JP6838513B2 - クラッチ及びモータ - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチ及び該クラッチを備えたモータに関するものである。
従来、車両に搭載されるパワーウインド装置等の駆動源に用いられるモータには、回転駆動される回転軸を有するモータ部と、回転軸の回転駆動力が伝達される従動軸を有し従動軸に伝達された回転駆動力を出力する出力部とを備えたものがある。そして、回転軸と従動軸とは、例えば特許文献1に記載されているように、回転軸の回転駆動力を従動軸に伝達する一方で従動軸側からの回転力を回転軸に伝達しないように作動するクラッチを介して連結されている。
特許文献1に記載されたクラッチは、回転軸と一体回転する駆動側回転体と、駆動側回転体と回転方向に係合可能であり従動軸と一体回転する従動側回転体と、駆動側回転体及び従動側回転体が内側に挿入された円筒状のクラッチハウジングとを備えている。また、クラッチハウジングの内周面と従動側回転体との間には、回転軸の非回転駆動時にクラッチハウジングの内周面と従動側回転体とに挟持される(くさびとなる)ことにより従動側回転体の回転(即ち従動軸の回転)を阻止する円柱状の転動体が介在されている。この転動体は、その中心軸線が駆動側回転体の回転軸線と平行をなすように、クラッチハウジングの内側に挿入されたサポート部材によって保持されている。サポート部材は、回転軸の回転駆動時には、駆動側回転体と共に同駆動側回転体の回転軸線回りに回転する。そのため、回転軸の回転駆動時には、転動体は、サポート部材に保持されながら、クラッチハウジングの内周面に沿って駆動側回転体の回転軸線回りに駆動側回転体及び従動側回転体と共に回転する。
特開2016−40488号公報
ところで、クラッチハウジングの内周面と転動体との間には、回転軸(駆動側回転体)の非回転駆動時において従動軸側から回転軸が回転されることを阻止するべくクラッチハウジングの内周面と従動側回転体とが転動体を挟持するときに、クラッチハウジングの内周面に対して転動体が滑ることを抑制するためのグリスが配置されている。しかしながら、転動体は、回転軸の回転駆動時には、当該転動体の中心軸線回りに回転しながらクラッチハウジングの内周面に沿って駆動側回転体の回転軸線回りに回転する。そのため、転動体の中心軸線回りの回転に伴って、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが飛散してしまい、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することがあるという問題があった。そして、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足すると、回転軸の非回転駆動時にクラッチハウジングの内周面と従動側回転体とによって転動体を挟持し難くなる(くさびとすることが困難となる)虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することを抑制することができるクラッチ及びモータを提供することにある。
上記課題を解決するクラッチは、環状のクラッチハウジングと、回転駆動される駆動側回転体と、少なくとも一部が前記クラッチハウジングの内側に配置され前記駆動側回転体から回転駆動力が伝達される従動側回転体と、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に配置され、前記駆動側回転体の回転駆動時には前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることにより前記従動側回転体の回転を阻止する転動体と、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に前記転動体を保持し前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転するサポート部材と、少なくとも前記クラッチハウジングの内周面と前記転動体との間に配置されたグリスと、を備えたクラッチであって、前記転動体は、前記サポート部材によって前記転動体の中心軸線回りの回転が制限されるものであり、前記サポート部材は、前記駆動側回転体の回転方向の両側において前記転動体と対向する第1及び第2対向部を有し、前記第1及び第2対向部と前記転動体との間にはそれぞれ、前記転動体の中心軸線回りの前記転動体の回転範囲を決定する許容隙間が設けられており、前記転動体は、前記許容隙間によって許容された分だけ前記転動体の中心軸線回りに回転すると、前記転動体における前記駆動側回転体の回転方向の一方側では前記第1対向部に当接するとともに、前記転動体における前記駆動側回転体の回転方向の他方側では前記第2対向部に当接し、該転動体が前記第1対向部と前記第2対向部の両方に当接することにより該転動体のそれ以上の回転が阻止される
この構成によれば、転動体は、サポート部材によって同転動体の中心軸線回りの回転が制限される。そのため、転動体は、駆動側回転体の回転駆動時に駆動側回転体と共に同駆動側回転体の回転軸線回りに回転する場合であっても、当該転動体の中心軸線回りには、サポート部材によって許容された範囲内でしか回転しない。従って、転動体が同転動体の中心軸線回りに回転することによるグリスの飛散が抑制されるため、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することを抑制することができる。
この構成によれば、転動体は、駆動側回転体の回転方向に同転動体と対向する第1及び第2対向部との間に設けられた許容隙間の分だけ同転動体の中心軸線回りに回転すると、同転動体の回転方向から第1及び第2対向部に当接する。これにより、転動体は、同転動体の中心軸線回りのそれ以上の回転が対向部によって阻止される。従って、転動体が同転動体の中心軸線回りに回転することによるグリスの飛散を、簡単な構成で抑制することができる。その結果、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することを容易に抑制することができる。
また、転動体は、同転動体と第1及び第2対向部との間に許容隙間が設けられることにより決定された回転範囲内で、同転動体の中心軸線回りに回転することができる。即ち、クラッチハウジングの内周面に対する転動体の姿勢を転動体の中心軸線回りに変化させることができる。そして、回転範囲内での転動体の同転動体の中心軸線回りの回転に伴って転動体とクラッチハウジングの内周面との間にグリスが移動されるため、転動体においてクラッチハウジングの内周面に接触する部分にグリスを供給することができる。
この構成によれば、転動体は、同転動体の中心軸線回りに許容隙間によって許容された分だけ回転すると、転動体における駆動側回転体の回転方向の両側で第1及び第2対向部に当接する。従って、第1及び第2対向部に当接した転動体は、対向部に当接した姿勢をより安定して維持することができる。
上記クラッチにおいて、前記第1及び第2対向部は、一の前記サポート部材が有する。
上記クラッチにおいて、前記転動体は、前記転動体における前記駆動側回転体の回転方向の両側に、前記第1及び第2対向部と前記駆動側回転体の回転方向に対向する平面状の対向面を有することが好ましい。
この構成によれば、転動体と第1及び第2対向部との間に設けられる許容隙間の設定が容易となる。また、転動体の形状が複雑化されることが抑制されるため、同転動体を容易に製造することができる。
上記クラッチにおいて、前記駆動側回転体は、前記駆動側回転体の回転駆動時に前記駆動側回転体の回転駆動力を前記第1及び第2対向部のうち前記駆動側回転体の回転方向後方側の対向部に伝達する転動体解除部を有し、前記転動体は、前記駆動側回転体の回転駆動の開始時に前記対向部を介して前記転動体解除部に前記駆動側回転体の回転方向に押圧されることにより、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体とによる挟持が解除され、前記対向部は、平面状をなし前記駆動側回転体の回転方向に前記対向面と面接触可能な当接面を有することが好ましい。
この構成によれば、駆動側回転体の回転駆動の開始時には、駆動側回転体の回転駆動力が転動体解除部から前記第1及び第2対向部のうち駆動側回転体の回転方向後方側の対向部に伝達され、更に対向部から転動体に伝達される。このとき、駆動側回転体から回転駆動力が伝達された対向部は、当該対向部の当接面を転動体の対向面に面接触させることにより、転動体に対して回転駆動力を効率よく伝達することができる。従って、クラッチハウジングの内周面と従動側回転体とによる転動体の挟持を容易に解除することができる。
上記課題を解決するクラッチ環状のクラッチハウジングと、回転駆動される駆動側回転体と、少なくとも一部が前記クラッチハウジングの内側に配置され前記駆動側回転体から回転駆動力が伝達される従動側回転体と、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に配置され、前記駆動側回転体の回転駆動時には前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることにより前記従動側回転体の回転を阻止する転動体と、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に前記転動体を保持し前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転するサポート部材と、少なくとも前記クラッチハウジングの内周面と前記転動体との間に配置されたグリスと、を備えたクラッチであって、前記転動体は、前記サポート部材によって前記転動体の中心軸線回りの回転が制限され、前記サポート部材は、前記駆動側回転体の回転方向に前記転動体と対向する対向部と、前記駆動側回転体の非回転駆動時に前記転動体の中心軸線回りに回転しようとする前記転動体によって前記対向部が押圧されることにより径方向外側に移動されて前記クラッチハウジングの内周面に当接する当接部とを有する。
