JP6868348B2 - 着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置に関するものである。
着色硬化性樹脂組成物は、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置及びプラズマディスプレイなどの表示装置に使用されるカラーフィルタの製造に用いられている。このような着色硬化性樹脂組成物としては、溶剤として、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(質量比8:2)とを含む着色硬化性樹脂組成物(特許文献1)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのみを含む着色硬化性樹脂組成物(特許文献2)が知られている。
特開2015−28121号公報 特開2014−153570号公報
しかしながら、着色硬化性樹脂組成物は、常温で保存した場合に組成物の粘度が上昇する場合があり、保存安定性が十分ではなかった。
本発明は、保存安定性が良好な着色硬化性樹脂組成物を提供する事を課題とする。
[1] 着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含有し、着色剤(A)が、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを含有する化合物のアニオンと、色素骨格を有するカチオンとからなる化合物及び染料を含み、溶剤(E)が、n種の溶剤kを含み、かつ式(1)から求められるS値が8.75(cal/cm31/2超11.11(cal/cm31/2未満であることを特徴とする着色硬化性樹脂組成物。
Figure 0006868348
[式(1)中、akは、全溶剤に対する溶剤kの含有率を表す。
kは、Fedors法に基づく溶剤kのSP値を表す。
nは、1以上の整数を表す。]
[2] 溶剤(E)が、SP値9.0(cal/cm31/2未満の第一溶剤から選択される1種以上と、SP値9.0(cal/cm31/2以上の第二溶剤から選択される1種以上を含む[1]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[3] 溶剤(E)が、沸点150℃未満の第三溶剤から選択される1種以上と、沸点150℃以上の第四溶剤から選択される1種以上を含む[1]又は[2]に記載の着色硬化性樹脂組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[5] [4]に記載のカラーフィルタを含む表示装置。
本発明によれば、保存安定性が良好な着色硬化性樹脂組成物を提供できる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含有し、溶剤(E)は、n種の溶剤kを含み、かつ所定式から求められるS値が8.75(cal/cm31/2超11.11(cal/cm31/2未満である。
以下、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)及び溶剤(E)の順に各成分を説明する。
<着色剤(A)>
着色剤(A)は、色素骨格を有するカチオンと、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを含有する化合物のアニオンとからなる化合物(Aa)(以下、化合物(Aa)という場合がある。)及び染料(Ab)を含む。化合物(Aa)及び染料(Ab)は、それぞれ1種以上であってもよい。
本発明における色素骨格とは、可視光線(波長;400〜750nm)を選択的に吸収して固有の色をもつ化合物の部分構造のことをいい、該部分構造には固有の色をもつという特徴を発現するための構造が含まれるものである。
化合物(Aa)を構成するカチオンが有する色素骨格としては、アゾ骨格、キサンテン骨格、アジン骨格、シアニン骨格、アクリジン骨格、アントラキノン骨格、スクアリリウム骨格などのうちオニウム構造を有する色素骨格;トリアリールメタン骨格;トリアリールメタン骨格の芳香族炭化水素環の1つ以上を芳香族複素環とした色素骨格等が挙げられる。中でも、好ましくはキサンテン骨格、トリアリールメタン骨格、トリアリールメタン骨格の芳香族炭化水素環の1つ以上を芳香族複素環とした色素骨格であり、より好ましくはトリアリールメタン骨格の芳香族炭化水素環の1つ以上を芳香族複素環とした色素骨格である。
タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを含有する化合物に由来するアニオンとしては、例えば、タングステンを含有するヘテロポリ酸アニオン及びタングステンを含有するイソポリ酸アニオンが好ましく、リンタングステン酸アニオン、ケイタングステン酸アニオン及びタングステン系イソポリ酸アニオンがより好ましい。
タングステンを含有するヘテロポリ酸アニオン及びイソポリ酸アニオンとしては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα−[PW12403-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα−[P218626-、β−[P218626-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα−[SiW12404-、β−[SiW12404-、γ−[SiW12404-、[P2176110-、[P2155612-、[H22124812-、[NaP53011014-、α−[SiW93410-、γ−[SiW10368-、α−[SiW11398-、β−[SiW11398-、[W6192-、[W10324-、WO4 2-およびこれらの混合物が挙げられる。
化合物(Aa)は、式(A−I)で表される化合物(以下、(A−I)ともいう)であることが好ましい。
Figure 0006868348
[式(A−I)中、R41〜R44は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基を表し、該炭素数1〜20の飽和炭化水素基において、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、置換若しくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基の炭素数が2〜20である場合、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又は−CO−に置換されていてもよい。ただし、該炭素数2〜20の飽和炭化水素基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはなく、末端のメチレン基が酸素原子又は−CO−に置換されることはない。R41とR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R43とR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
47〜R54は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基は酸素原子又は−CO−に置換されていてもよい。R48とR52とが互いに結合して、−NH−、−O−、−S−又は−SO2−を形成していてもよい。
環T1は、置換基を有していてもよい炭素数3〜10の芳香族複素環を表す。
[Y]m-は、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを含有する任意のm価のアニオンを表す。
mは任意の自然数を表す。
なお、1分子中に下記式で表されるカチオンが複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
Figure 0006868348
[式中、環T1、R41〜R44及びR47〜R54は、それぞれ、上記と同義である。]]
環T1の芳香族複素環は、単環でも縮合環でもよい。
環T1の芳香族複素環が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基等が挙げられる。環T1は、炭素数1〜10のアルキル基等の置換基を有していてもよいアミノ基を有していることが好ましい。
中でも、環T1の芳香族複素環は、窒素原子を含む芳香族複素環であることが好ましく、窒素原子を含む5員環の芳香族複素環であることがより好ましい。
さらに、環T1は、式(Ab2−y1)で表される環が特に好ましい。
Figure 0006868348
[R56は、水素原子、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。
X2は、酸素原子、−NR57−又は硫黄原子を表す。
57は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
45及びR46は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の飽和炭化水素基、炭素数2〜20のアルキル基であって、該アルキル基に含まれるメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアラルキル基あるいは水素原子を表す。R45とR46とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
ただし、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはなく、また、アルキル基の末端のメチレン基が酸素原子に置換されることもない。
*は、カルボカチオンとの結合手を表す。]
41〜R46、及びR56で表される炭素数1〜20の飽和炭化水素基は、直鎖、分岐鎖及び環状の何れであってもよい。直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基等が挙げられる。該飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜8であり、更に好ましくは炭素数1〜6である。
41〜R46、及びR56で表される環状の飽和炭化水素基は、単環でも多環でもよい。該環状の飽和炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。該環状の飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜10であり、より好ましくは炭素数6〜10である。
