JP6876189B1 - フレネルロム、該フレネルロムを備えた計測装置及び光アッテネーター - Google Patents

フレネルロム、該フレネルロムを備えた計測装置及び光アッテネーター Download PDF

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Abstract

【課題】位相差がλ/2(180°)であり、真空紫外から近赤外の波長領域で使用可能であるフレネルロムを提供する。【解決手段】等方性材料で形成された平行四辺形状の第一菱面体10及び第二菱面体20を備えるフレネルロムHWPであって、第一全反射面13、第二全反射面14、第三全反射面23及び第四全反射面24の少なくとも1つ以上の面には、多層膜Mが形成されており、多層膜Mは、等方性材料よりも屈折率の大きい高屈折率材料で形成性された高屈折率膜MHと、等方性材料よりも屈折率の小さい低屈折率材料で形成性された低屈折率膜MLと、が交互に積層されており、真空紫外から近赤外の波長領域において入射光線Iに対して略180°の位相差を与える。【選択図】図1A

Description

本発明は、フレネルロム、該フレネルロムを備えた計測装置及び光アッテネーターに係り、特に入射光線に対して180度の位相差を与えるλ/2フレネルロム、該フレネルロムを備えた計測装置及び光アッテネーターに関する。
波長板は、直交する2つの偏光成分に所定の位相差(光路差)を与えて、入射偏光の状態を変える光学素子である。一般的に、波長板としては、1/2波長板(λ/2板)と1/4波長板(λ/4板)の2種類がよく利用されている。
1/4波長板(Quarter−wave plate:QWP)は、入射光線に対して1/4の位相差を与える波長板であり、具体的には、入射光線の電界振動方向(偏光面)にλ/4(90°)の位相差を与える光学素子である。1/4波長板は、入射光線に対して位相差をλ/4(90°)与え、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変えたりするために用いられる。
1/2波長板(Half−wave plate:HWP)は、入射光線に対して1/2の位相差を与える波長板であり、具体的には、入射光線の電界振動方向(偏光面)にλ/2(180°)の位相差を与える光学素子である。1/2波長板は、入射光線に対して位相差をλ/2(180°)与え、直線偏光を回転させて出射させるために用いられる。
特許文献1には、2つの平行四辺形状の菱面体を組み合わせた位相差が116〜136°のフレネル菱面体(フレネルロム)に関して、菱面体を溶融石英製とし、4つの全反射面の上に、菱面体を構成する溶融石英よりも屈折率の低いMgFを30〜45nmの範囲の厚みでコーティングすることで、190〜1700nmの波長範囲にわたって使用されることが記載されている。
特許文献2には、ピンホールアレイ板と試料の間にコリメータレンズおよびフレネルロムを備えた共焦点顕微鏡に関し、プリズム面内で2回の全反射によって両偏光成分の間にπ/2の位相差を生じさせるように形成されたフレネルロムや、キング型のフレネルロムを用いること、フレネルロムに多層膜をコーティングすることで、可視光域(400〜800nm)で波長依存性の極めて少ない位相子として働くことが可能となることが記載されている。
特許文献3には、測定光路中にフレネルロムと偏光子を有する反射率測定装置に関して、フレネルロムがλ/2(180°)遅れの位相関係を有することが記載されている。
特許第5438789号公報 特開平6−235865号公報 特開昭61−95230号公報
近年、半導体などの高精度、高密度化に伴い、微小領域の偏光解析や高分解能な面内情報の分析が重要性を増しており、(1)位相差がλ/2(180°)であり、(2)使用可能な波長帯域が真空紫外から近赤外の波長領域(λ=190〜2000nm)と広帯域である汎用性の高い光学素子が必要とされているが、上記(1)及び(2)の特性を備える光学素子は存在していなかった。
特許文献1のフレネルロムでは、4つの全反射面にMgF単層膜をコーティングすることで190nm〜1700nmの波長領域と広帯域化が可能となっているが、これは、位相差を126°(116〜136°)としているためである。このことは、特許文献1がエリプソメーターやポラリメーターといった測定装置を前提としており、フレネルロムで生じる位相差が、汎用性が高く、原理的には使いやすい位相差λ/4(90°)ではなくても、装置側の調整で使用できるためである。また、特許文献1のフレネルロムは、位相差がλ/2ではない。
特許文献2のフレネルロムでは、1つの平行四辺形状の菱面体を用いる場合、その構造上、入射光線と出射光線の光軸にズレが発生するため、光学系を組む際に、入射光線と出射光線の光軸のズレに合わせて、後の部品もずらして配置しなければならない。また、フレネルロムを回転させながら使用すると、出射光線の位置も回転してしまい、使用し難いという課題がある。さらに、キング型のフレネルロムでは、その構造上、特定の一か所以外は、入射光線と出射光線の光軸にズレが発生し光線の上下が逆転してしまうため、光線の上下を修正する部品を追加する必要があるなど使用し難いという課題がある。また、特許文献2のフレネルロムは、位相差がλ/2ではない。
特許文献3のフレネルロムは可視光用であり、真空紫外から近赤外の波長領域で使用可能な性能を有するものではない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、位相差がλ/2(180°)であり、真空紫外から近赤外の波長領域で使用可能であるフレネルロム、該フレネルロムを備えた計測装置及びアッテネーターを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、菱面体を形成する等方性材料よりも屈折率の大きい高屈折率膜と、菱面体を形成する等方性材料よりも屈折率の小さい低屈折率膜と、が交互に積層した多層膜を、フレネルロムの全反射面に形成することを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題は、本発明のフレネルロムによれば、等方性材料で形成された平行四辺形状の第一菱面体及び第二菱面体を備えるフレネルロムであって、前記第一菱面体は、第一入射端面と、前記第一入射端面と平行に配置された第一出射端面と、前記第一入射端面及び前記第一出射端面と交わる第一全反射面と、前記第一全反射面と平行に配置された第二全反射面と、を有し、前記第二菱面体は、第二入射端面と、前記第二入射端面と平行に配置された第二出射端面と、前記第二入射端面及び前記第二出射端面と交わる第三全反射面と、前記第三全反射面と平行に配置された第四全反射面と、を有し、前記第一入射端面に入射した入射光線は、前記第一全反射面、前記第二全反射面、前記第三全反射面及び前記第四全反射面で全反射して、前記第二出射端面から出射光線として出射し、前記第一全反射面、前記第二全反射面、前記第三全反射面及び前記第四全反射面の少なくとも1つ以上の面には、多層膜が形成されており、前記多層膜は、前記等方性材料よりも屈折率の大きい高屈折率材料で形成された高屈折率膜と、前記等方性材料よりも屈折率の小さい低屈折率材料で形成された低屈折率膜と、が交互に積層されており、190nm以上2000nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えること、により解決される。
このように、等方性材料で形成された平行四辺形状の第一菱面体及び第二菱面体を備えるフレネルロムにおいて、フレネルロムの4つの全反射面の少なくとも1つ以上の面に、菱面体を形成する等方性材料よりも屈折率の大きい高屈折率膜と、菱面体を形成する等方性材料よりも屈折率の小さい低屈折率膜と、が交互に積層した多層膜を形成することで、位相差がλ/2(180°)であり、真空紫外から近赤外の波長領域で使用可能であるフレネルロムを提供することが可能となる。
このとき、前記第一全反射面、前記第二全反射面、前記第三全反射面及び前記第四全反射面の1つ又は2つの面に前記多層膜が形成されているとよい。
このとき、前記低屈折率材料がMgFであり、前記高屈折率材料がGdF、LaF及びNdFからなる群から選択される少なくとも一種であるとよい。
