JP6841077B2 - 加速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、加速度センサに関する。
ベース層と、互いに対向する第一及び第二主面を有する圧電素子と、おもり層と、を備えている加速度センサが知られている(たとえば、特許文献1)。特許文献1に記載の加速度センサでは、おもり層に慣性力が働くと、この慣性力に応じた荷重が圧電素子に付与される。圧電素子は付与された荷重に応じて電荷を発生するため、圧電素子で発生した電荷に基づいて、加速度の大きさが検出され得る。
特開2007−101448号公報
本発明は、基板で発生するうねりから圧電素子が受ける影響が小さい、加速度センサを提供することを目的とする。
本発明者らは、調査研究の結果、以下のような事実を新たに見出した。
特許文献1に記載の加速度センサは、たとえば、ベース層側を実装面として電子機器の基板に実装される。電子機器に加速度が加わると、基板にうねりが発生する。このうねりは、加速度センサのベース層を介して圧電素子に荷重を与える。すなわち、おもり層の慣性力だけでなく基板のうねりにも起因して、圧電素子に電荷が発生する。
電子機器における基板の固定状態又は基板に対する加速度センサの固定状態等が異なれば、基板で発生するうねりの状態も異なる。このため、特許文献1に記載の加速度センサに同一の加速度を加えたとしても、上記固定状態が異なるのであれば、圧電素子に付与される荷重も異なる。したがって、加速度センサに同一の加速度が加えられたときに同様の検出値を得るには、同様の固定状態に設定とすることが求められ、加速度の測定は煩雑であった。
そこで、本発明者らは、基板で発生するうねりから加速度センサの圧電素子が受ける影響を抑制できる構成について鋭意研究を行った。
この結果、本発明者らは、ベース層と圧電素子の第一主面とを接着している第一接着層が、おもり層と圧電素子の第二主面とを接着している第二接着層よりも柔らかく、第一接着層の厚みは、10μm以上であるという構成を見出すに至った。この構成では、加速度センサが実装されている基板で発生するうねりの影響が第一接着層で抑制される。
本発明の一態様に係る加速度センサは、ベース層と、互いに対向する第一及び第二主面を有する圧電素子と、ベース層と圧電素子の第一主面とを接着している第一接着層と、おもり層と、おもり層と圧電素子の第二主面とを接着している第二接着層と、を備え、第一接着層は、第二接着層よりも柔らかく、第一接着層の厚みは、10μm以上である。
本発明に係る加速度センサでは、第一接着層が第二接着層よりも柔らかく、第一接着層の厚みが基板で発生するうねりから加速度センサの圧電素子が受ける影響を抑制するのに十分な値を有している。
圧電素子に電気的に接続されている一対の端子電極と、各端子電極の一部を覆うと共に、一対の端子電極よりもはんだに対して濡れ性が低い材料からなるカバー部と、を更に備え、圧電素子は、第一及び第二主面に直交すると共に互いに対向する一対の端面を有し、各端子電極は、端面を含む面上に配置されていると共に、ベース層側においてカバー部から露出しており、第一接着層は、カバー部よりも柔らかくてもよい。この場合、カバー部によってはんだの這い上がりが調整され得る。第一接着層は、このカバー部よりも柔らかいため、カバー部よりも硬い場合に比べて、基板で発生するうねりから加速度センサの圧電素子が受ける影響が抑制されやすい。
圧電素子に電気的に接続されている一対の端子電極と、各端子電極の一部を覆うと共に、一対の端子電極よりもはんだに対して濡れ性が低い材料からなるカバー部と、を更に備え、圧電素子は、第一及び第二主面に直交すると共に互いに対向する一対の端面を有し、各端子電極は、端面を含む面上に配置されていると共に、少なくとも圧電素子及び第一接着層に接しており、第一接着層を形成する材料のショアD硬度は、20以上70以下であってもよい。おもり層に働く慣性力によって、第一接着層は変形する。仮に、第一接着層が柔らかすぎる場合、第一接着層の変形による幅方向の変位に端子電極が耐えきれず、端子電極は分断されるおそれがある。第一接着層を形成する材料のショアD硬度が20以上70以上であれば、基板で発生するうねりから加速度センサの圧電素子が受ける影響が抑制されると共に、端子電極が分断され難い。
第一接着層は、複数の気泡を含んでいてもよい。接着層を構成する材料が同じであったとしても、気泡が形成されていない接着層に比べて、気泡が形成された接着層の方が柔らかい。このため、基板で発生するうねりから圧電素子が受ける影響を抑制できる第一接着層について、材料選択の自由度が向上する。
