JP6885508B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに周波数が異なる複数の信号を送受信するアンテナ装置に関する。
従来、地板(導体板)に切り込み部を設けた、いわゆるノッチアンテナが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の平面アンテナ(アンテナ装置)は、所定形状の切り込み部が形成された地板(導体板)と、地板と分離して切り込み部の内部に配置される導体部(導体パターン)と、地板の端辺上に配置されて導体部に給電を行う給電点と、地板と導体部とを電気的に分離する開放端とを備えている。
この構成により、特許文献1の平面アンテナは、所望の動作周波数で共振し、アンテナとして動作することができる。
特開2006−140735号公報
近年、1つの平面アンテナで、互いに周波数が異なる複数の信号を送受信することが望まれている。しかしながら、特許文献1の平面アンテナ(アンテナ装置)は、1つの周波数に対して共振するので、複数の周波数のそれぞれに対応する共振はできない。そのため、複数の周波数の信号を送受信するアンテナとしては利用できない。
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、本発明の目的は、複数の周波数のそれぞれに対応する共振を行い、互いに周波数が異なる複数の信号を送受信するアンテナ装置を提供することにある。
本発明の一態様に係るアンテナ装置は、第1周波数の信号及び前記第1周波数より周波数が高い第2周波数の信号を送信する。前記アンテナ装置は、一端に開口端、他端に閉口端及び前記開口端と前記閉口端との間に一対の側端を有する切り込み部が設けられた導体板と、導体パターンと、給電部と、を備える。前記導体パターンは、前記切り込み部に設けられ、共通導体、第1導体及び第2導体を含む。前記給電部は、前記導体板と前記導体パターンとの接続部に配置され、前記導体パターンに給電を行う。前記第1導体及び前記第2導体のそれぞれは、前記共通導体を介して前記給電部に接続されている。前記給電部は、前記一対の側端のうち一方の側端において、前記開口端までの距離が前記閉口端までの距離よりも短くなる位置に配置されている。前記第1導体の一部は、前記第2導体と前記一対の側端のうち他方の側端との間に位置している。前記他方の側端に沿った方向の前記第1導体の長さは、前記他方の側端に沿った方向の前記第2導体の長さよりも長い。
本発明の上記態様に係るアンテナ装置によれば、複数の周波数のそれぞれに対応する共振を行い、互いに周波数が異なる複数の信号を送受信することができる。
図1Aは、実施形態1に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。図1Bは、同上のアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。 図2Aは、同上のアンテナ装置に第1周波数の電流が流れた際の電流分布を示す図である。図2Bは、同上のアンテナ装置に第2周波数の電流が流れた際の電流分布を示す図である。 図3は、同上のアンテナ装置におけるリターンロスの計測結果を示す図である。 図4は、同上のアンテナ装置における第1部分導体と側端との距離と帯域幅との関係を示す図である。 図5は、実施形態1の変形例に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。 図6Aは、実施形態2に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。図6Bは、実施形態2の変形例1に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。 図7は、実施形態2の変形例2に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。 図8は、実施形態2の変形例3に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。 図9Aは、同上のアンテナ装置に第1周波数の電流が流れた際の電流分布を示す図である。図9Bは、同上のアンテナ装置に第2周波数の電流が流れた際の電流分布を示す図である。 図10は、同上のアンテナ装置におけるリターンロスの計測結果を示す図である。 図11Aは、実施形態2の変形例4に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。図11Bは、実施形態2の変形例5に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。 図12は、実施形態2の変形例6に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。 図13は、実施形態2の変形例7に係るアンテナ装置の要部を模式的に示す図である。
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、各実施形態及び変形例に限定されない。これらの実施形態及び変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態及び変形例において、説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
以下、本実施形態に係るアンテナ装置について、図1A〜図4を用いて説明する。
(1)概要
本実施形態のアンテナ装置1は、各周波数帯の信号を送受信するアンテナ装置として携帯電話機、スマートフォンなどに用いられる。例えば、本実施形態のアンテナ装置1は、ノッチアンテナである。
アンテナ装置1は、複数の周波数で信号の送受信を行うように構成されている。アンテナ装置1は、2.4GHzを第1周波数として、5.5GHzを第2周波数として、それぞれの周波数で信号の送受信を行うように構成されている。すなわち、アンテナ装置1は、複数の周波数で共振が可能となるように構成されている。
(2)構成