このとき、前記等方性材料が石英又はCaFであるとよい。
このとき、前記等方性材料が石英であり、前記第一菱面体及び前記第二菱面体の楔角が53°であるとよい。
このとき、前記多層膜が4層膜であり、190nm以上1250nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えるとよい。
このとき、前記多層膜が10層膜であり、190nm以上1630nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えるとよい。
このとき、前記等方性材料がCaFであり、前記第一菱面体及び前記第二菱面体の楔角が54°であるとよい。
このとき、前記多層膜が4層膜であり、190nm以上1150nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えるとよい。
このとき、前記多層膜が10層膜であり、190nm以上1860nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えるとよい。
また、前記課題は、本発明の計測装置によれば、上記のフレネルロムを備えること、により解決される。
また、前記課題は、本発明の光アッテネーターによれば、上記のフレネルロムを備えること、により解決される。
本発明によれば、等方性材料で形成された2つの平行四辺形状の菱面体を備えるフレネルロムにおいて、菱面体を形成する等方性材料よりも屈折率の大きい高屈折率膜と、菱面体を形成する等方性材料よりも屈折率の小さい低屈折率膜と、が交互に積層した多層膜を、4つの全反射面の少なくとも1つ以上の面に形成することで、位相差がλ/2(180°)であり、真空紫外から近赤外の波長領域で使用可能となる。
また、本発明のフレネルロムは、上記の特性を備えているため、各種の測定装置、分析装置、検査装置、観察装置を含む計測装置に適用することで、微細領域の検査、微小領域を観察、様々な偏光計測を行うことが可能となる。さらに、本発明のフレネルロムは、光アッテネーターに適用することで、レーザー装置の発振光の光量や、白色光の光量を調整することも可能となる。
本発明の一実施形態に係るフレネルロムの概略構成図である。 フレネルロムの各全反射面に施された多層膜の構成を示す模式的断面図である。 石英製フレネルロムの各全反射面への入射角と位相差の関係を波長毎に示したグラフであり、各全反射面に多層膜が無い状態での計算値である。 フレネルロムにおける入射角と楔角の説明図である。 石英よりも小さい屈折率をもつMgF材料による膜を全反射面に施した場合の位相差の変化の様子を示すグラフである。 石英よりも大きい屈折率をもつGdF材料による膜を全反射面に施した場合の位相差の変化の様子を示すグラフである。 全反射面に施した膜の構成と位相差について示すグラフである。 図5の紫外光から可視光領域を拡大したグラフである。 実施例1で検討を行った石英製のλ/2フレネルロムの概要図である。 実施例1−1の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−2の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−3の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−4の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−5の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−6の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−7の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−8の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−9の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−10の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例1−11の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2で検討を行ったCaF製のλ/2フレネルロムの概要図である。 実施例2−1のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−2のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−3のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−4のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−5のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−6のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−7のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−8のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−9のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−10のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例2−11のCaF製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 4つの全反射面にGdF/MgFによる50層膜を有する石英製とCaF製のλ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 4つの全反射面にGdF/MgFによる50層膜を有する本実施形態のフレネルロムHWPと、従来から存在する各種フレネルロムによる位相差の波長特性について比較したグラフである。 石英製の膜無しλ/2フレネルロムと、全反射面にMgF単層膜を形成した従来のフレネルロム(MgF単層膜)の概要図である。 4つの全反射面にGdF/MgFによる50層膜を有する本実施形態のフレネルロムHWPと、石英製の膜無しλ/2フレネルロムと、全反射面にMgF単層膜を形成した従来のフレネルロム(MgF単層膜)と、全反射面にGdF単層膜を形成した従来のフレネルロム(GdF単層膜)の位相差の波長特性を比較したグラフである。 石英製λ/2フレネルロム1個型の概要図である。 石英製の膜無しλ/2フレネルロム1個型と、4つの全反射面にGdF/MgFによる50層膜を有する本実施形態のフレネルロムHWPの位相差の波長特性を比較したグラフである。 石英製λ/2フレネルロムキング型の概要図である。 石英製の膜無しλ/2フレネルロムキング型と4つの全反射面にGdF/MgFによる50層膜を有する本実施形態のフレネルロムHWPの位相差の波長特性を比較したグラフである。 実施例3−1−1の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例3−1−2の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例3−1−3の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例3−1−4の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例3−2−1の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例3−2−2の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例3−2−3の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例3−2−4の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。 実施例4−1の石英製λ/2フレネルロムにおける位相差の波長特性について示すグラフである。