第一接着層は、第一主面の全域に接していてもよい。この場合、基板で発生するうねりの影響が第一接着層で吸収され易いため、基板で発生するうねりから圧電素子が受ける影響が更に抑制されやすい。
第一接着層の厚みは、10μm以上30μm以下であってもよい。この場合、第二接着層を介して、おもり層の慣性力によって圧電素子に付与される荷重が維持されるため、基板で発生するうねりから加速度センサの圧電素子が受ける影響の抑制作用と加速度の検出感度とが、バランスよく成立する。
本発明の一態様に係る加速度センサ装置は、上記加速度センサと、当該加速度センサが実装されている回路基板と、圧電素子と回路基板とを電気的に接続するはんだ層と、を備え、第一接着層は、はんだ層よりも柔らかい。
本発明の一態様に係る加速度センサ装置では、少なくとも第一接着層ははんだ層よりも柔らかいため、回路基板で発生するうねりから加速度センサの圧電素子が受ける影響が抑制され得る。
本発明によれば、基板で発生するうねりから圧電素子が受ける影響が小さい、加速度センサを提供することができる。
一実施形態に係る加速度センサを示す概略斜視図である。 加速度センサの断面構成を説明するための図である。 加速度センサを回路基板に搭載した状態を説明するための図である。 加速度センサの感度変化率の計測を説明するための図である。 加速度センサの感度変化率の計測を説明するための図である。 加速度センサの感度変化率の計測を説明するための図である。 本実施形態の変形例に係る加速度センサの断面構成を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る加速度センサ1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る加速度センサを示す概略斜視図である。図2は、図1に示されている加速度センサをII−II線で切断した断面図である。加速度センサ1は、素子本体部10と、一対の端子電極20,25と、カバー部30,35と、を備えている。
素子本体部10は、実装面側から順に、ベース層11、第一接着層16A、圧電素子12、第二接着層16B、及びおもり層13を備える積層構造を有する。素子本体部10は、直方体形状を呈しており、高さ方向において互いに対向する一対の主面10a,10b、長手方向において互いに対向する一対の端面10c,10d、及び幅方向において互いに対向する一対の側面10e,10fを有している。
上述した素子本体部10は、たとえば、ベース層11、圧電素子12、及びおもり層13となるべきグリーンシートを準備して、適宜電極パターンを印刷した上で積層し、その積層体を焼成することで得られる。高さ方向から見て、ベース層11、第一接着層16A、圧電素子12、第二接着層16B、及びおもり層13の平面形状は、同一寸法の長方形状である。本実施形態の主面10a,10bでは、長手方向の長さは3.8mmであり、幅方向の長さは2.0mmである。
ベース層11は、図3に示されているように、回路基板50に実装するための実装面を有している。ベース層11は、たとえばチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック材料で構成されている。本実施形態では、ベース層11の厚さは、0.2mmである。
圧電素子12は、主面10a,10bに平行であると共に、互いに対向する主面12a及び主面12bを有している。圧電素子12は、主面10a,10bに直交すると共に互いに対向する一対の端面を有している。これらの圧電素子12が有する一対の端面は、素子本体部の端面10c,10dに含まれている。圧電素子12の主面12a,12bは、端面10c,10dに接続されている。圧電素子12の主面12aは、ベース層11に対向して配置されている。圧電素子12は、圧電層15と、主面10a,10bに対して平行な一対の電極層14A,14Bを含んでいる。圧電層15は、素子本体部10の積層方向(高さ方向)において一対の電極層14A,14Bに挟みこまれている。
圧電素子12の一対の電極層14A,14Bは、それぞれ、素子本体部10の対向する一対の端面10c,10dまで引き出されている。ベース層11側に配置されている電極層14Aは、端面10cから露出しており、端面10d、及び側面10e,10fでは露出していない。おもり層13側に配置されている電極層14Bは、端面10dから露出しており、端面10c、及び側面10e,10fでは露出していない。本実施形態では、圧電素子12の厚さは、0.2mmである。
