した後に、動き検出部50Bとして、動き指標(例えば、呼吸信号の振幅に対する体動信号の振幅の比率)を算出する(ステップS1810)。
ステップS1820において、マイクロプロセッサ45は、新呼吸数と旧呼吸数とを比較した回数が所定回数に到達していないと判断した場合(ステップS1110でNO)、算出した動き指標が閾値Ath5以下であるか否かを判断する。マイクロプロセッサ45は、動き指標が閾値Ath5以下であると判断した場合(ステップS1820でYES)、ステップS750における比較処理を実行する。一方、マイクロプロセッサ45は、動き指標が閾値Ath5より大きいと判断した場合(ステップS1820でNO)、ステップS740で検出した新呼吸数を破棄し、旧呼吸数を用いて計測結果としての呼吸数Bnを特定する(ステップS770)。
ステップS1830において、マイクロプロセッサ45は、特定された中央値である呼吸数Bnを計測結果として出力する。
上記によれば、実施形態3に従う計測装置100Bは、生体Pの身体の動きが大きい場合、つまり、検出された呼吸数(新呼吸数)の検出精度が低い場合に、当該検出された呼吸数を用いることなく旧呼吸数を用いて計測結果としての呼吸数Bnを特定する。これにより、計測装置100Bは、実施形態1および2に従う計測装置に比して、呼吸数の検出精度を高めることができる。
(体動検出処理)
図19は、実施形態3に従う体動の検出処理を表わすフローチャートである。なお、図19に示される処理の内、上述の処理と同じ処理については同じ符号を付している。そのため、その処理についての説明は繰り返さない。
ステップS1910において、マイクロプロセッサ45は、動き検出部50Bとして、呼吸演算部70Bから呼吸信号の振幅値を取得する。
ステップS1920において、マイクロプロセッサ45は、動き指標の一例として、呼吸信号の振幅値に対する体動信号の振幅値の比率(割合)を算出する。なお、これらの振幅値は、略同一タイミングで取得されたものである。マイクロプロセッサ45はさらに、動き検出部50Bとして、算出された動き指標を心拍演算部60Bの比較部66IA,66QAおよび呼吸演算部70Bの比較部76IA,76QAに出力する。
なお、呼吸信号および体動信号のそれぞれの振幅値は、所定時間(例えば、5秒間)にわたり測定されたIチャネルおよびQチャネルの信号(呼吸信号または体動信号)のIQ二乗平均値の平均値として算出されるが、算出方法はこれに限られない。例えば、マイクロプロセッサ45は、IチャネルまたはQチャネルのいずれか一方の信号(呼吸信号または体動信号)の振幅値(絶対値)を所定時間にわたり測定し、その平均値を呼吸信号または体動信号の振幅値として算出してもよい。さらに他の例として、マイクロプロセッサ45は、所定時間にわたり測定された呼吸信号のIQ二乗平均値の総和(積分値)に対する、所定時間にわたり測定された体動信号のIQ二乗平均値の操作(積分値)の比率を動き指標として算出してもよい。
ステップS1930において、マイクロプロセッサ45は、メモリ154に格納されている確度テーブル1500,1600を参照して、算出された動き指標に対する、心拍数の正確度および呼吸数の正確度を特定する。
ステップS1940において、マイクロプロセッサ45は、生体Pの身体の動きの有無に加え、上記特定した心拍数の正確度および呼吸数の正確度を出力する。この出力態様は、任意である。ある局面において、マイクロプロセッサ45は、スピーカ156を介して上記内容を音声出力してもよいし、ディスプレイを介して出力してもよい。また、マイクロプロセッサ45は、通信インターフェイス158を介して、端末装置200に上記内容を送信してもよい。
上記によれば、実施形態3に従う計測装置100Bは、心拍数または呼吸数を出力する際に、当該心拍数または呼吸数の正確度を併せて出力する。そのため、計測装置100Bのユーザ(例えば、生体P又は生体Pの観察者)は、出力された心拍数または呼吸数の信頼性を容易に認識できる。
(実施形態3のまとめ)
以上のように、実施形態3に従う計測装置100Bは、動き指標(例えば、呼吸信号の振幅値に対する体動信号の振幅値の比率(割合))を算出するための動き検出部50Bを有する。計測装置100Bは、算出された動き指標に基づいて、信頼性の低い生体情報(例えば、心拍数および呼吸数)を除外・放棄し、過去に取得された信頼性の高い生体情報を採用できる。加えて、計測装置100Bは、当該計測装置のユーザに対して生体情報と、当該生体情報の正確度とを併せて出力できる。そのため、ユーザは、出力された生体情報がどの程度正確であるかを容易に理解できる。
[構成]
以上説明した本開示の技術的特徴は以下のように要約され得る。