41〜R46、及びR56の飽和炭化水素基は、ハロゲン原子又は置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい。置換されていてもよいアミノ基としては、例えば、アミノ基;ジメエチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのアルキルアミノ基が挙げられる。またハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。またハロゲン原子がフッ素原子の場合、トリフルオロメチル単位、ペンタフルオロエチル単位、ヘプタフルオロプロピル単位などのペルフルオロアルキル単位を形成する様にハロゲン原子が置換していることが好ましい。
47〜R54で表される炭素数1〜8のアルキル基としては、R41で表される飽和炭化水素基として例示した直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基のうち炭素数1〜8の基が挙げられる。
また、R57で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、R41で表される飽和炭化水素基として例示した直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基のうち炭素数1〜10の基が挙げられる。
41〜R46で表される飽和炭化水素基(好ましくはアルキル基)の炭素数が2以上である場合、該飽和炭化水素基(好ましくはアルキル基)に含まれるメチレン基は酸素原子又は−CO−に置換されていてもよく、好ましくは酸素原子に置換されていてもよい。また、該飽和炭化水素基(好ましくはアルキル基)を構成するメチレン基間に酸素原子が挿入されていてもよい。該飽和炭化水素基(好ましくはアルキル基)の好ましい炭素数は、2〜10であり、より好ましくは2〜8である。またメチレン基が酸素原子又は−CO−に置換された時、末端と酸素原子若しくは−CO−との間、又は酸素原子若しくは−CO−と酸素原子若しくは−CO−の間の炭素数は、例えば、1〜5であり、好ましくは2〜3であり、より好ましくは2である。ただし、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはなく、また、アルキル基の末端のメチレン基が酸素原子に置換されることもない。
また、R41〜R46、及びR56で表される置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20であることが好ましく、より好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜12である。該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられ、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基であり、特に好ましくはフェニル基である。また該芳香族炭化水素基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、該置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等のハロゲン原子;クロロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ヒドロキシ基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
41〜R46で表される置換基を有していてもよいアラルキル基としては、上記芳香族炭化水素基として説明した基にメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜5のアルカンジイル基が結合した基等が挙げられる。
41及びR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに形成する環、R43及びR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに形成する環、並びにR45及びR46とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに形成する環としては、ピロリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の含窒素非芳香族4〜7員環が挙げられ、好ましくはピロリジン環、ピペリジン環などのヘテロ原子として1つの窒素原子だけを有する4〜7員環が挙げられる。
中でも、R41〜R44、及びR56としては、炭素数1〜20の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、それぞれ独立して、炭素数1〜8の飽和炭化水素基又は下記式で表される基であることがより好ましい。下記式中、*は窒素原子との結合手を表す。
Figure 0006868348
45〜R46は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、炭素数2〜20のアルキル基の炭素原子間に酸素原子が挿入された基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であるか、或いはR45とR46とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成することが好ましい。より好ましい態様は、R45〜R46が、それぞれ独立して、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、アルキコキシアルキル基、又は下記式で表される基であるか、或いはR45とR46とが結合してヘテロ原子として1つの窒素原子だけを有する4〜7員環を形成する態様である。下記式中、*は窒素原子との結合手を表す。
Figure 0006868348
また、R47〜R54で表される炭素数1〜8のアルキル基、および炭素数2〜8のアルキル基のメチレン基が酸素原子又は−CO−に置換されている基としては、前記R41〜R46の対応する基から炭素数8以下のものを選択した基が例示できる。
47〜R54は、合成の容易さの点から、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、フッ素原子又は塩素原子であることがより好ましい。
式(A−I)のカチオン部分としては、下記表1に示すように、式(A−I−1)で表されるカチオン1〜カチオン14等が挙げられる。
Figure 0006868348
Figure 0006868348
表1中、Ph1〜Ph9は、下記式で表される基を意味するものとする。式中、*は結合手を表す。
Figure 0006868348
中でも、式(A−I)のカチオン部分としては、カチオン1〜カチオン6、カチオン11〜カチオン14が好ましく、カチオン1、カチオン2、またはカチオン12〜カチオン14が特に好ましく、最も好ましくはカチオン12である。
化合物(Aa)としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006868348
Figure 0006868348
式(A−I)で表される化合物は、特開2015―28121号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
染料(Ab)
染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)において顔料以外で色相を有するものに分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。特にキサンテン染料及びアゾ染料(例えば、モノアゾ染料、ジアゾ染料、トリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料等)が好ましい。
キサンテン染料としては、上記例示の化合物の他、例えば、C.I.アシッドレッド51(以下、C.I.アシッドレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。他も同様である。)、52、87、92、94、388、C.I.アシッドバイオレット9、30C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、2、3、4、8、C.I.ベーシックレッド10(ローダミンB)、11、C.I.ベーシックバイオレット10、11、25、C.I.ソルベントレッド218、C.I.モーダントレッド27、C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)、スルホローダミンG、特開2010−32999号公報に記載のキサンテン染料及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン染料等も挙げられる。
キサンテン染料は以下の式(a1−1)で表される化合物(以下、化合物(a1−1)ともいう)であることがさらに好ましい。化合物(a1−1)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 0006868348
[式(a1−1)中、R1〜R4は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH2−)は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。R1及びR2は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R3及びR4は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
5は、−OH、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+、−CO2H、−CO2 -+、−CO28、−SO38又は−SO2NR910を表す。
6及びR7は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5は同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
+は、+N(R114、Na+又はK+を表し、4つのR11は同一でも異なってもよい。
8は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
9及びR10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR8−で置き換わっていてもよく、R9及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。
11は、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
また、キサンテン染料としては、式(a1−2)で表される化合物(以下「化合物(a1−2)」という場合がある。)も好ましい。化合物(a1−2)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 0006868348