この構成によれば、転動体は、サポート部材によって同転動体の中心軸線回りの回転が制限される。そのため、転動体は、駆動側回転体の回転駆動時に駆動側回転体と共に同駆動側回転体の回転軸線回りに回転する場合であっても、当該転動体の中心軸線回りには、サポート部材によって許容された範囲内でしか回転しない。従って、転動体が同転動体の中心軸線回りに回転することによるグリスの飛散が抑制されるため、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することを抑制することができる。
この構成によれば、駆動側回転体の非回転駆動時には、転動体に押圧された対向部によって径方向外側に移動された当接部がクラッチハウジングの内周面に当接する。そのため、当接部とクラッチハウジングの内周面との間で生じる摩擦力によっても、駆動側回転体の回転方向に転動体が移動することを抑制できる。従って、従動側回転体とクラッチハウジングの内周面との間に転動体をより挟持しやすくなるため、駆動側回転体の非回転駆動時に従動側回転体の回転をより阻止しやすくなる。
上記課題を解決するクラッチは、環状のクラッチハウジングと、回転駆動される駆動側回転体と、少なくとも一部が前記クラッチハウジングの内側に配置され前記駆動側回転体から回転駆動力が伝達される従動側回転体と、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に配置され、前記駆動側回転体の回転駆動時には前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることにより前記従動側回転体の回転を阻止する転動体と、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に前記転動体を保持し前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転するサポート部材と、少なくとも前記クラッチハウジングの内周面と前記転動体との間に配置されたグリスと、を備えたクラッチであって、前記転動体は、前記サポート部材によって前記転動体の中心軸線回りの回転が制限され、前記サポート部材は、前記駆動側回転体の回転方向に前記転動体と対向する対向部を有し、前記対向部の径方向外側部分に前記転動体側に延びる突出片を有し、前記突出片の先端部に前記駆動側回転体の回転方向と交差する先端面を設けた。
この構成によれば、転動体は、サポート部材によって同転動体の中心軸線回りの回転が制限される。そのため、転動体は、駆動側回転体の回転駆動時に駆動側回転体と共に同駆動側回転体の回転軸線回りに回転する場合であっても、当該転動体の中心軸線回りには、サポート部材によって許容された範囲内でしか回転しない。従って、転動体が同転動体の中心軸線回りに回転することによるグリスの飛散が抑制されるため、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することを抑制することができる。
この構成によれば、サポート部材の対向部の径方向外側部分に設けた突出片は、駆動側回転体と共に回転するサポート部材の回転に伴ってクラッチハウジングの内周面と転動体との間に配置されたグリスを掻き分けるように進むが、当該突出片の先端部に駆動側回転体の回転方向と交差する先端面を設けたことで、クラッチハウジングの内周面に向かうグリスの流れが生じるようになる。つまり、クラッチハウジングの内周面と転動体との間にグリスが保持され易い状況とすることができる。
上記クラッチにおいて、前記転動体は、前記転動体の外周面に、前記クラッチハウジングの内周面に接触可能な円弧状の第1の円弧面と、前記転動体の中心軸線方向から見て前記第1の円弧面よりも曲率の小さい円弧状をなし前記従動側回転体に接触可能な第2の円弧面とを有し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には、前記第1の円弧面が前記クラッチハウジングの内周面に接触し、且つ前記第2の円弧面が前記従動側回転体に接触して前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることが好ましい。
この構成によれば、転動体は、サポート部材によって同転動体の中心軸線回りの回転が制限されるものである。そのため、当該転動体の外周面において、クラッチハウジングの内周面に接触可能な部分と、従動側回転体に接触可能な部分との曲率を異ならせることができる。そして、第2の円弧面の曲率を第1の円弧面の曲率よりも小さくすると、転動体の外周面全体が第1の円弧面の曲率である場合に比べて、駆動側回転体の非回転駆動時に従動側回転体が回転しようとしたときに従動側回転体の回転速度がより小さい段階で従動側回転体とクラッチハウジングとによって転動体を挟持することができる。従って、従動側回転体側から回転しようとしたときに、より早い段階で従動側回転体とクラッチハウジングとによって転動体を挟持することができるため、駆動側回転体の回転駆動が停止されたときに従動側回転体の回転を素早く阻止することができる。
上記クラッチにおいて、前記転動体は、前記転動体の外周面に、前記サポート部材によって許容された範囲内で前記転動体の中心軸線回りに回転することにより前記クラッチハウジングの内周面と摺接可能な摺接範囲を有するとともに、前記摺接範囲に開口し前記グリスを収容するグリス収容凹部を有することが好ましい。
この構成によれば、転動体は、サポート部材によって当該転動体の中心軸線回りの回転が制限されるものであるため、当該転動体の中心軸線回りの回転範囲が決定されている。従って、転動体の外周面において、クラッチハウジングの内周面と摺接可能な摺接範囲が決定される。そして、転動体に設けられたグリス収容凹部は、この摺接範囲に開口しているため、グリス収容凹部に収容されたグリスが転動体の回転に伴ってクラッチハウジングの内周面の方へ引き出されて転動体とクラッチハウジングの内周面との間に供給される。従って、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することを更に抑制することができる。
上記課題を解決するモータは、回転駆動される回転軸を有するモータ部と、前記回転軸と一体回転する前記駆動側回転体を有する上記クラッチと、前記従動側回転体と一体回転する従動軸を有し前記従動軸に伝達された回転駆動力を出力する出力部と、を備えた。
この構成によれば、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することが抑制されたクラッチを介して、回転軸と従動軸とが連結されている。従って、回転軸の非回転駆動時に、従動軸側から回転軸が回転されることがより抑制される。
本発明のクラッチ及びモータによれば、クラッチハウジングの内周面と転動体との間のグリスが不足することを抑制することができる。
実施形態のモータの断面図。 実施形態のモータの部分拡大断面図。 実施形態におけるクラッチの分解斜視図。 (a)は実施形態のクラッチにおける転動体を保持したサポート部材の側面図、(b)は同サポート部材の底面図。 実施形態におけるクラッチの部分拡大断面図(図2における6a−6a断面図)。 (a)は実施形態におけるクラッチの断面図(図2における6a−6a断面図)、(b)は実施形態におけるクラッチの断面図(図2における6b−6b断面図)。 (a)及び(b)は実施形態におけるクラッチの動作を説明するための断面図。 (a)及び(b)は実施形態におけるクラッチの動作を説明するための断面図。 (a)及び(b)は実施形態におけるクラッチの動作を説明するための断面図。 (a)は別の形態の転動体の平面図、(b)は同転動体の正面図。 (a)は別の形態の転動体の平面図、(b)は同転動体の正面図。 (a)は別の形態の転動体の平面図、(b)は同転動体の正面図。 (a)は別の形態の転動体の平面図、(b)は同転動体の正面図。 (a)は別の形態の転動体の平面図、(b)は同転動体の正面図。 別の形態のクラッチの断面図。 (a)及び(b)は別の形態のクラッチの断面図。 別の形態のクラッチの部分拡大断面図。
以下、クラッチを備えたモータの一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態のモータ10は、車両のウインドガラスを電動で昇降させるパワーウインド装置に備えられるものである。モータ10は、回転力を発生するモータ部20と、モータ部20が出力する回転を減速して出力する出力部30とが一体に組み付けられて構成されている。また、モータ10は、モータ部20と出力部30との間の駆動連結部分にクラッチ40を備えている。
本実施形態のモータ部20は直流モータよりなる。モータ部20を構成する有底筒状のヨークハウジング21(以下、ヨーク21とする)の内周面にはマグネット22が固着されるとともに、マグネット22の内側には電機子23が配置されている。電機子23は、ヨーク21の中央部に配置される回転軸24を備えている。回転軸24の基端部(図1において上側の端部)は、ヨーク21の底部中央に設けられた軸受25にて軸支されるとともに、同回転軸24における先端寄りの部位には、円筒状の整流子26が固定されている。また、回転軸24の先端部(図1において下側の端部)には、円柱形状から平行に面取りした二面幅形状をなす連結部24aが設けられている。
ヨーク21の開口部には、外側に向かって延設されたフランジ部21aが形成されるとともに、同ヨーク21の開口部にはブラシホルダ27が嵌合されている。ブラシホルダ27は、ヨーク21の開口部を閉塞する形状をなすホルダ本体27aと、ホルダ本体27aからヨーク21の径方向外側に突出し図示しない外部コネクタが接続されるコネクタ部27bとを有する。ホルダ本体27aは、図示しない配線でコネクタ部27bに電気的に接続され前記整流子26と摺接する給電用の複数のブラシ28を保持している。また、ホルダ本体27aは、その略中央部に軸受29を保持しており、該軸受29は、回転軸24における整流子26と連結部24aとの間の部位を軸支している。そして、コネクタ部27bを介してブラシ28に供給された外部電源が、整流子26を介して電機子23に供給されると、電機子23(回転軸24)が回転駆動、即ちモータ部20が回転駆動されるようになっている。