以下、図1A乃至図44を参照しながら、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係るフレネルロムについて説明する。本実施形態に係るフレネルロムHWPは、真空紫外から近赤外の波長領域において位相差の波長依存性が小さい多層膜付きのλ/2フレネルロム(位相子)である。
本願明細書において、○nm〜△nmは、○nm以上△nm以下を意味する。
本明細書において、「コンタクト」とは、一対の隣接するプリズムが相互に接触して配置されていることをいい、直接接合されているオプティカル・コンタクトのほか、接着による接合も含まれる。
また、本明細書において、プリズム素子(菱面体)が「対向」するとは、直接接合されているオプティカル・コンタクトの場合と、接着剤など、何かを介在させて接合されている接着の場合、空気層を介在させている場合とを含む。
[1.本実施形態のフレネルロムHWPの構造]
本実施形態のフレネルロムHWP(λ/2フレネルロム、λ/2波長板)は、平行四辺形状のプリズム素子を2つ組み合わせた構造(ダブル型のフレネルロム)であり、具体的には、図1Aに示すように、断面(図1Aの面と平行な断面、つまり、後述する各入射端面、出射端面、全反射面と直交する断面)が平行四辺形の平行四辺形状の第一菱面体10及び第二菱面体20を備えている。第一菱面体10及び第二菱面体20は、同一形状であり、等方性材料で形成されている。
(第一菱面体10)
第一菱面体10は、第一入射端面11と、第一入射端面11と平行に配置された第一出射端面12と、第一入射端面11及び第一出射端面12と交わる第一全反射面13と、第一全反射面13と平行に配置された第二全反射面14と、を有している。
第一菱面体10において、第一入射端面11及び第一出射端面12は互いに平行であり、かつ、第一全反射面13及び第二全反射面14は互いに平行である。また、第一菱面体10において、第一入射端面11と第一全反射面13との間、及び、第一出射端面12と第二全反射面14との間は、互いに90度よりも小さい角度(楔角α)で交わっている。さらに、第一菱面体10において、第一入射端面11と第二全反射面14との間、及び、第一出射端面12と第一全反射面13との間は、互いに90度よりも大きい角度で交わっている。
(第二菱面体20)
第二菱面体20は、第二入射端面21と、第二入射端面21と平行に配置された第二出射端面22と、第二入射端面21及び第二出射端面22と交わる第三全反射面23と、第三全反射面23と平行に配置された第四全反射面24と、を有している。
第二菱面体20において、第二入射端面21及び第二出射端面22は互いに平行であり、かつ、第三全反射面23及び第四全反射面24は互いに平行である。また、第二菱面体20において、第二入射端面21と第三全反射面23との間、及び、第二出射端面22と第四全反射面24との間は、互いに90度よりも小さい角度(楔角α)で交わっている。さらに、第二菱面体20において、第二入射端面21と第四全反射面24との間、及び、第二出射端面22と第三全反射面23との間は、互いに90度よりも大きい角度で交わっている。
第一菱面体10及び第二菱面体20は、第一菱面体10の第一出射端面12と、第二菱面体20の第二入射端面21とが互いに平行になるように対向して配置されている。第一出射端面12と第二入射端面21は、オプティカル・コンタクトによる直接接合とすることが好適であるが、紫外線透過接着剤を用いた接着固定とすることや、接合を行わずに隙間を空けて配置することも可能である。
上述したように第一菱面体10の第一入射端面11と第一全反射面13(第一出射端面12と第二全反射面14)は楔角αをなしており、同様に、第二菱面体20の第二入射端面21と第三全反射面23(第二出射端面22と第四全反射面24)も楔角αをなしている。ここで、楔角αは、第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する等方性材料の種類に応じて適宜設定することが可能であり、等方性材料が石英の場合には楔角α=53°とし、等方性材料がCaFの場合には楔角α=54°とすればよい。
(等方性材料)
第一菱面体10及び第二菱面体20は、等方性材料から形成されており、上述した図1Aは、等方性材料として石英を使用した場合を示している(楔角α=53°)。等方性材料としては、真空紫外から近赤外の波長領域を透過する材料であれば良く、入手性の観点から石英(溶融石英:屈折率n=1.46@550nm)やフッ化カルシウム(CaF:屈折率n=1.44@546nm)を用いると好適である。なお、用いる等方性材料については、位相差を劣化させてしまうような素材の欠陥や歪などがないことも重要であり、CaFよりも石英(溶融石英)を用いることが好ましい。
第一菱面体10の第一入射端面11に入射した入射光線Iは、第一全反射面13、第二全反射面14、第三全反射面23、第四全反射面24の順で全反射して(反射光線R)、第二出射端面22から出射光線Eとして出射する。フレネルロムHWPでは、真空紫外から近赤外の波長領域において入射光線Iに対して略180°(具体的には、180°±10°)の位相差を与えた出射光線Eが出射される。
フレネルロムHWPを使用する時、第一菱面体10の第一入射端面11に対して、外部から実質的に垂直に入射させられた入射光線Iは、次のように進む。入射光線Iは、第一菱面体10の第一全反射面13及び第二全反射面14において内部反射し、反射光線Rは、第一菱面体10の第一出射端面12から第二菱面体20の第二入射端面21へと出射する。そして、第一菱面体10の第一出射端面12から第二菱面体20の第二入射端面21へと入射した反射光線Rは、第三全反射面23と第四出射端面24において内部反射し、反射光線Rは、第二菱面体20の第二出射端面22から出射光線Eとして出射する。
本実施形態のフレネルロムHWPは、同一の平行四辺形状のプリズム素子を2つ組み合わせた構造であり、入射光線Iと出射光線Eの光軸がずれない。換言すると、入射光線Iと出射光線Eが一直線になり、入射光線Iと出射光線Eの光軸が(略)同軸となる。つまり、本実施形態のフレネルロムHWPを光軸Xの周りで回転させても、出射光線Eの位置が変わらないという特長がある。
(多層膜M)
第一全反射面13、第二全反射面14、第三全反射面23及び第四全反射面24は、その面上に、第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する等方性材料とは異なる屈折率の多層膜Mがコーティングされている(図1B)。
ここで、多層膜Mは、第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する等方性材料よりも屈折率の大きい高屈折率材料で形成された高屈折率膜Mと、第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する等方性材料よりも屈折率の小さい低屈折率材料で形成された低屈折率膜Mと、が交互に積層されている。高屈折率膜Mと低屈折率膜Mの積層の順序は図1Bに示すように、基板となる等方性材料の上に、高屈折率膜M、低屈折率膜Mの順で積層されていてもよいし、基板となる等方性材料の上に、低屈折率膜M、高屈折率膜Mの順で積層されていてもよい。
入射光線Iは、第一全反射面13、第二全反射面14、第三全反射面23及び第四全反射面24で全反射し、同時にp偏光とs偏光に位相差が発生する。通常、全反射に伴って生じる位相差は、波長が短くなるにつれて大きくなってしまう。そこで、フレネルロムHWPでは、第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する等方性材料(石英やCaF)よりも大きい屈折率の高屈折率膜Mと、小さい屈折率の低屈折率膜Mからなる2種類の膜材料が交互に積層された多層膜Mを4つの全反射面の少なくとも1つ以上の面に施している。