本実施形態のアンテナ装置1は、図1Aに示すように、矩形状(ここでは、正方形状)であって一端部に切り込み部11を有する導体板10を含む(図1A参照)。導体板10は、導電性の材料(例えば、銅)で形成され、例えば樹脂基板(プリント基板)に設けられている。導体板10の電位は接地電位である。つまり、導体板10は、接地されている。なお、導体板10は、単層であってもよいし、多層であってもよい。導体板10は、多層に設けられる場合、例えばプリント基板の両面に設けられる場合、一の面における導体板10の形状と他の面に設けられる導体板10の形状は同一である。
切り込み部11は、導体板10の一端部側に開口端111を有している。切り込み部11は、開口端111に対向し、開口端111よりも内側に閉口端112を有している。さらに、切り込み部11は、開口端111と閉口端112との間に側端113,114を有し、側端113,114は互いに対向するように設けられている(図1B参照)。ここで、閉口端112の長さと側端113,114の長さとの合計長は、第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11は構成されている。
アンテナ装置1は、図1Bに示すように、切り込み部11内において、導体パターン20と、給電部30と、第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32とを備える。
導体パターン20は、導体板10が形成されたプリント基板に導電性の材料(例えば、銅)でパターン形成されている。導体パターン20は、導体板10の一部を用いて形成されてもよい。導体パターン20は、導体板10と電気的に絶縁されている。
導体パターン20は、共通導体21と、第1導体22と、第2導体23とを有している。第1導体22及び第2導体23のそれぞれは、共通導体21を介して給電部30に接続されている。
共通導体21は、開口端111側において、側端113から側端114に向う方向に延びて存在するように設けられている。共通導体21の両端のうち一端と側端113との間には、給電部30が設けられている。共通導体21の両端のうち他端は、側端114に向う方向に延びて存在する第1部位100と、閉口端112に向う方向に延びて存在する第2部位101とを有する。
第1導体22は、図1Bに示すように、第1部分導体221と、第2部分導体222と、第3部分導体223とを有する。
第1部分導体221は、開口端111から閉口端112に向う方向、つまり側端113,114に沿って延びて存在するように設けられている。第1部分導体221の一端は、第1周波数調整素子31を介して共通導体21の第1部位100と接続している。第2部分導体222は、側端114から側端113に沿う方向、つまり閉口端112に沿って延びて存在するように設けられている。第2部分導体222の一端は、第1部分導体221の他端と結合している。第3部分導体223は、閉口端112から開口端111に向う方向、つまり側端113,114に沿って延びて存在するように設けられている。第3部分導体223の一端は、第2部分導体222の他端と結合している。つまり、第1導体22は角ばったJ字状である。
第2導体23は、開口端111から閉口端112に向う方向に沿って延びて存在するように設けられている。第2導体23の一端は、第2周波数調整素子32を介して共通導体21の第2部位101と接続している。第2導体23の他端である開放端231は、第3部分導体223の他端である開放端224と対向するように設けられている。つまり、第1導体22の開放端224と、第2導体23の開放端231とは、対向してキャパシタを構成する。言い換えると、第1導体22の開放端224と、第2導体23の開放端231とは、キャパシタを構成するように対向している。第1導体22の開放端224と第2導体23の開放端231との間は、エアギャップとして形成されている。なお、第1導体22の開放端224と第2導体23の開放端231との間には、樹脂が設けられてもよい。
第1導体22の一部(第1部分導体221)は、第2導体23と側端114との間に配置されている。つまり、第1部分導体221と側端114との間の距離d1は、第2導体23と側端114との間の距離d2よりも短い。ここで、第1部分導体221と側端114との間の距離d1は、側端113と側端114とが対向する方向において、第1部分導体221と側端114との間における最短の長さである。なお、第1部分導体221と側端114との間の距離d1は、上記方向において、第1部分導体221と側端114との間における最長の長さであってもよいし、平均の長さであってもよい。同様に、第2導体23と側端114との間の距離d2は、上記方向において、第2導体23と側端114との間における最短の長さである。なお、第2導体23と側端114との距離d2は、上記方向において、第2導体23と側端114との間における最長の長さであってもよいし、平均の長さであってもよい。
第2部分導体222と閉口端112との間の距離d3は、第1部分導体221と側端114との間の距離d1よりも長くなるように、第1導体22は構成されている。
第2導体23の先端部(上述した第2導体23の他端)と閉口端112との間の距離d4は、第2導体23と側端114との間の距離d2よりも長くなるように、第2導体23は構成されている。
また、第1導体22の長さ(第1部分導体221の長尺方向の長さと、第2部分導体222の長尺方向の長さと第3部分導体223の長尺方向の長さとの合計値)は、第2導体23の長さ(第2導体23の長尺方向の長さ)よりも長い。
給電部30は、導体板10と導体パターン20とが接続される接続部(接続位置)に配置され、導体パターン20に給電を行う。具体的には、給電部30は、開口端111側であって共通導体21と側端113との間に設けられ、導体パターン20(共通導体21)に給電を行う。なお、給電部30は、側端113の中点に対して開口端111側に設けられていればよい。言い換えると、給電部30から開口端111までの距離が給電部30から閉口端112までの距離よりも短くなるように、給電部30は側端113側に設けられている。
第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32は、チップ素子、具体的にはセラミックスのチップインダクタである。第1周波数調整素子31のインダクタンスは、1nH〜3nHの範囲で設定される。第2周波数調整素子32のインダクタンスは、第1周波数調整素子のインダクタンスよりも小さい。