前記出力部30は、樹脂製のギヤハウジング31内に減速機構32等を収容して形成されている。ギヤハウジング31は、モータ部20と軸方向に対向する部位(図1において上側の端部)に、該ギヤハウジング31をモータ部20に固定するための固定部31aを備えている。固定部31aは、ヨーク21のフランジ部21aの外形と同様の外形を有するとともに、同固定部31aには、ヨーク21の内側に向けて開口した収容凹部31bが形成されている。そして、収容凹部31b内にブラシホルダ27のホルダ本体27aの一部が挿入された状態で、固定部31aに当接したフランジ部21aが螺子33にて固定部31aに固定されることにより、ギヤハウジング31にヨーク21が固定され、モータ部20と出力部30とが一体化されている。なお、ブラシホルダ27は、ヨーク21と固定部31aとの間に挟持されている。
また、ギヤハウジング31には、収容凹部31bの底部中央にクラッチ収容凹部31cが軸方向に凹設されるとともに、該クラッチ収容凹部31cの底部中央から回転軸24の中心軸線L1方向に沿って延びるウォーム軸収容部31dが凹設されている。更に、ギヤハウジング31には、ウォーム軸収容部31dの側方(図1において右側)に、ホイール収容部31eが凹設されている。このホイール収容部31eとウォーム軸収容部31dとは、ウォーム軸収容部31dの軸方向(長手方向)の略中央部で繋がっている。
ウォーム軸収容部31dには、略円柱状のウォーム軸34(従動軸)が収容されている。ウォーム軸34は、金属材料よりなり、その軸方向の中央部に螺子歯状のウォーム部34aが形成されている。そして、ウォーム軸34は、ウォーム軸収容部31dの軸方向の両端部にそれぞれ配置された一対の軸受35,36によってその軸方向の両端部が軸支されている。ウォーム軸収容部31d内に配置されたウォーム軸34は、軸受35,36にて軸支されることにより、前記回転軸24と同軸上に配置、即ち回転軸24の中心軸線L1とウォーム軸34の中心軸線L2とが同一直線上となるように配置されている。
前記ホイール収容部31eには、ウォーム軸34のウォーム部34aと噛合する円板状のウォームホイール37が回転可能に収容されている。ウォームホイール37は、ウォーム軸34と共に減速機構32を構成している。即ち、本実施形態の減速機構32は、ウォーム減速機構(ウォームギヤ)である。また、ウォームホイール37の径方向の中央部には、同ウォームホイール37の軸方向(図1において紙面垂直方向)に延び同ウォームホイール37と一体回転する出力軸38が設けられている。この出力軸38には、図示しないウインドレギュレータを介して車両のウインドガラスが連結される。
また、前記クラッチ収容凹部31c内に、モータ部20の回転軸24と出力部30のウォーム軸34とを連結する前記クラッチ40が収容されている。
図2及び図3に示すように、クラッチ40は、クラッチハウジング41、駆動側回転体42、サポート部材43、転動体44及び従動側回転体45から構成されている。
クラッチハウジング41は、円筒状をなすとともに、同クラッチハウジング41の軸方向の一端部には、径方向外側に延びる鍔状の固定フランジ部41aが形成されている。クラッチハウジング41における円筒状の部位の外径はクラッチ収容凹部31cの内径と略等しく形成されるとともに、固定フランジ部41aの外径はクラッチ収容凹部31cの内径よりも大きく形成されている。また、固定フランジ部41aには、周方向に等角度間隔となる4箇所に、固定凹部41bが形成されている。各固定凹部41bは、固定フランジ部41aを軸方向に貫通するとともに、径方向外側に開口している。
図2に示すように、クラッチハウジング41は、固定フランジ部41aが収容凹部31bの底面に当接するまでクラッチ収容凹部31c内に挿入されるとともに、固定フランジ部41aにおいてギヤハウジング31に対して固定されている。詳述すると、収容凹部31bの底面であってクラッチ収容凹部31cの開口部の外周には、周方向に等角度間隔となる4箇所に、軸方向に突出した固定突起31fが形成されている。これら4つの固定突起31fは、固定フランジ部41aの4つの固定凹部41bに対して軸方向にそれぞれ挿入されており、更に、各固定突起31fの先端部が熱かしめによって加工されている。これにより、クラッチハウジング41は、ギヤハウジング31に対して軸方向に移動不能且つ周方向に回転不能に固定されている。なお、ギヤハウジング31に固定されたクラッチハウジング41は、回転軸24及びウォーム軸34と同軸上に配置されている。
駆動側回転体42は、略円筒状の軸連結部51を有する。軸連結部51の外周面には、径方向外側に向かって延びる円盤状の鍔部52が一体に形成されている。
軸連結部51において、モータ部20側の軸方向端部(図2において上端部)の軸中心には、軸方向に沿って延びる駆動軸挿入孔53が形成されている。駆動軸挿入孔53は、回転軸24の連結部24aの外形形状に対応した二面幅形状をなしている。そして、駆動軸挿入孔53に連結部24aが圧入されることにより、駆動側回転体42は回転軸24と一体回転可能に連結される。なお、回転軸24と、該回転軸24に連結された駆動側回転体42とは、同軸上となる(即ち互いの中心軸線が同一直線上に位置する)。
また、軸連結部51において、出力部30側の軸方向端部(図2において下端部)の軸中心には、軸方向に沿って延びる従動軸挿入孔54が形成されている。この従動軸挿入孔54の中心軸線は、駆動軸挿入孔53の中心軸線と一致している。なお、本実施形態では、駆動軸挿入孔53と従動軸挿入孔54とは互いに連通している。
図6(b)に示すように、従動軸挿入孔54の内周面は、軸方向と平行な平面状をなし互いに平行な一対の駆動側伝達面54aを有する。そして、従動軸挿入孔54は、軸方向から見た形状が、駆動側伝達面54aと平行な方向が長手方向、駆動側伝達面54aと直交する方向が短手方向となる略トラック形状(二面幅形状)をなしている。なお、各駆動側伝達面54aには、ゴム材料等の弾性を有する材料よりなる2つの第1弾性部材55が設けられている。また、軸方向視において従動軸挿入孔54の長手方向の両端部には、ゴム材料等の弾性を有する材料よりなる第2弾性部材56がそれぞれ設けられている。第1及び第2弾性部材55,56は、従動軸挿入孔54の内周面から内側に若干突出している。
また、図3及び図6(a)に示すように、駆動側回転体42は、鍔部52から軸方向に出力部30側(図3において下方側)に延出された一対の転動体解除部57を有する。転動体解除部57は、軸方向視における従動軸挿入孔54の長手方向の両側にそれぞれ設けられている。また、2つの転動体解除部57は、回転方向に180°離間し径方向に対向する位置に設けられている。なお、各転動体解除部57における周方向の両端部は、ゴム材料等の弾性を有する材料よりなる弾性部58にて構成されている。これら各転動体解除部57は、クラッチハウジング41の内側に配置される。
図2及び図3に示すように、サポート部材43は、径方向に対向するクラッチハウジング41と従動側回転体45との間に転動体44を保持するものである。本実施形態のサポート部材43は樹脂製である。
サポート部材43は、ウォーム軸34の中心軸線L2を中心とする円環状をなすリング部61を有する。リング部61の外径は、クラッチハウジング41の内径よりも大きい。そして、リング部61は、クラッチハウジング41の固定フランジ部41aに対してモータ部20側(図2において上側)に配置され、固定フランジ部41aと軸方向に対向している。また、リング部61の下面(固定フランジ部41aと対向する軸方向の端面)には、リング部61の周方向に沿った円環状の突条をなし固定フランジ部41aに軸方向から当接する下側突条部61aが形成されている。また、リング部61の上面(駆動側回転体42側の端面)には、軸方向に突出し駆動側回転体42の鍔部52に軸方向から当接する上側突部61bが形成されている。
リング部61の内周側における周方向に離間した2箇所(本実施形態では、180°間隔となる2箇所)には、軸方向に延びる柱状をなす転動体44をそれぞれ保持する転動体保持部62が形成されている。
ここで、転動体保持部62にて保持される転動体44について詳述する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、各転動体44は、樹脂製であり、その中心軸線L3が回転軸24の中心軸線L1及びウォーム軸34の中心軸線L2と平行をなすように配置されている。そして、本実施形態の各転動体44は、軸方向から見た形状が二面幅形状をなしている。そのため、各転動体44は、軸方向から見ると、長手方向と短手方向とを有する形状をなしている。図4(b)に示す状態においては、クラッチ40の径方向が転動体44の長手方向となり、クラッチ40の周方向が同転動体44の短手方向となっている。そして、各転動体44は、駆動側回転体42の回転方向X1(クラッチ40の周方向に同じ。以下、回転方向X1とする)の両側に平面状をなす第1及び第2の対向面71a,71bを有する。更に、各転動体44は、クラッチ40の径方向の両側に第1及び第2の円弧面72a,72bを有する。本実施形態の各転動体44の外周面は、これら第1及び第2の対向面71a,71bと第1及び第2の円弧面72a,72bとから構成されている。
図5に示すように、各転動体44において、第1及び第2の対向面71a,71bは、それぞれ中心軸線L3と平行をなすとともに、互いに平行をなしている。また、各転動体44において、第1及び第2の円弧面72a,72bは、軸方向から見て、中心軸線L3を曲率中心とする円弧状をなしており、本実施形態では、互いに曲率が等しくなっている。更に、第1及び第2の円弧面72a,72bは、中心軸線L3に対しては傾斜することなく平行に形成されている。そして、各転動体44において、径方向外側に位置する第1の円弧面72aは、クラッチハウジング41の円筒状の内周面41cと径方向に対向し、同内周面41cに接触可能である。一方、各転動体44において、径方向内側に位置する第2の円弧面72bは、従動側回転体45と径方向に対向し、同従動側回転体45に接触可能である。なお、各転動体44における軸方向の両端面は、第1及び第2の対向面71a,71bと直角をなす平面状をなしている(図4(a)参照)。