高屈折率膜Mを構成する高屈折率材料としては、フッ化ガドリニウム(GdF:屈折率n=1.59@550nm)、フッ化ランタン(LaF:屈折率n=1.59@550nm)及びフッ化ネオジム(NdF:1.61@550nm)が例示されるが、これらの物質に限定されるものではない。また、低屈折率膜Mを構成する低屈折率材料としては、フッ化マグネシウム(MgF:屈折率n=1.38〜1.40@550nm)が例示されるが、これに限定されるものではない。
高屈折率膜M及び低屈折率膜Mは、真空蒸着、CVD、スパッタリング等の方法により形成することが可能である。高屈折率膜M及び低屈折率膜Mの膜厚は、材料の種類に依存し、例えば、100Å以上650Å以下とすればよいが、この範囲に限定されるものではない。
フレネルロムHWPは、4つの全反射面の少なくとも1つ以上の面が、上述の多層膜Mを有していることで、真空紫外から近赤外の波長領域(例えば、190nm以上2000nm以下の波長領域)において位相差の波長依存性を小さくする事を可能となっている。
(素子のサイズについて)
本実施形態のフレネルロムHWPについて、素子の幅W(素子の厚み)、素子の開口K、素子の高さH、素子の長さLを、図1Aに示すように定義する。第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する等方性材料が石英であるとき、楔角α=53°であり、素子の幅W:素子の開口K:素子の高さH:素子の長さL=10mm:10mm:22.8mm:33.9mmとなる。また、第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する等方性材料がCaFであるとき、楔角α=54°であり、素子の幅W:素子の開口K:素子の高さH:素子の長さL=10mm:10mm:23.1mm:36.0mmとなる。
このように、本実施形態のフレネルロムHWPでは、素子の幅W又は素子の開口Kの比を1としたときに、素子の高さHや素子の長さLの比が約2.2〜3.6、つまり、2.2以上3.6以下となり、素子の高さが高くなることや、素子の長さが長くなってしまうことが無く、素子のサイズを小型なものにすることが可能である。
[2.全反射面への多層膜の適用による位相差への効果]
図2Aは、石英における各全反射面への入射角と位相差の関係を波長毎に示したものである。図2Bは、フレネルロムにおける入射角θと楔角αの説明図である。フレネルロムに光線を垂直入射した場合、楔角α=入射角θとなる。各全反射面に多層膜が無い状態での計算値である。フレネルロムは、光線が全反射する際にp偏光とs偏光に位相差が生じる事を利用した位相子であり、生じる位相差は、素材の屈折率と全反射角に依存する。屈折率には、波長依存性がある為、生じる位相差にも、波長依存性が出てしまう。
図1Aに示すフレネルロムHWPのような、4回全反射させる屋根型(ダブル型)と呼ばれる構造の場合、位相差180°(λ/2)を得る為には、全反射1回当たりの位相差が、45°になるような楔角にする必要がある。しかし、図1Aに示すフレネルロムHWPの場合、可視から近赤外の波長領域では、図2Aに示すように位相差を45°にすることが出来ない。また、図3や図4に示すように、波長が長くなるほど、膜によって位相差を調整することが難しくなるため、楔角は、可視から近赤外の波長領域で位相差が45°に近くなる53°としている。
図3に、石英よりも小さい屈折率をもつMgF材料による膜を全反射面に施した場合の位相差の変化の様子を示す(楔角α=53°のフレネルロム)。石英よりも小さい屈折率を持つ材料の膜では、膜厚を厚くすると、全体的な位相差は小さくなる傾向にある。
図4に、石英よりも大きい屈折率をもつGdF材料による膜を全反射面に施した場合の位相差の変化の様子を示す(楔角α=53°のフレネルロム)。大きな屈折率を持つ材料の膜では、膜厚を厚くすると、全体的な位相差は大きくなる傾向にある。更に、膜厚を厚くしていくと、800Åの場合で示されるように、紫外領域の位相差にうねりが発生する。
図5及び図6に、全反射面に施した膜の構成と位相差について示す。図5及び図6に示すように、位相差180°±10°の範囲を見ていくと、GdF膜/MgF膜の積層数を増やすことで、うねりの数が増えて行き、位相差が180°±10°となる波長範囲が広がっていくことがわかる。このように、多層膜Mを20層や50層と積層させることで、波長λ=190〜2000nmで位相差が180°±10°となる。
多層膜Mの積層数を増やすと、素子の作製に手間がかかるため、多層膜Mを4層〜10層程度とすることが好適である。多層膜Mが4層膜である場合でも、波長λ=190〜1000nmで位相差が180°±10°となり、従来技術にはない優れた位相差性能を持った実用的な位相子を実現することが可能となる。
[3.本実施形態のフレネルロムHWPの応用例]
本実施形態のフレネルロムHWPの応用例について、以下に示す。本実施形態のフレネルロムHWPは、計測装置に応用可能である。ここで、「計測装置」とは、各種の測定装置、分析装置、検査装置、観察装置を含むものとする。
半導体検査装置は、微細領域の検査を行う装置であり、紫外光を積極的に利用するため、真空紫外から近赤外の波長領域で使用可能な本実施形態のフレネルロムHWPを用いると好適である。白色光の偏光を利用している半導体検査装置であれば、本実施形態のフレネルロムHWPが利用可能である。
また、本実施形態のフレネルロムHWPを、微小領域を観察するための観察装置に適用することも可能である。偏光を制御することでコントラストを向上できる場合がある。より微細な観察を行うためには、短い波長も使った観察が必要になるため、本実施形態のフレネルロムHWPを使用するメリットがある。
さらに、異物検知を行うため、異物からの散乱光の偏光状態が正常な部分と異なる特性を利用した観察装置や検査装置、具体的には、半導体ウエハー上の配線パターンの偏光状態を観察して異物を発見する装置に本実施形態のフレネルロムHWPを適用することができる。装置によって、偏光の利用方法は異なるが、偏光情報から半導体の各プロセスで発生した異常(不良)を発見する際に、本実施形態のフレネルロムHWPを位相差90°(λ/4)の位相子と組み合わせることで、様々な偏光計測が可能となる。
また、膜厚計に本実施形態のフレネルロムHWPを適用することができる。膜厚計は、主に半導体プロセス中の検査などに用いられるが、フィルム厚、塗装厚等を測定するなど、他の膜状の物の検査にも使われている。膜厚計の測定原理は、様々であるが、エリプソメーター同様の偏光解析で膜厚を測定する装置もある。
その他、本実施形態のフレネルロムHWPは、機器偏光を低減させるための偏光解消素子の代わりに使用することができる。反射光学系では、p偏光とs偏光の反射率が異なるため、入射光線の偏光状態が異なる場合や変動する場合、透過率が異なったり、変動したりする。このことを防止するために、入射光線の偏光状態を一定にしたり、光学系からの出射光線の偏光状態を一定にしたりすることがある。精密な計測を行う装置の場合には、入射光線や出射光線の偏光状態を一定にすることが必要になる。本実施形態のフレネルロムHWPを位相差90°(λ/4)の位相子と組み合わせることで、いかなる偏光状態も作り出すことができるため、入射光線や出射光線の偏光状態を一定にすることが可能となる。
また、本実施形態のフレネルロムHWPは、光アッテネーターに応用可能である。レーザー装置の発振光の光量調整は、安定性確保のため、レーザー装置外部で波長板と偏光子を組み合わせた光アッテネーターで行う事がある。この光アッテネーターに用いられる波長板を、本実施形態のフレネルロムHWPとすることで、光量を調整することが可能となる。加えて、本実施形態のフレネルロムHWPは、広帯域偏光子と組み合わせる事で、従来には実現できなかった、真空紫外〜赤外域までの光を一緒に調光することが出来る広帯域な光アッテネーターを構成することが可能である。
以下、実施例に基づき、本発明の多層膜付きλ/2フレネルロムについて更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、菱面体を形成する等方性材料として石英又はCaFを用い、フレネルロムHWPに多層膜Mを形成した際の位相差の波長特性を示す。具体的には、石英製とCaF製のフレネルロムHWPの4つの全反射面の少なくとも1つ以上の面に、膜材料が異なる3種類の多層膜(2〜50層膜)をそれぞれ成膜したものを示す。
<実施例1.多層膜付き石英製λ/2フレネルロム>