第1周波数調整素子31は、第1周波数(2.4GHz)において、給電部30から第1導体22を見たインピーダンスが給電部30から第2導体23を見たインピーダンスよりも低くなるように構成される。
第2周波数調整素子32は、第2周波数(5.5GHz)において、給電部30から第2導体23を見たインピーダンスが給電部30から第1導体22を見たインピーダンスよりも低くなるように構成される。
言い換えると、第1周波数では、第1周波数調整素子31のリアクタンスは第2周波数調整素子32のリアクタンスよりも小さくなるように、第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32はそれぞれ構成される。さらに、第2周波数では、第2周波数調整素子32のリアクタンスは第1周波数調整素子31のリアクタンスよりも小さくなるように、第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32はそれぞれ構成される。
つまり、共通導体21に第1周波数の信号が給電部30から入力されると、第1周波数の信号は、第1周波数調整素子31を通過するが、第2周波数調整素子32は通過しにくい。共通導体21に第2周波数の信号が給電部30から入力されると、第2周波数の信号は、第2周波数調整素子32を通過するが、第1周波数調整素子31は通過しにくい。第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32は、所定の周波数の信号を通過させるフィルタとして機能する。
(3)動作
次に、アンテナ装置1の動作として、第1周波数の信号が導体パターン20に入力されたときの共振動作、及び第2周波数の信号が導体パターン20に入力されたときの共振動作について、説明する。
(3−1)第1周波数の信号が入力された場合
第1周波数の信号(電流)が導体パターン20の共通導体21に入力されると、第1周波数の電流は第1周波数調整素子31を通過するが、第2周波数調整素子32は通過しにくいので、第1周波数の電流は、第1導体22に流れる。
第1導体22の第1部分導体221と側端114とでキャパシタが形成されるので、第1周波数の電流は、第1部分導体221と側端114とで形成されるキャパシタを介して側端114に流れる。第1周波数の電流は、さらに、閉口端112、側端113の順に流れる。図2Aに、第1周波数(2.4GHz)の電流が共通導体21に入力された場合の電流分布を示す。図2A中の黒く表された領域は、電流がより多く流れている箇所を表している。図2Aによると、上述したように、共通導体21、第1導体22、側端114、閉口端112及び側端113により多くの第1周波数の電流が流れていることが分かる。
第1周波数の電流が流れると、共通導体21及び第1導体22と第1周波数調整素子31とはインダクタを形成する。さらに、上述したように、第1部分導体221と側端114とは、キャパシタを形成する。これにより、LC共振が発生し、この共振に基づいて導体板10及び切り込み部11の内部の導体パターン20がアンテナ領域となるので、アンテナ装置1はアンテナとして動作する。
このとき、共振周波数は、上記インダクタのインダクタンスと上記キャパシタのキャパシタンスとの平方根と“2π”とを乗算した値の逆数として算出される。第1導体22の長さは、第2導体23の長さよりも長い。そのため、第1周波数の電流が共通導体21に流れた場合において、共通導体21、第1導体22と第1周波数調整素子31とが形成するインダクタのインダクタンスは、共通導体21、第2導体23及び第2周波数調整素子32とが形成するインダクタのインダクタンスよりも大きい。さらに、第1導体22(特に、第1部分導体221)と側端114との間の距離d1が第2導体23と側端114との間の距離d2よりも短いので、第1導体22と側端114とが形成するキャパシタの容量は、比較的大きい。第1周波数の電流が共通導体21に流れる場合における共通導体21、第1導体22と第1周波数調整素子31とが形成するインダクタ及び第1導体22と側端114とが形成するキャパシタとにより、共振周波数は、比較的小さい値となる。その結果、アンテナ装置1は、低周波の信号を送受信する。
(3−2)第2周波数の信号が入力された場合
第2周波数の信号(電流)が導体パターン20の共通導体21に入力されると、第2周波数の電流は第2周波数調整素子32を通過するが、第1周波数調整素子31は通過しにくいので、第2周波数の電流は、第2導体23に流れる。
第2導体23と側端114とでキャパシタが形成されるので、第2周波数の電流は、第2導体23と側端114とで形成されるキャパシタを介して側端114に流れる。第2周波数の電流は、さらに、閉口端112、側端113の順に流れる。図2Bに、第2周波数(5.5GHz)の電流が共通導体21に入力された場合の電流分布を示す。図2B中の黒く表された領域は、電流がより多く流れている箇所を表している。図2Bによると、上述したように、共通導体21、第2導体23、側端114、閉口端112及び側端113により多くの第2周波数の電流が流れていることが分かる。
第2周波数の電流が流れると、共通導体21及び第2導体23と第1周波数調整素子31とはインダクタを形成する。さらに、上述したように、第2導体23と側端114とは、キャパシタを形成する。これにより、LC共振が発生し、この共振に基づいて導体板10及び切り込み部11の内部の導体パターン20がアンテナ領域となるので、アンテナ装置1はアンテナとして動作する。
第2周波数の電流が共通導体21に流れる場合において、共通導体21と第2導体23と第2周波数調整素子32とが形成するインダクタは、共通導体21と第1導体22及び第1周波数調整素子31とが形成するインダクタよりも小さい。さらに、第2導体23と側端114との間の距離d2が第1導体22の第1部分導体221と側端114との間の距離d1よりも長いので、第2導体23と側端114とが形成するキャパシタの容量は、比較的小さい。このとき、第1導体22は浮き電極として見え、第2導体23は、第1導体22を介して側端114と電気的に接続される。第2周波数の電流が共通導体21に流れる場合における共通導体21と第2導体23と第2周波数調整素子32とが形成するインダクタのインダクタンス及び第2導体23と側端114とが形成するキャパシタのキャパシタンスにより、共振周波数は、比較的大きい値となる。その結果、アンテナ装置1は、高周波の信号を送受信する。