(構成1) ある実施形態に従うと、生体情報を測定する計測装置が提供される。この計測装置は、生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するドップラセンサ40と、ドップラ信号に基づいて生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出する制御回路と、検出された生体情報を記憶するためのメモリ154とを備える。制御回路は、検出された生体情報(新生体情報)と、メモリ154に記憶された過去の生体情報(旧生体情報)とを比較する比較部66(比較部66I,66IA,66IB,66Q,66QA,66QBの総称)と、比較結果が予め定められた条件を満たした場合に検出された生体情報(新生体情報)、又は当該生体情報および過去の生体情報に基づいて導出される生体情報(中央値)を出力する出力部52とを含む。
当該構成によれば、計測装置は、過去の生体情報との比較結果を満足しない生体情報をノイズとして破棄するため、不正確な生体情報を検出することを抑制できる。
(構成2) (構成1)において、比較部66は、検出された生体情報と、メモリ154に記憶された最も新しい生体情報とを比較するように構成される。
生体情報(特に、心拍数および呼吸数)は、平静時は短時間で急激に変動しない。計測装置は、構成2を採用することにより、短時間の間で取得された新生体情報と旧生体情報との比較結果に基づいて、新生体情報をノイズであるか否かを判断できる。その結果、計測装置は、新生体情報がノイズであるか否かの判断を高精度に行なうことができる。
(構成3) (構成1)または(構成2)において、出力部52は、メモリ154に記憶された生体情報(旧生体情報)に対する検出された生体情報(新生体情報)の変動率が予め定められた範囲内である場合に、検出された生体情報、又は導出される生体情報を出力するように構成される。
(構成4) (構成1)〜(構成3)のいずれかにおいて、制御回路は、比較部が検出された生体情報とメモリ154に記憶された過去の生体情報とを比較する処理を実行した回数をカウントするカウンタ68(78)をさらに含む。比較部66は、カウントされた回数が所定回数である場合に、比較する処理を中止するようにさらに構成される。
当該構成によれば、計測装置は、万が一不正確な生体情報を検出した場合であっても、その後に正確な生体情報を迅速に検出できる。
(構成5) (構成1)〜(構成4)のいずれかにおいて、制御回路は、ドップラ信号から生体の動きに関する体動信号を抽出するアナログ信号処理回路41(の信号処理回路149Bおよび149D)と、ドップラ信号から生体の呼吸に関する呼吸信号を抽出するアナログ信号処理回路41(の信号処理回路149Bおよび149D)およびLPF72と、体動信号の振幅と、呼吸信号の振幅との比率を算出する比率算出部55とをさらに含む。
(構成6) (構成5)において、メモリ154は、比率と検出された生体情報の正確度との対応関係を表す確度テーブル1500,1600をさらに記憶している。出力部52は、対応関係に基づいて比率に対応する正確度(つまり、検出された生体情報の正確度)を、検出された生体情報、又は導出される生体情報とともに出力するように構成される。
当該構成によれば、計測装置のユーザ(生体又は生体の観察者)は、計測装置により出力される生体情報の正確度を容易に認識できる。
(構成7) (構成5)において、出力部52は、算出された比率(動き指標)が予め定められた閾値以下である場合に、検出された生体情報、又は導出される生体情報を出力するように構成される。
当該構成によれば、計測装置は、生体の身体の動きが大きい場合、つまり、検出された生体情報の検出精度が低い場合に、当該検出された生体情報を放棄し出力しない。これにより、この計測装置は、生体情報の検出精度を向上させ得る。
(構成8) (構成1)〜(構成7)のいずれかに従う計測装置は、端末装置200と通信するための通信インターフェイス158をさらに備える。出力部52は、通信インターフェイス158を介して検出された生体情報、又は導出される生体情報を端末装置200に出力するように構成される。
当該構成によれば、端末装置200のユーザは、検出された生体情報を容易に認識できる。
上述した各種処理は、制御回路152のマイクロプロセッサ45がメモリ154に格納される計測プログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部又は全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。
上述した各種処理は、1つのマイクロプロセッサ45によって実現されるものとしてあるが、これに限られない。これらの各種機能は、少なくとも1つのプロセッサのような半導体集積回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのDSP(Digital Signal Processor)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、および/またはその他の演算機能を有する回路によって実装され得る。
これらの回路は、有形の読取可能な少なくとも1つの媒体から、1以上の命令を読み出すことにより上記の各種処理を実行しうる。