電極層14A,14Bは、たとえばAg、Cu、又はAu等を主成分とする導電材料で構成され、本実施形態ではスパッタリングにより形成されている。なお、電極層14A,14Bの形成は、蒸着等のその他の形成方法を採用することができる。圧電素子12の圧電層15は、たとえばチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック材料で構成されている。圧電層15は、分極されている。分極方向40は、積層方向に直交する方向であって、圧電層15の幅方向である。
第一接着層16Aは、ベース層11と圧電素子12との間に配置されており、ベース層11と圧電素子12の主面12aとを接着している。第一接着層16Aは、ベース層11の圧電素子12側の面、及び圧電素子12のベース層11側の主面12aの全域に接している。この全域とは、長手方向及び幅方向において延在する主面12aの全ての領域をいう。圧電素子12の積層方向(高さ方向)において、第一接着層16Aの厚みT1は、10μm以上30μm以下である。
第一接着層16Aを形成する材料のショアD硬度は、20以上70以下である。本実施形態では、第一接着層16Aは、エポキシ樹脂等を材料とする。第一接着層16Aには、複数の気泡45が形成されている。具体的には、第一接着層16Aは、1立方ミリメート当たり1〜100個の複数の気泡45を含んでいる。図2及び図3では、気泡45が、模式的に円で示されている。実際の気泡45の形状は、円(球)に限らない。
第二接着層16Bは、圧電素子12とおもり層13との間に配置されており、おもり層13と圧電素子12の主面12bとを接着している。第二接着層16Bは、圧電素子12のおもり層13側の面、及びおもり層13の圧電素子12側の主面12bの全域に接している。この全域とは、長手方向及び幅方向において延在する主面12bの全ての領域をいう。素子本体部10の積層方向において、第二接着層16Bの厚みT2は、10μm以上30μm以下である。第二接着層16Bを形成する材料のショアD硬度は、80以上95以下である。具体的には、第二接着層16Bは、エポキシ樹脂等を材料とする。第一接着層16Aは、第二接着層16Bよりも柔らかい。
おもり層13は、圧電素子12のベース層11側と反対側で圧電素子12に対向して配置されている。おもり層13は、ベース層11同様、たとえばチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック材料で構成されている。おもり層13は、圧電素子12に加速度検出に必要な荷重を付与するのに十分な質量を有している。本実施形態では、おもり層13の厚さは、0.6mmであり、質量は36gである。
各端子電極20,25は、素子本体部10の端面10c,10d上にスパッタリングにより形成されたスパッタ電極20a,25aと、素子本体部10の主面10aに部分的に焼付印刷された上面電極20b,25bと、素子本体部10の主面10bに部分的に焼付印刷された底面電極20c,25cとで構成されている。
一対の端子電極20,25のスパッタ電極20a,25aは、圧電素子12の電極層14A,14Bが露出する一対の端面10c,10dで、電極層14A,14Bに接続されている。具体的には、スパッタ電極20aは、一方の端面10cにおいて電極層14Aと接続されている。スパッタ電極25aは、他方の端面10dにおいて電極層14Bと接続されている。スパッタ電極20a,25aは、それぞれ主面10a側で上面電極20b,25bと接続されており、主面10b側で底面電極20c,25cと接続されている。
このような構成の端子電極20,25により、圧電素子12で発生した電荷が出力される。なお、スパッタ電極20a、25aは、必要に応じて蒸着等のスパッタリング以外の方法で形成された電極に置き換えられてもよい。
スパッタ電極20a,25aはいずれも、素子本体部10の端面10c,10dに、積層方向に延びる帯状に形成されている。積層方向に関しては、端子電極20,25のスパッタ電極20a,25aは、素子本体部10の端面10c,10dの主面10a側から主面10b側まで延びて、ベース層11、圧電素子12、及びおもり層13に接して、一体的に覆っている。
積層方向に直交する方向に関しては、スパッタ電極20a,25aは、その幅が素子本体部10の幅よりも狭い。このため、スパッタ電極20a,25aの幅方向の両側で素子本体部10の端面10c,10dが、スパッタ電極20a,25aから露出している。
スパッタ電極20a,25aは、電極層14A,14Bを構成するAg、Cu、Au等の金属と電気的に良好に接続できる、Ag等の金属材料を主成分とする。上面電極20b,25b及び底面電極20c,25cは、Ag等の金属材料を主成分とする。