(4)利点
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置1は、導体板10に設けられた切り込み部11に、共通導体21、第1導体22及び第2導体23を含む導体パターン20と、給電部30と、第1周波数調整素子31と、第2周波数調整素子32とを備える。
本実施形態のアンテナ装置1では、第1周波数の電流が共通導体21に流れると共通導体21、第1導体22、切り込み部11の側端114、閉口端112及び側端113の順に電流が流れる。このとき、共通導体21、第1導体22及び第1周波数調整素子31がインダクタを形成し、さらに第1導体22の第1部分導体221と側端114とがキャパシタを構成する。この結果、比較的低周波のLC共振が発生する。一方、第2周波数の電流が共通導体21に流れると共通導体21、第2導体23、切り込み部11の側端114、閉口端112及び側端113の順に電流が流れる。このとき、共通導体21、第2導体23及び第2周波数調整素子32がインダクタを形成し、さらに第2導体23と側端114とがキャパシタを構成する。この結果、比較的高周波のLC共振が発生する。
したがって、本実施形態のアンテナ装置1では、複数の周波数(第1周波数、第2周波数)の各々でLC共振する複共振化が可能となる。
ここで、図3に示すグラフG1は、導体パターン20に入力される信号(電流)の周波数を2GHzから7GHzまで変更した場合のリターンロスの計測結果を示している。図3のグラフG1の横軸は周波数(GHz)であり、縦軸はリターンロス(dB)である。グラフG1における座標M1では、周波数の値が“2.21GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。グラフG1における座標M2では、周波数の値が“2.69GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。グラフG1における座標M3では、周波数の値が“4.75GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。グラフG1における座標M4では、周波数の値が“6.72GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。
この計測結果によると、周波数“2.21GHz”〜“2.69GHz”、及び周波数“4.75GHz”〜“6.72GHz”では、安定した通信が可能であることが分かる。つまり、本実施形態のアンテナ装置1では、第1周波数(2.4GHz)の電流及び第2周波数(5.5GHz)の電流では、安定した通信を行うことが可能となる。
また、リターンロスの値が“−6.0dB”以下となる帯域幅は、第1部分導体221と側端114との間の距離d1の値に応じて変化する。以下、第1部分導体221と側端114との間の距離d1について、説明する。図4は、距離d1と、2GHz帯及び5GHz帯の各々のリターンロスの値が“−6.0dB”となる帯域幅との関係を示す。例えば、5GHz帯における帯域幅の基準を1500MHzとすると、距離d1は、0.4mm以上1.0mm以下であることが好ましい。これにより、第1部分導体221と側端114との間の距離d1を、0.4mm以上1.0mm以下の範囲内で設定することにより、第1部分導体221と側端114との間で形成されるキャパシタの容量、及び第2導体23と側端114との間で形成されるキャパシタの容量を大きくすることができるので、通信の高効率化を図ることができる。
(5)変形例
実施形態1において、切り込み部11の形状は、正方形としたが、正方形に限定されない。切り込み部11の形状は、例えば、図5に示すように、側端113,114の長さが開口端111及び閉口端112の長さよりも長い長方形の形状であってもよい。切り込み部11の形状が図5に示すような長方形であるアンテナ装置1は、切り込み部11の形状が正方形である実施形態1のアンテナ装置1と同様の効果を有する。
(実施形態2)
本実施形態では、切り込み部の形状が実施形態1の切り込み部11とは異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に、図6Aを用いて説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一に符号を用いて適宜説明を省略する。
本実施形態の切り込み部11aは、側端113において、側端113と直交する方向にスリット120を有している。本実施形態の切り込み部11aにおいて開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11aは構成されている。
本実施形態の導体パターン20の共通導体21に第1周波数の電流が流れた場合、第1周波数の電流は、実施形態1と同様に、第1部分導体221と側端114とで形成されるキャパシタを介して側端114に流れる。第1周波数の電流は、さらに、閉口端112、側端113の順に流れる。側端113では、第1周波数の電流はスリット120の周囲を通る。さらに、実施形態1と同様に、第1周波数の電流が共通導体21に流れる場合における共通導体21と第1導体22と第1周波数調整素子31とが形成するインダクタのインダクタンス及び第1導体22と側端114とが形成するキャパシタのキャパシタンスとにより、共振周波数は、比較的小さい値となる。その結果、アンテナ装置1aは、低周波の信号を送受信する。
本実施形態の導体パターン20の共通導体21に第2周波数の電流が流れた場合、第2周波数の電流は、実施形態1と同様に、第2導体23と側端114とで形成されるキャパシタを介して側端114に流れる。第2周波数の電流は、さらに、閉口端112、側端113の順に流れる。側端113では、第2周波数の電流はスリット120の周囲を通る。さらに、実施形態1と同様に、第2周波数の電流が共通導体21に流れた場合における共通導体21と第2導体23と第2周波数調整素子32とが形成するインダクタのインダクタンス及び第2導体23と側端114とが形成するキャパシタのキャパシタンスにより、共振周波数は、比較的大きい値となる。その結果、アンテナ装置1aは、高周波の信号を送受信する。