[式(a1−2)中、R21及びR22は、互いに独立に、炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基を表し、該R21、R22の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記R21、R22の飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。
23及びR24は、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基又は炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。
21及びR23は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R22及びR24は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR23は同一でも異なってもよく、qが2以上のとき、複数のR24は同一でも異なってもよい。
11は、上記と同じ意味を表す。]
21及びR22における炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基としては、R8におけるもののうち炭素数1〜10の基が挙げられる。
置換基として有していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、R1におけるものと同じ基が挙げられる。
炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
21及びR22は、互いに独立に、炭素数1〜3の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。
23及びR24における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
23及びR24における炭素数1〜4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
23及びR24における炭素数1〜4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
23及びR24は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
p及びqは、0〜2の整数が好ましく、1又は2が好ましい。
この他の染料として、アゾ染料、チアゾール染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、キノフタロン染料等を使用してもよくそれぞれ公知の染料が使用される。
アゾ染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー(以下、C.I.ダイレクトイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)2、33、34、35、39、50、69、70、71、86、93、94、95、98、102、109、129、136、141;
C.I.ダイレクトオレンジ41、46、56、61、64、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、97、98、99、106、107、172、173、176、177、179、181、182、204、207、211、213、218、221、222、232、233、243、246、250;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー51、57、71、81、84、85、90、93、94、95、98、100、101、113、149、150、153、160、162、163、164、166、167、170、172、188、192、193、194、196、198、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275;
C.I.ダイレクトグリーン27、34、37、65、67、68、69、72、77、79、82など;
C.I.アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I.アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I.アシッドバイオレット11、56、58;
C.I.アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I.アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I.アシッドブルー92、102、113、117等;
C.I.ベーシックレッド17、22、23、25、29、30、38、39、46、46:1、82;
C.I.ベーシックオレンジ2、24、25;
C.I.ベーシックバイオレット18;
C.I.ベーシックイエロー15、24、25、32、36、41、73、80;
C.I.ベーシックブラウン1;
C.I.ベーシックブルー41、54、64、66、67、129等が挙げられる。
アゾ染料は、金属錯塩アゾ染料であってもよい。金属錯塩アゾ染料は、アゾ骨格を含む配位子と中心金属とが錯体を形成している化合物である。中心金属としては、クロム、コバルト、ニッケルが好ましく、クロム又はコバルトがより好ましい。
金属錯塩アゾ染料としては、例えば、下記式(a2−1)で表される化合物(以下、化合物(a2−1)ともいう)であることがより好ましい。化合物(a2−1)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 0006868348
[式(a2−1)中、R71〜R88は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR91、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
89及びR90は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
91は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はMとの結合手を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、1〜5の整数を表す。
+は、ヒドロン、又は1価の金属カチオンを表す。]
71〜R88、R91で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
71〜R88のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。
89及びR90は、メチル基が好ましい。
91で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
上記式(a2−1)において、各基の好ましい組合せは以下の通りである。
すなわち式(a2−1)では、
71〜R79のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR91、−SO3H、及び−SO2CH3から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
80〜R88のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR91、−SO3H、及び−SO2CH3から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
89及びR90がメチル基であり、
91が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、
1〜A4のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、
MはCrであり、
DはNaであり、
nは1となる組合せが好ましい。
金属錯塩アゾ染料としては、C.I.ソルベントレッド125、130;C.I.ソルベントイエロー21、及び特開2010−170116号公報又は特開2011−215572号公報記載の化合物等が挙げられる。
着色混合液
本発明の着色硬化性樹脂組成物を製造するにあたり、化合物(Aa)は、溶剤に溶解又は分散させて混合して着色混合液を調製することが好ましい。着色混合液と、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)などとを混合して着色硬化性樹脂組成物を調製することにより、該着色硬化性樹脂組成物から形成されたカラーフィルタの耐熱性をさらに高めることができる。
溶剤としては、着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として使用可能な溶剤であればいずれも使用できる。溶剤は、例えば、エーテルエステル溶剤であり、より好ましくはアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールの一つのヒドロキシ基がエーテル化され、残りのヒドロキシ基がエステル化された溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらは単独又は複数種含んでいてもよい。
着色混合液中、溶剤の含有量は、化合物(Aa)1質量部に対して、例えば、1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは3〜10質量部である。
化合物(Aa)を溶剤に分散させて着色混合液を調製するに当たっては、分散剤を使用することが好ましい。分散剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の公知の顔料分散剤を使用できる。これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(BASF社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。
該着色混合液中、分散剤の含有量は、化合物(Aa)100質量部に対して、例えば、1〜1000質量部、好ましくは3〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部、特に好ましくは10〜30質量部である。
着色混合液は、染料(Ab)の一部又は全部、好ましくは全部を予め含んでいてもよい。着色混合液中の染料(Ab)の量は、化合物(Aa)100質量部に対して、例えば、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