このような媒体は、磁気媒体(たとえば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、DVD)、揮発性メモリ、不揮発性メモリの任意のタイプのメモリなどの形態をとるが、これらの形態に限定されるものではない。
揮発性メモリはDRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)を含み得る。不揮発性メモリは、ROM、NVRAMを含み得る。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
40 ドップラセンサ、41 アナログ信号処理回路、43 ADコンバータ、45 マイクロプロセッサ、50,50B 動き検出部、52 出力部、52I,52Q 振幅検出部、54,64,74,74B 振幅閾値確認部、55 比率算出部、56 比率判断部、57 正確度判断部、60,60A,60B 心拍演算部、65I,65Q 心拍数検出部、66,66I,66IA,66IB,66Q,66QA,66QB,76I,76IA,76IB,76Q,76QA,76QB,86 比較部、67,77 メディアン処理部、68,78 カウンタ、70,70A,70B 呼吸演算部、75I,75Q 呼吸数検出部、85 検出部、100,100A,100B 計測装置、149A,149B,149C,149D 信号処理回路、152,152A,152B 制御回路、154 メモリ、155 履歴領域、156 スピーカ、158 通信インターフェイス、200 端末装置、300 ネットワーク、1000 計測システム、1500,1600 確度テーブル。

Claims (9)

  1. 生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するドップラセンサと、
    前記ドップラ信号に基づいて前記生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出する制御回路と、
    前記検出された生体情報を記憶するためのメモリとを備え、
    前記制御回路は、
    前記検出された生体情報と、前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する比較部と、
    前記比較結果が予め定められた条件を満たした場合に前記検出された生体情報、又は当該生体情報および前記過去の生体情報に基づいて導出される生体情報を出力する出力部と
    前記比較部が前記検出された生体情報と前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する処理を実行した回数をカウントするカウンタとを含み、
    前記比較部は、前記カウントされた回数が所定回数である場合に、前記比較する処理を中止するようにさらに構成され、
    前記出力部は、前記検出された生体情報、又は前記導出される生体情報を出力するように構成される、計測装置。
  2. 前記比較部は、前記検出された生体情報と、前記メモリに記憶された最も新しい生体情報とを比較するように構成される、請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記出力部は、前記メモリに記憶された過去の生体情報に対する前記検出された生体情報の変動率が予め定められた範囲内である場合に、前記検出された生体情報、又は前記導出される生体情報を出力するように構成される、請求項1または2に記載の計測装置。
  4. 生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するドップラセンサと、
    前記ドップラ信号に基づいて前記生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出する制御回路と、
    前記検出された生体情報を記憶するためのメモリとを備え、
    前記制御回路は、
    前記検出された生体情報と、前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する比較部と、
    前記比較結果が予め定められた条件を満たした場合に前記検出された生体情報、又は当該生体情報および前記過去の生体情報に基づいて導出される生体情報を出力する出力部と、
    前記ドップラ信号から前記生体の動きに関する体動信号を抽出する第1抽出部と、
    前記ドップラ信号から前記生体の呼吸に関する呼吸信号を抽出する第2抽出部と、
    前記体動信号の振幅と、前記呼吸信号の振幅との比率を算出する比率算出部とを含、計測装置。
  5. 生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するドップラセンサと、
    前記ドップラ信号に基づいて前記生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出する制御回路と、
    前記検出された生体情報を記憶するためのメモリとを備え、
    前記制御回路は、