カバー部30,35は、素子本体部10の端面10c,10dに、端子電極20,25の少なくとも一部を覆うように設けられている。具体的には、カバー部30,35は、積層方向に延びる帯状に形成されている。カバー部30,35の幅は、端子電極20のスパッタ電極20aの幅よりも広い。このため、カバー部30,35は、スパッタ電極20aだけでなく、スパッタ電極20aの幅方向(すなわち、積層方向に直交する方向)の両側で露出している素子本体部10の端面10c,10dの一部も覆う。
換言すれば、カバー部30,35は、スパッタ電極20a,25aの両側で露出している素子本体部10の端面10c,10dを、スパッタ電極20aを幅方向において跨ぐように覆っている。カバー部30,35のいずれも、端面10c,10dで、幅方向においてスパッタ電極20a,25aから露出した第一接着層16A及び第二接着層16Bの双方と接している。カバー部30,35と第一及び第二接着層16A,16Bとの間の接合力は、カバー部30,35と端子電極20,25との間の接合力よりも強い。以上の構成により、カバー部30,35によって、端子電極20,25(特に、スパッタ電極20a,25a)が保護される。
カバー部30,35の主面10b側の端部は、素子本体部10の主面10bに達していない。このため、各端子電極20,25の主面10b側(おもり層13側)の端部は、カバー部30,35から露出している。同様に、カバー部30,35の主面10a側の端部は、素子本体部10の主面10aに達していない。このため、各端子電極20,25の主面10a(ベース層11)側の端部は、カバー部30,35から露出している。
カバー部30,35の主面10b側の端部には、主面10a側に凹んだ凹部31が設けられている。カバー部30,35の主面10a側の端部にも、凹部31と上下対称に、主面10b側に凹んだ凹部32が設けられている。凹部31の外縁は、加速度センサ1の長手方向から見て、ベース層11上に位置する。
カバー部30,35は、端子電極20,25よりもはんだに対して濡れ性が低い材料(いわゆるはんだ非濡れ材料、たとえばエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂等の樹脂)で構成されている。カバー部30,35は、たとえば印刷により設けられる。第一接着層16Aは、カバー部30,35よりも柔らかい。
次に、図3を参照して、加速度センサ1の回路基板に対する実装構造について詳細に説明する。図3は、図1に示されている加速度センサが回路基板に実装されている状態を示している。
図3では、加速度センサ1は、回路基板50の表面と平行に、はんだによって回路基板50に実装されている。具体的には、加速度センサ1の端子電極20,25は、回路基板50上に設けられたランド電極60,65とはんだ層70で接合されている。
上述したように、カバー部30,35の主面10b側には凹部31が設けられており、端子電極20,25の主面10b側の端部はカバー部30,35から露出している。凹部31の外縁は、加速度センサ1の長手方向から見て、ベース層11上に位置する。カバー部30,35によってはんだ層70の這い上がりが抑制されるため、はんだ層70はベース層11よりも主面10a側には這い上がらない。すなわち、はんだ層70は、凹部31の縁に沿って、カバー部30,35から露出した端子電極20,25に設けられている。はんだ層70は、Sn等を主成分として構成されている。第一接着層16Aは、はんだ層70よりも柔らかい。
次に、加速度センサ1の動作について説明する。加速度センサ1では、外部から受けた加速度によりおもり層13に慣性力が働くと、圧電素子12に荷重が付与される。圧電素子12に荷重が付与されると、分極方向40の成分の荷重に応じた電荷が、圧電素子12の電極層14A,14Bに生じる。電極層14A,14Bに生じた電荷は、端子電極20,25から出力される。端子電極20,25は、回路基板50に形成された配線を介して、回路基板50上(又は回路基板50の外部)に設けられた不図示の検出回路と接続される。検出回路では、加速度センサ1から出力された電荷を電圧に変換した後、不図示の外部回路に出力する。
以上説明したように、加速度センサ1では、ベース層11と圧電素子12の主面12aとを接着している第一接着層16Aが、おもり層13と圧電素子12の主面12bとを接着している第二接着層16Bよりも柔らかく、第一接着層の厚みT1は、10μm以上である。このため、加速度センサ1が実装されている回路基板50で発生するうねりの影響が第一接着層16Aで抑制される。