化合物(Aa)を溶剤に分散させて着色混合液を調製する場合、着色混合液は、着色硬化性樹脂組成物に含有される樹脂(B)の一部又は全部、好ましくは一部を予め含んでいてもよい。樹脂(B)を予め含ませておくことで、着色硬化性樹脂組成物にした時の分散安定性をさらに改善できる。着色混合液中の樹脂(B)の含有量は、化合物(Aa)100質量部に対して、例えば、1〜300質量部、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜70質量部である。
染料(Ab)と化合物(Aa)の質量比(染料(Ab)/化合物(Aa))は、好ましくは0.001以上、0.5以下であり、より好ましくは0.005以上、0.4以下、さらに好ましくは0.01以上、0.3以下、さらにより好ましくは0.02以上、0.2以下である。
着色剤(A)は、化合物(Aa)及び染料(Ab)に加えて、顔料(Ac)をさらに含んでいてもよい。顔料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料(ただし、化合物(Aa)とは異なる。)が挙げられ、以下の顔料を例示できる。
緑色顔料:C.I.ピグメントグリーン7、36、58等
黄色顔料:C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等
オレンジ色顔料:C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等
赤色顔料:C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等
青色顔料:C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等
バイオレット色顔料:C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等
これらの顔料は、各色について1種の顔料又は複数の顔料を使用してもよく、各色の顔料を組み合わせてもよい。
中でも、前記顔料(Ac)は、青色顔料又は赤色顔料であることが好ましく、より好ましくはC.I.ピグメントブルー15:3、15:6又はC.I.ピグメントレッド177、242、254、255、264である。
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基または塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。顔料の粒径は、略均一であることが好ましい。顔料は、顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料分散剤溶液の中で均一に分散した状態の顔料分散液とすることができる。顔料は、それぞれ単独で分散処理してもよいし、複数種を混合して分散処理してもよい。
顔料分散剤としては、界面活性剤等が挙げられ、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。なかでも、アクリル系界面活性剤が特に好ましい。これらの顔料分散剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名で示すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF社製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(登録商標)(ビックケミー社製)等が挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料100質量部に対して、好ましくは10質量部以上200質量部以下であり、より好ましくは15質量部以上180質量部以下、さらに好ましくは20質量部以上160質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、2種以上の顔料を使用する場合により均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
着色硬化性樹脂組成物中の着色剤(A)の含有率は、固形分の総量に対して、通常5質量%以上70質量%以下であり、好ましくは7質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上55質量%以下であり、特に好ましくは12質量%以上50質量%以下である。前記化合物(Aa)の含有率が前記の範囲内であると、所望とする分光や色濃度をより得やすくなる。なお、本明細書において「固形分の総量」とは、本発明の着色硬化性樹脂組成物から溶剤を除いた成分の合計量をいう。固形分の総量およびこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段により測定することができる。
顔料(Ac)を含む場合、顔料(Ac)の含有率は、前記着色剤(A)の総量に対して、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量部以上70質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上60質量%以下である。
<樹脂(B)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる樹脂(B)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位を有する付加重合体がより好ましい。このような樹脂としては、下記樹脂[K1]〜[K6]が挙げられる。
樹脂[K1]:不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種の単量体(a)(以下「(a)」ということがある)と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」ということがある)との共重合体
樹脂[K2]:(a)と、(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)および(b)とは異なる。)(以下「(c)」ということがある)との共重合体
樹脂[K3]:(a)と(c)との共重合体
樹脂[K4]:(a)と(c)との共重合体に(b)を反応させることにより得られる樹脂
樹脂[K5]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させることにより得られる樹脂
樹脂[K6]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させることにより得られる樹脂
樹脂(B)は、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する構成単位と、エチレン性不飽和結合と炭素数2〜4の環状エーテル構造とを有する単量体に由来する構成単位とを含む共重合体、すなわち、樹脂[K1]及び/又は樹脂[K2]を含むことが好ましい。
(a)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物及び5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸の無水物等のカルボン酸無水物;等が挙げられる。
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環、及びテトラヒドロフラン環よりなる群より選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。
(b)としては、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」ということがある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」ということがある)およびテトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」ということがある)が挙げられる。
(b1)としては、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」ということがある)および脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」ということがある)が挙げられる。
(b1−1)としては、グリシジル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体が好ましい。(b1−1)としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレンおよび2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレンが挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド(登録商標)2000;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)A400;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006868348
[式中、RaおよびRbはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。XaおよびXbはそれぞれ独立して、単結合、*−Rc−、*−Rc−O−、*−Rc−S−または*−Rc−NH−を表す。Rcは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。*は、Oとの結合手を表す。]
式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを併用してもよい。これらを併用する場合、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物の比率(式(1)で表される化合物:式(2)で表される化合物)はモル基準で、好ましくは5:95〜95:5であり、より好ましくは10:90〜90:10であり、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b)が(b1)であることが好ましく、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1)が(b1−2)であることが好ましい。