    前記検出された生体情報と、前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する比較部と、
    前記比較結果が予め定められた条件を満たした場合に前記検出された生体情報、又は当該生体情報および前記過去の生体情報に基づいて導出される生体情報を出力する出力部と、
    前記ドップラ信号から前記生体の動きに関する体動信号を抽出する第1抽出部と、
    前記ドップラ信号から前記生体の呼吸に関する呼吸信号を抽出する第2抽出部と、
    前記体動信号の振幅と、前記呼吸信号の振幅との比率を算出する比率算出部とを含み、
    前記メモリは、前記比率と前記検出された生体情報の正確度との対応関係をさらに記憶しており、
    前記出力部は、前記対応関係に基づいて前記比率に対応する正確度を、前記検出された生体情報、又は前記導出される生体情報とともに出力するように構成される、計測装置。
  6. 生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するドップラセンサと、
    前記ドップラ信号に基づいて前記生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出する制御回路と、
    前記検出された生体情報を記憶するためのメモリとを備え、
    前記制御回路は、
    前記検出された生体情報と、前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する比較部と、
    前記比較結果が予め定められた条件を満たした場合に前記検出された生体情報、又は当該生体情報および前記過去の生体情報に基づいて導出される生体情報を出力する出力部と、
    前記ドップラ信号から前記生体の動きに関する体動信号を抽出する第1抽出部と、
    前記ドップラ信号から前記生体の呼吸に関する呼吸信号を抽出する第2抽出部と、
    前記体動信号の振幅と、前記呼吸信号の振幅との比率を算出する比率算出部とを含み、
    前記出力部は、前記算出された比率が予め定められた値に対する条件を満たした場合に、前記検出された生体情報、又は前記導出される生体情報を出力するように構成される、計測装置。
  7. 外部装置と通信するための通信インターフェイスをさらに備え、
    前記出力部は、前記通信インターフェイスを介して前記検出された生体情報、又は前記導出される生体情報を前記外部装置に出力するように構成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の計測装置。
  8. 生体情報を計測するための計測方法であって、
    生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するステップと、
    前記ドップラ信号に基づいて前記生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出するステップと、
    前記検出された生体情報をメモリに記憶するステップと、
    前記検出された生体情報と、前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較するステップと、
    前記比較結果が予め定められた条件を満たした場合に前記検出された生体情報、又は当該生体情報および前記過去の生体情報に基づいて導出される生体情報を出力するステップと
    前記検出された生体情報と前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する処理を実行した回数をカウントするステップと、
    前記カウントされた回数が所定回数である場合に、前記比較する処理を中止するステップとを備える、計測方法。
  9. 生体情報を計測するための計測プログラムであって、
    前記計測プログラムは計測装置に、
    生体にマイクロ波を照射し、当該マイクロ波の反射波を受信するとともに、当該マイクロ波と当該反射波とに基づいてドップラ信号を出力するステップと、
    前記ドップラ信号に基づいて前記生体の心拍数および呼吸数の少なくとも一方を含む生体情報を検出するステップと、
    前記検出された生体情報をメモリに記憶するステップと、
    前記検出された生体情報と、前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較するステップと、
    前記比較結果が予め定められた条件を満たした場合に前記検出された生体情報、又は当該生体情報および前記過去の生体情報に基づいて導出される生体情報を出力するステップと
    前記検出された生体情報と前記メモリに記憶された過去の生体情報とを比較する処理を実行した回数をカウントするステップと、
    前記カウントされた回数が所定回数である場合に、前記比較する処理を中止するステップとを実行させる、計測プログラム。
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