図3、図4(a)及び図4(b)に示すように、各前記転動体保持部62は、リング部61から径方向内側に向かって延びる軸方向支持部63を有している。軸方向支持部63は、転動体44と軸方向に対向している。また、各転動体保持部62は、軸方向支持部63の周方向の両端部から軸方向(中心軸線L1,L2方向)に沿ってリング部61と反対側(図4(a)において下方)に延出された一対のローラサポート64a,64b(対向部)を有する。各転動体保持部62において、対をなすローラサポート64a,64bは、回転方向X1において転動体44の両側に位置し、当該転動体44を中心軸線L3が中心軸線L1と平行をなすように回転方向X1の両側から保持している。なお、各転動体保持部62の対をなすローラサポート64a,64bについて、クラッチ40をモータ部20側から軸方向に見て(即ち図6(a)に示す状態)、転動体44に対して反時計方向側に位置するローラサポートを第1ローラサポート64aとし、転動体44に対して時計方向側に位置するローラサポートを第2ローラサポート64bとする。
また、サポート部材43は、一方の転動体保持部62の第1ローラサポート64aの先端部と他方の転動体保持部62の第2ローラサポート64bの先端部とを互いに連結する連結部66を有する。連結部66は、軸方向視で中心軸線L1,L2を中心とする円弧状をなしている。また、各ローラサポート64a,64bの先端部には、対をなす第1及び第2ローラサポート64a,64b間に突出した保持爪67が設けられている。各保持爪67は、転動体44における軸方向の一端面に軸方向から当接し、転動体保持部62からの転動体44の軸方向の脱落を防止する。
また、図4(b)及び図5に示すように、各転動体保持部62において、対をなすローラサポート64a,64bは、回転方向X1に互いに対向する側面にそれぞれ第1及び第2の当接面68a,68bを有する。第1ローラサポート64aに設けられた第1の当接面68aは、中心軸線L1,L2と平行をなす平面状をなしており、対をなすローラサポート64a,64bの間に配置された転動体44の第1の対向面71aと対向している。また、第2ローラサポート64bに設けられた第2の当接面68bは、第1の当接面68aと同様に中心軸線L1,L2と平行をなす平面状をなしており、対をなすローラサポート64a,64bの間に配置された転動体44の第2の対向面71bと対向している。そして、回転方向X1に対向する第1及び第2の対向面71a,71bは、互いに平行をなしている。また、第1及び第2の当接面68a,68bの軸方向の長さは、転動体44の軸方向の長さ(第1及び第2の対向面71a,71bの軸方向の長さ)よりも長い。また、第1及び第2の当接面68a,68bにおけるクラッチ40の径方向の幅は、第1及び第2の対向面71a,71bにおけるクラッチ40の径方向の幅以上の幅となっている。
また、各転動体44の最大外径(即ち、軸方向視における転動体44の長手方向の幅)D1は、各転動体保持部62における第1の当接面68aと第2の当接面68bとの間の距離D2よりも長い。更に、各転動体保持部62における距離D2は、各転動体44における回転方向X1の幅D3(本実施形態では、第1の対向面71aと第2の対向面71bとの間の長さであって、軸方向視における転動体44の短手方向の幅)よりも長い。そのため、対をなすローラサポート64a,64bと、当該対をなすローラサポート64a,64bの間に配置された転動体44との間には、中心軸線L3回りの転動体44の回転範囲を決定する許容隙間G1が設けられている。これらのことから、各転動体44は、対をなすローラサポート64a,64bによって中心軸線L3回りの回転が制限される。
そして、図5に示すように、モータ部20側から軸方向に見て、対をなすローラサポート64a,64bの間で転動体44がその中心軸線L3回りに反時計方向に回転すると、一点鎖線で図示したように、同転動体44は、第1の対向面71aにおける第1の円弧面72a側の端部が第1の当接面68aに当接する。更に、同転動体44は、第2の対向面71bにおける第2の円弧面72b側の端部が第2の当接面68bに当接する。一方、モータ部20側から軸方向に見て、対をなすローラサポート64a,64bの間で転動体44がその中心軸線L3回りに時計方向に回転すると、二点鎖線で図示したように、同転動体44は、第1の対向面71aにおける第2の円弧面72b側の端部が第1の当接面68aに当接する。更に、同転動体44は、第2の対向面71bにおける第1の円弧面72a側の端部が第2の当接面68bに当接する。このように、対をなすローラサポート64a,64bによって転動体44の中心軸線L3回りの回転が制限されることにより、転動体44の外周面において、クラッチハウジング41の内周面41cと摺接可能な摺接範囲A1が決定される。
図2及び図6(a)に示すように、上記構成のサポート部材43によって保持されることにより、2つの転動体44は、回転方向X1において等角度間隔(本実施形態では180°間隔)に配置されている。また、転動体44を保持した各ローラサポート64a,64bは、クラッチハウジング41の内側に挿入されて配置されているため、各転動体44は、クラッチハウジング41の内側で同クラッチハウジング41と径方向に対向する。更に、転動体44は、その第1の円弧面72aにおける前記摺接範囲A1(図5参照)に該当する部分が、対をなすローラサポート64a,64bの間からクラッチハウジング41の内周面41cに接触可能である。なお、サポート部材43は、クラッチハウジング41に対して回転方向X1に相対回転可能である。
また、前記駆動側回転体42の各転動体解除部57は、サポート部材43のリング部61の内周側を通ってクラッチハウジング41の内側に挿入されている。更に、各転動体解除部57は、2つの転動体保持部62の間にそれぞれ配置され、各転動体保持部62と周方向に隣り合っている。そのため、各転動体解除部57における回転方向X1の両端部(各弾性部58)は、一方の転動体保持部62の第1ローラサポート64a及び他方の転動体保持部62の第2ローラサポート64bとそれぞれ回転方向X1に対向している。そして、サポート部材43と駆動側回転体42とは回転方向X1に相対回転可能であり、駆動側回転体42が回転すると、各転動体解除部57は、回転方向の前方側に位置するローラサポート64a,64bに当接するようになっている。
図2及び図3に示すように、前記従動側回転体45は、ウォーム軸34の基端部(図2において上側の端部)に一体に形成されており、金属製である。従動側回転体45は、軸方向に並設された制御部81及び従動側連結部82を備えている。なお、従動側連結部82は、制御部81の基端側(図2において上側)に設けられている。
制御部81は、ウォーム軸34に一体に形成されるとともに、ウォーム軸34の軸方向に延びる柱状をなしている。そして、制御部81は、その中心軸線がウォーム軸34の中心軸線L2と一致しており、ウォーム軸34と同軸上に形成されている。また、図6(a)に示すように、中心軸線L2方向から見ると、制御部81は、ウォーム軸34の中心軸線L2を対称中心とする点対称形状をなしている。
制御部81の外周面には、一対の制御面83が形成されている。各制御面83は、制御部81の外周面において周方向に等角度間隔(本実施形態では180°間隔)となる2箇所に形成されている。そして、各制御面83は、軸方向に平行、且つ、従動側回転体45の径方向に対して直交する平面状をなしている。更に、一対の制御面83は、互いに平行をなすとともに、各制御面83の軸方向の長さは、前記転動体44の軸方向の長さよりも長い。
図2及び図6(b)に示すように、従動側連結部82は、ウォーム軸34の軸方向に延びる柱状をなしている。従動側連結部82の中心軸線はウォーム軸34の中心軸線L2と一致しており、ウォーム軸34と同軸上に形成されている。また、従動側連結部82は、前記従動軸挿入孔54よりも若干細く形成されている。そして、従動側連結部82は、軸方向と直交する断面形状が略楕円形状をなすとともに、その断面形状は軸方向に一定となっている。また、軸方向視において、従動側連結部82の長手方向は、制御面83と平行な方向であるとともに、同従動側連結部82の短手方向は、制御面83と直交する方向となっている(図6(a)も参照)。なお、図6(b)に示すように、中心軸線L2方向から見ると、従動側連結部82は、ウォーム軸34の中心軸線L2を対称中心とする点対称形状をなしている。
従動側連結部82の外周面には、一対の第1従動側伝達面84及び一対の第2従動側伝達面85が形成されている。対をなす2つの第1従動側伝達面84のうち、一方の第1従動側伝達面84は、他方の第1従動側伝達面84に対して180°反対側に形成されている。そして、2つの第1従動側伝達面84は、それぞれ軸方向と平行な平面状をなすとともに、互いに平行をなしている。また、2つの第1従動側伝達面84の間の間隔は、駆動側回転体42の従動軸挿入孔54に設けられた一対の駆動側伝達面54aの間の間隔と等しく形成されている。
第2従動側伝達面85は、2つの第1従動側伝達面84の間にそれぞれ形成されるとともに、一方の第2従動側伝達面85は、他方の第2従動側伝達面85に対して180°反対側に形成されている。2つの第2従動側伝達面85は、それぞれ軸方向と平行な平面状をなすとともに、互いに平行をなしている。また、2つの第2従動側伝達面85の間の間隔は、駆動側回転体42の従動軸挿入孔54に設けられた一対の駆動側伝達面54a間の間隔と等しく形成されている。そして、第1従動側伝達面84及び第2従動側伝達面85は、軸方向には、従動側連結部82の軸方向の一端から他端に亘って形成されている。