(c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」ということがある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のジカルボニルイミド化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基含有ニトリル;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化炭化水素;アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル基含有アミド;酢酸ビニル等のエステル;1,3−ブタジエン、イソプレンおよび2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンのジエン;等が挙げられる。
これらの中でも、共重合反応性および耐熱性の観点から、ビニル基含有芳香族化合物、ジカルボニルイミド化合物、ビシクロ不飽和化合物が好ましい。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミドおよびビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましい。
樹脂[K1]〜[K3]は、例えば、重合開始剤の存在下、重合体の構造単位を導く単量体を溶剤中で重合することにより製造できる。溶剤としては、各単量体を溶解するものであればよく、本発明の着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
樹脂[K6]の製造に用いられるカルボン酸無水物としては、(a)で挙げた酸無水物等が挙げられる。
樹脂(B)は、単独でも使用してもよく、2種以上を組み合わせてもよく、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂が特に好ましい。
樹脂を2種以上組み合わせる場合、樹脂[K1]及び/又は樹脂[K2]と樹脂[K4]〜樹脂[K6]との組合せが好ましく、樹脂[K1]及び/又は樹脂[K2]と樹脂[K4]との組合せがより好ましい。
樹脂[K1]及び/又は樹脂[K2]と樹脂[K4]〜樹脂[K6]とを組み合わせる場合、その質量比({樹脂[K1]及び/又は樹脂[K2]}/{樹脂[K4]〜樹脂[K6]})は、10/90〜90/10であることが好ましく、より好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30である。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、3,000以上100,000以下であることが好ましく、より好ましくは4,000以上100,000以下、さらに好ましくは5,000以上80,000以下、さらにより好ましくは6,000以上50,000以下である。分子量が前記の範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、1.1〜6であることが好ましく、より好ましくは1.2〜4、さらに好ましくは1.3〜3である。
樹脂(B)の酸価(固形分換算)は、20〜200mg−KOH/gであることが好ましく、より好ましくは50mg−KOH/g以上、さらに好ましくは80mg−KOH/g以上、より好ましくは180mg−KOH/g以下、さらに好ましくは150mg−KOH/g以下である。酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)の合計の含有量は、固形分の総量に対して、10〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜60質量%、さらに好ましくは20〜60質量%、よりいっそう好ましくは23〜55質量%、特に好ましくは25〜55質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、着色パターン形成が容易で、着色パターンの解像度および残膜率が向上する傾向がある。
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤から発生した活性ラジカルおよび/または酸によって重合しうる化合物であり、例えば、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物が挙げられ、(メタ)アクリル酸エステル構造を有する化合物が好ましい。重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を5つ〜6つ有する重合性化合物であることがより好ましい。
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、上述の(a)、(b)および(c)が挙げられる。エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテルおよび3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらのなかでも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上、2,900以下、より好ましくは250以上、1,500以下である。
本発明の着色硬化性樹脂組成物中の重合性化合物(C)の含有量は、固形分の総量に対して、通常1〜60質量%であり、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは12〜35質量%である。樹脂(B)と重合性化合物(C)との含有量比(樹脂(B):重合性化合物(C))は質量基準で、通常20:80〜80:20であり、好ましくは35:65〜80:20である。重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率およびカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)は、好ましくは、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む重合開始剤であり、より好ましくは、O−アシルオキシム化合物を含む重合開始剤である。
O−アシルオキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミンおよびN−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンが挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。なかでも、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンおよびN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンがより好ましい。
アルキルフェノン化合物は、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンおよび2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オンが挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
アルキルフェノン化合物は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノンおよびベンジルジメチルケタールであってもよい。
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
ビイミダゾール化合物としては、具体的には、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報、特開平07−010913号公報に記載される化合物及び下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006868348
他の重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(特にアミン系重合開始助剤)と組み合わせて用いることが好ましい。
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)および重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、通常0.1〜40質量部であり、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜30質量部であり、特に好ましくは1〜20質量部である。
<重合開始助剤>
重合開始助剤は、重合開始剤(D)によって重合が開始された重合性化合物(C)の重合を促進するために用いられる化合物または増感剤である。本発明の着色硬化性樹脂組成物が重合開始助剤を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤としては、アミン系重合開始助剤、アルコキシアントラセン系重合開始助剤、チオキサントン系重合開始助剤およびカルボン酸系重合開始助剤が挙げられる。
アミン系重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンおよび4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられ、なかでも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアルキルアミノベンゾフェノン;が好ましい。中でも、アルキルアミノベンゾフェノンが好ましく、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
アルコキシアントラセン系重合開始助剤としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセンおよび2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセンが挙げられる。
チオキサントン系重合開始助剤としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンおよび1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンが挙げられる。
カルボン酸系重合開始助剤としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸及びN−フェニルグリシンが挙げられる。
重合開始助剤を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)および重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始助剤の含有量がこの範囲内であると、より高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、n種の溶剤kを含み、かつ下記式から求められるS値が8.75(cal/cm31/2超11.11(cal/cm31/2未満である。なおFedors法の詳細については、Polymer Engineering and Science,1974,vol.14,p.147−154に記載されている。