したがって、本実施形態のアンテナ装置1aでは、複共振化が可能となる。
また、導体板10が設けられるプリント基板には、他の部品が設けられる場合がある。そのため、部品の配置によっては、矩形状の切り込み部を形成する際に切り込み部11aの開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように形成することが困難となることがある。そこで、本実施形態のアンテナ装置1aのように、切り込み部11aにスリット120を設けることで、切り込み部11aの開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように構成することができる。
ここで、本実施形態の変形例1について説明する。
実施形態2では、スリット120は側端113に設けられている構成としたが、この構成に限定されない。変形例1のアンテナ装置1bの切り込み部11bは、図6Bに示すように、側端114において、側端114と直交する方向にスリット121を有している。切り込み部11bにおいて開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11bは構成されている。
変形例1のアンテナ装置1bは、スリット121の位置が実施形態2のスリット120の位置と異なるのみであるので、実施形態2のアンテナ装置1aと同等の効果を有する。
次に、本実施形態の変形例2について説明する。
変形例2のアンテナ装置1cの切り込み部11cは、図7に示すように、閉口端112において、閉口端112と直交する方向にスリット122を有している。切り込み部11cにおいて開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11cは構成されている。
変形例2のアンテナ装置1cは、スリット122の位置が実施形態2のスリット120の位置と異なるのみであるので、実施形態2のアンテナ装置1aと同等の効果を有する。
次に、本実施形態の変形例3について説明する。
変形例3のアンテナ装置1dの切り込み部11dは、図8に示すように、実施形態2で説明したスリット120、変形例1で説明したスリット121及び変形例2で説明したスリット122を有している。切り込み部11dにおいて開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11dは構成されている。
第1周波数の信号(電流)が変形例3の導体パターン20の共通導体21に入力されると、第1周波数の電流は第1周波数調整素子31を通過するが、第2周波数調整素子32は通過しにくい。さらに、第1導体22の第1部分導体221と側端114とでキャパシタンスが形成される。そのため、第1周波数の電流は、共通導体21、第1周波数調整素子31、第1導体22(特に、第1部分導体221)、側端114、閉口端112、側端113の順に流れる。図9Aに、第1周波数(2.4GHz)の電流が共通導体21に入力された場合の電流分布を示す。図9A中の黒く表された領域は、電流がより多く流れている箇所を表している。図9Aによると、上述したように、共通導体21、第1導体22、側端114、閉口端112及び側端113により多くの第1周波数の電流が流れていることが分かる。
したがって、変形例3のアンテナ装置1dでは、第1周波数の電流が流れると、実施形態1のアンテナ装置1と同様に、共通導体21及び第1導体22と第1周波数調整素子31とで形成されるインダクタンス、及び第1部分導体221と側端114とで形成されるキャパシタンスによるLC共振が発生する。この共振に基づいて導体板10及び切り込み部11dの内部の導体パターン20がアンテナ領域となるので、アンテナ装置1dはアンテナとして動作する。このとき、共振周波数は、実施形態1と同様に比較的小さい値となる。その結果、アンテナ装置1dは、低周波の信号を送受信する。
第2周波数の信号(電流)が変形例3の導体パターン20の共通導体21に入力されると、第2周波数の電流は第2周波数調整素子32を通過するが、第1周波数調整素子31は通過しにくい。さらに、第2導体23と側端114とでキャパシタンスが形成される。そのため、第2周波数の電流は、共通導体21、第2周波数調整素子32、第2導体23、側端114、閉口端112、側端113の順に流れる。図9Bに、第2周波数(5.5GHz)の電流が共通導体21に入力された場合の電流分布を示す。図9B中の黒く表された領域は、電流がより多く流れている箇所を表している。図9Bによると、上述したように、共通導体21、第2導体23、側端114、閉口端112及び側端113により多くの第1周波数の電流が流れていることが分かる。
したがって、変形例3のアンテナ装置1dでは、第2周波数の電流が流れると、実施形態1のアンテナ装置1と同様に、共通導体21及び第2導体23と第2周波数調整素子32とで形成されるインダクタンス、及び第2導体23と側端114とで形成されるキャパシタンスによるLC共振が発生する。この共振に基づいて導体板10及び切り込み部11dの内部の導体パターン20がアンテナ領域となるので、アンテナ装置1dはアンテナとして動作する。このとき、共振周波数は、実施形態1と同様に比較的大きい値となる。その結果、アンテナ装置1dは、高周波の信号を送受信する。
以上説明したように、変形例3のアンテナ装置1dは、実施形態1と同様に複共振化が可能となる。
ここで、変形例3のアンテナ装置1dにおけるリターンロスの計測結果を図10に示す。図10に示すグラフG11は、導体パターン20に入力する信号(電流)の周波数を2GHzから7GHzまで変更した場合のリターンロスの計測結果を示す。図10のグラフG11の横軸は周波数(GHz)であり、縦軸はリターンロス(dB)である。グラフG11における座標M11では、周波数の値が“2.13GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。グラフG11における座標M12では、周波数の値が“2.58GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。グラフG11における座標M13では、周波数の値が“4.69GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。グラフG11における座標M14では、周波数の値が“6.65GHz”であり、これに対応するリターンロスの値が“−6.0dB”である。