図2に示すように、上記のような従動側回転体45は、駆動側回転体42とは反対側からクラッチハウジング41及びサポート部材43の内側に挿入されている。そして、従動側回転体45は、クラッチハウジング41、駆動側回転体42及びサポート部材43と同軸上に配置されている。
また、図6(b)に示すように、従動側連結部82は、駆動側回転体42と一体回転可能に従動軸挿入孔54に遊嵌されている。従動軸挿入孔54に遊嵌された従動側連結部82の外周面と従動軸挿入孔54の内周面との間には、第1及び第2弾性部材55,56が介在されている。詳しくは、一対の第2弾性部材56は、従動側連結部82の軸方向視における長手方向両端部と接触している。また、4つの第1弾性部材55は、2つの第1従動側伝達面84及び2つの第2従動側伝達面85と駆動側伝達面54aとの間にそれぞれ介在されている。
そして、従動側回転体45に対して駆動側回転体42が中心軸線回りに回転すると、駆動側伝達面54aは、第1弾性部材55を弾性変形させつつ、第1及び第2従動側伝達面84,85のいずれかに対して回転方向に当接する。これにより、駆動側回転体42と従動側回転体45とが回転方向に係合されて駆動側回転体42の回転駆動力が従動側回転体45に伝達されるようになる。
また、図6(a)に示すように、従動側回転体45の制御部81は、各制御面83とクラッチハウジング41の内周面41cとの間にそれぞれ転動体44が介在されるようにサポート部材43の内側に挿入されており、クラッチハウジング41及び各転動体44と径方向に対向している。即ち、サポート部材43は、クラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45の各制御面83との間に転動体44を保持している。
そして、各制御面83は、クラッチハウジング41の内周面41cとの間の距離(制御面83と直交する方向の間隔)が、従動側回転体45の回転方向に変化する。本実施形態では、制御面83とクラッチハウジング41の内周面41cとの間の距離は、各制御面83の周方向の中央において最も長く、各制御面83の周方向の中央から周方向の両端に向かうに連れて徐々に短くなる。また、各制御面83の周方向の中央とクラッチハウジング41の内周面41cとの間の距離は、転動体44の最大外径D1(図5参照)よりも長く、且つ、各制御面83の周方向端部とクラッチハウジング41の内周面41cとの間の距離は、転動体44の最大外径D1よりも短い。
また、図5に示すように、本実施形態のクラッチ40においては、クラッチハウジング41の内周面41cにグリスGRが塗布されている。グリスGRは、クラッチハウジング41の内周面41cと転動体44の第1の円弧面72aとの間の空間にも充填されるように配置されている。このグリスGRには、回転軸24の非回転駆動時(即ち駆動側回転体42の非回転駆動時)にクラッチハウジング41の内周面41cと転動体44との間の摺動摩擦を増大させる作用がある。なお、図5以外の図においては、グリスGRの図示を省略している。
次に、上記のように構成されたモータ10の動作を、クラッチ40の動作を中心に、その作用とともに説明する。
図2及び図7(a)に示すように、モータ部20に通電されることによりモータ部20が駆動されると、回転軸24と共に駆動側回転体42が回転する。即ち、駆動側回転体42が回転駆動される。なお、図7(a)及び図7(b)は、駆動側回転体42が第1の方向R1に回転駆動される場合を図示している。そして、図7(a)に示すように、駆動側回転体42の第1の方向R1の回転に伴って、同駆動側回転体42の各転動体解除部57における回転方向前方側の周方向端部(弾性部58)が、各転動体保持部62の第1ローラサポート64aに回転方向に当接し、該第1ローラサポート64a及び転動体44を第1の方向R1に押圧する。これにより、各転動体44が、従動側回転体45の各制御面83の周方向の中央部に配置される。つまり、転動体44が制御面83とクラッチハウジング41との間に挟持されない(即ち従動側回転体45の回転の妨げとならない)ロック解除状態になる。
そして、そのロック解除状態において、図7(b)に示すように、駆動側回転体42の各駆動側伝達面54aが、従動側連結部82の各第2従動側伝達面85に第1の方向R1から当接することで、駆動側回転体42と従動側回転体45とが一体回転可能に回転方向X1に連結される。これにより、駆動側回転体42(回転軸24)の回転駆動力が従動側回転体45(ウォーム軸34)に伝達されて回転軸24とウォーム軸34とが第1の方向R1に一体回転する。
なお、このとき、図5及び図7(a)に示すように、サポート部材43及び各転動体44は、各第1ローラサポート64aが各転動体解除部57に第1の方向R1に押されることで、駆動側回転体42及び従動側回転体45と共に駆動側回転体42の回転軸線(中心軸線L1に同じ)回りに回転する。そして、各転動体44は、クラッチハウジング41の内周面41cとの間の摩擦力により、対をなすローラサポート64a,64bの間でサポート部材43の回転方向とは反対方向にその中心軸線L3回りに回転しようとする。各転動体44は、各々を保持するローラサポート64a,64bとの間の許容隙間G1によって許容された分だけその中心軸線L3回りに回転すると、各転動体44における回転方向X1の両側でローラサポート64a,64bに当接する。本実施形態では、駆動側回転体42が第1の方向R1に回転すると、各転動体44は、第1の対向面71aにおける第1の円弧面72a側の端部が第1の当接面68aに当接するとともに、第2の対向面71bにおける第2の円弧面72b側の端部が第2の当接面68bに当接する。これにより、各転動体44は、サポート部材43によって中心軸線L3回りの回転が制限される。そのため、各転動体44は、駆動側回転体42の回転駆動時に駆動側回転体42と共に同駆動側回転体42の回転軸線回りに回転する場合であっても、各転動体44の中心軸線L3回りには、サポート部材43によって許容された範囲内でしか回転しない。
そして、ウォーム軸34の第1の方向R1の回転は、ウォームホイール37との間で減速されながら出力軸38に伝達されて、同出力軸38から出力される。すると、出力軸38の回転方向に応じて図示しないウインドレギュレータを介して車両のウインドガラスが昇降される。そして、モータ部20への通電が停止されると、回転軸24の回転駆動、即ち駆動側回転体42の回転駆動が停止される。
図8(a)及び図8(b)に示すように、モータ部20の駆動が停止された状態、即ち回転軸24(駆動側回転体42)の非回転駆動時には、負荷側(本実施形態ではウインドレギュレータ側)から出力軸38に荷重がかかると、その荷重により従動側回転体45が回転しようとする。なお、図8(a)及び図8(b)には、従動側回転体45が第2の方向R2に回転しようとした場合を図示している。すると、従動側回転体45の各制御面83が、各制御面83とクラッチハウジング41の内周面41cとの間に配置された転動体44を外周側に押圧する。制御面83に押された転動体44は、対をなすローラサポート64a,64bの間で第1の円弧面72aがクラッチハウジング41の内周面41cに当接するとともに、制御面83における同制御面83の周方向の中央よりも周方向の端部(制御面83における第2の方向R2の後方側の端部)寄りの部分に第2の円弧面72bが当接する。そして、各転動体44は、制御面83における第2の方向R2の後方側の端部寄りの部分とクラッチハウジング41の内周面41cとの間に挟持される。これにより、転動体44がくさびとなって、従動側回転体45の回転(第2の方向R2への回転)が阻止(即ちウォーム軸34の回転がロック)される。従って、回転軸24(駆動側回転体42)の非回転駆動時に出力軸38が回転されることが阻止される。なお、従動側回転体45がロック位置(クラッチハウジング41との間に転動体44を挟持する位置)に配置された状態(図8(a)に示す状態)では、図8(b)に示すように、従動側連結部82の各第2従動側伝達面85は、駆動側回転体42の各駆動側伝達面54aに回転方向(第2の方向R2)に接触しないようになっている。
因みに、モータ部20(駆動側回転体42)の非駆動時に、従動側回転体45が第1の方向R1に回転しようとした場合においても同様にして、従動側回転体45の回転が阻止される。即ち、各転動体44が、制御面83における第1の方向R1の後方側の端部寄りの部分とクラッチハウジング41の内周面41cとの間に挟持されることにより、各転動体44がくさびとなって、従動側回転体45の回転(第1の方向R1への回転)が阻止(即ちウォーム軸34の回転がロック)される。
また、図2、図9(a)及び図9(b)に示すように、モータ部20の駆動により、回転軸24と共に駆動側回転体42が第2の方向R2に回転する場合には、各部材の回転方向は反対となるが、駆動側回転体42が第1の方向R1に回転する場合(図7参照)と同様の動作で、クラッチ40が回転軸24とウォーム軸34とを連結する。即ち、駆動側回転体42の第2の方向R2の回転に伴って、同駆動側回転体42の各転動体解除部57における回転方向前方側の周方向端部(弾性部58)が、各転動体保持部62の第2ローラサポート64bに回転方向に当接して、該第2ローラサポート64b及び転動体44を第2の方向R2に押圧する。これにより、各転動体44が、従動側回転体45の各制御面83の周方向の中央部に配置され、制御面83とクラッチハウジング41との間に挟持されないロック解除状態とされる。そのロック解除状態において、駆動側回転体42の各駆動側伝達面54aが、従動側連結部82の各第1従動側伝達面84に第2の方向R2から当接することで、駆動側回転体42(回転軸24)の回転駆動力が従動側回転体45(ウォーム軸34)に伝達されて回転軸24とウォーム軸34とが第2の方向R2に一体回転する。