Figure 0006868348
[式(1)中、akは、全溶剤に対する溶剤kの含有率を表す。
kは、Fedors法に基づく溶剤kのSP値を表す。
nは、1以上の整数を表す。]
溶剤が1種である場合(n=1)、溶剤1のSP値がそのままS値となる。
溶剤が2種である場合(n=2)、全溶剤に対する溶剤1の含有率a1、全溶剤に対する溶剤2の含有率a2は、それぞれ溶媒1と溶媒2の合計量に対して求められ、S値=(溶剤1の含有率a1×溶剤1のSP値)+(溶剤2の含有率a2×溶剤2のSP値)となる。
nは、2以上であることが好ましく、2〜5の整数であることがより好ましく、さらに好ましくは2又は3である。
S値は、8.75(cal/cm31/2超11.11(cal/cm31/2未満であり、好ましくは8.76(cal/cm31/2以上11.00(cal/cm31/2以下、より好ましくは8.77(cal/cm31/2以上10.90(cal/cm31/2以下、さらに好ましくは10.80(cal/cm31/2以下、さらにより好ましくは10.70(cal/cm31/2以下、特に好ましくは10.60(cal/cm31/2以下、最も好ましくは10.50(cal/cm31/2以下である。上記範囲を満たさない場合、明度が低下し、着色組成物層の溶解時間が長くなり、保存安定性が悪くなる傾向がある。
溶剤(E)は、限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−および−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤およびジメチルスルホキシドが挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテートおよびγ−ブチロラクトンが挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトールおよびメチルアニソールが挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートおよびジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテートが挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびイソホロンが挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンが挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレンが挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンが挙げられる。
これらの溶剤は、二種以上を組み合わせてもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上、210℃以下である有機溶剤が好ましい。なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、プロピレングリコールジアセテート、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、プロピレングリコールジアセテートがより好ましい。
溶剤(E)は、SP値9.0(cal/cm31/2未満の第一溶剤から選択される1種以上と、SP値9.0(cal/cm31/2以上の第二溶剤から選択される1種以上を含むことが好ましく、溶剤(E)は、沸点150℃未満の第三溶剤から選択される1種以上と、沸点150℃以上の第四溶剤から選択される1種以上を含むことが好ましい。SP値は、Fedors法により算出することができる。
溶剤(E)は、好ましくは第一溶剤及び第三溶剤のいずれかに属する溶剤(i)と、第二溶剤及び第四溶剤のいずれかに属する溶剤(ii)とを含んでいてもよく、より好ましくは第一溶剤及び第三溶剤の両方に属する溶剤(i)と、第二溶剤及び第四溶剤の両方に属する溶剤(ii)とを含んでいてもよい。また溶剤(E)は、第一溶剤及び第三溶剤の両方に属する溶剤(i)と、第二溶剤及び第三溶剤の両方に属する溶剤(ii)とを含んでいてもよい。
上記S値を満足する限り、溶剤(i)には、第一溶剤及び第三溶剤のいずれかに属する溶剤が含まれていてもよく、溶剤(ii)には、第二溶剤及び第四溶剤のいずれかに属する溶剤が含まれていてもよい。
中でも、第一溶剤及び第三溶剤の両方に属する溶剤(i)は、エーテル溶剤であることが好ましく、アルキレングリコールを有するエーテル溶剤であることがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに好ましい(沸点146℃:SP値8.73(cal/cm31/2)。
第二溶剤及び第四溶剤の両方に属する溶剤(ii)は、エステル溶剤、エーテル溶剤、及びケトン溶剤から選択されることが好ましく、アルキル基を有するエステル溶剤、アルキレングリコールを有するエーテル溶剤、ヒドロキシ基を有するケトン溶剤であることがより好ましく、乳酸エチル(沸点155℃:SP値11.93(cal/cm31/2)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃:SP値9.60(cal/cm31/2)、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(沸点168℃:SP値11.70(cal/cm31/2)がさらに好ましい。
さらに、第二溶剤及び第三溶剤の両方に属する溶剤(ii)は、エーテル溶剤であることが好ましく、アルキレングリコールを有するエーテル溶剤であることがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃:SP値11.27(cal/cm31/2)がさらに好ましい。
第一溶剤(好ましくは第一溶剤と第三溶剤の両方を満足する溶剤)は、全溶剤100質量%中、好ましく20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、例えば99質量%以下であり、好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは97質量%以下、よりいっそう好ましくは95質量%以下である。第一溶剤が上記範囲を満たさない場合、得られるカラーフィルタの明度が低下し、着色組成物層の溶解時間が長くなり、保存安定性も悪化する傾向がある。
溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常60〜95質量%であり、好ましくは65〜92質量%であり、より好ましくは70〜90質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、また、カラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
<レベリング剤>
前記着色硬化性樹脂組成物は、レベリング剤を含んでいてもよい。レベリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452およびTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)およびE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合およびフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477および同F443(DIC(株)製)が挙げられる。
レベリング剤の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常0.0005質量%以上0.6質量%以下であり、好ましくは0.001質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.005質量%以上0.07質量%以下である。レベリング剤の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
レベリング剤の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分総量に対して、通常0.001質量%以上2.0質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上1.5質量%以下であり、より好ましくは0.004質量%以上1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.008質量%以上0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、例えば、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、溶剤(E)、および、必要に応じて、レベリング剤、重合開始助剤およびその他の成分を混合することにより調製できる。
混合後の着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.01〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、および/または現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜を本発明のカラーフィルタとすることができる。
作製するカラーフィルタの膜厚は、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、通常0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜6μmである。
基板としては、ガラス板や、樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知または慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)および/または減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法およびスリット アンド スピンコート法が挙げられる。
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナおよびステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。現像方法は、パドル法、ディッピング法およびスプレー法のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