石英製のλ/2フレネルロムの4つ全ての全反射面に、GdF/MgF、LaF/MgF、NdF/MgFの多層膜を成膜した場合における位相差の波長特性を実施例1−1.〜1−11.に示す。図7は、石英製のλ/2フレネルロムの概要図で、多層膜の種類(構成)によらず同一の形状である。なお、2つの菱面体をオプティカル・コンタクトした場合と、互いに離して平行に並べた場合の位相差に違いはない。また、図7に示す石英製のλ/2フレネルロムは、同一の平行四辺形状のプリズム素子を2つ組み合わせた構造であり、入射光線Iと出射光線Eの光軸がずれない。換言すると、入射光線Iと出射光線Eが一直線になり、入射光線Iと出射光線Eの光軸が(略)同軸となる。
(実施例1−1.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの2層膜)
図8に4つの全反射面にGdF/MgFによる2層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表1に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの2層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1135nmの範囲で170〜190°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−2.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの4層膜)
図9に4つの全反射面にGdF/MgFによる4層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表2に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの4層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1250nmの範囲で170〜182.3°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−3.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの10層膜)
図10に4つの全反射面にGdF/MgFによる10層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表3に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの10層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1632nmの範囲で170〜182.6°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−4.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの20層膜)
図11に4つの全反射面にGdF/MgFによる20層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表4に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの20層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1872nmの範囲で170〜187.6°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−5.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの50層膜)
図12に4つの全反射面にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表5に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの50層膜を成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で174.9〜187.8°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−6.石英製λ/2フレネルロム、LaF/MgFの2層膜)
図13に4つの全反射面にLaF/MgFによる2層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表6に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にLaF/MgFの2層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1233nmの範囲で170〜190°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−7.石英製λ/2フレネルロム、LaF/MgFの4層膜)
図14に4つの全反射面にLaF/MgFによる4層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表7に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にLaF/MgFの4層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1618nmの範囲で170〜182.8°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−8.石英製λ/2フレネルロム、LaF/MgFの10層膜)
図15に4つの全反射面にLaF/MgFによる10層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表8に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にLaF/MgFの10層膜を成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で174.1〜186.6°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−9.石英製λ/2フレネルロム、NdF/MgFの2層膜)
図16に4つの全反射面にNdF/MgFによる2層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表9に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にNdF/MgFの2層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1240nmの範囲で170〜190°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−10.石英製λ/2フレネルロム、NdF/MgFの4層膜)
図17に4つの全反射面にNdF/MgFによる4層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表10に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にNdF/MgFの4層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1711nmの範囲で170〜183.2°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例1−11.石英製λ/2フレネルロム、NdF/MgFの10層膜)
図18に4つの全反射面にNdF/MgFによる10層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表11に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にNdF/MgFの10層膜を成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で175.5〜187.1°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