カバー部30,35と第一及び第二接着層16A,16Bとの間の接合力は、カバー部30,35と端子電極20,25との間の接合力よりも強く、カバー部30,35は第一及び第二接着層16A,16Bと接している。このため、カバー部30,35の素子本体部10に対する接合力が確保されており、カバー部30,35の素子本体部10からの剥離が抑制されている。
素子本体部10の端面10c,10dにおいて、カバー部30は端子電極20のスパッタ電極20aを跨ぐように設けられている。このため、カバー部30で覆われた部分の端子電極20の素子本体部10からの剥離も抑制されている。特に、スパッタ電極20aは、素子本体部10と十分な接合力を得にくく、剥離しやすいため、カバー部30,35を第一及び第二接着層16A,16Bと接するようにすることは有効である。
加速度センサ1は、各端子電極20,25の一部を覆うと共に、一対の端子電極20,25よりもはんだに対して濡れ性が低い材料からなるカバー部30,35を備えている。端面10c,10dにおいて各端子電極20,25のベース層11側の端部は、カバー部30,35から露出している。このため、カバー部30,35によってはんだの這い上がりが調整されている。第一接着層16Aは、カバー部30,35よりも柔らかい。このため、カバー部30,35よりも硬い場合に比べて、回路基板50で発生するうねりから加速度センサ1の圧電素子12が受ける影響が抑制されている。
仮に、第一接着層16Aが柔らかすぎる場合、第一接着層16Aの変形による幅方向の変位に端子電極20,25が耐えきれず、端子電極20,25は分断されるおそれがある。本実施形態では、第一接着層16Aを形成する材料のショアD硬度は、20以上70以下である。このため、回路基板50で発生するうねりから加速度センサ1の圧電素子12が受ける影響が抑制されると共に、端子電極20,25が分断され難い。
第一接着層16Aの厚みT1は、10μm以上30μm以下である。このため、回路基板50で発生するうねりから圧電素子12が受ける影響の抑制作用と加速度の検出感度とが、バランスよく成立する。
ここで、上記効果を説明すべく、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。ここでは、ショアD硬度及び第一接着層16Aの厚みが異なる加速度センサを作成し、端子電極20,25の断線の有無、加速度センサの感度の適否、及び感度変化率を確認した。
端子電極20,25の断線の有無は、切断面を拡大鏡により目視で確認した。表1は、ショアD硬度及び第一接着層16Aの厚みと断線の有無との関係を示している。端子電極20,25において、断線が確認されなかった場合には「〇」を記し、断線が確認された場合には「×」を記した。
Figure 0006841077
表1に示すように、ショアD硬度が20未満の場合、端子電極20,25に断線が確認された。ショアD硬度が20以上の場合、端子電極20,25に断線が確認されなかった。
これは、ショアD硬度が20未満であると第一接着層16Aが柔らかすぎ、第一接着層16Aの変形による幅方向の変位に端子電極20,25が耐えきれずに端子電極20,25が分断されたためであると考えられる。
加速度センサの感度については、10Gの加速度を加速度センサに加えたときの出力を観測する。表2は、ショアD硬度及び第一接着層16Aの厚みと加速度センサの感度の適否との関係を示している。一般に、加速度センサの出力が0.3pC/G以上であれば、検出誤差の範囲内で加速度を適切に測定できると考えられる。このため、加速度センサの出力が、0.3pC/G以上であった場合には「○」を記し、0.3pC/G未満であった場合には「×」を記した。端子電極20,25に断線が生じた場合には、加速度センサから出力が得られず、感度が測定され得ないため、「−」と記した。
Figure 0006841077
表2に示すように、第一接着層16Aが35μmでショアD硬度が20〜70の場合、加速度センサの出力が0.3pC/G未満であり、加速度センサの感度は不適切な値であった。第一接着層16Aが30μmでショアD硬度が20〜70の場合、加速度センサの出力が0.3pC/G以上であり、加速度センサの感度は適切な値であった。
このような結果となった理由は、第一接着層16Aの厚さが大きすぎることにより、基板で発生するうねりの影響だけでなく、検出すべき幅方向の慣性力の影響も抑制されてしまったためであると考えられる。すなわち、第一接着層16Aの厚みが30μm以下の場合には、第二接着層16Bを介して、おもり層13の慣性力によって圧電素子12に付与される荷重が維持されると考えられる。