なお、このとき、図5及び図9(a)に示すように、サポート部材43及び各転動体44は、各第2ローラサポート64bが各転動体解除部57に第2の方向R2に押されることで、駆動側回転体42及び従動側回転体45と共に駆動側回転体42の回転軸線回りに回転する。そして、各転動体44は、クラッチハウジング41の内周面41cとの間の摩擦力により、対をなすローラサポート64a,64bの間でサポート部材43の回転方向とは反対方向にその中心軸線L3回りに回転しようとする。各転動体44は、各々を保持するローラサポート64a,64bとの間の許容隙間G1によって許容された分だけその中心軸線L3回りに回転すると、各転動体44における回転方向X1の両側でローラサポート64a,64bに当接する。本実施形態では、駆動側回転体42が第2の方向R2に回転すると、各転動体44は、第1の対向面71aにおける第2の円弧面72b側の端部が第1の当接面68aに当接するとともに、第2の対向面71bにおける第1の円弧面72a側の端部が第2の当接面68bに当接する。これにより、各転動体44は、サポート部材43によって中心軸線L3回りの回転が制限される。そのため、各転動体44は、駆動側回転体42の回転駆動時に駆動側回転体42と共に同駆動側回転体42の回転軸線回りに回転する場合であっても、各転動体44の中心軸線L3回りには、サポート部材43によって許容された範囲内でしか回転しない。
そして、ウォーム軸34の第2の方向R2の回転が出力軸38に伝達されて同出力軸38から出力されると、出力軸38の回転方向に応じて図示しないウインドレギュレータを介して車両のウインドガラスが昇降される。そして、モータ部20への通電が停止されると、回転軸24の回転駆動、即ち駆動側回転体42の回転駆動が停止される。モータ部20の駆動が停止された後には、上記したように、転動体44がくさびとなって従動側回転体45の回転が阻止(即ちウォーム軸34の回転がロック)されることにより、出力軸38が回転されることが阻止される(図8(a)参照)。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)各転動体44は、サポート部材43によって各転動体44の中心軸線L3回りの回転が制限される。そのため、各転動体44は、駆動側回転体42の回転駆動時に駆動側回転体42と共に同駆動側回転体42の回転軸線回りに回転する場合であっても、各転動体44の中心軸線L3回りには、サポート部材43によって許容された範囲内でしか回転しない。従って、各転動体44がその中心軸線L3回りに回転することによるグリスGRの飛散が抑制されるため、クラッチハウジング41の内周面41cと各転動体44との間のグリスGRが不足することを抑制することができる。その結果、駆動側回転体42の回転駆動が停止されたときに、各転動体44が、クラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45の制御面83との間のくさびとなり難くなることを抑制することができる。
(2)各転動体44は、各転動体44と回転方向X1に対向するローラサポート64a,64bとの間に設けられた許容隙間G1の分だけ各転動体44の中心軸線L3回りに回転すると、各転動体44の回転方向からローラサポート64a,64bに当接する。これにより、各転動体44は、各転動体44の中心軸線L3回りのそれ以上の回転がローラサポート64a,64bによって阻止される。従って、各転動体44が各転動体44の中心軸線L3回りに回転することによるグリスGRの飛散を、簡単な構成で抑制することができる。その結果、クラッチハウジング41の内周面41cと各転動体44との間のグリスGRが不足することを容易に抑制することができる。
また、各転動体44は、各転動体44とローラサポート64a,64bとの間に許容隙間G1が設けられることにより決定された回転範囲内で、各転動体44の中心軸線L3回りに回転することができる。即ち、クラッチハウジング41の内周面41cに対する各転動体44の姿勢を中心軸線L3回りに変化させることができる。そして、回転範囲内での各転動体44の中心軸線L3回りの回転に伴って各転動体44とクラッチハウジング41の内周面41cとの間にグリスGRが移動されるため、各転動体44においてクラッチハウジング41の内周面41cに接触する部分にグリスGRを供給することができる。従って、クラッチハウジング41の内周面41cと各転動体44との間のグリスGRが不足することをより抑制することができる。
(3)各転動体44は、各転動体44の中心軸線L3回りに許容隙間G1によって許容された分だけ回転すると、各転動体44における回転方向X1の両側でそれぞれローラサポート64a,64bに当接する。従って、ローラサポート64a,64bに当接した転動体44は、ローラサポート64a,64bに当接した姿勢をより安定して維持することができる。その結果、駆動側回転体42の回転駆動時に、クラッチ40において騒音が発生することを抑制できる。
(4)各転動体44は、各転動体44における回転方向X1の両側にローラサポート64a,64bと回転方向X1に対向する平面状の第1及び第2の対向面71a,71bを有する。そのため、各転動体44と、各転動体44を保持するローラサポート64a,64bとの間に設けられる許容隙間G1の設定が容易となる。また、各転動体44の形状が複雑化されることが抑制されるため、各転動体44を容易に製造することができる。
(5)駆動側回転体42の回転駆動の開始時には、駆動側回転体42の回転駆動力が転動体解除部57からローラサポート64a,64bに伝達され、更にローラサポート64a,64bから転動体44に伝達される。このとき、駆動側回転体42から回転駆動力が伝達されたローラサポート64a、64bは、第1の当接面68aもしくは第2の当接面68bを転動体44の第1の対向面71aもしくは第2の対向面71bに面接触させることにより、転動体44に対して回転駆動力を効率よく伝達することができる。従って、クラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45とによる転動体44の挟持を容易に解除することができる。
(6)モータ10においては、クラッチハウジング41の内周面41cと各転動体44との間のグリスGRが不足することが抑制されたクラッチ40を介して、回転軸24とウォーム軸34とが連結されている。従って、回転軸24の非回転駆動時に、ウォーム軸34側から回転軸24が回転されることがより抑制される。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・転動体44は、同転動体44の外周面における摺接範囲A1に開口しグリスGRを収容するグリス収容凹部を有するものであってもよい。なお、グリス収容凹部は、摺接範囲A1において転動体44の外周面が残るように形成されるものであり、摺接範囲A1の全体に亘っては形成されない。
例えば、図10(a)及び図10(b)に示す転動体44は、転動体44の軸方向の一端部(ローラサポート64a,64bの基端側の端部)にグリス収容凹部75を有する。グリス収容凹部75は、転動体44の軸方向の一方側と同転動体44の径方向外側(クラッチハウジング41側)に開口している。なお、図10(b)では、摺接範囲A1にドットを付している。
また例えば、図11(a)及び図11(b)に示す転動体44は、転動体44の軸方向の他端部(ローラサポート64a,64bの先端側の端部)にグリス収容凹部76を有する。グリス収容凹部76は、転動体44の軸方向の他方側と同転動体44の径方向外側(クラッチハウジング41側)に開口している。
そして、図12(a)及び図12(b)に示すように、転動体44は、軸方向の両端部にグリス収容凹部75,76を有するものであってもよい。
また例えば、図13(a)及び図13(b)に示す転動体44は、軸方向の中央部にグリス収容凹部77を有する。グリス収容凹部77は、転動体44の第1の円弧面72aにおける摺接範囲A1に該当する部分から第1の円弧面72aの径方向に凹設されている。
そして、図14(a)及び図14(b)に示すように、転動体44は、軸方向の両端部にグリス収容凹部75,76を有し、更に、軸方向の中央部にグリス収容凹部77を有するものであってもよい。
なお、図10乃至図14に示す例では、グリス収容凹部75,76,77は、何れも第1の円弧面72aの径方向から見た形状が矩形状をなしているが、これに限らず、円形状、多角形状等であってもよい。また、転動体44は、摺接範囲A1に開口するグリス収容凹部を4個以上備えていてもよい。
このようにすると、転動体44に設けられたグリス収容凹部75,76,77は、クラッチハウジング41の内周面41cと摺接可能な摺接範囲A1に開口している。そのため、グリス収容凹部75,76,77に収容されたグリスGRが、転動体44の回転に伴ってクラッチハウジング41の内周面41cの方へ引き出されて転動体44とクラッチハウジング41の内周面41cとの間に供給される。従って、クラッチハウジング41の内周面41cと転動体44との間のグリスGRが不足することを更に抑制することができる。その結果、駆動側回転体42の回転駆動が停止されたときに、転動体44が、クラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45の制御面83との間のくさびとなり難くなることを更に抑制することができる。
・転動体44は、サポート部材43によって同転動体44の中心軸線L3回りの回転が制限されるものである。そのため、当該転動体44の外周面において、クラッチハウジング41の内周面41cに接触可能な部分と、従動側回転体45の制御面83に接触可能な部分との曲率を異ならせることができる。そこで、上記実施形態では、各転動体44において第1の円弧面72aと第2の円弧面72bとは、同じ曲率であるが、異なる曲率であってもよい。