<実施例2.多層膜付きCaF製λ/2フレネルロム>
CaF製のλ/2フレネルロムの4つ全ての全反射面に、GdF/MgF、LaF/MgF、NdF/MgFの多層膜を成膜した場合における位相差の波長特性を実施例2−1.〜2−11.に示す。図19は、CaF製のλ/2フレネルロムの概要図で、多層膜の種類(構成)によらず同一の形状である。なお、2つの菱面体をオプティカル・コンタクトした場合と、互いに離して平行に並べた場合の位相差に違いはない。また、図19に示すCaF製のλ/2フレネルロムは、同一の平行四辺形状のプリズム素子を2つ組み合わせた構造であり、入射光線Iと出射光線Eの光軸がずれない。換言すると、入射光線Iと出射光線Eが一直線になり、入射光線Iと出射光線Eの光軸が(略)同軸となる。
(実施例2−1.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの2層膜)
図20に4つの全反射面にGdF/MgFによる2層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表12に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの2層膜を成膜する事で、波長λ=190〜764nmの範囲で170〜190°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−2.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの4層膜)
図21に4つの全反射面にGdF/MgFによる4層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表13に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの4層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1155nmの範囲で170〜185.6°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−3.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの10層膜)
図22に4つの全反射面にGdF/MgFによる10層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表14に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの10層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1866nmの範囲で170〜189.1°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−4.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの20層膜)
図23に4つの全反射面にGdF/MgFによる20層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表15に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの20層膜を成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で170.9〜188.9°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−5.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgFの50層膜)
図24に4つの全反射面にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表16に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にGdF/MgFの50層膜を成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で175.4〜189°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−6.CaF製λ/2フレネルロム、LaF/MgFの2層膜)
図25に4つの全反射面にLaF/MgFによる2層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表17に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にLaF/MgFの2層膜を成膜する事で、波長λ=190〜788nmの範囲で170〜190°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−7.CaF製λ/2フレネルロム、LaF/MgFの4層膜)
図26に4つの全反射面にLaF/MgFによる4層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表18に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にLaF/MgFの4層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1221nmの範囲で170〜185.6°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−8.CaF製λ/2フレネルロム、LaF/MgFの10層膜)
図27に4つの全反射面にLaF/MgFによる10層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表19に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にLaF/MgFの10層膜を成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で172.6〜187.7°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−9.CaF製λ/2フレネルロム、NdF/MgFの2層膜)
図28に4つの全反射面にNdF/MgFによる2層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表20に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にNdF/MgFの2層膜を成膜する事で、波長λ=190〜777nmの範囲で170〜190°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−10.CaF製λ/2フレネルロム、NdF/MgFの4層膜)
図29に4つの全反射面にNdF/MgFによる4層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表21に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にNdF/MgFの4層膜を成膜する事で、波長λ=190〜1252nmの範囲で170〜184.7°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例2−11.CaF製λ/2フレネルロム、NdF/MgFの10層膜)
図30に4つの全反射面にNdF/MgFによる10層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表22に多層膜の膜厚などを示す。全反射面にNdF/MgFの10層膜を成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で173.7〜186.3°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