感度変化率は、加速度センサが基板に配置されている加速度センサ装置の固定状態を変えた場合における、感度の変化の度合いである。具体的には、図6に示しているように、加速度センサが配置されている基板をネジ81で治具82に固定した状態で、加振器83によって加速度センサに振動を加え、加速度センサの出力を観測する。加振器83は、加速度センサに対して、加速度センサの幅方向に振動を加える。
上記の観測を、ショアD硬度又は第一接着層16Aの厚みが異なる加速度センサのそれぞれについて、図4で示しているように基板を2本のネジで治具に固定した場合と図5で示しているように基板を4本のネジで固定した場合とで行った。2本のネジで治具82に固定した場合の観測結果をXとし、4本のネジで治具82に固定した場合の観測結果をYとして、|1−X/Y|×100で計算された値(%)を感度変化率とする。
一般に、感度変化率が5%以下であれば、加速度センサの固定状態が変更されても、検出誤差の範囲内で加速度を測定できると考えられる。このため、感度変化率が、5%以下であった場合には「○」を記し、5%を超えている場合には「×」を記した。端子電極20,25に断線が生じた場合には、加速度センサから出力が得られず、感度変化率が測定され得ないため、「−」と記した。
Figure 0006841077
表3に示すように、ショアD硬度が76の場合、感度変化率は、5%を超え、不適切な値であった。ショアD硬度が20〜70で第一接着層16Aが10〜35μmの場合、感度変化率は、5%以下であり、適切な値であった。
このような結果となった理由は、基板で発生するうねりから圧電素子が受ける影響が、第一接着層16Aによって抑制されたためであると考えられる。以上のことから、第一接着層16Aを形成する材料のショアD硬度が20以上70以下である場合には、基板で発生するうねりから加速度センサ1の圧電素子12が受ける影響が抑制されると共に、端子電極20,25が分断され難いことが確認された。
第一接着層16Aが6μmでショアD硬度が20〜70の場合、感度変化率は、5%を超え、不適切な値であった。第一接着層16Aが10μmでショアD硬度が20〜70の場合、感度変化率は、5%以下であり、適切な値であった。
このような結果となった理由は、第一接着層16Aの厚さが小さすぎることにより、第一接着層16Aにおいて回路基板50で発生するうねりの影響を抑制できなかったためであると考えられる。上述したように、第一接着層16Aの厚みが30μm以下の場合に、第二接着層16Bを介して、おもり層13の慣性力によって圧電素子12に付与される荷重が維持される。以上のことから、第一接着層16Aの厚みT1は、10μm以上30μm以下である場合に、回路基板50で発生するうねりから加速度センサ1の圧電素子12が受ける影響の抑制作用と加速度の検出感度とが、バランスよく成立することが確認された。
加速度センサ1では、第一接着層16Aは、複数の気泡45を含んでいる。接着層を構成する材料が同じであったとしても、気泡が形成されていない接着層に比べて、気泡が形成された接着層の方が柔らかい。したがって、第一接着層16Aに気泡45を設けることで、回路基板50で発生するうねりから圧電素子12が受ける影響を抑制できる第一接着層16Aの材料選択の自由度が向上されている。
第一接着層16Aは、主面12aの全域に接している。このため、回路基板50で発生するうねりの影響が第一接着層16Aで吸収され易い。したがって、回路基板50で発生するうねりから圧電素子12が受ける影響が更に抑制されている。
第一接着層16Aは、はんだ層70よりも柔らかい。このため、加速度センサ1が回路基板50に設置されることで構成されている加速度センサ装置では、回路基板50で発生するうねりから加速度センサ1の圧電素子12が受ける影響が抑制されている。
図7に示す加速度センサ1Aのように、圧電部12Aが圧電素子構造を複数含む構造であってもよい。図7は、加速度センサ1Aの図2に対応する位置の断面図である。
加速度センサ1Aの圧電部12Aには、上述した圧電素子12が2つ含まれている。具体的には、上述した圧電素子12のベース層11側に、分極方向が逆で電極の正負の位置が反対である圧電素子12が配置されている。これら2つの圧電素子12が第三接着層16Cによって接合されている。2つの圧電素子12は、互いに分極方向及び電極の正負の位置が逆であるため、おもり層13に慣性力が働いたときに、2つの圧電素子12で発生する電荷を強め合う。その結果、加速度センサ1Aでは加速度センサ1に比べてセンサ感度の向上が図られている。