例えば、図15に示すように、従動側回転体45の制御面83に接触する第2の円弧面72cを、クラッチハウジング41の内周面41cに接触する第1の円弧面72aよりも曲率の小さい円弧状としてもよい。このようにすると、クラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45の制御面83とが転動体44をくさびとして挟持するときのくさび角θ1を、転動体44の外周面全体が第1の円弧面72aの曲率である場合(即ち円筒状をなす場合)に比べて小さくすることができる。すると、駆動側回転体42の回転駆動が停止されたときに、クラッチハウジング41の内周面41cと制御面83との間に転動体44を挟持するまでに従動側回転体45が回転する角度である空走角θ2が、転動体44の外周面全体が第1の円弧面72aの曲率である場合に比べて小さくなる。そのため、駆動側回転体42の非回転駆動時に従動側回転体45が回転しようとしたときに、転動体44の外周面全体が第1の円弧面72aの曲率である場合に比べて従動側回転体45の回転速度がより小さい段階で従動側回転体45とクラッチハウジング41とによって転動体44を挟持することができる。従って、従動側回転体45側から回転しようとしたときに、より早い段階で従動側回転体45とクラッチハウジング41とによって転動体44を挟持することができるため、駆動側回転体42の回転駆動が停止されたときに従動側回転体45の回転を素早く阻止することができる。
・図16(a)及び図16(b)に示すように、サポート部材43は、駆動側回転体42の非回転駆動時に、その中心軸線L3回りに回転しようとする転動体44によってローラサポート64a,64bが押圧されることにより径方向外側に移動されてクラッチハウジング41の内周面41cに当接する当接部69を有するものであってもよい。詳述すると、サポート部材43において、転動体保持部62の周方向(回転方向X1)の両側には、連結部66の径方向外側の側面から径方向外側(クラッチハウジング41側)に突出した当接部69がそれぞれ設けられている。当接部69は、転動体44がクラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45の制御面83とによって挟持されていないとき(例えば図16(a)に示す状態のとき)には、クラッチハウジング41の内周面41cから離間した位置に位置する。そして、図16(b)に示すように、駆動側回転体42の非回転駆動時に従動側回転体45が回転しようとすると、従動側回転体45とクラッチハウジング41とによって転動体44が挟持されるまでの間に、従動側回転体45との間の摩擦力により転動体44がその中心軸線L3回りに回転される。図16(b)には、従動側回転体45が第2の方向R2に回転しようとした状態を図示している。すると、転動体44は、その最大外径D1がローラサポート64a,64bの間の距離D2より長いため、中心軸線L3回りに回転することでローラサポート64a,64bに中心軸線L3回りの回転方向から当接した後に、更に、ローラサポート64a,64bを互いに離間する方向に押圧する。そして、対をなすローラサポート64a,64bは、互いに離間する方向に移動することにより、径方向外側に移動することになる。即ち、ローラサポート64a,64bは、中心軸線L3回りに回転した転動体44に押圧されることにより、径方向外側に移動されることになる。すると、サポート部材43が弾性変形して、ローラサポート64a,64bと一体に設けられた連結部66が径方向外側に移動され、その結果、当接部69が径方向外側に移動されてクラッチハウジング41の内周面41cに当接する。そのため、当接部69とクラッチハウジング41の内周面41cとの間で生じる摩擦力によっても、駆動側回転体42の回転方向X1に転動体44が移動することを抑制できる。従って、従動側回転体45とクラッチハウジング41の内周面41cとの間に転動体44をより挟持しやすくなるため、駆動側回転体42の非回転駆動時に従動側回転体45の回転をより阻止しやすくなる。また、出力軸38にかかる負荷がより大きくなった場合においても、転動体44とクラッチハウジング41の内周面41cとの間の摩擦力に加えて、当接部69とクラッチハウジング41の内周面41cとの間の摩擦力が従動側回転体45の回転を阻止するように作用するため、従動側回転体45の回転を阻止しやすい。
なお、駆動側回転体42の回転駆動の開始時に、クラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45とによる転動体44の挟持が解除されると、サポート部材43は原形に復帰するため、当接部69はクラッチハウジング41の内周面41cから離間する。
図16(a)及び図16(b)に示す例では、当接部69は、サポート部材43の連結部66から径方向外側に突出した形状をなしているが、当接部69の形状はこれに限らない。当接部は、駆動側回転体42の非回転駆動時に、その中心軸線L3回りに回転しようとする転動体44によってローラサポート64a,64bが径方向外側に移動されることにより径方向外側に移動されてクラッチハウジング41の内周面41cに当接するものであればよい。例えば、連結部66の外周面や、ローラサポート64a,64bの径方向外側の側面等が当接部となるように構成してもよい。
・上記実施形態では、ローラサポート64a,64bにおいて、中心軸線L3回りに回転した転動体44が当接する部分は、平面状の第1及び第2の当接面68a,68bとなっている。しかしながら、中心軸線L3回りに回転した転動体44が当接する第1及び第2の当接面68a,68bは、必ずしも平面状でなくてもよい。例えば、第1及び第2の当接面68a,68bは、軸方向から見て円弧状をなすものであってもよい。
・上記実施形態では、転動体44は、回転方向X1の両側に平面状の第1及び第2の対向面71a,71bを有する。しかしながら、転動体44において当該転動体44が中心軸線L3回りに回転したときにローラサポート64a,64bに当接する部分である第1及び第2の対向面71a,71bは、必ずしも平面状でなくてもよい。即ち、転動体44は、必ずしも二面幅形状をなすものでなくてもよい。転動体44は、軸方向から見た形状が長手方向と短手方向とを有する形状をなし、軸方向に延びる柱状をなすものであればよい。例えば、転動体44は、軸方向から見た形状が円弧状をなす第1及び第2の対向面71a,71bを有するものであってもよい(ただし、転動体44は、円柱状ではない)。また例えば、転動体44は、軸方向から見た形状が楕円状をなすものであってもよい。
・上記実施形態では、転動体44は、許容隙間G1によって許容された分だけ同転動体44の中心軸線L3回りに回転すると同転動体44における回転方向X1の両側でローラサポート64a,64bに当接する。しかしながら、転動体44は、許容隙間G1によって許容された分だけ同転動体44の中心軸線L3回りに回転すると同転動体44における回転方向X1の一方側でのみローラサポート64aもしくはローラサポート64bに当接するものであってもよい。この場合、転動体44は、例えば、円柱の外周の一部が平面状をなす形状(軸方向視略D形状)に形成される。
・上記実施形態では、対をなすローラサポート64a,64bと転動体44との間に許容隙間G1を設けることにより、転動体44の中心軸線L3回りの回転範囲を制限している。しかしながら、転動体44の中心軸線L3回りの回転が制限されるのであれば、必ずしもローラサポート64a,64bと転動体44との間に許容隙間G1を設けなくてもよい。例えば、転動体44の第1の対向面71aとローラサポート64aの第1の当接面68aとが常に当接し、且つ、転動体44の第2の対向面71bとローラサポート64bの第2の当接面68bとが常に当接した構成としてもよい。このようにすると、転動体44は、ローラサポート64a,64bによって、その中心軸線L3回りに回転しないようにその中心軸線L3回りの回転が制限される。このようにしても、転動体44がその中心軸線L3回りに回転することによるグリスGRの飛散が抑制されるため、クラッチハウジング41の内周面41cと各転動体44との間のグリスGRが不足することを抑制することができる。
・ローラサポート64a,64bについて、図17に示すように変更してもよい。対をなすローラサポート64a,64bの径方向外側部分には、クラッチハウジング41の内周面41cに沿って(駆動側回転体42の回転方向X1に沿って)転動体44を挟んで互いに向かい合うように延びる突出片64xがそれぞれ設けられ、各突出片64xにて転動体44の径方向外側等への移動が規制されている。各突出片64xの先端部は、図5等にて示す上記実施形態では鋭角の突起形状をなしているが、図17に示す例では、各突出片64xの先端部に先端面64yが設けられている。各先端面64yは、互いに平行な一平面、詳しくは回転軸24の中心軸線L1(ウォーム軸34の中心軸線L2)と転動体44の中心軸線L3とを結ぶ径方向直線に対してそれぞれ平行な一平面をなしている。
このようなローラサポート64a,64bの作用について、モータ部20の駆動により駆動側回転体42及びサポート部材43が第1の方向R1に回転する場合を代表として説明すると、駆動側回転体42に押される第1ローラサポート64aが同方向に向けて周回する。その際、ローラサポート64aの突出片64xがグリスGRを掻き分けるようにして進むが、突出片64xの先端部に設けた先端面64yにて、グリスGRにクラッチハウジング41の内周面41cに向かう流れが生じる(図17中、α矢印)。これにより、クラッチハウジング41の内周面41cと転動体44の第1の円弧面72aとの間にグリスGRが保持され易い状況となる。
また、突出片64xの先端部に先端面64yを設けることに伴い、突出片64xと転動体44の第1の円弧面72aとの間の隙間G2が小さい設定となれば、隙間G2へのグリスGRの逃げを抑制することが可能となる。またこのことは、上記したクラッチハウジング41の内周面41cに向かうグリスGRの流れを促進することにも繋がり、クラッチハウジング41の内周面41cと転動体44の第1の円弧面72aとの間にグリスGRを保持させ易い状況とすることに寄与する。
なお、各突出片64xの先端面64yの形状や向きは一例であり、適宜変更してもよい。例えば、先端面64yは一平面でなくてもよい。また、先端面64yは、上記した径方向直線に平行な面でなくても、上記したグリスGRの流れを生じさせることを可能とする駆動側回転体42の回転方向X1と交差する面であればよい。
・上記実施形態では、グリスGRは、クラッチハウジング41の内周面41cに塗布されている。しかしながら、グリスGRは、少なくともクラッチハウジング41の内周面41cと転動体44との間に配置されていれば、その配置位置は上記実施形態の位置に限らない。