<比較例.従来のフレネルロムとの比較>
本実施形態の多層膜付きλ/2フレネルロムと従来のフレネルロムとの比較を以下に示す。本実施形態の多層膜付きλ/2フレネルロムは、波長λ=190〜2000nmと真空紫外から近赤外の波長領域において、位相差を180±10°にする事が可能な位相子である。第一菱面体10及び第二菱面体20を構成する素材は、上記の波長帯域を透過する等方性材料で安定的な入手が可能な石英又はCaFとなる。図31に示すように、位相差特性は、石英製の方が若干劣っている為、以下に示す比較は、等方性材料として石英を用いた場合で行う。なお、以下の比較では、多層膜Mが50層膜である例を示して行っているが、積層数によらず、概ね同様の結果となる。
図32は、全反射面に多層膜を有する本実施形態のフレネルロムHWPと、従来から存在する各種フレネルロムによる位相差の波長特性について比較したものである。フレネルロムは、位相差の波長特性に優れた素子で、素材に石英を使用する事で、真空紫外から近赤外領域までの波長領域に対応可能な位相子とする事が可能である。位相差の平坦性や使用時の使い勝手などは、構造によって異なり、これらを鑑みた際に、優れた位相差性能を持ち、使い勝手が良く、現実的なフレネルロムは、従来存在していなかった。
(比較例1.石英製λ/2フレネルロム膜無し、MgF単層膜フレネルロム(従来品)との比較)
図33Aに石英製の膜無しλ/2フレネルロムと、全反射面にMgF単層膜又はGdF単層膜を形成した従来のフレネルロム(MgF単層膜フレネルロム又はGdF単層膜フレネルロム)の概要図を示し、図33Bに位相差の波長特性の比較を示す。なお、MgF単層膜フレネルロムは、特許文献1を参考にλ/2フレネルロムとして検討し直したものである。ここで示した3つの従来品と本実施形態のフレネルロムHWPは、基本形状は同一であり、違いは全反射面の膜構成のみとなっている。このような屋根型(ダブル型)と言われる構造の場合、入射光線と出射光線の光軸にズレなどが起こらない為、光学系を組み立てる際や、素子を回転させて使用する際に非常に便利である。また、開口と長さの比が10:30程度と偏光用素子としては、一般的な大きさである。位相差特性は、波長λ=190〜2000nmにおいて、本実施形態のフレネルロムHWP以外は、180°±10°を超えてしまう。
(比較例2.石英製λ/2フレネルロム1個型との比較)
図34Aに石英製λ/2フレネルロム1個型(従来品)の概要図を示し、図34Bに位相差の波長特性の比較を示す。1個型の場合、1回の全反射で得られる位相差が最大約40°〜45°程度である為、2回の全反射で得られる位相差は、90°程度になる。素子を長くして全反射回数を4回にする事も可能であるが、位相差の性能は、屋根型(ダブル型)にして4回反射させる場合と同じである。その上、1個型の場合、構造上、入射光線と出射光線の光軸にズレが発生するという特徴があり、素子を長くすればする程ズレが大きくなってしまい、光学系を組む際に、光線のズレに合わせて、後の部品もずらして配置しなければならなくなったり、1個型フレネルロムを回転させながら使用すると、出射光線の位置も回転してしまい、使用し難くなってしまう。
(比較例3.石英λ/2フレネルロムキング型との比較)
図35Aに石英λ/2フレネルロムキング型(従来品)の概要図を示し、図35Bに位相差の波長特性の比較を示す。キング型の場合、3回の全反射で得られる位相差が、最大約100°前後と位相差を180°にする事が出来ない。また、キング型は、その構造上、図35Aに図示した一か所の位置以外では、入射光線と出射光線の光軸にズレが発生し光線の上下が逆転する。この為、光線の上下を修正する部品を追加する必要があり、使用し難いという問題がある。
<実施例3.多層膜の成膜面数を1つ〜3つとした多層膜付きλ/2フレネルロム>
石英製又はCaF製λ/2フレネルロムに多層膜を成膜した際の位相差の波長特性を以下に示す。具体的には、石英製又はCaF製のフレネルロムの1つ〜3つの全反射面に、膜材料GdFとMgFの、多層膜を成膜した場合に、位相差特性が広帯域となることを示す例である。
(実施例3−1.多層膜付き石英製λ/2フレネルロム)
石英製のλ/2フレネルロムの1つ〜3つの全反射面に、GdF/MgFによる多層膜を成膜した場合の位相差波長特性を実施例3−1−1〜3−1−4に示す。具体的には、図7に示す石英製のλ/2フレネルロムにおいて、4つの全反射面の任意の1つ〜3つの面に多層膜を成膜した例を示す。
(実施例3−1−1.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:1面、50層膜)
図36にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表23に膜厚などを示す。GdF/MgFの50層膜を3つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜1753nmの範囲で170〜181.6°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例3−1−2.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:2面、10層膜)
図37にGdF/MgFによる10層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表24に膜厚などを示す。GdF/MgFの10層膜を2つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜1905nmの範囲で170〜186°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例3−1−3.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:2面、50層膜)
図38にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表25に膜厚などを示す。GdF/MgFの50層膜を2つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜1934nmの範囲で170〜183.3°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例3−1−4.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:3面、50層膜)
図39にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表26に膜厚などを示す。GdF/MgFの50層膜を3つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で175〜183°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例3−2.多層膜付きCaF製λ/2フレネルロム)
CaF製のλ/2フレネルロムの1つ〜3つの全反射面に、GdF/MgFによる多層膜を成膜した場合の位相差波長特性を実施例3−2−1〜3−2−4に示す。具体的には、図19に示すCaF製のλ/2フレネルロムにおいて、4つの全反射面の任意の1つ〜3つの面に多層膜を成膜した例を示す。
(実施例3−2−1.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:1面、50層膜)
図40にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表27に膜厚などを示す。GdF/MgFの50層膜を1つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜1685nmの範囲で170〜187°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例3−2−2.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:2面、8層膜)