得られた着色パターンに、さらにポストベークを行うことが好ましい。この様にして得られた着色パターンや着色塗膜を有するカラーフィルタは、種々の特性を付与する為、さらに表面コート処理に供してもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)および固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特に断らないかぎり質量基準である。
合成例1
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び撹拌装置を備えたフラスコにN−メチルアニリン(東京化成工業(株)社製)15.3部およびN,N−ジメチルホルムアミド60部を投入した後、混合溶液を氷冷した。氷冷下に60%水素化ナトリウム(東京化成工業(株)社製)5.7部を30分かけて少しずつ加えた後、室温に昇温しながら1時間撹拌した。4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(東京化成工業(株)社製)10.4部を少しずつ反応液に加えて室温で24時間撹拌した。反応液を氷水200部に少しずつ加えた後、室温で15時間静置し、水をデカンテーションで取り除くと残渣として粘調固体が得られた。この粘調固体にメタノール60部を加えた後、室温で15時間撹拌した。析出した固体をろ別した後、カラムクロマトグラフィーで精製した。精製した淡黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(C−I−18)で表される化合物を9.8部得た。
Figure 0006868348
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(B−I−7)で表される化合物8.2部、式(C−I−18)で表される化合物10部およびトルエン20部を投入した後、次いで、オキシ塩化リン12.2部を加えて95〜100℃で3時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却した後、イソプロパノール170部で希釈した。次いで、希釈した反応溶液を飽和食塩水300部の中に注いだ後、トルエン100部を加えて30分攪拌した。ついで攪拌を停止し、30分静置したところ、有機層と水層に分離した。水層を分液操作で廃棄した後、有機層を飽和食塩水300部で洗浄した。有機層へ適当量の芒硝を加えて30分攪拌した後、ろ過して乾燥された有機層を得た。得られた有機層をエバポレーターで溶媒留去して、青紫色固体を得た。さらに青紫色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A−II−18)で表される化合物を18.4部得た。
Figure 0006868348
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A−II−18)で表される化合物8部、メタノール396部を投入した後、室温で30分攪拌して青色溶液を調製した。次いで、青色溶液に水396部を投入した後に、さらに室温で30分攪拌して反応溶液を得た。
ビーカー中に水53部に投入し、更に、ケギン型リンタングステン酸(Aldrich社製)11.8部及びメタノール53部を該水中に投入し、空気雰囲気下、室温で混合しリンタングステン酸溶液を調製した。
得られたリンタングステン酸溶液を、先に調製した反応溶液中へ1時間かけて滴下した。さらに室温で30分撹拌した後、濾過して青色固体を得た。得られた青色固体をメタノール200部中に投入し1時間分散させた後、濾過する操作を2回繰り返した。該操作により得られた青色固体を水200部中に投入し1時間分散させた後、濾過する操作を2回繰り返した。該操作により得られた青色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A−I−18)で表される化合物を17.1部得た。
Figure 0006868348
合成例2
式(1x)で表される化合物20部とN−プロピル−2,6−ジメチルアニリン(和光純薬工業(株)製)200部とを遮光条件下で混合し、得られた溶液を110℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、水800部、35重量%塩酸50部の混合液中に添加し室温で1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を吸引濾過の残渣として取得後乾燥し、式(1−32)で表される化合物を得た。
Figure 0006868348
合成例3
2−アミノ−4−メチルスルホニル−6−ニトロフェノール(CAS No.101861−04−5)7.5部に水65部を加えた後、水酸化ナトリウム1.3部を加え、溶解させた。氷冷下、35%亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)水溶液6.1部を加え、ついで35%塩酸19.4部を少しずつ加えて溶解させ2時間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。ついでアミド硫酸(和光純薬工業(株)製)5.6部を水26部に溶解させた水溶液をゆっくりと加え、過剰の亜硝酸ナトリウムを不活性化させた。
ついで、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン(和光純薬工業(株)製)5.6部を水70部に懸濁させ、水酸化ナトリウムを用いて、pHを8.0に調整した。ここに、前記ジアゾニウム塩を含む懸濁液を15分かけて、pHが7から7.5の範囲におさまるように10%水酸化ナトリウム溶液を適宜追加しながら、滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌することで黄色の懸濁液を得た。1時間攪拌した。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(p−2)で表される化合物11.7部(収率87%)を得た。
Figure 0006868348
式(p−2)の化合物10部をジメチルホルムアミド(東京化成工業(株)製)100部に入れて溶解し、硫酸アンモニウムクロム(III)12水(和光純薬工業(株)製)3.1部、酢酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)1.1部を加えた後、4時間半の間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応溶液を20%食塩水1500部へ注入し、ろ過後に得られた赤橙色固体を60℃で乾燥し、式(z−2)で表される化合物13.6部(収率63%)を得た。
Figure 0006868348
合成例4
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート371部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸54部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で50:50)225部、ビニルトルエン(異性体混合物)81部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80部に溶解させて調製した混合溶液を4時間かけてフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部に溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、85℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、共重合体(樹脂B−1)溶液を得た。樹脂(B−1)溶液の固形分は37.5%、B型粘度計(23℃)で測定した粘度は246mPa・sであった。樹脂(B−1)の重量平均分子量は1.06×104、固形分換算の酸価は115mg−KOH/g、分子量分布は2.01であった。樹脂(B−1)は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006868348
合成例5
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及びガス導入管を備えた1Lのフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート353gを導入した。その後、ガス導入管を通じて窒素ガスをフラスコ内に導入し、フラスコ内雰囲気を窒素ガスに置換した。フラスコ内の溶液を100℃に昇温した後、N−ベンジルマレイミド18.7g(0.10モル)、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、メタクリル酸51.7g(0.6モル)、メチルメタクリレート90.0g(0.9モル)、アゾビスイソブチロニトリル5.2g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gからなる混合物を、滴下ロートを用いて2時間かけてフラスコ内に滴下し、滴下完了後さらに100℃で5時間撹拌した。
攪拌終了後、ガス導入管を通じて空気をフラスコ内に導入して、フラスコ内雰囲気を空気に置換した後、グリシジルメタクリレート28.5g[0.2モル(本反応に用いたメタクリル酸に対してモル分率で、33モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール1.3g及びハイドロキノン0.165gをフラスコ内に投入し、反応を110℃で6時間続け、固形分39.3%、固形分酸価80mgKOH/gの樹脂(B−2)溶液を得た。得られた樹脂(B−2)のポリスチレン換算の重量平均分子量は16,000であった。
合成例6
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート61.7g(0.35モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)33.0g(0.15モル)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、固形分酸価が79mgKOH/gの樹脂(B−3)を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は12,000で、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
前記の樹脂ポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
被検液濃度;25mg/mL(溶剤;THF)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