この計測結果によると、周波数“2.13GHz”〜“2.58GHz”、及び周波数“4.69GHz”〜“6.65GHz”では、安定した通信が可能であることが分かる。つまり、変形例3のアンテナ装置1dは、第1周波数(2.4GHz)の電流及び第2周波数(5.5GHz)の電流では、安定した通信を行うことが可能となる。
次に、本実施形態の変形例4〜変形例6について説明する。
変形例4のアンテナ装置1eの切り込み部11eは、図11Aに示すように、実施形態2で説明したスリット120、変形例1で説明したスリット121を有している。切り込み部11eは、切り込み部11eにおいて開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11eは構成されている。
変形例5のアンテナ装置1fの切り込み部11fは、図11Bに示すように、実施形態2で説明したスリット120、変形例2で説明したスリット122を有している。切り込み部11fは、切り込み部11fにおいて開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11fは構成されている。
変形例6のアンテナ装置1gの切り込み部11gは、図12に示すように、変形例1で説明したスリット121、変形例2で説明したスリット122を有している。切り込み部11gは、切り込み部11gにおいて開口端111を除く全周の長さが第1周波数の波長の半分となるように、切り込み部11gは構成されている。
これらの変形例のアンテナ装置1e〜1gは、実施形態1及び変形例1〜3のアンテナ装置1a〜1dと同等の効果を有する。
次に、本実施形態の変形例7について説明する。
変形例7のアンテナ装置1hでは、側端113に設ける切り込み部の位置が、実施形態2で説明したスリット120の位置と異なる。変形例7のアンテナ装置1hでは、切り込み部11hが有するスリット130(側端113に設けるスリット130)は、図13に示すように、側端113の中点に対して開口端111側に設けられる。言い換えると、スリット130から開口端111までの距離がスリット130から閉口端112までの距離よりも短くなるように、スリット130は側端113に設けられている。
変形例7のアンテナ装置1hは、スリット130の位置が実施形態2のスリット120の位置と異なるのみであるので、実施形態2のアンテナ装置1aと同等の効果を有する。つまり、側端113に設けられる切り込み部は、側端113の中点に対して開口端111側に設けられてもよいし、閉口端112側に設けられてもよい。もちろん、側端113に設けられる切り込み部は、側端113の中点に設けられてもよい。
なお、変形例1で説明したスリット121についても側端114に設けられる位置は、限定されない。側端113に設けられるスリット121は、側端114の中点に対して開口端111側に設けられてもよいし、閉口端112側に設けられてもよい。または、側端113に設けられるスリット121は、側端114の中点に設けられてもよい。
同様に、変形例2で説明したスリット122は、閉口端112の中点に対して側端113側に設けられてもよいし、側端114側に設けられてもよい。または、閉口端112に設けられるスリット122は、閉口端112の中点に設けられてもよい。
(その他の変形例)
以下に、その他の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記各実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
上記各実施形態において、切り込み部11の形状は、矩形状に限らず、台形、曲線形状(例えば、半円形状)であってもよい。
上記各実施形態において、第2周波数調整素子32をセラミックスのチップインダクタとする構成としたが、これに限定されない。第2周波数調整素子32は、セラミックスのチップキャパシタでもよい。
また、第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32は、チップインダクタで構成される場合、セラミックスの代わりに巻線タイプのチップインダクタであってもよい。
または、共通導体21において第1導体22と対向する先端部(第1部位100)、及び第1導体22において共通導体21(第1部位100)と対向する先端部を、それぞれ幅を細くしてインダクタを形成する構成であってもよい。同様に、共通導体21において第2導体23と対向する先端部(第2部位101)、及び第2導体23において共通導体21(第2部位101)と対向する先端部を、それぞれ幅を細くしてインダクタ又はキャパシタを形成する構成であってもよい。
また、上記各実施形態において、アンテナ装置1,1a〜1hは、第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32を備える構成としたが、この構成に限定されない。第1周波数調整素子31及び第2周波数調整素子32は、アンテナ装置1,1a〜1hの必須の構成要素ではない。例えば、アンテナ装置1,1a〜1hが、第1周波数調整素子31を備えない構成、つまり第1導体22が共通導体21に直接接続されている場合であっても、第1導体22の長さを適切に調整すれば第1周波数(2.4GHz)での放射が可能である。同様に、アンテナ装置1,1a〜1hが、第2周波数調整素子32を備えない構成、つまり第2導体23が共通導体21に直接接続されている場合であっても、第2導体23の長さを適切に調整すれば第2周波数(5.5GHz)での放射が可能である。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から以下の態様が発明されていることは明らかである。