図41にGdF/MgFによる8層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表28に膜厚などを示す。GdF/MgFの8層膜を2つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜1903nmの範囲で170〜187.2°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例3−2−3.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:2面、50層膜)
図42にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表29に膜厚などを示す。GdF/MgFの50層膜を2つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で175.7〜184.7°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
(実施例3−2−4.CaF製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:3面、50層膜)
図43にGdF/MgFによる50層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表30に膜厚などを示す。GdF/MgFの50層膜を3つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜2000nmの範囲で173.4〜185.2°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
<実施例4.多層膜の成膜面数を1つとした多層膜付きλ/2フレネルロム>
石英製λ/2フレネルロムに多層膜を成膜した際の位相差の波長特性を以下に示す。具体的には、石英製のフレネルロムの1つの全反射面に、膜材料GdFとMgFの4層膜を成膜した場合に、広帯域性は若干劣るものの、真空紫外域から可視域まで、うねりの少ない平坦な位相差特性が得られることと、膜層数と成膜面数も少なく製造上の誤差が少なくできることを示す例である。
(実施例4−1.石英製λ/2フレネルロム、GdF/MgF、成膜面数:1面、4層膜)
石英製のλ/2フレネルロムの1つの全反射面に、GdF/MgFによる多層膜を成膜した場合の位相差波長特性を実施例4−1に示す。具体的には、図7に示す石英製のλ/2フレネルロムにおいて、4つの全反射面の任意の1つの面に多層膜を成膜した例を示す。
図44にGdF/MgFによる4層膜を成膜した場合の位相差の波長特性について示す。また、表31に膜厚などを示す。GdF/MgFの4層膜を1つの全反射面に成膜する事で、波長λ=190〜1436nmの範囲で170〜180.7°の位相差にする事が可能になる。
Figure 0006876189
以上の結果から、多層膜を成膜する全反射面の数が2つ又は3つの場合において、4つの場合と同等か、より少ない多層膜の層数で、より広帯域な位相差特性を得られる場合があることが分かった。原理的には、多層膜を成膜する全反射面の数によらず、多層膜の層数の多い方が広帯域な位相差特性を得られると考えられるが、フレネルロムの構成や目的とする波長範囲によっては、多層膜を成膜する全反射面の数が少ない方が、効果が高い場合があることが分かった。
また、1つ又は2つの全反射面に多層膜を成膜する場合、4つの全反射面に多層膜を成膜する場合と比べて成膜回数を1/4又は半分に減らすことができるため、製造誤差を減らせる等、生産上のメリットもある。したがって、多層膜付きλ/2フレネルロムにおいて、少なくとも1つ以上の全反射面に多層膜を形成することにより、位相差の広帯域化が可能であり、2つ以上の面に4層以上の多層膜を形成することがより好ましい
HWP フレネルロム
10 第一菱面体
11 第一入射端面
12 第一出射端面
13 第一全反射面
14 第二全反射面
20 第二菱面体
21 第二入射端面
22 第二出射端面
23 第三全反射面
24 第四全反射面
M 多層膜
高屈折率膜
低屈折率膜
θ 入射角
α 楔角
W 素子の幅(素子の厚み)
H 素子の高さ
L 素子の長さ
K 素子の開口
I 入射光線
R 反射光線
E 出射光線
X 光軸

Claims (12)

  1. 等方性材料で形成された平行四辺形状の第一菱面体及び第二菱面体を備えるフレネルロムであって、
    前記第一菱面体は、第一入射端面と、前記第一入射端面と平行に配置された第一出射端面と、前記第一入射端面及び前記第一出射端面と交わる第一全反射面と、前記第一全反射面と平行に配置された第二全反射面と、を有し、
    前記第二菱面体は、第二入射端面と、前記第二入射端面と平行に配置された第二出射端面と、前記第二入射端面及び前記第二出射端面と交わる第三全反射面と、前記第三全反射面と平行に配置された第四全反射面と、を有し、
    前記第一入射端面に入射した入射光線は、前記第一全反射面、前記第二全反射面、前記第三全反射面及び前記第四全反射面で全反射して、前記第二出射端面から出射光線として出射し、
    前記第一全反射面、前記第二全反射面、前記第三全反射面及び前記第四全反射面の少なくとも1つ以上の面には、多層膜が形成されており、
    前記多層膜は、前記等方性材料よりも屈折率の大きい高屈折率材料で形成された高屈折率膜と、前記等方性材料よりも屈折率の小さい低屈折率材料で形成された低屈折率膜と、が交互に積層されており、
    190nm以上2000nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えることを特徴とするフレネルロム。
  2. 前記第一全反射面、前記第二全反射面、前記第三全反射面及び前記第四全反射面の1つ又は2つの面に前記多層膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフレネルロム。
  3. 前記低屈折率材料がMgFであり、
    前記高屈折率材料がGdF、LaF及びNdFからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレネルロム。
  4. 前記等方性材料が石英又はCaFであることを特徴とする請求項3に記載のフレネルロム。
  5. 前記等方性材料が石英であり、
    前記第一菱面体及び前記第二菱面体の楔角が53°であることを特徴とする請求項3に記載のフレネルロム。
  6. 前記多層膜が4層膜であり、
    190nm以上1250nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えることを特徴とする請求項5に記載のフレネルロム。
  7. 前記多層膜が10層膜であり、
    190nm以上1630nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えることを特徴とする請求項5に記載のフレネルロム。
  8. 前記等方性材料がCaFであり、
    前記第一菱面体及び前記第二菱面体の楔角が54°であることを特徴とする請求項3に記載のフレネルロム。
  9. 前記多層膜が4層膜であり、
    190nm以上1150nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えることを特徴とする請求項8に記載のフレネルロム。
  10. 前記多層膜が10層膜であり、
    190nm以上1860nm以下の波長領域において前記入射光線に対して180°±10°の位相差を与えることを特徴とする請求項8に記載のフレネルロム。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のフレネルロムを備えることを特徴とする計測装置。
  12. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のフレネルロムを備えることを特徴とする光アッテネーター。
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