実施例1〜21及び比較例1、2
表4〜5に示す組成となるように各成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。また、実施例1〜21及び比較例1、2で用いた溶剤について、それぞれ式(1)から求められるS値を下記に示す。
Figure 0006868348
Figure 0006868348
1)A1−1は、必要に応じて用いる分散剤、B−14)、及びE−15)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合し、予め分散させて使用するか、B−14)、及びE−512)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルを混合し、予め分散させて使用する。
2)樹脂B−1含有量の合計を示す。
3)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を示す。
6)A1−2は、アクリル系顔料分散剤、B−110)、及びE−111)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合し、予め分散させて使用する。
7)A1−3は、アクリル系顔料分散剤、B−110)、及びE−111)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合し、予め分散させて使用する。
8)A1−4は、分散剤、B−14)、及びE−15)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合し、予め分散させて使用する。
9)A1−5は、分散剤、B−14)、及びE−15)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合し、予め分散させて使用する。
なお、表4〜5中、各成分は以下のものを表す。また、樹脂(B)は、固形分換算の質量部を示した。
着色剤(A);1−1;式(1−32)で表される化合物
着色剤(A);1−2;式(z−2)で表される化合物
着色剤(A);A1−1;式(A−I−18)で表される化合物
着色剤(A);A1−2;C.I.ピグメントブルー15:6
着色剤(A);A1−3;C.I.ピグメントレッド254
着色剤(A);A1−4;C.I.ピグメントブルー1
着色剤(A);A1−5;C.I.ピグメントレッド81
樹脂(B);(B−1);樹脂(B−1)
樹脂(B);(B−2);樹脂(B−2)
樹脂(B);(B−3);樹脂(B−3)
重合性化合物(C);(C−1);ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D);(D−1);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュアOXE 01;BASF社製;オキシム化合物)
溶剤(E);(E−1);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E);(E−2);乳酸エチル
溶剤(E);(E−3);プロピレングリコールジアセテート
溶剤(E);(E−4);4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン
溶剤(E);(E−5);プロピレングリコールモノメチルエーテル
界面活性剤(F);(F−1);ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製)
<着色パターンの作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。放冷後、この着色組成物層が形成された基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を80μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、35mJ/cm2の露光量(365nm基準)で着色組成物層に光照射した。フォトマスクとしては、50μmラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。光照射後の着色組成物層が形成された基板を、現像液(質量分率で水酸化カリウムを0.05%およびブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.2%それぞれ含む水溶液)に25℃で60秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、着色パターンを得た。
<膜厚測定>
得られた着色パターンについて、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて膜厚を測定した。結果を表6〜7に示す。
<色度評価>
得られた着色パターンについて、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と明度Yを測定した。結果を表6〜7に示す。
<溶解性評価>
2インチ角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)を、中性洗剤、水及びエタノールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコートし、次にクリーンオーブン中、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。
次いで、着色組成物層が形成された基板を、液温25℃の現像液(質量分率で水酸化カリウムを0.05%およびブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.2%それぞれ含む水溶液)に浸漬して現像し、基板の中心から10mmの部分が溶解し終わる時間を溶解時間とした。溶解時間が25秒以下であれば、溶解性は良好である。このような着色硬化性樹脂組成物では、現像時間が短くても残渣等の現像不良が抑制された着色パターンを作製できるため、生産性が高いといえる。結果を表6〜7に示す。
<保存安定性>
着色硬化性樹脂組成物の粘度を、粘度計(機種;VISCMETER TV−30;東機産業(株)製;回転速度100rpm;測定温度23℃)を用いて測定した。この着色硬化性組成物を40℃で7日間保存後に粘度を測定し、下記式に従い増粘率を計算した。この結果を表6〜7に示す。
増粘率=(7日間保存後の粘度)/(調製直後の粘度)
Figure 0006868348
Figure 0006868348
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、良好な保存安定性を有する。

Claims (4)

  1. 着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含有し、
    着色剤(A)が、式(A−I)で表される化合物及び染料を含み、
    溶剤(E)が、n種の溶剤kからなり、かつ式(1)から求められるS値が8.75(cal/cm31/2超10.33(cal/cm31/2以下であることを特徴とする着色硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006868348
    [式(1)中、akは、全溶剤に対する溶剤kの含有率を表す。
    kは、Fedors法に基づく溶剤kのSP値を表す。
    nは、1以上の整数を表す。]
    Figure 0006868348
    [式(A−I)中、R41〜R44は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアラルキル基を表し、該炭素数1〜20の飽和炭化水素基において、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、置換若しくは非置換のアミノ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基の炭素数が2〜20である場合、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又は−CO−に置換されていてもよい。ただし、該炭素数2〜20の飽和炭化水素基において、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されることはなく、末端のメチレン基が酸素原子又は−CO−に置換されることはない。R41とR42とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよく、R43とR44とが結合してそれらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
    47〜R54は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基を構成するメチレン基は酸素原子又は−CO−に置換されていてもよい。R48とR52とが互いに結合して、−NH−、−O−、−S−又は−SO2−を形成していてもよい。
    環T1は、置換基を有していてもよい炭素数3〜10の芳香族複素環を表す。
    [Y]m-は、タングステンを含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のm価のアニオンを表す。
    mは任意の自然数を表す。
    なお、1分子中に下記式で表されるカチオンが複数含まれる場合、それらは同じ構造であっても異なる構造であってもよい。
    Figure 0006868348
    [式中、環T1、R41〜R44及びR47〜R54は、それぞれ、上記と同義である。]]
  2. 溶剤(E)が、SP値9.0(cal/cm31/2未満の第一溶剤から選択される1種以上と、SP値9.0(cal/cm31/2以上の第二溶剤から選択される1種以上を含む請求項1に記載の着色硬化性樹脂組成物。
  3. 溶剤(E)が、沸点150℃未満の第三溶剤から選択される1種以上と、沸点150℃以上の第四溶剤から選択される1種以上を含む請求項1又は2に記載の着色硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の着色硬化性樹脂組成物を用いて着色パターン又は着色塗膜を形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法
JP2016099811A 2015-06-30 2016-05-18 着色硬化性樹脂組成物、及びカラーフィルタの製造方法 Active JP6868348B2 (ja)

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