第1の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)は、第1周波数の信号及び第1周波数より周波数が高い第2周波数の信号を送信する。アンテナ装置(1;1a〜1h)は、一端に開口端(111)、他端に閉口端(112)及び開口端(111)と閉口端(112)との間に一対の側端(113;114)を有する切り込み部(11;11a〜11h)が設けられた導体板(10)と、導体パターン(20)と、給電部(30)と、を備える。導体パターン(20)は、切り込み部(11;11a〜11h)に設けられ、共通導体(21)、第1導体(22)及び第2導体(23)を含む。給電部(30)は、導体板(10)と導体パターン(20)との接続部に配置され、導体パターン(20)に給電を行う。第1導体(22)及び第2導体(23)のそれぞれは、共通導体(21)を介して給電部(30)に接続されている。給電部(30)は、一対の側端(113;114)のうち一方の側端(113)において、開口端(111)までの距離が閉口端(112)までの距離よりも短くなる位置に配置されている。第1導体(22)の一部(第1部分導体221)は、第2導体(23)と一対の側端(113;114)のうち他方の側端(114)との間に位置している。他方の側端(114)に沿った方向の第1導体(22)の長さは、他方の側端(114)に沿った方向の第2導体(23)の長さよりも長い。
この構成によると、第1周波数と第2周波数とで共振させることが可能となる。したがって、複数の周波数のそれぞれに対応する共振を行い、互いに周波数が異なる複数の信号を送受信することができる。さらに、導体板(10)及び導体パターン(20)がアンテナとして動作する面積が大きいのでアンテナとしての効率を向上させることができる。
第2の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第1の態様において、第1導体(22)の開放端(224)と、第2導体(23)の開放端(231)とは、対向してキャパシタを構成する。
この構成によると、第1導体(22)の開放端(224)と、第2導体(23)の開放端(231)とでキャパシタを構成することで、開放端(224)と開放端(231)との間で容量を有することとなる。これにより、第1周波数調整素子(31)と第2周波数調整素子(32)とのそれぞれの定数を容易に設定することができる。
第3の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第1又は第2の態様において、切り込み部(11;11a〜11h)は矩形状である。
この構成によると、他方の側端(114)と第1導体(22)との間における容量、及び他方の側端(114)と第2導体(23)との間における容量の調整が容易になる。
第4の態様のアンテナ装置(1)では、第1〜第3のいずれかの態様において、一対の側端(113;114)と閉口端(112)との長さの合計は、第1周波数に対する波長の半分である。
この構成によると、導体板(10)及び導体パターン(20)において、第1周波数での電流分布、及び第2周波数での電流分布について、所望する電流分布を得やすくなる。
第5の態様のアンテナ装置(1a〜1h)では、第1〜第3のいずれかの態様において、切り込み部(11a〜11h)は、少なくとも1つのスリット(120〜122;130)を有する。切り込み部(11a〜11h)において開口端(111)を除く全周の長さは、第1周波数に対する波長の半分である。
この構成によると、導体板(10)及び導体パターン(20)において、第1周波数での電流分布、及び第2周波数での電流分布について、所望する電流分布を得やすくなる。
第6の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第1〜第5のいずれかの態様において、第1導体(22)と閉口端(112)との間の距離は、第1導体(22)と他方の側端(114)との距離よりも長い。
この構成によると、第1導体(22)と閉口端(112)との間よりも第1導体(22)と他方の側端(114)との間で容量を得やすくなる。これにより、第1導体(22)と他方の側端(114)との間で電流を集中させることができる。その結果、所望する電流の分布を得やすくなる。
第7の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第1〜第6のいずれかの態様において、第2導体(23)と閉口端(112)との間の距離は、第1周波数において第2導体(23)と他方の側端(114)との距離よりも長い。
この構成によると、第2導体(23)と閉口端(112)との間よりも第2導体(23)と他方の側端(114)との間で容量を得やすくなる。これにより、第2導体(23)と他方の側端(114)との間で電流を集中させることができる。その結果、第2周波数において所望する電流の分布を得やすくなる。
第8の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第1〜第7のいずれかの態様において、給電部(30)は、一方の側端(113)の開口端(111)の側に配置されている。
この構成によると、給電部(30)から共通導体(21)までの電流の経路において、第1導体(22)及び第2導体(23)に流れる電流の向きと逆向きの経路が存在しなくなる。言い換えると、第1導体(22)及び第2導体(23)に流れる電流の位相と逆位相の電流が流れないので、安定した通信を行うことができる。
第9の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第1〜第8のいずれかの態様において、第1導体(22)と他方の側端(114)との間で形成されるキャパシタの容量は、第2導体(23)と他方の側端(114)との間で形成されるキャパシタの容量よりも大きい。
この構成によると、第1導体(22)を用いて低周波の共振を発生させ、第2導体(23)を用いて高周波の共振を発生させることができる。
第10の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第1〜第9のいずれかの態様において、第1周波数調整素子(31)と、第2周波数調整素子(32)と、を更に備える。第1周波数調整素子(31)は、共通導体(21)と、第1導体(22)とを接続する。第2周波数調整素子(32)は、共通導体(21)と、第2導体(23)とを接続する。
この構成によると、第1周波数調整素子(31)は第1周波数を調整でき、第2周波数調整素子(32)は第2周波数を調整できる。