加速度センサ1Aでは、第一接着層16Aは、第三接着層16Cよりも柔らかい。第三接着層16Cを形成する材料のショアD硬度は、80以上95以下である。本実施形態では、第三接着層16Cは、第二接着層16Bと同様に、エポキシ樹脂等を材料としている。素子本体部10の積層方向において、第三接着層16Cの厚みT3は、10μm以上30μm以下である。
加速度センサ1Aでは、カバー部30,35は、素子本体部10の端面10c,10dに露出した第一及び第二接着層16A,16Bだけでなく、第三接着層16Cとも接している。それにより、カバー部30,35の素子本体部10に対する接合力のさらなる増加が図られ、加速度センサ1Aでは、カバー部30,35の素子本体部10からの剥離がより効果的に抑制されている。その上、加速度センサ1Aでは、素子本体部10の端面10c,10dにおいて、カバー部30は端子電極20のスパッタ電極20aを跨ぐように設けられることで、カバー部30で覆われた部分の端子電極20の素子本体部10からの剥離もより効果的に抑制されている。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
たとえば、上述した各電極層14A,14B、スパッタ電極20a,25a、上面電極20b,25b、及び底面電極20c,25cは、単層構造に限らず、複数層構造であってもよい。複数層構造の場合、たとえば、Ni又はSnのめっき層が形成されてもよい。特にスパッタ電極20a,25aにめっき層を形成することで、主として加速度センサ1と回路基板50とをはんだ付けする際の、はんだ耐熱性及びはんだ濡れ性を向上することができる。
1…加速度センサ、11…ベース層、12…圧電素子、12a,12b…主面、13…おもり層、16A…第一接着層、16B…第二接着層、10c,10d…端面、20,25…端子電極、30,35…カバー部、45…気泡、50…回路基板、70…はんだ層。

Claims (7)

  1. ベース層と、
    互いに対向する第一及び第二主面を有する圧電素子と、
    前記ベース層と前記圧電素子の前記第一主面の全域とを接着している第一接着層と、
    おもり層と、
    前記おもり層と前記圧電素子の前記第二主面とを接着している第二接着層と、を備え、
    前記第一接着層は、前記第二接着層よりも柔らかく、
    前記第一接着層の厚みは、10μm以上である、加速度センサ。
  2. 前記圧電素子に電気的に接続されている一対の端子電極と、
    各前記端子電極の一部を覆うと共に、前記一対の端子電極よりもはんだに対して濡れ性が低い材料からなるカバー部と、を更に備え、
    前記圧電素子は、前記第一及び第二主面に直交すると共に互いに対向する一対の端面を有し、
    各前記端子電極は、前記端面を含む面上に配置されていると共に、前記ベース層側において前記カバー部から露出しており、
    前記第一接着層は、前記カバー部よりも柔らかい、請求項1に記載の加速度センサ。
  3. 前記圧電素子に電気的に接続されている一対の端子電極と、
    各前記端子電極の一部を覆うと共に、前記一対の端子電極よりもはんだに対して濡れ性が低い材料からなるカバー部と、を更に備え、
    前記圧電素子は、前記第一及び第二主面に直交すると共に互いに対向する一対の端面を有し、
    各前記端子電極は、前記端面を含む面上に配置されていると共に、少なくとも前記圧電素子及び前記第一接着層に接しており、
    前記第一接着層を形成する材料のショアD硬度は、20以上70以下である、請求項1に記載の加速度センサ。
  4. 前記第一接着層は、複数の気泡を含んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の加速度センサ。
  5. 前記第一接着層は、前記第一主面の全域に接している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の加速度センサ。
  6. 前記第一接着層の厚みは、10μm以上30μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の加速度センサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の加速度センサと、
    前記加速度センサが実装されている回路基板と、
    前記圧電素子と前記回路基板とを電気的に接続するはんだ層と、を備え、
    前記第一接着層は、前記はんだ層よりも柔らかい、加速度センサ装置。
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