・クラッチ40を構成するクラッチハウジング41、駆動側回転体42、サポート部材43、転動体44及び従動側回転体45の形状は、必ずしも上記実施形態の形状でなくてもよい。例えば、駆動側回転体42は、回転軸24と一体に形成されたものであってもよい。また例えば、従動側回転体45は、ウォーム軸34と別体に設けられて、同ウォーム軸34と一体回転可能に組み付けられるものであってもよい。また、転動体44は、2つに限らず、クラッチハウジング41の内周面41cと従動側回転体45との間に少なくとも1つ配置されていればよい。
・上記実施形態では、出力部30が備える減速機構32は、ウォーム軸34とウォームホイール37とから構成されているが、減速機構32が備える歯車の数は、適宜変更してもよい。また、減速機構32は、クラッチ40を介して回転軸24と連結される従動軸を有するのであれば、必ずしもウォーム減速機構でなくてもよい。また、出力部30は、クラッチ40を介して回転軸24と連結される従動軸を有し、回転軸24から伝達された回転を出力可能な構成であれば、必ずしも減速機構32を備えなくてもよい。
・上記実施形態では、モータ10は、パワーウインド装置の駆動源として用いられているが、他の装置の駆動源に用いられるものであってもよい。
・上記実施形態では、クラッチ40は、モータ10に備えられ、回転軸24と、減速機構32のウォーム軸34とを連結するものである。しかしながら、クラッチ40は、モータ10以外の装置に備えられ、回転駆動される回転軸と、回転軸の回転駆動力が伝達される従動軸とを連結するものであってもよい。
10…モータ、20…モータ部、24…回転軸、30…出力部、34…従動軸としてのウォーム軸、40…クラッチ、41…クラッチハウジング、41c…内周面、42…駆動側回転体、43…サポート部材、44…転動体、45…従動側回転体、57…転動体解除部、64a,64b…対向部としてのローラサポート、64x…突出片、64y…先端面、68a…当接面としての第1の当接面、68b…当接面としての第2の当接面、69…当接部、71a…対向面としての第1の対向面、71b…対向面としての第2の対向面、72a…第1の円弧面、72b,72c…第2の円弧面、75,76,77…グリス収容凹部、A1…摺接範囲、G1…許容隙間、GR…グリス、L3…転動体の中心軸線、X1…駆動側回転体の回転方向。

Claims (9)

  1. 環状のクラッチハウジングと、
    回転駆動される駆動側回転体と、
    少なくとも一部が前記クラッチハウジングの内側に配置され前記駆動側回転体から回転駆動力が伝達される従動側回転体と、
    前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に配置され、前記駆動側回転体の回転駆動時には前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることにより前記従動側回転体の回転を阻止する転動体と、
    前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に前記転動体を保持し前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転するサポート部材と、
    少なくとも前記クラッチハウジングの内周面と前記転動体との間に配置されたグリスと、
    を備えたクラッチであって、
    前記転動体は、前記サポート部材によって前記転動体の中心軸線回りの回転が制限されるものであり、
    前記サポート部材は、前記駆動側回転体の回転方向の両側において前記転動体と対向する第1及び第2対向部を有し、
    前記第1及び第2対向部と前記転動体との間にはそれぞれ、前記転動体の中心軸線回りの前記転動体の回転範囲を決定する許容隙間が設けられており、
    前記転動体は、前記許容隙間によって許容された分だけ前記転動体の中心軸線回りに回転すると、前記転動体における前記駆動側回転体の回転方向の一方側では前記第1対向部に当接するとともに、前記転動体における前記駆動側回転体の回転方向の他方側では前記第2対向部に当接し、該転動体が前記第1対向部と前記第2対向部の両方に当接することにより該転動体のそれ以上の回転が阻止されることを特徴とするクラッチ。
  2. 請求項1に記載のクラッチにおいて、
    前記第1及び第2対向部は、一の前記サポート部材が有することを特徴とするクラッチ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のクラッチにおいて、
    前記転動体は、前記転動体における前記駆動側回転体の回転方向の両側に、前記第1及び第2対向部と前記駆動側回転体の回転方向に対向する平面状の対向面を有することを特徴とするクラッチ。
  4. 請求項に記載のクラッチにおいて、
    前記駆動側回転体は、前記駆動側回転体の回転駆動時に前記駆動側回転体の回転駆動力を前記第1及び第2対向部のうち前記駆動側回転体の回転方向後方側の対向部に伝達する転動体解除部を有し、
    前記転動体は、前記駆動側回転体の回転駆動の開始時に前記対向部を介して前記転動体解除部に前記駆動側回転体の回転方向に押圧されることにより、前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体とによる挟持が解除され、
    前記対向部は、平面状をなし前記駆動側回転体の回転方向に前記対向面と面接触可能な当接面を有することを特徴とするクラッチ。
  5. 環状のクラッチハウジングと、
    回転駆動される駆動側回転体と、
    少なくとも一部が前記クラッチハウジングの内側に配置され前記駆動側回転体から回転駆動力が伝達される従動側回転体と、
    前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に配置され、前記駆動側回転体の回転駆動時には前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることにより前記従動側回転体の回転を阻止する転動体と、
    前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に前記転動体を保持し前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転するサポート部材と、
    少なくとも前記クラッチハウジングの内周面と前記転動体との間に配置されたグリスと、
    を備えたクラッチであって、
    前記転動体は、前記サポート部材によって前記転動体の中心軸線回りの回転が制限され、
    前記サポート部材は、前記駆動側回転体の回転方向に前記転動体と対向する対向部と、前記駆動側回転体の非回転駆動時に前記転動体の中心軸線回りに回転しようとする前記転動体によって前記対向部が押圧されることにより径方向外側に移動されて前記クラッチハウジングの内周面に当接する当接部とを有することを特徴とするクラッチ。
  6. 環状のクラッチハウジングと、
    回転駆動される駆動側回転体と、
    少なくとも一部が前記クラッチハウジングの内側に配置され前記駆動側回転体から回転駆動力が伝達される従動側回転体と、
    前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に配置され、前記駆動側回転体の回転駆動時には前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることにより前記従動側回転体の回転を阻止する転動体と、
    前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に前記転動体を保持し前記駆動側回転体と共に前記駆動側回転体の回転軸線回りに回転するサポート部材と、
    少なくとも前記クラッチハウジングの内周面と前記転動体との間に配置されたグリスと、
    を備えたクラッチであって、
    前記転動体は、前記サポート部材によって前記転動体の中心軸線回りの回転が制限され、
    前記サポート部材は、前記駆動側回転体の回転方向に前記転動体と対向する対向部を有し、前記対向部の径方向外側部分に前記転動体側に延びる突出片を有し、前記突出片の先端部に前記駆動側回転体の回転方向と交差する先端面を設けたことを特徴とするクラッチ。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記転動体は、前記転動体の外周面に、前記クラッチハウジングの内周面に接触可能な円弧状の第1の円弧面と、前記転動体の中心軸線方向から見て前記第1の円弧面よりも曲率の小さい円弧状をなし前記従動側回転体に接触可能な第2の円弧面とを有し、前記駆動側回転体の非回転駆動時には、前記第1の円弧面が前記クラッチハウジングの内周面に接触し、且つ前記第2の円弧面が前記従動側回転体に接触して前記クラッチハウジングの内周面と前記従動側回転体との間に挟持されることを特徴とするクラッチ。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記転動体は、前記転動体の外周面に、前記サポート部材によって許容された範囲内で前記転動体の中心軸線回りに回転することにより前記クラッチハウジングの内周面と摺接可能な摺接範囲を有するとともに、前記摺接範囲に開口し前記グリスを収容するグリス収容凹部を有することを特徴とするクラッチ。
  9. 回転駆動される回転軸を有するモータ部と、
    前記回転軸と一体回転する前記駆動側回転体を有する請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のクラッチと、
    前記従動側回転体と一体回転する従動軸を有し前記従動軸に伝達された回転駆動力を出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とするモータ。
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