第11の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第10の態様において、第1周波数では、第1周波数調整素子(31)のリアクタンスが第2周波数調整素子(32)のリアクタンスよりも小さくなるように、第2周波数では、第2周波数調整素子(32)のリアクタンスが第1周波数調整素子(31)のリアクタンスよりも小さくなるように、第1周波数調整素子(31)及び第2周波数調整素子(32)はそれぞれ構成される。
この構成によると、低周波の電流が第1導体(22)に、高周波の電流が第2導体(23)に、それぞれ流れるように構成することができる。
第12の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第10又は第11の態様において、第1周波数調整素子(31)は、第1周波数において、給電部(30)から第1導体(22)を見たインピーダンスが給電部(30)から第2導体(23)を見たインピーダンスよりも低くなるように構成される。
この構成によると、第1周波数調整素子(31)を、所定の周波数の信号を通過させるフィルタとして機能させることができる。
第13の態様のアンテナ装置(1;1a〜1h)では、第10〜第12のいずれかの態様において、第2周波数調整素子(32)は、第2周波数において、給電部(30)から第2導体(23)を見たインピーダンスが給電部(30)から第1導体(22)を見たインピーダンスよりも低くなるように構成される。
この構成によると、第2周波数調整素子(32)を、所定の周波数の信号を通過させるフィルタとして機能させることができる。
1,1a〜1h アンテナ装置
10 導体板
11,11a〜11h 切り込み部
20 導体パターン
21 共通導体
22 第1導体
23 第2導体
30 給電部
31 第1周波数調整素子
32 第2周波数調整素子
111 開口端
112 閉口端
113,114 側端
120〜122,130 スリット
224,231 開放端

Claims (13)

  1. 第1周波数の信号及び前記第1周波数より周波数が高い第2周波数の信号を送信するアンテナ装置であって、
    一端に開口端、他端に閉口端及び前記開口端と前記閉口端との間に一対の側端を有する切り込み部が設けられた導体板と、
    前記切り込み部に設けられ、共通導体、第1導体及び第2導体を含む導体パターンと、
    前記導体板と前記導体パターンとの接続部に配置され、前記導体パターンに給電を行う給電部と、を備え、
    前記第1導体及び前記第2導体のそれぞれは、前記共通導体を介して前記給電部に接続されており、
    前記給電部は、前記一対の側端のうち一方の側端において、前記開口端までの距離が前記閉口端までの距離よりも短くなる位置に配置されており、
    前記第1導体の一部は、前記第2導体と前記一対の側端のうち他方の側端との間に位置しており、
    前記他方の側端に沿った方向の前記第1導体の長さは、前記他方の側端に沿った方向の前記第2導体の長さよりも長い、
    アンテナ装置。
  2. 前記第1導体の開放端と、前記第2導体の開放端とは、対向してキャパシタを構成する、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記切り込み部は矩形状である、
    請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記一対の側端と前記閉口端との長さの合計は、第1周波数に対する波長の半分である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記切り込み部は、少なくとも1つのスリットを有し、
    前記切り込み部において前記開口端を除く全周の長さは、第1周波数に対する波長の半分である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1導体と前記閉口端との間の距離は、前記第1導体と前記他方の側端との距離よりも長い、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第2導体と前記閉口端との間の距離は、前記第2導体と前記他方の側端との距離よりも長い、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記給電部は、前記一方の側端の前記開口端の側に配置されている、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記第1導体と前記他方の側端との間で形成されるキャパシタの容量は、前記第2導体と前記他方の側端との間で形成されるキャパシタの容量よりも大きい、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  10. 前記共通導体と、前記第1導体とを接続する第1周波数調整素子と、
    前記共通導体と、前記第2導体とを接続する第2周波数調整素子と、を更に備える、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  11. 前記第1周波数では、前記第1周波数調整素子のリアクタンスが前記第2周波数調整素子のリアクタンスよりも小さくなるように、
    前記第2周波数では、前記第2周波数調整素子のリアクタンスが前記第1周波数調整素子のリアクタンスよりも小さくなるように、
    前記第1周波数調整素子及び前記第2周波数調整素子はそれぞれ構成される、
    請求項10に記載のアンテナ装置。
  12. 前記第1周波数調整素子は、前記第1周波数において、前記給電部から前記第1導体を見たインピーダンスが前記給電部から前記第2導体を見たインピーダンスよりも低くなるように構成される、
    請求項10又は11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記第2周波数調整素子は、前記第2周波数において、前記給電部から前記第2導体を見たインピーダンスが前記給電部から前記第1導体を見たインピーダンスよりも低くなるように構成される、
    請求項10〜12のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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